JP2010180950A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】伸側および圧側の減衰力を可変にでき小型、軽量であってコストを低減可能であるとともに高減衰力を発生可能な緩衝器を提供することである。
【解決手段】緩衝器におけるバルブVが、直列に配置される第一弁座15と第二弁座25と、第一弁座15と第二弁座25との間に配置され第一弁座15に離着座する第一弁体16と、第二弁座25に離着座する第二弁体26と、第二弁体26を第二弁座25に向けて附勢するとともに第二弁体26を介して第一弁体16を第一弁座15に向けて附勢する附勢手段Sとを備え、附勢手段が、一方室R1と他方室R2のうち高圧側の圧力を選択して第二弁座26を附勢するパイロット圧とする選択手段31と、パイロット圧を制御する電磁リリーフ弁35とを備えてなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、緩衝器の改良に関する。
この種緩衝器は、たとえば、自動二輪車の車体と車軸との間や自動二輪車のステアリングと車体との間といった部位に介装されて、制振対象における振動を減衰するものである。そして、このような緩衝器にあっては、伸長時と圧縮時に発生される減衰力を独立して可変にできることが要望されることがある。
このような要求を満足させる場合、たとえば、緩衝器の伸長時に減衰力を発揮する伸側減衰弁と圧縮時に減衰力を発揮する圧側減衰弁の二つを設けておき、これらをソレノイドで駆動して発生減衰力を可変にすることが考えられる。
しかしながら、伸側と圧側の減衰弁をそれぞれ別個独立のソレノイドで駆動する場合、一つの緩衝器に二つのソレノイドが必要となって、緩衝器が大型化し、重量もコストも増大する。
これを回避するため、伸側の減衰弁と圧側の減衰弁の両者の弁体を直列配置して一つのソレノイドでこれらを制御する提案があり、この提案では一つのソレノイドで伸側と圧側の減衰力調整を行うことができ、緩衝器の大型化、重量およびコスト増加を低減することができる(たとえば、特許文献1,2参照)。
特開2006−183864号公報 特開2008−256205号公報
上述の提案では、一つのソレノイドで伸側および圧側の減衰弁を制御することが可能となるのであるが、二つの減衰弁を制御するためソレノイドのストロークを大きく採る必要があり、二つのソレノイドを設けなくてはならない緩衝器に比較すれば軽量、小型でコスト安となるものの、ソレノイド単体としては大型化するので、より一層の小型化、軽量化およびコスト低減が望まれている。
また、より大きな減衰力の発生が要望される場合には、必然的にソレノイドの推力を大きくしなければならず、ソレノイドを構成するコイルの巻線数を増加させる等しなくてはならないので、ソレノイドが大型化して重量増加とコスト増を招くことになる。
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、伸側および圧側の減衰力を可変にでき小型、軽量であってコストを低減可能であるとともに高減衰力を発生可能な緩衝器を提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内を一方室と他方室に区画するピストンと、バルブとを備えた緩衝器において、バルブが、直列に配置される第一弁座と第二弁座と、第一弁座と第二弁座との間に配置され第一弁座に離着座する第一弁体と、第二弁座に離着座する第二弁体と、第二弁体を第二弁座に向けて附勢するとともに第二弁体を介して第一弁体を第一弁座に向けて附勢する附勢手段と、第一弁座と第二弁座との間と一方室とを連通する一方流路と、第二弁座から見て第一弁座の背面側と他方室とを連通する他方流路と、第一弁座から見て第二弁座の背面側から他方室へ向かう流体の流れのみを許容する一方通行流路とを備え、附勢手段は、一方室と他方室のうち高圧側の圧力を選択して第二弁座を附勢するパイロット圧とする選択手段と、パイロット圧を制御する電磁リリーフ弁とを備えたことを特徴とする。
本発明のバルブおよび緩衝器によれば、バルブにおける第一弁体と第二弁体を単一の附勢手段によって附勢するようになっており、また、選択手段で選択した一方室と他方室のうち高圧側の圧力が導入されるパイロット圧で第二弁座を附勢するとともに、当該パイロット圧を電磁リリーフ弁で制御する構成としたので、伸側および圧側の減衰力を独立して可変にできるだけでなく、附勢力を直接ソレノイドで出力する必要が無く、電磁リリーフ弁にしてもパイロット圧を制御する目的で使用されるのであるから、流体の通過流量は少なくてすみ、ソレノイドを小型、軽量なものとすることができ、緩衝器が小型、軽量となって製造コストも低減される。
また、緩衝器に高減衰力を発生させるに当たっても、第一弁体と第二弁体の附勢に直接ソレノイドを使用しておらず、ソレノイドで直接に一方室と他方室の圧力を制御しないので、ソレノイドの推力の高めることなく一方室と他方室の差圧を大きくすることができるので、ソレノイドの大型化を伴うことがないので、この点でも緩衝器が小型、軽量となって、コストを悪化させることも無い。
すなわち、この緩衝器によれば、伸側および圧側の減衰力を可変にできるとともに、小型、軽量となってコストを低減可能である。
一実施の形態における緩衝器を示す縦断面図である。
以下に、図示した一実施の形態に基づいて、この発明を説明する。一実施の形態における緩衝器の基本構造は、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内を一方室R1と他方室R2に区画する区画部材たるピストン2と、バルブVと、アキュムレータ36とを備えて構成されている。
以下、詳細に説明すると、上述のように、シリンダ1内にはピストン2が摺動自在に挿入されており、このピストン2によって一方室R1と他方室R2とが区画され、一方室R1と他方室R2には流体が充填されている。なお、流体は、作動油のほか、水、水溶液や気体とされてもよい。
そして、ピストン2にはピストンロッド3が連結され、さらに、ピストンロッド3は、シリンダ1の両端の軸心部を貫通しており、この緩衝器は、いわゆる両ロッド型の緩衝器として構成されているが、片ロッド型の緩衝器とされてもよい。
他方、バルブVは、ハウジングHに設けた弁孔9内に収容されており、直列に配置される第一弁座15と第二弁座25と、第一弁座15と第二弁座25との間に配置され第一弁座15に離着座する第一弁体16と、第二弁座25に離着座する第二弁体26と、第二弁座25に離着座する第二弁体26を第二弁座25に向けて附勢するとともに第二弁体26を介して第一弁体16を第一弁座15に向けて附勢する附勢手段Sと、第一弁座15と第二弁座25との間と一方室R1とを連通する一方流路21と、第二弁座25から見て第一弁座15の背面側と他方室R2とを連通する他方流路22と、第一弁座15から見て第二弁座25の背面側から他方室R2へ向かう流体の流れのみを許容する一方通行流路23とを備えて構成されている。
以下、当該バルブVについて詳細に説明すると、弁孔9は、先端へ向かうほど段階的に小径となっており、図示したところでは、五段階に小径となっている。そして、最小の内径を持つ先端は、他方流路22を通じて他方室R2へ連通され、先端から四段目は、一方流路21を通じて一方室R1へ連通されている。
そして、第二弁座25は、環状とされて、ハウジングHに設けた弁孔9内に収容固定される筒状のバルブシート部材10の中間部に設けられている。なお、ハウジングHは、シリンダ1と一体とされてもよいし、別体とされてもよい。
このバルブシート部材10は、筒状であって、外径が弁孔9の内周形状に合わせて先端側から四段に大径となる外径を持つとともに、先端と基端にそれぞれ内径が大径となる先端大径部10aおよび基端大径部10bと、先端大径部10aと基端大径部10bとの間の小さい内径をもつ小径部10cと、小径部の中間にさらに小径となる環状の第二弁座25と、基端大径部10bの側部から開口して外周へ通じる基端側横孔10dと、先端から開口して基端側横孔10dの途中に通じる縦孔10eと、小径部10bの途中であって第二弁座25より先端側から開口して外周に通じる小径部横孔10fとを備えて構成されている。
このバルブシート部材10の先端大径部10aの開口端には、鍔11aを備えた筒状のプラグ11が嵌合されており、このプラグ11の鍔11aとバルブシート部材10の先端に積層されて縦孔10eの開口端を開閉する環状弁体12との間には皿バネ13が介装されている。この環状弁12と皿バネ13は、チェック弁を形成している。また、鍔11aには、これを貫通する透孔11bを備えている。
さらに、バルブシート部材10の先端大径部10a内には、摺動自在に筒状の摺動筒14が収容されており、この摺動筒14は、小径部10c側の端部に内方をフランジ状の第一弁座15を備え、第一弁座15とプラグ11との間に介装されたバネ17によって小径部10c側へ附勢されている。なお、この第一弁座15を備えた摺動筒14は、小径部10cと先端大径部10aとの境の段部に当接するとそれ以上は小径部10c側へ移動しないように移動限界が設定されている。
また、バルブシート部材10の小径部10c内であって第二弁座25より先端側には、摺動自在に第一弁体16が挿入されており、この第一弁体16は、外周に小径部10c内を閉塞しないように切欠16bが設けられて小径部10cに摺接する胴部16aと、胴部16aの第一弁座15側に設けられ第一弁座15内に挿入可能な頭部16cと、頭部16cの外周に設けられて第一弁座15に離着座する環状のシート部16dと、胴部16aの反第一弁座側に設けた尾軸16eとを備えて構成されている。
この第一弁体16における頭部16cは先端に向かうほど小径とされており、第一弁体16が第一弁座15から離座すると、第一弁座15から離間する距離に応じて流路面積を大きくするようになっている。
そして、さらに、バルブシート部材10の小径部10c内であって第二弁座25より基端側には、摺動自在に第二弁体26が挿入されており、この第二弁体26は、外周に小径部10c内を閉塞しないように切欠26bが設けられて小径部10cに摺接する胴部26aと、胴部26aの第二弁座25側に設けられ第二弁座25内に挿入可能な頭部26cと、頭部26cの外周に設けられて第二弁座25に離着座する環状のシート部26dとを備えて構成され、第二弁座25に上記シート部26dを着座させた状態では、頭部26cの先端を第一弁体16の尾軸16eに接触させて第一弁体16を第一弁座15に着座させることができるようになっている。
また、第二弁体26における頭部26cは先端に向かうほど小径とされており、第二弁体26が第一弁座25から離座すると、第一弁座25から離間する距離に応じて流路面積を大きくするようになっている。
さらに、第二弁体26の後端は、バルブシート部材10の基端大径部10b内に摺動自在に挿入されるプランジャ18に接続されており、プランジャ18は、基端大径部10b内に附勢手段Sの一部を構成するパイロット室20を区画しており、第二弁体26は、附勢手段Sの附勢力によって、具体的には、パイロット室20内の圧力によって、第二弁座25へ着座する方向に附勢されている。
すなわち、第二弁体26は、第一弁体16が第一弁座15から離座して図1中右方へ移動する際には、第一弁体16とともに右方へ移動するが、第一弁体16が第一弁座15へ着座している状態では、第一弁体16とは別個独立して左右方向に移動可能であって第二弁座25に離着座するようになっているとともに、先端を第一弁体16の尾軸16eに当接している状態では、パイロット室20の圧力による附勢力を第一弁体16にも作用させることができるようになっている。つまり、第一弁体16は、第二弁体26を介してパイロット室20内の圧力によって附勢されている。なお、尾軸16eは、パイロット室20の圧力による附勢力を第一弁体16へ伝達するために設けられているが、これを第一弁体16ではなく第二弁体26の先端に設けるようにしてもよい。
なお、厳密には第一弁座15が軸方向に移動不能に設けられても、この場合、バルブシート部材10に固定的に設けられても問題はないが、第一弁座15の軸方向への移動が許容しつつ第一弁座15をバネ17によって第一弁体16方向に附勢することにより、第一弁体16の軸方向長さに寸法誤差があっても第一弁座15に着座させることができる利点がある。また、第一弁体16が第一弁座15に着座した後もしくは同時に、第二弁体26が第二弁座25に着座するように設定しておくことで、第一弁体16の第一弁座15への着座をより確実に行うことができる。
このように構成されたバルブシート部材10に、第一弁体16、摺動筒14、プラグ11、環状弁体12、皿バネ13、第二弁体26およびプランジャ18を組付けた後に、上記したハウジングHに設けた弁孔9内に挿入して、キャップ19で蓋すると、パイロット室20が密閉されるとともに、ハウジングHに設けた一方流路21の弁孔9側の開口端がバルブシート部材10に設けた基端側横孔10dに対向して、第一弁座15と第二弁座25との間の空間Aが一方室R1に連通され、ハウジングHに設けた他方流路22がプラグ11内を介して第二弁座25から見て第一弁座15の背面側となる先端大径部10aにおける第一弁座15より先端側の空間Bに連通され、当該空間Bと他方室R2とを連通している。
また、皿バネ13によって附勢されて縦孔10eを閉塞する環状弁体12が縦孔10e側からの圧力が他方室R2内の圧力を上回り皿バネ13の附勢力に抗して開弁すると、第一弁座15から見て第二弁座25の背面側となる基端大径部10b内であってプランジャ18より第二弁座25側の空間Cを縦孔10eおよび基端側横孔10dを介して他方室R2へ連通し、反対に、空間Cの圧力が他方室R2の圧力を充分に上回らず空間C側から環状弁体12を押す力で皿バネ13を押し縮めることができない場合には、上記縦孔10eは環状弁体12によって閉塞されて状態に維持されるようになっている。したがって、この縦孔10e、基端側横孔10d、環状弁体12および皿バネ13とでなるチェック弁とで一方通行流路23を形成しており、別途、ハウジングHに流路を形成する面倒が無い。
なお、バルブシート部材10は、この場合、弁孔9への固定が可能なように、外周に螺子部を備えているが、キャップ19によっても固定可能であるのでこれを省略するようにしても良く、また、外周にシールリング27,28,29を装着してあり、一方流路21、他方流路22、基端側横孔10dとが互いに連通されないようになっている。
このように構成されたバルブVにあっては、ピストン2がシリンダ1に対して図1中左方に移動し、他方室R2が圧縮される場合、他方流路22を通じて他方室R2内の圧力が第一弁体16に作用し、第二弁体26を介してパイロット室20内の圧力による附勢力に抗して第一弁体16が開弁すると、他方室R2内の流体は、上記の他方流路22と、空間Aに連通される一方流路21を介して一方室R1へ移動する。その際に、第一弁体16と第一弁座15とで流路が制限されて、圧力損失を生じ、緩衝器は伸長側の減衰力を発生する。なお、このとき、第一弁座16が第一弁座15から後退して第二弁体26をも第二弁座25から離座させるが、空間Cの圧力は他方室R2内の圧力より上記の圧力損失によって減圧されており、環状弁座12が縦孔10eを開放しないので、流体が第二弁座25と第二弁体26との間を通過せず、伸長側の減衰力にこれらが影響することはない。
反対に、ピストン2がシリンダ1に対して図1中右方に移動し、一方室R1が圧縮される場合、一方流路21を通じて一方室R1内の圧力は、第一弁体16を図1中左方となる先端側へ押圧するように作用するとともに、第二弁体26を図1中右方となる基端側へ押圧するように作用する。すると、受圧面積差によって第一弁体16は第一弁体15に着座した状態に維持され、上記圧力による押圧力がパイロット室20内の圧力による附勢力に打ち勝つと第二弁体26のみが第二弁座25から離座して開弁し、一方室R1内の流体は、上記の一方流路21と、空間Cを通過し、一方通行流路23を形成する縦孔10eの開口端を閉塞する環状弁体12を押し開き、他方室R2へ移動するようになる。その際に、第二弁体26と第二弁座25とで流路が制限されて、圧力損失を生じ、緩衝器は圧縮側の減衰力を発生する。
上述したようにバルブVは、緩衝器が伸長する際には自動的に第一弁体16と第一弁座15とで減衰力を発生させ、緩衝器が圧縮する際には自動的に第二弁体26と第二弁座25とで減衰力を発生させるようになっており、これら第一弁体16と第二弁体26を単一の附勢手段Sによって附勢しているので、具体的には、パイロット室20内の圧力によって附勢しているので、附勢手段Sにおける附勢力を制御してやることで緩衝器の伸側と圧側の減衰力をそれぞれ独立して調節することができる。
そのために、この実施の形態の緩衝器におけるバルブVにあっては、一方室R1と他方室R2のうち高圧側の圧力を選択して第二弁座26を附勢するパイロット圧とする選択手段31と、パイロット圧を制御する電磁リリーフ弁35とを備えて、附勢手段Sを構成している。
そして、選択手段31は、第二弁体26を附勢するパイロット圧が導入されるパイロット室20と、パイロット室20と一方室R1とを連通するとともに一方室R1からパイロット室20へ向かう流体の流れのみを許容する一方側選択流路32と、パイロット室20と他方室R2とを連通するとともに他方室R2からパイロット室20へ向かう流体の流れのみを許容する他方側選択流路33とを備えて構成され、他方の電磁リリーフ弁35は、パイロット室20と第一弁座15から見て第二弁座の背面側の空間Cとを連通する制御通路34の途中に設けられている。
以下、これら選択手段31と電磁リリーフ弁35について詳細に説明すると、一方側選択流路32は、具体的には、弁孔9の途中であってバルブシート部材10に設けた小径部横孔10fに対向する位置から開口してパイロット室20へ通じており、一端が空間Aを介して一方室R1へ連通されるとともに他端がパイロット室20へ通じている。
また、一方側選択流路32は、途中に絞り弁32aと、一方室R1からパイロット室20へ向かう流体の流れのみを許容して反対の流れを阻止するチェック弁32bとを備えて、一方通行の流路とされている。
他方側選択流路33は、具体的には、弁孔9の先端から開口してパイロット室20へ通じており、一端が空間Bを介して他方室R2へ連通されるとともに他端がパイロット室20へ通じている。
また、他方側選択流路33は、途中に絞り弁33aと、他方室R2からパイロット室20へ向かう流体の流れのみを許容して反対の流れを阻止するチェック弁33bとを備えて、一方通行の流路とされている。
制御通路34は、上述のように、パイロット室20と第一弁座15から見て第二弁座の背面側の空間Cとを連通するようになっており、この制御通路34の途中にはパイロット室20内の圧力を制御する電磁リリーフ弁35が設けてある。
一方側選択流路32、他方側選択流路33および制御通路34は、それぞれ独立して設けるようにしてもよいが、通路長を短縮するため図1に示すように、一方側選択流路32、他方側選択流路33および制御通路34は、一箇所にて接続されて、この接続部をパイロット室20へ連通している。
電磁リリーフ弁35は、図1中下方側となるパイロット室20側を上流とし、弁本体35aと、上流側の圧力を弁本体35aの一端に導き当該弁本体35aを開弁させる方向へ附勢するように作用させるパイロット通路35bと、弁本体35aのパイロット通路35bによって作用する上流側の圧力と対向する推力を発揮するソレノイド35cとを備えて構成され、ソレノイド35cは通電量に比例した推力を発生するようになっており、当該通電量に応じてリリーフ圧を変化させることができるようになっている。ソレノイド35cは、内部に図示しないバネを備えており、通電量が多くなると弁本体35aを押す推力が大きくなるプッシュ型を採用してもよいし、通電量が多くなると弁本体4aを押す推力が小さくなるプル型を採用してもよいが、失陥時にあっても充分な減衰力を発生するようにする場合には、プル型を採用するとよい。また、プル型を採用する場合、失陥時に電磁リリーフ弁35が閉じきりとなってしまうと、流体の逃げ場が無くなってプランジャ18がロックされて、第一弁体16も第二弁体26も開弁不能となってしまう可能性があるので、閉じた状態でも上記ロックを招来しない程度の流体の流れを許容するようにしておくとよい。
また、制御通路34の電磁リリーフ弁35より下流となる空間C側には、シリンダ1内を加圧するアキュムレータ36が接続されている。
このように構成された附勢手段Sでは、緩衝器が伸長する場合には、圧縮される他方室R2側の圧力が拡大する一方室R1側の圧力より大きく、他方側選択流路33におけるチェック弁33bが開くが、一方側選択流路32のチェック弁32bは閉じたままとなり、パイロット室20へは高圧側となる他方室R2側の圧力が伝播し、反対に、緩衝器が圧縮される場合には、圧縮される一方室R1側の圧力が拡大する他方室R2側の圧力より大きく、一方側選択流路32におけるチェック弁32bが開くが、他方側選択流路33のチェック弁33bは閉じたままとなり、パイロット室20へは高圧側となる一方室R1側の圧力が伝播する。
すなわち、選択手段31によって、一方室R1と他方室R2のうち常に高圧側が選択され、高圧側の圧力をパイロット圧としてパイロット室20へ導入されるようになっている。なお、一方側選択流路32と他方側選択流路33とにそれぞれ別個にチェック弁32b,33bを設けているので、各流路32,33を上述のように接続部にて必ずしも対向させる必要が無く、各流路32,33の配置に自由度があるが、図1に示すように接続部で完全に向かい合わせにする場合には、チェック弁32b,33bの代わりに一つの高圧優先シャトル弁を接続部を跨ぐようにして設けてもよい。
つづいて、パイロット室20へ導入される圧力は、上記の電磁リリーフ弁35により制御される。電磁リリーフ弁35は、上述のようにソレノイド35cへの通電量に応じて開口度合が調節され、この電磁リリーフ弁35を通過した流体は、パイロット室20内の圧力より減圧されて、空間C内に流れ込む。そして、緩衝器が伸長行程にある場合には、他方室R2内の圧力が高く第一弁体16および第二弁体26がともに開弁状態にあるため、制御通路34を通過して空間C内に導かれた流体は、第二弁座25と第二弁体26との間と一方流路21を通じて低圧側となる一方室R1へ移動し、緩衝器が圧縮行程にある場合には、制御通路34を通過して空間C内に導かれた流体は、環状弁体12を押し開いて一方通行流路23を介して低圧側となる他方室R2へ移動することになる。
上述のように、緩衝器の作動の方向の如何によらず、常に空間Cは、一方室R1と他方室R2のうち常に低圧側に連通されるので、内部圧力のみによってパイロット室20を圧縮する方向へプランジャ18を移動させる事態を招くことが無い。また、空間Cは、一方室R1と他方室R2のうち常に低圧側に連通され、パイロット室20による圧力がそれを上回るので、第二弁体26とプランジャ18とを別体としてもこれらが分離することもないので、これらを別体とするようにしてもよい。
また、制御通路34の途中であって、電磁リリーフ弁35の下流にアキュムレータ36が接続されて、常に、一方室R1と他方室R2のうち低圧側がアキュムレータ36と接続されるので、拡大する低圧側の室においてバキュームを生じてしまう虞も無く、異音の発生や減衰力が不安定になってしまうような虞も無い。
このように構成された緩衝器にあっては、上述のように、バルブVにおける第一弁体16と第二弁体26を単一の附勢手段によって附勢するようになっており、また、選択手段31で選択した一方室R1と他方室R2のうち高圧側の圧力が導入されるパイロット圧で第二弁座26を附勢するとともに、当該パイロット圧を電磁リリーフ弁35で制御する構成としたので、伸側および圧側の減衰力を独立して可変にできるだけでなく、附勢力を直接ソレノイドで出力する必要が無く、電磁リリーフ弁35にしてもパイロット圧を制御する目的で使用されるのであるから、流体の通過流量は少なくてすみ、ソレノイド35cを小型、軽量なものとすることができ、緩衝器が小型、軽量となって製造コストも低減される。
また、緩衝器に高減衰力を発生させるに当たっても、第一弁体16と第二弁体26の附勢に直接ソレノイドを使用しておらず、ソレノイド35cで直接に一方室R1と他方室R2の圧力を制御しないので、ソレノイド35cの推力の高めることなく一方室R1と他方室R2の差圧を大きくすることができるので、ソレノイド35cの大型化を伴うことがないので、この点でも緩衝器が小型、軽量となって、コストを悪化させることも無い。
さらに、緩衝器が小型、軽量となるので、この緩衝器をステアリングダンパとして使用する際に慣性力が小さくなり、良好なステアリング感を得ることができ、当該緩衝器はステアリングの振動を抑制する用途に最適となる。
なお、上記したバルブV以外にピストン2に一方室R1と他方室R2とを連通する通路を設けておき、当該通路の途中には、減衰バルブを設けるようにしてもよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明は、車両のステアリングダンパの他、被制振対象の振動を減衰する緩衝器に利用することができる。
1 シリンダ
2 ピストン
3 ピストンロッド
9 弁孔
10 バルブシート部材
10a バルブシート部材における先端大径部
10b バルブシート部材における基端大径部
10c バルブシート部材における小径部
10d バルブシート部材における基端側横孔
10e バルブシート部材における縦孔
10f バルブシート部材における小径部横孔
11 プラグ
11a プラグにおける鍔
11b プラグにおける透孔
12 環状弁体
13 皿バネ
14 摺動筒
15 第一弁座
16 第一弁体
16a 第一弁体における胴部
16b 第一弁体における切欠
16c 第一弁体における頭部
16d 第一弁体におけるシート部
16e 第一弁体における尾軸
17 バネ
18 プランジャ
19 キャップ
20 パイロット室
21 一方流路
22 他方流路
23 一方通行流路
25 第二弁座
26 第二弁体
26a 第二弁体における胴部
26b 第二弁体における切欠
26c 第二弁体における頭部
26d 第二弁体におけるシート部
27,28,29 シールリング
31 選択手段
32 一方側選択流路
32a 一方側選択流路における絞り弁
32b 一方側選択流路におけるチェック弁
33 他方側選択流路
33a 他方側選択流路における絞り弁
33b 他方側選択流路におけるチェック弁
34 制御通路
35 電磁リリーフ弁
35a 電磁リリーフ弁における弁本体
35b 電磁リリーフ弁におけるパイロット通路
35c 電磁リリーフ弁におけるソレノイド
36 アキュムレータ
A,B,C 空間
H ハウジング
R1 一方室
R2 他方室
S 附勢手段
V バルブ

Claims (5)

  1. シリンダと、シリンダ内を一方室と他方室に区画するピストンと、バルブとを備えた緩衝器において、バルブが、直列に配置される第一弁座と第二弁座と、第一弁座と第二弁座との間に配置され第一弁座に離着座する第一弁体と、第二弁座に離着座する第二弁体と、第二弁体を第二弁座に向けて附勢するとともに第二弁体を介して第一弁体を第一弁座に向けて附勢する附勢手段と、第一弁座と第二弁座との間と一方室とを連通する一方流路と、第二弁座から見て第一弁座の背面側と他方室とを連通する他方流路と、第一弁座から見て第二弁座の背面側から他方室へ向かう流体の流れのみを許容する一方通行流路とを備え、附勢手段は、一方室と他方室のうち高圧側の圧力を選択して第二弁座を附勢するパイロット圧とする選択手段と、パイロット圧を制御する電磁リリーフ弁とを備えたことを特徴とする緩衝器。
  2. 選択手段は、第二弁体を附勢するパイロット圧が導入されるパイロット室と、パイロット室と一方室とを連通するとともに一方室からパイロット室へ向かう流体の流れのみを許容する一方側選択流路と、パイロット室と他方室とを連通するとともに他方室からパイロット室へ向かう流体の流れのみを許容する他方側選択流路とを備え、電磁リリーフ弁は、パイロット室と第一弁座から見て第二弁座の背面側とを連通する制御通路の途中に設けられることを備えたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 第一弁座は、軸方向への移動が許容されるとともに第一弁体方向に附勢されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブ。
  4. 第一弁体が第一弁座に着座した後もしくは同時に、第二弁体が第二弁座に着座することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の緩衝器。
  5. アキュムレータを各弁座間から見て他方の弁座の背面側に連通したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の緩衝器。
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