JP2010026371A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 中間転写ユニットの脱着時におけるユニット脱着方向の高さ寸法を小さくし、装置本体の開口部を最小限の大きさにすることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 画像形成装置において、中間転写体(7)と、該中間転写体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段8と、複数の支持ローラ及びクリーニング手段を支持するユニット本体と、を有する中間転写ユニット2が、装置本体1に設けた開口部5から脱着可能になっている。クリーニング手段8が、支持ローラの任意のローラと対向する位置に配置され、該ローラを中心にしてその外周方向に所定の角度θ範囲にわたりガイド部材に案内されて回転可能になっている。中間転写ユニット2の脱着時に、クリーニング手段8が回転して中間転写ユニットの高さ寸法Yが前記開口部の高さ寸法Hより小さくなる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置に関するものである。
従来における中間転写型の画像形成装置としては、例えば特許文献1に開示されているように、静電潜像に応じたトナー像が形成される像担持体としての感光体ドラムと、この感光体ドラム上のトナー像が中間的に転写される中間転写ベルトと、この中間転写ベルトに対して感光体ドラム上のトナー像を転写させる1次転写装置と、中間転写ベルト上に転写されたトナー像を記録媒体に一括して2次転写させる2次転写装置とを備えたものが知られている。
この中間転写ベルトは多層構造となっており、ベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDFシート、ポリイミド系樹脂でつくり、表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被ってなる。もちろん単層構造の中間転写ベルトも存在する。像担持体に形成されるトナー像は中間転写ベルトに1次転写された後、記録媒体上に2次転写されカラー画像が形成される。2次転写後、中間転写ベルトに残留したトナー像はクリーニング手段によってクリーニングされる。
前記において、中間転写装置やクリーニング手段が寿命に到達した場合は、画像形成装置本体から脱着、交換させる必要がある。そのため、画像形成装置本体にユニット脱着可能な開口部(脱着経路)を設置する必要がある。しかし、機構上、十分な寸法の開口部や脱着経路を確保出来ない場合も多く、最小限の開口部寸法(脱着経路寸法)にてユニットが脱着出来るような構成が求められる場合が多い。
ユニットを脱着させるためのものとして、これまでに特許文献2ないし4に開示されているような先行技術がある。特許文献2では、画像形成装置本体の小型化のため、クリーニング手段が、装置本体に対して中間転写体と一体的に脱着可能であって、脱着時の引き抜き方向に対して、中間転写体の幅寸法範囲内に収まっていることが開示されている。しかし、現在主流の中間転写タンデム型の画像形成装置では、中間転写ユニットが薄型になってきており、クリーニング手段を中間転写体の幅寸法範囲内に収めることは構成上難しくなってきている。
特許文献3では、クリーニング装置が設けられている側(図1の左)からカバーである左扉を開いて、クリーニング装置と中間転写ユニットとを一体で引き出す構成が開示されている。しかし、図1の右の開口はジャム処理のために必ず設けなければならないため、開口が増えるため装置全体の強度低下のおそれがある。しかも、後処理装置等の周辺機を図1の左に設けた場合、中間転写ユニットを着脱する際は、周辺機をいったん装置本体から取り外して左扉を開ける必要があり、ユーザやサービスマンにとって中間転写ユニットの着脱作業が面倒である。
特許文献4では、中間転写ユニットを引き出す際、クリーニングブロックと残トナー搬送ブロックとを分離させる構成が開示されている。しかし、クリーニング手段を分割しているので、回収した廃トナーが機内や取り出し後の室内に落ちるという懸念が大きい。
また、特にプリンターにおいて、中間転写ユニットやクリーニングユニットをユーザ交換させるような画像形成装置が増えてきており、ユーザが容易に交換可能な構成への要求が高まっている。特にクリーニング手段については、回収した転写ベルト残留トナーを装置内に(一時的に)収容するため、脱着時に回収トナーが装置から漏れないことが課題となっている。
特開平5−323704号公報 特開平11−327313号公報 特開2000−6588号公報 特開2004−12674号公報
そこでこの発明は、前記のような従来の問題を解決し、中間転写ユニットの脱着時におけるユニット脱着方向の高さ寸法を小さくし、装置本体の開口部を最小限の大きさにすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の支持ローラに張架されたベルト状の中間転写体を備え、像担持体上に形成された互いに異なる色のトナー像からなる画像を、順次中間転写体に重ね合わせて1次転写し、該中間転写体上に1次転写された画像を記録媒体上に2次転写してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体と、該中間転写体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、前記複数の支持ローラ及びクリーニング手段を支持するユニット本体と、を有する中間転写ユニットが、画像形成装置本体に設けた開口部から脱着可能になっており、前記クリーニング手段が、前記支持ローラの任意のローラと対向する位置に配置され、該ローラを中心にしてその外周方向に所定の角度範囲にわたりガイド部材に案内されて回転可能になっており、前記中間転写ユニットの脱着時に、前記クリーニング手段が回転して中間転写ユニットの高さ寸法が前記開口部の高さ寸法より小さくなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記クリーニング手段は、中間転写ユニットの脱着時に、回転後も中間転写体から離脱しないことを特徴とする。請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、ガイド部材は、装置本体に設けられた案内レールと、クリーニング手段に設けられ、案内レールに沿って移動可能に係合するガイド突起とにより構成されていることを特徴とする。請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、クリーニング手段の回転角度は、クリーニング手段の対向する位置に設けられた支持ローラを中心として、回転移動してくる中間転写体がクリーニング手段と接触する位置からベルト巻き付き端部位置までの円弧がなす角度範囲内であることを特徴とする。請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、中間転写ユニットの装置本体からの脱着用開口部が、装置本体の側部に開閉可能に枢支された扉部を開放することにより形成されることを特徴とする。請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、扉部が、2次転写ユニットであることを特徴とする。請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、中間転写ユニットの装置本体からの脱着用開口部が、記録媒体のジャム処理用の開口部を兼ねていることを特徴とする。請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、中間転写ユニットを装置本体の開口部から脱着する前に、クリーニング手段にある残留トナーを装置本体に排出する動作を行うことを特徴とする。
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、中間転写体と、該中間転写体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、前記複数の支持ローラ及びクリーニング手段を支持するユニット本体と、を有する中間転写ユニットが、画像形成装置本体に設けた開口部から脱着可能になっており、前記クリーニング手段が、前記支持ローラの任意のローラと対向する位置に配置され、該ローラを中心にしてその外周方向に所定の角度範囲にわたりガイド部材に案内されて回転可能になっており、前記中間転写ユニットの脱着時に、前記クリーニング手段が回転して中間転写ユニットの高さ寸法が前記開口部の高さ寸法より小さくなるため、該開口部から中間転写ユニットを支障なく脱着することができるとともに、装置本体に設ける中間転写ユニット脱着用の開口部を最小限の大きさにすることができる。そのため、機械構成上の自由度が増える。また、中間転写ユニット脱着前にクリーニング手段を外す操作が不要になるという優れた効果がある。
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る画像形成装置について、説明する。
<画像形成装置の構成・作用>
図1は、一実施の形態を示すもので、タンデム型中間(間接)転写方式の電子写真装置(画像形成装置)の概略図である。図2(A)は、図1の状態から中間転写ユニットを脱着中の様子の概略図、(B)はセット時の中間転写ユニットの概略図を示すものである。図1,2において、1は画像形成装置の本体であり、該装置本体の中央には、中間転写ユニット2が水平向きに設けられている。中間転写ユニット2の右方となる装置本体1の一側部には開閉扉を兼ね開閉可能な扉部としての2次転写ユニット3が下部枢支点4を中心として左右に揺動可能に枢支されている。2次転写ユニット3が図2(A)に示すように右に揺動して装置本体1に開口部5を形成すると、中間転写ユニット2が、該開口部から脱着可能になる。開口部5が形成されると、装置本体1内の記録媒体である用紙Pの搬送路は大きく開き、ジャムした用紙Pの処理が容易となる。つまり、開口部5は用紙Pのジャム処理用の開口部を兼ねている。
中間転写ユニット2は、中間転写体として複数の支持ローラに張架された無端状の中間転写ベルト7と、該中間転写ベルト表面の残留トナーを除去するクリーニング手段8と、前記複数の支持ローラ及びクリーニング手段8を支持するユニット本体(図示せず)とを有している。中間転写ベルト7は、多層構造となっており、ベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDFシート、ポリイミド系樹脂でつくられ、表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被ってなっている。なお、中間転写ベルト7は、多層構造に限らず、単層構造のポリイミド系樹脂で構成してもよい。そして、図1に示すとおり、中間転写ベルト7は支持ローラ10,11,12,13に掛け回されて図中矢印で示すように反時計回りに回転搬送可能になっている。
この図示例では、前記各支持ローラのうち、支持ローラ13は中間転写ベルト7を回転駆動させるための駆動ローラとなっている。支持ローラ10はクリーニング手段8に対向する位置に設けられる従動ローラである。支持ローラ11,12は従動ローラで、1次転写ニップを安定化する機能がある。クリーニング手段8の対向位置にある支持ローラ10は図示例ではテンションローラも兼ねており、中間転写ベルト7に一定の張力を付与する働きをしている。15は1次転写ローラで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成手段Y,M,C,Kに対応して4本設置されている。
支持ローラ11と支持ローラ12間に張り渡した中間転写ベルト7上には、その搬送方向に沿って、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの画像形成手段Y〜Kが横に並べて配置され、タンデム画像形成装置が構成されている。各画像形成手段には像担持体としての感光体ドラム21、該感光体ドラム表面を一様に帯電させる帯電手段23、露光装置24、該露光装置からの光により書込まれた潜像にトナーによるトナー像を形成する現像手段25、1次転写した後感光体ドラム21上に付着している残トナーを除去するクリーニング手段22、感光体ドラム表面を除電する除電装置Lが設けられている。感光体ドラム21は図中時計方向に回転駆動される。なお、前記構成においては、少なくとも感光体ドラム21と現像手段25とを一体に構成して装置本体1から着脱可能なプロセスカートリッジとしてもよい。
2次転写ユニット3は、図示例では、2本のローラ31,32間に、無端状の2次転写ベルト33が掛け渡されて構成され、中間転写ベルト7を介して支持ローラ12に押し当てて配置され、中間転写ベルト7上の画像を用紙Pに転写する。2次転写ベルトループの外側、つまり中間転写ユニット2の反対側には用紙Pにトナーを転写した後、残留する不要のトナーを拭い去るためのベルトクリーニング装置35が配設されている。また、転写手段36、ローラ37、ベルトを支持するローラ12により、中間転写ベルト7と2次転写ベルト33は接触し、予め定められた2次転写ニップを形成する。用紙Pは図の下方の給紙装置(給紙カセット)40−1,40−2に収納されており、最上部の用紙が給紙ローラ41で1枚ずつ分離して給紙され、複数のガイド42を経てレジストローラ対43に搬送される。
2次転写ユニット3の上には、用紙P上に転写された転写画像を定着する定着装置45が設けられている。定着装置45は、定着ローラ46と加圧ローラ47を有し、両ローラを押し当てて構成する。2次転写ユニット3には、画像転写後の用紙Pをこの定着装置45へと搬送する用紙搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写ユニット3として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、この用紙搬送機能を併せて備えることは難しくなる。48は排紙ガイド対、49は排紙ローラ、50は排紙部であり、また排紙部50の下方には補給用のトナーが収納できるトナー収納部TSが設けられている。トナーの色はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色があり、カートリッジTCの形態にしていて、粉体ポンプ等によって対応する色の現像手段25に適宜補給される。なお、51は、2次転写ユニット3の廃トナータンクである。
前記画像形成装置の作用を説明する。図示しないスタートスイッチを押すと、駆動モータ(図示せず)で支持ローラの1つである支持ローラ13が回転駆動される一方、他の支持ローラが従動回転し、中間転写ベルト7を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段Y〜Kでその感光体ドラム21が回転して各感光体ドラム21上にそれぞれ、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの単色画像が形成される。そして、中間転写ベルト7の搬送とともに、それらの単色画像が順次転写して中間転写ベルト7上に合成カラー画像が形成される。
一方、前記スタートスイッチが押されると、画像形成手段Y〜Kよりも下方に位置する給紙カセット40−1,40−2の給紙ローラ41の1つが選択回転され、ペーパーバンクに多段に備える給紙カセット40−1,40−2の1つから用紙Pが繰り出され、給紙ローラ41で1枚ずつ分離されてガイド42によって導かれて給紙路に入れられる。そして、さらに搬送ローラで搬送されて、レジストローラ対43に突き当てられて止まる。
そして、中間転写ベルト7上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対43が回転し、中間転写ベルト7と2次転写ユニット3との間に用紙Pを送り込み、2次転写ユニット3で転写して用紙P上にカラー画像を記録する。画像転写後の用紙Pは、2次転写ユニット3で搬送されて定着装置45へと送り込まれ、定着装置45の定着ローラ46と加圧ローラ47の間を通過するときに熱と圧力とを加えられて転写画像を定着した後、排紙ローラ49により矢印Aで示すように排出され、排紙部50上にスタックされる。
一方、画像転写後の中間転写ベルト7は、クリーニング手段8で、画像転写後に中間転写ベルト7上に残留する残留トナーが除去され、タンデム画像形成装置による再度の画像形成に備えることになる。
<中間転写ユニットの構成・作用>
前記のような画像形成装置において、中間転写ユニット2やクリーニング手段8が寿命に到達した場合などには、装置本体1から脱着して、交換する必要がある。そのため、装置本体1にユニット脱着可能な開口部(脱着経路)を設置する必要がある。しかし、機構上、十分な寸法の開口部や脱着経路を確保出来ない場合も多く、最小限の開口部寸法(脱着経路寸法)にてユニットが脱着できるような構成が求められる場合が多い。
中間転写ユニット2は、中間転写ベルト7が掛け回されている張架部材としての支持ローラの本数を減らし、ユニットの位置決めはユニット本体の基準にならわせることによってユニット剛性を最低限確保しつつ、薄型にすることが可能になっている。しかし、クリーニング手段8はクリーニング部材であるブレードで掻き取ったトナーを、重力を利用して回収コイル上に落としているため、ブレードは鉛直方向に設置されることが多く、鉛直方向に長くなることが多い。図1,2で示した中間転写ユニット2では、2次転写ユニット3側の開口部5からユニットを脱着させようとすると、開口部5の高さ寸法Hが後記のようにユニットの高さ寸法Xよりも小さいため、クリーニング手段8が直近の画像形成手段Yと干渉し、脱着が不可能である。そのため、中間転写ユニット2からクリーニング手段8を分離しない場合、装置本体1の前面に大きな開口部を設けなければ、中間転写ユニット2とクリーニング手段8を一体で脱着することはできない。この実施の形態では、このような問題に鑑み、大きな開口部を設けなくとも中間転写ユニット2とクリーニング手段8を一体で脱着することを可能としたもので、以下のような構成からなる。
図3は、中間転写ユニット2とクリーニング手段8を、装置本体1から脱着した状態を示す一部破断した概略斜視図、図4は、中間転写ユニット2に対するクリーニング手段8の取り付け関係を示す部分図である。中間転写ユニット2は前記したユニット本体の両側板で支持ローラ10〜13を支持し、該ローラ群に中間転写ベルト7が張架された構成となっている。また、一方の側板55(例えば図3,4で左側)の支持ローラ10の周りには係合突起56,57が設けられ、該係合突起にクリーニング手段8のケーシング58の一側壁59に形成した係合長穴60が離脱可能に係合しており、図4(A)に示すように係合突起56に係合長穴60が係合した状態では、クリーニング手段8を中間転写ユニット2に対してほぼ直角向きに、同(B)に示すように係合突起57に係合長穴60が係合した状態では、クリーニング手段8を中間転写ユニット2に対してほぼ平行向きに、それぞれ回転により姿勢が変えられ位置決められるようになっている。つまり、係合突起56,57と係合長穴60は、クリーニング手段8の回転開始時と回転終了時における中間転写ユニット2に対する位置決め用の部品である。また、図4(C)にそのイメージを示すように中間転写ユニット2のユニット本体の他方の側板55’とクリーニング手段8のケーシング58の他側壁59’には同様な係合突起56’,57’と係合長穴60’が、該突起と長穴を逆にして設けられている(係合突起57’は図示していない)。なお、63はスプリングであり、係合突起56又は57に係合長穴60が、また係合突起56’又は57’に係合長穴60’がそれぞれ係合するように常時付勢する。
また、クリーニング手段8のケーシング58の一側壁59にはガイド突起65が設けられている。このガイド突起65は、図3に示すように装置本体1の一内側面に設けた案内レール66に移動可能に係合されている。案内レール66は、図5に正面図(上図)と平面図(下図)を対応して示すようにガイド突起65が係合する一端側及び他端側が、装置本体1の内側面よりその中央平坦部66bに向けて斜面66a,66cに形成され、該中央平坦部の該一内側面よりの離間距離(L)は係合突起56又は57、及び係合突起56’又は57’の長さ(l)よりも長くなっている。係合突起56又は57、及び係合突起56’又は57’の長さ(l)を案内レール66の中央平坦部66bの距離(L)より短くしているのは、短くしないと脱着時に係合長穴60、及び係合長穴60’が係合突起56又は57、及び係合突起56’又は57’から外れないからである。正面視で、案内レール66が上下に湾曲しているのは、中間転写ユニット2を装置本体1から脱着するとき、クリーニング手段8の回転をガイドする必要があるためである。
すなわち、案内レール66は、図5から明らかなようにレール本体の上下から小鍔部が内向きに張り出した断面コ字状を呈し、該小鍔部間の底面が斜面66a,66c及び中央平坦部66bを形成するように内向きに突き出し、前記小鍔部間にガイド突起65が係合するようになっているものである。これにより案内レール66は、係合長穴60,60’を係合している係合突起56又は57、及び56’又は57’からスプリング63の付勢力に抗して外すためのガイド機能と、クリーニング手段8を回転させるためのガイド機能を有するものとなっている。
図6に示すように中間転写ユニット2が、装置本体1の内側面に設けた本体レール68,69にガイド突起70,71がガイドされて装置本体1にセットされているときは、ガイド突起65が図5の(ア)の位置にあり、中間転写ユニット2が引き抜かれるにしたがって(イ)→(ウ)→(エ)の位置へ移動し、この間にクリーニング手段8が中間転写ユニット2に対して図4(A)から(B)に示すように回転するのを許容する。
図2において、装置本体1の開口部5の高さ寸法をH、セット時の中間転写ユニット2の高さ寸法をX、脱着時の中間転写ユニット2の高さ寸法をYとすると、これらH,X,Yの関係は、Y<H<Xとなる。すなわち、脱着時の中間転写ユニット2の高さ寸法Yが、セット時の中間転写ユニット2の高さ寸法X、及び開口部5の高さ寸法Hよりも小さくなり、引き抜きを可能としている。
図7は、クリーニング手段8の詳細を示す。クリーニング手段8は、中間転写ベルト7のベルト幅相当の幅を有するケーシング73を有し、該ケーシング内にはクリーニングブレード74がその先端を中間転写ベルト7の表面に接触させて鉛直方向に設置されている。ブレード74の支持ローラ10回転方向上流側には紙粉除去用のブラシローラ75が設けられ、同下流側には潤滑剤塗布用のブラシローラ76が設けられている。77はステアリン酸亜鉛からなる潤滑剤、78はフリッカ、79は廃トナー回収コイル、80はベルト巻き付け始端部,81はベルト巻き付け終端部、82はブレード接触位置を示す。脱着時のクリーニング手段8の回転角度θ(シータ)は、対向ローラである支持ローラ10においてブレード74の接触位置からベルト巻き付き始端部80位置までのなす角度以内にされている。この角度以内で回転させることにより、クリーニング手段8の脱着時においても、ブレード74が中間転写ベルト7に対向する支持ローラ10上で接触するため、機械動作時と脱着時のクリーニング手段8の中間転写ベルト7に対する状態が変化せず、クリーニング手段8に隙間が生じ無いため、脱着時のトナー漏れを防止できる。
図8も参照して、前記の作用について説明する。図1の中間転写ユニット2が装置本体1にセットされた状態では、ガイド突起65は案内レール66から外れた図5アの位置にあり、クリーニング手段8も、図4(A)のように係合突起56(係合突起56’)に係合長穴60(係合長穴60’)がスプリング63により付勢されて係合した状態にある。そのため、クリーニング手段8は図7に示す姿勢を保持してクリーニングを可能とする。
例えば、中間転写ユニット2又はクリーニング手段8に寿命がきて交換する必要が生じたときは、図2(A)に示すように2次転写ユニット3を、下部枢支点4を中心として右に揺動し、装置本体1に開口部5を形成する。そして、この開口部5から中間転写ユニット2を引き抜くが、引き抜きに際して中間転写ユニット2は、ガイド突起70,71がガイドされる本体レール68,69を介して案内される。
前記中間転写ユニット2の引き抜きに伴い、ガイド突起65が案内レール66に入り込み(図8A)、図5の(イ)の位置から(ウ)の位置に上向きに移動する間に斜面66aから平坦な中央部66bに至り、中央部に至る前にスプリング63の付勢に抗して係合長穴60(係合長穴60’)を係合突起56(係合突起56’)から離脱させる。これによりクリーニング手段8は回転可能となり、徐々に回転していき(図8B)、ガイド突起65が案内レール66の(ウ)の位置から(エ)の位置に達すると、図4(A)から(B)のようにほぼ直角にわたり回転することとなり、その間に再び斜面66cによってスプリング63の付勢を受けることになる係合長穴60(係合長穴60’)が係合突起57(係合突起57’)に係合し、位置決められてその姿勢を保持する(図8C)。
これにより、図2(A)に示すように中間転写ユニット2の高さ寸法Yが開口部5の高さ寸法Hよりも小さくなり、クリーニング手段8が従前のように直近の画像形成手段Yと干渉することなく、脱着が可能となる。
一方、前記により脱着して、中間転写ユニット2又はクリーニング手段8を交換して、再び装置本体1に装着するには、前記と逆にクリーニング手段8を水平向きにした状態で、ガイド突起70,71を本体レール68,69に入れて中間転写ユニット2を徐々に後退させると、ガイド突起65が案内レール66に入って係合するようになる。そして、案内レール66の(エ)の位置から(ウ)の位置、(イ)の位置と移動する間にクリーニング手段8は前記とは逆の反時計方向に回転し、案内レール66から外れた(ア)の位置となると元のセットされた状態に戻る。
なお、前記において、係合突起56又は57、及び56’又は57’と、係合長穴60,60’の配置は逆であってもよい。また、ガイド突起65も、図示したような単なる突起ではなく、回転コロ又は回転ローラとし、案内レール66上を転動するようにしてもよく、このようにすればその移動がより円滑になる。
前記のように、この実施の形態においては、クリーニング手段8が対向位置にある支持ローラ10の周りを時計回りに回転することにより、中間転写ユニット2の高さ寸法Yが開口部5の高さ寸法H以下になるため、中間転写ユニット2を、中間転写ベルト7とクリーニング手段8を一体で、装置本体1の開口部5から脱着することができる。さらに、中間転写ユニット2を脱着しても、クリーニング手段8が支持ローラ10を中心に回転させる構成であるため、ブレード74と中間転写ベルト7を介した支持ローラ10との接触条件が画像形成装置の稼動時と比して変化しない。そのため、支持ローラ10から離れて回転し、ブレード74の接触が弱くなって、隙間が生じ廃トナーの漏れが生じたり、逆に、支持ローラ10に近づくように回転し、ブレード74に稼動時以上の負荷が加わり、変形(ブレードのヘタリ)の懸念が生じ、稼動時の品質を保証できなくなるというようなことがない。
また、実施の形態では、脱着時、ブレード74が回転後も、ブレード74は中間転写ベルト7から離間しないため、ブレード74の隙間ができず、脱着時回収したトナーの漏れを防止できる。さらに、実施の形態では、脱着時のクリーニング手段8の回転角度は、支持ローラ10においてブレード接触位置からベルト巻き付き端部位置がなす角度θ以内になっている。この角度θ以内で回転させることにより、クリーニング手段8の脱着時においても、ブレード74が中間転写ベルト7に支持ローラ10上で接触するため、機械動作時と脱着時のブレード74の中間転写ベルト7の状態が変化せず、クリーニング手段8に隙間が生じ無いため、脱着時のトナー漏れを防止できる。
通常、中間転写ユニット2では2次転写ユニット3にジャム処理用の開口部を持つが、この実施の形態によれば脱着時のユニット寸法を小さくできるため、ユニット脱着用の開口部としてジャム処理用の開口部5を利用することができ、特別に脱着用の開口部を設置しなくてもよい。そのため、機械構成の自由度が増し、開口部減により経済的である。さらに、図1の画像形成装置本体1の左側にフィニッシャー(後処理装置)等の周辺機を設置した場合でも、中間転写ユニット2を装置本体1から脱着させるときに、周辺機をわざわざ装置本体1から取り外す必要がない。つまりユーザ、サービスマンにとってメンテナンスが容易となる効果がある。
さらに、実施の形態では、中間転写ユニット2の脱着時でもクリーニング手段8は中間転写ベルト7から離間しないので、クリーニング手段8に隙間が生じて回収したトナーが漏れる可能性は小さいが、更に振動等による廃トナーの漏れのリスクを小さくするため、ユニット脱着前にクリーニング手段8内の廃トナー搬送コイル(図7の廃トナー回収コイル79)を駆動させ、回収トナーをクリーニング手段8から装置本体1に排出することによってさらにトナー漏れを防止することができる。これによって、廃トナーの分ユニット重量も小さくなるため脱着操作性向上に対しても有効である。
図9は、2次転写ユニットとして、2次転写ベルト33に代え、2次転写ローラ85を用いた別の実施の形態を示す概略構成図である。ここでも支持ローラ13が中間転写ベルト7を回転駆動させるための駆動ローラであり、2次転写ローラ85の対向ローラも兼ねている。86は2次転写ローラ85を支持ローラ13に当接付勢するためのスプリングであり、該ローラとともに2次転写ユニットに設けられている。そのほかの中間転写ユニット2の構成は前記説明したものと同様である。このような2次転写ローラ85を用いた2次転写ユニットにおいても、2次転写ユニットを枢支した下部枢支点を中心に揺動し、これにより開いた開口部から中間転写ユニット2を引き抜くと、前記の実施の形態と同様な作用を期待することが可能となる。
以上、前記各実施の形態は、好ましい一例を示したものであり、該実施の形態に限定されるものではない。例えばクリーニング手段8の回転を案内するガイド部材として、ガイド突起65と案内レール66を示したが、これ以外の部材で構成してもよい。
次に特許請求の範囲の請求項2以下に記載した発明の特有な効果について説明する。
請求項2に記載の発明によれば、中間転写ユニットの脱着時、クリーニング手段が中間転写体に当接したまま(離間せずに)脱着できるため、クリーニング手段に隙間ができず、脱着時回収したトナーの漏れを防止できる。
請求項3に記載の発明によれば、中間転写ユニットの脱着時、クリーニング手段回転のために、ガイド突起が係合する案内レールを装置本体に持つことにより、簡略な構成で確実にクリーニング手段を回転させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、クリーニング手段の回転をクリーニング手段の対向する位置にある支持ローラを中心に、所定の円弧がなす角度範囲で行うので、回転動作を円滑に行うことができる。また、クリーニング手段が中間転写体に対向位置にある支持ローラ上で接触するため、機械動作時と脱着時のクリーニング手段の中間転写体の状態が変化せず、クリーニング手段に隙間が生じ無いため、脱着時のトナー漏れを防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、脱着用の開口部を装置本体の側部に開閉可能に枢支された扉部を開放することにより、容易に形成することができる。請求項6に記載の発明によれば、2次転写ユニットが扉部の役目をして脱着用の開口部を容易に形成することができる。
請求項7に記載の発明によれば、脱着時のユニット寸法を小さくできるため、ユニット脱着用の開口部としてジャム処理用の開口部を利用することができ、特別に脱着用の開口部を設置しなくてもよいため、機械構成の自由度が増し、開口部減により経済的である。
請求項8に記載の発明によれば、中間転写ユニットを装置本体の開口部から脱着前に、クリーニング手段から装置本体への回収トナー排出動作を行うことにより、脱着する中間転写ユニットの重量を軽くするとともに、振動等が加わった場合のトナー漏れのリスクを小さくできる。
この発明の一実施の形態に係る画像形成装置を示す概略図である。 (A)は、図1の状態から中間転写ユニットを脱着中の様子の概略図、(B)はセット時の中間転写ユニットの概略図を示すものである。 中間転写ユニットとクリーニング手段を装置本体から脱着した状態を示す一部破断した概略斜視図である。 (A),(B),(C)は中間転写ユニットに対するクリーニング手段の取り付け関係を示す部分図である。 ガイド突起と案内レールとの関係を示す部分図である。 ともに装置本体の内側壁に設けられた案内レールと本体レールの関係を示す部分図である。 クリーニング手段の拡大断面図である。 (A)〜(C)は作用説明図である。 別の実施の形態を示す概略構成図である。
符号の説明
1 画像形成装置の本体
2 中間転写ユニット
3 2次転写ユニット
4 下部枢支点
5 開口部
7 中間転写ベルト(中間転写体)
8 クリーニング手段
10,11,12,13 支持ローラ
15 1次転写ローラ
33 2次転写ベルト
56,56’,57,57’ 係合突起
58 ケーシング
60,60’ 係合長穴
63 スプリング
65 ガイド突起
66 案内レール
68,69 本体レール
70,71 ガイド突起
74 クリーニングブレード
75,76 ブラシローラ
85 2次転写ローラ

Claims (8)

  1. 複数の支持ローラに張架されたベルト状の中間転写体を備え、像担持体上に形成された互いに異なる色のトナー像からなる画像を、順次中間転写体に重ね合わせて1次転写し、該中間転写体上に1次転写された画像を記録媒体上に2次転写してカラー画像を形成する画像形成装置において、
    前記中間転写体と、該中間転写体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段と、前記複数の支持ローラ及びクリーニング手段を支持するユニット本体と、を有する中間転写ユニットが、画像形成装置本体に設けた開口部から脱着可能になっており、
    前記クリーニング手段が、前記支持ローラの任意のローラと対向する位置に配置され、該ローラを中心にしてその外周方向に所定の角度範囲にわたりガイド部材に案内されて回転可能になっており、
    前記中間転写ユニットの脱着時に、前記クリーニング手段が回転して中間転写ユニットの高さ寸法が前記開口部の高さ寸法より小さくなることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記クリーニング手段は、中間転写ユニットの脱着時に、回転後も中間転写体から離脱しないことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、ガイド部材は、装置本体に設けられた案内レールと、クリーニング手段に設けられ、案内レールに沿って移動可能に係合するガイド突起とにより構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、クリーニング手段の回転角度は、クリーニング手段の対向する位置に設けられた支持ローラを中心として、回転移動してくる中間転写体がクリーニング手段と接触する位置からベルト巻き付き端部位置までの円弧がなす角度範囲内であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、中間転写ユニットの装置本体からの脱着用開口部が、装置本体の側部に開閉可能に枢支された扉部を開放することにより形成されることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5に記載の画像形成装置において、扉部が、2次転写ユニットであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、中間転写ユニットの装置本体からの脱着用開口部が、記録媒体のジャム処理用の開口部を兼ねていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、中間転写ユニットを装置本体の開口部から脱着する前に、クリーニング手段にある残留トナーを装置本体に排出する動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
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