JP2010183486A - 高周波電力増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2次高調波の反射レベルを増大させると共に、寄生容量による電力損失を無くして、ドハティ増幅装置の電力効率を更に向上させることができる高周波電力増幅器を提供する。
【解決手段】 ドハティ増幅器において、2次高調波を発生する高調波発生器32と、発生した2次高調波の位相を調整する可変移相器33と、2次高調波の振幅を調整する可変減衰器34とを備え、基本波信号に2次高調波を注入した合成信号を、高調波反射回路64を備えたキャリア増幅回路6の入力信号とし、更にキャリア増幅回路6のFET62と出力整合回路63との間にE級処理回路65を備えた高周波電力増幅器としている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、高周波信号を増幅する高周波電力増幅器に係り、特に電力変換効率を向上させることができる高周波電力増幅器に関する。
[先行技術の説明]
送信用電力増幅器は、高周波信号を所要の送信出力に増幅するものであり、ほとんどの無線機において最も多くの電力を消費する部分である。
電力増幅器が消費する電力は、高周波出力に変換されるだけでなく、内部損失となる熱として放出される。
そのため、発熱量を低減して消費電力の低減や信頼性の向上を図るために、電力増幅器の電力変換効率を上げて、無駄な内部損失を抑えることが要求されている。
この要求に応えるために、種々の高効率動作方式を取り入れた増幅器があり、例えばF級増幅器がある。
[従来のF級増幅器:図7(a)]
従来のF級増幅器について図7(a)を用いて説明する。図7は、従来のF級増幅器の構成を示す概略構成ブロック図である。
図7(a)に示すように、従来のF級増幅器は、入力端子11と、出力端子12と、入力整合回路13と、FET(Field Effect Transistor;電界効果トランジスタ)14と、出力整合回路15と、高調波反射回路16とから構成される。
入力整合回路13は、入力信号において、FET14の入力インピーダンスと特性インピーダンスZ0とのインピーダンス整合を実現するためのインピーダンス変換回路である。
また、出力整合回路15は、基本波周波数f0において、FET14の出力インピーダンスと特性インピーダンスZ0とのインピーダンス整合を実現するためのインピーダンス変換回路である。
FET14は入力された信号を増幅して出力する能動素子であり、ゲート端子に入力信号が印加され、ソース端子は接地されている。尚、能動素子としては、FETの代わりにバイポーラトランジスタや電子管を用いてもよい。
高調波反射回路16は、FET14のドレイン端子に接続され、基本波周波数及び奇数次高調波周波数に対して開放し、且つ偶数次高調波周波数に対して短絡となるインピーダンス特性を備えている。したがって、FET14の出力端子(ドレイン端子)における負荷のインピーダンス周波数特性は、基本波周波数で整合、偶数次高調波周波数で短絡、奇数次高調波周波数で開放となる。
そして、入力信号は、入力端子11から入力整合回路13を介してFET14のゲート端子に入力される。FET14で増幅された信号は、ドレイン端子から出力整合回路15を介して出力端子12に取り出される。また、FET14で発生した奇数次高調波は、高調波反射回路16で反射されてFET14に入力され、更に増幅される。
[F級増幅器における電圧・電流の波形:図8]
次に、F級増幅器における電圧及び電流の理論上の波形について図8を用いて説明する。図8は、F級増幅器における電圧及び電流の理論上の波形図である。
図8に示すように、図7(a)に示した増幅器のFET14をB級バイアス条件で動作させて基本波周波数の正弦波を入力すれば、理論上、ドレイン端子とソース端子との間の電圧の時間波形は、基本波と奇数次高調波成分のみを有する矩形波となる。
また、ドレイン端子とソース端子との間の電流の時間波形は、基本波と偶数次高調波成分のみを有する半波形となる。
このときのFET14の動作としては、ドレイン電流が流れているときにドレイン電圧がゼロとなり、逆にドレイン電圧が印加されているときにドレイン電流がゼロとなるので、ドレイン端子とソース端子間の消費電力を常にゼロの状態にすることができる。
すなわち、図8のように電圧及び電流の時間波形が重なっていない状態では、FET14で消費する電力をゼロにすることができ、内部損失を抑えることができる。これがF級増幅器の理論である。
更に、上述したF級増幅器とは逆に、基本波周波数で整合、偶数次高調波周波数で開放、奇数次高調波周波数で短絡となり、図8の波形とは逆の波形が得られる増幅器もある。このような増幅器では、高調波反射回路は偶数次の高調波を反射する。この場合にも、ドレイン電流が流れているときにドレイン電圧がゼロとなり、逆にドレイン電圧が印加されているときにドレイン電流がゼロとなるので、同様にドレイン端子とソース端子間の消費電力を常にゼロの状態にすることができる。
ところで、パッケージの外に高調波反射回路を挿入した高周波帯のF級増幅器を構成する場合には、基本波周波数だけでなく、2次高調波周波数においても、FETパッケージ、ワイヤボンディングその他の影響によるリアクタンスや、FETチップ自身のインピーダンスの存在を考慮した回路構成が必要になる。
[従来の別のF級増幅器:図7(b)]
2次高調波周波数を利用して、FETやそのパッケージの存在に起因する各種の浮遊リアクタンスの影響を回避し、効率の向上を図るF級増幅器(従来の別のF級増幅器)がある。
2次高調波周波数を利用して効率の向上を図るF級増幅器について図7(b)を用いて説明する。
図7(b)に示すように、従来の別のF級増幅器は、入力端子11と、出力端子12と、入力整合回路13と、FET14と、出力整合回路15と、高調波反射回路16とから構成される。
高調波反射回路16は、出力整合回路15と出力端子12との間に並列に接続された終端回路であり、入力信号の周波数に対して高入力インピーダンスで、且つその2次高調波周波数に対して低入力インピーダンスである。
入力整合回路13は、入力信号の周波数とその2次高調波周波数の両方に対して、FET14の入力インピーダンスと共役整合するインピーダンス特性を備えている。
出力整合回路15は、入力信号の周波数とその2次高調波周波数の両方に対して、FET14の出力インピーダンスと共役整合するインピーダンス特性を備えている。これらの点が図7(a)に示した増幅器とは異なっている。
そして、終端にある高調波反射回路16で、FET14のドレイン端子に発生した2倍波信号(2次高調波)をFET14に反射させることにより、電圧波形を矩形波に近づけ、高効率動作に必要なスイッチング動作を容易に実現できるものである。
[ドハティ増幅器:図9]
また、従来の高効率を図る増幅器としては、ドハティ増幅器がある。
従来のドハティ増幅器の構成について図9を用いて説明する。図9は、従来のドハティ増幅器の構成を示す構成ブロック図である。
図9に示すように、従来のドハティ増幅器は、入力端子1と、出力端子2と、分配器4と、移相器5と、キャリア増幅回路6と、ピーク増幅回路7と、伝送線路8と、合成点9と、伝送線路10とから構成されている。
更に、キャリア増幅回路6は、入力整合回路61と、FET62と、出力整合回路63とから構成され、ピーク増幅回路7は、入力整合回路71と、FET72と、出力整合回路73とから構成されている。
そして、入力端子1から入力された信号は、分配器4で分配され、その一方はキャリア増幅回路6に入力されて、FET62で増幅され、出力整合回路63を介して伝送線路8でインピーダンス変換される。
分配器4で分配されたもう一方の信号は、移相器5で位相をキャリア増幅回路6に合わせて調整された後、ピーク増幅回路7に入力され、FET72で増幅されて出力整合回路73でインピーダンス変換されて出力される。
合成点9では伝送線路8からの出力とピーク増幅回路7からの出力が合成され、更に伝送線路10で出力負荷(図示せず)に整合するためインピーダンス変換されて出力端子2から出力され、出力負荷に接続される。
キャリア増幅回路6のFET62はAB級にバイアスされ、ピーク増幅回路7のFET72はB級又はC級にバイアスされている。そのため、入力レベルが低くFET72が動作しない内はFET62が単独で動作する。そして、FET62が飽和領域に入る、つまりFET62の線形性が崩れ始めると、FET72が動作し始め、FET72の出力が負荷に供給され、FET62と共に負荷を駆動する。これにより、ドハティ増幅器では、出力レベルが最大出力レベルよりも低い場合でも、高い効率が得られるものである。
尚、ドハティ増幅器に高調波反射回路を用いて一層の高効率を図ることは周知の技術である。
[寄生容量の影響]
ところで、一般に、FETから出力される信号は、周波数が高いほど、FETのドレイン端子に存在する寄生容量の影響によって放電損失となってしまい、増幅器の効率を大きく低下させることが知られている。
FETのスイッチング動作に伴い、スイッチ中の電圧及びその寄生容量がゼロでないときにスイッチが入ると、充電済みの容量に蓄えられていたエネルギーが熱となって失われるためである。
[E級増幅器:図6]
寄生容量に起因する電力損失を実質上取り除くことにより、高周波で高い効率が得られる増幅器としてE級増幅器が知られている。
E級増幅器について図6を用いて説明する。図6は、E級増幅器の概略構成図である。
図6に示すように、E級増幅器は、入力端子111と、出力端子112と、入力整合回路113と、FET114と、E級処理回路115と、出力整合回路116とから構成されている。
FET114は増幅素子であり、スイッチング動作を行う。
入力整合回路113は、入力信号に整合されたインピーダンス変換回路であり、出力整合回路115は、出力側に整合されたインピーダンス変換回路である。
E級処理回路115は、FET114をスイッチング動作させることで、寄生容量の充電/放電を利用してFET114のドレイン端子に存在する電力損失を無くすものであり、図示は省略するが、寄生容量のスイッチON/OFFを実現する電圧位相調整用補正リアクタンスと、FET114の基本波周波数f0において共振する共振回路から成る。
ここで、FET114が理想スイッチとして動作するのであれば、スイッチがONの状態では電流のみが流れ、スイッチがOFFの状態では、寄生容量の放電により電圧のみが発生する。つまり、電圧と電流は必ずどちらかが0となるため、DC(直流)での電力消費は0となり、DCから供給される電力は全てRFに変換されて熱損失が発生しないものである。
尚、高効率化を図る増幅器に関する先行技術としては、特開2005−204208号公報(特許文献1)がある。
特許文献1には、増幅対象となる基本波信号に対する奇数次の高調波信号を発生させ、当該奇数次の高調波信号を増幅対象となる基本波信号と合成して矩形波信号を生成し、矩形波信号を能動素子により増幅し、当該能動素子の出力端から負荷側を見た場合における奇数次の高調波信号に対するインピーダンスの値を無限大とすると共に、偶数次の高調波信号に対するインピーダンスの値をゼロとするようにして、高効率化を実現できる増幅器が記載されている。
特開2005−204208号公報
しかしながら、従来のF級増幅器では、必ずしも図8に示した理論上の電圧電流波形が得られるものではなく、また、増幅素子が飽和であれば高調波も多いが、出力レベルが低いと高調波の出力レベルも低くなって、高調波反射による効率向上の効果が小さくなるため、従来のドハティ増幅器に高調波反射回路を組み合わせた増幅器においても、出力レベルが低いと高調波の出力レベルが低下し、効率向上の効果が小さくなるという問題点があった。
尚、上記特許文献1では、奇数次高調波を増幅器入力に注入することは記載されているが、偶数次高周波を注入することは記載されていない。
本発明は、上記実状に鑑みて為されたもので、従来のドハティ増幅器に比べて高い効率が得られる高周波電力増幅器を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、AB級で動作するキャリア増幅回路と、B級又はC級で動作するピーク増幅回路とを有し、キャリア増幅回路とピーク増幅回路の出力を合成して出力するドハティ増幅器を備えた高周波電力増幅器であって、入力された基本周波数の信号から2次高調波を発生し、2次高調波の位相及び振幅を調整して、ドハティ増幅器のキャリア増幅回路、又はキャリア増幅回路とピーク増幅回路の双方、に出力する2次高調波発生回路を備えると共に、キャリア増幅回路、又はキャリア増幅回路とピーク増幅回路の双方、にE級処理回路を備えたことを特徴としている。
また、本発明によれば、AB級で動作するキャリア増幅回路と、B級又はC級で動作するピーク増幅回路とを有し、キャリア増幅回路とピーク増幅回路の出力を合成して出力するドハティ増幅器を備えた高周波電力増幅器であって、入力された基本周波数の信号から2次高調波を発生し、2次高調波の位相及び振幅を調整して、ドハティ増幅器のキャリア増幅回路、又はキャリア増幅回路とピーク増幅回路の双方、に出力する2次高調波発生回路を備えると共に、キャリア増幅回路、又はキャリア増幅回路とピーク増幅回路の双方、にE級処理回路を備えた高周波電力増幅器としているので、2次高調波の反射レベルを増大させて、キャリア増幅回路又はピーク増幅回路の電圧電流波形を最適化して効率を向上させると共に、キャリア増幅回路又はピーク増幅回路の寄生容量に起因する電力損失を無くして、一層の高効率化を図ることができる効果がある。
本発明の第1の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第1の増幅器)の構成ブロック図である。 高調波発生器32の構成ブロック図である。 第1の増幅器の入力電力−電力効率特性を示す模式説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第2の増幅器)の構成ブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第3の増幅器)の構成ブロック図である。 第2の増幅器及び第3の増幅器の入力電力−電力効率特性を示す模式説明図である。 (a)(b)は従来のF級増幅器の構成を示す概略構成ブロック図である。 F級増幅器における電圧及び電流の理論上の波形図である。 従来のドハティ増幅器の構成を示す構成ブロック図である。
[発明の概要]
本発明の実施の形態に係る高周波電力増幅器は、ドハティ増幅器において、ドハティ増幅器の入力信号から高調波を発生する高調波発生器と、当該高調波の位相及び振幅を調整するベクトル調整器とを備え、ベクトル調整された高調波をキャリア増幅器の入力信号に合成することによって、高調波反射回路を備えたドハティ増幅器の高調波出力レベルを増大させ、それに伴って出力の高調波反射レベルを増大させて効率を向上させることができ、電圧電流波形の重なりを減らして効率を向上させることができるものである。
また、本発明の実施の形態に係る高周波電力増幅器は、上記高周波電力増幅器において、キャリア増幅回路の増幅素子と出力整合回路との間に、E級処理回路を備えたものであり、スイッチング動作における寄生容量による電力損失を抑えて、一層効率を向上させることができるものである。
[第1の実施の形態:図1]
本発明の第1の実施の形態に係る高周波電力増幅器について図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第1の増幅器)の構成ブロック図である。
図1に示すように、第1の増幅器は、ドハティ増幅器において、キャリア増幅回路6に2次高調波を反射する高調波反射回路64を備え、キャリア増幅回路6の入力信号に2次高調波を注入する高調波発生回路3を設けた構成である。
具体的には、第1の増幅器は、入力端子1と、高調波発生回路3と、分配器4と、移相器5と、キャリア増幅回路6と、ピーク増幅回路7と、伝送線路8及び10と、合成点9とから構成されている。分配器4と、移相器5と、伝送線路8と、合成点9と、伝送線路10は図9に示した従来のドハティ増幅器と同様であるため、説明は省略する。
第1の増幅器の特徴部分である高調波発生回路3は、図1に示すように、分配器31と、遅延線35と、2次高調波発生器32と、可変移相器33と、可変減衰器34と、合成器36とから構成されている。
分配器31は、入力端子1からの入力信号を分配する。
高調波発生器32は、高調波を発生するものであり、第1の増幅器では2次高調波を発生するものとしている。具体的には、高調波発生回路3は、入力端子と、入力整合回路と、ダイオードと、出力整合回路と、出力端子とが直列に接続された構成である。
高調波発生器32の構成について簡単に説明する。
入力整合回路は、入力される信号を無駄なく伝達するために、基本波に整合されたインピーダンス変換回路である。
ダイオードは、入力された信号を増幅し、2次高調波を発生する。高調波を発生させるものであれば、ダイオードの代わりにFET等でもよい。
出力整合回路は、発生する2次高調波をできるだけ無駄なく出力するために、高調波に整合されたインピーダンス変換回路である。
入力整合回路、出力整合回路は、マイクロストリップライン等の伝送線路、コンデンサやコイルといった回路素子、またはこれらを組み合わせた回路によって構成される。
高調波発生回路3の可変移相器33は、高調波発生器32で発生した2次高調波の位相を調整する。
可変減衰器34は、高調波発生器32で発生した2次高調波の振幅を調整する。
尚、可変移相器33及び可変減衰器34から成る部分は、発生した2次高調波のベクトル調整を行うベクトル調整器に相当し、可変移相器33と可変減衰器34の順序が逆であっても構わない。
遅延線35は、高調波発生器32、可変移相器33、可変減衰器34における処理時間分、分配器31からの入力信号(基本波)を遅延する。
そして、合成器36は、遅延された基本波信号と、可変減衰器34から出力された位相及び振幅が調整された2次高調波とを合成して、キャリア増幅回路に出力する。
このように、高調波発生回路3は、構成の簡単なアナログ回路から成り、基本波と2次高調波との位相のずれ及び必要な振幅レベルの比を調整するベクトル調整回路を備えているので、キャリア増幅回路6に注入される2次高調波の位相及び振幅が、キャリア増幅回路6で発生する2次高調波の位相及び振幅と、最適な関係となるように、可変移相器33及び可変減衰器34でベクトル調整を行うことができ、キャリア増幅回路6における増幅動作を高効率で行うことができるものである。
尚、ここでは、位相を調整する可変移相器33と振幅を調整する可変減衰器34とを用いた構成としているが、高調波発生器32で発生した高調波の位相及び振幅を調整する調整器として位相と振幅が調整できればよく、同等の機能があればどのような方法を用いてもよい。
特に、第1の増幅器では、発生する高調波の中でもレベルが高い2次高調波に着目して、キャリア増幅器の入力に2次高調波を注入した上、出力では高調波反射回路で無駄なく2次高調波を反射させる構成としているので、効率向上の効果が大きくなるものである。
キャリア増幅回路6は、図9に示した従来のドハティ増幅器と同様の部分として、入力整合回路61と、FET(キャリア増幅素子)62と、出力整合回路63とを備え、第1の増幅器の特徴部分として、高調波反射回路64を備えている。
ピーク増幅回路7は、図9に示した従来のドハティ増幅器と同様の構成であり、入力整合回路71と、FET(ピーク増幅素子)72と、出力整合回路73とを備えている。
キャリア増幅回路6の高調波反射回路64は、基本波に影響を与えず、2次高調波を反射するインピーダンス特性を有する。高調波反射回路64を挿入する位置は、線路の損失を考慮すると、増幅素子に近い方がよいが、従来のF級増幅器ほどこだわらなくてもよい。また、高出力増幅素子を用いる場合には、内部整合回路の2次高調波反射特性を利用してもよい。
[第1の増幅器の動作]
第1の増幅器の動作について図1を用いて説明する。
第1の増幅器では、図1の入力端子1から入力された基本波信号は、高調波発生回路3に入力され、分配器31で分配され、その一方の基本波信号は高調波発生器32に入力されて、基本波周波数の2倍の周波数を有する2次高調波が生成される。
具体的には、高調波発生器32の入力端子から入力された入力信号は、入力整合回路でインピーダンス変換され、ダイオードで増幅され、2次高調波が生成される。2次高調波を含む信号は、出力整合回路インピーダンス変換され、2次高調波を多く含む信号として出力端子から出力される。
そして、発生した2次高調波は、可変移相器33で位相調整され、可変減衰器34で振幅調整されて、合成器36に入力される。
高調波発生器3の分配器31で分配されたもう一方の基本波信号は、遅延線35で遅延され、分配器4でキャリア増幅回路6とピーク増幅回路7とに分配される。
キャリア増幅回路側に分配された基本波信号は、合成器36に入力され、合成器36において、ベクトル調整された2次高調波と合成され、ドハティ増幅器のキャリア増幅回路6に出力される。
そして、キャリア増幅器6に入力された信号は増幅されて伝送線路8を介して合成点9に出力され、移相器5を経てピーク増幅器7に入力された信号は増幅されて合成点9に出力され、合成点9において合成後、伝送線路10を経て出力端子から出力される。
すなわち、第1の増幅器では、ドハティ増幅器のキャリア増幅回路6に入力される信号は、2次高調波を多く含むものであるから2次高調波の出力レベルが増大し、キャリア増幅回路6の、高調波反射回路64によってFET62に反射される2次高調波反射レベルを一層大きくすることができ、電圧電流波形の重なりを減らして、電力効率を向上させることができるものである。
ドハティ増幅器では、ピーク増幅回路7が動作する領域では元々効率が高く、また、ピーク増幅回路7が動作する時間が短いため、ピーク増幅回路7の効率が全体に与える影響はそれほど大きくない。
そのため、第1の増幅器では、キャリア増幅回路6のみに2次高調波を注入する構成として、キャリア増幅回路6のみが動作する領域の効率を向上させてドハティ増幅器全体の効率を大幅に向上できると共に、2次高調波の注入に要する電力を抑えることができるものである。
[第1の実施の形態の効果]
第1の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第1の増幅器)によれば、ドハティ増幅器において、キャリア増幅回路6の入力段に、2次高調波を発生する高調波発生器32と、発生した2次高調波の位相を調整する可変移相器33と、2次高調波の振幅を調整する可変減衰器34とを備え、入力信号に2次高調波を注入した合成信号をキャリア増幅回路6の入力信号とすることでFET62の高調波出力レベルを増大させ、更に、キャリア増幅回路6に高調波反射回路64を備えて、高レベルの2次高調波を反射するようにしているので、2次高調波の反射レベルを増大させて、電圧電流波形の重なりを低減し、ドハティ増幅器全体の電力効率を向上させることができる効果がある。
また、高調波発生回路3の可変移相器33と可変減衰器34とを調整することにより、高調波発生回路3で基本波に注入される2次高調波の位相及び振幅を、キャリア増幅回路6で発生する2次高調波の位相及び振幅と最適な関係となるよう調整することができ、簡易な構成で一層効率を向上させることができる効果がある。
また、従来は、2次高調波の位相及び振幅を調整するには、高調波反射回路を調整しなければならず、それと共に出力整合回路も調整する必要があり、基本波整合と2次高調波整合を同時に合わせることは困難であったが、第1の増幅器によれば、キャリア増幅回路6の入力信号に2次高調波を加え、且つ可変位相器33及び可変減衰器34で2次高調波の位相及び振幅を調整することにより、基本波と2次高調波の整合を同時に合わせることが容易になる効果がある。
[第2の実施の形態:図2]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る高周波電力増幅器について図2を用いて説明する。図2は、本発明の第2の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第2の増幅器)の構成ブロック図である。
第2の増幅器は、第1の増幅器と同様にドハティ増幅器に2次高調波を注入する高調波発生回路を設けたものであるが、第2の増幅器の特徴として、キャリア増幅回路とピーク増幅回路の両方に2次高調波を注入する構成としている。
図2に示すように、第2の増幅器の基本的な構成は、図1に示した第1の増幅器の構成とほぼ同様であるが、ドハティ増幅器において、キャリア増幅回路6及びピーク増幅回路7に2次高調波を反射する高調波反射回路64,74を備え、キャリア増幅回路6及びピーク増幅回路7の入力信号に2次高調波を注入する高調波発生回路3を設けた構成となっている。
そして、第2の増幅器の構成は、ピーク増幅回路7に高調波反射回路74が設けられている点と、高調波発生回路3にベクトル調整された2次高調波をキャリア増幅回路6側とピーク増幅回路7側とに分配する分配器38が設けられている点と、基本波に高調波を合成してピーク増幅回路7に出力する合成器37が設けられている点が図1の第1の増幅器とは異なっている。
そして、第2の増幅器の高調波発生回路3は、ドハティ増幅器のキャリア増幅回路6及びピーク増幅回路7への入力信号に2次高調波を注入するものである。第2の増幅器の高調波発生回路3においては、高調波発生回路3で注入される2次高調波の位相及び振幅が、ドハティ増幅器で発生する2次高調波の位相及び振幅と最適な関係となるよう、注入される2次高調波の位相及び振幅を可変移相器33及び可変減衰器34で調整するようになっている。
これにより、ベクトル調整された2次高調波がキャリア増幅回路6だけでなくピーク増幅回路7の入力信号に注入されるので、ピーク増幅回路7の高調波反射回路74で反射される2次高調波反射レベルを一層大きくすることができ、電圧電流波形の重なりを減らして、広い領域でドハティ増幅器の電力効率を一層向上させることができるものである。
[第2の実施の形態の効果]
第2の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第2の増幅器)によれば、ドハティ増幅器において、キャリア増幅回路6とピーク増幅回路7に高調波反射回路64,74を備え、2次高調波を発生する高調波発生器32と、発生した2次高調波の位相を調整する可変移相器33と、2次高調波の振幅を調整する可変減衰器34とを設けて、基本波信号に2次高調波を注入した合成信号を生成し、当該合成信号をキャリア増幅回路6及びピーク増幅回路7の入力信号としているので、キャリア増幅回路6及びピーク増幅回路7の両方で2次高調波の反射レベルを増大させて、電圧電流波形の重なりを低減し、ドハティ増幅器全体の電力効率を向上させることができる効果がある。
[第3の実施の形態:図3]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る高周波電力増幅器について説明する。
上述した第1及び第2の増幅器は、ドハティ増幅器に2次高調波を注入することにより、高周波で高い電力を効率的に供給できるものであるが、寄生容量の影響が十分考慮されているものではない。
本発明の第3の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第3の増幅器)は、FETの寄生容量を考慮して電力損失を無くし、ドハティ増幅器の更なる効率向上を図るものである。
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第3の増幅器)の構成ブロック図である。
図3に示すように、第3の増幅器の基本的な構成は、図1に示した第1の増幅器の構成とほぼ同様であり、キャリア増幅回路6の入力信号に2次高調波を注入するものであるが、ドハティ増幅器のキャリア増幅回路6にE級処理回路65が設けられている点が図1の第1の増幅器とは異なっている。
その他の構成部分及び基本的な動作については図1の第1の増幅器と同様であるため、説明を省略する。
E級処理回路65は、キャリア増幅回路6のFET62と出力整合回路63との間に設けられ、図6に示したE級処理回路と同様の構成を備えている。
具体的には、E級処理回路65は、FET62のドレイン端子に発生する寄生容量の充電/放電(スイッチON/OFF)を行うための電圧位相調整用補正リアクタンスと、FET62の基本波周波数f0に共振する共振回路とを備え、キャリア増幅回路6をE級増幅器として動作させるものである。
第3の増幅器では、E級処理回路65を設けたことにより、FET62のスイッチONの時には電流のみが流れて寄生容量が充電され、スイッチがOFFの時には充電済みの寄生容量に蓄えられていたエネルギーが放電され電圧のみが発生する。このため、電流と電圧の波形が重ならず、寄生容量に伴うエネルギーの損失を無くすことができるものである。
特に、寄生容量による電力損失は、FET62のスイッチング周波数に直接的に比例するので、高周波増幅器においては大幅な効率低下を招く深刻な問題であるが、第3の増幅器ではこの電力損失を無くして、著しい効率向上を図ることができるものである。
更に、第3の増幅器では、キャリア増幅回路6に高調波反射回路64を備え、キャリア増幅回路6の入力信号に2次高調波を注入しているので、高調波反射と寄生容量による損失低減により、第1の増幅器に比べて更なる高効率が得られるものである。
[2次高調波注入型ドハティ増幅器の効率:図4]
ここで、2次高調波注入型ドハティ増幅器の効率について第1の増幅器と第3の増幅器の特性を比較する。図4は、2次高調波注入型ドハティ増幅器の出力−効率特性を示す説明図である。
図4では、キャリア増幅回路に2次高調波を注入した第1の増幅器の特性を実線で示し、更にE級処理回路を備えた第3の増幅器の特性を破線で示している。
図4に示すように、第1の増幅器では、FET62のスイッチング動作に伴って寄生容量による電力損失が発生するため、飽和領域や、バックオフが低い領域において効率の劣化が見られる。
これに対して、E級処理回路65を備えた第3の増幅器では、寄生容量による電力損失を抑えるため、全領域にわたって第1の増幅器に比べて高効率となり、特に飽和に近い領域では大幅に効率が向上することがわかる。
[第3の実施の形態の効果]
第3の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第3の増幅器)によれば、ドハティ増幅器において、2次高調波を発生する高調波発生器32と、発生した2次高調波の位相を調整する可変移相器33と、2次高調波の振幅を調整する可変減衰器34とを備え、基本波信号に2次高調波を注入した合成信号を、高調波反射回路64を備えたキャリア増幅回路6の入力信号とし、更にキャリア増幅回路6のFET62と出力整合回路63との間にE級処理回路65を備えた高周波電力増幅器としているので、2次高調波の反射レベルを増大させると共に、FET62の寄生容量による電力損失を無くすことができ、キャリア増幅回路6の効率を向上させてドハティ増幅器全体の電力効率を大幅に向上させることができる効果がある。
[第4の実施の形態:図4]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る高周波電力増幅器について図5を用いて説明する。図5は、本発明の第4の実施の形態に係る高周波電力増幅器(第4の増幅器)の構成ブロック図である。
図5に示すように、第4の増幅器は、図2に示した第2の増幅器の構成に加えて、キャリア増幅回路6にE級処理回路65を備え、ピーク増幅回路7にE級処理回路75を備えたものである。
つまり、第4の増幅器は、高調波発生回路3で発生した2次高調波をキャリア増幅回路6とピーク増幅回路7の両方に注入すると共に、キャリア増幅回路6とピーク増幅回路7にE級処理回路65,75を備えた構成であり、キャリア増幅回路6とピーク増幅回路7の高調波反射レベルを増大させ、更に、FET62,72の寄生容量による電力損失を無くして、第2の増幅器に比べて更なる電力効率の向上を図ることができるものである。
本発明は、電力変換効率を向上させることができる高周波電力増幅器に適している。
1,11,111…入力端子、 2,12,112…出力端子、 3…高調波発生回路、31…分配器、 32…高調波発生器、 33…可変位相器、 34…可変減衰器、 35…遅延線、 36,37…合成器、 31,38,4…分配器、 5…移相器、 6…キャリア増幅回路、 7…ピーク増幅回路、 8,10…伝送線路、 9…合成点、 13,61,71,113…入力整合回路、 14,62,72…FET(増幅素子)、 15,63,73,116…出力整合回路、 16,64,74…高調波反射回路、 65,75…E級処理回路

Claims (1)

  1. AB級で動作するキャリア増幅回路と、B級又はC級で動作するピーク増幅回路とを有し、前記キャリア増幅回路と前記ピーク増幅回路の出力を合成して出力するドハティ増幅器を備えた高周波電力増幅器であって、
    入力された基本周波数の信号から2次高調波を発生し、前記2次高調波の位相及び振幅を調整して、前記ドハティ増幅器のキャリア増幅回路、又は前記キャリア増幅回路と前記ピーク増幅回路の双方、に出力する2次高調波発生回路を備えると共に、
    前記キャリア増幅回路、又は前記キャリア増幅回路と前記ピーク増幅回路の双方、にE級処理回路を備えたことを特徴とする高周波電力増幅器。
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