JP2010180091A - 酸化第二銅微粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
低温での加熱処理により高い導電性を有する金属銅の薄膜の形成が可能な酸化第二銅微粒子を簡便かつ容易に製造する方法を提供することである。
【解決手段】
メルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物の存在下で銅イオン源とアルカリ源をダブルジェット法により反応させることにより酸化第二銅微粒子を形成することを特徴とする酸化第二銅微粒子の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は低温での加熱処理によって金属銅の形成が可能な酸化第二銅微粒子の製造方法に関し、特に電子機器の実装分野において、酸化第二銅微粒子を含有するペーストを基板上に塗布した後、低温での加熱処理で優れた導電性を有する金属銅の薄膜の形成が可能な酸化第二銅微粒子の製造方法に関する。
基板上に金属皮膜を形成する方法として、真空蒸着法、スパッタ法などの気相法、メッキ法、金属ペースト法などが知られている。これらの方法の中で、気相法は高価な真空装置を必要とし、生産性が低いという問題があった。また、メッキ法は、絶縁性の基板の場合には予め導電層を形成する必要がありプロセスが複雑になる上、メッキ廃液が大量に発生するという問題があった。金属ペースト法は、基板上に金属や金属酸化物のフィラーを分散させた溶液を塗布した後、加熱焼成することにより金属皮膜を形成する方法であるが、高温に加熱するために、基板が耐熱性のあるものに限られるという問題があり、より低温で焼成可能な金属ペーストが望まれていた。
金属ペーストの焼成温度を低減する方法として、一次粒径が100nm以下の金属超微粒子を有機溶媒中に分散した金属ペーストを用いる方法が開示されている(特許文献1)。しかし、この方法も高価な真空装置を必要とし、生産性も低いという問題があった。
一方、化学的な作製方法としては、界面活性剤−水−無極性有機溶剤系W/Oマイクロエマルジョン相に銅アルコキシドを添加し、加水分解することによって50nm以下の粒子径をもつ酸化第二銅超微粒子を得るマイクロエマルジョン法(特許文献2)が開示されている。しかし、この方法は高価な銅アルコキシドを原料として用いており、また、界面活性剤−水−無極性有機溶剤系W/Oマイクロエマルジョン相は希薄なエマルジョン濃度でのみ安定であるため、希薄な濃度でしか酸化第二銅微粒子を得ることが出来ないという問題があった。
少なくとも10体積%以上のポリオールを含有する溶媒中で銅化合物と塩基性化合物を混合して10nm未満の酸化第二銅微粒子を得る方法が開示されている(特許文献3)。しかし、この方法で得られた酸化第二銅微粒子を用いた金属ペーストは良好な導電性が得られないという問題があった。
特開2004−256857号公報(特許文献4)には、イオウ化合物と保護コロイドの存在下で酸化第二銅や酸化第一銅をヒドラジンなどの還元剤と反応させて銅微粒子を製造する方法が開示されている。しかし、この方法は銅微粒子を製造するために用いられる酸化第二銅や酸化第一銅自体の粒子径を十分に小さくしておかないと得られる銅微粒子の粒径を小さくすることが出来ず、また、同公報には酸化銅微粒子の製造方法については言及されていない。
特開平3−34211号公報 特開平4−164812号公報 特開2003−183024号公報 特開2004−256857号公報
本発明の目的は、低温での加熱処理により高い導電性を有する金属銅の薄膜の形成が可能な酸化第二銅微粒子を簡便かつ容易に製造する方法を提供することである。
メルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物の存在下で銅イオン源とアルカリ源をダブルジェット法により反応させることにより酸化第二銅微粒子を形成することを特徴とする酸化第二銅微粒子の製造方法により達成された。
本発明により、低温での加熱処理により高い導電性を有する金属銅の薄膜の形成が可能な酸化第二銅微粒子を簡便かつ容易に製造することが出来る。
ダブルジェット混合装置の概略図
本発明はメルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物の存在下で銅イオン源とアルカリ源をダブルジェット法により反応させることにより酸化第二銅微粒子を形成する方法である。
本発明においてダブルジェット法とは、銅イオン源とアルカリ源を液供給装置等を用いて反応槽内の溶液の液面または液中に同時に滴下あるいは噴射して供給することにより、該反応槽の溶液中で反応させる方法である。図1はダブルジェット法に用いられるダブルジェット混合装置の概略図である。図1において、Aは反応槽を示し、B、Cは銅イオン源あるいはアルカリ源を供給する液供給管を示し、Dは攪拌手段を示す。反応槽(A)に銅イオン源とアルカリ源を同時に供給することにより反応が行われる。銅イオン源及びアルカリ源は、それぞれ銅イオンあるいはアルカリを含有する溶液を入れた図示しない容器から、図示しない定量ポンプ等の液供給装置を用いて液供給管(B、C)から反応槽(A)に供給される。反応槽内には予め溶液が充填されており、溶液は図1では攪拌手段(D)として攪拌プロペラを記載したが、攪拌プロペラの他、マグネチックスターラー、超音波攪拌機などの反応槽(A)の内外に設けられた攪拌手段(D)を用いて攪拌される。また、図1では液供給管(B,C)の先端は液中にあるが、液面より上でも良い。好ましくは図1に示した様に液中で攪拌手段に向けて設けることが好ましい。この様な装置を利用して本発明の酸化第二銅微粒子が得られる。
本発明のダブルジェット法において、銅イオン源、アルカリ源の反応槽への供給は、一定速度の流量で供給することも時間と共に流量を変化させながら供給することも出来る。
本発明のダブルジェット法において、銅イオン源の供給速度に対するアルカリ源の供給速度の比は銅イオン1モルに対して0.05〜5モルの範囲に設定することが出来るが、反応終了時点での銅イオン源の総供給量に対するアルカリ源の総供給量は、銅イオン1モルに対して1.5〜3.0モルの範囲であることが好ましい。
本発明におけるメルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物の存在下で銅イオン源とアルカリ源をダブルジェット法により反応させるとは、(1)メルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物を予め反応槽の溶液中に含有せしめて銅イオン源とアルカリ源を反応させる、あるいは、(2)メルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物を予め銅イオン源中または/及びアルカリ源中に含有せしめた銅イオン源とアルカリ源を反応槽の溶液中で反応させる、あるいは、(3)メルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物を予め溶解せしめた溶液を銅イオン源やアルカリ源の液供給管とは別の第3の液供給管より反応槽に供給しながら銅イオン源とアルカリ源を反応槽中で反応させることを意味する。
本発明のダブルジェット法において、反応終了時点での銅イオン源の総供給量に対するメルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物の比率は、銅イオン1モルに対して0.0001〜1モルの範囲、より好ましくは0.0005〜0.1モルの範囲で用いることが好ましい。
本発明のダブルジェット法において、反応温度は20〜90℃の範囲で行うことが好ましいが、より好ましい温度範囲は40〜80℃の範囲である。また、反応中に温度を変化させることも出来る。反応温度の調整は、反応槽(A)を水浴あるいは湯浴等で加熱、冷却しても良いし、銅イオン源、アルカリ源を温度調整すること等により行うことも出来る。
本発明に用いられる銅イオン源としては、酢酸銅、臭化銅、塩化銅、フッ化銅、酸化第二銅、硝酸銅、硫酸銅、過塩素酸銅、シアン化銅などの銅化合物を単独または組み合わせた溶液を用いることが出来るが、特に好ましい銅イオン源は硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化銅である。銅イオン源の銅イオン濃度は0.01〜5.0モル/L、好ましくは0.1〜1.0モル/Lの範囲が好ましい。
本発明に用いられるアルカリ源としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の無機アルカリ性化合物の溶液やジメチルアミン、モノエチルアミン、プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン等の有機アルカリ性化合物の溶液を用いることが出来、これらのイオン源を単独または組み合わせて用いることが出来る。アルカリ源のアルカリ濃度は0.01〜5.0モル/L、好ましくは0.1〜2.0モル/Lの範囲である。
本発明のメルカプト基またはチオン基を有する含窒素複素環化合物は、メルカプト基またはチオン基が置換した5員環、もしくは6員環の含窒素複素環を有する化合物であり、5員環もしくは6員環の含窒素複素環として、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾリン環、イソオキサゾリン環、オキサジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、チアジアジン環などが挙げられ、これらの複素環は他の5員環または6員環、例えばベンゼン環等と縮合環を形成していても良い。特に好ましい含窒素複素環は、イミダソール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、テトラゾール環、トリアジン環であり、具体例を以下に挙げる。2−メルカプト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−ベンズイミダゾール、1−エチル−2−メルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジエチル−ベンゾイミダゾリン−2−チオン、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオン、2,2′−ジメルカプト−1,1′−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メルカプト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、7−カルボキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトナフトチアゾール、3−エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2(3H)−チオン、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、2−メルカプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
本発明のダブルジェット法において酸化第二銅微粒子の形成時に用いられる溶媒として水(蒸留水)が好ましく用いられる他、本発明のメルカプト基またはチオン基を有する含窒素複素環化合物の反応槽中での安定性を向上させる目的で、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどの水と相溶性のある溶媒と組み合わせて用いることが出来る。溶媒中に占める水以外の溶媒の比率は、0〜60質量%の範囲、より好ましくは0〜40質量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明のダブルジェット法を用いる酸化第二銅微粒子の形成時、界面活性剤を含有することが出来る。本発明に用いることの出来る界面活性剤としてはノニオンまたは両面界面活性剤が適している。好ましい活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタンラウレート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のノニオン活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン等の両面界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は予め反応槽に準備される溶液、銅イオン源、あるいはアルカリ源のいずれに含有していても良い。
本発明のダブルジェット法を用いて形成された酸化第二銅微粒子は反応終了時、反応槽中で分散溶液(懸濁液あるいは沈殿液)として存在しているので、反応終了後、上記分散液を遠心分離して沈殿を取り出し、溶剤で洗浄した後、脱溶媒、乾燥して酸化第二銅微粒子粉末として得ることが出来る。
酸化第二銅微粒子が形成されていることは、X線結晶回折装置を用いて酸化第二銅の回折パターンが得られるかどうか調べることにより確認することが出来る。
本発明の方法により得られた酸化第二銅微粒子の平均一次粒子径は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて酸化第二銅微粒子粉末を観察することにより得られる。本発明でいう平均一次粒子径は、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として平均粒子径を求めたものである。また、平均二次粒子径は本酸化第二銅微粒子の分散液の一部をレーザー散乱粒度分布計、例えば(株)堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−500を用いて質量平均粒子径の分布を測定することにより求めることが出来る。
本発明の方法により製造された酸化第二銅微粒子を含有する金属ペーストの好ましい組成について以下に述べる。本発明の方法により製造された酸化第二銅微粒子を含有する金属ペーストは、酸化第二銅微粒子の他、還元剤、保護コロイド、溶媒を含有することが好ましく、金属ペースト中に含まれる酸化第二銅の割合は、10〜90質量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明の酸化第二銅微粒子を含有する金属ペーストには加熱焼成による酸化第二銅の金属銅への還元を促進するために、還元剤を含有させることが出来る。還元剤として酢酸ヒドラジド、水素化ホウ素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、ホルムアルデヒド、グルコースや、特開2005−2418号公報に記載のポリエーテル構造を主鎖や分枝鎖に有するポリマー、例えばポリエチレングリコール、エチレングリコールとブチレングリコールの2元コポリマー、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマーなどの還元性ポリマーを用いることが出来る。還元剤の好ましい使用量は、金属銅原子換算で酸化第二銅1モルに対して0.01〜4モルの範囲である。
本発明の酸化第二銅微粒子を含有する金属ペーストに用いられる保護コロイドとして、還元剤として前記したポリエーテル構造を主鎖や分枝鎖に有するポリマーの他、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、アラビアゴム、澱粉、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸、カルボキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのポリマーを含有させることが出来る。特に好ましいポリマーはポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールである。
本発明の酸化第二銅微粒子を含有する金属ペーストに含有される溶媒として、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシプロパノール、ブタノール、エチルヘキシルアルコール、テルピネオール、エチルアセテート、ブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘキサン、ヘプタン、ドデカン、ミネラルスピリット、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、メチレンクロライド、カーボンテトラクロライド、アセトニトリル、及びジメチルスルホキシドなどを用いることが出来る。
本発明の酸化第二銅微粒子を含有するペーストを塗布する基板は特に限定されるものではなく、ガラス、セラミック、フィルム等さまざまな基板を用いることが出来るが、フィルムを用いる場合にはポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミノビスマレイミド、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム等の耐熱性フィルムを用いることが好ましい。
本発明の酸化第二銅微粒子を含有する金属ペーストの基板上への塗布方法としてスクリーン印刷法、ディップコーティング法、キャストコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、インクジェットコーティング法等のさまざまな塗布方式を用いることが出来る。
本発明の酸化第二銅微粒子を含有する金属ペーストは基板上への塗布された後、150〜400℃で焼成することにより金属銅の薄膜を形成することが出来る。焼成は空気中で行うが、アルゴン、ネオン、窒素、酸素等のガス雰囲気中や真空中で行っても良い。焼成時間は1〜180分、好ましくは5〜120分の範囲である。
本発明の酸化第二銅微粒子を用いて形成された導電性金属銅薄膜の導電性の評価方法として体積抵抗率を用いることが出来る。体積抵抗率はJIS K7194に記載の方法により、表面抵抗率と膜厚の積として表されるので、表面抵抗率計、例えば三菱化学アナリテック(株)製抵抗率計ロレスタGTP610を用いて表面抵抗率を測定し、膜厚との積により体積抵抗率を求めることが出来る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、無論この記述により本発明が制限されるものではない。
(実施例1)
図1のダブルジェット装置を用いて反応を行った。反応槽A中で60℃、2000rpmの回転速度の攪拌プロペラで攪拌された下記A1液に液供給源B及びCからそれぞれ下記B1液、C1液を10mL/分の流量で10分間、連続して送液して分散液(1)を得た。分散液(1)を20,000rpmで60分間遠心分離して得られた沈殿を蒸留水で3回水洗した後、真空乾燥して粉末(1)を得た。水洗は、沈殿を100mLの蒸留水で再分散した後、遠心分離することによって行った。
A1液 2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2(3H)−チ
オン 1.1×10−3モル
エチルアルコール 100g
蒸留水 900g
B1液 0.5モル/L 酢酸銅水溶液
C1液 1.2モル/L 水酸化ナトリウム水溶液
得られた粉末(1)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行い、酸化第二銅であることが確認された。
粉末(1)の微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として平均一次粒子径を求めたところ15nmであった。また、分散液(1)の一部を採取して(株)堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−500を用いて平均二次粒子径を求めたところ、30nmであった。
(実施例2)
実施例1のA1、B1、C1液の代わりに下記A2、B2、C2液を用いる以外は実施例1と同様にして粉末(2)を得た。得られた粉末(2)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行い、酸化第二銅であることが確認された。
A2液 2−メルカプト−ベンゾチアゾール 5.4×10−4モル
エチレングリコール 400g
蒸留水 600g
B2液 0.5モル/L 硝酸銅・3水和物水溶液
C2液 1.2モル/L ジエタノールアミン水溶液
粉末(2)の微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として平均一次粒子径を求めたところ8nmであった。また、分散液(2)の一部を採取して(株)堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−500を用いて粒度分布を求めたところ、平均分散粒子径は20nmであった。
(実施例3)
実施例1のA1、B1、C1液の代わりに下記A3、B3、C3液を用いる以外は実施例1と同様にして粉末(3)を得た。得られた粉末(3)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行い、酸化第二銅であることが確認された。
A3液 エチルセロソルブ 100g
蒸留水 900g
B3液 0.5モル/L 硝酸銅・3水和物水溶液
C3液 5×10−3モル/Lの7−カルボシキ−2−メルカプトベンゾチアゾールを含
有する1.2モル/L水酸化ナトリウム水溶液
粉末(3)の微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として平均一次粒子径を求めたところ10nmであった。また、分散液(3)の一部を採取して(株)堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−500を用いて平均二次粒子径を求めたところ、20nmであった。
(比較例1)
実施例1のA1、B1、C1液の代わりに下記A4、B4、C4液を用いる以外は実施例1と同様にして粉末(4)を得た。得られた粉末(4)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行い、酸化第二銅であることが確認された。
A4液 3−メルカプトプロピオン酸 8.3×10−4モル
エチレングリコール 100g
蒸留水 900g
B4液 0.5モル/L 硝酸銅・3水和物水溶液
C4液 1.2モル/L 水酸化ナトリウム水溶液
粉末(4)の微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として平均一次粒子径を求めたところ30nmであった。また、分散液(4)の一部を採取して(株)堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−500を用いて平均二次粒子径を求めたところ、250nmであった。
(比較例2)
実施例1のA1、B1、C1液の代わりに下記A5、B5、C5液を用いる以外は実施例1と同様にして粉末(5)を得た。得られた粉末(5)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行い、酸化第二銅であることが確認された。
A5液 5−フェニルテトラゾール 1.0×10−3モル
エチレングリコール 100g
蒸留水 900g
B5液 0.5モル/L 硝酸銅・3水和物水溶液
C5液 1.2モル/L 水酸化ナトリウム水溶液
粉末(5)の微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として平均一次粒子径を求めたところ250nmであった。また、分散液(5)の一部を採取して(株)堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−500を用いて平均二次粒子径を求めたところ、800nmであった。
(比較例3)
図1のダブルジェット装置を用いてシングルジェット方式で反応を行った。反応槽A中で60℃、2000rpmの回転速度の攪拌プロペラで攪拌された下記A6液に液供給源Bから下記B6液を200mL/分の流量で30秒間送液した後、液供給源Cから下記C6液を200mL/分の流量で30秒間送液して分散液(6)を得た。分散液(6)を20,000rpmで60分間遠心分離して得られた沈殿を蒸留水で3回水洗した後、真空乾燥して粉末(6)を得た。水洗は、沈殿を100mLの蒸留水で再分散した後、遠心分離することによって行った。得られた粉末(6)のX線回折は理学電機(株)製X線回折装置MiniFlexを用いてCuターゲット、加速電圧30KeV、電流15mAの条件で行い、酸化第二銅であることが確認された。
A6液 2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2(3H)−チ
オン 7.5×10−4モル
エチルアルコール 100g
蒸留水 900g
B6液 0.5モル/L 酢酸銅水溶液
C6液 1.2モル/L 水酸化ナトリウム水溶液
粉末(6)の微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として平均一次粒子径を求めたところ60nmであった。また、分散液(6)の一部を採取して(株)堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−500を用いて平均二次粒子径を求めたところ、300nmであった。
本発明の実施例1〜3の酸化第二銅微粒子からなる粉末(1)〜(3)、及び比較例1〜3の酸化第二銅微粒子からなる粉末(4)〜(6)を含有する下記の配合の酸化第二銅微粒子を含有する金属ペーストを作製し、ガラス基板上に塗布膜厚が10μmとなるように塗布し、基板(1)〜(6)を得た。この様にして作製した基板を250℃で2時間焼成し冷却後、三菱化学アナリテック(株)製抵抗率計ロレスタGTP610を用いて表面抵抗率を測定し膜厚との積から体積抵抗率を求めた。結果を表1に示す。また、上記基板を250℃で2時間焼成する代わりに350℃で2時間焼成し、冷却後、表面抵抗率を測定して体積抵抗率を求めた。結果を表1に示す。
酸化第二銅微粒子からなる粉末 0.1モル(酸化第二銅換算)
硫酸ヒドラジド 0.05モル
ポリビニルアルコール(平均分子量10,000) 1×10−4モル
蒸留水 1モル
Figure 2010180091
表1からメルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物の存在下で銅イオン源とアルカリ源をダブルジェット法により反応させることにより酸化第二銅微粒子を形成することにより製造された酸化第二銅微粒子を含有する金属ペーストは、低温での加熱処理により高い導電性を有する金属銅の薄膜を形成することが出来ることが判る。
A 反応槽
B 液供給管
C 液供給管
D 攪拌手段

Claims (1)

  1. メルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物の存在下で銅イオン源とアルカリ源をダブルジェット法により反応させることにより酸化第二銅微粒子を形成することを特徴とする酸化第二銅微粒子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2418549A2 (en) 2010-08-11 2012-02-15 Sony Corporation Management device of emission amount or reduction amount of greenhouse gases, and management method

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