JP2010186839A - 電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置、および電子部品への封止樹脂の吐出装置、さらに電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法ならびに電子部品への封止樹脂の吐出方法 - Google Patents

電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置、および電子部品への封止樹脂の吐出装置、さらに電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法ならびに電子部品への封止樹脂の吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体装置8に封止樹脂を吐出する前に、実際行う際の吐出条件値を高精度に設定することを目的とする。
【解決手段】実装テープ6の半導体装置8に目標吐出重量だけ封止樹脂をニードル16から吐出させるための吐出圧力を設定するに当たり、検量皿43に吐出した封止樹脂の重量を電子天秤44で計測し、計測した重量と、目標吐出重量を5倍した比較対象重量とを比較し、計測した重量と比較対象重量とが一致した際の当該吐出圧力を上記吐出圧力として設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置、および電子部品への封止樹脂の吐出装置、さらに電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法ならびに電子部品への封止樹脂の吐出方法に関する。
一般に、半導体装置などの電子部品をフレキシブル絶縁テープなどの基板に実装(取付け)し、この電子部品を合成樹脂などの封止用樹脂を塗布し、しかる後に加熱硬化して樹脂封止することは広く行われている。
上記封止用樹脂を塗布するにあたり、予め吐出条件を調整しておき、調整後の吐出条件に基づいて上記電子部品に封止用樹脂を塗布することは、一般に行われている。
また特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されているように、液状材料をノズルから吐出させる場合に、予め吐出条件を調整しておくことも知られている。
特許文献1は、パルスポンプ1を駆動してノズル4から指定重量Wの液状材料を電子天びん6の計量カップ7に吐出し、電子天びん6により吐出した液体材料の重量を測定して実測重量を求め、パソコン8にて実測重量と指定重量とを比較し、実測重量が指定重量に近づくようにパルス数P等を修正する液体材料の吐出重量調整のためのフィードバック制御について記載されている。
特許文献2には、特許文献1と同様に、液体材料の吐出重量調整のためフィードバック制御を行うことが開示されている。
特許文献3には、半導体ベアチップを基板に実装する場合に適用される接着材塗布方法が記載されている。その図3、図4、図8に図示され[0025]から[0027]に記載されているように、半導体ベアチップを接合する接着剤を基板に塗布する前に、試し塗布工程111、接着材重量計測工程112、補正工程113を行うものである。ディスペンサ85が圧縮空気供給時間及び圧縮空気の圧力に関し基板に接着剤を塗布する本番と同じ条件で動作し、ノズル83が試し塗布台90上に接着剤を試し塗布し、天秤式の重量測定装置92がその重量を測定し、基板に塗布する本来の接着剤重量と比較し、許容範囲に入っていない場合にはフィードバック制御してディスペンサ85からの圧縮空気供給時間及び圧縮空気の圧力等を適宜調整するものである。
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特開2002−303275号公報([0009]、図1、図2等) 特開2002−206962号公報([0016]、[0017]、図1、図4、図6等) 特開平11−97484号公報([0025]から[0027]、図3、図4、図8)
特許文献1、特許文献2は、電子天びん上に吐出した液体材料の重量を測定し、この測定重量と指定重量(基準重量)とを比較して、実測重量が指定重量に近づくようにパルス数P等を修正する、いわゆる液体材料の吐出重量調整のためのフィードバック制御を行うものであるが、上記指定重量(基準重量)が微小な場合、或いは許容範囲が小さい場合には、上記測定重量を正確に測定することが困難であるか、或いは許容範囲内に収めることが困難である。
同様に特許文献3は、天秤式の重量測定装置92が塗布した接着剤の重量を測定し、基板に塗布する本来の接着剤重量と比較し、許容範囲に入っていない場合にはフィードバック制御してディスペンサ85からの圧縮空気供給時間及び圧縮空気の圧力等を適宜調整するものであるが、上記塗布重量が微小な場合、或いは許容範囲が小さい場合には、上記塗布重量を正確に測定することが困難であるか、或いは許容範囲内に収めることが困難である。
本発明は、上記課題を解消するものであり、基板に配置された電子部品に封止樹脂を吐出する前に予め吐出条件を設定するに当たり、吐出する封止樹脂の重量が微小であり、あるいは基準重量に対する許容範囲が小さい場合であっても、高精度で容易に基準重量に合わせ込むことができる吐出条件を設定することを目的とする。
本発明実施態様1の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置は、基板に配置された電子部品に液状の封止樹脂を目標吐出重量だけニードルから吐出させる吐出条件値を設定する電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、予め定めた計量用吐出条件値に基づいて計量用封止樹脂を前記ニードルから吐出させる吐出装置と、前記吐出装置により吐出された前記計量用封止樹脂の重量を計測する重量計測装置と、前記重量計測装置により計測された前記計量用封止樹脂の重量と比較対象重量とを比較し、該比較の結果に基づいて前記計量用吐出条件値を補正し、該補正された計量用吐出条件値である補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記比較対象重量として前記目標吐出重量を1を超える所定数で乗じた所定数倍目標吐出重量を用い、前記計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較することを特徴とする
上記本発明実施態様1の構成によれば、次の様な作用効果を有する。
まず、前記比較対象重量は、前記目標吐出重量に対して前記所定数倍された所定数倍目標吐出重量に設定されているので、最終的に前記比較対象重量と比較される際に吐出されている計量用封止樹脂の重量は、実際の電子部品に吐出される目標吐出重量に対して前記所定数(1を超える倍数)倍は重くなっている。
従って、上述のように前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とを比較する場合は、実際の電子部品に直接吐出した封止樹脂の重量を目標吐出重量と比較する場合に比べて、前記所定数倍だけ比較精度が高まることになる。すなわち、両者の重量を比較する重量比較装置の測定誤差範囲は当該測定装置によって定まっているものであり、測定対象の重量が軽い場合の測定誤差の割合(測定誤差率)は高く、測定対象の重量が重い場合の上記測定誤差率は小さくなる。よって、本発明のように計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とを比較する場合、実際の電子部品に直接吐出した封止樹脂の重量を目標吐出重量と比較する場合に比べ、比較精度が概ね前記所定数倍だけ向上する。
なお、上記の前記計量用封止樹脂の重量と比較対象重量とを比較し、該比較の結果に基づいて前記計量用吐出条件値を補正し、該補正された計量用吐出条件値である補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定する方法は種々ありうる。例えば、上記比較を行った後、最終的には前記計量用封止樹脂の重量を前記比較対象重量に一致させ、この一致をもたらせた際の計量用吐出条件値を求める吐出条件値と設定しても良く、あるいは前記一致をもたらせた際の計量用吐出条件値を前記所定数で除した算出値に基づいて最終的な吐出条件値を設定するようにしてもよい。
本発明の制御手段が設定する上述の吐出条件値は、たとえば封止樹脂をニードルから吐出させるために、ニードルに液状封止樹脂を送り出すシリンジ内に供給される気体の圧力(吐出圧力)であり、該気体圧力を供給する供給継続時間(吐出時間)等である。上記設定する吐出条件値は、好ましくは、上記吐出圧力か吐出時間のどちらか一方である。この両者を設定する場合であっても本発明に含まれる。それら以外にも封止樹脂をニードルから吐出させるための条件を設定するものであれば、上述の吐出条件値に含まれる。
なお、上記所定数は、電子部品への実際の吐出樹脂重量が軽い場合には大きくし、重い場合には小さく設定する。
本発明実施態様2の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置は、前記制御手段は、前記比較の結果、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致しない場合には、両者の重量差に応じて前記計量用吐出条件値を補正して補正計量用吐出条件値を設定し、前記吐出装置には該補正計量用吐出条件値に基づいて計量用封止樹脂を前記ニードルから吐出させ、前記重量計測装置には前記計量用封止樹脂の重量を計測させ、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とを再度比較するフィードバック制御を行い、前記比較もしくは前記再度比較の結果、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致した場合には、当該計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定することを特徴とする。
上記本発明実施態様2の構成によれば、次の様な作用効果を有する。
すなわち、前記制御手段は、前記比較の結果、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致しない場合には、上記フィードバック制御を行うことから、計量用封止樹脂を前記比較対象重量に一致させるための上記補正計量用吐出条件値を正確に設定できる。言い換えれば計量用封止樹脂を前記比較対象重量に一致させるまで上記フィードバック制御を行うため、上記補正計量用吐出条件値が正しく確実に設定出来るものである。
よって、上記一致しない場合における上記補正計量用吐出条件値を用い、あるいは上記一致した場合における当該計量用吐出条件値を用いて、前記吐出条件値を設定するので、前記吐出条件値を正確に設定することができるものである。
なお、上記フィードバック制御は、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致するまで何回行っても良い。
本発明実施態様3の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置は、実施態様1に記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、前記制御手段は、前記比較の結果、前記計量用封止樹脂と前記比較対象重量とが一致しない場合には、両者の重量差に応じて前記計量用吐出条件値を補正して補正計量用吐出条件値を設定し、該補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定し、前記比較の結果、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致した場合には、当該計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定することを特徴とする。
上記構成によれば、前記制御手段は、前記比較の結果、前記計量用封止樹脂と前記比較対象重量とが一致しない場合には、両者の重量差に応じて前記計量用吐出条件値を補正して補正計量用吐出条件値を設定するので、該補正計量用吐出条件値を素早く設定できるものである。具体的には、前記両者の重量差により当該計量用吐出条件値を補正するものである。この補正は、例えば予め比較対象重量における重量差に応じた補正量のテーブルを用意しておき、上記重量差に対応する補正量だけ補正するようにしてもよく、または吐出された計量用封止樹脂重量に対する上記重量差の割合を算出し、当該計量用吐出条件値を上記割合分だけ補正して上記補正計量用吐出条件値を設定するようにしてもよい。
このようにして得られた補正計量用吐出条件値、あるいは前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致した場合の当該計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定するので、前記吐出条件値を正確に設定することができるものである。
この場合は、前述のようなフィードバックを行わないで前記吐出条件値を設定するので、短時間で吐出条件値を設定でき、また吐出条件値を設定するための制御手段を簡素にすることができて低コストで実現できる。
本発明実施態様4の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置は、実施態様1から実施態様3のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、前記吐出条件値は複数値を有しており、前記制御手段は、前記吐出条件値のうち一方として、予め設定された吐出時間または吐出圧力を用いており、前記吐出条件値のうち他方として、前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して設定するものであり、前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して予め定めた計量用吐出条件値に基づいて前記計量用封止樹脂を吐出させ、前記吐出された前記計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較し、該比較の結果に基づいて前記計量用吐出条件値を補正し、該補正された計量用吐出条件値である補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値の前記他方を設定することを特徴とする。
上記構成によれば、前述のように、最終的に求める吐出条件値として封止樹脂を目標吐出重量だけニードルから吐出させる吐出時間または吐出圧力としており、そのうちどちらか一方は予め設定されている吐出条件値としており、他方の吐出条件値を本発明で設定するための吐出条件値としているものである。
電子部品に液状の封止樹脂を目標吐出重量だけニードルから吐出させるためには、上記吐出条件値として上記吐出時間と吐出圧力を用いており、ニードルから封止樹脂を吐出させるための吐出時間と吐出圧力の掛け算により上記目標吐出重量が確実に得られるものである。その上、上記他方を本発明によって設定すればよいので、他方を容易に正確に設定することが出来き、目標吐出重量に対して正確に吐出させることができるものである。
本発明実施態様5の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置は、実施態様1から実施態様2のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、前記吐出条件値は複数値を有しており、前記制御手段は、前記吐出条件値のうち一方として、予め設定された吐出時間または吐出圧力を用いており、前記吐出条件値のうち他方として、前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して設定するものであり、前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して予め定めた計量用吐出条件値に基づいて前記計量用封止樹脂を吐出させ、前記吐出された前記計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較し、該比較の結果に基づいて前記計量用吐出条件値を補正し、該補正された計量用吐出条件値である補正計量用吐出条件値および前記予め設定された吐出条件値の一方の値に前記所定倍を乗じた値に基づいて再度前記計量用封止樹脂を吐出させて所定倍計量用封止樹脂とし、該計所定倍計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較し、該比較の結果が一致した際における補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値の前記他方を設定することを特徴とする。
上記構成によれば、前述のように、最終的に求める吐出条件値として封止樹脂を目標吐出重量だけニードルから吐出させる吐出時間または吐出圧力としており、そのうちどちらか一方は予め設定されている吐出条件値としており、他方の吐出条件値を本発明で設定するための吐出条件値としているものである。
電子部品に液状の封止樹脂を目標吐出重量だけニードルから吐出させるためには、上記吐出条件値として上記吐出時間と吐出圧力を用いており、ニードルから封止樹脂を吐出させるための吐出時間と吐出圧力の掛け算により上記目標吐出重量が確実に得られるものである。その上、上記他方を本発明によって設定すればよく、他方を容易に正確に設定することが出来き、目標吐出重量に対して正確に吐出させることができるものである。
特に、制御手段は、前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して予め定めた計量用吐出条件値に基づいて前記計量用封止樹脂を吐出させ、前記吐出された前記計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較し、該比較の結果に基づいて前記計量用吐出条件値を補正し、該補正された計量用吐出条件値である補正計量用吐出条件値および前記予め設定された吐出条件値の一方の値に前記所定倍を乗じた値に基づいて再度前記計量用封止樹脂を吐出させて所定倍計量用封止樹脂とし、該計所定倍計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較し、該比較の結果が一致した際における補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値の前記他方を設定するという、フィードバック制御を行っているので、求める吐出条件値をより正確に設定することができるものである。
本発明実施態様6の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置は、実施態様1から実施態様5のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、前記制御手段が、前記補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定するにあたり、前記補正計量用吐出条件値に換算係数を乗じることに基づいて前記吐出条件値を設定することを特徴とする。
上記構成によれば、前述のように、前記比較対象重量として前記目標吐出重量を所定数(1を超える数)倍した所定数倍目標吐出重量を用いているので、より正確に電子部品への封止樹脂の吐出条件値を設定出来るものである。
その場合、上記封止樹脂の吐出条件値を設定する際に、あるいは実際に電子部品に封止樹脂の吐出する際に、周囲環境や電子部品に封止樹脂の吐出する回数および吐出条件値設定の初期からの経過時間(日数)などにより、上記吐出条件値が微妙に変化することがあり、目標吐出重量に対してより高精度の封止樹脂重量を吐出するためには、上記周囲環境や経過時間(日数)などに対応した換算を行うことが望ましい。
上記換算のための係数(換算係数)は、ニードル内の液状封止樹脂の粘度、ニードル内の液状封止樹脂の温度、吐出条件設定装置の周囲温度、吐出条件設定装置に照射される光の強さ、実際の電子部品に封止樹脂を吐出する回数等により設定されるものである。
例えば、実際の電子部品に封止樹脂を吐出する回数が所定回数を越えてシリンジ内の液状封止樹脂が少なくなると、シリンジ内に供給される気体圧力とその供給継続時間が当初と同じ条件であってもシリンジ内の封止樹脂の重量が減少することから、ニードルから吐出される封止樹脂の重量が変化することがあり得る。その場合は、上記回数が所定回数を越えることによって気体圧力やその供給継続時間を変化させるものであり、その変化分に相当する換算係数を前述の算出値に乗じさせるものである。
同様に、ニードル内の液状封止樹脂の粘度、ニードル内の液状封止樹脂の温度、吐出条件設定装置の周囲温度、吐出条件設定装置に照射される光の強さ、実際の電子部品に封止樹脂を吐出する回数等が、実際の電子部品に封止樹脂を吐出する初期に比べて基準量だけ変化することによって、その変化分に相当する換算係数を前述の算出値に乗じさせることができる。
なお、上記換算係数は、上記周囲環境や電子部品に封止樹脂の吐出する回数および吐出条件値設定の初期からの経過時間(日数)などが変化しても、実際の電子部品に吐出される封止樹脂の重量に変化をもたらさない場合、例えば実際の電子部品に吐出する目標吐出重量が比較的大きい場合は、上記実際の電子部品に封止樹脂を吐出する吐出初期に対して何回か吐出した後の吐出終了時において、上記電子部品に吐出する封止樹脂の重量に実質的変化が無いことがあり、その場合は、上記換算係数は1とするものである。
本発明実施態様7の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置は、実施態様1から実施態様6のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、 前記重量計測装置は、前記吐出された封止樹脂を保持する検量皿と、この検量皿の前記封止樹脂の重量を計測する電子天秤と、前記計量用封止樹脂が載置された計量皿を閉じて前記計量用封止樹脂を風防する風防蓋とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、前記重量計測装置が、検量皿と電子天秤とを備えて前記計量用封止樹脂の重量を計測する場合に、前記計量用封止樹脂が載置された前記計量皿を閉じて前記計量用封止樹脂部分を風防する風防蓋を備えているので、前記計量用封止樹脂の重量計測は無風状態で計測でき、正確な計量が可能となるものである。
すなわち前記重量計測装置が風防蓋を備えて外部からの微風でも防ぎ無風条件下で計量することにより、前記計量用封止樹脂をより正確に計量でき、その結果、前記吐出条件値を正確に設定することが可能となり、実際の電子部品へ吐出する封止樹脂の重量を目標吐出重量により正確に近づけることができるものである。
なお、計量皿にニードルから計量用封止樹脂を吐出する際には、計量皿を閉じている風防蓋を開くが、この風防蓋を開くことは制御手段により自動で行ってもよく、作業者が手動で行ってもよい。
本発明実施態様8の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置は、実施態様1から実施態様7のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、さらに前記ニードルの先端の高さ位置を予め設定された基準位置に移動させるニードル高さ調整装置を有することを特徴とする。
を有することを特徴とする
上記構成によれば、ニードルの先端(下端)の高さを上記基準位置に調整することができるので、吐出された計量用封止樹脂とニードル先端の位置が近づきすぎて重量計測装置に吐出された計量用封止樹脂にニードルが接触し埋没し過ぎたりして計量用封止樹脂を吐出条件値対応した適切な計量用封止樹脂の吐出を妨げることを防止でき、吐出された計量用封止樹脂の重量を正確に計測することができる。
上記基準位置は、重量計測装置に計量用封止樹脂を吐出する際に、吐出された計量用封止樹脂にニードルの先端が離れすぎない適切な高さ位置に設定されるものである。
また、本実施態様は、ニードルの先端の高さを上記基準位置に調整することができるので、電子部品への封止樹脂の吐出装置に使用された際には、基板上に載置された電子部品の所定高さ位置に前記ニードルを移動させ、適切な高さから電子部品の所定箇所に封止樹脂を吐出することができることにも役立つものである。
なお、実施態様7の風防蓋を備えていること、及び実施態様8のニードル高さ調整装置を有することは、実施態様1で得られる前記所定数倍だけ比較精度が高まる作用効果、及び計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とを比較する比較精度が概ね前記所定数倍だけ向上することを、より確実にもたらす効果を有するものである。
本発明実施態様9の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置は、実施態様1から実施態様8のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、前記吐出装置は、前記ニードルから吐出する封止樹脂を保留しておくシリンジと、前記シリンジに所定圧の気体を供給する電空レギュレーターと、前記気体を電空レギュレーターからシリンジに供給するか否かを切り換えるバルブと、を有し、前記制御手段は、前記比較結果に基づいて、前記吐出条件値のうちの前記気体の吐出圧力を前記電空レギュレーターで補正すること、前記吐出条件値のうちの前記気体をシリンジに供給する吐出時間である供給時間を前記バルブで補正することの少なくとも一方を行うことを特徴とする。
上記構成によれば、前記制御手段は、前記電空レギュレーター、バルブを制御して、シリンジ内に収納されている液状封止樹脂をニードルに供給する条件、すなわち吐出条件値を適宜調整するものである。
特に、制御手段は、前記比較結果に基づいて、前記吐出条件値のうちの前記気体の吐出圧力を前記電空レギュレーターで補正すること、前記吐出条件値のうちの前記気体をシリンジに供給する吐出時間である供給時間を前記バルブで補正することの少なくとも一方を容易にかつ確実に行うことが出来るものである。
上記の場合、制御手段は、前記気体の吐出圧力を前記電空レギュレーターで補正してもよく、あるいは前記気体をシリンジに供給する供給時間を前記バルブで補正しても良く、更には両者を合わせた両補正を行っても良いものである。
なお、上記気体は、空気、特に圧縮空気が好ましいが、それ以外の気体でも適用でき、例えば不活性ガスでもよい。
なお、実施態様1から実施態様9のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、前記制御手段は、前記封止樹脂の前記目標吐出重量の設定値や、前記目標吐出重量に対応する吐出条件値の設定値を入力する設定値入力部を備えていてもよい。
上記構成によれば、前記設定値入力部は、前記目標吐出重量を変更したい場合には、容易に前記目標吐出重量に対応した吐出条件値の設定値を予め入力し設定しておくことができる。
上記目標吐出重量に対応した吐出条件値は、例えばニードルから液状封止樹脂を吐出するための吐出圧力や吐出時間であり、前記設定値入力部で、上記吐出圧力や吐出時間を入力して設定することができる。
上記設定値入力部は、例えば前記制御手段のコントロールパネルの入力部である。
本発明実施態様10の電子部品への封止樹脂の吐出装置は、実施態様1から実施態様9のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置を有し、基板に配置された電子部品の所定箇所に前記ニードルを移動させるニードル移動装置を備え、前記制御手段は、前記設定された前記吐出条件値に基づいて前記ニードルから前記封止樹脂を電子部品の前記所定箇所に吐出させることを特徴とする。
上記構成によれば、電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置の前述した作用効果を有した電子部品への封止樹脂の吐出装置をもたらすことができる。すなわち、電子部品へ吐出する封止樹脂の重量を目標吐出重量に高精度に近づけることができるものである。
なお、本発明の電子部品への封止樹脂の吐出装置は、実施態様10に記載された電子部品への封止樹脂の吐出装置であって、前記ニードル移動装置は、前記ニードルを平面方向の一つであるX方向に移動させるX方向移動装置、前記平面方向の他方である前記X方向に直交するY方向に移動させるY方向移動装置、前記X方向およびY方向に直交する高さ方向に移動させるZ方向移動装置を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、電子部品への封止樹脂の吐出装置を、電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置として前述の吐出条件設定を行った場所から、基板に配置されている電子部品の所定箇所までニードルを移動することが出来るものである。
この場合、X方向移動装置、Y方向移動装置、Z方向移動装置を備えているので、ニードルを高さ方向の所定位置、平面方向の所定位置に移動し、電子部品の所定箇所に的確にかつ高精度に封止樹脂を目標吐出重量だけ吐出することができる。
本発明実施態様11の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法は、基板に配置された電子部品に液状の封止樹脂を目標吐出重量だけニードルから吐出させる吐出条件値を設定する電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法であって、予め定めた計量用吐出条件値に基づいて計量用封止樹脂をニードルから吐出する計量用封止樹脂吐出工程と、前記計量用封止樹脂吐出工程で吐出された前記計量用封止樹脂の重量を計測する計量用封止樹脂重量計測工程と、前記計量用封止樹脂重量計測工程で吐出された前記計量用封止樹脂と比較対象重量とを比較する比較工程と、前記比較工程での比較結果に基づいて前記計量用吐出条件値を補正し、該補正された計量用吐出条件値である補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定する吐出条件値設定工程と、を有し、前記比較工程では、前記比較対象重量として前記目標吐出重量を1を超える所定数で乗じた所定数倍目標吐出重量を用い、前記計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較することを特徴とする。
上記構成によれば、本発明実施態様1と同様な作用効果を有する電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法をもたらすものである。
すなわち、本発明実施態様11のように計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とを比較する場合、実際の電子部品に直接吐出した封止樹脂の重量を目標吐出重量と比較する場合に比べ、比較精度が概ね前記所定数倍だけ向上することから、最終的に設定される吐出条件値も前記所定数倍だけ向上するという作用効果を有する。
なお、本発明の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法は、実施態様11に記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法であって、前記比較の結果、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致しない場合には、両者の重量差に応じて前記計量用吐出条件値を補正した補正計量用吐出条件値を設定し、該補正計量用吐出条件値に基づいて計量用封止樹脂をニードルから吐出する再計量用封止樹脂吐出工程、前記再計量用封止樹脂吐出工程で吐出された前記計量用封止樹脂の重量を計測する再計量用封止樹脂重量計測工程、前記再計量用封止樹脂重量計測工程で計測された前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とを再度比較する再比較工程を行うフィードバック工程を有し、前記比較または前記再度比較の結果、当該計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致した場合には、前記吐出条件値設定工程は、当該計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定することを特徴とする。
上記構成によれば、本発明実施態様2と同様な作用効果を有する電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法をもたらすものである。
なお、本発明の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法は、実施態様11に記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法であって、前記吐出条件値設定工程は、前記比較工程での比較の結果、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致しない場合には、両者の重量差に応じて前記計量用吐出条件値を補正して補正計量用吐出条件値を設定し、該補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定し、前記比較工程での比較の結果、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致した場合には、当該計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定することを特徴とする。
上記構成によれば、本発明実施態様3と同様な作用効果を有する電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法をもたらすものである。
本発明実施態様12の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法は、実施態様11に記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法であって、前記吐出条件値は複数値を有しており、前記吐出条件値のうち一方は、予め設定された吐出時間または吐出圧力を用いており、前記吐出条件値のうち他方は、前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して設定するものであり、前記計量用封止樹脂吐出工程は、前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して予め定めた計量用吐出条件値に基づいて前記計量用封止樹脂を吐出させ、前記比較工程は、前記吐出された前記計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較し、前記吐出条件値設定工程は、前記比較の結果に基づいて前記計量用吐出条件値を補正し、該補正された計量用吐出条件値である補正計量用吐出条件値および前記予め設定された吐出条件値の前記一方の値に前記所定倍を乗じた値に基づいて再度前記計量用封止樹脂吐出工程にて前記計量用封止樹脂を吐出させて所定倍計量用封止樹脂とし、該所定倍計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較し、該比較の結果が一致した際における補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値の前記他方を設定することを特徴とする。
上記構成によれば、本発明実施態様5と同様な作用効果を有する電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法をもたらすものである。
なお、本発明の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法は、実施態様11から実施態様12のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法であって、前記吐出条件値設定工程は、前記補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定するにあたり、前記補正計量用吐出条件値に換算係数を乗じることに基づいて前記吐出条件値を設定することを特徴とする。
上記構成によれば、本発明実施態様6と同様な作用効果を有する電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法をもたらすものである。
本発明実施態様13の電子部品への封止樹脂の吐出方法は、実施態様11から実施態様12のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法を用い、基板上に載置された電子部品の所定箇所に前記ニードルを移動させるニードル移動工程と、前記設定された前記吐出条件値に基づいて前記ニードルから前記封止樹脂を電子部品の前記所定箇所に吐出させる電子部品への封止樹脂吐出工程と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、本発明実施態様10と同様な作用効果を有する電子部品への封止樹脂の吐出方法をもたらすものである。
本発明の第1実施形態における電子部品の封止樹脂部形成装置の側方配置図。 本発明における実装テープの平面図(1)、および平面図の長手方向断面図(2)。 本発明の第1実施形態における吐出条件設定装置および封止樹脂の吐出装置の全体配置図。 図3の吐出条件設定装置および封止樹脂の吐出装置におけるニードル周辺を左側から見た正面配置図。 本発明の第1実施形態における封止樹脂の吐出条件設定工程を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態における封止樹脂の吐出条件設定工程を示すフローチャート。 本発明の第3実施形態における第1実施形態の図5に対応した封止樹脂の吐出条件設定フローチャート。 本発明の第3実施形態における第2実施形態の図6に対応した封止樹脂の吐出条件設定フローチャート。 本発明の第4実施形態における封止樹脂の吐出作業のフローチャート。
以下、本発明を具体的な実施形態に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態は、電子部品である半導体装置への封止樹脂の吐出条件設定装置およびその吐出条件設定方法に関するもので、図1から図5に示されている。
図1は、本発明の第1実施形態における電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置および電子部品への封止樹脂の吐出装置を含む電子部品の封止樹脂部形成装置1の主要部の側方配置図である。
〔全体構成〕
図1において、左方には電子部品である半導体装置8(IC、LSIなど)が実装された基板としての実装テープ6を供給するテープ供給部2が配置されており、その右隣には上記半導体装置8に封止樹脂を塗布する封止樹脂吐出部3が配置されており、その右隣には塗布された封止樹脂部9を加熱硬化する加熱硬化部4が配置されており、その右隣には封止樹脂部9が硬化された実装テープ6を巻き取るテープ巻取部5が配置されている。上記テープ供給部2、封止樹脂吐出部3、加熱硬化部4、テープ巻取部5は、各々床に設置されている。
以下、各装置、各部を詳細に説明する。
〔各装置、各部〕
まず実装テープ6は、図2に図示されており、図2の(1)は実装テープ6の平面図、図2の(2)は図2の(1)の実装テープ6の長手方向における断面図である。
実装テープ6は、ポリイミド樹脂などの合成樹脂からなる幅35mmまたは48mmのフレキシブル絶縁テープ7と、フレキシブル絶縁テープ7上面の所定位置に接合された半導体装置8(IC、LSIなど)とを備えている。
フレキシブル絶縁テープ7の上表面には、銅やアルミニュームなどからなる配線部である導電パターン(図示せず)が形成されており、半導体装置8の各電極が各導電パターンの内端部に導通接合されており、こうして半導体装置8がフレキシブル絶縁テープ7に実装されている。フレキシブル絶縁テープ7の幅方向の両端付近には、長手方向に沿って開口7aが等間隔に配置されている。この開口7aは、テープ搬送装置14の搬送爪(図示省略)が入り込んで実装テープ6を長手方向に搬送するために用いてもよい。
この半導体装置8の周辺である外周や上面には、後述する封止樹脂が塗布され、硬化されて封止樹脂部9が構成される。
なお、実装テープ6は、図2の半導体装置8の実装構造に限定されるものではなく、他の実装構造であってもよい。
例えば、フレキシブル絶縁テープ7に開口を設け、開口内に導電パターンの内端を突出させておき、突出した導電パターンの内端と、フレキシブル絶縁テープ7の下側または上側に配置した半導体装置8の電極とを導通接合する構造でもよく、半導体装置8の電極と導電パターンの内端とをワイヤーボンディングで導通させる構造でもよい。
いずれの実装構造であっても、封止樹脂部9は、半導体装置8の周辺において半導体装置8の電極と導電パターンとの導通接合部を初め、ボンディングされたワイヤ、及び必要に応じて半導体装置8の外周部や上面または下面等を外気から遮蔽するように封止するものである。
半導体装置8は、フレキシブル絶縁テープ7の長手方向に所定ピッチで順次配置されているが、場合によっては幅方向に所定間隔で配置されつつ長手方向に所定ピッチで順次配置されるようにしてもよい。
テープ供給部2は、次の様に構成されている。
テープ供給部2は、実装テープ6がスペーサーテープ10に覆われた状態で巻きつけられている送出しリール11と、送出しリール11から搬出された後に実装テープ6から分離されたスペーサーテープ10を巻き取るスペーサーテープ巻取りリール12と、送出しリール11から搬出された後でスペーサーテープ10から分離された実装テープ6を搬送方向Nである封止樹脂吐出部3側に向けて搬送案内するテープガイド13とを備えている。
上記スペーサーテープ10は、送出しリール11に巻きつけられた状態において実装テープ6表面に実装されている各半導体装置8の上面に被さっており、各半導体装置8の上面に重ねられる実装テープ6下面が接触して各半導体装置8の上面を損傷させまた各半導体装置8に不要な外力が掛かることがないように緩衝するためのものであり、紙テープ、樹脂フィルムテープなどである。
なお、テープガイド13は、搬送案内する際に、実装テープ6の静電気を外部に逃がすように静電気除去の構造が施され、例えば、テープガイド13の表面の一部に導電膜が形成され、この導電膜がテープ供給部2の金属基枠に導通するように構成されてもよい。
封止樹脂吐出部3は、概略次の様に構成されている。
封止樹脂吐出部3の搬送方向Nの前方および搬送方向Nの後方(先方)には、実装テープ6を挟んで搬送方向Nに搬送するテープ搬送装置14を備えている。
上記テープ搬送装置14とテープ搬送装置15の間には、封止樹脂を実装テープ6上の各半導体装置8の周辺及び上面に吐出するためのニードル16が配置されている。このニードル16は、複数個が上記長手方向に等間隔に配置されている。なお、このニードル16は、封止樹脂の吐出条件設定装置および封止樹脂の吐出装置(詳細は後述する)に配置されているものである。
このニードル16は、実装テープ6に実装された各半導体装置8の周辺において半導体装置8の電極と導電パターンとの導通接合部を初め、ボンディングされたワイヤ、さらに必要に応じて半導体装置8の外周部や上面または下面等に、封止樹脂としての液状のエポキシ樹脂などを適量吐出するものである。上記ニードル16は、搬送されて来た実装テープ6の各半導体装置8に対して、所定タイミングで上記のように封止樹脂を適量吐出するものである。複数個のニードル16が、封止樹脂を吐出している時間(10秒程度)は、実装テープ6の搬送は停止しているものである。封止用樹脂は、エポキシ樹脂以外の合成樹脂でもよい。また上記封止樹脂は、半導体装置8を封止ことができるならば、合成樹脂以外のものも含むものである。
加熱硬化部4は、次の様に構成されている。
加熱硬化部4は、封止樹脂吐出部3によって吐出された封止樹脂を加熱硬化し、封止樹脂部9を構成するものである。
加熱硬化部4は、封止樹脂吐出部3により封止樹脂が各半導体装置8周辺に吐出された実装テープ6が搬入された際に、封止樹脂部9を加熱硬化するための断面方向(上下方向)に3段に構成された加熱部を有する加熱ブロック17と、加熱ブロック17から搬出された実装テープ6を搬送するテープ搬送装置27と、加熱ブロック17内で加熱した際に封止用樹脂部9から排出されるガスを外部に排気する排気部としての排気管21とを備えている。
加熱硬化部4の中を搬送される実装テープ6の搬送速度、即ち加熱硬化時の搬送速度は、毎秒5.8mm程度である。ただし、封止用樹脂の吐出用のニードル16が、封止用樹脂を吐出している時間(4秒程度)は、実装テープ6の搬送が停止されているものであり、上記加熱硬化時においても封止用樹脂を吐出している時間は搬送が停止しているものである。
加熱ブロック17は、最下段に配置された第1加熱部18、第1加熱部18の上段に配置された第2加熱部19、最上段に配置された第3加熱部20を備えており、さらに第1加熱部18から搬出された実装テープ6の搬送方向を180度変更して第2加熱部19に搬送する第1反転ローラー22、第2加熱部19から搬出された実装テープ6の搬送方向を90度づつ変更して第3加熱部20に搬送する2箇所の第2反転ローラー23、23を備えている。
ここで、第1加熱部18、第2加熱部19、第3加熱部20は、各々実装テープ6の搬入口と搬出口は開口しているが、それら以外は実装テープ6の周囲をほぼ取り囲むようにトンネル状(枠状)に構成されている。すなわち、第1加熱部18、第2加熱部19、第3加熱部20は、上記搬入口と搬出口が開口し、搬送方向に直交する方向での断面形状が略四角形となるトンネル状に形成されトンネル状部(枠状部)を構成されており、いわば断面四角形状の長筒状部を有している。特に各加熱部18,19,20は、各々、上壁、左側壁、右側壁は互いに密着しており、底部はその左右において左側壁および右側壁と多少の隙間を有して配置されている。
第1加熱部18、第2加熱部19、第3加熱部20において、上記各々上壁、左側壁、右側壁、底部に囲まれるトンネル状の内部空間内に実装テープ6が搬送されながら加熱されるものである。
さらに、第1加熱部18、第2加熱部19、第3加熱部20の各々には、加熱手段としてのヒーター24が配置されている。ヒーター24は、電気ヒーターならばどのようなものでも良く、例えば遠赤外線ヒーターを用いる。
前述した排気管21は、加熱硬化部4の上壁に配置されて第1加熱部18に連通しており、第1加熱部18内で加熱される際に封止用樹脂部から排出されるガスをファン25により外部に排出するためのものである。
またファン25の近傍に配置された他のファン26は、加熱ブロック全体に多少漏れ出たガスを排気管21に送り込んで外部に排出するためのものである。
第3加熱部20を通過した実装テープ6は、加熱ブロック17から搬出され加熱ブロック17の先方に配置されたテープ搬送装置27により加熱硬化部4からも搬出されることになる。
加熱硬化部4から搬出された実装テープ6は、図1のようにテープ巻取部5に搬入される。
テープ巻取部5では、入口付近に配置された一対のテープガイド28に案内されて、テープ巻取部5の下方に配置されたスペーサーテープ送出しリール29に巻き付けられているスペーサーテープ30を実装テープ6に積層させた状態で、上方に配置された巻取りリール31に巻き取るようになる。上記両テープ6、30が巻き取られた巻取りリール31は、次工程の電気機器の回路基板等への組立工程に用いられる。
〔封止樹脂の吐出条件設定装置〕
ここで、封止樹脂の吐出条件設定装置について説明する。
図3は、本第1実施形態の上記吐出条件設定装置66を表す全体配置図である。
吐出条件設定装置66は、実装テープ6に配置された半導体装置8の所定箇所に予め設定されている目標吐出重量の封止樹脂をニードル16から吐出させるための吐出条件を、実際に半導体装置8に封止樹脂を吐出する前に、予め設定するための装置である。
図3において、前記ニードル16を保持しているものは、液状のエポキシ樹脂が収納された円筒状のシリンジ32であり、ニードル16はシリンジ32の下端に配置されている。液状エポキシ樹脂は、シリンジ32に収納されており、シリンジ32の上方から圧縮空気が供給されることによって、ニードル16に押し出されてニードル16の下端開口から外部(下方)に吐出されるものである。
シリンジ32は、円筒状の長手方向の軸線が鉛直方向に向くように配置されて、シリンジ保持フレーム33に保持されている。
シリンジ保持フレーム33は、T字形状に形成されており、T字の先端側でシリンジ32を保持し、T字の底部側でZ方向基台34に形成された案内レールに挿入されて位置案内されつつ鉛直方向(Z方向)に移動可能に保持されている。したがって、シリンジ保持フレーム33は、Z方向テーブルに相当する。
Z方向基台34は、上側に、シリンジ保持フレーム33を上記Z方向に移動させるZモーター35を配置している。Zモーター35に駆動信号が入ることによって、シリンジ保持フレーム33がZ方向基台34の側壁に沿ってZ方向に移動できる。Zモーター35がネジ溝が形成されたZ回転軸を回転させ、このネジ溝と噛み合う突起がネジ状に形成されたシリンジ保持フレーム33をZ方向に移動する。
Z方向基台34は、下端でY方向テーブル36に係合し、Y方向(図3の左右方向)に移動可能に配置されている。
Y方向テーブル36は、右端にYモーター37と、Yモーター37により回転しZ方向基台34の下端と係合しているY移動軸38とを備えている。
Yモーター37に駆動信号が入るとY移動軸38が回転し、Z方向基台34がY方向に移動することになる。この場合、Y移動軸38にネジ溝が形成され、Z方向基台34の下端にその溝に噛み合う突起がネジ状に形成される構造を採用することができる。
Y方向テーブル36は、下端でX方向テーブル39に係合し、X方向(図3の紙面に対する垂直方向)に移動可能に配置されているものである。
X方向テーブル39は、端部にXモーター40を備えており、Xモーター40に駆動信号が入ることによって、Y方向テーブル36をX方向に移動する。Xモーター40に連結する回転軸がY方向テーブル36下端に係合し、回転軸が回転することによってY方向テーブル36がX方向に移動できるならばどのような構造でも良い。具体的には、Xモーター40がネジ溝が形成されたX回転軸を回転させ、このネジ溝と噛み合う突起がネジ状に形成されたX方向テーブル39をX方向に移動する。
X方向テーブル39は、X方向テーブル支持台41に支持されており、X方向テーブル支持台41は、封止樹脂吐出部3のフレーム42に固定されている。
ニードル16の周辺の構造を説明する。
この周辺の構造の説明には、図3と、図3のニードル16周辺を左側から見た正面配置図との図4とを用いる。
まず、重量計測装置51について説明する。
ニードル16の下方には、重量計測装置51を形成する検量皿43が配置され、検量皿43は電子天秤44上に配置されている。検量皿43と電子天秤44とは上下方向に多少離れて配置されているため両者を繋ぐために連結部45が配置され、検量皿43上にエポキシ樹脂が吐出された際に電子天秤44がエポキシ樹脂の重量を計測することができる。
検量皿43の側部上方には、上下方向と横方向に開閉する風防蓋46が配置されている。
風防蓋46は、風防蓋軸47を軸にして開閉するものであり、風防蓋46の下側に配置された風防蓋開閉シリンダー48により開閉される。風防蓋開閉シリンダー48に開閉信号が入力すると、風防蓋開閉シリンダー48からの動作が歯車列などの連結構造を介して風防蓋軸47を回転させ、風防蓋46を水平状に閉じ且つ垂直状に開くという開閉動作を行う。
風防蓋46は、検量皿43上にエポキシ樹脂が吐出される際には開き、検量皿43上のエポキシ樹脂の重量を電子天秤44で計測する際には閉じるものである。
図3、図4において、実線の風防蓋46は垂直状に開いている状態を表しており、2点鎖線の風防蓋46は水平状に閉じている状態を表している。風防蓋46が閉じた場合でも、風防蓋46が検量皿43に接触しないことが肝要である。
検量皿43の周囲には、上記重量の計測の際に検量皿43を周囲からの風を防止する板状の風防板49が配置されている。
風防板49は、検量皿43の全周囲に配置されているが、検量皿43とは接触しない条件でその隙間は小さい方が好ましい。また風防板49の上端は、風防蓋46が閉じた際に風防蓋46と接触するように構成されているが、風防蓋46と多少の隙間を有するようにしてもよい。
風防板49は、検量皿43の周囲を全て囲みことが困難な構造の場合は、検量皿43の周囲の一部は配置されない場合も有りうる。
電子天秤44は、除振台50を経て前記フレーム42に取り付けられている。
この除振台50は、装置全体が振動した際に電子天秤44に伝わらないようにするためのもので、除振性能を有する金属からなるが、高弾性の合成樹脂、セラミックなどで構成してもよい。
以上の検量皿43、電子天秤44、風防蓋46、風防蓋軸47、風防蓋開閉シリンダー48、風防板49、除振台50を備えて重量計測装置51が構成される。
なお、重量計測装置51として必須な要素としては、検量皿43、電子天秤44により重量計測装置51が構成されると称しても差し支えないものである。
次に、ニードル高さ位置調整装置52を説明する。
図3の左側に図示されたニードル高さ位置調整装置52は、ニードル16の近傍に配置されており、ニードル高さ検出板53、検出板スイッチ53a、それを支持する検出板支持部54を有して構成されている。検出板支持部54は、フレーム42に保持されている。
ニードル高さ位置調整装置52は、ニードルが基準高さに設定されるために構成されているものである。ニードル16を上記基準高さに設定するには、前述したY方向テーブル36、Yモーター37、X方向テーブル39、Xモーター40を用いて、ニードル16をニードル高さ位置調整装置52付近まで移動し、Zモーター35を駆動してニードル16をニードル高さ検出板53に接触するまで降下させる。ニードル16がニードル高さ検出板53に接触すると、ニードル高さ検出板53が下側に撓み、ニードル高さ検出板53が検出板スイッチ53aに接する。この接触により検出板スイッチ53aから接触信号が制御部64に送付され、Zモーター35が停止することにより、ニードル16が基準高さ位置に設定されるものである。
この基準高さ位置に設定されることは、検量皿43にエポキシ樹脂を適正に吐出することができる。
なお、ニードル高さ位置調整装置52は、上記以外であっても良く、例えば光学式高さ検出方式でも良い。
例えば、水平方向の一端側の基準位置に発光素子を配置し、他方に受光素子を配置する。ニードル16が降下して発光素子から照射される光線を遮蔽し受光素子が受光できなくなったタイミングでニードル16を降下させるZモーター35を停止することにより、ニードル16を基準高さ位置に設定することができる。
次に、シリンジ32に圧縮空気を供給する装置およびその制御手段について説明する。
シリンジ32の上端には、シリンジ32に圧縮空気が供給される配管A55が接続されており、この配管A55の元端は、吐出電磁バルブ56に接続している。
吐出電磁バルブ56は、前記Z方向基台34に設置されており、後述の制御部64(制御手段)からの信号により入力側流路を切り換える電磁バルブである。
吐出電磁バルブ56の入路側は、2系統の圧縮空気の流路が接続されている。
1方の流路系である配管B57は、上流の外部から圧縮空気Aが供給されており、レギュレーター58にて圧力が一定にされ、この一定圧力の圧縮空気が電空レギュレーター59に供給される。電空レギュレーター59では後述する制御部64からの信号に基づいて、圧縮空気の圧力が調整される。この調圧された圧縮空気は、前述の吐出電磁バルブ56に供給される。
他方の流路系である配管C60の上流からは、外部からの圧縮空気Bが供給されており、速度制御弁61に供給され、速度制御弁6は圧縮空気の真空度や流速を所定値まで低下させる。この低下された圧縮空気は、真空発生器62に供給され、真空発生器62に接続している配管D63から外部に排出されている。真空発生器62と吐出電磁バルブ56は配管C60により接続されている。
前記他方の流路系は、ニードル16からエポキシ樹脂が吐出された後に、ニードル16の先端からエポキシ樹脂が漏れ出ないようにシリンジ内の圧力を低下するために用いられるものである。
具体的には、ニードル16からエポキシ樹脂の吐出が終了すると、制御部64は、吐出電磁バルブ56を操作して、配管A55と配管B57との連通を遮断するとともに、配管A55と配管C60とを連通する。この連通により、速度制御弁61側から流れてくる圧縮空気Bが真空発生器62を通過して配管D63から外部に排出されることになる。すなわち、前記圧縮空気Bが真空発生器62を通過して配管D63から外部に排出されると、配管B57に負圧が生じることになり、この負圧によりシリンジ内のエポキシ樹脂をニードル16先端側から引き戻ることになる。
よって、シリンジ32内の圧縮空気は、配管A55、吐出電磁バルブ56、真空発生器62を通過して配管D63から外部に排出されるようになる。このため、シリンジ32内のエポキシ樹脂は、圧縮空気Bの外部への流れの方向、すなわちシリンジ32の上方側に吸引され、ニードル16の下端から落下せずにシリンジ32内に留まることになる。
64は、制御部であり、全ての制御を行うものである。
制御部64には、使用者が指令内容を入力する入力部とマイコン、パソコン等の制御手段と記憶装置等を備えている。
制御部64と電空レギュレーター59との間には、D/A変換器65が配置されており、 制御部64からのデジタル信号の指令をアナログ信号に変換し、電空レギュレーター59の圧縮空気の圧縮度、すなわち圧力を所定値に整えるようにする。上記圧縮度(圧力)の設定は、制御部64の入力部にて使用者が入力設定するものである。
さらに制御部64は、吐出電磁バルブ56を制御する。すなわち、制御部64は、電子天秤44の吐出樹脂重量を比較対象重量と比較するとともに、この比較結果に基づいて、電空レギュレーター59で整えられた圧力の圧縮空気をシリンジ32に供給する時間、吐出電磁バルブ56を開くようにするものである。
制御部64は、その他の要素と電気的に接続しており、Zモーター35、Yモーター37、Xモーター40、電子天秤44、風防蓋開閉用シリンダー48、ニードル高さ調整装置52(本実施形態ではニードル高さ検出板53)と電気信号の送受信を行うものである。
〔封止樹脂の吐出条件設定方法〕
以下、上述した吐出条件設定装置66を用いて、封止樹脂の吐出条件設定方法について説明する。
第1実施形態の封止樹脂の吐出条件設定は、図5の各ステップに沿って行われる。
第1実施形態は、半導体装置8にニードル16から半導体装置8に実際に吐出するエポキシ樹脂の目標吐出重量と予め設定する吐出条件値の一つである吐出時間とを設定しておき、吐出条件値の他方であるニードル16から半導体装置8に実際にエポキシ樹脂を吐出するための吐出圧力を設定するものである。
図5において、封止樹脂の吐出条件設定方法が開始されると、作業者は、制御部64の入力部に、半導体装置8にニードル16から実際に吐出するエポキシ樹脂の目標吐出重量、例えば5mgと、吐出電磁バルブ56が配管B57側に開いて配管B57から供給される圧縮空気を配管A55側に供給する時間、すなわちニードル16からエポキシ樹脂を吐出させるための吐出時間、例えば4secを入力する(S1)。
上記入力の後、制御部64に接続しているスタートスイッチをオンさせる(S2)。
すると、ニードル16を所定高さ位置まで降下させる(S3)。
この場合、制御部64が、Zモーター35を駆動して上記降下させ、ニードル高さ調整装置52が、ニードル16の下端が予め設定された所定高さ位置に降下したことを検出する。この検出は、ニードル16の下端がニードル高さ検出板53に接触すると、ニードル高さ検出板53が下方に撓んで、ニードル高さ検出板53が検出板スイッチ53aと接触することにより検出板スイッチ53aから高さ検出信号が制御部64に出力され、制御部64がZモーター35を停止させるので、ニードル16の降下は停止する。
ニードル16の下端が所定位置高さで停止すると、制御部64は、風防蓋開閉シリンダー48を駆動して風防蓋46を回動させて検量皿43の上方を閉じる(S4)。
風防蓋46が検量皿43の上部を閉じた状態は、図3の鎖線で図示されている。
その場合、風防板49が検量皿43の全周を囲んでおり、風防板49の上端が閉じられた風防蓋46の下面に接触するので、検量皿43に外方から流れ込んで来る空気流をシャットアウトし、検量皿43の重量計測を無風下で行うことができ、重量計測を正確に行うことができる。
風防蓋46が検量皿43の上方を閉じる(S4)と、重量計測装置51が検量皿43の重量を計測する(S5)。
上記検量皿43の重量を計測すると、検量皿43上に何も載置されていない状態での計測重量は検量皿43の総重量α1である。
上記重量計測は、制御部64の指令により、電子天秤44が計測するもので、計測された重量は、制御部64に送付され、記憶装置に記憶される。
上記重量計測装置51が検量皿43の重量を計測する(S5)と、制御部64は、風防蓋開閉シリンダー48を逆方向に駆動して風防蓋46を検量皿43に対して開く(S6)。
風防蓋46を検量皿43に対して開いた状態は、図3の実線で記載されているように、検量皿43側端に垂直状に立てられた状態である。
風防蓋46を検量皿43に対して開く(S6)と、制御部64は、ニードル16の下端を検量皿43の上方の設定高さ位置まで降下させる(S7)。
S7の設定高さ位置は、S3によってニードル16が降下し停止している所定高さ位置よりも検量皿43に近い低い位置である。
なお、S7によるニードル16の下端が停止している設定高さ位置は、ニードル16の下端が計量用エポキシ樹脂を検量皿43に吐出した際に、ニードル16の下端が計量用封止樹脂にほんの僅かだけ接触する高さ位置である。ニードル16の下端が計量用封止樹脂にほんの僅かだけ接触することにより、ニードル16の下端からエポキシ樹脂が離れやすくなる。すなわち、ニードル16の下端に残っている僅かのエポキシ樹脂は、検量皿43に吐出され貯留しているエポキシ樹脂に引き寄せられるので、ニードル16の下端からエポキシ樹脂が離れやすくなるものである。
なお、上記設定高さ位置は、封止樹脂の粘性が小さい場合にはニードル16の下端が計量用封止樹脂を検量皿43に何回か吐出しても、ニードル16の下端が計量用封止樹脂に接触しない高さ位置としてもよい。
次に、制御部64は、制御部64の記憶部に予め設定されているシリンジ32の仮の吐出圧力(圧縮空気圧)信号を電空レギュレーター59に送付する(S8)。
具体的には、制御部64は、上記仮の吐出圧力(圧縮空気圧)信号(デジタル信号)をD/A変換器65に供給し、D/A変換器65は上記信号をアナログ信号に変換して電空レギュレーター59に供給するものである。
電空レギュレーター59は、レギュレーター58にて圧縮空気Aの圧力が一定にされた圧縮空気を、上記予め設定された仮の吐出圧力(圧縮空気圧)に調整するものである。この調整された圧縮空気は、配管B57を通り、吐出電磁バルブ56に供給される。
制御部64が、上記予め設定されているシリンジ32への仮の吐出圧力(圧縮空気圧)信号を電空レギュレーター59に送付する(S8)と、その吐出圧力の圧縮空気圧がシリンジ32に供給されてニードル16の下端からエポキシ樹脂が検量皿43に吐出される(S9)。
このS9工程が、計量用封止樹脂吐出工程であり、上記仮の吐出圧力が予め定めた計量用吐出条件値である。
上記エポキシ樹脂が検量皿43に吐出されるのは、次の様にしてなされる。
電空レギュレーター59は、レギュレーター58から送付されてくる圧縮空気の圧力をD/A変換器65から送付されたアナログ信号に応じた前記仮の吐出圧力に設定する。この仮の吐出圧力に整えられた圧縮空気は、配管B57を通り吐出電磁バルブ56を経てシリンジ32に供給される。吐出電磁バルブ56には制御部64から制御信号が送信されており、その制御信号に応じた所定時間だけ配管B57から送付されてくる圧縮空気を配管A55に連通させる。上記所定時間は、予め設定されている上記吐出時間(吐出条件値の一つ)に所定数の5を乗じた時間である。その間は、吐出電磁バルブ56は配管A55と配管C60とは連通しないように閉鎖している。
従って、吐出電磁バルブ56の開放により、上記所定時間だけ上記設定圧力で供給された圧縮空気により、ニードル16の下端からエポキシ樹脂が検量皿43に吐出されるものである。
ニードル16の下端からエポキシ樹脂が検量皿43に吐出される(S9)と、ニードル16は、もとの上方位置であるS3の所定高さ位置まで移動する(S10)。
この移動は、制御部64からの指令により、Zモーター35が駆動して行われる。
ニードル16がもとの上方位置であるS3の所定高さ位置まで移動する(S10)と、制御部64の指令により、風防蓋46が閉じる(S11)。
風防蓋46が閉じるのは、制御部64からの指令により風防蓋開閉シリンダー48が駆動することによる。この風防蓋46が閉じた際の風防板49との接触状態は、S4と同様である。
風防蓋46が閉じる(S11)と、検量皿43の重量の測定が行われる(S12)。このS12工程が、計量用封止樹脂重量計測工程である。
この重量測定は、S5と同様に行われる。今回の総重量β1は、S5の総重量α1に対して、検量皿43に吐出されたエポキシ樹脂の分だけ重くなっている。
検量皿43の重量の測定が行われる(S12)と、制御部64により、S12で測定された総重量β1とS5で計測された総重量α1の差を算出(総重量β1−総重量α1)し、吐出されたエポキシ樹脂の重量γ1が算出される(S13)。
次に、S13で算出された吐出されたエポキシ樹脂の重量γ1と、S1で予め設定された目標吐出重量に所定数の5(M)を乗じた比較対象重量δとを比較する(S14)。
このS14工程が、比較工程である。
この場合、目標吐出重量を5倍した比較対象重量δ、すなわち所定数倍目標吐出重量を用いて吐出されたエポキシ樹脂の重量γ1と比較するので、比較結果の誤差率は縮小し、その分比較精度が向上する。
次に制御部64は、算出された吐出されたエポキシ樹脂の重量γ1と、上記目標吐出重量を所定数の5を乗じた比較対象重量δとが一致するか否かを比較判断する(S15)。
上記判断の結果、一致しない(S15のN)の場合、制御部64は、不一致の重量差に応じて電空レギュレーター59の圧力を補正する(S16)。
S16で補正された上記圧力が補正計量用吐出条件値である。
この場合も前回と同様、制御部64からは不一致の重量差に応じた補正された信号が、D/A変換器65でアナログ信号に変換して電空レギュレーター59に供給されるものである。従って、電空レギュレーター59からは、補正された圧力の圧縮空気が配管B57側に供給されるものである。
制御部64により不一致の重量差に応じて電空レギュレーター59の圧力が補正される(S16)と、再びS6に戻り、風防蓋43が開く(S6)。
この場合、検量皿43には既にS9で吐出されたエポキシ樹脂が載置されているので、この吐出されたエポキシ樹脂を含んだ検量皿43の総重量α2は、S5の際の検量皿43の総重量α1よりは重くなっている。
以下、S7〜S15が繰り返され、S15により前述の不一致(S15のN)の場合には、S16、S6〜S15が繰り返されることになる。
すなわち、S15がNの場合には、S16を介してS6に戻るフィードバックが行われ、再びS6からS15を繰り返し、S15で両者が一致するまでくり返されるものである(フィードバック工程)。この繰り返された際において、S9工程が再計量用封止樹脂吐出工程であり、S12とS13工程が再計量用封止樹脂重量計測工程であり、S14工程が再比較工程である。この再比較工程で行われる比較が再度比較である。
上記再計量用封止樹脂吐出工程S9で吐出される封止樹脂は所定倍計量用封止樹脂であり、該所定倍計量用封止樹脂の重量は、前記目標吐出重量の5倍相当である。
S15の判断の結果、吐出された算出エポキシ樹脂の重量と、上記目標吐出重量を5倍した比較対象重量とが一致した(S15のY)場合には、電空レギュレーター59の当該圧力を前記吐出条件値の他方として設定する(S17)。
このS17工程が、吐出条件値設定工程である。
すなわち、S17で得られた圧力が、半導体装置8にエポキシ樹脂を実際に吐出する場合に電空レギュレーター59から供給される圧縮空気の吐出圧力とされるものである。この吐出圧力が、吐出条件値である。
こうして、電子部品への封止樹脂の吐出条件設定が終了する。
以上のように本発明第1実施形態によれば、S14において、吐出されたエポキシ樹脂の重量(S13で算出された吐出封止樹脂の重量)と、上記目標吐出重量を5倍した比較対象重量とが一致するか否かを比較判断する際には、比較対象同士が、実際に電子部品に吐出される封止樹脂重量の5倍まで重い状態で比較しているので、比較精度が高くなり、比較結果も高精度となる。この高精度の比較結果により得られた上記吐出圧力も高精度となり、実際の電子部品への封止樹脂の吐出圧力も誤差が減少し、実際の電子部品への封止樹脂の吐出重量も高精度に吐出することが出来るものである。
さらに、前記制御部は、S15の結果、計量用封止樹脂の重量と比較対象重量とが一致しない(S15のN)場合には、上記フィードバック制御を行うことから、計量用封止樹脂を前記比較対象重量に一致させるための上記補正計量用吐出条件値を正確に設定できる。言い換えれば計量用封止樹脂を前記比較対象重量に一致させるまで上記フィードバック制御を行うため、上記補正計量用吐出条件値が確実に正しく設定出来るようになる。
以上により、半導体装置8(電子部品)への封止樹脂の吐出条件設定が終了する。
なお、S1において予め設定された吐出時間は、S9においては前述の所定数の5を乗じて用いられており、前記所定数の対象が時間であることから、5倍の時間を容易に確実に制御することができ、上記S14の上記比較もより高精度とすることができる。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態は、図1から図4までは第1実施形態と同様であり、図5のフローにおいてS15とS16を変更した半導体装置8への封止樹脂の吐出条件設定装置およびその吐出条件設定方法である。
第2実施形態は、図6にそのフローが記載されている。
図6において、S1からS15までは、図5と同様である。
第1実施形態の図5において、S14は、S13で算出した吐出エポキシ樹脂の重量γ1と、S1で予め設定された目標吐出重量に所定数の5(M)を乗じた比較対象重量δとを比較し、S15において、この比較の結果、両者が一致しない(S15のN)場合は、制御部64が不一致の重量差に応じて電空レギュレーター59の圧力を補正(S16)し、再びS6に戻りS6〜S15を繰り返し(フィードバックし)、S15において再度不一致(S15のN)の場合はS16、S6〜S15が繰り返され、S15の判断の結果、算出された吐出エポキシ樹脂の重量γ1と上記目標吐出重量を5倍した比較対象重量δとが一致した(S15のY)場合には、電空レギュレーター59の当該圧力を前記吐出条件値の他方として設定する(S17)ものであった。
本発明の第2実施形態は、図5のS1からS15までは第1実施形態と同様であるが、S14の比較の結果、S15において、S13で算出された吐出エポキシ樹脂の重量γ1と、S1で予め設定された目標吐出重量に所定数の5(M)を乗じた比較対象重量δと一致しなかったと判断された場合は、制御部64が両者の差異(重量差)に応じて電空レギュレーター59に圧縮空気の圧力を補正させる(S18)ものである。
S18で補正された圧力が補正計量用吐出条件値である。
S18の上記補正は、上記両者の差異に応じた圧力補正値のテーブルを制御部64内のメモリーに予め設定しておいてもよく、あるいは比較対象重量δに対する上記差異の割合に沿って電空レギュレーター59の圧縮空気の圧力を補正するものでもよい。
S18における上記補正された電空レギュレーター59の圧縮空気の圧力は、図5のS17と同様に半導体装置8(電子部品)への封止樹脂の吐出条件値として設定される(S19)ことになる。
同様に、S15において、S13で算出された吐出エポキシ樹脂の重量γ1と、S1で予め設定された目標吐出重量に所定数の5(M)を乗じた比較対象重量δとが一致した場合も、当該電空レギュレーター59の圧縮空気の圧力を半導体装置8(電子部品)へのエポキシ樹脂の吐出条件値として設定される(S19)ことになる。
以上により、半導体装置8(電子部品)への封止樹脂の吐出条件設定が行われる。
本発明の第2実施形態によれば、制御部64は、S14の比較の結果、S13により算出された吐出されたエポキシ樹脂の重量γ1と比較対象重量δとが一致しない場合には、両者の重量差に応じて計量用吐出条件値を補正するので、補正計量用吐出条件値を素早く設定できるものである。
〔第3実施形態〕
本発明の第3実施形態は、比較対象重量として目標吐出重量を所定数(1を超える数)Mで乗じた所定数倍目標吐出重量を用いる点は、第1実施形態と同様であるが、制御部64が、第1実施形態のS15でYと判断された場合の補正計量用吐出条件値(吐出圧力の値)に所定数に基づいた換算係数を乗じて求める吐出条件値を設定するようにした封止樹脂の吐出条件設定装置および吐出条件設定方法である。
上記換算係数は、環境に応じて設定するものである。
上記環境とは、実際の電子部品に封止樹脂を吐出する目標吐出重量、実際の電子部品に封止樹脂を吐出する回数、ニードル内の液状封止樹脂の粘度、ニードル内の液状封止樹脂の温度、吐出条件設定装置の周囲温度、吐出条件設定装置に照射される光の強さ等、実際の電子部品に吐出される封止樹脂の重量に変化をもたらす要因を指す。
例えば、実際の電子部品に封止樹脂を吐出する目標吐出重量が大きいと、最終的にニードルから吐出される封止樹脂の重量は目標吐出重量に近くなる(目標吐出重量に対するバラツキ率は小さくなる)が、目標吐出重量が小さいと、最終的にニードルから吐出される封止樹脂の重量は目標吐出重量に近づきにくくなる(目標吐出重量に対するバラツキ率は大きくなる)。それは、電空レギュレーター59による圧力制御の誤差、吐出電磁バルブ56の動作タイミング誤差、配管A55や配管B57内の圧縮空気の流れ抵抗のバラツキ等が生じるので、それらの誤差やバラツキ幅が一定とした場合、それらの誤差やバラツキ幅が吐出封止樹脂の重量に及ぼす影響度が目標吐出重量の大小により異なるためである。
従って、例えば図5のS17において最終的な吐出条件値を設定すると、目標吐出重量の大小によっては、実際の電子部品に封止樹脂を吐出した場合、封止樹脂の重量が目標吐出重量に近づかないことが生じかねない。傾向としては、目標吐出重量が小さい場合に、実際の電子部品に吐出する封止樹脂の重量は、目標吐出重量より少な目の傾向になる。
例えば、目標吐出重量が7mg以上の場合には、上記の設定方法で設定された吐出条件値により吐出された封止樹脂の重量は目標吐出重量にほぼ一致するが、目標吐出重量が5mg未満の場合には、上記の設定された吐出条件値により吐出された封止樹脂の重量は目標吐出重量より少なくなる傾向にある。
そこで、目標吐出重量が5mg未満の場合には、図5のS17の算出の際に、上記換算係数を加味して吐出圧力を算出して、上記吐出条件値とするものである。
図7は、第1実施形態の図5に対応した第3実施形態の封止樹脂の吐出条件設定フローである。上記目標吐出重量が2mgに設定されている場合、つまり目標吐出重量が比較的小さい場合である。
図7において、S1からS16までは、図5と同様である。
図7が図5と異なるのは、S15の次のステップであるS20である。
S20は、電空レギュレーター59で最終的に設定された吐出圧力に、上記2mgに対応する換算係数の1.15を乗じるステップである。
S20により換算された吐出圧力が、最終的に求める吐出条件値であり、この換算された吐出圧力を電空レギュレーター59が吐出電磁バルブ56側に供給することになる。
図8は、第2実施形態の図6に対応した第3実施形態の封止樹脂の吐出条件設定フローである。上記目標吐出重量が4mgに設定されている。
図8において、S1からS15までとS18は、図6と同様である。
図8が図6と異なるのは、図6のS19に代えてS21とした点である。
図8のS21は、電空レギュレーター59で最終的に設定された吐出圧力に、上記4mgに対応する換算係数の1.10を乗じるステップである。
S21により換算された吐出圧力が、最終的に得られる吐出条件値であり、この換算された吐出圧力を電空レギュレーター59が吐出電磁バルブ56側に供給することになる。
なお、目標吐出重量が大きく、たとえば15mgを越えると換算係数は、例えば1.0を用いる。その場合、封止樹脂の特性や環境状況によって、換算係数は、0.90、あるいは0.85を用いてもよい。
目標吐出重量が5〜10mg程度であれば、換算係数は1.00としてもよい。
〔第3実施形態の変形例〕
なお、上記換算係数については、目標吐出重量の大小により変更する以外に、次のような場合も変更することがふさわしい場合がある。
実際の電子部品に封止樹脂を吐出する回数が所定回数を越えて、ニードルに液状封止樹脂を送り出すシリンジ内の液状封止樹脂が少なくなると、圧縮気体の圧力とその供給時間が当初と同等であってもニードルから吐出される封止樹脂の重量が変化することがあり得る。そこで、上記回数が所定回数を越えることによって圧縮気体圧力やその供給時間を変化させるものであり、その変化分に相当する係数を上記換算係数とし、S20及びS21の様に上記吐出圧力に上記換算係数を乗じて、最終的な吐出条件値としての吐出圧力としてもよい。
同様に、ニードル内の液状封止樹脂の粘度、ニードル内の液状封止樹脂の温度、吐出条件設定装置の周囲温度、吐出条件設定装置に照射される光の強さ等が、実際の電子部品に封止樹脂を吐出し始めた初期に比べて変化する場合には、その変化分に相当する換算係数を用い、S20及びS21の様に上記吐出圧力に上記換算係数を乗じて、最終的な吐出条件値としての吐出圧力としてもよい。
なお、回数、ニードル内の液状封止樹脂の粘度、ニードル内の液状封止樹脂の温度、吐出条件設定装置の周囲温度、吐出条件設定装置に照射される光の強さ等が変化しても、実際の電子部品に吐出される封止樹脂の重量に変化をもたらさない場合、例えばシリンジ内容積が比較的大きい場合は、上記実際の電子部品に封止樹脂を吐出する吐出初期に対して吐出終了時に上記電子部品に吐出する封止樹脂の重量に実質的変化が無い場合には、上記換算係数は1とするものである。
〔第4実施形態〕
上記第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態は、半導体装置8への封止樹脂の吐出条件値を設定するものであった。すなわち、半導体装置8に実際に封止樹脂を吐出する前段階の準備段階であった。
本発明の第4実施形態は、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態のように、電子部品への封止樹脂の吐出条件値を設定する吐出条件設定装置および吐出条件設定方法を用い、実際の電子部品の所定箇所に封止樹脂を吐出させる吐出装置およびその吐出方法である。
第4実施形態の電子部品の所定箇所に封止樹脂を吐出させる吐出装置67は、図3に図示されているものである。
上記吐出装置67は、図3に図示されている電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置66を用いるものである。
第4実施形態の封止樹脂の吐出装置67は、ニードル16、シリンジ32、実装テープ6が配置されている場所にニードル16を移動するニードル移動装置、具体的には、X方向テーブル39とXモーター40を備えたX方向移動装置、Y方向テーブル36とYモーター37を備えたY方向移動装置、Z方向基台34とZモーター35を備えたZ方向移動装置を備えるものである。
なお、前述の吐出条件設定装置66は、上記X方向テーブル39、Xモーター40、Y方向テーブル36、Yモーター37を有している。但し、前述の吐出条件設定装置66自体としては、必ずしもX方向テーブル39、Xモーター40、Y方向テーブル36、Yモーター37を必要としない。
実装テープ6は、実装テープ搬送装置(図示せず)により図3の紙面に垂直方向(X方向)の搬送方向Nに搬送される。この実装テープ6に配置された半導体装置8の周囲の所定箇所に、本実施形態の封止樹脂の吐出装置67のニードル16が移動し、封止樹脂を吐出するものである。
以下、図9に基づいて、半導体装置8周囲の所定箇所に本実施形態の封止樹脂の吐出装置67を用いて封止樹脂を吐出する工程を順に説明する。
図9において、S101の「吐出圧力の初期設定」は、前述した第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態での電子部品への封止樹脂の吐出条件値を得る工程を指し、特に、図5ではS17で算出された吐出圧力、図6ではS19で算出された吐出圧力、図7ではS20で得られた吐出圧力、図8ではS21で得られた吐出圧力を得る(設定する)ことを指すものである。
S101で吐出圧力の初期設定がなされて上記吐出圧力が設定されると、作業者が吐出装置67を起動させるために、制御部64に連動する自動スイッチをオンさせるものである(S102)。
S102により上記自動スイッチがオンすると、制御部64は、ニードル16を実装テープ6上の所定個所に配置された半導体装置8の吐出開始位置に移動する(S103)。
このS103工程が、ニードル移動工程である。
すなわち、制御部64は、ニードル16を、平面方向の所定位置にXモーター40、Yモーター37を駆動して移動させ、所定高さ位置にZモーター35を駆動して移動させる(S103)。この場合の所定高さ位置は、半導体装置8上であって封止樹脂が吐出された際にニードル16が封止樹脂と若干接触する程度の高さ位置である。
S103によりニードル16が所定位置に且つ上記所定高さ位置に移動すると、制御部64は、ニードル16の下端から封止樹脂である液状エポキシ樹脂を半導体装置8に吐出させる(S104)。
すなわち、制御部64は、S101で設定された吐出圧力の圧縮空気を、電空レギュレーター59から出力させ、図5〜図8のS1で入力され予め設定されている他方の吐出条件値である吐出時間、すなわち指令した所定時間だけ吐出電磁バルブ56を開放し、上記設定吐出圧力の圧縮空気を所定時間だけ配管A55を介してシリンジ32に供給して、ニードル16の下端からエポキシ樹脂(封止樹脂)を吐出するものである。その際、ニードル16は、半導体装置8の外縁周辺に沿って移動し、半導体装置8の外周および上表面をエポキシ樹脂で塗布する。上記ニードル16の移動も、制御部64によるXモーター40、Yモーター37の駆動によって行われる。
S104によりニードル16の下端から液状エポキシ樹脂が隣接している半導体装置8の所定箇所に吐出されると、ニードル16は更に隣接配置された他の半導体装置8の所定箇所に移動し、S104と同様にニードル16の下端から液状エポキシ樹脂を当該隣接半導体装置8の所定箇所に吐出する。この一連の動作は、制御部64によって制御される。こうして設定された数の半導体装置8に対してニードル16の下端から液状エポキシ樹脂が吐出圧力され、設定回数くり返される。このくり返しが設定回数1だけ行われたか否かが判断される(S105)。
上記設定回数1は、例えばシリンジ32内の液状エポキシ樹脂が2/3に達する(使用量が1/3)に対応する回数である。
S105により、設定回数1に達しない場合(S105のN)は、S104に戻ってニードル16の下端から封止樹脂である液状エポキシ樹脂を半導体装置8に吐出する動作をくり返す。
S105により、設定回数1に達したならば(S105のY)、ニードル16への吐出圧力の再設定動作を行う。
そこで、上記再設定動作を行うための自動スイッチの入力が行われる(S106)。
この自動スイッチの入力は、作業者がS102と同様にスイッチをオンしてもよく、あるいは制御部64が自動的にスイッチオンしてもよい。
すると、制御部64は、ニードル16がS101の吐出圧力の再設定動作を行った位置に移動させる(S107)。
この移動は、S103と同様に、制御部64の指令により各モーターが駆動することによって行われる。
制御部64は、ニードル16をS107により吐出圧力の再設定動作を行った位置に移動させると、S101と同様に吐出圧力の再設定動作を行わせる(S108)。
S108により吐出圧力の再設定動作が終了すると、S103と同様に、制御部64は、ニードル16を実装テープ6上の所定個所に配置された半導体装置8の吐出開始の位置に移動させる(S109)。
S109によりニードル16を実装テープ6上の所定個所に配置された半導体装置8の吐出開始の位置に移動させると、制御部64は、S104と同様にニードル16の下端から封止樹脂である液状エポキシ樹脂を半導体装置8に吐出させる(S110)。
なおS104とS110工程が、電子部品への封止樹脂吐出工程である。
しかる後、S110の液状エポキシ樹脂を隣接した半導体装置8に吐出することを繰り返し、制御部64は繰り返し回数が設定回数2だけ行われたか否かを判断する(S111)。
上記設定回数2は、例えばシリンジ32内の液状エポキシ樹脂が1/3に達する(使用量が2/3)に対応する回数である。
上記設定回数をくり返してない(S111のN)場合、上記S110の液状エポキシ樹脂を他の半導体装置8に吐出することをくり返す。
制御部64は、上記設定回数2だけくり返した(S111のY)場合、S106〜S111を繰り返す(S112)。
しかる後、制御部64は、S104とS105で行われたエポキシ樹脂の吐出回数とS110とS111で行われたエポキシ樹脂の吐出回数及びS112で行われたエポキシ樹脂の吐出回数との総吐出回数が設定回数3に達しているか否かを判断する(S113)。
S113の判断により、総吐出回数が設定回数3に達していない(S113のN)の場合は、S112に戻り、エポキシ樹脂の吐出を継続する。このS112に戻る際には、S111の設定回数2の設定値を1回に変更する。
S113の判断により、総吐出回数が設定回数3に達した(S113のY)の場合は、全ての吐出作業が終了したことになるので、制御部64がニードル16をS101と同様の吐出圧力の初期設定位置に戻り、終了する。
上記設定回数3は、例えばシリンジ32内に液状エポキシ樹脂がほぼ無くなるに対応する回数である。
ニードル16が上記初期設定位置に戻り一連の作業が終了した後は、シリンジ32内に新たな液状エポキシ樹脂を注入し、図5のS1ステップから新たな作業が開始される。
従って、本実施形態4の実際の電子部品の所定箇所に封止樹脂を吐出させる吐出装置およびその吐出方法は、実施形態1から実施形態3と同様に、目標吐出重量に対しバラツキが少なく高精度に実際の電子部品に封止樹脂を吐出させることができる。
〔変形例1〕
各実施形態において、電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置およびその吐出条件設定方法で求める前記吐出条件値としては、圧縮空気の圧力である吐出圧力であった。具体的には、図3の制御部64が電空レギュレーター59を操作して圧縮空気の圧力を調整設定するものであったが、上記圧縮空気の圧力以外の吐出条件値を設定する(求める)ようにしてもよい。上記設定したい吐出条件値としては、圧縮空気の供給時間(吐出時間)であっても良く、圧縮空気の吐出圧力と上記圧縮空気の供給時間との両者であってもよい。
例えば、求めたい吐出条件値を、吐出圧力が一定圧に設定され圧縮空気の供給時間、すなわち吐出時間を設定したい場合、すなわち、圧縮空気を配管A55側に導通させる吐出時間を設定したい場合は、次のように制御される。
制御部64には、予め設定されている一方の吐出条件値である吐出圧力が入力されている。
制御部64は、仮の吐出時間の信号により吐出電磁バルブ56を制御して、上記吐出圧力を5倍にした5倍吐出圧力に整えた圧縮空気を電空レギュレーター59から配管A55側に導通させる。次に、制御部64は、ニードル16から吐出した封止樹脂の吐出重量を電子天秤44で計量し、目標吐出重量の5倍重量と比較する。この比較結果に応じて吐出電磁バルブ56の上記吐出時間を補正し、補正した吐出時間の間、前記5倍吐出圧力に整えた圧縮空気を配管A55側に導通させ、再びニードル16から封止樹脂を吐出する。この吐出樹脂重量を電子天秤44で計量し、吐出樹脂重量と目標吐出重量の5倍重量とを比較し、両者が一致したならば、その時の吐出時間を電子部品への封止樹脂の吐出条件値と設定するものである。
上記吐出条件値として定圧の圧縮空気の吐出時間を補正すると、制御部64による時間補正が容易となり、また微細な補正が可能となり、電子部品に実際に吐出される封止樹脂の重量を安定化する。
但し、大型の半導体装置に封止樹脂を吐出する場合であって圧縮空気の圧力が低い場合には、吐出完了までの時間が長くなり、封止樹脂の吐出作業のサイクルタイムが長くなるので、実際の封止樹脂の吐出作業の実態を見て、圧縮空気の圧力と開放時間とのバランスをとることも必要である。
〔変形例2〕
上記第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態は、半導体装置8への封止樹脂の吐出条件値を設定するに際し、検量皿43に吐出される封止樹脂の重量を制御部64が比較する際の比較対象重量を前記目標吐出重量の所定数の5倍(所定数倍)とし、この比較結果に基づいてシリンジ32に供給する圧縮空気の圧力を補正し、この補正圧力に基づいて再び検量皿43に吐出される封止樹脂の重量と所定数の5倍にされた目標吐出重量とが一致した場合に、実際の半導体装置8に封止樹脂を吐出する際の圧力値を設定するようにしていた。
この場合、上記所定数5(倍の倍率)は、状況によりそれ以外の数値としてもよい。
上記所定数の数値Mを大きくすると、上記比較の後で、検量皿43に吐出される封止樹脂の重量は、実際の半導体装置8に吐出すべき封止樹脂重量、すなわち目標吐出重量のM倍となり、制御部64が比較する比較対象重量も前記目標吐出重量のM倍となることから、上記検量皿43への吐出封止樹脂重量と比較対象重量との比較は、電子天秤44などの測定誤差が一定水準であることから、より高精度となり、上記所定数が小さければより低精度となる。
一方、電子天秤44などの測定誤差は±0.1mg程度であり、実際の半導体装置8に吐出された封止樹脂重量のバラツキは、±0.1mg程度に収めたい。
そこで、実際の半導体装置8に吐出すべき封止樹脂重量、すなわち目標吐出重量が2〜10mg程度であれば、上記所定数Mを5〜1.1とし、目標吐出重量が10mgを超えれば、上記所定数Mを1.0とする。
また上記所定数Mは、上記以外にも、種々変えるようにしてもよい。
例えば、実際の半導体装置8に封止樹脂を吐出する吐出時間が短ければ上記所定数Mを大きく、吐出時間が長ければ上記所定数Mを小さくし、封止樹脂の粘性が高ければ上記所定数Mを大きくし、粘性が低ければ上記所定数Mを小さくする。すなわち、上記所定数Mは、実際の半導体装置8に封止樹脂を吐出する場合に、封止樹脂が吐出しやすければ上記所定数Mを小さくし、吐出しにくければ上記所定数Mを大きくし、バラツキの影響度を低めるようにする。
なお上記所定数Mが大きいと、それだけ検量皿43に吐出される封止樹脂の重量が多くなるので、無駄になる。従って重量測定の誤差及び上記比較誤差の影響と上記無駄との兼ね合いから適切な上記所定数Mを決定すると良い。
〔変形例3〕
第1実施形態の図5においては、S1で予め設定された一方の吐出条件値としての吐出時間、および目標吐出重量を作業者が入力し、S9において上記設定された吐出時間の5倍(M倍)の間、エポキシ樹脂(封止樹脂)を吐出し、S14においてS9で吐出した吐出樹脂重量と目標吐出重量を5倍(M倍)した比較対象重量とを比較し、S15でS14で比較した両者の重量が一致しない(S15のN)場合、S16でS14での比較による不一致の重量に対応して吐出圧力を補正し、S6に戻ってS15までのステップを繰り返し、S15にて一致した(S15でY)場合、S17で、S15で一致した場合の吐出圧力を他方の吐出条件値として当該吐出圧力を設定するものであった。なお、S17では、S1で入力されている吐出時間は、前記一方の吐出条件値として認識されることになる。
変形例3は、図5で、S9においてはエポキシ樹脂(封止樹脂)を吐出する時間は、S1で入力された吐出時間であり、S16で補正する吐出圧力は、S14において比較される目標吐出重量を5倍(M倍)した比較対象重量に対応した吐出圧力としたものである。
すなわち、変形例3は、図5において、S1で予め設定された一方の吐出条件値としての吐出時間、および目標吐出重量を作業者が入力し、S9において上記設定された吐出時間の間、エポキシ樹脂(封止樹脂)を吐出し、S14においてS9で吐出した吐出樹脂重量と目標吐出重量を5倍(M倍)した比較対象重量とを比較し、S15においてS14で比較した両者の重量が一致しない(S15のN)場合、S16においてS14での比較による不一致の重量に対応して吐出圧力を補正する。S16で補正された吐出圧力は、S9で吐出した吐出樹脂重量が比較対象重量に一致するようの補正されるため、S17で設定される吐出圧力に対しては5倍(M倍)された高圧値とされているものである。S16からS6に戻ってS15までのステップを繰り返し、S15にて一致した(S15でY)場合、当該吐出圧力に5(M)分の1を乗じた値を他方の吐出条件値として当該吐出圧力をS17で設定するものである。なお、S17では、S1で入力されている吐出時間は、前記一方の吐出条件値として認識されることになる。
この場合も、S15で一致する場合において、S14で比較される吐出樹脂重量と比較対象重量は、共に目標吐出重量の5(M)倍と重い状態同士なので両者の比較が高精度になされ、S17においてS15のYをもたらせた際のS9の吐出圧力の5(M)分の1を算出しているので、最終的に求める吐出圧力もそのまま高精度となるものである。
上記のようにS9においてはエポキシ樹脂(封止樹脂)を吐出する時間はS1で入力された吐出時間として以下のステップを行っていくことは、他の実施形態にも適用できるものである。
すなわち、図6では、S18で補正された吐出圧力は、S9で吐出した吐出樹脂重量が比較対象重量に一致するようの補正されるため、S19で設定される吐出圧力に対しては5倍(M倍)された高圧値とされている。S19では、S18で補正された吐出圧力に5(M)分の1を乗じた値を他方の吐出条件値として当該吐出圧力を設定するものである。なお、S17では、S1で入力されている吐出時間は、前記一方の吐出条件値として認識されることになる。
同様に、図7では、S16で補正された吐出圧力は、S9で吐出した吐出樹脂重量が比較対象重量に一致するようの補正されるため、S20で設定される吐出圧力に対しては約5倍(M倍)された高圧値とされている。S20では、S16で補正された吐出圧力に5(M)分の1を乗じた値にさらに換算係数を乗じて、他方の吐出条件値として当該吐出圧力を設定するものである。なお、S20では、S1で入力されている吐出時間は、前記一方の吐出条件値として認識されることになる。
同様に、図8では、S18で補正された吐出圧力は、S9で吐出した吐出樹脂重量が比較対象重量に一致するようの補正されるため、S21で設定される吐出圧力に対しては約5倍(M倍)された高圧値とされている。S21では、S18で補正された吐出圧力に5(M)分の1を乗じた値にさらに換算係数を乗じて、他方の吐出条件値として当該吐出圧力を設定するものである。なお、S21では、S1で入力されている吐出時間は、前記一方の吐出条件値として認識されることになる。
さらに変形例1の場合も同様に行っても良い。すなわち、図5ではS1の吐出時間を吐出圧力に置き換え、S8の吐出圧力信号を吐出時間信号に置き換え、S16の吐出圧力を吐出時間に置き換え、S17の吐出圧力を吐出時間に置き換え、この置き換えた吐出時間を5(M)で除して、求める吐出条件値の吐出時間を設定するようにする。図6、図7、図8でも同様であり、図6において、S19では、S18で補正された吐出時間に5(M)分の1を乗じた値を他方の吐出条件値として当該吐出時間を設定し、図7において、S20では、S16で補正された吐出時間に5(M)分の1を乗じた値にさらに換算係数を乗じて、他方の吐出条件値として当該吐出時間を設定し、図8において、S21では、S18で補正された吐出時間に5(M)分の1を乗じた値にさらに換算係数を乗じて、他方の吐出条件値として当該吐出時間を設定するものである。
〔変形例4〕
封止樹脂部形成装置1においては、実装テープ6が搬送方向Nに搬送されるものであるが、その搬送と、本発明の吐出条件設定作業および実際の電子部品への封止樹脂の吐出作業との関係は、次の通りである。
上記本発明の吐出条件設定作業中は、上記搬送は停止している。
また実際の電子部品への封止樹脂の吐出作業を行っている際は、個々の半導体装置8に封止樹脂を吐出する間は上記搬送が停止され、上記吐出が終了したならば直ちに搬送される。その場合、複数個の半導体装置8に封止樹脂を吐出する間は上記搬送が停止されるようにしてもよい。
なお、本発明の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置及び封止樹脂の吐出装置は、複数台を用いて吐出条件の設定作業を行い、また封止樹脂の吐出作業を行うことが多いが、その場合には、全ての吐出条件設定装置の吐出条件の設定作業が終了するまでは、前記搬送は停止している。また全ての吐出装置が個々の半導体装置8に封止樹脂を吐出する間、あるいは所定の複数個の半導体装置8に封止樹脂を吐出する間は上記搬送が停止される。全ての吐出条件設定装置の吐出条件の設定作業が終了したならば、上位搬送が開始される。同様に全ての吐出装置が所定の半導体装置8に封止樹脂の吐出が終了したならば上記搬送が開始されるものである。
〔変形例5〕
上記各実施形態の変形例として、次の形態がありうる。
電子部品が実装された基板としては、テープである他に、短冊状あるいは長尺状の基板であってもよい。
短冊状あるいは長尺状の基板は、フレキシブル基板でもよく、ガラス繊維入りエポキシ樹脂基板などのリジット基板であってもよい。
なお、前述した封止樹脂は、半導体装置のような電子部品を基板に接合する接合剤であってもよいものである。
本発明の電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置、および電子部品への封止樹脂の吐出装置、さらに電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法ならびに電子部品への封止樹脂の吐出方法は、基板に配置された電子部品の周囲および基板との電気的接合部を樹脂封止する場合に適用されるものであり、上記電子部品の実装体は、例えば携帯電話、電子時計、小型電子計算機、パソコンなどに使用されるものである。
1:封止樹脂部形成装置、2:テープ供給部、3:封止樹脂吐出部、4:加熱硬化部、5:テープ巻取部、6:実装テープ、7:フレキシブル絶縁テープ、7a:搬送用開口、8:半導体装置、9:封止樹脂部、10、30:スペーサーテープ、11:送出しリール、12:スペーサーテープ巻取りリール、13、28:テープガイド、14、15、27:テープ搬送装置、16:ニードル、17:加熱ブロック、18:第1加熱部、19:第2加熱部、20:第3加熱部、21:排気管、22:第1反転ローラー、23:第2反転ローラー、24:ヒーター、25、26:ファン、29:スペーサーテープ送出しリール、31:巻取りリール、32:シリンジ、33:シリンジ保持フレーム、34:Z方向基台、35:Zモーター、36:Y方向テーブル、37:Yモーター、38:Y移動軸、39:X方向テーブル、40:Xモーター、41:X方向テーブル支持台、42:フレーム、43:検量皿、44:電子天秤、45:連結部、46:風防蓋、47:風防蓋軸、48:風防蓋開閉シリンダー、49:風防板、50:除振台、51:重量計測装置、52:ニードル高さ調整装置、53:ニードル高さ検出板、53a:検出板スイッチ、54:検出板支持部、55:配管A、56:吐出電磁バルブ、57:配管B、58:レギュレーター、59:電空レギュレーター、60:配管C、61:速度制御弁、62:真空発生器、63:配管D、64:制御部、65:D/A変換部、66:吐出条件設定装置、67:封止樹脂の吐出装置、A、B:圧縮空気、N:搬送方向

Claims (13)

  1. 基板に配置された電子部品に液状の封止樹脂を目標吐出重量だけニードルから吐出させる吐出条件値を設定する電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、
    予め定めた計量用吐出条件値に基づいて計量用封止樹脂を前記ニードルから吐出させる吐出装置と、
    前記吐出装置により吐出された前記計量用封止樹脂の重量を計測する重量計測装置と、
    前記重量計測装置により計測された前記計量用封止樹脂の重量と比較対象重量とを比較し、該比較の結果に基づいて前記計量用吐出条件値を補正し、該補正された計量用吐出条件値である補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記比較対象重量として前記目標吐出重量を1を超える所定数で乗じた所定数倍目標吐出重量を用い、前記計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較する
    ことを特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置。
  2. 請求項1に記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、
    前記制御手段は、
    前記比較の結果、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致しない場合には、両者の重量差に応じて前記計量用吐出条件値を補正して補正計量用吐出条件値を設定し、前記吐出装置には該補正計量用吐出条件値に基づいて計量用封止樹脂を前記ニードルから吐出させ、前記重量計測装置には前記計量用封止樹脂の重量を計測させ、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とを再度比較するフィードバック制御を行い、
    前記比較もしくは前記再度比較の結果、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致した場合には、当該計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定する
    ことを特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置。
  3. 請求項1に記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、
    前記制御手段は、
    前記比較の結果、前記計量用封止樹脂と前記比較対象重量とが一致しない場合には、両者の重量差に応じて前記計量用吐出条件値を補正して補正計量用吐出条件値を設定し、該補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定し、
    前記比較の結果、前記計量用封止樹脂の重量と前記比較対象重量とが一致した場合には、当該計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定する
    ことを特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、
    前記吐出条件値は複数値を有しており、
    前記制御手段は、
    前記吐出条件値のうち一方として、予め設定された吐出時間または吐出圧力を用いており、
    前記吐出条件値のうち他方として、前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して設定するものであり、
    前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して予め定めた計量用吐出条件値に基づいて前記計量用封止樹脂を吐出させ、前記吐出された前記計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較し、該比較の結果に基づいて前記計量用吐出条件値を補正し、該補正された計量用吐出条件値である補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値の前記他方を設定する
    ことを特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置。
  5. 請求項1から請求項2のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、
    前記吐出条件値は複数値を有しており、
    前記制御手段は、
    前記吐出条件値のうち一方として、予め設定された吐出時間または吐出圧力を用いており、
    前記吐出条件値のうち他方として、前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して設定するものであり、
    前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して予め定めた計量用吐出条件値に基づいて前記計量用封止樹脂を吐出させ、前記吐出された前記計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較し、該比較の結果に基づいて前記計量用吐出条件値を補正し、該補正された計量用吐出条件値である補正計量用吐出条件値および前記予め設定された吐出条件値の一方の値に前記所定倍を乗じた値に基づいて再度前記計量用封止樹脂を吐出させて所定倍計量用封止樹脂とし、該計所定倍計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較し、該比較の結果が一致した際における補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値の前記他方を設定する
    ことを特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置。
  6. 請求項1から請求項5のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、
    前記制御手段が、前記補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定するにあたり、
    前記補正計量用吐出条件値に換算係数を乗じることに基づいて前記吐出条件値を設定する
    ことを特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置。
  7. 請求項1から請求項6のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、
    前記重量計測装置は、前記吐出された封止樹脂を保持する検量皿と、この検量皿の前記封止樹脂の重量を計測する電子天秤と、前記計量用封止樹脂が載置された計量皿を閉じて前記計量用封止樹脂を風防する風防蓋とを備える
    ことを特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置。
  8. 請求項1から請求項7のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、
    さらに前記ニードルの先端の高さ位置を予め設定された基準位置に移動させるニードル高さ調整装置
    を有することを特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置。
  9. 請求項1から請求項8のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置であって、
    前記吐出装置は、前記ニードルから吐出する封止樹脂を保留しておくシリンジと、前記シリンジに所定圧の気体を供給する電空レギュレーターと、前記気体を電空レギュレーターからシリンジに供給するか否かを切り換えるバルブと、を有し、
    前記制御手段は、前記比較結果に基づいて、前記吐出条件値のうちの前記気体の吐出圧力を前記電空レギュレーターで補正すること、または前記吐出条件値のうちの前記気体をシリンジに供給する吐出時間である供給時間を前記バルブで補正することを行うこと
    を特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置。
  10. 請求項1から請求項9のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定装置を有し、
    基板に配置された電子部品の所定箇所に前記ニードルを移動させるニードル移動装置を備え、
    前記制御手段は、前記設定された前記吐出条件値に基づいて前記ニードルから前記封止樹脂を電子部品の前記所定箇所に吐出させること
    を特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出装置。
  11. 基板に配置された電子部品に液状の封止樹脂を目標吐出重量だけニードルから吐出させる吐出条件値を設定する電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法であって、
    予め定めた計量用吐出条件値に基づいて計量用封止樹脂をニードルから吐出する計量用封止樹脂吐出工程と、
    前記計量用封止樹脂吐出工程で吐出された前記計量用封止樹脂の重量を計測する計量用封止樹脂重量計測工程と、
    前記計量用封止樹脂重量計測工程で吐出された前記計量用封止樹脂と比較対象重量とを比較する比較工程と、
    前記比較工程での比較結果に基づいて前記計量用吐出条件値を補正し、該補正された計量用吐出条件値である補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値を設定する吐出条件値設定工程と、を有し、
    前記比較工程では、前記比較対象重量として前記目標吐出重量を1を超える所定数で乗じた所定数倍目標吐出重量を用い、前記計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較すること
    を特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法。
  12. 請求項11に記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法であって、
    前記吐出条件値は複数値を有しており、
    前記吐出条件値のうち一方は、予め設定された吐出時間または吐出圧力を用いており、
    前記吐出条件値のうち他方は、前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して設定するものであり、
    前記計量用封止樹脂吐出工程は、前記予め設定されていない側の吐出圧力または吐出時間に関して予め定めた計量用吐出条件値に基づいて前記計量用封止樹脂を吐出させ、
    前記比較工程は、前記吐出された前記計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較し、
    前記吐出条件値設定工程は、前記比較の結果に基づいて前記計量用吐出条件値を補正し、該補正された計量用吐出条件値である補正計量用吐出条件値および前記予め設定された吐出条件値の前記一方の値に前記所定倍を乗じた値に基づいて再度前記計量用封止樹脂吐出工程にて前記計量用封止樹脂を吐出させて所定倍計量用封止樹脂とし、該所定倍計量用封止樹脂の重量と前記所定数倍目標吐出重量とを比較し、該比較の結果が一致した際における補正計量用吐出条件値に基づいて前記吐出条件値の前記他方を設定すること
    を特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法。
  13. 請求項11から請求項12のうちいずれかに記載された電子部品への封止樹脂の吐出条件設定方法を用い、
    基板上に載置された電子部品の所定箇所に前記ニードルを移動させるニードル移動工程と、
    前記設定された前記吐出条件値に基づいて前記ニードルから前記封止樹脂を電子部品の前記所定箇所に吐出させる電子部品への封止樹脂吐出工程と、を有すること
    を特徴とする電子部品への封止樹脂の吐出方法。
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KR20190062405A (ko) * 2016-09-30 2019-06-05 무사시 엔지니어링 가부시키가이샤 작업 장치 및 작업 방법

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