JP2010184434A - 基板接合方法及びインクジェットヘッド並びに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合時における接着剤の流路へのはみ出しを防止するとともに大きな接着強度を得る。
【解決手段】開口部を有する少なくとも2枚以上の基板を接着剤で接合する基板接合方法であって、開口部を有する一つの基板の開口部周辺の接合面となる基板表面に高粘度接着剤を塗布して前記開口部の周囲に凸状部を形成し、該凸状部以外の部分の前記基板表面に低粘度接着剤を、前記基板表面からの高さが前記凸状部の高さよりも低くなるように塗布し、他の基板を前記高粘度接着剤及び低粘度接着剤が塗布された前記一つの基板に対して、まず該他の基板が前記高粘度接着剤によって形成された凸状部に接触し、その後該他の基板が前記低粘度接着剤に接触するようにして接着することを特徴とする基板接合方法を提供する。
【選択図】図6
【解決手段】開口部を有する少なくとも2枚以上の基板を接着剤で接合する基板接合方法であって、開口部を有する一つの基板の開口部周辺の接合面となる基板表面に高粘度接着剤を塗布して前記開口部の周囲に凸状部を形成し、該凸状部以外の部分の前記基板表面に低粘度接着剤を、前記基板表面からの高さが前記凸状部の高さよりも低くなるように塗布し、他の基板を前記高粘度接着剤及び低粘度接着剤が塗布された前記一つの基板に対して、まず該他の基板が前記高粘度接着剤によって形成された凸状部に接触し、その後該他の基板が前記低粘度接着剤に接触するようにして接着することを特徴とする基板接合方法を提供する。
【選択図】図6
Description
本発明は、基板接合方法及びインクジェットヘッド並びに画像形成装置に係り、特に、接着剤を用いたインクジェットヘッド部材の接合技術に関する。
従来、複数の部材を積層してインクジェットヘッドを形成する際、これらの部材の接合には接着剤が用いられることがある。このとき用いられる接着剤としては、特に耐薬品性、接合強度に優れるエポキシ系の熱硬化型接着剤がよく知られている。
ここで接着剤の粘度はさまざまであるが、高粘度接着剤は、流れ難いため流路にはみ出す量は少なくできるが部材の表面でぬれ広がり難く充分な接着強度が得られないことがある。一方、低粘度接着剤はぬれ広がりやすく高い接着強度が得られるが、流路に流れ込みやすい。
特に、表面粗さが大きい部材に対して粘度が高い接着剤を用いると、凹凸の中に接着剤が入りきらず充分な接合強度が得られない。また初期の強度が大きくても、隙間にインクが入り込みやすく、使用している間に接着強度が低下するという問題が生じる。また、粘度が低い接着剤を用いると凹凸に接着剤が入り込み、非常に高い接着強度と耐インク性が得られる。
しかし、粘度が低い接着剤を用いて各部材間を接合すると、塗布した接着剤が開口部にはみ出し、開口部を狭くしたり、最悪の場合には開口部を塞いでしまうことがあるという問題があった。
これに対して、従来例えば自動車用ガラスに対し、接着剤を介してインナーミラー取付用ブラケット等の被着体を接着するに際し、被着体の周縁に、接着剤のはみ出しを堰き止める凸条を環状に設けるとともに、接着剤からなる層中に間隔保持剤を配し、この間隔保持剤の介在により被着体と自動車用ガラスとを非接触で接着するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
また例えば、ノズルプレート、プールプレート、供給孔プレート、圧力室プレート、振動プレートとにおけるインク吐出を行わない面に接着剤を塗布して接着剤層を形成する際に、穴又は溝近傍には高粘度の接着剤を塗布し、それ以外の領域には低粘度の接着剤を塗布するようにして、インク流路のシールを確実にし、接着剤のはみ出し量を均一化したものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
しかしながら、例えば上記特許文献1に記載のものでは、凸状部は例えば金属製の材料で形成されており、変形することはなく、この方法では接着するためにはそもそも凸状部よりも高く盛るように接着剤を塗布しなければならないため、低粘度の接着剤では接着剤の流れだしを防止することはできないという問題がある。
また、上記特許文献2に記載のものでは、穴又は溝近傍に塗布する高粘度の接着剤と、それ以外の領域に塗布する低粘度の接着剤の厚さは同じであり、そのため厚さのばらつきによっては接合時において先に低粘度接着剤が押しつぶされて流路にはみ出してしまうという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、接合時における接着剤の開口部へのはみ出しを防止するとともに大きな接着強度を有し、均一性、吐出性に優れた基板接合方法及びインクジェットヘッド並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、開口部を有する少なくとも2枚以上の基板を接着剤で接合する基板接合方法であって、開口部を有する一つの基板の開口部周辺の接合面となる基板表面に高粘度接着剤を塗布して前記開口部の周囲に凸状部を形成し、該凸状部以外の部分の前記基板表面に低粘度接着剤を、前記基板表面からの高さが前記凸状部の高さよりも低くなるように塗布し、他の基板を前記高粘度接着剤及び低粘度接着剤が塗布された前記一つの基板に対して、まず該他の基板が前記高粘度接着剤によって形成された凸状部に接触し、その後該他の基板が前記低粘度接着剤に接触するようにして接着することを特徴とする基板接合方法を提供する。
これにより、接合強度が高い低粘度接着剤を用いるときの開口部への接着剤のはみ出しを防止することができる。
また、請求項2に示すように、前記高粘度接着剤の粘度は10万cP以上であり、前記低粘度接着剤の粘度は5万cP以下であることを特徴とする。
これにより、高粘度接着剤によって低粘度接着剤のはみ出しを抑制することが可能となる。
また、請求項3に示すように、前記高粘度接着剤及び低粘度接着剤はそれぞれエポキシ系熱硬化型接着剤であることを特徴とする。
これにより、特殊な接着剤を用いることなく容易に接着強度を得ることができる。
また、請求項4に示すように、前記高粘度接着剤と前記低粘度接着剤は、主剤と硬化剤が同じで、粘度調整剤の含有量が異なる接着剤であることを特徴とする。
これにより、同じ条件で硬化できるため、接合工程における工数を削減することができる。
また、請求項5に示すように、前記低粘度接着剤が塗布される前記基板表面に各基板間の間隔を調整するための高さ調整部を設けたことを特徴とする。
これにより、接合時に必要以上に押しつぶすことなく、接着剤のはみ出しを低減することができる。
また、請求項6に示すように、前記高さ調整部は、前記低粘度接着剤が塗布される前記基板表面に高さが前記低粘度接着剤の塗布厚さよりも小さくなるように形成された凸状の部材であることを特徴とする。
これにより、接着剤塗布時のばらつきにより多少低粘度接着剤の塗布厚さが少ない部分が生じても、高さ調整部が低粘度接着剤よりも高くなって接着剤が塗布されない場所ができてしまうのを防ぐことができる。
また、請求項7に示すように、前記一つの基板に接合する他の基板の、接合時に前記一つの基板の低粘度接着剤が塗布された領域に対応する位置に、各基板間の間隔を調整するための高さ調整部を設けたことを特徴とする。
これにより、接合時に必要以上に押しつぶすことなく、接着剤のはみ出しを低減することができる。
また、請求項8に示すように、前記高さ調整部は、その高さが前記一つの基板に塗布される低粘度接着剤の厚さよりも小さくなるように形成された凸状の部材であることを特徴とする。
これにより、接着剤塗布時のばらつきにより多少低粘度接着剤の塗布厚さが少ない部分が生じても、高さ調整部が低粘度接着剤よりも高くなって接着剤が塗布されない場所ができてしまうのを防ぐことができる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項9に記載の発明は、複数の基板を接着剤により接合して積層して形成されるインクジェットヘッドであって、前記基板の開口部近傍は高粘度接着剤によって、それ以外の領域は低粘度接着剤によって接合され、前記低粘度接着剤が塗布された領域中に接合される基板間の間隔を調整するための高さ調整部を有することを特徴とするインクジェットヘッドを提供する。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の基板接合方法を用いて製造されたことを特徴とするインクジェットヘッドを提供する。
これにより、流路への接着剤のはみ出しがなく、均一性、吐出性に優れたインクジェットヘッドを得ることができる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載のインクジェットヘッドを備えた画像形成装置を提供する。
これにより、高品質の画像を形成することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、接合強度が高い低粘度接着剤を用いるときの開口部への接着剤のはみ出しを防止することができる。また、本発明の基板接合方法を適用することで流路への接着剤のはみ出しがなく、均一性、吐出性に優れたインクジェットヘッドを得ることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る基板接合方法及びインクジェットヘッド並びに画像形成装置について詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されたインクジェットヘッドの一実施形態の概略を示す斜視断面図である。
本実施形態のインクジェットヘッド10は、いわゆるラインヘッドとして構成されており、主として、ヘッド本体12と、そのヘッド本体12にインクを供給するインク供給部材14とで構成されている。
ヘッド本体12は、矩形の板状に形成されており、図示を省略するが、その下面にインクを液滴として吐出するノズルが多数配列されている。
図2は、ヘッド本体12の平面透視図である。図2に示すように、ヘッド本体12には、インクに圧力を付与してノズル(不図示)から液滴として吐出させる圧力室ユニット20が、所定の配列パターン(本実施形態では千鳥格子状のパターン)に従って2次元的に配列されている。
圧力室ユニット20は、インクを液滴として吐出するノズル22と、インクを貯留し、貯留したインクに圧力を付与してノズル22から液滴として吐出させる圧力室24と、圧力室24にインクを導入するインク導入口26とを備えて構成されている。本実施形態では、図2に示すように、圧力室24の平面形状が正方形状に形成されており、その対角線の一方の端にノズル22、他方の端にインク導入口26が形成されている。インクは、図示しない共通流路からインク導入口26を介して圧力室24に導入され、圧力室24で圧力が付与されて、ノズル22から液滴として吐出される。
図3は、圧力室ユニット20の概略構成を示す縦断面図である。各圧力室24の天面(天井面)は、共通の振動板28で構成されている。振動板28の上には、各圧力室24に対応して、圧電素子30が配置されている。各圧電素子30は、その上面に形成された個別電極32と、共通電極として機能する振動板28との間に電圧を印加することにより変形する。そして、圧電素子30が変形することにより、対応する圧力室24の天面(振動板28)が変形し、ノズル22からインク滴が吐出される。すなわち、圧力室24の天面が変形することにより、圧力室24の容積が減少し、この結果、圧力室24内のインクに圧力が加わり、ノズル22からインク滴が吐出される。
各圧電素子30の上側には、各圧電素子30の自由な駆動を確保し、保護するための共通のカバー34が設けられている。また、カバー34の上側には、各圧力室24にインクを供給するための共通流路36が形成されている。各圧力室24は、それぞれインク導入口26を介して共通流路36と連通されている。インクをノズル22から吐出された圧力室24は、元に戻る際、インク導入口26を介して共通流路36から新しいインクが供給される。
図4は、ヘッド本体12の上面図である。図4に示すように、ヘッド本体12の上面中央には、インク供給口38が、ヘッド本体12の長手方向に沿って一定ピッチで多数形成されている。各インク供給口38は、共通流路36に連通されている。インクは、このインク供給口38を介してインク供給部材14から共通流路36に供給される。
図5は、本実施形態のインクジェットヘッド10の縦断面図である。図5に示すように、インク供給部材14は、矩形の箱状に形成されており、その下面部が開口して形成されている。ヘッド本体12は、このインク供給部材14の下面部の開口に取り付けられる。
インク供給部材14の下面部には、ヘッド本体12の上面部が嵌合される凹部(開口)40が形成されている。ヘッド本体12は、この凹部40に上面部を嵌め込むことにより、所定位置に位置決めされて、インク供給部材14に取り付けられる。
この際、ヘッド本体12は、接着剤62で接合して、インク供給部材14の下面部に取り付けられる。インク供給部材14の下面部に形成された凹部40の底面部40Aには、この接着剤62を塗布するための塗布溝42が形成されている。
インク供給部材14の上面部には、図5に示すように、供給配管接続口48が設けられている。この供給配管接続口48は、インク供給部材14の内部空間と連通されており、インクをインクタンクから供給するための供給配管50が接続される。
なお、本実施形態では、便宜上、インク供給部材14を一体物で構成しているが、インク供給部材14は、複数の部材を接合して形成するようにしてもよい。同様に、ヘッド本体12も複数の部材を接合して形成することができる。例えば、複数のシリコン基板を積層し接合して形成するようにしてもよい。
そこで例えば、インク流路となるべき孔が形成されたシリコン基板を積層してインクジェットヘッドを形成する際の基板の接合方法を例にとって本願発明の一実施形態を以下説明する。
図6に本実施形態における基板の接合方法を示す。
まず図6(a)に示すように、インク流路となるべき開口部(貫通孔)72が形成されたシリコン基板70の接合面70Aにおいて、開口部72の周辺に高粘度接着剤74を塗布して凸状部を形成する。
ここで用いる高粘度接着剤74としては、例えばエポキシ系の熱硬化型接着剤で粘度は10万cP(100Pa・s)以上のもの、もしくは流れ出ない程度のチキソ性を有するものが好ましい。また、開口部72の周辺に塗布するには、例えばディスペンサーやスクリーン印刷を用いることができる。
また、高粘度接着剤74によって開口部72の周囲に形成される凸状部は、例えば高さd1が50〜500μm、幅が数十〜500μmである。
次に、図6(b)に示すように、シリコン基板70の接合面70Aの、高粘度接着剤74によって開口部72の周囲に形成された凸状部の外側の領域に低粘度接着剤76を塗布する。
このとき、低粘度接着剤76を塗布する厚さd3は、高粘度接着剤74によって形成された凸状部の高さd1よりも小さくなるようにする。例えば、凸状部の高さd1が50〜500μmであるとき、これに対応させてこれよりも小さくなるように、d3は20〜200μm程度とするのが好ましい。
また、低粘度接着剤76の粘度は、10万cP以下、特に5万cP以下が望ましい。低粘度接着剤76の塗布方法としては、ディスペンサーによる方法が好適に例示される。
次に、図6(c)に示すように、同じくインク流路となるべき開口部(貫通孔)82が形成されたもう一つのシリコン基板80を上記シリコン基板70に接合する。
ここで、シリコン基板80の開口部82とシリコン基板70の開口部72とを合わせるようにしてシリコン基板80を、接着剤が塗布されたシリコン基板70に押し当てて行くとき、まず、高粘度接着剤74の凸状部がつぶれるように加圧して、接着剤を加熱硬化させるようにする。
高粘度接着剤74の凸状部がつぶれることで、低粘度接着剤76がシリコン基板80に密着する。このとき、開口部72の周囲は高粘度接着剤74の凸状部によって囲まれ、この凸状部の高さd1は低粘度接着剤76の厚さd3よりも大きいため、低粘度接着剤76が開口部72にはみ出してインク流路となる空間に流れ込むようなことはない。
また、凸状部がつぶれるので、低粘度接着剤76は確実に相手方のシリコン基板80に密着するので強力な接着力を得ることができる。さらに、凸状部も高粘度接着剤74で形成されているので、これ自体も接着に寄与するため、金属などで凸状部を形成した場合に比べて、さらなる接着強度を得ることができる。
また、接着剤について、高粘度と低粘度の差の付け方としては、例えば粘度調整剤の量によって調整する。例えば、図7に示すように、粘度調整剤としてシリカなどのフィラー77を、低粘度接着剤76よりも高粘度接着剤74により多く混ぜることによって高粘度接着剤74の粘度を高くする。
このようにすると、高粘度接着剤74も低粘度接着剤76も、その主剤と硬化剤は同じなので、硬化条件を同じにして粘度だけを変えることができるため、接合時に同時に硬化させることが可能となり、接合時における工程数を減らすことができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。これは、接合する部材の低粘度接着剤を塗布する領域に、各基板間の間隔を調整して、接合時に部材を必要以上に押し付けて接着剤がはみ出すのを防止するための高さ調整部を設けるようにしたものである。
すなわち、図8(a)に示すように、シリコン基板70の開口部72の周囲に高粘度接着剤74で形成された凸状部の外側の、低粘度接着剤76が塗布される領域に、高さ調整部78を設ける。
ここで、前述した例と同様に、低粘度接着剤76の厚さ(高さ)d3は、高粘度接着剤74の凸状部の高さd1よりも低く、d1>d3である。また、高さ調整部78の高さd4は、低粘度接着剤76の厚さよりも小さくなければならないが、あまり小さ過ぎると接着剤のはみ出し量が多くなってしまい効果がなく、また、高さ調整部78の高さd4と低粘度接着剤76の厚さが同程度だと低粘度接着剤76の塗布ばらつきにより塗布量が少ないと高さ調整部78が低粘度接着剤76より高くなり、その部分において接合時に低粘度接着剤76が相手側の基板に密着しなくなってしまう。
そこで、高さ調整部78の高さd4は、例えば0.8×d3>d4>0.5×d3、となるようにするのが好ましい。
このように高さ調整部78を設けておき、図8(b)に示すように、もう一つのシリコン基板80を接合すると、まずシリコン基板80は、高粘度接着剤74と接触し、次に低粘度接着剤76と接触する。そして、さらにシリコン基板80を押し付けて行くと最後に高さ調整部78と接触し、それ以上は高さ調整部78が変形しない限りシリコン基板80をシリコン基板70側に押し付けて行くことはできない。これにより、シリコン基板80を必要以上に押し付けて接着剤がはみ出すのを防止することができる。
なお、高さ調整部78の材質や作り方は特に限定はされない。例えば、シリコン基板70と一体的に加工してもよいし、後から樹脂や金属等で取り付けるようにしてもよい。
また、図9に示すように、相手側のシリコン基板80の接合側の表面に高さ調整部84を形成するようにしてもよい。このとき、高さ調整部84は、接合したときにシリコン基板70の低粘度接着剤76の塗布領域の位置となるように形成される。
これまで説明してきたのは、例えばヘッド本体12のインク流路を形成する際の基板の接合における例であったが、本発明はこのような基板の接合にのみ適用されるものではなく、例えば、前述したヘッド本体12とインク供給部材14との接合にも適用することができる。次にこれについて説明する。
図10に示すように、ヘッド本体12はインク供給部材14の下面部(図では上向きに表現されているが)に形成された凹部40に嵌め込んで接合される。
このとき、図10に示すように、凹部40の端部表面40Bに高粘度接着剤74を塗布して凸状部を形成し、凹部40には低粘度接着剤76を塗布する。これらの高粘度接着剤74及び低粘度接着剤76の塗布は前の例と同様、例えばディスペンサーによって行われる。ここで、低粘度接着剤76の厚さは、凹部40の底面40Cからの高さが、凸状部よりも低くなるように塗布する。
そして、ヘッド本体12を図に矢印で示したようにこの凹部40に嵌め合わせるようにして接合して行くと、まず高粘度接着剤74の凸状部がヘッド本体12に接触し、さらに加圧して行くと凸状部が押しつぶされて、低粘度接着剤76がヘッド本体12と接触するようになる。ここでヘッド本体12をさらに押し付けて行っても、低粘度接着剤76は高粘度接着剤74の凸状部があるため簡単にははみ出すようなことはない。
しかし、あまり押し付け過ぎると接着剤がはみ出してしまうので、押し付け過ぎを防止するために、図11に示すように、インク供給部材14の凹部40内に高さ調整部86を設けることが好ましい。
なお、高さ調整部86は、凹部40の底面40Cからの高さが、低粘度接着剤76の厚さ(底面40Cからの高さ)よりは低くなるように形成される。また、高さ調整部86の凹部40の底面40Cからの高さが、少なくとも凹部40の端部表面40Bよりも高くなるようにする。
このように高粘度接着剤74で凸状部を形成して低粘度接着剤76の塗布領域を縁取ることにより、接合時における低粘度接着剤76のはみ出しを防止することができる。
図12は、本発明に係るインクジェットヘッドが組み込まれたインクジェット記録装置(画像形成装置)の一実施形態を模式的に示す構成図である。
図12に示すように、この画像形成装置としてのインクジェット記録装置100は、主として、記録媒体122を給紙する給紙部110と、給紙部110から給紙された記録媒体122の記録面に所定の処理液を付与する処理液付与部112と、処理液が付与された記録媒体122の記録面にインク滴を打滴して画像を描画する描画部114と、画像が描画された記録媒体122の記録面を乾燥させる乾燥部116と、記録面に形成された画像を定着させる定着部118と、画像が記録された記録媒体122を回収する排紙部120とで構成されている。
給紙部110は、記録媒体122を格納するマガジン140を備えており、このマガジン140から1枚ずつ給紙トレイ150に給紙される。給紙トレイ150に給紙された記録媒体122は、渡し胴152を介して処理液付与部112の処理液ドラム154に受け渡される。
処理液ドラム154は、渡し胴152から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、第1の中間搬送ドラム124に受け渡す。処理液付与部112では、この処理液ドラム154によって回転搬送される記録媒体122に対して所定の処理液を一定の厚みで付与する。処理液の付与は、処理液付与装置156によって行われ、処理液付与装置156は、例えば、表面に処理液が付与された塗布ローラを記録媒体122の記録面に当接させて、処理液を付与する。処理液が付与された記録媒体122は、さらにドライヤ158とヒータ160で乾燥されたのち、第1の中間搬送ドラム124に受け渡される。
なお、この処理液付与部112で付与される処理液は、後段の描画部114で付与されるインク中の色材(顔料又は染料)を凝集又は増粘させる成分を含有する処理液である。このような処理液をインクの打滴前に付与することにより、ブリーディング等を防止でき、高品質な画像を描画することが可能になる。
第1の中間搬送ドラム124は、処理液ドラム154から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、描画部114の描画ドラム170に受け渡す。
描画ドラム170は、第1の中間搬送ドラム124から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、第2の中間搬送ドラム126に受け渡す。描画部114では、この描画ドラム170によって回転搬送される記録媒体122に対して、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクジェットヘッド172C、172M、172Y、172Kからインク滴を打滴して、画像を描画する。
各インクジェットヘッド172C、172M、172Y、172Kは、所定の隙間をもって描画ドラム170に対抗して配置されており、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順で描画ドラム170の回転方向上流側から配置されている。また、各インクジェットヘッド172C、172M、172Y、172Kは、ラインヘッドで構成されており、記録媒体122の記録幅に対応して形成されている。
各インクジェットヘッド172C、172M、172Y、172Kでインクが打滴された記録媒体122は、描画ドラム170から第2の中間搬送ドラム126に受け渡される。第2の中間搬送ドラム126は、描画ドラム170から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、乾燥部116の乾燥ドラム176に受け渡す。
乾燥ドラム176は、第2の中間搬送ドラム126から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、第3の中間搬送ドラム128に受け渡す。乾燥部116では、この乾燥ドラム176によって回転搬送される記録媒体122を第1、第2のヒータ178、182、及び、ドライヤ180によって乾燥させる。
乾燥された記録媒体122は、乾燥ドラム176から第3の中間搬送ドラム128に受け渡される。第3の中間搬送ドラム128は、乾燥ドラム176から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、定着部118の定着ドラム184に受け渡す。
定着ドラム184は、第3の中間搬送ドラム128から受け渡された記録媒体122を受け取り、回転搬送して、排紙部120のコンベア196に受け渡す。定着部118では、この定着ドラム184によって回転搬送される記録媒体122に対して、第1、第2の定着ローラ186、188で加熱、加圧して、描画された画像を定着させる。
画像が定着された記録媒体122は、定着ドラム184から排紙部120のコンベア196に受け渡される。コンベア196は、定着ドラム184から記録媒体122を受け取り、排紙部120に備えられた排紙トレイ192に搬送し、排紙トレイ192に回収する。
以上のように構成されたインクジェット記録装置100によれば、描画部114において、各インクジェットヘッドから安定したインクの吐出ができるので、安定した画像の形成が可能となる。
以上、本発明の基板接合方法及びインクジェットヘッド並びに画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…インクジェットヘッド、12…ヘッド本体、14…インク供給部材、40…凹部、70、80…シリコン基板、72、82…開口部、74…高粘度接着剤(で形成された凸状部)、76…低粘度接着剤、78、84、86…高さ調整部
Claims (11)
- 開口部を有する少なくとも2枚以上の基板を接着剤で接合する基板接合方法であって、
開口部を有する一つの基板の開口部周辺の接合面となる基板表面に高粘度接着剤を塗布して前記開口部の周囲に凸状部を形成し、該凸状部以外の部分の前記基板表面に低粘度接着剤を、前記基板表面からの高さが前記凸状部の高さよりも低くなるように塗布し、
他の基板を前記高粘度接着剤及び低粘度接着剤が塗布された前記一つの基板に対して、まず該他の基板が前記高粘度接着剤によって形成された凸状部に接触し、その後該他の基板が前記低粘度接着剤に接触するようにして接着することを特徴とする基板接合方法。 - 前記高粘度接着剤の粘度は10万cP以上であり、前記低粘度接着剤の粘度は5万cP以下であることを特徴とする請求項1に記載の基板接合方法。
- 前記高粘度接着剤及び低粘度接着剤はそれぞれエポキシ系熱硬化型接着剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の基板接合方法。
- 前記高粘度接着剤と前記低粘度接着剤は、主剤と硬化剤が同じで、粘度調整剤の含有量が異なる接着剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板接合方法。
- 前記低粘度接着剤が塗布される前記基板表面に各基板間の間隔を調整するための高さ調整部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板接合方法。
- 前記高さ調整部は、前記低粘度接着剤が塗布される前記基板表面に高さが前記低粘度接着剤の塗布厚さよりも小さくなるように形成された凸状の部材であることを特徴とする請求項5に記載の基板接合方法。
- 前記一つの基板に接合する他の基板の、接合時に前記一つの基板の低粘度接着剤が塗布された領域に対応する位置に、各基板間の間隔を調整するための高さ調整部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の基板接合方法。
- 前記高さ調整部は、その高さが前記一つの基板に塗布される低粘度接着剤の厚さよりも小さくなるように形成された凸状の部材であることを特徴とする請求項7に記載の基板接合方法。
- 複数の基板を接着剤により接合して積層して形成されるインクジェットヘッドであって、
前記基板の開口部近傍は高粘度接着剤によって、それ以外の領域は低粘度接着剤によって接合され、前記低粘度接着剤が塗布された領域中に接合される基板間の間隔を調整するための高さ調整部を有することを特徴とするインクジェットヘッド。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の基板接合方法を用いて製造されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
- 請求項9または10に記載のインクジェットヘッドを備えた画像形成装置。
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JP2009030171A JP2010184434A (ja) | 2009-02-12 | 2009-02-12 | 基板接合方法及びインクジェットヘッド並びに画像形成装置 |
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Cited By (1)
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JP2015112875A (ja) * | 2013-12-06 | 2015-06-22 | ゼロックス コーポレイションXerox Corporation | 2種類の接着剤を含む印刷ヘッド |
-
2009
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