JP2010180027A - ウエブ搬送速度検出手段及びそれを用いた印刷装置 - Google Patents

Abstract

【課題】
高画質な印刷をすることが可能な印刷装置を提供する。
【解決手段】
ウエブ上に画像を形成する画像形成部と、ウエブを搬送するウエブ搬送手段と、ウエブに接触して回転するローラの軸にエンコーダを設けローラ回転速度を検出することでウエブの搬送速度を検出するウエブ速度検出ローラを有する印刷装置において、前記ウエブ速度検出ローラを３個有することを特徴とする。
【選択図】 図１

Description

本発明は、印刷装置におけるウエブ搬送手段に係り、さらに詳しくはウエブ搬送速度の検出手段に関するものである。

長尺に連続した帯状の用紙に代表されるウエブに画像を形成する印刷装置として、電子写真式印刷装置やインクジェット方式印刷装置などが実用化されており、これらの装置はウエブ上に画像を形成する画像形成部と、ウエブを搬送するウエブ搬送手段を有している。高速で移動するウエブ上に形成する画像の印刷位置精度や、カラー画像の場合の各色の色合わせ精度を確保するためには、当該ウエブの搬送速度情報および絶対位置情報を正確に検出し、画像形成のタイミングを合わせる必要がある。このためウエブパス上にウエブに接触し回転するローラを設け、当該ローラの軸にロータリーエンコーダを取り付けて、ローラ周長とロータリーエンコーダの出力パルス周期により算出されるローラの回転速度に基づきウエブの搬送速度および絶対位置を演算する、ウエブ搬送速度検出手段が実用化されている。

速度検出ローラを用いたウエブ（ベルト）厚み変動に起因する速度変動の抑制制御は特許文献１、ウエブ速度検出ローラを用いた印刷装置の構成は特許文献２などに記載されている。

印刷速度の高速化および要求印刷品質の高精細化，高画質化により、ウエブの搬送速度情報および絶対位置情報の検出精度の向上が必要となっている。また用紙の多様化により、薄紙，厚紙，表面コート紙など種々の用紙への印刷も必要となっている。

ウエブ搬送ロールにウエブを巻き付けてウエブを搬送する場合、搬送ロールの回転速度を目標の速度に制御しても、ウエブの厚さが異なると搬送ロールの見かけ送り径が変化するため、搬送ロール１回転あたりのウエブ搬送量が変化する。すると印刷位置精度が低下したり、カラー画像の場合は各色の色合わせ精度が低下し色ズレが発生し、画質が低下する。

上記課題を解決するため、ウエブ速度検出ローラを２個（内１個はウエブ搬送ローラを兼ねても可）設け、ウエブの厚みによる誤差を含むそれぞれの検出情報に基づき演算によりウエブ厚さを算出するウエブ速度検出手段が実用化されている。従来技術のウエブ搬送速度検出手段の構成を図３に示し説明する。ウエブ搬送ローラを兼ねた第１のウエブ速度検出ローラ１０と、第２のウエブ速度検出ローラ２０の軸にそれぞれロータリーエンコーダ１１，２１を設けローラの回転角度を検出し、この検出した回転角度をそれぞれω_１，ω_２とする。また各ウエブ速度検出ローラの半径をｒ_１，ｒ_２、（ただしｒ_１／ｒ_２≠１）、ウエブの厚さをＷとする。この時のウエブ搬送量Ａは、第１のウエブ速度検出ローラ１０については式１で表され、
〔式１〕

第２のウエブ速度検出ローラ２０については式２で表される。
〔式２〕

したがって、式３にてウエブ厚さＷを求めることができる。
〔式３〕

このウエブ厚さＷの値を用い、ウエブ搬送ローラの回転速度を補正したり、カラー画像の各色の色合わせタイミングを補正したりして、印刷位置精度低下および色合わせ精度低下を抑制する制御を実施する。

しかし上記のウエブ速度検出手段では、ウエブ表裏で検出されるウエブ搬送量Ａにウエブ厚さ方向の伸縮による誤差が含まれるため、要求する検出精度に対してウエブ厚さ内の伸縮が無視できないほどウエブが厚い場合や、コート紙などでウエブ表裏で伸縮が異なり、ウエブ搬送速度の中立線がウエブ厚みの中央にない場合には対応しきれていない。

上記課題を解決するために、本発明の第１の手段は、ウエブ上に画像を形成する画像形成部と、ウエブを搬送するウエブ搬送手段と、ウエブに接触して回転するローラの軸にエンコーダを設けローラ回転速度を検出することでウエブの搬送速度を検出するウエブ速度検出ローラを有する印刷装置において、前記ウエブ速度検出ローラを３個有することを特徴とするものである。

また、本発明の第２の手段は第１の手段において、３個のウエブ速度検出ローラのうち少なくとも１つが、モータを接続し回転駆動可能とすることでウエブ搬送速度を決定するウエブ搬送ローラを兼ねていることを特徴とするものである。

また、本発明の第３の手段は第１の手段および第２の手段において、１個のウエブ速度検出ローラを当該ウエブの第１面に設け、ほか２個のウエブ速度検出ローラを当該ウエブの第２面に設け、かつ前記３個のウエブ速度検出ローラの径が異なることを特徴とするものである。

また、本発明の第４の手段は第１の手段および第２の手段において、１個のウエブ速度検出ローラと、ウエブを挟んで対向する位置に設けた１対のウエブ速度検出ローラを具備することを特徴とするものである。

また、本発明の第５の手段は第４の手段において、ウエブを挟んで対向する位置に設けた１対のウエブ速度検出ローラのローラ径が互いに等しく、且つほか１個のウエブ速度検出ローラの径とは異なることを特徴とするものである。

本発明によれば、厚さ内での伸縮が無視できないほど厚いウエブを使用する場合や、ウエブ表裏で伸縮が異なりウエブ搬送速度の中立線がウエブ厚みの中央にないコート紙などを使用する場合にも、ウエブ搬送速度およびウエブの絶対位置を正確に検出することができ、印刷位置精度低下および色合わせ精度低下を抑制することが可能となる。したがって高画質な印刷をすることが可能な印刷装置を提供することができる。

本発明の実施例に係るウエブ搬送速度検出手段の概略構成図である。 本発明の他の実施例に係るウエブ搬送速度検出手段の概略構成図である。 従来技術のウエブ搬送速度検出手段の概略構成図である。

本発明による、３個のウエブ速度検出ローラを用いてウエブ搬送速度を解析するウエブ搬送速度検出手段の概略構成を図１を用いて説明する。印刷装置全体構成およびウエブ搬送手段の構成は従来技術と同様であるため、本発明によるウエブ速度検出手段のみ説明する。

ウエブ搬送ローラ１０にウエブ１が巻き付いてパスを形成し、バネ（図示しない）で押圧を与えたＮＩＰローラ２でウエブ１を挟持し、搬送ローラの軸に接続された搬送モータ３によりウエブ搬送ローラ１０を回転駆動しウエブ１を搬送する。印刷位置精度およびカラー画像の色合わせ精度を確保するためには、ウエブ搬送ローラ１０の回転速度を精度良く制御する必要があり、そのためには当該ウエブの搬送速度を精度良く検出する必要がある。ウエブ搬送ローラ１０の軸にはロータリーエンコーダ１１を設け、該エンコーダの出力パルス周期によりウエブ搬送ローラ１０の回転速度を算出する。またローラ周長と前記回転速度よりウエブ搬送速度を算出し、目標のウエブ搬送速度となるように搬送モータ３の駆動制御を実施する。ウエブ搬送ローラ１０はロータリーエンコーダ１１によりウエブ搬送速度を検出できるため、以下ウエブ速度検出ローラ１０と記載する。ここでウエブ１と接触して従動可能とした第２、第３のウエブ速度検出ローラ２０，３０を第１のウエブ速度検出ローラ１０に対してウエブ１の反対面に配置し、該ローラ軸にロータリーエンコーダ２１，３１を設け、計３個のウエブ速度検出ローラの検出情報が得られる構成とする。
ウエブ搬送ローラを兼ねる第１のウエブ速度検出ローラ１０によるウエブ搬送量Ａは、ウエブの厚さをＷ、ウエブ表面からウエブ搬送速度の中立線までの厚さをそれぞれＷ_１，Ｗ_２，ウエブ速度検出ローラ１０のローラ半径をｒ_１，ローラ回転角度をω_１とすると式４で表される。
〔式４〕

この時、ウエブに従動で回転する第２，第３のウエブ速度検出ローラ２０，３０のローラ半径をそれぞれｒ_２，ｒ_３、ローラ回転角度をそれぞれω_２，ω_３とすると、前記したウエブ搬送量Ａは同様に、式５、式６で表すことができる。
〔式５〕

〔式６〕

したがって、式４＝式５より、式７となり、
〔式７〕

また、式５＝式６より、式８となる。
〔式８〕

式７に式８を代入すると、式９となる。
〔式９〕

ウエブ厚さＷを求めるため、式８と式９より、式１０となる。
〔式１０〕

ただしそれぞれのウエブ速度検出ローラの半径ｒ_１、ｒ_２、ｒ_３は、ｒ_１≠ｒ_２≠ｒ_３である。

図２にウエブ速度検出ローラの配置が異なる例について示す。第２のウエブ速度検出ローラ２０と第３のウエブ速度検出ローラ３０は、ウエブ１を挟んで対向する位置に配置し、ローラ半径は同じ（ｒ_２＝ｒ_３）である。図１の場合と同様にウエブ搬送速度中立線の搬送量を式に表すと、第１のウエブ速度検出ローラ１０については、式１１で表される。
〔式１１〕

第２のウエブ速度検出ローラ２０については、式１２で表される。
〔式１２〕

第３のウエブ速度検出ローラ３０については、式１３で表される。
〔式１３〕

ここで第２のウエブ速度検出ローラ２０と第３のウエブ速度検出ローラ３０は対向しているため、式１０のうちのウエブ厚みによる誤差を表している部分を、第２のウエブ速度検出ローラ２０側から見た誤差に置き換えると、式１４で表すことができる。
〔式１４〕

したがって、式１１＝式１２より、式１５となる。
〔式１５〕

また、式１２＝式１４より、式１６となる。
〔式１６〕

式１５と式１６より、式１７となり、
〔式１７〕

式１６と式１７より、式１８となる。
〔式１８〕

ウエブ厚さＷは式１６より、式１９で表される。
〔式１９〕

ただし、それぞれのウエブ速度検出ローラの半径ｒ_１、ｒ_２、ｒ_３は、ｒ_１≠ｒ_２＝ｒ_３である。

ウエブ搬送速度の中立線がウエブ厚み方向の中央にある場合はＷ_１＝Ｗ_２であるが、図１や図２の構成にすることで、ウエブ１の厚み内での伸縮が無視できないほど厚いウエブや、ウエブ表裏で伸縮が異なるコート紙などＷ_１≠Ｗ_２の場合でも、正確なウエブ厚さＷおよびＷ_１，Ｗ_２を算出することが可能となり、したがってその値を用いてウエブ搬送速度の補正やカラー画像の色合わせタイミングの補正を実施することができ、その結果、印刷位置精度低下および色合わせ精度低下を抑制し高画質な印刷をすることが可能な印刷装置を提供することができる。

なお、実施例ではモータで駆動するウエブ搬送ローラを第１のウエブ速度検出ローラと兼ねたが、ウエブ搬送ローラ、ＮＩＰローラ、搬送モータを別に設け、３個のウエブ速度検出ローラとも従動ローラとした構成でも同様であることは言うまでもない。

１はウエブ、２はＮＩＰローラ、３は搬送モータ、１０はウエブ搬送ローラ（ウエブ速度検出ローラ）、１１，２１，３１はロータリーエンコーダ、２０は第２のウエブ速度検出ローラ、３０は第３のウエブ速度検出ローラである。

特開２００６−１１２５３号公報 特開２００２−６０１０３号公報

Claims (6)

1. ウエブ上に画像を形成する画像形成部と、ウエブを搬送するウエブ搬送手段と、ウエブに接触して回転するローラの軸にエンコーダを設けローラ回転速度を検出することでウエブの搬送速度を検出するウエブ速度検出ローラを有する印刷装置において、前記ウエブ速度検出ローラを３個有することを特徴とする印刷装置のウエブ搬送速度検出手段。
2. 請求項１記載のウエブ搬送速度検出手段において、３個のウエブ速度検出ローラのうち少なくとも１つが、モータを接続し回転駆動可能とすることでウエブ搬送速度を決定するウエブ搬送ローラを兼ねていることを特徴とする印刷装置のウエブ搬送速度検出手段。
3. 請求項１または２記載のウエブ搬送速度検出手段において、１個のウエブ速度検出ローラを当該ウエブの第１面に設け、ほか２個のウエブ速度検出ローラを当該ウエブの第２面に設け、かつ前記３個のウエブ速度検出ローラの径が異なることを特徴とする印刷装置のウエブ搬送速度検出手段。
4. 請求項１または２記載のウエブ搬送速度検出手段において、１個のウエブ速度検出ローラと、ウエブを挟んで対向する位置に設けた１対のウエブ速度検出ローラを具備することを特徴とする印刷装置のウエブ搬送速度検出手段。
5. 請求項４記載のウエブ搬送速度検出手段において、ウエブを挟んで対向する位置に設けた１対のウエブ速度検出ローラのローラ径が互いに等しく、且つほか１個のウエブ速度検出ローラの径とは異なることを特徴とする印刷装置のウエブ搬送速度検出手段。
6. 請求項１から請求項５に記載のいずれかのウエブ搬送速度検出手段を用いたことを特徴とする印刷装置。

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