JP2010187152A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】広帯域で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2面うちの一方の面に曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の他方の面に直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する位置を給電部としたスロットアンテナと、前記給電部に伝送手段を介して接続された無線通信回路と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信用のスロットアンテナを備えた電子機器に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、複写機、プリンタ装置等の電子機器に無線通信機能を持たせ、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を無線化した無線LANなどがオフィスや家庭などで普及している。
また、医療機器の分野においても、電子カルテシステムへの対応のためと、病院内の機器の移動のために、無線LAN対応が望まれている。
例えば、特許文献1には、アンテナ素子を構成し、そのアンテナ素子をノート型パソコンに設ける技術が記載されている。
また、特許文献2においても、アンテナ素子を構成し、そのアンテナ素子をノート型パソコンの蓋部の端面に配置し、無指向性を実現するアンテナを設ける技術が記載されている。
また、従来は、金属板にスロットを形成してアンテナとして機能せしめるスロット型のアンテナが知られている。例えば、特許文献4には、スロット型のボウタイアンテナにおいて、無給電素子を付加することにより比較的広帯域な特性が得られることが記載されている。
また、特許文献5には、略正方形状の給電スロットの互いに対向する面から、当該給電スロット内側に向けてインピーダンス整合用のスタブを給電線路に沿って設けることにより、広帯域特性を得る偏波アンテナ装置が記載されている。
さらに、特許文献6には、伝送線路を基準として左右対称となるような形状のスロットを組み合わせて形成し、スロットの形状が大きくなるほど伝送線路上のスロットの幅を大きくする、広帯域のスロット型のボウタイアンテナが記載されている。
特開2004−104333号公報 特開2003−318622号公報 特開2003−078345号公報 特開2004−349928号公報 特開2005−236672号公報
アンテナから送受信される電波は、そのアンテナの設置状況に応じて垂直偏波であるか水平偏波であるかが変わってくる。そこで、偏波によらず電波の送受信を行うために、電子機器に設置するアンテナは垂直偏波及び水平偏波の両方に対応したものであることが好ましい。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の発明では、アンテナの構造上、垂直偏波又は水平偏波のどちらか一方にのみ対応したアンテナであるため、1つのアンテナでは垂直偏波及び水平偏波の両方に対応することができず、垂直偏波及び水平偏波の両方に対応するためには、複数個のアンテナを設ける必要があるという問題がある。
また、アンテナ素子を別部品として製造し、電子機器の筐体に配置する必要があり、部品点数の増加、部品(アンテナ)取り付けの製造工数の増加が発生し、製造コストや信頼性に問題を発生している。
また、アンテナの無指向性を実現する場合、一般的にはXY平面(水平面)内だけを想定しているが、機器の配置、アンテナが設置された箇所の向きなどにより、XY平面内だけの無指向性であると、実際の電子機器の使用状態において無指向性を実現することができない問題がある。
ところで、近年は、電波の出力を絞る代わりに3.1G〜10.6GHz帯という広帯域を利用して高速通信を行うUWB(Ultra Wide Band)と呼ばれる技術が実用化されつつある。そして、このUWBの広帯域を利用したマルチバンドのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)では、伝送距離が3メートル以内なら速度は最大480Mbpsを実現するとされている。これにより、高精細の画像データや映像データを送受信することが可能になる。ただし、このような広帯域のアンテナを設計することは難しく、また、このような広帯域のアンテナを無指向性に設計することは更に難しい。
特許文献4や特許文献5に記載の発明は、得られるアンテナ装置の帯域特性がUWB用として用いることができるほどではないという問題があった。
また、特許文献6に記載の発明は、左右対称となるような形状のスロットの組み合わせに限定されているため、共振周波数が2つしか得られず広い周波数帯域でVSWR特性を低くすることができないという問題があった。
本発明の第一の目的は、広帯域のアンテナで水平偏波及び垂直偏波の両方に対応可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することである。
本発明の第二の目的は、広帯域のアンテナで水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ無指向性を実現可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することである。
すなわち、前記した課題は、以下に列記する各発明によって解決される。
(1)請求項1記載の発明は、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2面うちの一方の面に曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の他方の面に直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する位置を給電部としたスロットアンテナと、前記給電部に伝送手段を介して接続された無線通信回路と、を有することを特徴とする電子機器である。
(2)請求項2記載の発明は、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2面うちの一方の面に曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の他方の面に直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する位置を給電部とした第一スロットアンテナと、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレーム上で前記2面と直交する面を有し前記角部とは別の角部の直交する水平面と垂直面との2面うちの一方の面に曲線部を含むスロットが設けられ、該角部の他方の面に直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する位置を給電部とした第二スロットアンテナと、前記給電部に伝送手段を介して接続された無線通信回路と、を有することを特徴とする電子機器である。
(3)請求項3記載の発明は、前記電子機器の使用状態において、前記第二スロットアンテナが設けられる前記角部は、少なくとも、前記第一スロットアンテナが設けられた前記角部における前記2面と直交する面を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器である。
(4)請求項4記載の発明は、前記曲線部を含むスロットは前記給電部とされた部分を円弧上に有する半円形状であり、前記直線部で構成されたスロットは前記給電部とされた部分を平行短辺上に有する台形状である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器である。
(5)請求項5記載の発明は、前記曲線部を含むスロットは前記給電部とされた部分を円弧の端部に有する四分の一円形状であり、前記直線部で構成されたスロットは前記給電部とされた部分を平行短辺端部に有する台形状である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器である。
(6)請求項6記載の発明は、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2つの面にまたがるように曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の2つの面にまたがるように直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する(前記角部上の)位置を給電部としたスロットアンテナと、前記給電部に伝送手段を介して接続された無線通信回路と、を有することを特徴とする電子機器である。
(7)請求項7記載の発明は、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2つの面にまたがるように曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の2つの面にまたがるように直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する(前記角部上の)位置を給電部とした第一スロットアンテナと、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレーム上で前記2面と直交する面を有し前記角部とは別の角部の直交する2つの面にまたがるように曲線部を含むスロットが設けられ、該角部の2つの面にまたがるように直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する(前記角部上の)位置を給電部とした第二スロットアンテナと、前記給電部に伝送手段を介して接続された無線通信回路と、を有することを特徴とする電子機器である。
(8)請求項8記載の発明は、前記電子機器の使用状態において、前記第二スロットアンテナが設けられる前記角部は、少なくとも、前記第一スロットアンテナが設けられた前記角部における前記2面と直交する面を有する、ことを特徴とする請求項7に記載の電子機器である。
(9)請求項9記載の発明は、前記曲線部を含むスロットは前記給電部とされた部分を円弧上に有する半円形状であり、前記直線部で構成されたスロットは前記給電部とされた部分を平行短辺上に有する台形状である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器である。
(10)請求項10記載の発明は、前記電子機器は、医療機器であり、該医療機器のいずれかの角部に、前記スロットアンテナが配置されている、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子機器である。
(11)請求項11記載の発明は、前記電子機器は、事務用電子機器であり、該事務用電子機器の開閉可能な可動部の自由端の角部に、前記スロットアンテナが配置されている、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子機器である。
(1)この発明では、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2面うちの一方の面に曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の他方の面に直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する位置を給電部としたスロットアンテナを備えることで、伝送線路から給電された電流が給電部からスロットの形状に沿って伝送されて電波の送受信が行われ、水平面部分のスロットでは垂直偏波に対応でき、垂直面部分のスロットでは水平偏波に対応できる。
また、曲線部を含むスロットと直線部で構成されたスロットのように、スロットの形状は平面視形状の異なるものの組み合せであるので、送受信される電波の共振周波数もスロットの平面視形状に応じて異なることとなり、広帯域に対応することが可能になる。
また、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームそのものにスロットを設けることで、筐体そのものがアンテナとなるため、部品点数や取り付け工数の増加の発生させることがない。
この結果、広帯域で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
(2)この発明では、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する一方の面に曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の他方の面に直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する位置を給電部とした第一スロットアンテナと、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレーム上で前記2面と直交する面を有し前記角部とは別の角部の直交する一方の面に曲線部を含むスロットが設けられ、該角部の他方の面に直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する位置を給電部とした第二スロットアンテナと、を備えることで、伝送線路から給電された電流が給電部からスロットの形状に沿って伝送されて電波の送受信が行われ、Z軸方向のスロットではXY平面の無指向性の水平偏波に対応でき、X軸方向のスロットではZY平面の垂直偏波に対応でき、Y軸方向のスロットではXZ平面の垂直偏波に対応できる。
また、曲線部を含むスロットと直線部で構成されたスロットのように、スロットの形状は平面視形状の異なるものの組み合せであるので、送受信される電波の共振周波数もスロットの平面視形状に応じて異なることとなり、広帯域に対応することが可能になる。
また、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームそのものにスロットを設けることで、筐体そのものがアンテナとなるため、部品点数や取り付け工数の増加の発生させることがない。
この結果、最低限の素子で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ、各方向の無指向性を実現可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
(3)なお、以上の(2)の電子機器の発明では、該電子機器の使用状態において、第二スロットアンテナが設けられる角部は、少なくとも、第一スロットアンテナが設けられた角部における2面と直交する面を有するように構成されているため、機器使用状態において水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ各方向の無指向性を実現可能である。
(4)なお、以上の(1)〜(3)の電子機器の発明では、曲線部を含むスロットは給電部とされた部分を円弧上に有する半円形状であるため、伝送線路からの電流がスロットの両側縁に沿って弧状に流れやすい形状のスロットを金属板に設けることにより、インピーダンス整合がとりやすくなるため、スロットアンテナのリターンロスの低減が可能である。直線部で構成されたスロットは給電部とされた部分を平行短辺上に有する台形状であるため、当該辺部の長さ寸法を調整することによって容易かつ柔軟に入力インピーダンスの調整が可能である。
よって、スロットアンテナの特性の広帯域化が可能であるとともに、伝送線路のインピーダンスに応じた調整が容易である。この結果、最低限の素子で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ、各方向の無指向性を実現可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
(5)なお、以上の(1)〜(3)の電子機器の発明では、曲線部を含むスロットは前記給電部とされた部分を円弧の端部に有する四分の一円形状であり、伝送線路からの電流がスロットの両側縁に沿って弧状に流れやすい形状のスロットを金属板に設けることにより、インピーダンス整合がとりやすくなるため、スロットアンテナのリターンロスの低減が可能である。直線部で構成されたスロットは前記給電部とされた部分を平行短辺端部に有する台形状である、当該辺部の長さ寸法を調整することによって容易かつ柔軟に入力インピーダンスの調整が可能である。
よって、スロットアンテナの特性の広帯域化が可能であるとともに、伝送線路のインピーダンスに応じた調整が容易である。この結果、最低限の素子で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ、各方向の無指向性を実現可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
(6)この発明では、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する2つの面にまたがるように曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の2つの面にまたがるように直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する(前記角部上の)位置を給電部としたスロットアンテナを備えることで、伝送線路から給電された電流が給電部からスロットの形状に沿って伝送されて電波の送受信が行われ、スロットの水平面部分では垂直偏波に対応でき、スロットの垂直面部分では水平偏波に対応できる。
また、曲線部を含むスロットと直線部で構成されたスロットのように、スロットの形状は平面視形状の異なるものの組み合せであるので、送受信される電波の共振周波数もスロットの平面視形状に応じて異なることとなり、広帯域に対応することが可能になる。
また、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームそのものにスロットを設けることで、筐体そのものがアンテナとなるため、部品点数や取り付け工数の増加の発生させることがない。
この結果、広帯域で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
(7)この発明では、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する2つの面にまたがるように曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の2つの面にまたがるように直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する(前記角部上の)位置を給電部とした第一スロットアンテナと、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレーム上で前記2面と直交する面を有し前記角部とは別の角部の直交する2つの面にまたがるように曲線部を含むスロットが設けられ、該角部の2つの面にまたがるように直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する(前記角部上の)位置を給電部とした第二スロットアンテナと、を備えることで、伝送線路から給電された電流が給電部からスロットの形状に沿って伝送されて電波の送受信が行われ、スロットの水平面部分では垂直偏波に対応でき、スロットの垂直面部分では水平偏波に対応できる。
ここで、スロットのZ軸方向ではXY平面の無指向性の水平偏波に対応でき、スロットのX軸方向ではZY平面の垂直偏波に対応でき、スロットのY軸方向ではXZ平面の垂直偏波に対応できる。
また、曲線部を含むスロットと直線部で構成されたスロットのように、スロットの形状は平面視形状の異なるものの組み合せであるので、送受信される電波の共振周波数もスロットの平面視形状に応じて異なることとなり、広帯域に対応することが可能になる。
また、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームそのものにスロットを設けることで、筐体そのものがアンテナとなるため、部品点数や取り付け工数の増加の発生させることがない。
この結果、広帯域で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ、各方向の無指向性を実現可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
(8)なお、以上の(7)の電子機器では、該電子機器の使用状態において、第二スロットアンテナが設けられる角部は、少なくとも、第一スロットアンテナが設けられた角部における2面と直交する面を有するように構成されているため、機器使用状態において水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ各方向の無指向性を実現可能である。
(9)なお、以上の(7)〜(8)の電子機器の発明では、曲線部を含むスロットは給電部とされた部分を円弧上に有する半円形状であるため、伝送線路からの電流がスロットの両側縁に沿って弧状に流れやすい形状のスロットを金属板に設けることにより、インピーダンス整合がとりやすくなるため、スロットアンテナのリターンロスの低減が可能である。直線部で構成されたスロットは給電部とされた部分を平行短辺上に有する台形状であるため、当該辺部の長さ寸法を調整することによって容易かつ柔軟に入力インピーダンスの調整が可能である。
よって、スロットアンテナの特性の広帯域化が可能であるとともに、伝送線路のインピーダンスに応じた調整が容易である。この結果、最低限の素子で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ、各方向の無指向性を実現可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
(10)なお、以上の(1)〜(9)の電子機器は、医療機器であり、該医療機器において水平偏波及び垂直偏波の両方に対応可能になり、安定した通信を実現することが可能になる。
(11)なお、以上の(1)〜(9)の電子機器は、事務用電子機器であり、該事務用電子機器の使用時、すなわち、蓋やディスプレイなどが使用状態にされた際において水平偏波及び垂直偏波の両方に対応可能になり、使用時において安定した通信を実現することが可能になる。
第1実施形態に係る電子機器の概略構成を示す斜視図である。 第1実施形態におけるスロットアンテナを示す拡大図である。 第1実施形態におけるスロットアンテナ(折り曲げ前)を示す拡大図である。 第1実施形態におけるスロットアンテナの特性を示す特性図である。 第1実施形態におけるスロットアンテナの特性を示す特性図である。 第2実施形態に係る電子機器の概略構成を示す斜視図である。 第2実施形態におけるスロットアンテナを示す拡大図である。 第2実施形態におけるスロットアンテナの特性を示す特性図である。 第3実施形態に係る電子機器の概略構成を示す斜視図である。 第3実施形態におけるスロットアンテナの特性を示す特性図である。 第4実施形態に係る電子機器の概略構成を示す斜視図である。 第5実施形態におけるスロットアンテナを示す説明図である。 第5実施形態におけるスロットアンテナを示す特性図である。 第5実施形態におけるスロットアンテナを示す特性図である。 第6実施形態におけるスロットアンテナを示す説明図である。 第6実施形態におけるスロットアンテナを示す特性図である。 第6実施形態におけるスロットアンテナを示す特性図である。
以下に、本発明に係るスロットアンテナを備えた電子機器の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
〔第1実施形態〕
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態としての電子機器について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態では、電子機器の具体例として事務用電子機器、すなわちノート型パソコンを例示して説明する。
図1は、本実施形態に係る電子機器としてのノート型パソコン10を背面側からみた斜視図である。この図において、大地に垂直な方向をZ方向、大地に水平な方向をXY方向とする。また、この明細書内では、基本的に、ノート型パソコン10の利用者の使用時における左右方向をX方向、ノート型パソコン10の利用者の使用時における奥行き方向をY方向としている。
ノート型パソコン10は、電子回路やキーボードなどを有する装置本体部11と、ディスプレイを有する蓋部12とがヒンジ部13により連結され、該ヒンジ部13を介して2つに折りたたみできるように構成されている。
装置本体部11の上面には、文字や記号などの入力を行うためのキーボード14が備えられている。また、装置本体部11の内部には、無線通信回路、及び、ノート型パソコン10の各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)等が内蔵されている。
また、折りたたんだ際に蓋部12のキーボード14と対向する面には、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイが備えられており、CPUにより処理されたデータはディスプレイに出力表示される。
なお、この実施形態では、ノート型パソコン10の蓋部12は、導電性の筐体で構成されているものとする。あるいは、筐体表面が樹脂などの非導電性の部材である場合には、その内部に導電性のフレームが存在するものとする。
ここで、蓋部12の自由端の角部は、導電性筐体の側面の角部で直交する水平面と垂直面との2面であるものとし、該2面に設けられたスロットで構成されるL字状のスロットアンテナS1が形成されている。なお、図2は、以上のスロットアンテナS1を拡大して示す拡大図である。
図2に示すように、スロットアンテナS1は、ノート型パソコン10の使用状態(蓋部2が開かれた状態)において、導電性筐体の角部で直交する水平面と垂直面との2面に設けられたスロットで構成されるL字状のスロットアンテナであり、該スロットの中間部付近の2点に無線通信回路からの給電がなされるように構成されている。なお、この図2では、給電は筐体内側からなされるため、図示されていない。
そして、ここでは、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2面うちの一方の面(図1,図2では水平面)に曲線部を含むスロットが設けられている。この曲線部を含むスロットは、給電部とされた部分を円弧上に有する半円形状であることが望ましい。
また、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2面うちの他方の面(図1,図2では垂直面)に直線部で構成されたスロットが設けられている。この直線部で構成されたスロットは、給電部とされた部分を平行短辺上に有する台形状であることが望ましい。
なお、以上の曲線部を含む半円形状のスロットと直線部で構成された台形状のスロットは、水平面と垂直面とにおいて、図1,図2の例とは逆に配置されていても良い。
なお、ノート型パソコン10の蓋部12の筐体表面が樹脂などの非導電性の部材である場合には、その内部に存在する導電性のフレームに、図1や図2と同様なスロットアンテナS1配置されているとする。このように、機器の導電性筐体もしくは導電性フレームそのものにスロットを設けることで、筐体そのものがアンテナとなるため、部品点数や取り付け工数の増加の発生させることがない。
図3は、以上のように2面にわたってL字状に折り曲げられて配置されたスロットアンテナS1を、折り曲げずに、平面上に伸ばした状態で示す原理図である。
この図3に示すように、本実施形態のスロットアンテナS1には、平板状の金属層103が備えられている。この金属層103は、導電性の筐体、あるいは、導電性のフレームやシャーシなど、電子機器に予め備えられたものを用いる。また、金属層103の形状や厚みに特に制限はない。また、樹脂に電磁輻射防止の目的で施された、導電性塗装、メッキなどであってもよい。
この金属層103には、平面視半円形状の第1スロット105と、平面視台形状の第2スロット106と、第1スロット105の円弧部頂点と第2スロット106の上辺中心とを連結するスロット状の給電部107と、が設けられている。第1スロット105の直線部と第2スロット106の下辺とは、略平行になるように形成されている。
なお、第1スロット105の平面視形状は半円形に限られず、給電部107が連結される辺の両端の角部が曲線を有する、すなわち、弧状に形成されていればよい。ここで、「弧状に形成」とは、第1スロット105の給電部107が連結される辺部とその両端に連続する側辺に接触するような円を配置し、角部を当該円に沿って弧状に形成することをいう。この際の円の半径Rtが大きいほど、第1スロット105の角部の丸みが大きくなり、本実施形態のように平面視半円形状としてもよい。この場合、給電部107が連結される辺が円弧となる。なお、円を用いて弧状に形成するものとしたが、楕円を用いて弧状に形成することとしても良い。
また、第2スロット106の平面視形状は、第1スロット105の形状と異なるものが適用可能である。第2スロット106の形状に特に制限は無いが、第2スロット106の給電部107が連結される辺部とその端に連続する側辺の長さ寸法L2が第1スロット105の給電部107が連結される辺部とその端に連続する側辺の長さ寸法L1と異なる形状が好ましい。スロットアンテナS1の共振周波数は、給電部107が連結される辺部とその端に連続する側辺の長さ寸法で決定されるため、当該長さ寸法が第1スロット105と第2スロット106で異なることにより、後述するように、共振点の数が増えてアンテナ特性が向上するためである。
また、第1スロット105の円弧部頂点と第2スロット106の上辺中心との距離、つまり給電部107の長さ寸法、に特に制限はなく、第1スロット105及び第2スロット106の形状によって好ましい範囲が定まるようになっている。
金属層103のいずれかの面には、伝送線路108が給電部107と接続されている。伝送線路108の他端にはスロットアンテナS1からの電気信号を送受信処理する信号処理装置等が接続されている。なお、この実施形態の場合には、スロットアンテナS1が筐体に形成された場合には、該筐体の内側の面に伝送線路108が接続される。筐体内側のシャーシあるいはフレームにスロットアンテナS1が形成される場合には、いずれの面であってもよい。
伝送線路108として特に制限は無いが、本実施形態においては同軸ケーブルを用いるものとする。伝送線路108の外部導体109は給電部107の一側縁に接続されており、伝送線路108の中心導体110は給電部107の他側縁に接続されている。このようにして、伝送線路108と給電部107とは電気的に接続されており、伝送線路108と給電部107との間で電流が流れるようになっている。
そして、スロットアンテナS1が電波を送信する場合、信号処理装置からの電気信号に基づいて、伝送線路108を介して給電部107に所定の振幅及び位相で電流が供給される。給電部107に供給された電流は、金属層103に入射し、第1スロット105及び第2スロットの給電部107が連結される辺部とその両端に連続する側辺に沿って流れる。このように、金属層103に電流が流れると、スロットアンテナS1から電波が送信されるようになっている。
スロットアンテナS1が電波を受信する場合、所定の周波数の電波が金属層103により受信されると、第1スロット105又は第2スロット106の側辺に沿って給電部107に向かって、受信した電波に応じた振幅及び位相の電圧電流が流れる。そして、給電部107に入射した電流は、伝送線路108を介して信号処理装置に伝達され、電気信号として処理される。
なお、アンテナ特性の指標の一つとしては、入力電圧と反射電圧の比をデシベルで表したリターンロス[dB]が挙げられる。リターンロスは反射係数ともいい、その値が低減されているほどアンテナ装置としてマッチングがとれていることを示し、一般にはその値が−10以下の範囲が使用帯域とされている。また、この入射波と反射波は同一周波数なので位相が一致すると定在波が立つ。そのときの最大振幅と最小振幅の比をVSWR(電圧定在波比)と呼び、VSWRで表示する場合もある。この実施形態では、リターンロスで特性を説明することにする。
この図4に示すように、スロットアンテナS1の共振周波数は、給電部107から第1スロット105又は第2スロット106までの距離に基づいて決定される。つまり、給電部107から第1スロット105の直線部までの距離L1、給電部107から第2スロット106の下辺までの距離L2に基づいて共振点の1/2波長が決定されるようになっている。また、第1スロット105の直線部から第2スロット106の下辺までの距離L3に基づいて、共振点の1/2波長が決定されるようになっている。そして、距離L1、L2、L3の相違量が大きくなるほどこれらの共振点の周波数が分散し、より広い周波数領域でリターンロスが低減されるため好ましい。
一方、従来のスロット型のボウタイアンテナ(不図示)の共振周波数は、給電点からスロットの他端までの距離L4と、スロットの他端同士の距離L5と、に基づいて決定される。従って、共振周波数の数は2つであり、リターンロスを広い周波数帯域で低減させることができない。
以上のように、本実施形態のスロットアンテナS1によれば、少なくとも金属層103と伝送線路108を備えることによって構成され、かつ、この金属層を電子機器の筐体もしくはフレームで兼用するので、別途放射板等のアンテナ素子を設ける必要がなく構成の簡略化が可能である。従って、従来より装置に備えられている金属板等にスロットを設けて伝送線路108を接続するだけでスロットアンテナとして用いることができる。また、送受信される電波の共振周波数が給電部107から第1スロット105の直線部及び第2スロット106の下辺までの距離、つまり、スロットの形状に応じて異なるので、共振周波数の数を増加させてアンテナ特性を向上させることができる。
また、第1スロット105の給電部107が連結される辺の両端の角部が弧状に形成されているので、伝送線路108から金属層103への電流が流れやすく、インピーダンス整合がとりやすいため、リターンロスを低減させて給電効率を向上させることができる。
さらに、第1スロット105と第2スロット106の給電部107から他端までの距離L1,L2を調整することによって共振周波数を調整することができ、容易かつ柔軟に入力インピーダンスの調整が可能である。
なお、給電部107は、第1スロット105の円弧頂点及び第2スロット106の上辺中心に連結されることとしたが、給電部107の連結箇所は、第1スロット105の円弧頂点付近及び第2スロット106の上辺中心付近であればよい。詳しくは、第1スロット105の直径又は第2スロット106の上辺の長さ寸法の5%相当幅だけ中心位置からずれた範囲内に設けられていれば良い。
また、第1スロット105及び第2スロット106の平面視形状は、スロットアンテナS1の指向性を均等にするために、給電部107の長手方向に沿った中心線を基準軸として軸対称な形状とするのが好ましい。また、第1スロット105及び第2スロット106の縁は直線状に限られず、曲線や指数関数としてもよい。
さらに、この図2のスロットアンテナS1では、垂直面に配置されたZ方向スロット(S1z)は水平偏波のアンテナとして作用するものである。そして、スロットアンテナS1の水平偏波のXY平面(水平面)における指向性は、図5(a)に示すごとく略無指向性となっている。
また、この図2のスロットアンテナS1では、水平面に配置されたX方向スロット(S1x)は垂直偏波のアンテナとして作用するものである。そして、スロットアンテナS1の垂直偏波はYZ平面には略無指向性であるが、他の機器と通信する際に有効なXY平面(水平面)における指向性は、図5(b)に示すごとく、Y方向に指向性を有し、X方向には感度を有しない状態になっている。
そして、また、スロットアンテナS1は、装置本体部11に内蔵された無線通信回路と接続されており、無線通信回路は、RF(Radio Frequency:高周波)回路、ROM(Read Only Memory) 、RAM(Random Access Memory)、及びこれらを制御するCPU等を備えて構成されている。そして、スロットアンテナS1は、無線LANやワイヤレスUSBなどの用途に使用される。
スロットアンテナS1から例えばプリンタ等の外部機器に対して電波を送信する場合、装置本体部11の制御部より供給されたデータは無線通信回路で変換され、スロットアンテナS1に供給される。一方、スロットアンテナS1が外部機器より電波を受信する場合、スロットアンテナS1により受信した電波は無線通信回路により変換され、装置本体部11の制御部に供給される。
次に、本実施形態の電子機器としてのノート型パソコン10の通信動作について説明する。 所定の周波数の電波が外部機器より送信されると、この外部機器から送信された電波の偏波(垂直偏波/水平偏波)に応じて、水平偏波であればZ方向スロットに高周波信号が誘起され、垂直偏波であればX方向スロットに高周波信号が誘起される。そして、この高周波信号は給電部から同軸ケーブルなどにより無線通信回路内の受信回路で処理され、復調されたデータがCPU等で処理される。
一方、スロットアンテナS1が電波を送信する場合、CPU等の制御により無線通信回路内の送信回路で高周波信号が生成され、この高周波信号は同軸ケーブルなどを介して給電部からスロットアンテナS1に供給される。そして、スロットアンテナS1から外部機器に対して電波が送信される。この場合、X方向スロットからは垂直偏波の送信がなされ、Z方向スロットからは水平偏波の送信がなされる。
この実施形態のノート型パソコン10では、機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部で直交する水平面と垂直面との2面に、L字状に設けられたスロットで構成されるスロットアンテナS1を備えるため、水平面部分のスロットでは垂直偏波に対応でき、垂直面部分のスロットでは水平偏波に対応できる。また、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームそのものにスロットを設けることで、筐体そのものがアンテナとなるため、部品点数や取り付け工数の増加の発生させることがない。この結果、広帯域で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
なお、以上の実施形態の説明では、電子機器として、事務用電子機器のノート型パソコン10を具体例にしてきたが、これに限定されるものではない。たとえば、事務用電子機器として、据え置き型パソコン、据え置き型パソコンのディスプレイ、複写機、医療用機器(医療用コンソールや医療用診断(治療)機器)など、各種の電子機器に、以上の実施形態を適用して良好な結果を得ることが可能になる。
〔第2実施形態〕
図6は、第2実施形態に係る電子機器としてのノート型パソコン20を正面側からみた斜視図である。この第2実施形態のノート型パソコン20では、蓋部22の自由端と本体部21の2つの角部に、それぞれスロットアンテナS1,S2が設けられている。
2つのスロットアンテナS1,S2のぞれぞれの基本的な構成は、第1実施形態のスロットアンテナS1と同様である。また、2つのスロットアンテナS1,S2が設けられている以外の構成の説明は、第1実施形態と同様なので省略する。
図7は2つのスロットアンテナS1,S2の配置を例示した図であり、図7(a)はスロットアンテナS1の配置を拡大して示した図であり、図7(b)はスロットアンテナS2の配置を拡大して示した図である。
この第2実施形態においても、第1実施形態として図4で説明したものと同様に、スロットアンテナS1〜S2について、距離L1、L2、L3の相違量が大きくなるほどこれらの共振点の周波数が分散し、従来のスロット型ボウタイアンテナ(不図示)と比較しても、より広い周波数領域でリターンロスが低減されるため好ましい。また、第1スロット105の給電部107が連結される辺の両端の角部が弧状に形成されているので、伝送線路108から金属層103への電流が流れやすく、インピーダンス整合がとりやすいため、リターンロスを低減させて給電効率を向上させることができる。さらに、第1スロット105と第2スロット106の給電部107から他端までの距離L1,L2を調整することによって共振周波数を調整することができ、容易かつ柔軟に入力インピーダンスの調整が可能である。また、第1スロット105及び第2スロット106の平面視形状は、スロットアンテナS1の指向性を均等にするために、給電部107の長手方向に沿った中心線を基準軸として軸対称な形状とするのが好ましい。また、第1スロット105及び第2スロット106の縁は直線状に限られず、曲線や指数関数としてもよい。
ここで、この図6,図7(a)のスロットアンテナS1では、垂直面に配置されたZ方向スロット(S1z)は水平偏波のアンテナとして作用するものである。そして、スロットアンテナS1の水平偏波のXY平面(水平面)における指向性は、図8(a)に示すごとく略無指向性となっている。
また、この図6,図7(b)のスロットアンテナS2では、水平面に配置されたX方向スロット(S1x)は垂直偏波のアンテナとして作用するものであり、水平面に配置されたY方向スロット(S1y)は垂直偏波のアンテナとして作用するものである。
そして、スロットアンテナS1のX方向スロットS1xによる垂直偏波はYZ平面には略無指向性であるが、他の機器と通信する際に有効なXY平面(水平面)における指向性は、第1実施形態で図5(b)に示したごとく、Y方向に指向性を有し、X方向には感度を有しない状態になっている。
また、スロットアンテナS2のX方向スロットS2xによる垂直偏波はYZ平面には略無指向性であるが、他の機器と通信する際に有効なXY平面(水平面)における指向性は、第1実施形態で図5(b)に示したごとく、Y方向に指向性を有し、X方向には感度を有しない状態になっている。
一方、スロットアンテナS2のY方向スロットS2yによる垂直偏波はXZ平面には略無指向性であるが、他の機器と通信する際に有効なXY平面(水平面)における指向性は、第1実施形態で図5(b)に示した指向性と90度ずれた状態であり、X方向に指向性を有し、Y方向には感度を有しない状態になっている。
よって、スロットアンテナS1のX方向スロットS1xと、スロットアンテナS2のX方向スロットS2xと、スロットアンテナS2のY方向スロットS2yと、による垂直偏波のXY平面における合成指向性は、図8(b)のようになっている。すなわち、S1x,S2x,S2yが互いに指向性を補い合って、大きな感度低下が生じない指向性になっている。
すなわち、2つのL字状のスロットアンテナS1,S2が互いに直交するスロットを有するように、すなわち、XYZ各方向にスロットを有するように配置することにより、互いの指向性のヌルを補いあうため、極端に大きなヌルが無くなり、ほぼ全方向に対して均一な指向性を示すようになる。また、2つの角部に2つのスロットアンテナS1,S2が配置されているため、設置状況に応じて発生する障害物等の影響を低減し高感度な特性を得ることができる。
従って、この第2実施形態のノート型パソコン20では、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する2面に設けられたスロットで構成される第一スロットアンテナS1と、前記第一スロットアンテナの2面と直交する面を有し、前記第一スロットアンテナの角部とは異なる導電性筐体もしくは前記導電性フレームの角部の直交する2面に設けられたスロットで構成される第二スロットアンテナS2とを備えるため、Z軸方向のスロットではXY平面の無指向性の水平偏波に対応でき、X軸方向のスロットではZY平面の垂直偏波に対応でき、Y軸方向のスロットではXZ平面の垂直偏波に対応できる。
また、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームそのものにスロットを設けることで、筐体そのものがアンテナとなるため、部品点数や取り付け工数の増加の発生させることがない。
この結果、最低限の素子で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ、各方向の無指向性を実現可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
また、該電子機器の使用状態において、第二スロットアンテナが設けられる角部は、少なくとも、第一スロットアンテナが設けられた角部における2面と直交する面を有するように構成されているため、機器使用状態において水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ各方向の無指向性を実現可能である。
なお、以上の第2実施形態の説明では、電子機器として、事務用電子機器のノート型パソコン20を具体例にしてきたが、これに限定されるものではない。たとえば、事務用電子機器として、据え置き型パソコン、据え置き型パソコンのディスプレイ、複写機、医療用機器(医療用コンソールや医療用診断(治療)機器)など、各種の電子機器に、以上の実施形態を適用して良好な結果を得ることが可能になる。
〔第3実施形態〕
この第3実施形態では、電子機器として事務用電子機器の複写機30を例示して説明する。図9は、本実施形態に係る電子機器としての複写機30を示す全体図である。
この図9に示すように、複写機30は、内部に画像形成部を備えた装置本体部31を有している。装置本体部31の上面には、画像読取部32及び操作部33が備えられており、装置本体部31の上方には、原稿給送部(ADF:Auto Document Feeder)34が設置されている。また、装置本体部31の下方には、給紙部35が設置されている。
画像読取部32は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、露光ランプ等を備えたスキャナを有しており、原稿給送部34より搬送された原稿を光走査し、CCDセンサにより光電変換することで原稿画像を読み取る。
画像読取部32により読み取られた原稿画像データには、各種画像処理が施され、プリント用画像データとして装置本体部31内部の画像形成部に出力される。画像形成部は、電子写真方式の画像形成を行うものであり、給紙部から給紙された記録媒体である記録用紙に画像形成を行う。
また、操作部33は、各種操作画面や設定内容等を表示する表示部36、及び各種キーやプリント開始を指示するためのスタートボタン等を備えている。
原稿給送部34は、原稿載置台37に載置された原稿を自動的に画像読取部32に搬送し、画像読取部32により読取られた原稿を排出部38へ搬送するものである。また、原稿給送部34は、装置本体部31の背面側を支点として、装置本体部31の上面(画像読取部32)に対して起倒可能に構成されている。原稿給送部34の3箇所の角部には3つのスロットアンテナS1,S2,S3が設けられている。
また、装置本体部31には、無線通信回路が内蔵されており、無線通信回路には3つのスロットアンテナS1,S2,S3が接続されている。
3つのスロットアンテナS1,S2,S3のぞれぞれの基本的な構成は、第1実施形態のスロットアンテナS1、第2実施形態のスロットアンテナS1,S2と同様である。
また、3つのスロットアンテナS1,S2,S3が設けられている以外の構成の説明は、第1実施形態、第2実施形態と同様なので省略する。
この第3実施形態においても、第1実施形態として図4で説明したものと同様に、スロットアンテナS1〜S3について、距離L1、L2、L3の相違量が大きくなるほどこれらの共振点の周波数が分散し、従来のスロット型ボウタイアンテナ(不図示)と比較しても、より広い周波数領域でリターンロスが低減されるため好ましい。また、第1スロット105の給電部107が連結される辺の両端の角部が弧状に形成されているので、伝送線路108から金属層103への電流が流れやすく、インピーダンス整合がとりやすいため、リターンロスを低減させて給電効率を向上させることができる。さらに、第1スロット105と第2スロット106の給電部107から他端までの距離L1,L2を調整することによって共振周波数を調整することができ、容易かつ柔軟に入力インピーダンスの調整が可能である。また、第1スロット105及び第2スロット106の平面視形状は、スロットアンテナS1の指向性を均等にするために、給電部107の長手方向に沿った中心線を基準軸として軸対称な形状とするのが好ましい。また、第1スロット105及び第2スロット106の縁は直線状に限られず、曲線や指数関数としてもよい。
ここで、この図9のスロットアンテナS1では、垂直面に配置されたZ方向スロット(S1z)は水平偏波のアンテナとして作用するものである。そして、スロットアンテナS1の水平偏波のXY平面(水平面)における指向性は、図10(a)に示したごとく略無指向性となっている。
また、この図9のスロットアンテナS2では、水平面に配置されたX方向スロット(S1x)は垂直偏波のアンテナとして作用するものであり、水平面に配置されたY方向スロット(S1y)は垂直偏波のアンテナとして作用するものである。
そして、スロットアンテナS1のX方向スロットS1xによる垂直偏波はYZ平面には略無指向性であるが、他の機器と通信する際に有効なXY平面(水平面)における指向性は、第1実施形態で図5(b)に示したごとく、Y方向に指向性を有し、X方向には感度を有しない状態になっている。
また、スロットアンテナS2のX方向スロットS2xによる垂直偏波はYZ平面には略無指向性であるが、他の機器と通信する際に有効なXY平面(水平面)における指向性は、第1実施形態で図5(b)に示したごとく、Y方向に指向性を有し、X方向には感度を有しない状態になっている。
一方、スロットアンテナS2のY方向スロットS2yによる垂直偏波はXZ平面には略無指向性であるが、他の機器と通信する際に有効なXY平面(水平面)における指向性は、第1実施形態で図5(b)に示した指向性と90度ずれた状態であり、X方向に指向性を有し、Y方向には感度を有しない状態になっている。
さらに、この図9のスロットアンテナS3では、垂直面に配置されたZ方向スロット(S3z)は水平偏波のアンテナとして作用するものであり、スロットアンテナS3の水平偏波のXY平面(水平面)における指向性は、図8(a)に示したごとく略無指向性となっている。
また、水平面に配置されたY方向スロット(S1y)は垂直偏波のアンテナとして作用するものであり、スロットアンテナS3のY方向スロットS1yによる垂直偏波はYZ平面には略無指向性であるが、他の機器と通信する際に有効なXY平面(水平面)における指向性は、第1実施形態で図5(b)に示した指向性と90度ずれた状態であり、X方向に指向性を有し、Y方向には感度を有しない状態になっている。
よって、スロットアンテナS1のX方向スロットS1xと、スロットアンテナS2のX方向スロットS2xと、スロットアンテナS2のY方向スロットS2yと、スロットアンテナS3のY方向スロットS3yと、による垂直偏波のXY平面における合成指向性は、図10(b)のようになっている。
すなわち、S1x,S2x,S2y,S3yが互いに指向性を補い合って、第2実施形態の場合よりも感度低下が少なくなり、略全方位に渡って大きな感度低下が生じない指向性になっている。
すなわち、2つのL字状のスロットアンテナS1,S2,S3が互いに直交するスロットを有するように、すなわち、XYZ各方向にスロットを有するように配置することにより、互いの指向性のヌルを補いあうため、極端に大きなヌルが無くなり、ほぼ全方向に対して均一な指向性を示すようになる。また、3つの角部に3つのスロットアンテナS1,S2,S3が配置されているため、設置状況に応じて発生する障害物等の影響を低減し高感度な特性を得ることができる。
また、図9に示す原稿給送部34は自動給送を行うために閉じた状態であるが、原稿手動配置のために原稿給送部34を自由端を引き上げて開いた状態としても、以上のスロットアンテナS1,S2,S3は、それぞれのスロットがXYZの各方向に配置された状態であり、指向性は図10に示した通りの、略全方位無指向性を保った状態であり続ける。
従って、この第3実施形態の複写機30では、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する2面に設けられたスロットで構成され、互いに直交するスロットを有する第一スロットアンテナS1と、前記第一スロットアンテナの2面と直交する面を有し、前記第一スロットアンテナの角部とは異なる導電性筐体もしくは前記導電性フレームの角部の直交する2面に設けられたスロットで構成される第二スロットアンテナS2と、前記第一・第二スロットアンテナの2面と直交する面を有し、前記第一・第二スロットアンテナの角部とは異なる導電性筐体もしくは前記導電性フレームの角部の直交する2面に設けられたスロットで構成される第三スロットアンテナS3と、を備えるため、Z軸方向のスロットではXY平面の無指向性の水平偏波に対応でき、X軸方向のスロットではZY平面の垂直偏波に対応でき、Y軸方向のスロットではXZ平面の垂直偏波に対応できる。
また、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームそのものにスロットを設けることで、筐体そのものがアンテナとなるため、部品点数や取り付け工数の増加の発生させることがない。
この結果、最低限の素子で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ、各方向の無指向性を実現可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
また、該電子機器の使用状態において、第二スロットアンテナが設けられる角部は、少なくとも、第一スロットアンテナが設けられた角部における2面と直交する面を有するように構成されているため、第三スロットアンテナが設けられる角部は、少なくとも、第一・第二スロットアンテナが設けられた角部における2面と直交する面を有するように構成されているため、機器使用状態において水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ各方向の無指向性を実現可能である。
なお、以上の第3実施形態の説明では、電子機器として、事務用電子機器の複写機30を具体例にしてきたが、これに限定されるものではない。たとえば、事務用電子機器として、ノート型パソコン、据え置き型パソコン、据え置き型パソコンのディスプレイ、医療用機器(医療用コンソールや医療用診断(治療)機器)など、各種の電子機器に、以上の実施形態を適用して良好な結果を得ることが可能になる。
〔第4実施形態〕
この第4実施形態では、電子機器として医療用電子機器40を例示して説明する。図11は、本実施形態に係る電子機器としての医療用電子機器40を示す全体図である。
この図11に示すように、医療用電子機器40は、内部に各種処理部を備えた装置本体部41を有している。装置本体部41の上面には、操作部44と表示部42とが設置されている。
ここでは、表示部42の3箇所の角部には3つのスロットアンテナS1,S2,S3が設けられている。
また、装置本体部41には、無線通信回路が内蔵されており、無線通信回路には3つのスロットアンテナS1,S2,S3が接続されている。
3つのスロットアンテナS1,S2,S3のぞれぞれの基本的な構成は、第3実施形態のスロットアンテナS1,S2,S3と同様である。また、3つのスロットアンテナS1,S2,S3が設けられている以外の構成の説明は、第1実施形態、第2実施形態、第2実施形態と同様なので省略する。
この第4実施形態においても、第1実施形態として図4で説明したものと同様に、スロットアンテナS1〜S3について、距離L1、L2、L3の相違量が大きくなるほどこれらの共振点の周波数が分散し、従来のスロット型ボウタイアンテナ(不図示)と比較しても、より広い周波数領域でリターンロスが低減されるため好ましい。また、第1スロット105の給電部107が連結される辺の両端の角部が弧状に形成されているので、伝送線路108から金属層103への電流が流れやすく、インピーダンス整合がとりやすいため、リターンロスを低減させて給電効率を向上させることができる。さらに、第1スロット105と第2スロット106の給電部107から他端までの距離L1,L2を調整することによって共振周波数を調整することができ、容易かつ柔軟に入力インピーダンスの調整が可能である。また、第1スロット105及び第2スロット106の平面視形状は、スロットアンテナS1の指向性を均等にするために、給電部107の長手方向に沿った中心線を基準軸として軸対称な形状とするのが好ましい。また、第1スロット105及び第2スロット106の縁は直線状に限られず、曲線や指数関数としてもよい。
ここで、この図11のスロットアンテナS1では、垂直面に配置されたZ方向スロット(S1z)は水平偏波のアンテナとして作用するものである。そして、スロットアンテナS1の水平偏波のXY平面(水平面)における指向性は、図10(a)に示したごとく略無指向性となっている。
また、この図11のスロットアンテナS2では、水平面に配置されたX方向スロット(S1x)は垂直偏波のアンテナとして作用するものであり、水平面に配置されたY方向スロット(S1y)は垂直偏波のアンテナとして作用するものである。
そして、スロットアンテナS1のX方向スロットS1xによる垂直偏波はYZ平面には略無指向性であるが、他の機器と通信する際に有効なXY平面(水平面)における指向性は、第1実施形態で図5(b)に示したごとく、Y方向に指向性を有し、X方向には感度を有しない状態になっている。
また、スロットアンテナS2のX方向スロットS2xによる垂直偏波はYZ平面には略無指向性であるが、他の機器と通信する際に有効なXY平面(水平面)における指向性は、第1実施形態で図5(b)に示したごとく、Y方向に指向性を有し、X方向には感度を有しない状態になっている。
一方、スロットアンテナS2のY方向スロットS2yによる垂直偏波はXZ平面には略無指向性であるが、他の機器と通信する際に有効なXY平面(水平面)における指向性は、第1実施形態で図5(b)に示した指向性と90度ずれた状態であり、X方向に指向性を有し、Y方向には感度を有しない状態になっている。
また、この図11のスロットアンテナS3では、垂直面に配置されたZ方向スロット(S3z)は水平偏波のアンテナとして作用するものであり、スロットアンテナS3の水平偏波のXY平面(水平面)における指向性は、図8(a)に示したごとく略無指向性となっている。
また、水平面に配置されたY方向スロット(S1y)は垂直偏波のアンテナとして作用するものであり、スロットアンテナS3のY方向スロットS1yによる垂直偏波はYZ平面には略無指向性であるが、他の機器と通信する際に有効なXY平面(水平面)における指向性は、第1実施形態で図5(b)に示した指向性と90度ずれた状態であり、X方向に指向性を有し、Y方向には感度を有しない状態になっている。
よって、スロットアンテナS1のX方向スロットS1xと、スロットアンテナS2のX方向スロットS2xと、スロットアンテナS2のY方向スロットS2yと、スロットアンテナS3のY方向スロットS3yと、による垂直偏波のXY平面における合成指向性は、図10(b)のようになっている。
すなわち、S1x,S2x,S2y,S3yが互いに指向性を補い合って、第2実施形態の場合よりも感度低下が少なくなり、第3実施形態と同様に、略全方位に渡って大きな感度低下が生じない指向性になっている。
すなわち、2つのL字状のスロットアンテナS1,S2,S3が互いに直交するスロットを有するように、すなわち、XYZ各方向にスロットを有するように配置することにより、互いの指向性のヌルを補いあうため、極端に大きなヌルが無くなり、ほぼ全方向に対して均一な指向性を示すようになる。また、3つの角部に3つのスロットアンテナS1,S2,S3が配置されているため、設置状況に応じて発生する障害物等の影響を低減し高感度な特性を得ることができる。
また、図11に示す表示部42は固定された状態であるが、向きを変えられる液晶ディスプレイである場合にも、以上のスロットアンテナS1,S2,S3は、それぞれのスロットがXYZの各方向に配置された状態であり、指向性は図10に示した通りの、略全方位無指向性を保った状態であり続ける。
従って、この第4実施形態の医療用電子機器40では、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する2面に設けられたスロットで構成され、互いに直交するスロットを有する第一スロットアンテナS1と、前記第一スロットアンテナの2面と直交する面を有し、前記第一スロットアンテナの角部とは異なる導電性筐体もしくは前記導電性フレームの角部の直交する2面に設けられたスロットで構成される第二スロットアンテナS2と、前記第一・第二スロットアンテナの2面と直交する面を有し、前記第一・第二スロットアンテナの角部とは異なる導電性筐体もしくは前記導電性フレームの角部の直交する2面に設けられたスロットで構成される第三スロットアンテナS3と、を備えるため、Z軸方向のスロットではXY平面の無指向性の水平偏波に対応でき、X軸方向のスロットではZY平面の垂直偏波に対応でき、Y軸方向のスロットではXZ平面の垂直偏波に対応できる。
また、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームそのものにスロットを設けることで、筐体そのものがアンテナとなるため、部品点数や取り付け工数の増加の発生させることがない。
この結果、最低限の素子で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ、各方向の無指向性を実現可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
また、該電子機器の使用状態において、第二スロットアンテナが設けられる角部は、少なくとも、第一スロットアンテナが設けられた角部における2面と直交する面を有するように構成されているため、第三スロットアンテナが設けられる角部は、少なくとも、第一・第二スロットアンテナが設けられた角部における2面と直交する面を有するように構成されているため、機器使用状態において水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ各方向の無指向性を実現可能である。
なお、以上の第4実施形態の説明では、電子機器として、医療用コンソールなどの医療用電子機器40を具体例にしてきたが、これに限定されるものではない。たとえば、他の医療用機器(医療用診断(治療)機器)、コンピュータサーバなど、各種の電子機器に、以上の実施形態を適用して良好な結果を得ることが可能になる。
〔第5実施形態〕
以上の第1実施形態〜第4実施形態では、半円形状の第1スロットと台形状の第2スロットとを、角部のそれぞれの面に配したL字状のスロットアンテナを用いていた。
ここで、第5実施形態では、図12に示すように、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2つの面にまたがるように曲線部を含むスロット(半円形状の第1スロット相当)が設けられ、前記角部の直交する2つの面にまたがるように直線部で構成されたスロット(台形状の第2スロット)が設けられ、2つの前記スロットが接近する前記角部上の位置を給電部としたスロットアンテナである。なお、給電部には、無線通信回路からの給電がなされるように構成されている。なお、この図12でも、給電は筐体内側からなされるため、図示されていない。
すなわち、以上の第1実施形態〜第4実施形態では、直交する2つの面の一方の面に一方のスロットが配置され、直交する2つの面の他方の面に他方のスロットが配置されていた。これに対し、第5実施形態では、直交する2つの面に、2つのスロットそれぞれがまたがった状態で配置されている。そして、この第5実施形態でも、事務機器や医療用機器など各種の電子機器の導電性の筐体や導電性のフレームに、以上のアンテナが配置される。
なお、以上の曲線部を含む半円形状のスロットと直線部で構成された台形状のスロットとは、図12の例とは逆に配置されていても良い。
そして、この第5実施形態においても、第1実施形態として図4で説明したものと同様に、スロットアンテナについて、距離L1、L2、L3の相違量が大きくなるほどこれらの共振点の周波数が分散し、従来のスロット型ボウタイアンテナ(不図示)と比較しても、より広い周波数領域でリターンロスが低減されるため好ましい。
ここで、図12には、広帯域で良好な特性を有するスロットアンテナとして発明者が作成したものの具体的数値を示している。
この例では、第一スロットの円弧部分について、円弧の弦の部分が、15mmずつ直交する面にまたがって配置されている。また、台形の平行短辺(一般的には「台形の上辺」に相当)が8mmmmずつ直交する面にまたがって配置され、第二スロットの台形部分の平行辺間(一般的には「台形の高さ」に相当)が30mm、台形の平行長辺(一般的には「台形の底辺」に相当)が10mmずつ直交する面にまたがって配置されている。そして、給電部は1mmの間隙として構成されている。
これにより、インピーダンス300Ωで給電した場合、図13に示すように、2.6GHz〜7GHz、9.8GHz〜12GHzの広帯域で、リターンロスが−10dB以下であり、良好な特性を有するスロットアンテナとして動作することが確認された。
また、水平面(XY平面)にまたがるスロット部分からは垂直偏波の送受信がなされ、垂直面(XZ平面あるいはYZ平面)にまたがるスロット部分からは水平偏波の送受信がなされるため、水平偏波と垂直偏波のそれぞれで十分実用になる指向性を有することも確認された。
また、この場合の2.6GHz〜12GHzにおけるインピーダンス特性は図14のようになっており、この具体例ではインピーダンス300±100Ωで使用可能な周波数帯域が3−9GHz程度になっており、広帯域のアンテナとしてインピーダンスの変動の小さい良好な結果が得られることが確認された。
従って、この第5実施形態でも、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームそのものにスロットを設けることで、筐体そのものがアンテナとなるため、部品点数や取り付け工数の増加の発生させることがない。この結果、最低限の素子で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ、各方向の無指向性を実現可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
また、該電子機器の使用状態において、第2実施形態や第3実施形態などと同様に、XYZの異なる方向の面にスロットを配置することで、電子機器使用状態において水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ各方向の無指向性を実現可能になる。
なお、この第5実施形態においても、電子機器として、コンピュータや複写機なやプリンタなどの電子機器や医療用コンソールや検査機器などの医療用電子機器、コンピュータサーバなど、各種の電子機器に適用して良好な結果を得ることが可能になる。
〔第6実施形態〕
以上の第1実施形態〜第4実施形態では、半円形状の第1スロットと台形状の第2スロットとを、角部のそれぞれの面に配したL字状のスロットアンテナを用いていた。
また、以上の第5実施形態では、角部の直交する水平面と垂直面との2つの面にまたがるように、半円形状の第1スロットと台形状の第2スロットとが設けられていた。
ここで、第6実施形態では、図15に示すように、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2面うちの一方の面に曲線部を含むスロット(第5実施形態の2つの面にまたがる半円形状の第1スロットの一方の面の部分(1/4円)のみ)が設けられ、前記角部の他方の面に直線部で構成されたスロット(第5実施形態の2つの面にまたがる台形状の第2スロットの他方の面の部分のみ)が設けられて、スロットアンテナが構成されている。なお、給電部には、無線通信回路からの給電がなされるように構成されている。なお、この図12でも、給電は筐体内側からなされるため、図示されていない。
すなわち、直交する2面のそれぞれに第1スロットと第2スロットとが配置されている点では、第1〜第4実施形態と同様ではあるが、スロットの形状としては第5実施形態のスロットを半分にして直交する面それぞれにスロットが配置された状態に構成されている。
そして、この第6実施形態においても、第1実施形態として図4で説明したものと同様に、スロットアンテナについて、距離L1、L2、L3の相違量が大きくなるほどこれらの共振点の周波数が分散し、従来のスロット型ボウタイアンテナ(不図示)と比較しても、より広い周波数領域でリターンロスが低減されるため好ましい。
ここで、図15には、広帯域で良好な特性を有するスロットアンテナとして発明者が作成したものの具体的数値を示している。
この例では、第一スロットの1/4円弧部分について、円弧の半径に相当する部分が、一方の面に15mm配置されている。また、台形の平行短辺(一般的には「台形の上辺」に相当)が他方の面に8mmmm配置され、第二スロットの台形部分の平行辺間(一般的には「台形の高さ」に相当)が30mm、台形の平行長辺(一般的には「台形の底辺」に相当)が10mm配置されている。そして、給電部は1mmの間隙として構成されている。
これにより、インピーダンス150Ωで給電した場合、図16に示すように、3.1GHz〜10.6GHzの広帯域で、リターンロスが−10dB以下であり、第5実施形態よりも更に良好な特性を有するスロットアンテナとして動作することが確認された。
また、水平面(XY平面)にまたがるスロット部分からは垂直偏波の送受信がなされ、垂直面(XZ平面あるいはYZ平面)にまたがるスロット部分からは水平偏波の送受信がなされるため、水平偏波と垂直偏波のそれぞれで十分実用になる指向性を有することも確認された。
また、この場合の3.1GHz〜10.6GHzにおけるインピーダンス特性は図17のようになっており、この具体例ではインピーダンス150±50Ωで使用可能な周波数帯域が3.0−9.5GHz程度になっており、広帯域のアンテナとしてインピーダンスの変動の小さい良好な結果が得られることが確認された。
また、スロットをそれぞれ半分にしたことで自己補対構造となり、第5実施形態の場合よりもインピーダンスを低くすることができ、使いやすい状態にすることができた。
従って、この第6実施形態でも、電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームそのものにスロットを設けることで、筐体そのものがアンテナとなるため、部品点数や取り付け工数の増加の発生させることがない。この結果、最低限の素子で水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ、各方向の無指向性を実現可能であり、部品点数や製造工数の増加を発生させることのないアンテナを備えた電子機器を提供することが可能になる。
また、該電子機器の使用状態において、第2実施形態や第3実施形態などと同様に、XYZの異なる方向の面にスロットを配置することで、電子機器使用状態において水平偏波及び垂直偏波の両方に対応しつつ各方向の無指向性を実現可能になる。
なお、この第6実施形態においても、電子機器として、コンピュータや複写機なやプリンタなどの電子機器や医療用コンソールや検査機器などの医療用電子機器、コンピュータサーバなど、各種の電子機器に適用して良好な結果を得ることが可能になる。
〔その他の実施形態(1)〕
なお、電子機器の導電性の筐体に形成するスロットアンテナの数やその設置箇所は、必要に応じて設定されるものである。
〔その他の実施形態(2)〕
なお、電子機器の導電性の筐体に形成するスロットアンテナの、同じ軸方向のエレメント、S1zとS3z、S1xとS2xなどについて、電子機器において離れた角部、本体部やディスプレイ部などの異なる部位の角部、などに配置するように各スロットアンテナS1〜S3を配置することで、空間ダイバシティ効果により、感度や指向性を補い合って、良好な結果を得ることができる。
〔その他の実施形態(3)〕
また、S1zやS3zなど同じ垂直z方向のスロットであっても、電子機器の左右に分かれるように各スロットアンテナS1〜S3を配置することで、電子機器本体に隠れない(遮られない)自由空間が異なる方向に開けるようになるため、空間ダイバシティ効果により、感度や指向性を補い合って、良好な結果を得ることができる。
S1〜S3 スロットアンテナ
10 ノート型パソコン
11 装置本体部
12 蓋部
13 ヒンジ部
14 キーボード
20 ノート型パソコン
30 複写機
40 医療用電子機器

Claims (11)

  1. 電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2面うちの一方の面に曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の他方の面に直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する位置を給電部としたスロットアンテナと、
    前記給電部に伝送手段を介して接続された無線通信回路と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  2. 電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2面うちの一方の面に曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の他方の面に直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する位置を給電部とした第一スロットアンテナと、
    電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレーム上で前記2面と直交する面を有し前記角部とは別の角部の直交する水平面と垂直面との2面うちの一方の面に曲線部を含むスロットが設けられ、該角部の他方の面に直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する位置を給電部とした第二スロットアンテナと、
    前記給電部に伝送手段を介して接続された無線通信回路と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  3. 前記電子機器の使用状態において、
    前記第二スロットアンテナが設けられる前記角部は、少なくとも、前記第一スロットアンテナが設けられた前記角部における前記2面と直交する面を有する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記曲線部を含むスロットは前記給電部とされた部分を円弧上に有する半円形状であり、
    前記直線部で構成されたスロットは前記給電部とされた部分を平行短辺上に有する台形状である、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器。
  5. 前記曲線部を含むスロットは前記給電部とされた部分を円弧の端部に有する四分の一円形状であり、
    前記直線部で構成されたスロットは前記給電部とされた部分を平行短辺端部に有する台形状である、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器。
  6. 電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2つの面にまたがるように曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の2つの面にまたがるように直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する(前記角部上の)位置を給電部としたスロットアンテナと、
    前記給電部に伝送手段を介して接続された無線通信回路と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  7. 電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレームの角部の直交する水平面と垂直面との2つの面にまたがるように曲線部を含むスロットが設けられ、前記角部の2つの面にまたがるように直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する(前記角部上の)位置を給電部とした第一スロットアンテナと、
    電子機器の導電性筐体もしくは導電性フレーム上で前記2面と直交する面を有し前記角部とは別の角部の直交する2つの面にまたがるように曲線部を含むスロットが設けられ、該角部の2つの面にまたがるように直線部で構成されたスロットが設けられ、2つの前記スロットが接近する(前記角部上の)位置を給電部とした第二スロットアンテナと、
    前記給電部に伝送手段を介して接続された無線通信回路と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  8. 前記電子機器の使用状態において、
    前記第二スロットアンテナが設けられる前記角部は、少なくとも、前記第一スロットアンテナが設けられた前記角部における前記2面と直交する面を有する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
  9. 前記曲線部を含むスロットは前記給電部とされた部分を円弧上に有する半円形状であり、
    前記直線部で構成されたスロットは前記給電部とされた部分を平行短辺上に有する台形状である、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器。
  10. 前記電子機器は、医療機器であり、
    該医療機器のいずれかの角部に、前記スロットアンテナが配置されている、
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子機器。
  11. 前記電子機器は、事務用電子機器であり、
    該事務用電子機器の開閉可能な可動部の自由端の角部に、前記スロットアンテナが配置されている、
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子機器。
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