JP2010182634A - 有機エレクトロルミネッセンス装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ギャップ材含有のシール材によって素子基板と封止部材とを接合したときでも、画素領域外側の外周側シール領域の幅寸法を狭めることのできる有機EL装置を提供すること。
【解決手段】有機EL装置100において、外周側シール領域10cで素子基板10と封止部材20とを、ギャップ材95を含有する第1シール材91によって接合するにあたって、画素領域10aと平面的に重なる領域における素子基板10と封止部材20との間隔Gaを、ギャップ材95の粒径より大にしてある。このため、第1シール材91が画素領域10aと重なる位置まで入り込んだ場合でも、ギャップ材95は、素子基板10や封止部材20に対して強い力で当接しない。従って、ギャップ材95によって、封止膜60、有機EL素子80、カラーフィルター22(R)、22(G)、22(B)が損傷することがないので、外周側シール領域10cの幅寸法を狭めることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、EL(Electro Luminescence)という)装置に関するものである。
有機EL装置は、陽極、有機機能層および陰極が積層された有機EL素子を素子基板上に備えており、低電圧で電子注入効果を高めることを目的に、発光機能層と陰極との層間に、アルカリ金属やアルカリ土類金属を主成分とする電子注入層が配置される場合もある。このような有機EL素子に用いられる有機機能層や、陰極、電子注入層は、非常に活性であるため、大気中に存在する水分と簡単に反応して変質しやすい。かかる変質が起こると、電子注入効果が損なわれ、ダークスポットと呼ばれる非発光部分が発生してしまう。
そこで、従来は、素子基板において有機EL素子が設けられている面側に封止部材を対向配置し、画素領域を外周側で囲む外周側シール領域で素子基板と封止部材とシール材によって接合した構造が提案されている(特許文献1参照)。
特開2008−16300号公報
しかしながら、特許文献1に開示の構造を採用して、図6(a)、(b)に示すような有機EL装置100を構成すると、画素領域10aの外側に、光の出射に寄与しない無駄な領域が幅広に存在することになるという問題点がある。すなわち、シール材93に配合されたギャップ材99が、画素領域10aと重なる位置まで入り込むと、ギャップ材99によって、素子基板10に形成した有機EL素子80や、封止部材20に形成したカラーフィルター22が損傷してしまうため、画素領域10aから外側に大きく離れた位置に外周側シール領域10cを確保する必要がある。なお、図6(a)、(b)に示す構成は、本願発明との対比のために本願発明者が案出した参考例であり、従来技術ではない。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ギャップ材含有のシール材によって素子基板と封止部材とを接合したときでも、画素領域外側の外周側シール領域の幅寸法を狭めることのできる有機EL装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス装置は、有機エレクトロルミネッセンス素子が画素領域に設けられた素子基板と、該素子基板において前記有機エレクトロルミネッセンス素子が設けられている面側に対向配置された封止部材と、少なくとも前記画素領域を外周側で囲む外周側シール領域で前記素子基板と前記封止部材とを接合するシール材と、該シール材に配合され、前記外周側シール領域において前記素子基板および前記封止部材に当接して当該外周側シール領域における前記素子基板と前記封止部材との間隔を規定するギャップ材と、を有し、前記画素領域と平面的に重なる領域における前記素子基板と前記封止部材との間隔が前記ギャップ材の粒径より大であることを特徴とする。
本発明では、少なくとも画素領域を外周側で囲む外周側シール領域において、素子基板と封止部材とをギャップ材含有のシール材によって接合するとともに、画素領域と平面的に重なる領域における素子基板と封止部材との間隔がギャップ材の粒径より大に設定されている。このため、シール材に配合されたギャップ材が、画素領域と重なる位置まで入り込んでも、ギャップ材が有機EL素子を損傷させることがない。従って、画素領域に対して外周側シール領域を近接させることができる。それ故、画素領域の外側において、光の出射に寄与しない無駄な領域の幅を狭くすることができる。
本発明において、前記シール材は、一部が前記画素領域の外周側端部と平面的に重なっていることが好ましい。このように構成すると、画素領域の外周側端部と平面的に重なる領域についても、シール領域として利用することができるので、その分、画素領域の外周側に設ける外周側シール領域の幅寸法を狭めることができる。
本発明においては、前記素子基板および前記封止部材のうちの一方の部材において、他方の部材と対向する面は、前記画素領域と平面的に重なる領域が凹んでいる構成を採用することができる。
この場合、前記一方の部材は前記封止部材であり、当該封止部材の前記素子基板と対向する面は、前記画素領域と平面的に重なる領域が凹部になっていることが好ましい。かかる凹部は、素子基板および対向基板のいずれの側に設けてもよいが、封止部材では、素子基板と違って配線が形成されていない。それ故、封止部材に凹部を形成すれば、かかる凹部の段差に起因して配線が断線するなどの不具合が発生しない。
本発明は、前記有機EL素子の光が前記封止部材を透過して出射される場合に適用すると効果的である。有機EL素子の光が封止部材を透過して出射される場合には、隣り合う画素間で混色が発生するのを防ぐ為に、ギャップ材によって素子基板と封止部材との間隔を制御するのが効果的である。
本発明を適用した有機EL装置は、携帯電話機やモバイルコンピューターなどの電子機器において表示部として用いることができる。また、本発明を適用した有機EL装置は、複写機などの画像形成装置(電子機器)において露光ヘッドとして用いることができる。さらに、本発明を適用した有機EL装置は照明装置(電子機器)として用いることができる。
本発明を適用した有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。 (a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る有機EL装置の平面的な構成を各構成要素と共に第2基板の側から見た平面図、およびそのJ−J′断面図である。 本発明の実施の形態1に係る有機EL装置の断面構成を拡大して示す断面図である。 (a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る有機EL装置の断面図、および当該有機EL装置の断面構成を拡大して示す断面図である。 本発明に係る有機EL装置を用いた電子機器の説明図である。 本発明の参考例に係る有機EL装置の問題点を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明では、図6を参照して説明した構成との対応が分りやすいように、可能な限り、対応する部分には同一の符号を付して説明する。
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明を適用した有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。図1に示す有機EL装置100において、素子基板10上には、複数の走査線3aと、走査線3aに対して交差する方向に延びる複数のデータ線6aと、走査線3aに対して並列して延在する複数の電源線3eとが形成されている。また、素子基板10において、矩形形状の画素領域10aには複数の画素100aがマトリクス状に配列されている。データ線6aにはデータ線駆動回路101が接続され、走査線3aには走査線駆動回路104が接続されている。複数の画素100aの各々には、走査線3aを介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用の薄膜トランジスター30bと、このスイッチング用の薄膜トランジスター30bを介してデータ線6aから供給される画素信号を保持する保持容量70と、保持容量70によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用の薄膜トランジスター30cとが形成されている。また、複数の画素100aの各々には、薄膜トランジスター30cを介して電源線3eに電気的に接続したときに電源線3eから駆動電流が流れ込む画素電極81(陽極層)と、この画素電極81と対極層との間に有機機能層が挟まれた有機EL素子80とが構成されている。
かかる構成によれば、走査線3aが駆動されてスイッチング用の薄膜トランジスター30bがオンになると、そのときのデータ線6aの電位が保持容量70に保持され、保持容量70が保持する電荷に応じて、駆動用の薄膜トランジスター30cのオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用の薄膜トランジスター30cのチャネルを介して、電源線3eから画素電極81に電流が流れ、さらに有機機能層を介して対極層に電流が流れる。その結果、有機EL素子80は、これを流れる電流量に応じて発光する。
このように構成した有機EL装置100において、複数の画素100aは各々、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応し、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3つの画素100aによって1つのピクセルを構成している。本形態において、有機EL素子80は、白色光、または赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の混合色光が出射され、画素100aが赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれに対応するかは、後述するカラーフィルターによって規定されている。
なお、図1に示す構成では、電源線3eは走査線3aと並列していたが、電源線3eがデータ線6aに並列している構成を採用してもよい。また、図1に示す構成では、電源線3eを利用して保持容量70を構成していたが、電源線3eとは別に容量線を形成し、かかる容量線によって保持容量70を構成してもよい。
(有機EL装置の具体的構成)
図2(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態1に係る有機EL装置の平面的な構成を各構成要素と共に第2基板側から見た平面図、およびそのJ−J′断面図である。なお、図2(b)にはカラーフィルターなどの図示を省略してある。図2(a)、(b)において、本形態の有機EL装置100では、素子基板10と、封止基板およびカラーフィルター基板の双方の機能を担う封止部材20とを備えており、素子基板10において、複数の有機EL素子80が形成されている面側に封止部材20が重ねて配置されている。
ここで、素子基板10と封止部材20とは、第1シール材91(ギャップ材含有シール材)および第2シール材92によって貼り合わされている。かかる第1シール材91および第2シール材92の詳細な構成は後述するが、第1シール材91は、図2(a)にドットを密に付した領域で示してあるように、画素領域10aを外側で囲む外周側シール領域10c(周辺領域)に沿って枠状に形成されている。これに対して、第2シール材92は、図2(a)にドットを疎に付した領域で示してあるように、第1シール材91で囲まれた領域の全体にわたって形成されている。なお、素子基板10と封止部材20とは、第1シール材91(ギャップ材含有シール材)のみによって貼り合わされることもある。
素子基板10において、封止部材20からの張り出し領域には端子102が形成されている。また、素子基板10において、外周側シール領域10cや、画素領域10aと外周側シール領域10cとに挟まれた領域などを利用して、図1を参照して説明したデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104(図示せず)が形成されている。
(有機EL素子の構成)
図3は、本発明を適用した有機EL装置の断面構成を拡大して示す断面図である。なお、図3には、有機EL素子として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)に対応する3つの有機EL素子のみを示してある。
図3に示すように、素子基板10は、石英基板、ガラス基板、セラミック基板、金属基板などからなる基板本体10dを備えている。基板本体10dの表面には、絶縁膜11、12、13、14、15が形成され、絶縁膜15の上層側には有機EL素子80が形成されている。本形態において、絶縁膜11、12、13、15は、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などから形成され、絶縁膜14は、厚さが1.5〜2.0μmの厚い感光性樹脂からなる平坦化膜として形成されている。絶縁膜11は下地絶縁層であり、図示を省略するが、絶縁膜11、12、13、14の層間などを利用して、図1を参照して説明した薄膜トランジスター30b、30c、保持容量70、各種配線や各駆動回路が形成されている。また、絶縁膜12、13、14、15に形成されたコンタクトホールを利用して、異なる層間に形成された導電膜同士の電気的な接続が行なわれている。
本形態の有機EL装置100は、トップエミッション型であり、矢印L1で示すように、基板本体10dからみて有機EL素子80が形成されている側から光を取り出すので、基板本体10dとしては、アルミナなどのセラミックス、ステンレススチールなどといった不透明な基板を用いることができる。また、絶縁膜14、15の層間には、アルミニウム、銀、それらの合金からなる光反射層41が形成されており、有機EL素子80から基板本体10dに向けて出射された光を光反射層41で反射することにより、光を出射可能である。
素子基板10では、絶縁膜15の上層にITO膜などからなる画素電極81(陽極)が島状に形成されており、画素電極81の上層には、発光領域を規定するための開口部を備えた感光性樹脂などからなる厚い隔壁51が形成されている。
画素電極81の上層には、有機機能層82および対極層83(陰極)が積層されており、画素電極81、有機機能層82および対極層83によって、有機EL素子80が形成されている。本形態において、有機機能層82および対極層83は、隔壁51が形成されている領域も含めて、画素領域10aの全面にわたって形成されている。
本形態において、有機機能層82は、トリアリールアミン(ATP)多量体からなる正孔注入層、TPD(トリフェニルジアミン)系正孔輸送層、アントラセン系ドーパントやルブレン系ドーパントを含むスチリルアミン系材料(ホスト)からなる発光層、アルミニウムキノリノール(Alq3)からなる電子注入層をこの順に積層した構造を有しており、その上層にMgAgなどの薄膜金属からなる対極層83が形成されている。また、有機機能層82と対極層83との間には、LiFからなる電子注入バッファ層が形成されることもある。これらの材料のうち、有機機能層82を構成する各層、および電子注入バッファ層は、加熱ボート(るつぼ)を用いた真空蒸着法で順次形成することができる。また、対極層83などを構成する金属系材料については真空蒸着法により形成でき、画素電極81を構成するITOなどの酸化物材料についてはECRプラズマスパッタ法やプラズマガン方式イオンプレーティング法、マグネトロンスパッタ法などの高密度プラズマ成膜法により形成することができる。
本形態において、有機EL素子80は、白色光や、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の単色光、または赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の混合色光を出射する。そして、有機EL装置100では、封止部材20において、有機EL素子80と対向する位置に形成した赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフィルター22(R)、(G)、(B)によって色変換を行なうことにより、フルカラー表示を行なう。すなわち、封止部材20では、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィンなどプラスチック基板や、ガラス基板などからなる透光性の部材本体20dを備えており、かかる部材本体20dに、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフィルター22(R)、(G)、(B)が形成されている。また、封止部材20では、カラーフィルター22(R)、(G)、(B)の間で光の漏洩を防止するための遮光層23(ブラックマトリックス層)、透光性の平坦化膜24、酸窒化シリコン層などからなる透光性のガスバリア層25がこの順に形成されている。本形態において、カラーフィルター22(R)、(G)、(B)、遮光層23、平坦化膜24、およびガスバリア層25は、封止部材20において画素領域10aと重なる領域のみに形成され、外周側シール領域10cには形成されていない。
カラーフィルター22(R)、(G)、(B)は、透明樹脂バインダーに顔料または染料が混合されている層であり、赤(R)、緑(G)、青(B)を用いるのが基本であるが、目的に応じてライトブルーやライトシアン、白などを加えてもよい。カラーフィルター22(R)、(G)、(B)の厚さは、光線透過率を考慮して極力薄い方がよく、0.1〜1.5μmの範囲で形成される。カラーフィルター22(R)、(G)、(B)の厚さは、対応する色によって相違させることもある。遮光層23は、黒色顔料を含んだ樹脂からなり、その厚さは、カラーフィルター22(R)、(G)、(B)よりも厚く、1〜2μm前後の膜厚が好ましいが、これ以上の膜厚であってもよい。なお、封止部材20には、紫外線の入射を防止する紫外線遮断・吸収層や、光反射防止層、放熱層などの機能層が形成されることもある。
(封止構造)
このように構成した有機EL装置100において、有機機能層82、陰極として用いた対極層83、電子注入層などは、水分により劣化しやすく、かかる劣化は、電子注入効果の劣化を惹き起こし、ダークスポットと呼ばれる非発光部分を発生させてしまう。そこで、本形態では、封止部材20と素子基板10とシール材(第1シール材91および第2シール材92)によって貼り合せた構成と、素子基板10に対して以下に説明する封止膜60を形成した構成とを併用する。
まず、素子基板10には、対極層83の上層に画素領域10aよりも広い領域にわたって封止膜60が形成されている。かかる封止膜60として、本形態では、対極層83上に積層されたシリコン化合物層からなる第1膜61、この第1膜61上に積層された樹脂層からなる第2膜62、およびこの第2膜62上に積層されたシリコン化合物からなる第3膜63を備えた積層膜が用いられている。第1膜61および第3膜63は、高密度プラズマ源を用いた高密度プラズマ気相成長法、例えば、ブラズマガン方式イオンプレーティング、ECRプラズマスパッタ、ECRプラズマCVD、表面波プラズマCVD、ICP−CVDなどを用いて成膜された窒化シリコン(SiNx)や酸窒化シリコン(SiOxy)などから構成されている。かかる無機薄膜は、低温で成膜しても水分を確実に遮断する高密度ガスバリア層として機能する。第2層62は、樹脂層から構成されており、基板本体10dの反りや体積膨張により発生する応力によって第3膜63にクラックが発生するのを防止する有機緩衝層として機能している。
本形態では、封止膜60を構成する第1膜61および第3膜63は、画素領域10a、画素領域10aの外側領域に形成されている。これに対して、第2層62(有機緩衝層)は、画素領域10a、および画素領域10aの近傍領域のみに分厚く形成され、画素領域10aから離れた外周側シール領域10cには形成されていない。また、絶縁膜14、15は概ね、画素領域10aのみ形成されている。
(シール材の構成)
次に、本形態では、図2(a)、(b)、および図3に示すように、素子基板10と封止部材20との間では、外周側シール領域10cに沿って第1シール材91が矩形枠状に形成されている。また、素子基板10と封止部材20との間では、外周側シール領域10cで囲まれた領域の全体にわたって透光性の第2シール材92が形成されており、素子基板10と封止部材20とは、第1シール材91および第2シール材92によって貼り合わされている。このため、素子基板10に形成されている有機EL素子80などを、外部から侵入した水分や酸素によって劣化することを防止することができる。
本形態において、第1シール材91には、紫外線によって硬化するエポキシ系接着剤が用いられている。かかるエポキシ系接着剤としては、好ましくはエポキシ基を有する分子量3000以下のエポキシモノマー/オリゴマー(モノマーの定義:分子量1000以下、オリゴマーの定義:分子量1000〜3000)が用いられる。より具体的には、第1シール材91には、例えば、ビスフェノールA型エポキシオリゴマーやビスフェノールF型エポキシオリゴマー、フェノールノボラック型エポキシオリゴマー、3,4-エポキシシクロヘキセニルメチル-3′,4′-エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ε-カプロラクトン変性3、4-エポキシシクロヘキシルメチル3′,4′-エポキシシクロヘキサンカルボキレートなどが単独もしくは複数組み合わされて用いられる。また、エポキシモノマー/オリゴマーと反応する硬化剤としては、ジアゾニウム塩、ジフェニルヨウドニウム塩、トリフェニルスルフォニウム塩、スルホン酸エステル、鉄アレーン錯体、シラノール/アルミニウム錯体などのカチオン重合反応を起こす光反応型開始剤が添加され、主に紫外線の照射によってカチオン重合反応を起こす。
本形態において、第1シール材91は、樹脂製のギャップ材95が樹脂96中に分散された構成になっている。かかるギャップ材95は、ビーズ状であり、外周側シール領域10cにおいて素子基板10および封止部材20に当接して素子基板10と封止部材20との間隔を制御する。トップエミッション構造では、素子基板10とカラーフィルター22(R)、(G)、(B)が形成された封止基板20との間のギャップ管理が特に重要である。これは、有機EL素子80とカラーフィルター22(R)、(G)、(B)との距離が、所定の距離よりも離れてしまうと、有機EL素子80から出射された光が対応する画素の隣の画素から漏れてしまい、隣り合う画素間で混色が発生してしまうおそれがあるためである。このため、本形態では、ギャップ材95によって素子基板10と封止部材20との間隔を制御している。
第2シール材92には、熱によって硬化するエポキシ系接着剤が用いられている。かかるエポキシ系接着剤の原料主成分としては、流動性に優れかつ溶媒のような揮発成分を持たない有機化合物材料である必要があり、好ましくはエポキシ基を有する分子量3000以下のエポキシモノオリゴマー、より好ましくは分子量1000以下のエポキシモノマーなどである。例えば、第2シール材92の形成には、硬ビスフェノールA型エポキシモノマーやビスフェノールF型エポキシモノマー、ノボラック形フェノールエポキシモノマー、3,4-エポキシシクロヘキセニルメチル-3′,4′-エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ε-カプロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル3′,4′-エポキシシクロヘキサンカルボキレートなどが単独もしくは複数組み合わされて用いられる。また、エポキシモノマーと反応する硬化剤としては、強靭で耐熱性に優れる硬化皮膜を形成する付加重合型が良く、芳香族アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエーテルジアミンなどのアミン類や、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミドなどが挙げられる。これらと、芳香族アミノアルコールやアルコール類、メルカプタンなどの反応開始剤または3級アミン触媒、シランカップリング剤と共に混合されて用いられる。
かかるシール構造を採用するにあたって、本形態では、外周側シール領域10cにおける素子基板10と封止部材20との間隔Gcは、ギャップ材95の粒径と等しいのに対して、画素領域10aと平面的に重なる領域における素子基板10と封止部材20との間隔Gaは、ギャップ材95の粒径より大である。
かかる条件を実現するにあたって、本形態では、封止部材20に用いた部材本体20dにおいて、画素領域10aと平面的に重なる領域は、外周側シール領域10cに比して素子基板10が位置する側とは反対側に凹んだ凹部20fになっている。このため、封止部材20において、画素領域10aと平面的に重なる領域(ガスバリア層25が形成されている部分)は、外周側シール領域10cに比して素子基板10が位置する側とは反対側に凹んだ凹部29になっている。言い換えれば、封止部材20に用いた部材本体20dにおいて、外周側シール領域10cに相当する領域は、画素領域10aに比して素子基板10が位置する側に突出した構造になっている。このため、ギャップ材95としては、粒径が1〜5μmの小径のものが用いられている。
なお、素子基板10では、画素領域10aに有機EL素子80や封止膜60が形成されている。このため、素子基板10は、画素領域10aと重なる領域が外周側シール領域10cに比して封止部材20の側に突出した構造となっているが、封止部材20の凹部29や部材本体20dの凹部20fは十分な深さ寸法を有している。このため、素子基板10に対して封止部材20を重ねた際、画素領域10aと平面的に重なる領域における素子基板10と封止部材20との間隔Gaは、ギャップ材95の粒径より大となる。
(製造方法)
図2および図3を参照して、本形態の有機EL装置100の製造方法を説明する。なお、本形態の有機EL装置100を製造するにあたっては、素子基板10および封止部材20を単品サイズの大きさにして貼り合せる方法の他、素子基板10および封止部材20を多数取りできる大型基板の状態で貼り合わせ、その後、大型基板を単品サイズの大きさに切断する方法を採用することもある。これらのいずれの方法を採用しても、基本的な構成は同一である。従って、単品サイズおよび大型基板にかかわらず、素子基板10および封止部材20という名称を用いる。
本形態の有機EL装置100を製造するにあたっては、まず、封止部材20に用いる部材本体20dとして、画素領域10aと平面的に重なる領域が凹部20fになっている基板を準備する。より具体的には、部材本体20dをポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィンなどプラスチック基板により構成する場合、これらの成形する際に凹部20fを同時形成する。また、部材本体20dをガラス基板により構成する場合、平板状のガラス基板の一方面において、凹部20fを形成すべき領域が開口するレジストマスクを形成した後、かかるレジストマスクの開口部を介してガラス基板をエッチングして、凹部20fを形成する。かかる凹部20fでは、内側壁20gはテーパ面になっている。
次に、部材本体20dの凹部20fの底部に対して、上記のカラーフィルター22(R)、(G)、(B)、遮光層23、平坦化膜24、およびガスバリア層25をこの順に形成する。ここで、カラーフィルター22(R)、(G)、(B)、遮光層23、平坦化膜24、およびガスバリア層25を積層した際の総厚は、凹部20fの深さに比してかなり薄い。このため、封止部材20において、画素領域10aと平面的に重なる領域(ガスバリア層25が形成されている部分)は、外周側シール領域10cに比して素子基板10が位置する側とは反対側に凹んだ凹部29になっている。
素子基板10を製造する際には、平板状の基板本体10dを準備し、基板本体10dの一方面に有機EL素子80や封止膜60を形成する。このため、素子基板10は、画素領域10aと重なる領域が外周側シール領域10cに比して封止部材20の側に突出した構造となる。
次に、第1シール材塗布工程において、ディスペンサー描画、スクリーン印刷法、マイクロピエゾヘッドを用いたインクジェット法などにより、素子基板10の外周側シール領域10cに対して、前記した光硬化性の第1樹脂材料からなる樹脂96中にギャップ材95が分散された第1シール材91を1mm以下の狭い幅寸法に塗布する。ここで、第1シール材91を1mm以下の狭い幅寸法に塗布するという観点から、第1シール材91の塗布時の粘度は、室温で10万mPa・s以上が好ましい。また、第1シール料91は、水分を含んでいると、気泡が発生し、強度が低下するため、含水率は0.1wt%(1000ppm)以下に脱水されていることが好ましい。
次に、第2シール材塗布工程において、ディスペンサー描画、スクリーン印刷法、マイクロピエゾヘッドを用いたインクジェット法などにより、素子基板10において、第1シール材91で囲まれた領域内に、前記した熱硬化性の第2シール材92を塗布する。かかる第2シール材92は、ベタ状、ドット状、ストライプ状などのパターンに塗布される。第2シール材92の塗布時の粘度は、薄膜でかつ充填性を上げるという観点から、2000mPa・s以下であることが好ましい。かかる第2シール材92についても、多量の水分を含んでいると硬化阻害を起こしやすいため、第2シール材92についても、第1シール材91と同様、水分を含んでいると、気泡が発生し、強度が低下するため、含水率は0.1wt%(1000ppm)以下に脱水されていることが好ましい。また、第2シール材92に対して、酸無水の開環を促進する硬化促進剤やカチオン重合反応を起こす光反応型開始剤などを添加しておけば、低温かつ短時間での硬化が可能となる。
次に、重ね合わせ工程では、真空度1Pa程度の減圧雰囲気中で、第1シール材91および第2シール材92を間に挟むように素子基板10と封止部材20とをアライメントしながら重ね合わせる。その際、約600N程度の力で封止部材20を素子基板10に向けて加圧し、この状態を約200秒保持する。かかる重ね合わせ工程では、まず、第1シール材91が封止部材20に接触して内側が密閉され、その後、素子基板10と封止部材20との間で第2シール材92が展開する。
次に、常圧に戻すと、大気圧によって加圧されたのと同様な状態になるので、素子基板10と封止部材20との間で第2シール材92が隅々まで展開し、第2シール材92の充填性が向上する。その際、第1シール材91は、第2シール材92よりも粘度が高いので、第1シール材91を塗布した際、第1シール材91が外側に流出するバンクとして機能する。このため、減圧状態から常圧に戻した際に大気圧によって加圧されたのと同様な状態になっても、第2シール材92は、第1シール材91によって堰き止められ、外側に流出しない。また、第2シール材92は第1シール材91を外側に向けて押圧するが、第1シール材91の粘度が高いため、第2シール材92が第1シール材91を突き破ることがなく、第2シール材92の流出を防止することができる。また、第2シール材92は粘度が低いため、第2シール材92については、第1シール材91で囲まれた領域の全体にわたって充填することができる。さらに、第1シール材91が含有するギャップ材95によって素子基板10と封止部材20との間隔が制御される。
次に、シール材固化工程では、第1シール材91を固化させた後、第2シール材92を固化させる。ここで、第1シール材91は光硬化性であり、第2シール材92は熱硬化性である。従って、本形態では、素子基板10または/および封止部材20の側から第1シール材91に対して30mW/cm2程度のパワーで2000mJ/cm2程度の光量の紫外線を照射して第1シール材91のみを選択的に硬化させる。次に、第1シール材91によって貼り合わされた素子基板10と封止部材20とをホットプレート上に配置した状態で、有機EL素子80が劣化しない温度条件、例えば100℃以下の温度条件、より具体的には60〜100℃の温度条件で加熱を行い、素子基板10と封止部材20との間で第2シール材92を隅々まで行き渡らせながら第2シール材92を硬化させる。このように、第1シール材91は光硬化性であり、第2シール材92は熱硬化性であるため、第1シール材91および第2シール材92を所定の順序に硬化させることができ、第1シール材91のみを硬化させた後、第2シール材92を硬化させることができる。従って、第2シール材92を硬化させる際に粘弾性変化が起こっても、第1シール材91によって素子基板10と封止部材20とが貼り合わされているので、素子基板10と封止部材20とに位置ずれが発生しない。また、画素領域10aでは素子基板10および封止部材20に各種の遮光性の膜が形成されているが、このような場合でも、第2シール材92は、熱硬化性であるので、画素領域10a内に形成された第2シール材92を確実に硬化させることができる。
以上の工程を行なうことにより、有機EL装置100を得る。なお、上記の工程を大型基板の状態で行なった場合には、大型基板を切断して単品サイズの有機EL装置100を得る。
このように構成した有機EL装置100において、第2シール材92は硬化されているので、高温放置時に対流が起こらないので、封止膜60の第3層63を損傷することがなく、第2シール材92は、封止膜60の第3層63に対する保護膜として機能する。また、第1シール材91の塗布、および第2シール材92の塗布を連続して行い、しかる後に、第1シール材91および第2シール材92を固化させるので、生産性を向上することができる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の有機EL装置100において、外周側シール領域10cで素子基板10と封止部材20とを接合する第1シール材91は、素子基板10と封止部材20との基板間隔を制御するギャップ材95を含有しているので、素子基板10と封止部材20との間隙を高い精度で制御することができる。このため、素子基板10と封止部材20とが当接することがないので、素子基板10の画素領域10aに形成されている膜を損傷することがない。また、封止部材20に形成したカラーフィルター22(R)、(G)、(B)を利用してカラー表示を行なう場合でも、素子基板10と封止部材20とが当接することを確実に防止することができので、素子基板10と封止部材20との間隙を狭めることができる。従って、高精細化、および混色の発生防止を実現することができる。
また、素子基板10において、画素領域10aには、対極層83の上層に封止膜60が形成されているため、素子基板10に形成されている有機EL素子80などを、外部から侵入した水分から確実に保護することができる。
さらに、外周側シール領域10cにおいて素子基板10と封止部材20とを、ギャップ材95を含有する第1シール材91によって接合するにあたって、画素領域10aと平面的に重なる領域における素子基板10と封止部材20との間隔Gaを、ギャップ材95の粒径より大にしてある。このため、第1シール材91が画素領域10aと重なる位置まで入り込んだ場合でも、ギャップ材95は、素子基板10や封止部材20に対して強い力で当接しない。従って、ギャップ材95によって、封止膜60、有機EL素子80、カラーフィルター22(R)、22(G)、22(B)が損傷することがないので、外周側シール領域10cを画素領域10aに近接させることができる。
また、本形態では、ギャップ材95によって、封止膜60、有機EL素子80、カラーフィルター22(R)、22(G)、22(B)が損傷することがないので、第1シール材91の一部を積極的に画素領域10aの外周側端部と平面的に重なる領域まで入り込ませている。このため、画素領域10aの外周側端部と平面的に重なる領域についても、シール領域として利用することができるので、その分、外周側シール領域10cの幅寸法を、例えば1mm以下にまで狭めることができる。
それ故、図6を参照して説明した有機EL装置の外形を図3に二点鎖線R1で示すように、本形態によれば、図3に幅寸法W1に相当する分だけ、狭めることができる。それ故、画素領域10aの外側において、光の出射に寄与しない無駄な領域の幅を狭くすることができる。
また、本形態によれば、外周側シール領域10cにおける素子基板10と封止部材20との間隔Gcを狭めた分、外部からの水分や酸素の侵入を確実に防止することができる。それ故、有機EL装置100の信頼性を向上することができる。
さらに、画素領域10aと平面的に重なる領域における素子基板10と封止部材20との間隔Gaを、ギャップ材95の粒径より大とするにあたって、素子基板10および封止部材20のうち、封止部材20の側に凹部29を設けてある。このような封止部材20では、素子基板10と違って配線が形成されていないため、凹部29に起因して段差が発生した場合でも、配線が段線するなどの不具合が発生しない。
[実施の形態2]
図4(a)、(b)は各々、本発明の実施の形態2に係る有機EL装置の断面図、および当該有機EL装置の断面構成を拡大して示す断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する機能を有する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
図4(a)、(b)に示すように、本形態の有機EL装置100においても、実施の形態1と同様、素子基板10の画素領域10aには、有機EL素子80が形成されているともに、対極層83の上層に画素領域10aよりも広い領域にわたって封止膜60が形成されている。
また、本形態の有機EL装置100においても、実施の形態1と同様、素子基板10と封止部材20との間では、外周側シール領域10cに沿って第1シール材91が矩形枠状に形成され、外周側シール領域10cで囲まれた領域の全体にわたって透光性の第2シール材92が形成されている。また、第1シール材91は、樹脂製のギャップ材95が樹脂96中に分散された構成になっている。かかるギャップ材95は、ビーズ状であり、外周側シール領域10cにおいて素子基板10および封止部材20に当接して素子基板10と封止部材20との間隔を制御する。
かかるシール構造を採用するにあたって、本形態でも、外周側シール領域10cにおける素子基板10と封止部材20との間隔Gcは、ギャップ材95の粒径と等しいのに対して、画素領域10aと平面的に重なる領域における素子基板10と封止部材20との間隔Gaは、ギャップ材95の粒径より大である。
かかる構造を採用するにあたって、本形態では、素子基板10に用いた基板本体10dにおいて、画素領域10aと平面的に重なる領域は、外周側シール領域10cに比して封止部材20が位置する側とは反対側に凹んだ凹部10fになっている。このため、素子基板10において、画素領域10aと平面的に重なる領域(封止膜60が形成されている部分)は、外周側シール領域10cに比して封止部材20が位置する側とは反対側に凹んだ凹部19になっている。
なお、素子基板10では、画素領域10aに有機EL素子80や封止膜60が形成されている。このため、素子基板10では、画素領域10aは、基板本体10dの凹部10fの底部から封止部材20の側に突出した構造となっているが、素子基板10の凹部19や基板本体10dの凹部10fは十分な深さ寸法を有している。このため、素子基板10に対して封止部材20を重ねた際、画素領域10aと平面的に重なる領域における素子基板10と封止部材20との間隔Gaは、ギャップ材95の粒径より大となる。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分の説明を省略する。
以上説明したように、本形態の有機EL装置100においても、外周側シール領域10cにおいて素子基板10と封止部材20とを接合する第1シール材91は、素子基板10と封止部材20との基板間隔を制御するギャップ材95を含有しているので、素子基板10と封止部材20との間隙を高い精度で制御することができる。
また、外周側シール領域10cにおいて素子基板10と封止部材20とを、ギャップ材95を含有する第1シール材91によって接合するにあたって、画素領域10aと平面的に重なる領域における素子基板10と封止部材20との間隔Gaを、ギャップ材95の粒径より大にしてある。このため、第1シール材91が画素領域10aと重なる位置まで入り込んだ場合でも、ギャップ材95は、素子基板10や封止部材20に対して強い力で当接しない。従って、ギャップ材95によって、封止膜60、有機EL素子80、カラーフィルター22(R)、22(G)、22(B)が損傷することがないので、外周側シール領域10cを画素領域10aに近接させることができる。また、本形態では、第1シール材91の一部を積極的に画素領域10aの外周側端部と平面的に重なる領域まで入り込ませているため、画素領域10aの外周側端部と平面的に重なる領域についても、シール領域として利用することができる。それ故、図6を参照して説明した有機EL装置の外形を図4(b)に二点鎖線R1で示すように、本形態によれば、図3に幅寸法W1に相当する分だけ、狭めることができる。それ故、画素領域10aの外側において、光の出射に寄与しない無駄な領域の幅を狭くすることができる。
また、本形態によれば、外周側シール領域10cにおける素子基板10と封止部材20との間隔Gcを狭めた分、外部からの水分や酸素の侵入を確実に防止することができる。それ故、有機EL装置100の信頼性を向上することができる。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、トップエミッション型の有機EL装置100において封止部材20にカラーフィルター22(R)、(G)、(B)を設けた場合を例に説明したが、有機EL素子自身が各色の光を出射する有機EL装置に本発明を適用してもよく、この場合、封止部材20は封止基板のみとして機能する。
また、上記実施の形態では、カラー表示用の有機EL装置100を例に説明したが、複写機の光学ヘッドなどとして利用する場合には、モノクロでよく、このようなモノクロ用の有機EL装置に本発明を適用してもよい。この場合も、封止部材20は封止基板のみとして機能する。
さらに、上記実施の形態では、トップエミッション型の有機EL装置100を例に説明したが、ボトムエミッション型の有機EL装置に本発明を適用してもよく、この場合、封止部材20は封止基板のみとして機能する。
また、上記形態では、有機機能層82を画素領域10aの全面に形成した例を説明したが、隔壁51で囲まれた領域内にインクジェット法などで有機機能層を選択的に塗布した後、定着させて、画素電極81の上層には、3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)などからなる正孔注入層、および発光層からなる有機機能層が形成された有機EL装置に発明を適用してもよい。この場合、発光層は、例えば、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープした材料から構成される。また、発光層としては、二重結合のπ電子がポリマー鎖上で非極在化しているπ共役系高分子材料が、導電性高分子でもあることから発光性能に優れるため、好適に用いられる。特に、その分子内にフルオレン骨格を有する化合物、すなわちポリフルオレン系化合物がより好適に用いられる。また、このような材料以外にも、共役系高分子有機化合物の前駆体と、発光特性を変化させるための少なくとも1種の蛍光色素とを含んでなる組成物も使用可能である。
[電子機器への搭載例]
図6を参照して、上述した実施形態に係る有機EL装置100を搭載した電子機器について説明する。図5は、本発明に係る有機EL装置を用いた電子機器の説明図である。
図5(a)に、有機EL装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す。パーソナルコンピューター2000は、表示ユニットとしての有機EL装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。図5(b)に、有機EL装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての有機EL装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、有機EL装置100に表示される画面がスクロールされる。図5(c)に、有機EL装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての有機EL装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が有機EL装置100に表示される。なお、有機EL装置100が適用される電子機器としては、図5(a)〜(c)に示すものの他、デジタルスチールカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型、モニター直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した有機EL装置100が適用可能である。
また、本発明を適用した有機EL装置100は、複写機などの画像形成装置(電子機器)において露光ヘッドとして用いることができる。さらに、本発明を適用した有機EL装置100は照明装置(電子機器)として用いることができる。
10・・素子基板、10a・・画素領域、10c・・外周側シール領域、10d・・素子基板の基板本体、10f・・素子基板の基板本体に形成した凹部、19・・素子基板の凹部、20・・封止部材、20d・・封止部材の部材本体、20f・・封止部材の部材本体に形成した凹部、22(R)、(G)、(B)・・カラーフィルター、29・・封止部材の凹部、80・・有機EL素子、81・・画素電極(陽極)、82・・有機機能層、83・・対極層(陰極)、91・・第1シール材、92・・第2シール材、95・・ギャップ材、96・・樹脂、100・・有機EL装置、100a・・画素

Claims (5)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス素子が画素領域に設けられた素子基板と、
    該素子基板において前記有機エレクトロルミネッセンス素子が設けられている面側に対向配置された封止部材と、
    少なくとも前記画素領域を外周側で囲む外周側シール領域で前記素子基板と前記封止部材とを接合するシール材と、
    該シール材に配合され、前記外周側シール領域において前記素子基板および前記封止部材に当接して当該外周側シール領域における前記素子基板と前記封止部材との間隔を規定するギャップ材と、
    を有し、
    前記画素領域と平面的に重なる領域における前記素子基板と前記封止部材との間隔が前記ギャップ材の粒径より大であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 前記シール材は、一部が前記画素領域の外周側端部と平面的に重なっていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 前記素子基板および前記封止部材のうちの一方の部材において、他方の部材と対向する面は、前記画素領域と平面的に重なる領域が凹んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 前記一方の部材は、前記封止部材であり、
    当該封止部材の前記素子基板と対向する面は、前記画素領域と平面的に重なる領域が、凹部になっていることを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 前記有機EL素子の光は、前記封止部材を透過して出射されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
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