JP2010179769A - 操舵支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】操舵角制御の終了の際に運転者にとって最適な操舵支援を行うことができる操舵支援装置を提供する。
【解決手段】操舵支援装置1は、車両10のハンドルの動作を伴って操舵角を調整するEPS7と、車両10のハンドルの動作を伴わずに操舵角を調整するVGRS6と、車両10の走行状態を検出するセンサ3,4と、走行状態に基づきVGRS6及びEPS7を作動させて操舵角制御を行うECU5と、を備えている。この操舵支援装置1では、操舵角制御の終了の際において、VGRS6が作動状態とされて車両10のハンドルの動作を伴わない操舵角制御が実行され、操舵角制御と入力操舵とが干渉せずに好適に重畳されるため、操舵支援に対する運転者の違和感や依存を抑制することができ、操舵角制御から入力操舵へと円滑に移行させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】操舵支援装置1は、車両10のハンドルの動作を伴って操舵角を調整するEPS7と、車両10のハンドルの動作を伴わずに操舵角を調整するVGRS6と、車両10の走行状態を検出するセンサ3,4と、走行状態に基づきVGRS6及びEPS7を作動させて操舵角制御を行うECU5と、を備えている。この操舵支援装置1では、操舵角制御の終了の際において、VGRS6が作動状態とされて車両10のハンドルの動作を伴わない操舵角制御が実行され、操舵角制御と入力操舵とが干渉せずに好適に重畳されるため、操舵支援に対する運転者の違和感や依存を抑制することができ、操舵角制御から入力操舵へと円滑に移行させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車等の車両の運転者の操舵を支援するための操舵支援装置に関する。
従来の操舵支援装置としては、車両のハンドルの動作を伴って操舵角を調整する第1操舵角調整手段と、車両のハンドルの動作を伴わずに操舵角を調整する第2操舵角調整手段と、を備え、例えば車両の車線逸脱や車外逸脱等の運転不適状態のとき、第1及び第2操舵角調整手段の少なくとも一方を作動して操舵角制御を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような操舵支援装置では、操舵角の調整量が少ないとき、制御手段によって第2操舵角調整手段が作動状態とされて操舵角制御が行われる。これにより、操舵支援の際に運転者に煩わしさや違和感を与えるのを防止することが図られている。
ここで、上記の操舵支援装置では、操舵角制御の終了の際、操舵角制御から運転者による操舵(以下、「入力操舵」という)へと好適に移行できることが望まれている。よって、近年の操舵支援装置としては、操舵角制御の終了の際に運転者にとって最適な操舵支援を行い得るものが要求されている。
そこで、本発明は、操舵角制御の終了の際に運転者にとって最適な操舵支援を行うことができる操舵支援装置を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、本発明に係る操舵支援装置は、車両の運転者の操舵を支援するための操舵支援装置であって、車両のハンドルの動作を伴って操舵角を調整する第1操舵角調整手段と、車両のハンドルの動作を伴わずに操舵角を調整する第2操舵角調整手段と、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、走行状態に基づき第1及び第2操舵角調整手段の少なくとも一方を作動させて操舵角制御を行う制御手段と、を備え、制御手段は、操舵角制御を終了する際、第2操舵角調整手段を作動状態とすることを特徴とする。
この操舵支援装置では、例えば車両の車線逸脱や車外逸脱等の運転不適状態のとき、第1及び第2操舵角調整手段の少なくとも一方が作動されて操舵角制御が行われ、そして、操舵角制御の終了の際(間際)には、第2操舵角調整手段が作動状態とされ、車両のハンドルの動作を伴わない操舵角制御が実行されることになる。これにより、操舵角制御の終了の際、操舵角制御と入力操舵とが干渉せずに好適に重畳されるため、操舵支援に対する運転者の違和感や依存を抑制することができ、操舵角制御から入力操舵へと円滑に移行させることができる。従って、本発明によれば、操舵角制御の終了の際に運転者にとって最適な支援を行うことが可能となる。
このとき、走行状態検出手段は、車両の車線に対する横ずれ量を検出し、制御手段は、横ずれ量が第1所定値よりも小さくなったとき、第2操舵角調整手段を作動状態とすると共に、横ずれ量が第1所定値よりも小さい第2所定値よりも小さくなったとき、操舵角制御を終了する場合がある。
また、運転者状態を検出する運転者状態検出手段をさらに備え、制御手段は、運転者状態に基づき第1及び第2操舵角調整手段の少なくとも一方を作動させて操舵角制御を行うことが好ましい。この場合、運転者状態に基づいて操舵角制御が実行されることから、運転不適状態に陥る原因を考慮した操舵支援を行うことができる。
ここで、運転者状態検出手段は、運転者の覚醒度を検出し、制御手段は、覚醒度が低下している場合、第1操舵角調整手段を作動状態とすることが好ましい。この場合、車両のハンドルの動作を伴う操舵角制御によって、低下した覚醒度を高めることができる。
また、運転者状態検出手段は、運転者の操舵意思を検出し、制御手段は、操舵角制御を終了する際、操舵意思に応じて第2操舵角調整手段を作動状態とすることが好ましい。この場合、操舵意思に応じて操舵角制御と入力操舵とを好適に重畳させることができ、操舵支援に対する運転者の違和感を一層抑制することが可能となる。
また、制御手段は、操舵角制御を終了する際、第2操舵角調整手段を徐々に作動状態とすることが好ましい。この場合、操舵角制御から入力操舵への移行を一層円滑に行うことができる。
また、本発明に係る操舵支援装置は、車両の運転者の操舵を支援するための操舵支援装置であって、車両のハンドルの動作を伴って操舵角を調整する第1操舵角調整手段と、車両のハンドルの動作を伴わずに操舵角を調整する第2操舵角調整手段と、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、走行状態に基づき第1及び第2操舵角調整手段の少なくとも一方を作動させて操舵角制御を行う制御手段と、運転者の操舵意思を検出する操舵意思検出手段と、備え、制御手段は、操舵意思が検出された場合、操舵角制御を終了する際に操舵意思に応じて第2操舵角調整手段を作動状態とすると共に、操舵意思が検出されない場合、第1操舵角調整手段を作動状態とすることを特徴とする。
この操舵支援装置では、操舵意思が検出された場合には、操舵角制御の終了の際、操舵角制御と入力操舵とが干渉せずに好適に重畳されるため、操舵支援に対する運転者の違和感や依存を抑制することができ、入力操舵へと円滑に移行させることができる。他方、操舵意思が検出されない場合には、車両のハンドルの動作を伴う操舵角制御によって運転者による操舵を促すことができる。従って、本発明によれば、操舵角制御の終了の際に運転者にとって最適な支援を行うことができると共に、運転者の操舵意思に基づいた適切な操舵角制御が可能となる。
本発明によれば、操舵角制御の終了の際に運転者にとって最適な支援を行うことが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る操舵支援装置を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の操舵支援装置1は、自動車等の車両10に搭載され、車両10の車線逸脱等の運転不適状態が発生した場合に当該車両10の運転者の操舵を支援(いわゆる、LDW[Lane Departure Warning])するものである。
この操舵支援装置1は、閉眼検出カメラ2と、車両状態検出センサ3と、白線認識センサ4と、を備えている。閉眼検出カメラ2は、運転者状態を検出するためのものであり、ここでは、運転者の覚醒度を検出する。具体的には、閉眼検出カメラ2は、車両10の運転者の顔を撮像して閉眼時間を検出し、閉眼状態が所定時間以上継続された場合に、運転者の覚醒度低下を検出する。
車両状態検出センサ3は、車両10の車両状態を検出するためのものであり、ここでは、車両10の車速や横加速度、及び運転者による操舵トルク(以下、「入力操舵トルク」という)を車両状態として検出する。白線認識センサ4は、車道の白線を認識して検出するものであり、ここでは、車両10の車線に対する横ずれ量を車線情報として検出する。
また、操舵支援装置1は、ECU(Electronic Control Unit)5と、このECU5に接続されたVGRS(VariableGear Ratio Steering:登録商標)6及びEPS(Electric Power Steering)7と、を備えている。ECU5は、閉眼検出カメラ2、車両状態検出センサ3及び白線認識センサ4に接続されており、これらによる検出結果に関する信号が入力される。そして、このECU5は、入力された各検出結果に基づいて車線逸脱判定を行い、車線逸脱が検出又は予測された場合に、VGRS6及びEPS7の少なくとも一方を作動させて操舵角制御を行う(詳しくは後述)。
VGRS6は、操舵角を調整するための手段であって、ここでのVGRS6は、車両10のハンドルの回転(動作)を伴わずに操舵角を調整する。つまり、VGRS6は、入力操舵に依存せずに(アクティブに)操舵角制御を実行する。EPS7は、操舵角を調整するための手段であって、ここでのEPS7は、車両10のハンドルの回転(動作)を伴って操舵角を調整する。つまり、EPS7は、入力操舵に依存して(同期して)操舵角制御を実行する。ここで、VGRS6及びEPS7の構成について以下に具体的に説明する。
図2は、VGRS6及びEPS7を含む車両用操舵機構を示す概略構成図であり、図3は、VGRS6及びEPS7の要部を示す斜視図である。図2に示すように、ハンドル(ステアリングホイール)11は、アッパステアリングシャフト28A、VGRS6、ロアステアリングシャフト28B及びユニバーサルジョイント32を介して、EPS7のピニオンシャフト34に駆動接続されている。
図2,3に示すように、EPS7は、運転者によるハンドル11の操作に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン型のものであり、ここでは、ラック同軸型の電動式とされている。EPS7は、図2に示すように、ラックバー18、タイロッド20L及び20Rを介して、左右の前輪10FL,10FRを転舵する。具体的には、EPS7は、電動機22と、電動機22の回転トルクをラックバー18の往復動方向の力に変換する例えばボールねじ式の変換機構24と、を有しており、ハウジング26に対してラックバー18を相対駆動させる補助操舵力が発生するよう構成されている。このように構成されたEPS7では、ハンドル11と同期するようにして操舵角が調整され、車両10のハンドル11の回転を伴う操舵角の調整が可能となっている。
VGRS6は、ハウジング36Aと、ハウジング36A内に非接触で配置された回転子36Bとを含んで構成された転舵駆動用の電動機36を有している。この電動機36は、そのハウジング36Aの側にてアッパステアリングシャフト28Aの下端に連結されると共に、その回転子36Bの側にてロアステアリングシャフト28Bの上端に連結されている。これにより、VGRS6にあっては、アッパステアリングシャフト28Aに対し相対的にロアステアリングシャフト28Bを電動機36で回転駆動し、前輪10FL,10FRをハンドル11に対して相対的に転舵駆動する。つまり、VGRS6では、車両10のハンドル11の回転を伴わない操舵角の調整が可能となっている。
なお、ここでのVGRS6では、通常時において、ハウジング36A及び回転子36Bの相対回転を阻止する保持電流が通電されることにより、アッパステアリングシャフト28Aに対するロアステアリングシャフト28Bの相対回転角度を0に維持することが可能となっている。
図1に戻り、ECU5には、警報装置8が接続されている。警報装置8は、閉眼検出カメラ2によって運転者の覚醒度低下が検出された場合、警報を発して運転者に注意喚起を促す。
次に、上述した操舵支援装置1の処理について図4,5に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、車両状態検出センサ3によって、車両10の車速、横加速度及び入力操舵トルクを含む車両状態を検出する(S1)。白線認識センサ4によって、車両10の横ずれ量を含む車線情報を検出する(S2)。閉眼検出カメラ2によって、運転者の覚醒度を検出する(S3)。
そして、検出した車両状態及び車線情報(つまり、走行状態)に基づいて、ECU5にて車線逸脱判定を行い、車線逸脱が検出又は予測されない場合(S4のNo)には、そのまま処理を終了する。一方、車線逸脱が検出又は予測された場合(S4のYes)には、以下の操舵支援を実行する(S5:操舵支援工程)。
すなわち、まず、車道中央へ車両10が向くような操舵角制御量である復帰制御量を、車線逸脱を抑制するためのものとして演算する(S11)。続いて、覚醒度が低下しているか否かを判定する(S12)。覚醒度が低下していない場合、車線逸脱等が運転者の認知/判断/操舵ミス等によるものと判断し、演算された復帰制御量に応じてVGRS6のみを制御して作動状態とし、入力操舵と干渉しないようハンドル11の動作を伴わない操舵角制御を実行する(S13)。
他方、覚醒度が低下している場合、車線逸脱等が運転者の居眠り/脇見/ぼんやり状態(意識低下状態)等によるものと判断し、横ずれ量Dが第1所定値Dth1よりも大きいか否かを判定する。横ずれ量Dが第1所定値Dth1よりも大きい場合(D>Dth1)、演算された復帰制御量に応じてEPS7のみを制御して作動状態とし、ハンドル11の動作を伴う操舵角制御を実行する。一方、横ずれ量Dが第1所定値Dth1以下の場合(D≦Dth1)、操舵角制御の終了過程と判断して上記S13の処理へ移行する。
そして、第1所定値Dth1よりも小さい第2所定値Dth2に比して横ずれ量Dが小さくなるまで(D<Dth2)、上記S11〜S15を繰り返し実行し、これにより、車線逸脱等が回避されることになる。
以上、本実施形態では、操舵角制御の終了の際(直前)、VGRS6が制御されて作動状態とされ、ハンドル11の動作を伴わない操舵角制御が実行される(上記S13)。よって、操舵角制御の終了の際、操舵角制御と入力操舵とが干渉せずに好適に重畳され、操舵支援に対する運転者の違和感や依存を抑制することができ、操舵角制御から入力操舵へと円滑に移行させることができる。つまり、車両10の操舵を、操舵支援装置1から運転者にスムーズに(それとなく)受け渡すことが可能となる。従って、本実施形態によれば、操舵角制御の終了の際に運転者にとって最適な支援を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、運転者状態としての覚醒度に基づいて車両逸脱等の原因が判断され、VGRS6及びEPS7が選択されて制御されている。つまり、覚醒度に基づき車両逸脱等の原因が操作ミス等と判断されると、入力操舵が行われている状態であることが考慮され、操舵角制御と入力操舵とが干渉しないようにVGRS6による操舵角制御が行われる。これにより、操舵支援によって運転者に与える違和感を抑制することが可能となる。一方、かかる原因が居眠り等と判断されると、EPS7による操舵角制御が行われ、これにより、運転者の覚醒を促す(低下した覚醒度を高める)ことが可能となる。従って、本実施形態によれば、運転不適状態に陥る原因をも考慮した操舵支援を行うことができる。
なお、本実施形態では、運転者の覚醒度低下が検出された場合(上記S12のYes)、初期段階ではハンドル11の動作を伴うEPS7による操舵角制御を行い、その後、ハンドル11の動作を伴わないVGRS6による操舵角制御へと徐々に(リニアに)移行してもよい。この場合、VGRS6が徐々に作動状態とされるため、操舵角制御から入力操舵への移行を一層円滑に行うことができる。
以上において、EPS7が第1操舵角調整手段を構成し、VGRS6が第2操舵角調整手段を構成し、車両状態検出センサ3及び白線認識センサ4が走行状態検出手段を構成し、閉眼検出カメラ2が運転者状態検出手段を構成し、ECU5が制御手段を構成する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態においては、上記第1実施形態と異なる点のみを説明し、重複する説明は省略する。
本実施形態の操舵支援装置では、覚醒度が低下し、横ずれ量Dが第1所定値Dth1以下の場合(図6におけるS14のNo)、上記S1にて検出された車両状態における入力操舵トルクMT及びマップM(図7参照)に基づいて、操舵角制御におけるVGRS6の介入率Gを算出する(S21)。
続いて、算出した介入率G及び復帰制御量に応じて、VGRS6及びEPS7の少なくとも一方を制御する強調制御を実行する(S22)。これにより、ハンドル11の動作を伴わない操舵角制御、ハンドル11の動作を伴う操舵角制御、又はこれら双方の操舵角制御を介入率Gに応じて実行する。そしてその後、上記S16の処理へと移行する。
図7は、VGRSの介入率を定めるためのマップの一例を示すグラフである。図中において、縦軸はVGRS6の介入率Gを示し、1.0で介入率Gが100%(つまり、VGRS6のみが作動状態とされて操舵角制御が実行されること)を表している。また、横軸は入力操舵トルクMTを示している。
図7に示すように、マップMでは、入力操舵トルクMTが大きくなるに連れて介入率Gが2次関数的に大きくなるように設定されている。このマップMによれば、入力操舵トルクMTが低いとき、運転者の操舵意思が低いと判断されて、介入率Gが小さくなる。よって、上記S22においては、ハンドル11の動作を伴うEPS7による操舵角制御の割合が大きい強調制御が実行される。一方、入力操舵トルクMTが大きいとき、運転者の操舵意思が高いと判断されて、介入率Gが大きくなる。よって、上記S22においては、ハンドル11の動作を伴わないVGRS6による操舵角制御の割合が大きい強調制御が実行されることになる。
また、このマップMでは、入力操舵トルクMTが0のとき、運転者の操舵意思が検出されないと判断されて介入率Gが0となり、上記S22においては、ハンドル11の動作を伴うEPS7による操舵角制御のみが実行される。他方、入力操舵トルクMTが所定トルクαよりも大きいとき、運転者の操舵意思が充分であると判断されて介入率Gが1.0となり、上記S22においては、ハンドル11の動作を伴わないVGRS6による操舵角制御のみが実行されることになる。
以上、本実施形態では、横ずれ量Dが第1所定値Dth1以下のとき、入力操舵トルクMTに応じて介入率Gが算出され、この介入率Gに応じて、ハンドル11の動作を伴わないVGRS6による操舵角制御が実行される。つまり、操舵角制御を終了する際、運転者の操舵意思が入力操舵トルクMTとして検出され、かかる操舵意思に応じてVGRS6が作動状態とされる。これにより、操舵意思に応じて操舵角制御と入力操舵とを好適に重畳させることができ、操舵支援に対する運転者の違和感を一層抑制することが可能となる。
また、本実施形態のマップMによれば、上述したように、操舵意思が検出された場合(入力操舵トルクMT>0)、操舵角制御の終了の際にVGRS6が作動状態され、操舵角制御と入力操舵とが干渉されずに好適に重畳され、操舵角制御から入力操舵に円滑に移行される。一方で、操舵意思が検出されない場合(入力操舵トルクMT=0)、EPS7が作動状態とされ、ハンドル11の動作を伴う操舵角制御が実行され、入力操舵が促される。従って、本実施形態によれば、操舵角制御の終了の際に運転者にとって最適な操舵支援を行うことができると共に、運転者の操舵意思に基づいた適切な操舵角制御が可能となる。
なお、本実施形態では、操舵角制御の終了の際に運転者にとって最適な支援を行うことを重視すると、入力操舵トルクMTが検出されないときにおいても、介入率Gを0としない場合もある。つまり、操舵角制御の終了の際において、入力操舵トルクMTが0のときの介入率Gを0よりも大きくすることでVGRS6を作動状態とし、ハンドル11の動作を伴わない操舵角制御を実行する場合がある。
以上において、入力操舵トルクMTを検出する車両状態検出センサ3が、運転者の操舵意思を検出する運転者状態検出手段を構成する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、第1操舵角調整手段としてEPS7を利用したが、ハンドルの動作を伴って操舵角を調整するものであれば、種々の手段を用いてもよい。同様に、第2操舵角調整手段としてVGRS6を利用したが、ハンドルの動作を伴わずに操舵角を調整するものであれば、種々の手段を用いてもよい。
また、上記実施形態では、運転者状態検出手段として閉眼検出カメラ2を用いたが、例えば運転者の生理状態を検知する生体センサ等を用いても勿論よい。また、上記実施形態では、横ずれ量Dが第1所定値Dth1以下のときに、操舵角制御の終了の際としてVGRS6を作動状態としたが、操舵角制御の開始から所定時間経過したときに、操舵角制御の終了の際としてVGRS6を作動状態としてもよい。
1…操舵支援装置、2…閉眼検出センサ(運転者状態検出手段)、3…車両状態検出センサ(走行状態検出手段,運転者状態検出手段)、4…白線認識センサ(走行状態検出手段)、5…ECU(制御手段)6…VGRS(第2操舵角調整手段)、7…EPS(第1操舵角調整手段)、10…車両、11…ハンドル、D…横ずれ量、Dth1…第1所定値、Dth2…第2所定値。
Claims (7)
- 車両の運転者の操舵を支援するための操舵支援装置であって、
前記車両のハンドルの動作を伴って操舵角を調整する第1操舵角調整手段と、
前記車両のハンドルの動作を伴わずに操舵角を調整する第2操舵角調整手段と、
前記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
前記走行状態に基づき前記第1及び第2操舵角調整手段の少なくとも一方を作動させて操舵角制御を行う制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記操舵角制御を終了する際、前記第2操舵角調整手段を作動状態とすることを特徴とする操舵支援装置。 - 前記走行状態検出手段は、前記車両の車線に対する横ずれ量を検出し、
前記制御手段は、前記横ずれ量が第1所定値よりも小さくなったとき、前記第2操舵角調整手段を作動状態とすると共に、前記横ずれ量が前記第1所定値よりも小さい第2所定値よりも小さくなったとき、前記操舵角制御を終了することを特徴とする請求項1記載の操舵支援装置。 - 運転者状態を検出する運転者状態検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記運転者状態に基づき前記第1及び第2操舵角調整手段の少なくとも一方を作動させて前記操舵角制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の操舵支援装置。 - 前記運転者状態検出手段は、前記運転者の覚醒度を検出し、
前記制御手段は、前記覚醒度が低下している場合、前記第1操舵角調整手段を作動状態とすることを特徴とする請求項3記載の操舵支援装置。 - 前記運転者状態検出手段は、前記運転者の操舵意思を検出し、
前記制御手段は、前記操舵角制御を終了する際、前記操舵意思に応じて前記第2操舵角調整手段を作動させることを特徴とする請求項3又は4記載の操舵支援装置。 - 前記制御手段は、前記操舵角制御を終了する際、前記第2操舵角調整手段を徐々に作動状態とすることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項記載の操舵支援装置。
- 車両の運転者の操舵を支援するための操舵支援装置であって、
前記車両のハンドルの動作を伴って操舵角を調整する第1操舵角調整手段と、
前記車両のハンドルの動作を伴わずに操舵角を調整する第2操舵角調整手段と、
前記車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
前記走行状態に基づき前記第1及び第2操舵角調整手段の少なくとも一方を作動させて操舵角制御を行う制御手段と、
前記運転者の操舵意思を検出する操舵意思検出手段と、備え、
前記制御手段は、前記操舵意思が検出された場合、前記操舵角制御を終了する際に前記操舵意思に応じて前記第2操舵角調整手段を作動させると共に、前記操舵意思が検出されない場合、前記第1操舵角調整手段を作動状態とすることを特徴とする操舵支援装置。
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