JP2010186019A - 転写装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】未転写トナーが入力された場合にのみ無機潤滑剤を塗布することによって、副作用である塗布量不安定、感光体への滑剤固着、フィルミング等を防止し、トナーのすり抜け効果を得ることができる転写装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】静電潜像を顕像化したトナー像を担持する像担持体7と、前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、クリーニング手段56で転写残トナーが除去された転写前の前記像担持体に脂肪酸金属塩、又は脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の混合物からなる潤滑剤を塗布する第1の潤滑剤塗布手段57と、転写後の前記像担持体に無機潤滑剤、又は無機潤滑剤と脂肪酸金属塩の混合物からなる潤滑剤を前記像担持体に塗布する第2の潤滑剤塗布手段58と、第1及び第2の潤滑剤塗布手段から塗布される脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の塗布比率を前記像担持体上に残留したトナー量に応じて変化させる手段と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】静電潜像を顕像化したトナー像を担持する像担持体7と、前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、クリーニング手段56で転写残トナーが除去された転写前の前記像担持体に脂肪酸金属塩、又は脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の混合物からなる潤滑剤を塗布する第1の潤滑剤塗布手段57と、転写後の前記像担持体に無機潤滑剤、又は無機潤滑剤と脂肪酸金属塩の混合物からなる潤滑剤を前記像担持体に塗布する第2の潤滑剤塗布手段58と、第1及び第2の潤滑剤塗布手段から塗布される脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の塗布比率を前記像担持体上に残留したトナー量に応じて変化させる手段と、を有する。
【選択図】図1
Description
この発明は、複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置に用いられる転写装置及び画像形成装置に係り、特に転写装置として中間転写ユニット(中間転写体)を用いた装置に関するものである。
従来における中間転写型の画像形成装置としては、例えば本出願人の提案に係る特許文献1に開示されているように、静電潜像に応じたトナー像が形成される像担持体としての感光体ドラムと、この感光体ドラム上のトナー像が中間的に転写される中間転写ベルトと、この中間転写ベルトに対して感光体ドラム上のトナー像を転写させる1次転写装置と、中間転写ベルト上に転写されたトナー像を記録媒体に一括して2次転写させる2次転写装置とを備えたものが知られている。
前記中間転写ベルトは多層構造となっており、ベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDFシート、ポリイミド系樹脂でつくり、表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被ってなる。像担持体に形成されるトナー像は中間転写ベルトに1次転写された後、記録媒体上に2次転写されカラー画像が形成される。2次転写後、中間転写ベルトに残留したトナー像はクリーニング手段によってクリーニングされる。
前記クリーニング手段としては、クリーニングブレードで物理的にトナーを掻き落す方法や、ブラシローラを用いて静電的に残留トナーを除去する方法等が知られている。近年の高画質化等の要求から、トナーの小粒経化や重合トナーによる球形化が進み、中間転写ベルト上に残留したトナーをクリーニングすることが益々難しくなってきている。重合トナーでは、ワックス成分がトナー内部に均一に分散しているため、中間転写ベルトに付着した際、ワックス成分の外部への析出が少なく、中間転写ベルト表面の摩擦係数μsが経時で上昇する傾向がみられる。そのため、ブレード巻き込み防止や表面のフィルミング防止のため、潤滑剤の塗布が必要である。この潤滑剤としては主に脂肪酸金属塩と無機潤滑剤が知られている。
脂肪酸金属塩の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びそれらの混合物があるが、これに限るものではない。また、これらを混合して使用してもよい。中でもステアリン酸亜鉛が特に像担持体への成膜性に優れることから、最も好ましく用いられる。
一方、無機潤滑剤とは、自身が劈開して潤滑する、或いは内部滑りを起こす無機化合物のことを指す。具体的な物質例としては、タルク・マイカ・窒化ホウ素・二硫化モリブデン・二硫化タングステン・カオリン・スメクタイト・ハイドロタルサイト化合物・フッ化カルシウム・グラファイト・板状アルミナ・セリサイト・合成マイカなどがあるが、これに限るものではない。中でも窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから、最も好ましく用いられる。
前記窒化ホウ素を潤滑剤として用いた場合、クリーニングブレードと像担持体の当接部で堰き止められニップが迅速に形成される(ダム効果)ことによって、トナーのすり抜けが防止できる。そのため、従来から潤滑剤として脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を併用する方法が、数多く提案されてきている(特許文献2〜4)。
しかし、窒化ホウ素を代表とする無機潤滑剤は、ステアリン酸亜鉛と比較すると、塗布量(消費量)が不安定であり、感光体への固着、感光体フィルミングが発生すること、同じ摩擦係数を得るための必要容積が大きい等の課題があるため、未だにステアリン酸亜鉛を滑剤として用いることが主流となっている。
一方、クリーニングし易さは、像担持体上に残留したトナー量に大きく影響され、多い程不利になることが知られている。特に、未転写トナーが入力されるジャム復帰時及び画像調整パターン入力時は、転写残トナー入力時に比べて負荷が非常に大きく、クリーニング不良が発生する可能性が高い。そのため、従来から入力画像を検知して潤滑剤塗布量を調整する方法が、広く提案されてきている(特許文献5〜7)。
しかし、前記した方法では、特別に入力画像の検知手段を設けなければならず、更に無機潤滑剤の堰き止め効果を狙ったものではないため、小粒径トナーに対しては効果が不十分であるという問題がある。
そこでこの発明は、前記のような従来の問題を解決し、未転写トナーが入力された場合にのみ窒化ホウ素を代表とする無機潤滑剤を塗布することによって、副作用である塗布量不安定、感光体への滑剤固着、フィルミング等を防止し、ダム効果によるトナーのすり抜け効果を得ることができる転写装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、静電潜像を顕像化したトナー像を担持する像担持体と、前記トナー像を記録媒体(転写紙)上に転写する転写手段と、この転写手段で転写した後の前記像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング手段とを有する転写装置であり、前記クリーニング手段で転写残トナーが除去され前記転写手段で転写前の前記像担持体に脂肪酸金属塩、又は脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の混合物からなる潤滑剤を塗布する第1の潤滑剤塗布手段と、転写後の前記像担持体に無機潤滑剤、又は無機潤滑剤と脂肪酸金属塩の混合物からなる潤滑剤を前記像担持体に塗布する第2の潤滑剤塗布手段と、前記第1及び第2の潤滑剤塗布手段から塗布される脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の塗布比率を前記像担持体上に残留したトナー量に応じて変化させる手段と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の転写装置において、第1の潤滑剤塗布手段は、クリーニング手段の近傍に設けられ、常時塗布する構成となっており、第2の潤滑剤塗布手段は、転写手段の近傍、又はクリーニング手段の近傍に前記像担持体に対して接離可能に設けられ、当接時に塗布する構成となっていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の転写装置において、潤滑剤の塗布比率を変化させる手段は、像担持体上残留トナー量が一定閾値を超えたとき、無機潤滑剤の塗布比率を増加させることを特徴とする。請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の転写装置において、像担持体上トナー残留量の一定閾値を未転写トナー入力時とし、ジャム復帰時、又は画像調整パターン作像時に、無機潤滑剤の塗布比率が増加することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の転写装置において、通常作像時は脂肪酸金属塩のみを潤滑剤として塗布するが、ジャム復帰時か画像調整パターン作像時にのみ、無機潤滑剤のみか、又は脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を混合した潤滑剤塗布を追加することにより、塗布比率を変化させることを特徴とする。請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の転写装置において、無機潤滑剤の塗布比率は、最大でも脂肪酸金属塩の塗布比率を超えないことと特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の転写装置において、脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする。請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の転写装置において、無機潤滑剤が窒化ホウ素であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の転写装置において、像担持体が中間転写ベルトであることを特徴とする。請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の転写装置において、転写手段が2次転写手段であることを特徴とする。請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の転写装置において、潤滑剤の塗布比率を変化させる手段による潤滑剤塗布比率の切り替えが、2次転写手段の中間転写ベルトからの接離に連動していることを特徴とする。請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載の転写装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、前記クリーニング手段で転写残トナーが除去され前記転写手段で転写前の前記像担持体に脂肪酸金属塩、又は脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の混合物からなる潤滑剤を塗布する第1の潤滑剤塗布手段と、転写後の前記像担持体に無機潤滑剤、又は無機潤滑剤と脂肪酸金属塩の混合物からなる潤滑剤を塗布する第2の潤滑剤塗布手段と、前記第1及び第2の潤滑剤塗布手段から塗布される脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の塗布比率を前記像担持体上に残留したトナー量に応じて変化させる手段と、を有するので、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の塗布比率を変化させることによって、残留トナー量に応じた最適なクリーニング性能を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、第2の潤滑剤塗布手段を転写手段の近傍又はクリーニング手段の近傍に設けることができ、クリーニング手段の近傍に設ける場合は第1の潤滑剤塗布手段とともにクリーニング手段が備えるケーシング内に収納することも可能であり、その場合はプロセスカートリッジとして装置のコンパクト化を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、無機潤滑剤の量を多くすることによって、ダム効果によってブレードのすり抜けが防止できるため、残留トナー量が多い場合もクリーニング不良の発生を防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、無機潤滑剤量を多くするタイミングを、ジャム復帰時と画像調整パターン作像時にすることによって、像担持体上のトナー量の検出手段を有さない場合でも、事前に作成された制御仕様によって潤滑剤の塗布比率を切り替えることができる。
請求項5に記載の発明によれば、通常作像時は脂肪酸金属塩を潤滑剤として用い、ジャム復帰時と画像調整パターン作成時のみ無機潤滑剤を使用することによって、極力無機潤滑剤量を用いずにクリーニング効果が得られるため、無機潤滑剤での副作用である塗布量不安定、感光体への滑剤固着、フィルミング等を防止できる。
請求項6に記載の発明によれば、無機潤滑剤の比率が脂肪酸金属塩の比率以上にならないようにすることによって、感光体のフィルミングを防止している。
請求項7に記載の発明によれば、脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛の場合であり、像担持体への成膜性に優れ、かつ従来からクリーニング手段に多く用いられているため安価である。
請求項8に記載の発明によれば、無機潤滑剤が窒化ホウ素の場合であり、ダム効果によるブレードのすり抜け防止効果が大きい。
請求項9に記載の発明によれば、像担時体が中間転写ベルトの場合であり、ジャム処理復帰やパターン作像時の場合のように未転写トナーがクリーニング装置に入力されることがあるため、本装置が効果的である。
請求項10に記載の発明によれば、2次転写(紙転写)手段を備えた転写装置にも適用ができる。
請求項11に記載の発明によれば、潤滑剤塗布比率の切り替えを2次転写(紙転写)手段の中間転写ベルトからの接離に連動させる装置であり、ジャム処理時やパターン作像時にもともと2次転写は離間する機構を有している場合が多く、既存の機構を使用するため装置を簡略化できる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項1ないし11のいずれかに記載の転写装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、無機潤滑剤の量を多くすることによって、ダム効果によってブレードのすり抜けが防止できるため、残留トナー量が多い場合もクリーニング不良の発生を防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、無機潤滑剤量を多くするタイミングを、ジャム復帰時と画像調整パターン作像時にすることによって、像担持体上のトナー量の検出手段を有さない場合でも、事前に作成された制御仕様によって潤滑剤の塗布比率を切り替えることができる。
請求項5に記載の発明によれば、通常作像時は脂肪酸金属塩を潤滑剤として用い、ジャム復帰時と画像調整パターン作成時のみ無機潤滑剤を使用することによって、極力無機潤滑剤量を用いずにクリーニング効果が得られるため、無機潤滑剤での副作用である塗布量不安定、感光体への滑剤固着、フィルミング等を防止できる。
請求項6に記載の発明によれば、無機潤滑剤の比率が脂肪酸金属塩の比率以上にならないようにすることによって、感光体のフィルミングを防止している。
請求項7に記載の発明によれば、脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛の場合であり、像担持体への成膜性に優れ、かつ従来からクリーニング手段に多く用いられているため安価である。
請求項8に記載の発明によれば、無機潤滑剤が窒化ホウ素の場合であり、ダム効果によるブレードのすり抜け防止効果が大きい。
請求項9に記載の発明によれば、像担時体が中間転写ベルトの場合であり、ジャム処理復帰やパターン作像時の場合のように未転写トナーがクリーニング装置に入力されることがあるため、本装置が効果的である。
請求項10に記載の発明によれば、2次転写(紙転写)手段を備えた転写装置にも適用ができる。
請求項11に記載の発明によれば、潤滑剤塗布比率の切り替えを2次転写(紙転写)手段の中間転写ベルトからの接離に連動させる装置であり、ジャム処理時やパターン作像時にもともと2次転写は離間する機構を有している場合が多く、既存の機構を使用するため装置を簡略化できる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項1ないし11のいずれかに記載の転写装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る画像形成装置について、説明する。
図1は、一実施の形態を示すもので、タンデム型中間(間接)転写方式の電子写真装置(画像形成装置)の概略図である。図1において、1は画像形成装置の本体であり、該装置本体の中央には、転写ベルトユニットとしての中間転写ユニット2が水平向きに設けられている。中間転写ユニット2の右方となる装置本体1の一側部には開閉扉を兼ね開閉可能な扉部としての2次転写ユニット3が下部枢支点4を中心として左右に揺動可能に枢支されている。図示していないが、2次転写ユニット3が右に大きく揺動すると、装置本体1には開口部が形成され、該開口部から中間転写ユニット2が脱着可能になるとともに、該開口部の形成により、装置本体1内の記録媒体である用紙(転写紙)Pの搬送路が大きく開き、ジャムした用紙Pの処理が容易となる。つまり、開口部は用紙Pのジャム処理用の開口部を兼ねている。
中間転写ユニット2は、中間転写体として複数の支持ローラに張架された無端状の中間転写ベルト7と、該中間転写ベルト表面の残留トナーを除去するクリーニング装置8と、前記複数の支持ローラ及びクリーニング装置8を支持するユニット本体(図示せず)とを有している。中間転写ベルト7は、多層構造となっており、ベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDFシート、ポリイミド系樹脂でつくられ、表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被ってなっている。なお、中間転写ベルト7は、多層構造に限らず、単層構造のポリイミド系樹脂で構成してもよい。そして、図1に示すとおり、中間転写ベルト7は支持ローラ10,11,12,13に掛け回されて図中矢印で示すように反時計回りに回転搬送可能になっている。
この図示例では、前記各支持ローラのうち、支持ローラ13は中間転写ベルト7を回転駆動させるための駆動ローラとなっている。支持ローラ10はクリーニング装置8に対向する位置に設けられる従動ローラである。支持ローラ11,12は従動ローラで、1次転写ニップを安定化する機能がある。クリーニング装置8の対向位置にある支持ローラ10は図示例ではテンションローラも兼ねており、スプリング14により中間転写ベルト7に一定の張力を付与する働きをしている。
クリーニング装置8は、支持ローラ10近傍の中間転写ベルト7の一部を覆うケーシング55を具え、このケーシング内にはクリーニング手段としてのクリーニングブレード56が支持ローラ10上の中間転写ベルト7の表面に接して配設され、そのベルト搬送方向下流側には脂肪酸金属塩からなる潤滑剤塗布手段57が配設されている。潤滑剤塗布手段57は中間転写ベルト7の表面に常時接して該ベルトに脂肪酸金属塩を塗布する回転ブラシローラ57aと、このブラシローラと接する脂肪酸金属塩57bと、この脂肪酸金属塩をブラシローラに接するように加圧するスプリング57cとからなっている。つまり、回転ブラシローラ57aに潤滑剤である脂肪酸金属塩57bをスプリング57cで加圧して塗布する方式である。また、この潤滑剤塗布手段57と同様な機構・機能を有する無機潤滑剤からなる潤滑剤塗布手段58が2次転写ユニット3近傍にある支持ローラ13上の中間転写ベルト7の表面に接離可能に配設されている。潤滑剤塗布手段58は中間転写ベルト7の表面への当接時に該ベルトに無機潤滑剤を塗布する回転ブラシローラ58aと、このブラシローラと接する無機潤滑剤58bと、この無機潤滑剤をブラシローラの当接方向に加圧するスプリング58cとからなっている。なお、脂肪酸金属塩57bと無機潤滑剤58bでは硬度が異なるため、塗布量を調整するには、その分ブラシの剛性を異ならせるとか、ブラシローラ57a,58aの回転数を異ならせる等の調整が必要である。
そして、無機潤滑剤58bを塗布する潤滑剤塗布手段58の接離のタイミング等は図示しない制御手段に設けられる潤滑剤の塗布比率を変化させる手段により行われ、当接した場合には無機潤滑剤の塗布比率を増加させることが可能である。潤滑剤の塗布比率を変化させる手段は図示していないが、画像形成装置の制御系の一環として設けられ、この実施の形態では脂肪酸金属塩57bが常時塗布されているのに対して、無機潤滑剤58bが塗布される時間をタイマー等で制御することにより、塗布比率を変化させている。
15は1次転写ローラで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成手段Y,M,C,Kに対応して4本設置されている。支持ローラ11と支持ローラ12間に張り渡した中間転写ベルト7上には、その搬送方向に沿って、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの画像形成手段Y〜Kが横に並べて配置され、タンデム画像形成装置が構成されている。各画像形成手段には像担持体としての感光体ドラム21、該感光体ドラム表面を一様に帯電させる帯電手段23、露光装置24、該露光装置からの光により書込まれた潜像にトナーによるトナー像を形成する現像手段25、1次転写した後感光体ドラム21上に付着している残トナーを除去するクリーニング手段22、感光体ドラム表面を除電する除電装置Lが設けられている。感光体ドラム21は図中時計方向に回転駆動される。なお、前記構成においては、少なくとも感光体ドラム21と現像手段25とを一体に構成して装置本体1から着脱可能なプロセスカートリッジとしてもよい。
2次転写ユニット3は、図示例では、2本のローラ31,32間に、無端状の2次転写ベルト33が掛け渡されて構成され、中間転写ベルト7を介して支持ローラ12に押し当てて配置され、中間転写ベルト7上の画像を用紙Pに転写する。2次転写ベルトループの外側、つまり中間転写ユニット2の反対側には用紙Pにトナーを転写した後、残留する不要のトナーを拭い去るためのベルトクリーニング装置35が配設されている。2次転写ベルト33は、ローラ36,37によりテンションがかけられて、支持ローラ12上の中間転写ベルト7と接触し、予め定められた2次転写ニップを形成する。つまり、ローラ36,37は2次転写ニップを安定化する。用紙Pは図の下方の給紙装置(給紙カセット)40−1,40−2に収納されており、最上部の用紙が給紙ローラ41で1枚ずつ分離して給紙され、複数のガイド42を経てレジストローラ対43に搬送される。
2次転写ユニット3の上には、用紙P上に転写された転写画像を定着する定着装置45が設けられている。定着装置45は、定着ローラ46と加圧ローラ47を有し、両ローラを押し当てて構成する。2次転写ユニット3には、画像転写後の用紙Pを定着装置45へと搬送する用紙搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写ユニット3として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、この用紙搬送機能を併せて備えることは難しくなる。48は排紙ガイド対、49は排紙ローラ、50は排紙部であり、また排紙部50の下方には補給用のトナーが収納できるトナー収納部TSが設けられている。トナーの色はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色があり、カートリッジTCの形態にしていて、粉体ポンプ等によって対応する色の現像手段25に適宜補給される。なお、51は、2次転写ユニット3の廃トナータンクである。
前記画像形成装置の作用を説明する。図示しないスタートスイッチを押すと、駆動モータ(図示せず)で支持ローラの1つである支持ローラ13が回転駆動される一方、他の支持ローラが従動回転し、中間転写ベルト7を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段Y〜Kでその感光体ドラム21が回転して各感光体ドラム21上にそれぞれ、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの単色画像が形成される。そして、中間転写ベルト7の搬送とともに、それらの単色画像が順次転写して中間転写ベルト7上に合成カラー画像が形成される。
一方、前記スタートスイッチが押されると、画像形成手段Y〜Kよりも下方に位置する給紙カセット40−1,40−2の給紙ローラ41の1つが選択回転され、ペーパーバンクに多段に備える給紙カセット40−1,40−2の1つから用紙Pが繰り出され、給紙ローラ41で1枚ずつ分離されてガイド42によって導かれて給紙路に入れられる。そして、さらに搬送ローラで搬送されて、レジストローラ対43に突き当てられて止まる。
そして、中間転写ベルト7上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対43が回転し、中間転写ベルト7と2次転写ユニット3との間に用紙Pを送り込み、2次転写ユニット3で転写して用紙P上にカラー画像を記録する。画像転写後の用紙Pは、2次転写ユニット3で搬送されて定着装置45へと送り込まれ、定着装置45の定着ローラ46と加圧ローラ47の間を通過するときに熱と圧力とを加えられて転写画像を定着した後、排紙ローラ49により矢印Aで示すように排出され、排紙部50上にスタックされる。
一方、画像転写後の中間転写ベルト7は、クリーニング装置8のクリーニングブレード56で、画像転写後に中間転写ベルト7上に残留する残留トナーが除去され、タンデム画像形成装置による再度の画像形成に備えることになる。
前記画像形成の際に、通常作像時は、クリーニングブレード56により転写残トナーが除去された中間転写ベルト7の表面には潤滑剤塗布手段57から潤滑剤としての脂肪酸金属塩57bがブラシローラ57aの回転により塗布される。このとき2次転写ユニット3側にある潤滑剤塗布手段58は前記潤滑剤の塗布比率を変化させる手段の制御により、中間転写ベルト7の表面から離間し、無機潤滑剤58bの塗布はしない。中間転写ベルト7の表面に付着する残留トナー量が次第に増えその量が一定量(一定閾値)を超えると、前記潤滑剤の塗布比率を変化させる手段の制御により、潤滑剤塗布手段58を中間転写ベルト7の表面に当接させて無機潤滑剤58bをブラシローラ58aの回転により塗布する。これにより中間転写ベルト7の表面への無機潤滑剤の塗布比率が増加し、無機潤滑剤での副作用である塗布量不安定、感光体への滑剤固着、フィルミング等を防止できるとともに、ダム効果によってブレードのすり抜けが防止できる。したがって、残留トナー量が多い場合もクリーニング不良の発生を防止することができる。このように脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の塗布比率を変化させることによって、残留トナー量に応じた最適なクリーニング性能を得ることができる。
一方、中間転写ベルト7の表面に付着する残留トナー量が減って一定量を下回る状態になると、前記潤滑剤の塗布比率を変化させる手段の制御により、潤滑剤塗布手段58を当接している中間転写ベルト7の表面から離間させて無機潤滑剤58bの塗布を止める。これにより中間転写ベルト7の表面には脂肪酸金属塩57bのみが塗布される、通常作像時に戻ることになる。
前記のようにして潤滑剤の塗布比率を変化させる手段を制御することにより塗布される脂肪酸金属塩57bと無機潤滑剤58bの塗布比率を像担持体である中間転写ベルト7上に残留したトナー量に応じて変化させることができる。
図2は、2次転写ユニットとして、2次転写ローラ62を用いた別の実施の形態を示すものである。この実施の形態でも無機潤滑剤からなる潤滑剤塗布手段64が2次転写ローラ62と対向する支持ローラ13上の中間転写ベルト7の表面に接離可能に設けられている。潤滑剤塗布手段64の構成は前記潤滑剤塗布手段58と同様であり、64aは回転ブラシローラ、64bは無機潤滑剤、64cはスプリングである。図2(A)は潤滑剤塗布手段64が中間転写ベルト7の表面から離間している状態、図2(B)は当接している状態をそれぞれ表わし、このような2次転写ローラ62の場合も前記実施の形態と同様な作用を奏する。63は2次転写ローラ62を支持ローラ13に当接付勢するためのスプリングであり、2次転写ローラ62とともに2次転写ユニットに設けられている。そのほかの中間転写ユニット2の構成は前記説明したものと同様である。なお、2次転写ローラ62は、ジャム復帰時と画像調整パターン作像時に中間転写ベルト7から離間した状態となり、この状態で潤滑剤塗布手段64が中間転写ベルト7の表面に当接することによって、無機潤滑剤を塗布する。この実施の形態では、2次転写ローラ62が中間転写ベルト7の表面から離間しているときに潤滑剤塗布手段64が中間転写ベルト7の表面に当接し、逆に2次転写ローラ62が中間転写ベルト7の表面に当接しているときに潤滑剤塗布手段64が中間転写ベルト7の表面から離間するというように、中間転写ベルト7の表面に対する2次転写ローラ62の接離と潤滑剤塗布手段64の接離動作が連動している。このような連動化により装置の簡略化を図ることができる。
図3は、図2の潤滑剤塗布手段64と同様な機構・機能を有する無機潤滑剤からなる潤滑剤塗布手段66がクリーニング装置8のケーシング55内において支持ローラ10上の中間転写ベルト7の表面に接離可能に設けられた、さらに別の実施の形態を示すものである。潤滑剤塗布手段66の構成は前記潤滑剤塗布手段64と同様であり、66aは回転ブラシローラ、66bは無機潤滑剤、66cはスプリングである。この潤滑剤塗布手段66の場合も中間転写ベルト7に対する接離により前記実施の形態と同様な作用を奏する。図2,3の実施の形態からも明らかなように接離可能に構成された無機潤滑剤からなる潤滑剤塗布手段64,66の配設位置は特に限定するものではなく、2次転写後、転写残トナーを除去するクリーニングブレード56までの間の中間転写ベルト7の表面と対向する位置であれば任意でよい。
前記各実施の形態においては、潤滑剤塗布手段57では脂肪酸金属塩を、潤滑剤塗布手段58,64,66では無機潤滑剤を塗布するようにしたが(第1実施例)、そのほかに潤滑剤塗布手段57では脂肪酸金属塩を、潤滑剤塗布手段58,64,66では無機潤滑剤と脂肪酸金属塩の混合物を塗布するようにしてもよい(第2実施例)。また潤滑剤塗布手段57では無機潤滑剤と脂肪酸金属塩の混合物を、潤滑剤塗布手段58,64,66では無機潤滑剤を塗布するようにしてもよい(第3実施例)。さらに潤滑剤塗布手段57及び58,64,66ともに無機潤滑剤と脂肪酸金属塩の混合物を塗布するようにしてもよい(第4実施例)。ただし、第4実施例の場合は潤滑剤塗布手段57からの無機潤滑剤と脂肪酸金属塩の混合物Aと潤滑剤塗布手段58,64,66からの無機潤滑剤と脂肪酸金属塩の混合物Bに関し、
混合物A中の無機潤滑剤の混合比率 < 混合物B中の無機潤滑剤の混合比率
という条件を満たすことが必要である。
混合物A中の無機潤滑剤の混合比率 < 混合物B中の無機潤滑剤の混合比率
という条件を満たすことが必要である。
前記潤滑剤塗布手段で塗布する潤滑剤としては背景技術でも記載したように主に脂肪酸金属塩と無機潤滑剤が知られており、脂肪酸金属塩の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びそれらの混合物があるが、これに限るものではない。また、これらを混合して使用してもよい。中でもステアリン酸亜鉛が特に像担持体への成膜性に優れることから、最も好ましく用いられる。
また、無機潤滑剤の例としては、タルク・マイカ・窒化ホウ素・二硫化モリブデン・二硫化タングステン・カオリン・スメクタイト・ハイドロタルサイト化合物・フッ化カルシウム・グラファイト・板状アルミナ・セリサイト・合成マイカなどがあるがこれに限るものではない。中でも窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから、最も好ましく用いられる。
上記、窒化ホウ素を潤滑剤として用いた場合、クリーニングブレードと像担持体の当接部で堰き止められニップが迅速に形成される(ダム効果)ことによって、トナーのすり抜けが防止できる。
図4は、窒化ホウ素のダム効果によってクリーニング性が向上することを示したデータである。脂肪酸金属塩であるステアリン酸亜鉛(ZnSt)では、クリーニング不良が発生しているが、同一のパターンを入力した場合、ステアリン酸亜鉛と窒化ホウ素を8:2で混合したものは、クリーニング不良は発生せず、すり抜けIDは0(ゼロ)となっている。この実験は各2回ずつで比較している。しかし、窒化ホウ素を代表とする無機潤滑剤は、以下のような課題もある。
図5は、各潤滑剤において、消費量と得られる摩擦係数の関係を示したグラフである。これをみると、同じベルト表面摩擦係数μ(例えばμ=0.21)を得るための消費量は、ステアリン酸亜鉛と窒化ホウ素の混合物(8:2で混合)の方が多く、ステアリン酸亜鉛のみの約2倍が必要であることが分かる。このため、無機潤滑剤を使用する場合、装置に搭載しなければならない容量を大きくする必要があり、機械の小型化には不利になっている。
また、図6は滑剤消費量の安定性を比較したものである。これを見ると、ステアリン酸亜鉛単独で使用した場合は、作像距離に対してほぼ一定量で推移しているのに対し、ステアリン酸亜鉛と窒化ホウ素の混合物(8:2で混合)では、消費量の変動が大きくベルト表面摩擦係数の安定化が難しい。そのため、長期間にわたって無機潤滑剤を安定的に塗布することは困難である。
その他、窒化ホウ素を代表とする無機潤滑剤は、感光体への固着、感光体フィルミングが発生すること等の課題があるため、未だにステアリン酸亜鉛を滑剤として用いることが主流となっている。
一方、クリーニングし易さは、像担持体上に残留したトナー量に大きく影響され、多い程不利になることが知られている。特に、未転写トナーが入力されるジャム復帰時又は画像調整パターン入力時は、転写残トナー入力時に比べて負荷が非常に大きく、クリーニング不良が発生する可能性が高い。そのため、前記したように従来から入力画像を検知して潤滑剤塗布量を調整する方法が広く提案されてきている。しかし、従来の方法では、特別に入力画像の検知手段を設けなければならず、更に無機潤滑剤の堰き止め効果を狙ったものではないため、小粒径トナーに対しては効果が不十分といえる。そこで、この実施の形態では、一定閾値以上トナーが入力された場合にのみ、窒化ホウ素を代表とする無機潤滑剤の塗布量を多くすることによって、副作用を防止しダム効果によるトナーすり抜け効果を得るようにした。
「一定閾値」について説明する。クリーニング装置8のクリーニング能力として、クリーニングする入力トナーの濃さ(単位面積当たりの入力トナーの量M/A[mg/cm2])が一定量(一定閾値)以上になると、急激にクリーニングに対して不利になる傾向にある(図7のグラフ参照)。転写紙Pに転写後の残留トナーレベル(以下、グラフではM/A=0.022)では、クリーニングに対して能力的に充分であり、クリーニング不良が発生することは無いが、ジャム復帰時や画像調整パターン入力時(以下グラフでM/A=0.1以上)では、短時間で大量のトナーがクリーニング装置8に入力されるため、クリーニングに対して不利となりクリーニング不良が発生する可能性が高い。グラフの例では0.022と0.1の間に閾値があることになる。そこで、この実施の形態では、入力トナーの濃さ(M/A)が一定閾値以上になったときに、無機潤滑剤塗布量を増加させるようにしている。
図7に示すように、クリーニング装置8にトナーを、一定濃度のパターンを次々に入力していき、クリーニング不良が発生するまでの総トナー入力量を縦軸にとる。このグラフは、総入力トナー量が多いほど、クリーニング不良しにくく、クリーニング性が良となるということを意味している。M/Aが充分に小さいと、総入力トナー量を多くしていっても、クリーニング不良は発生しなくなるため、M/A=0.022のところではクリーニング不良未発生となる。
前記のようであって、この実施の形態にあっては、一定閾値を、ジャム復帰時と画像調整パターン作像時の未転写トナー作像時にすることによって、像担持体上のトナー量の検出手段を有さない場合でも、事前に作成された制御仕様によって潤滑剤の塗布比率を切り替えることができる。
潤滑剤の塗布比率の切り替え方法は、図2に示したように、通常作像時は、クリーニング装置のケーシング内の潤滑剤塗布手段にて、脂肪酸金属塩のみを塗布しているが、ジャム復帰時と画像調整パターン作像時で2次転写ローラが中間転写ベルトから離間した状態で、無機潤滑剤(又は脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の混合物)塗布手段が中間転写ベルトに当接することによって、無機潤滑剤と塗布比率が増加する。
このとき、無機潤滑剤の塗布比率は、最大でも脂肪酸金属塩の塗布比率を超えないようにすることによって、感光体フィルミングの発生を防止する。
また、ジャム復帰時や画像調整パターン作像時の場合のように未転写トナーがクリーニング装置に入力される中間転写ベルトのクリーニングの場合に特に有効であるが、ジャム復帰時や画像調整パターン作像時にはもともと2次転写は離間する機構を有している場合が多く、潤滑剤塗布比率の切り替えを2次転写(紙転写)手段の中間転写ベルトからの接離動作に連動させれば、既存の機構を利用できるため、装置を簡略化できる。
潤滑剤の塗布比率の切り替え方法は、図2に示したように、通常作像時は、クリーニング装置のケーシング内の潤滑剤塗布手段にて、脂肪酸金属塩のみを塗布しているが、ジャム復帰時と画像調整パターン作像時で2次転写ローラが中間転写ベルトから離間した状態で、無機潤滑剤(又は脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の混合物)塗布手段が中間転写ベルトに当接することによって、無機潤滑剤と塗布比率が増加する。
このとき、無機潤滑剤の塗布比率は、最大でも脂肪酸金属塩の塗布比率を超えないようにすることによって、感光体フィルミングの発生を防止する。
また、ジャム復帰時や画像調整パターン作像時の場合のように未転写トナーがクリーニング装置に入力される中間転写ベルトのクリーニングの場合に特に有効であるが、ジャム復帰時や画像調整パターン作像時にはもともと2次転写は離間する機構を有している場合が多く、潤滑剤塗布比率の切り替えを2次転写(紙転写)手段の中間転写ベルトからの接離動作に連動させれば、既存の機構を利用できるため、装置を簡略化できる。
1 画像形成装置の本体
2 中間転写ユニット(転写ベルトユニット)
3 2次転写ユニット
4 下部枢支点
7 中間転写ベルト
8 クリーニング装置
10,11,12,13 支持ローラ
15 1次転写ローラ
33 2次転写ベルト
55 ケーシング
56 クリーニングブレード(クリーニング手段)
57 潤滑剤塗布手段(第1の潤滑剤塗布手段)
58,64,66 潤滑剤塗布手段(第2の潤滑剤塗布手段)
2 中間転写ユニット(転写ベルトユニット)
3 2次転写ユニット
4 下部枢支点
7 中間転写ベルト
8 クリーニング装置
10,11,12,13 支持ローラ
15 1次転写ローラ
33 2次転写ベルト
55 ケーシング
56 クリーニングブレード(クリーニング手段)
57 潤滑剤塗布手段(第1の潤滑剤塗布手段)
58,64,66 潤滑剤塗布手段(第2の潤滑剤塗布手段)
Claims (12)
- 静電潜像を顕像化したトナー像を担持する像担持体と、前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、この転写手段で転写した後の前記像担持体上の転写残トナーを除去するクリーニング手段とを有する転写装置であり、
前記クリーニング手段で転写残トナーが除去され前記転写手段で転写前の前記像担持体に脂肪酸金属塩、又は脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の混合物からなる潤滑剤を塗布する第1の潤滑剤塗布手段と、
転写後の前記像担持体に無機潤滑剤、又は無機潤滑剤と脂肪酸金属塩の混合物からなる潤滑剤を前記像担持体に塗布する第2の潤滑剤塗布手段と、
前記第1及び第2の潤滑剤塗布手段から塗布される脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の塗布比率を前記像担持体上に残留したトナー量に応じて変化させる手段と、
を有することを特徴とする転写装置。 - 請求項1に記載の転写装置において、第1の潤滑剤塗布手段は、クリーニング手段の近傍に設けられ、常時塗布する構成となっており、第2の潤滑剤塗布手段は、転写手段の近傍、又はクリーニング手段の近傍に前記像担持体に対して接離可能に設けられ、当接時に塗布する構成となっていることを特徴とする転写装置。
- 請求項1又は2に記載の転写装置において、潤滑剤の塗布比率を変化させる手段は、像担持体上残留トナー量が一定閾値を超えたとき、無機潤滑剤の塗布比率を増加させることを特徴とする転写装置。
- 請求項3に記載の転写装置において、像担持体上トナー残留量の一定閾値を未転写トナー入力時とし、ジャム復帰時、又は画像調整パターン作像時に、無機潤滑剤の塗布比率が増加することを特徴とする転写装置。
- 請求項4に記載の転写装置において、通常作像時は脂肪酸金属塩のみを潤滑剤として塗布するが、ジャム復帰時か画像調整パターン作像時にのみ、無機潤滑剤のみか、又は脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を混合した潤滑剤塗布を追加することにより、塗布比率を変化させることを特徴とする転写装置。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の転写装置において、無機潤滑剤の塗布比率は、最大でも脂肪酸金属塩の塗布比率を超えないことを特徴とする転写装置。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の転写装置において、脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする転写装置。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の転写装置において、無機潤滑剤が窒化ホウ素であることを特徴とする転写装置。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の転写装置において、像担持体が中間転写ベルトであることを特徴とする転写装置。
- 請求項1ないし9のいずれかに記載の転写装置において、転写手段が2次転写手段であることを特徴とする転写装置。
- 請求項10に記載の転写装置において、潤滑剤の塗布比率を変化させる手段による潤滑剤塗布比率の切り替えが、2次転写手段の中間転写ベルトからの接離に連動していることを特徴とする転写装置。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載の転写装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009029686A JP2010186019A (ja) | 2009-02-12 | 2009-02-12 | 転写装置及び画像形成装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012063517A (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-29 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
-
2009
- 2009-02-12 JP JP2009029686A patent/JP2010186019A/ja not_active Withdrawn
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