JP2010178830A - 生体移植材とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】組織由来細胞の分離に際して廃棄される副産物を利用して、高い生体適合性を有し、移植に際して冷却するだけで移植部位に安定して定着する生体移植材を、安価にかつ迅速に製造する。
【解決手段】生体組織と消化酵素との混合物を攪拌して、生体組織から組織由来細胞と脂質とを分離する分離ステップS1と、分離された組織由来細胞および脂質を洗浄する洗浄ステップS2,S3と、洗浄された組織由来細胞を濃縮する濃縮ステップS4と、濃縮された組織由来細胞と、洗浄された脂質とを混合する混合ステップS5とを含む生体移植材の製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体移植材とその製造方法に関するものである。
従来、生体組織から分離された細胞を洗浄し、濃縮するために、生体組織を生体適合性のある塩類溶液中に懸濁し、消化酵素を添加することによって、生体組織を消化して得られた細胞懸濁液を遠心分離機を用いて遠心分離することにより濃縮された細胞群を得る処理方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
国際公開第2005/012480号パンフレット
しかしながら、生体組織を分離して得られる濃縮された細胞群は、その量がきわめて微量であるため、移植材として使用するには何らかの媒体に付着させてボリュームを増やす必要がある。この場合に乳酸リンゲル液等の粘性の低い液体に混合してボリュームを増やした生体移植材は、移植部位に移植されるとすぐにその移植部位から流出してしまい、細胞治療の効果が低いという問題がある。一方、人工骨や移植用シートのような固体基材に付着させるのでは、細胞を固体基材に接着させるために、培養工程を経なければならず、移植手術までに相当の時間を要するという不都合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、取り扱い容易で移植部位からの流動を抑えることができる生体移植材を提供することを目的としている。また、本発明は、組織由来細胞の分離に際して廃棄される副産物を利用して、高い生体適合性を有し、移植に際して冷却するだけで移植部位に安定して定着する生体移植材を、安価にかつ迅速に製造することができる製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、生体組織を分解して分離された組織由来細胞と、該組織由来細胞の分離時に生体組織から分離された脂質とを混合してなる生体移植材を提供する。
本発明によれば、生体組織を分解して組織由来細胞を分離する際に、生体組織に含まれる脂質も副産物として生体組織から分離されるので、分離された脂質を組織由来細胞と混合することにより、脂質によってボリュームを増やした生体移植材を提供することができる。脂質は、冷却されることにより容易にゲル状に変化するので、移植部位への移植に際して冷却することで、簡単にゲル状にして、移植後しばらくの間移植部位から流出せずにその場に細胞を留めることができる。
元来生体組織内に含まれている脂質は、患者に対する生体適合性も良好であり、特に、脂質を多く含む骨等に移植することで、生体移植材および移植部位の疎水性によって、その場に細胞を安定して定着させることができる。
さらに、常温では高い流動性を有するので、取り扱いが容易である。
また、本発明は、生体組織と消化酵素との混合物を攪拌して、生体組織から組織由来細胞と脂質とを分離する分離ステップと、分離された組織由来細胞および脂質を洗浄する洗浄ステップと、洗浄された組織由来細胞を濃縮する濃縮ステップと、濃縮された組織由来細胞と、洗浄された脂質とを混合する混合ステップとを含む生体移植材の製造方法を提供する。
本発明によれば、分離ステップにより分離され、洗浄ステップにより洗浄され、濃縮ステップにより濃縮された細胞と、分離ステップにより分離され、洗浄ステップにより洗浄された脂質とを、混合ステップにより混合することによって、冷却するだけでゲル状に変化させて移植部位への高い定着性を発揮する生体移植材を製造することができる。生体組織を消化酵素によって分解して細胞を分離する際に、同時に分離され、通常は廃棄されていた副産物としての脂質を利用することができて、材料の無駄がなく、安価に、高い生体適合性を有する生体移植材を製造することができる。
本発明に係る生体移植材によれば、取り扱い容易で移植部位からの流動を抑えることができるという効果を奏する。また、本発明に係る生体移植材の製造方法によれば、組織由来細胞の分離に際して廃棄される副産物を利用して、高い生体適合性を有し、移植に際して冷却するだけで移植部位に安定して定着する生体移植材を、安価にかつ迅速に製造することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る生体移植材の製造方法を示すフローチャートである。 図1の製造方法の細胞洗浄ステップを説明するフローチャートである。 図1の製造方法の脂質洗浄ステップを説明するフローチャートである。 図1の製造方法の濃縮ステップを説明するフローチャートである。
本発明の一実施形態に係る生体移植材とその製造方法について図面を参照して、以下に説明する。
本実施形態に係る生体移植材は、生体組織、例えば、脂肪組織(以下、脂肪組織を例示して説明する。)内に含まれている脂肪由来細胞と脂質(Lipid)とを取り出して後に、これらを混合したものである。
本実施形態に係る生体移植材の製造方法は、図1に示されるように、分離ステップS1と、細胞洗浄ステップS2と、脂質洗浄ステップS3と、濃縮ステップS4と、混合ステップS5とを含んでいる。
分離ステップS1は、脂肪組織と消化酵素液との混合液を容器内において攪拌することにより、脂肪組織を分解し、脂肪組織を構成している脂肪由来細胞を分離するステップである。脂肪組織内には脂質も含まれているので、この分離ステップにおいては、脂肪由来細胞を分離する際に、副産物として脂質も分離されてくる。
十分に攪拌が行われた時点で、攪拌を停止して静置すると、容器内における混合液は、含有されている成分の比重によって層分離され、下層に脂肪由来細胞が浮遊する細胞懸濁液、その上層に液状の脂質が配置される。そして、容器の下部に設けた排出口から、フィルタを介して排出することにより、最初に細胞懸濁液、次に液状の脂質を別個に排出することができ、排出された細胞懸濁液および脂質が別個に洗浄ステップS2,S3にかけられる。
洗浄ステップS2,S3は、細胞懸濁液および脂質に対して別個に行われる。
細胞懸濁液に対して行われる細胞洗浄ステップS2は、図2に示されるように、細胞懸濁液を遠心分離機にかけて、細胞群と上清とに分離し(ステップS21)、上清を吸引除去した後に(ステップS22)、乳酸リンゲル液のような洗浄液を供給して細胞群を再懸濁する作業(ステップS23)を数回繰り返す(ステップS24)ことにより行われる。
洗浄液を供給することで、脂肪由来細胞の表面に付着している消化酵素や塵埃等が表面から剥離されて洗浄液内に放出されるので上清として排出することで、清浄な状態の脂肪由来細胞群を含む細胞懸濁液を得ることができる。
脂質に対して行われる脂質洗浄ステップS3は、図3に示されるように、容器内に脂質と乳酸リンゲル液のような洗浄液を供給して(ステップS31)、攪拌した後に(ステップS32)、静置して、脂質と洗浄液とを比重によって層分離させ(ステップS33)、下層の洗浄液を吸引除去する作業(ステップS34)を数回繰り返す(ステップS35)ことにより行われる。
洗浄液を供給することで、脂質に含有されている消化酵素や塵埃等が洗浄液内に放出されるので、消化酵素や塵埃等を含んだ洗浄液を除去することで清浄な状態の液状の脂質を得ることができる。
濃縮ステップS4は、細胞洗浄ステップS2を経た後の細胞懸濁液に対して行われる。すなわち、図4に示されるように、乳酸リンゲル液を供給して再懸濁された細胞懸濁液を遠心分離機にかけて、細胞群と上清とに分離し(ステップS41)、上清を吸引除去する(ステップS42)ことで、正常な状態の脂肪由来細胞のみをペレット状に濃縮された形態で回収することができる。
混合ステップS5は、上記のようにして回収された液状の脂質とペレット状の脂肪由来細胞群とを混合することにより行われる。
このようにして製造された本実施形態に係る生体移植材は、脂質によってボリュームを増やしているので、脂肪組織から採取される微量の脂肪由来細胞であっても比較的広い範囲にわたる移植部位にも移植することができる。また、脂質は常温で液状であるが冷却することによって簡易にゲル状に変化するので、シリンジのような充填装置への注入に際しては常温にて液状の形態で行い、充填に際しては充填装置において冷却することで、ゲル状の形態にすることができる。
すなわち、液状の形態とすることで流動性を高めて取り扱い性を向上し、ゲル状とすることで流動性を低減させて、移植された部位にしばらくの間安定して定着させておくことができる。その結果、移植部位に細胞を保持して細胞治療の効果を高めることができるという利点がある。また、細胞シートや人工骨のような固体基材に付着させるのではなく、液状の脂質に脂肪由来細胞を混合するだけなので、固体基材に付着させる場合のような培養工程が不要であり、迅速に製造することができるという利点がある。
また、本実施形態に係る生体移植材によれば、脂肪由来細胞の分離に際して同時に分離され、通常は廃棄される副産物としての脂質を利用するので、材料を容易にかつ低いコストで入手でき、安価に製造することができる。また、元来生体組織内に含まれていた脂質を混合するので、高い生体適合性を有する生体移植材を構成することができる。
なお、本実施形態においては、生体組織として脂肪組織を例示したが、これに代えて、脂質を含む他の任意の生体組織を細胞および脂質のソースとして使用することにしてもよい。また、図1においては、細胞洗浄ステップS2の後に脂質洗浄ステップS3を行うこととしているが、これに代えて、洗浄ステップS2,S3は同時に実施することにしてもよい。
S1 分離ステップ
S2 細胞洗浄ステップ(洗浄ステップ)
S3 脂質洗浄ステップ(洗浄ステップ)
S4 濃縮ステップ
S5 混合ステップ

Claims (2)

  1. 生体組織を分解して分離された組織由来細胞と、
    該組織由来細胞の分離時に生体組織から分離された脂質とを混合してなる生体移植材。
  2. 生体組織と消化酵素との混合物を攪拌して、生体組織から組織由来細胞と脂質とを分離する分離ステップと、
    分離された組織由来細胞および脂質を洗浄する洗浄ステップと、
    洗浄された組織由来細胞を濃縮する濃縮ステップと、
    濃縮された組織由来細胞と、洗浄された脂質とを混合する混合ステップとを含む生体移植材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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