JP2010178234A - 無線装置およびアクセス制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電波環境が悪化しているエリアの存在位置を知らしめる技術を提供する。
【解決手段】アンテナ50から処理部56は、測位した存在位置が含まれた信号を報知するとともに、他の無線装置の存在位置が含まれた信号を当該他の無線装置から受信する。測定部82は、電波環境を測定する。記憶制御部80は、測定した電波環境が悪化している場合に、測位した存在位置を記憶部86に記憶させる。特定部84は、記憶部86に記憶させた存在位置を報知すべきタイミングを特定する。アンテナ50から処理部56は、特定したタイミングにおいて、記憶部86に記憶させた存在位置が含まれた信号を報知する。
【選択図】図5
【解決手段】アンテナ50から処理部56は、測位した存在位置が含まれた信号を報知するとともに、他の無線装置の存在位置が含まれた信号を当該他の無線装置から受信する。測定部82は、電波環境を測定する。記憶制御部80は、測定した電波環境が悪化している場合に、測位した存在位置を記憶部86に記憶させる。特定部84は、記憶部86に記憶させた存在位置を報知すべきタイミングを特定する。アンテナ50から処理部56は、特定したタイミングにおいて、記憶部86に記憶させた存在位置が含まれた信号を報知する。
【選択図】図5
Description
本発明は、報知技術に関し、特に所定の情報が含まれた信号を報知する無線装置およびアクセス制御装置に関する。
交差点の出会い頭の衝突事故を防止するために、路車間通信の検討がなされている。路車間通信では、路側機と車載器との間において交差点の状況に関する情報が通信される。路車間通信では、路側機の設置が必要になり、手間と費用が大きくなる。これに対して、車車間通信、つまり車載器間で情報を通信する形態であれば、路側機の設置が不要になる。その場合、例えば、GPS(Global Positioning System)等によって現在の位置情報をリアルタイムに検出し、その位置情報を車載器同士で交換しあうことによって、自車両および他車両がそれぞれ交差点へ進入するどの道路に位置するかを判断する(例えば、特許文献1参照)。
IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)では、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能が使用されている。そのため、当該無線LANでは、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。このようなCSMA/CAでは、端末装置間の距離や電波を減衰させる障害物の影響などによって、互いの無線信号が到達しない状況、つまりキャリア・センスが機能しない状況が発生する。キャリア・センスが機能しない場合、複数の端末装置から送信されたパケット信号が衝突する。また、通信速度を高速化するために、無線LANでは、OFDM変調方式が使用される。
一方、無線LANを車車間通信に適用する場合、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要があるために、信号はブロードキャストにて送信されることが望ましい。しかしながら、交差点などでは、車両数の増加、つまり端末装置数の増加がトラヒックを増加させることによって、パケット信号の衝突の増加が想定される。その結果、パケット信号に含まれたデータが他の端末装置へ伝送されなくなる。このような状態が、車車間通信において発生すれば、交差点の出会い頭の衝突事故を防止するという目的が達成されなくなる。パケット信号が受信されにくくなる状態は、トラヒックが増加した場合の他に、妨害信号が存在する場合においても発生する。端末装置は、このような状態が発生しているエリアへ進入する前に、そのようなエリアの存在を知ることができれば、それに応じた処理を実行できる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、電波環境が悪化しているエリアの存在位置を知らしめる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線装置は、測位した存在位置が含まれた信号を報知するとともに、他の無線装置の存在位置が含まれた信号を当該他の無線装置から受信する通信部と、通信部における電波環境を測定する測定部と、測定部において測定した電波環境が悪化している場合に、測位した存在位置を記憶媒体に記憶させる記憶制御部と、記憶制御部において記憶媒体に記憶させた存在位置を報知すべきタイミングを特定する特定部とを備える。通信部は、特定部において特定したタイミングにおいて、記憶制御部において記憶媒体に記憶させた存在位置が含まれた信号を報知する。
本発明の別の態様は、アクセス制御装置である。この装置は、無線装置間の通信を制御するために、無線装置が信号を報知する際に同期すべきタイミングに関するタイミング情報を生成する処理部と、処理部において生成したタイミング情報を報知する報知部と、報知部において報知したタイミング情報にしたがって無線装置から報知された信号を受信する受信部と、受信部において受信した信号の中に、電波環境が悪化している位置に関する位置情報が含まれている場合に、当該位置情報を抽出する抽出部とを備える。報知部は、抽出部において抽出した位置情報も報知する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、電波環境が悪化しているエリアの存在位置を知らしめることができる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、車両に搭載された端末装置間においてデータ通信を実行する通信システムに関する。端末装置は、車両の速度や位置等の情報(以下、これらを「データ」という)を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、パケット信号を受信するとともに、データをもとに車両の接近等を認識する。ここで、端末装置は、通信速度の高速化を目的としてOFDM変調方式を採用する。このような状況のもと、交差点等において、端末装置の数が増加すると、パケット信号の発生確率が増加する。これに対応するために、本実施例に係る通信システムは、次の処理を実行する。
本実施例に係る通信システムは、複数の端末装置の他にアクセス制御装置を含み、アクセス制御装置は、例えば、交差点に設置される。アクセス制御装置は、複数のスロットが含まれたフレームを繰り返し規定する。なお、各フレームに含まれた複数のスロットのうち、一部が制御スロットとして確保されている。また、アクセス制御装置は、使用すべき制御スロットを特定し、当該制御スロットのタイミングに関する情報や、当該アクセス制御装置を識別するための情報(以下、「識別情報」という)を制御情報に含める。さらに、アクセス制御装置は、制御情報を格納したパケット信号(以下、これを「制御情報」ということもある)を当該制御スロットにてブロードキャスト送信する。ここで、制御スロットのタイミングに関する情報とは、例えば、当該制御スロットがフレームの先頭から何番目に配置されるかに関する情報(以下、「制御スロット情報」という)である。
端末装置は、制御情報を受信することによって、制御情報に対応したフレームを生成する。生成したフレームにも、複数のスロットが含まれる。また、端末装置は、フレームに含まれた複数のスロットのうち、制御スロット以外のスロットを認識する。なお、以下の端末装置の説明において、スロットとは、制御スロットを除外したスロットのことを示す場合がある。端末装置は、複数のスロットのそれぞれに対してキャリアセンスを実行することによって、他の端末装置によって使用されていないスロット(以下、「空きスロット」という)を推定する。ここで、空きスロットが複数存在することもある。端末装置は、空きスロットの中から、データを送信するために使用すべきひとつのスロットをランダムに選択する。端末装置は、選択したスロットにおいて、データを格納したパケット信号(以下、これを「データ」ということもある)をブロードキャスト送信する。また、端末装置は、複数のフレームにわたって、相対的に同一のタイミングのスロットを使用する。
ここで、アクセス制御装置は、端末装置間のデータ通信に直接関与せず、データ通信に使用すべきスロットを直接指定しない。あくまでも、アクセス制御装置は、複数の端末装置が使用すべきスロットが含まれたフレームの構成を通知しているだけである。端末装置は、通知されたフレームに含まれたスロットのタイミングにてデータ通信を実行する。つまり、アクセス制御装置は、複数の端末装置間の通信を制御する。
なお、制御情報もひとつのスロットにて送信されているので、制御情報を受信できない端末装置から送信されたデータと、制御情報とが衝突する可能性がある。その結果、他の端末装置が制御情報を受信できないと、上記の処理の実行が困難になる。これに対応するために、データを送信するために使用されるOFDM信号では、一部のサブキャリアにデータが格納されず、ヌルキャリアとされている(以下、このようなサブキャリアを「識別キャリア」という)。一方、制御情報を送信するために使用されるOFDM信号では、識別キャリアにも信号が配置されている。そのため、仮に、データと制御情報とが衝突した場合であっても、端末装置は、識別キャリアの信号成分を観測することによって、制御情報の存在を検知することができる。
さらに、近接した交差点のそれぞれにアクセス制御装置が設置される場合、それらのアクセス制御装置間の干渉を考慮する必要がある。仮に、各アクセス制御装置からブロードキャスト送信される制御情報が干渉すると、端末装置は、それらの制御情報を受信できなくなるおそれがあり、前述の動作が実現されなくなる。このような干渉は、各アクセス制御装置に対して異なった周波数チャネルを割り当てることによって回避できるが、別の周波数チャネルが設けられない場合、干渉を低減するための別の構成が必要とされる。これに対応するために、前述のごとく、制御スロットが複数確保される。各アクセス制御装置は、複数の制御スロットのそれぞれに対してキャリアセンスを実行することによって、ひとつの制御スロットを選択し、選択した制御スロットにて制御情報をブロードキャスト送信する。
このような規定がなされている場合において、端末装置の周囲の電波環境が悪化している場合がある。電波環境の悪化は、トラヒックの増加や妨害信号の存在によって発生される。一方、アクセス制御装置は、端末装置と異なった位置に設置されるので、端末装置周辺の電波環境の悪化を認識できない。さらに、アクセス制御装置によってカバーされないエリアが存在すれば、当該エリアでは端末装置だけが動作しているので、このようなエリアでの電波環境の悪化は、アクセス制御装置に認識されない。このような状況下において、端末装置が、電波環境が悪化したエリアに進入する前に、電波環境が悪化していることを認識できれば、その旨を運転手に通知したり、データの送信量を抑制したりすることが可能になる。前者の場合、運転手は、車両接近の通知がなくても車両接近を予想でき、後者の場合、データの衝突確率が低減される。そのため、電波環境が悪化していることを端末装置に認識させるために、次の処理が実行される。
端末装置は、電波環境を測定し、測定した電波環境が悪化している場合、悪化している旨やそのときの位置情報等の組合せ(以下、「悪化情報」という)を記憶する。悪化情報を記憶してから一定期間経過後、端末装置は、悪化情報が含まれたデータをブロードキャスト送信する。その際、アクセス制御装置からの制御情報を受信していなければ、つまりアクセス制御装置にて形成されるエリアに存在していなければ、端末装置は、エリアに進入するまで、悪化情報の送信を停止してもよい。アクセス制御装置は、悪化情報を受信すると、悪化情報の少なくとも一部を制御情報に含ませて、制御情報をブロードキャスト送信する。他の端末装置は、制御情報を受信することによって、電波環境が悪化した位置を認識する。
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。これは、ひとつの交差点を上方から見た場合に相当する。通信システム100は、アクセス制御装置10、車両12と総称される第1車両12a、第2車両12b、第3車両12c、第4車両12d、第5車両12e、第6車両12f、第7車両12g、第8車両12hを含む。なお、各車両12には、図示しない端末装置が搭載されている。また、アクセス制御装置10によってエリア200が形成されている。
図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、ふたつの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両12a、第2車両12bが、左から右へ向かって進んでおり、第3車両12c、第4車両12dが、右から左へ向かって進んでいる。また、第5車両12e、第6車両12fが、上から下へ向かって進んでおり、第7車両12g、第8車両12hが、下から上へ向かって進んでいる。
各車両12に搭載された端末装置は、データを取得し、データが格納されたパケット信号をブロードキャスト送信する。ここで、本発明の実施例を説明する前に、端末装置が公知の無線LANに対応する場合、つまりCSMA/CAに対応する場合の動作を説明する。各端末装置は、キャリアセンスを実行して送信可能であると判定した場合に、データをブロードキャスト送信する。そのため、複数の端末装置からのデータが衝突する場合がある。また、端末装置の数が増加するにつれて、衝突の発生確率が増加する。特に、交差点のような場所では、車両12の衝突が発生しやすいにもかかわらず、データの衝突も発生しやすくなり、データを必要とするような場所においてデータの利用がなされなくなる。
そこで、通信システム100は、交差点にアクセス制御装置10を配置する。アクセス制御装置10は、図示しないGPS衛星から受信した信号をもとに、複数のスロットを含んだフレームが繰り返されるように生成する。ここで、複数のスロットのうちの一部が制御スロットに相当する。アクセス制御装置10は、制御スロット情報と識別情報とを制御情報に含める。さらに、アクセス制御装置10は、制御スロットにて制御情報を報知する。なお、制御スロットの選択については、後述する。
複数の端末装置は、アクセス制御装置10によって報知された制御情報を受信し、制御情報をもとに、フレームを生成する。その結果、複数の端末装置のそれぞれにおいて生成されるフレームは、アクセス制御装置10において生成されるフレームに同期する。また、複数の端末装置のそれぞれにおいて生成されるスロットは、互いに同期される。端末装置は、複数のスロットのそれぞれにおいてキャリアセンスを実行し、空きスロットを推定する。また、端末装置は、空きスロットの中から、ひとつのスロットをランダムに選択する。さらに、端末装置は、選択したスロットにて、データを報知する。端末装置は、複数のフレームにわたって、フレーム内の相対的なタイミングが同一のスロットを選択し続ける。なお、端末装置は、制御情報を受信できていない場合であっても、データを報知してもよい。これは、当該端末装置が、アクセス制御装置10によって形成されたエリア200の中に存在しない場合に相当する。その際、端末装置は、CSMA/CAを実行する。他の端末装置からのデータを受信した端末装置は、データをもとに、他の端末装置が搭載された車両12の存在を認識する。
ここで、アクセス制御装置10から報知される制御情報と、端末装置から報知されるデータとは、ともにOFDM信号を使用する。しかしながら、両者の配置されているサブキャリアは、同一ではない。データは、前述の識別キャリアに配置されていない。一方、識別情報は、データが配置されたサブキャリアに加えて、識別キャリアにも配置される。その結果、仮に、データと制御情報とが衝突した場合であっても、端末装置は、識別キャリアの信号成分を観測することによって、制御情報の存在を検知できる。なお、端末装置によるエリア200への進入検出は、識別キャリアに対してなされてもよい。
図1において、エリア200内に存在する車両12に搭載された端末装置、あるいはエリア200内に存在しない車両12に搭載された端末装置の周囲において電波環境が悪化しているとする。そのような端末装置は、電波環境の悪化を検出すると、悪化情報を記憶する。ここで、電波環境の悪化の検出方法については後述する。端末装置は、悪化情報を記憶した後、直ちに悪化情報を送信する場合、電波環境の悪化が継続していれば、送信に失敗する。そのため、端末装置は、悪化情報を記憶してから一定期間待機した後、悪化情報をデータに含め、データをブロードキャスト送信する。なお、そのタイミングにおいて、端末装置は、エリア200の中に存在していないこともあり、その場合、エリア200の中に存在するまで悪化情報の送信をさらに待機してもよい。
アクセス制御装置10は、端末装置によってブロードキャスト送信されたデータを受信すると、データから悪化情報を抽出する。また、アクセス制御装置10は、悪化情報のうちの少なくとも一部を制御情報に含め、制御情報を前述のごとくブロードキャスト送信する。他の端末装置は、エリア200に進入して、アクセス制御装置10からの制御情報を受信すると、前述の処理を実行するとともに、悪化情報が制御情報に含まれていれば、制御情報から悪化情報を抽出する。他の端末装置は、悪化情報の内容を運転手に通知する。さらに、他の端末装置は、位置情報にて示されたエリアの周辺に近づくと、データの送信頻度を低減する。
図2は、アクセス制御装置10の構成を示す。アクセス制御装置10は、アンテナ150、RF部152、変復調部154、処理部156、GPS測位部158、フレーム生成部160、制御部162を含む。また、処理部156は、抽出部164、挿入部166を含む。GPS測位部158は、図示しないGPS衛星からの信号を受信し、受信した信号をもとに時刻の情報を取得する。なお、時刻の情報の取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。GPS測位部158は、時刻の情報をフレーム生成部160へ出力する。
フレーム生成部160は、GPS測位部158から時刻の情報を取得する。フレーム生成部160は、時刻の情報をもとに、複数のフレームを生成する。例えば、フレーム生成部160は、「0msec」となるタイミングを基準にして、「1sec」の期間を10分割することによって、「100msec」のフレームを10個生成する。このような処理を繰り返すことによって、フレームが繰り返されるように規定される。また、フレーム生成部160は、各フレームを複数に分割することによって、複数のスロットを生成する。例えば、各フレームが200分割されることによって、「500μsec」のスロットが200個生成される。
ここで、フレームに含まれた複数のスロットのうちの一部が、「制御スロット」として確保されている。例えば、ひとつのフレームに含まれた200個のスロットのうち、先頭から5個のスロットが制御スロットとされる。また、制御スロットは、アクセス制御装置10が制御情報をブロードキャスト送信するために使用されるスロットである。さらに、フレームに含まれた複数のスロットのうちの残りが、図示しない端末装置間の通信のために確保される。前述のごとく、通信システム100は、OFDM変調方式を採用しているので、各スロットは、複数のOFDMシンボルから構成されるように規定される。また、OFDMシンボルは、ガードインターバル(GI)と有効シンボルとによって構成される。なお、各スロットの前方の部分や後方の部分にガードタイムが設けられてもよい。ここで、スロットに含まれた複数のOFDMシンボルのまとまりが、前述のパケット信号に相当する。
図3(a)−(d)は、フレーム生成部160において生成されるフレームのフォーマットを示す。図3(a)は、フレームの構成を示す。図示のごとく、第iフレームから第i+2フレームのように、複数のフレームが繰り返されるように規定されている。また、各フレームの期間は、例えば、「100msec」である。図3(b)は、ひとつのフレームの構成を示す。図示のごとく、ひとつのフレームは、M個のスロットによって構成されている。例えば、Mは「200」であり、各スロットの期間は「500μsec」である。また、フレームの先頭部分に配置されたスロットが制御スロットに相当し、制御スロットを配置した区間が制御領域220として示されている。
ここでは、第1スロットから第5スロットまでの5つのスロットが、制御スロットとして制御領域220に含まれている。図3(c)は、ひとつのスロットの構成を示す。図示のごとく、スロットの前方の部分と後方の部分とにガードタイムが設けられている。また、スロットの残りの期間は、N個のOFDMシンボルによって構成されている。図3(d)は、ひとつのOFDMシンボルの構成を示す。図示のごとく、ひとつのOFDMシンボルは、GIと有効シンボルによって構成されている。図2に戻る。
RF部152は、受信処理として、各スロットにおいて、図示しない他の端末装置間の通信において送信されるパケット信号をアンテナ150にて受信する。ここで、図3(a)のような複数のスロットを含んだフレームが繰り返されるような規定がなされている場合に、複数のスロットの中から選択されたスロットにて、データがフレームの周期で報知されている。また、データには、報知元になる端末装置の識別番号が含まれている。そのため、RF部152は、端末装置から、フレームの周期にてデータを受信する。RF部152は、アンテナ150を介して受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、RF部152は、ベースバンドのパケット信号を変復調部154に出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。
また、RF部152には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。RF部152は、送信処理として、各スロットにおいて、変復調部154から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、RF部152は、無線周波数のパケット信号をアンテナ150から送信する。また、RF部152には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。
変復調部154は、受信処理として、RF部152からのベースバンドのパケット信号に対して、復調を実行する。さらに、変復調部154は、復調した結果を処理部156に出力する。また、変復調部154は、送信処理として、処理部156からのデータに対して、変調を実行する。さらに、変復調部154は、変調した結果をベースバンドのパケット信号としてRF部152に出力する。ここで、通信システム100は、OFDM変調方式に対応するので、変復調部154は、受信処理としてFFT(Fast Fourier Transform)も実行し、送信処理としてIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。
処理部156は、フレーム生成部160から、フレームのタイミングと、フレームに含まれたスロットのタイミングとに関する情報を受けつける。処理部156は、フレームに含まれた複数のスロットのうち、制御スロットのタイミングを特定する。図3(a)の場合、制御領域220に含まれた5つの制御スロットが特定される。処理部156は、アンテナ150、RF部152、変復調部154を介して、各制御スロットに対するキャリアセンスを実行する。キャリアセンスとして公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。なお、処理部156は、変復調部154を経由せずに、RF部152から受信信号を受けつけてもよい。処理部156は、キャリアセンスの結果をもとに、5つの制御スロットのうちのひとつを選択する。例えば、干渉電力の最も小さい制御スロットが選択される。
処理部156は、選択した制御スロットに関する制御スロット情報を生成する。また、処理部156は、制御スロット情報と識別情報を含めながら、制御情報を生成する。処理部156は、選択した制御スロットへ制御情報を割り当てる。処理部156は、割り当てた制御スロットにて、変復調部154へ制御情報を出力する。なお、通信システム100において定められた制御スロットにて制御情報をブロードキャスト送信することは、フレーム中の制御スロットのタイミングを通知することに相当する。また、フレーム中の制御スロットの相対的な位置は制御スロット情報に含まれているので、前述のことは、フレームのタイミングを通知することにも相当する。ここでのフレームのタイミングは、端末装置間の通信において、各端末装置がデータを報知する際に同期すべきタイミングに相当する。
前述のごとく、通信システム100は、OFDM変調方式に対応しているので、処理部156は、制御情報をOFDM信号として生成する。なお、図示しない複数の端末装置間のデータ通信にもOFDM信号が使用されている。ここでは、制御情報を配置させるOFDM信号(以下、これも「制御情報」ということがある)と、データを配置させるOFDM信号(以下、これも「データ」ということがある)とを比較しながら説明する。図4(a)−(b)は、通信システム100において使用されるOFDMシンボルのフォーマットを示す。図4(a)は、制御情報に相当し、図4(b)は、データに相当する。
ここで、両方において、縦の方向が周波数を示し、横の方向が時間を示す。縦の方向において、上から順に「31」、「30」、・・・「−32」の番号が示されているが、これらはサブキャリアを識別するために付与された番号(以下、「サブキャリア番号」という)である。また、OFDM信号の中において、サブキャリア番号「31」のサブキャリアの周波数が最も高く、サブキャリア番号「−32」のサブキャリアの周波数が最も低い。また、図中の「D」は、データシンボルに相当し、「P」は、パイロットシンボルに相当し、「N」は、ヌルに相当する。
制御情報とデータとに共通して、サブキャリア番号「31」から「27」、「2」、「0」、「−2」、「−26」から「−32」のサブキャリアは、ヌルである。また、制御情報のうち、サブキャリア番号「26」から「3」、「−3」から「−25」のサブキャリアは、データでも使用されており、また、両者においてシンボルの用途も同一である。一方、制御情報のうち、サブキャリア番号「1」、「−1」は、データにて使用されていない。これらは、前述の識別キャリアに相当する。つまり、識別キャリアは、OFDM信号のうちの中央の周波数付近のサブキャリアに配置されている。さらに、制御情報のうち、データでも使用されるサブキャリアと、識別キャリアとの間、つまりサブキャリア番号「2」、「−2」には、ガードバンドが設けられてる。なお、サブキャリア番号「−2」から「2」のサブキャリアをまとめて「識別キャリア」と呼んでもよい。
ここで、処理部156は、フレームに関する情報やスロットの番号を識別キャリアに配置する。また、処理部156は、重要度の高い情報を識別キャリアに優先的に配置してもよい。また、パケット信号の前方のOFDMシンボルには、既知信号が配置される。このような既知信号は、端末装置におけるAGCや、伝送路特性の推定に使用される。処理部156は、所定のスロットのうちの一部の期間にわたって、識別キャリアに既知信号を配置してもよい。このような既知信号は、例えば、UW(Unique Word)のように使用される。図2に戻る。
変復調部154、RF部152は、制御スロットにて、処理部156において生成した制御情報をアンテナ150からブロードキャスト送信する。制御情報の宛先のひとつは、端末装置である。制御情報を受信した端末装置は、各スロットのタイミングを認識し、端末装置間の通信のために確保したスロットのうちの少なくともひとつを使用する。また、端末装置は、複数のフレームにわたってデータを報知する場合に、フレーム内での相対的なタイミングが同一のスロットを使用する。
処理部156は、アンテナ150、RF部152、変復調部154を介して、図示しない端末装置から報知されたデータを受信する。抽出部164は、処理部156において受信したデータの中に悪化情報が含まれている場合に、当該悪化情報を抽出する。悪化情報に含まれる情報については後述するが、悪化情報には、少なくとも電波環境が悪化している位置が存在する旨と、電波環境が悪化している位置に関する位置情報とが含まれている。抽出部164は、抽出した悪化情報を挿入部166へ出力する。
挿入部166は、抽出部164からの悪化情報を受けつける。挿入部166は、悪化情報を制御情報に挿入するように、処理部156へ指示する。なお、悪化情報に含まれた情報のすべてが制御情報に挿入される必要はなく、少なくとも一部の情報が制御情報に挿入されればよい。その際、どこで電波環境が悪化しているかを明らかにするために、電波環境が悪化している位置が存在する旨と、電波環境が悪化している位置に関する位置情報とが少なくとも含まれる。また、挿入部166は、ひとつの端末装置から受けつけた悪化情報をそのまま制御情報に挿入させる必要はなく、複数の悪化情報を統計処理することによって、新たな悪化情報を生成した後にそれを制御情報に挿入させてもよい。
ここで、複数の悪化情報とは、複数の端末装置から受けつけたものであってもよく、ひとつの端末装置から複数回数受けつけたものであってもよく、それらの組合せであってもよい。例えば、挿入部166は、一定期間内に、所定の広さの区域内に含まれる位置情報を所定回数以上受けつけた場合に、その区域において電波環境が悪化していると判断する。ここで、一定期間は、1秒間のように規定され、所定の広さは、半径100mの円のように規定され、所定回数は、10回のように規定され、これらの値は予めシミュレーション実験等によって導出されればよい。
さらに、挿入部166は、所定回数以上受けつけた位置情報から、それらの中心点に対応した位置情報を生成し、生成した位置情報を新たな悪化情報に含める。なお、上記の条件を満たさないような悪化情報は、挿入部166によって破棄されるので、データに挿入すべき悪化情報の精度が向上される。処理部156は、変復調部154、RF部152、アンテナ150を介して、悪化情報が含まれた制御情報も、前述のごとくブロードキャスト送信する。制御部162は、アクセス制御装置10全体の処理を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図5は、車両12に搭載された端末装置14の構成を示す。端末装置14は、アンテナ50、RF部52、変復調部54、処理部56、制御部58を含む。また、処理部56は、タイミング特定部60、取得部62、生成部64、記憶制御部80、測定部82、特定部84、記憶部86、通知部70を含み、タイミング特定部60は、制御情報抽出部66、スロット決定部68を含む。アンテナ50、RF部52、変復調部54は、図2のアンテナ150、RF部152、変復調部154と同様の処理を実行する。そのため、ここでは、これらの説明を省略する。
取得部62は、図示しないGPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等を含んでおり、それらから供給されるデータによって、図示しない車両12、つまり端末装置14が搭載された車両12の存在位置、進行方向、移動速度等を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。取得部62は、取得した情報を生成部64へ出力する。
制御情報抽出部66は、変復調部54からの復調結果を受けつける。また、制御情報抽出部66は、復調結果のうち、識別キャリアに対応したサブキャリアの部分を監視する。識別キャリアに対応したサブキャリアの部分に有効なデータが含まれている場合、制御情報抽出部66は、制御情報が含まれたスロット、つまり制御スロットを受信していることを認識する。また、制御情報抽出部66は、制御情報が含まれたスロットを受信しているタイミングを基準として、フレームおよびスロットの同期を確立する。
具体的に説明すると、制御情報抽出部66は、制御情報に含まれた制御スロット情報をもとに、受けつけた復調結果が配置された制御スロットを特定し、これを基準にフレームを生成する。制御スロット情報が、図3(b)の第3スロットに相当すれば、制御情報抽出部66は、第3スロットを基準にしてフレームを生成する。つまり、制御情報抽出部66は、制御スロット情報に対応したフレームに同期するように、複数のスロットが含まれたフレームを生成する。これは、制御情報抽出部66は、制御情報から、フレームのタイミングと、フレームに含まれたスロットのタイミングとに関する情報を抽出することに相当する。制御情報抽出部66は、生成したフレームに関する情報をスロット決定部68へ出力する。
スロット決定部68は、制御情報抽出部66において生成したフレームに含まれた複数のスロットのそれぞれに対する干渉電力をキャリアセンスにて測定する。また、スロット決定部68は、干渉電力をもとに、空きスロットを推定する。具体的に説明すると、スロット決定部68は、所定のしきい値を予め記憶しており、各スロットでの干渉電力としきい値とを比較する。また、スロット決定部68は、しきい値よりも小さい干渉電力のスロットを空きスロットと推定し、そのうちのひとつをランダムに特定する。なお、スロット決定部68は、干渉電力が最小のスロットを特定してもよい。その結果、スロット決定部68は、制御スロット情報に同期したスロットであって、かつフレームの周期で到来するスロットを決定する。なお、制御情報抽出部66において制御情報が抽出されない場合、スロット決定部68は、CSMA/CAを実行することによって、送信タイミングを決定する。スロット決定部68は、特定したスロットや決定した送信タイミングを生成部64へ通知する。
生成部64は、取得部62において取得された情報を含めるようにデータを生成する。つまり、生成部64は、測位した存在位置が含まれたデータを生成する。生成部64は、スロット決定部68において特定したスロットにて、変復調部54、RF部52、アンテナ50を介してデータをブロードキャスト送信する。これは、制御情報が受信されている場合に、制御情報をもとにしたタイミングにて、データがブロードキャスト送信されることに相当する。一方、制御情報が受信されていない場合、スロット決定部68において決定した送信タイミングにて、データがブロードキャスト送信される。
測定部82は、通信部における電波環境を測定する。電波環境の測定には、任意の技術が使用されればよいが、ここでは、次に説明する(1)から(3)が測定される。なお、(1)から(3)のうちのひとつや、任意のふたつの組合せが実行されてもよい。(1)として、測定部82は、RF部52において受信したデータと、変復調部54において復調したデータとを受けつける。なお、RF部52において受信したデータとは、無線周波数のデータであってもよく、ベースバンドのデータであってもよい。測定部82は、受信したデータの受信電力を測定するとともに、復調したデータの品質を測定する。受信電力を測定するために、測定部82は、OFDMシンボルの周波数領域内の平均値を計算する。また、復調したデータの品質を測定するために、測定部82は、誤り率やEVMを導出する。測定部82は、受信電力と品質との組合せを記憶制御部80へ出力する。
(2)として、測定部82は、他の端末装置14から受信したデータの中に、悪化情報が含まれているかを監視する。測定部82は、悪化情報が含まれていれば、その旨を記憶制御部80へ出力する。また、(3)として、測定部82は、スロット決定部68において、スロットが特定されなかったり、送信タイミングが決定されなかったりした期間(以下、「送信失敗期間」という)を測定する。送信失敗期間は、データを報知できなかった期間に相当する。測定部82は、送信失敗期間を記憶制御部80へ出力する。
記憶制御部80は、測定部82において測定した電波環境が悪化しているか否かを判定する。(1)に対して、記憶制御部80は、受信電力が電力用しきい値よりも大きく、かつ品質が品質用しきい値よりも悪化している場合に、電波環境の悪化を認定する。また、(2)に対して、記憶制御部80は、悪化情報が含まれている場合に、電波環境の悪化を認定する。さらに、(3)に対して、記憶制御部80は、送信失敗期間が期間用しきい値よりも大きい場合に、電波環境の悪化を認定する。ここで、記憶制御部80は、(1)から(3)のうちのひとつにおいて電波環境の悪化を認定した場合に、電波環境の悪化を決定する。電波環境の悪化を決定すると、記憶制御部80は、取得部62から、決定したタイミングでの存在位置を位置情報として受けつける。
記憶制御部80は、受けつけた位置情報と、電波環境が悪化している位置が存在する旨との組合せを記憶部86に記憶させる。これらの組合せが前述の「悪化情報」に相当する。なお、悪化情報には、これら以外の情報が含まれていてもよい。例えば、位置情報をカバーすべきアクセス制御装置10の識別情報、電波環境の悪化原因、時刻等が悪化情報に含まれてもよい。ここで、位置情報をカバーすべきアクセス制御装置10の識別情報は、電波環境の悪化を決定した際に制御情報を受けつけていれば、当該制御情報の報知元になるアクセス制御装置10の識別情報に相当する。また、電波環境の悪化原因は、記憶制御部80において、(1)から(3)のうちの電波環境の悪化が認定された項目に相当する。
記憶部86は、ハードディスク等の記憶媒体であり、記憶制御部80からの指示に応じて悪化情報を記憶する。特定部84は、記憶部86において記憶された悪化情報を報知すべきタイミングを特定する。特定部84は、記憶制御部80が記憶部86に悪化情報を記憶させた場合に、記憶制御部80から通知を受けつける。特定部84は、通知を受けつけるとタイマを開始させる。また、特定部84は、予め一定期間を定めており、タイマが一定期間を経過したタイミングを特定する(以下、このように特定されるタイミングを「第1報知タイミング」という)。特定部84は、特定したタイミングを生成部64へ出力する。
特定部84における処理によって、悪化情報が報知されるタイミングは、悪化情報が記憶されるタイミングから遅れたタイミングになる。このようにタイミングをずらすことによって、電波環境の悪化が抑制されている可能性が向上する。その結果、電波環境の悪化が抑制されたタイミングで悪化情報を報知できる可能性が向上する。また、図1のエリア200の外部において電波環境が悪化が検出された場合であっても、一定期間経過するとエリア200内に進入している可能性が高くなる。その結果、アクセス制御装置10へ悪化情報を通知できる可能性が高くなる。
また、特定部84は、これとは別の方法によって報知すべきタイミングを特定してもよい。特定部84は、記憶制御部80から通知を受けつけるとともに、位置情報も受けつける。当該位置情報は、悪化情報に含まれた位置情報であってもよく、取得部62において新たに取得された位置情報であってもよい。その後、特定部84は、定期的に取得部62から存在位置を受けつけることによって、記憶部86が悪化情報を記憶した位置からの距離を導出する。また、特定部84は、予め一定距離を定めており、一定距離移動したタイミングを特定する(以下、このように特定されるタイミングを「第2報知タイミング」という)。特定部84は、報知すべきタイミングとして、特定したタイミングを生成部64へ出力する。この場合、電波環境の悪化が検出された位置からの距離をもとに、報知すべきタイミングが特定されるので、電波環境の悪化が検出された位置と離れた位置で悪化情報が報知される。その結果、前述の効果と同様な効果が得られる。
特定部84は、報知すべきタイミングをさらに別の方法によって特定してもよい。特定部84は、記憶制御部80から通知を受けつける。通知を受けつけた後、特定部84は、制御情報抽出部66において抽出された制御情報も受けつける。特定部84は、報知すべきタイミングとして、新たなアクセス制御装置10からの制御情報を受信したタイミングを特定する(以下、このように特定されるタイミングを「第3報知タイミング」という)。新たなアクセス制御装置10からの制御情報を受信したタイミングは、新たなエリア200に接近したタイミングといえる。その結果、前述の効果と同様な効果が得られる。
生成部64は、特定部84において特定されたタイミングを受けつけると、記憶部86から悪化情報を抽出する。また、生成部64は、悪化情報をデータに含ませる。その後、前述のごとく、スロット決定部68において特定したスロットや、スロット決定部68において決定した送信タイミングにて、生成部64は、変復調部54、RF部52、アンテナ50を介してデータをブロードキャスト送信する。なお、特定されたタイミングが、第1報知タイミングや第2報知タイミングである場合、生成部64は、エリア200に進入するまで、悪化情報が含まれたデータのブロードキャスト送信を待機してもよい。
特定部84がタイミングを特定した場合であっても、悪化情報が含まれたデータをブロードキャスト送信するまでの期間が長くなることもある。電波環境の悪化が検出されてから悪化情報が報知されるまでの期間が長くなると、電波環境の変動によって悪化情報の信頼性が低くなる。これに対応するために、生成部64は、次のような処理を実行する。生成部64は、悪化情報が含まれたデータを生成するとともに、タイマを開始することによって、当該データを生成してからの期間を測定する。また、生成部64は、特定部84での一定期間とは別に、予め一定期間を定めており、一定期間を経過したタイミングに、悪化情報のブロードキャスト送信の中止を決定する(以下、このように決定されるタイミングを「第1中止タイミング」という)。
また、生成部64は、悪化情報の報知中止タイミングを別の方法によって決定してもよい。生成部64は、悪化情報が含まれたデータを生成するとともに、そのときの存在位置を取得部62から取得する。その後、生成部64は、定期的に取得部62から存在位置を受けつけることによって、悪化情報が含まれたデータを生成した位置からの距離を導出する。また、生成部64は、特定部84での一定距離とは別に、予め一定距離を定めており、一定距離移動したタイミングに、悪化情報のブロードキャスト送信の中止を決定する(以下、このように決定されるタイミングを「第2中止タイミング」という)。
生成部64は、悪化情報の報知中止タイミングをさらに別の方法によって決定してもよい。生成部64は、悪化情報が含まれたデータを生成した後、制御情報抽出部66において抽出された制御情報を受けつける。生成部64は、新たなアクセス制御装置10からの制御情報を、予め定めた数だけ受信したタイミングに、悪化情報のブロードキャスト送信の中止を決定する(以下、このように決定されるタイミングを「第3中止タイミング」という)。
通知部70は、各スロットや所定のタイミングにおいて、図示しない他の端末装置14からのデータを取得し、データの内容に応じて、図示しない他の車両12の接近等を運転者へモニタやスピーカを介して通知する。ここで、制御情報の中に悪化情報が含まれていた場合、通知部70はその旨を通知する。例えば、通知部70は、「○○のあたりで電波環境が悪化」などの注意を促す文字を表示する。このような情報を通知された運転手は、データが正常に通知されなくなる可能性を認識できる。また、生成部64等は、悪化情報にて示された位置に近づくと、データの送信頻度を低くしてもよい。制御部58は、端末装置14全体の動作を制御する。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図6は、通信システム100の動作概要を示す。図の横方向が時間に相当しており、図の縦方向に第1アクセス制御装置10aから第3アクセス制御装置10cが示されている。また、図6では、図3(b)での制御領域220のみを示している。前述のごとく、ここでは、制御領域220に5つの制御スロットが配置されているとしている。図中の「制」は、制御情報に相当する。第1アクセス制御装置10aは、先頭の制御スロットを使用し、第2アクセス制御装置10bは、5番目の制御スロットを使用し、第3アクセス制御装置10cは、3番目の制御スロットを使用する。その結果、各アクセス制御装置10からブロードキャスト送信される制御情報間の干渉が低減される。
図7は、アクセス制御装置10による制御情報の報知手順を示すフローチャートである。フレーム生成部160は、フレームを生成する(S100)。悪化情報が存在すれば(S102のY)、処理部156は、悪化情報を制御情報に含める(S104)。悪化情報が存在しなければ(S102のN)、ステップ104はスキップされる。処理部156、変復調部154、RF部152、アンテナ150は、制御情報を報知する(S106)。
図8は、端末装置14によるデータの報知手順を示すフローチャートである。制御情報抽出部66は、制御情報を受信し(S120)、フレームを生成した(S122)後に、スロット決定部68は、スロットを特定する(S124)。悪化情報があれば(S126のY)、生成部64は、悪化情報が含まれたデータを生成する(S128)。一方、悪化情報がなければ(S126のN)、生成部64は、悪化情報が含まれていないデータを生成する(S130)。処理部56、変復調部54、RF部52、アンテナ50は、データを報知する(S132)。
図9は、端末装置14による悪化情報の記憶手順を示すフローチャートである。測定部82が測定した受信電力が電力用しきい値より大きく、かつ測定部82が測定した品質が品質用しきい値より悪化している場合(S150のY)、記憶制御部80は、悪化情報を記憶部86に記憶させる(S156)。測定部82が測定した受信電力が電力用しきい値より大きくない場合、測定部82が測定した品質が品質用しきい値より悪化していない場合の少なく一方に該当するとき(S150のN)、測定部82が悪化情報を受けつければ(S152のY)、記憶制御部80は、悪化情報を記憶部86に記憶させる(S156)。測定部82が悪化情報を受けつけない場合(S152のN)、測定部82において測定した送信失敗期間が期間用しきい値よりも大きければ(S154のY)、記憶制御部80は、悪化情報を記憶部86に記憶させる(S156)。測定部82において測定した送信失敗期間が期間用しきい値よりも大きくない場合(S154のN)、処理は終了される。
図10は、端末装置14による悪化情報の管理手順を示すフローチャートである。これは、前述の第1報知タイミングと第1中止タイミングが適用される場合に相当する。特定部84は、悪化情報を記憶してから一定期間経過していなければ(S170のN)、待機する。一方、特定部84は、悪化情報を記憶してから一定期間経過していれば(S170のY)、生成部64に対して悪化情報をデータに含めさせる(S172)。処理部56等がデータを送信すれば(S174のY)、処理は終了される。処理部56等は、データを送信せず(S174のN)、悪化情報をデータに含めてから一定期間経過していなければ(S176のN)、ステップ174へ戻る。悪化情報をデータに含めてから一定期間経過していれば(S176のY)、処理は終了される。
図11は、端末装置14による悪化情報の別の管理手順を示すフローチャートである。これは、前述の第2報知タイミングと第2中止タイミングが適用される場合に相当する。特定部84は、悪化情報を記憶してから一定距離移動していなければ(S190のN)、待機する。一方、特定部84は、悪化情報を記憶してから一定距離移動していれば(S190のY)、生成部64に対して悪化情報をデータに含めさせる(S192)。処理部56等がデータを送信すれば(S194のY)、処理は終了される。処理部56等は、データを送信せず(S194のN)、悪化情報をデータに含めてから一定距離移動していなければ(S196のN)、ステップ194へ戻る。悪化情報をデータに含めてから一定距離移動していれば(S196のY)、処理は終了される。
図12は、端末装置14による悪化情報のさらに別の管理手順を示すフローチャートである。これは、前述の第3報知タイミングと第3中止タイミングが適用される場合に相当する。特定部84は、悪化情報を記憶してから新たなアクセス制御装置10からの制御情報を受信していなければ(S210のN)、待機する。一方、特定部84は、悪化情報を記憶してから新たなアクセス制御装置10からの制御情報を受信していれば(S210のY)、生成部64に対して悪化情報をデータに含めさせる(S212)。処理部56等がデータを送信すれば(S214のY)、処理は終了される。処理部56等は、データを送信せず(S214のN)、悪化情報をデータに含めてから一定数のアクセス制御装置10からの制御情報を受信していなければ(S216のN)、ステップ214へ戻る。悪化情報をデータに含めてから一定数のアクセス制御装置10からの制御情報を受信していれば(S216のY)、処理は終了される。
次に、本発明の変形例を説明する。変形例は、実施例と同様に、アクセス制御装置10と端末装置14とを含む通信システム100である。実施例において、アクセス制御装置10は、フレームのタイミングや悪化情報を制御情報にて報知している。一方、変形例において、データの衝突確率のさらなる低減を実現するために、アクセス制御装置10は、さらに別の情報を制御情報に含めて報知する。アクセス制御装置10は、各スロットでの受信電力を測定することによって、複数の端末装置間の通信に使用されてないスロット(以下、「空きスロット」という)を特定する。なお、空きスロットは、制御スロット以外のスロットを対象とする。アクセス制御装置10は、各スロットにおいて、複数の端末装置から送信されたパケット信号が衝突しているかも測定することによって、衝突が発生しているスロット(以下、「衝突スロット」という)を特定する。なお、衝突スロットも、制御スロット以外のスロットを対象とする。
また、アクセス制御装置10は、特定した空きスロットや衝突スロットに関する情報も制御情報に含める。端末装置14は、制御情報をもとに空きスロットを推定し、空きスロットの中からひとつのスロットをランダムに選択する。さらに、端末装置14は、選択したスロットにおいて、データをブロードキャスト送信する。変形例に係る通信システム100、端末装置14は、図1、図5とそれぞれ同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図13は、本発明の変形例に係るアクセス制御装置10の構成を示す。アクセス制御装置10は、アンテナ20、RF部22、変復調部24、処理部26、GPS測位部28、制御部30を含む。また、処理部26は、検出部32、フレーム規定部34、生成部36、選択部110、抽出部164、挿入部166を含み、検出部32は、電力測定部38、品質測定部40、空きスロット特定部42、衝突スロット特定部44を含む。アンテナ20、RF部22、変復調部24、GPS測位部28、制御部30、フレーム規定部34、抽出部164、挿入部166は、図2のアンテナ150、RF部152、変復調部154、GPS測位部158、制御部162、フレーム生成部160、抽出部164、挿入部166にそれぞれ対応するので、ここではこれらの説明を省略する。特に、悪化情報の受信および報知については、説明を省略する。
選択部110は、制御領域220における複数の制御スロットのそれぞれに対して、キャリアセンスを実行し、キャリアセンスの結果をもとに、ひとつの制御スロットを選択する。選択部110の処理は、図2の処理部156においてなされる処理と同様であるので、ここでは説明を省略する。選択部110は、選択した制御スロットに関する情報を生成部36へ出力する。
電力測定部38は、RF部22あるいは変復調部24から、受信信号を受けつけ、受信電力を測定する。ここで、受信電力はスロット単位に測定される。また、スロットは、制御スロット以外のスロットに相当する。そのため、電力測定部38では、複数のスロットのそれぞれに対する受信電力が測定される。電力測定部38は、スロット単位の受信電力を空きスロット特定部42および衝突スロット特定部44へ出力する。品質測定部40は、変復調部24からの復調結果を受けつけ、複数のスロットのそれぞれに対する信号品質を測定する。ここでは、信号品質として誤り率が測定される。また、スロットは、制御スロット以外のスロットに相当する。なお、誤り率の測定には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。また、信号品質として、誤り率の代わりに、EVM(Error Vector Magnitude)等が測定されてもよい。品質測定部40は、誤り率を衝突スロット特定部44へ出力する。
空きスロット特定部42は、電力測定部38から、スロット単位の受信電力を受けつける。空きスロット特定部42は、各受信電力としきい値(以下、「空きスロット用しきい値」という)を比較し、受信電力が空きスロット用しきい値よりも小さくなっているスロットを特定する。つまり、空きスロット特定部42は、制御領域220以外における複数のスロットの中から、複数の端末装置間の通信に使用可能なスロットを空きスロットとして検出する。ここで、空きスロットが複数存在する場合、空きスロット特定部42は、それらを特定する。空きスロット特定部42は、特定した空きスロットに関する情報を生成部36へ出力する。
衝突スロット特定部44は、電力測定部38から、スロット単位の受信電力を受けつけ、品質測定部40から、スロット単位の誤り率を受けつける。また、衝突スロット特定部44は、スロット単位に、受信電力と誤り率とを関連づける。衝突スロット特定部44は、スロット単位に、受信電力と第1しきい値とを比較するとともに、誤り率と第2しきい値とを比較する。衝突スロット特定部44は、受信電力が第1しきい値よりも大きく、かつ誤り率が第2しきい値より悪化しているスロットを衝突スロットとして特定する。つまり、衝突スロット特定部44は、受信電力が大きいものの通信品質が悪化しているスロットを衝突スロットとして認定する。このように、衝突スロット特定部44は、複数の端末装置が信号を重複して送信したことによって衝突が発生したスロットを衝突スロットとして検出する。衝突スロット特定部44は、特定した衝突スロットに関する情報を生成部36へ出力する。
生成部36は、空きスロット特定部42から、空きスロットに関する情報を受けつけるとともに、衝突スロット特定部44から、衝突スロットに関する情報を受けつける。生成部36は、空きスロットに関する情報と衝突スロットに関する情報を含めながら、制御情報を生成する。ここで、フレームに含まれた複数のスロットのそれぞれには、前から順番に「1」、「2」となるような番号(以下、「スロット番号」という)が付与されている。生成部36は、空きスロットに関する情報として、以前のフレームに含まれた空きスロットのスロット番号を制御情報に含める。さらに、生成部36は、悪化情報を受けつけると、これも制御情報に格納する。また、生成部36は、フレーム規定部34からフレームやスロットに関する情報を受けつける。生成部36は、いずれかの制御スロットへ定期的に制御情報を割り当てる。生成部36は、割り当てた制御スロットにて、変復調部24へ制御情報を出力する。
実施例において、端末装置14のスロット決定部68は、キャリアセンスの結果をもとに、空きスロットを推定している。一方、変形例において、スロット決定部68は、制御情報に含まれた空きスロットに関する情報や衝突スロットに関する情報をもとに、空きスロットを推定する。ここでは、変形例に係る端末装置14での処理を説明する。
制御情報抽出部66は、変復調部54からの制御情報を受けつける。制御情報抽出部66は、制御情報から、空きスロットに関する情報、衝突スロットに関する情報を取得する。制御情報抽出部66は、空きスロットに関する情報および衝突スロットに関する情報をスロット決定部68へ出力する。スロット決定部68は、制御情報抽出部66から、空きスロットに関する情報および衝突スロットに関する情報を受けつける。スロット決定部68は、空きスロットに関する情報をもとに、フレーム中の制御領域220以外のスロットから、空きスロットを選択する。
このような処理の継続中も、制御情報抽出部66は、フレームごとに制御情報から、空きスロットに関する情報および衝突スロットに関する情報を取得し続ける。スロット決定部68は、衝突スロットに関する情報をもとに、現在使用しているスロットに対応したスロット番号が衝突スロットとされていないかを確認する。衝突スロットとされていなければ、スロット決定部68は、これまでと同一のスロット番号を生成部64へ出力し続ける。一方、衝突スロットとされていれば、スロット決定部68は、空きスロットに関する情報をもとに、空きスロットを再び推定する。つまり、スロット決定部68は、これまでの処理を繰り返し実行する。
なお、制御情報抽出部66において受けつけた制御情報に、空きスロットに関する情報が含まれていなければ、スロット決定部68は、実施例の動作を実行すればよい。これは、図13のアクセス制御装置10からの制御情報ではなく、図2のアクセス制御装置10からの制御情報が報知されている場合に相当する。その際、スロット決定部68は、制御情報抽出部66において生成したフレームに含まれた複数のスロットのそれぞれにおいて、キャリアセンスを実行する。スロット決定部68は、制御情報抽出部66が空きスロットに関する情報を受けつけない場合に、キャリアセンスの実行結果をもとに、空きスロットを推定する。
図14は、本発明の変形例に係る通信システム100の動作概要を示す。図の横方向が時間に相当しており、最上段に記載しているように、第iフレームから第i+2フレームまでの3つのフレームが示されている。また、説明を明瞭にするために、ひとつのフレームに含まれる制御スロットをひとつにするとともに、ひとつのフレームに15個のスロットが含まれているとする。アクセス制御装置10は、図示のごとく、各フレームの先頭のスロットにて、制御情報を報知する。図中の「制」は、制御情報に相当する。また、その下段には、制御情報に含まれている空きスロットに関する情報と衝突スロットに関する情報が、スロットに対応づけられながら示されている。図中の「空」は、空きスロットに相当し、「衝」は、衝突スロットに相当する。
さらに下段には、第1端末装置14aから第4端末装置14dがデータを報知するタイミングが示されている。図中の「デ」は、データに相当する。第1端末装置14aから第4端末装置14dは、制御情報を参照し、空きスロットをそれぞれ選択する。第iフレームにおいて、第1端末装置14aから第4端末装置14dは、選択した空きスロットにてデータを報知する。その際、第3端末装置14cと第4端末装置14dにおいて選択された空きスロットが同一であるので、両者から報知されたデータが衝突している。アクセス制御装置10は、当該スロットでの衝突の発生を検出する。第i+1フレームにおいて、アクセス制御装置10から報知される制御情報には、衝突スロットに関する情報として、衝突が発生したスロットが示されている。
第1端末装置14aおよび第2端末装置14bは、既に使用したスロットにおいて衝突が発生していないので、同一のスロット番号のスロットを再び使用する。一方、第3端末装置14cおよび第4端末装置14dは、既に使用したスロットにおいて衝突が発生しているので、別の空きスロットを再び選択する。第3端末装置14cおよび第4端末装置14dは、選択した空きスロットにてデータを報知する。すべてのデータが衝突していないので、第i+2フレームにおいて、アクセス制御装置10から報知される制御情報には、衝突スロットが示されていない。そのため、第i+2フレームにおいて、第1端末装置14aから第4端末装置14dは、既に使用したスロットと同一のスロット番号のスロットを再び使用する。
図15は、アクセス制御装置10における空きスロットの通知手順を示すフローチャートである。検出部32は、スロット番号mをsに設定する(S10)。電力測定部38は、受信電力を測定する(S12)。空きスロット特定部42は、受信電力が空きスロット用しきい値よりも小さければ(S14のY)、スロット番号mのスロットを空きスロットと特定する(S16)。空きスロット特定部42は、受信電力が空きスロット用しきい値よりも小さくなければ(S14のN)、ステップ16の処理をスキップする。スロット番号mが最大数Mでなければ(S18のN)、検出部32は、スロット番号mに1を加算して(S20)、ステップ12に戻る。一方、スロット番号mが最大数Mであれば(S18のY)、生成部36は、空きスロットのスロット番号を制御情報に含める(S22)。変復調部24、RF部22は、制御情報を報知する(S24)。
図16は、アクセス制御装置10における衝突スロットの通知手順を示すフローチャートである。検出部32は、スロット番号mをsに設定する(S40)。電力測定部38は、受信電力を測定し、品質測定部40は、誤り率を測定する(S42)。衝突スロット特定部44は、受信電力が第1しきい値より大きく、かつ誤り率が第2しきい値よりも大きければ(S44のY)、スロット番号mのスロットを衝突スロットと特定する(S46)。衝突スロット特定部44は、受信電力が第1しきい値より大きくなく、あるいは誤り率が第2しきい値よりも大きくなければ(S44のN)、ステップ46の処理をスキップする。スロット番号mが最大数Mでなければ(S48のN)、検出部32は、スロット番号mに1を加算して(S50)、ステップ42に戻る。一方、スロット番号mが最大数Mであれば(S48のY)、生成部36は、衝突スロットのスロット番号を制御情報に含める(S52)。変復調部24、RF部22は、制御情報を報知する(S54)。
図17は、本発明の変形例に係る端末装置14におけるデータの送信手順を示すフローチャートである。制御情報抽出部66は、制御情報を取得する(S70)。使用すべきスロットが既に特定されていれば(S72のY)、スロット決定部68は、当該スロットに衝突が発生していないかを確認する。衝突が発生していれば(S74のY)、スロット決定部68は、スロットを変更する(S76)。衝突が発生していなければ(S74のN)、ステップ76はスキップされる。一方、使用すべきスロットが既に特定されていなければ(S72のN)、スロット決定部68は、空きスロットを推定した後に、空きスロットをランダムに特定する(S78)。生成部64は、特定したスロットにて、データを送信する(S80)。
本発明の実施例によれば、電波環境が悪化している場合に位置情報を記憶し、報知すべきタイミングに位置情報を悪化情報として報知するので、電波環境が悪化しているエリアの位置情報を通知できる。また、悪化情報を記憶してからすぐに悪化情報を報知しないので、電波環境の悪化によって悪化情報の伝送が失敗する可能性を低減できる。また、悪化情報を記憶してから一定期間経過後に悪化情報を報知するので、悪化情報を通知できる可能性を向上できる。また、悪化情報を記憶してから一定距離移動後に悪化情報を報知するので、悪化情報を通知できる可能性を向上できる。また、悪化情報を記憶してから、新たなアクセス制御装置のエリアへ移動後に悪化情報を報知するので、悪化情報を通知できる可能性を向上できる。また、新たなアクセス制御装置のエリアへ移動後に悪化情報を報知するので、アクセス制御装置へ悪化情報を通知できる。また、エリア外において電波環境の悪化を検出した場合でも、悪化情報をアクセス制御装置へ通知するので、アクセス制御装置のエリア外における通信を制御できる。
また、アクセス制御装置は、悪化情報を受けつけると、悪化情報が含まれた制御情報を報知するので、電波環境が悪化したエリアへ進入してくる端末装置に対して悪化情報を通知できる。また、電波環境が悪化したエリアへ進入する前に悪化情報を受信するので、電波環境が悪化したエリアへの進入を予想できる。また、電波環境が悪化したエリアへの進入を通知するので電波環境が悪化したエリアへの進入を運転手に知らしめることができる。また、悪化情報が含まれたデータを生成してから一定期間経過してもデータを送信していなければ、当該データを破棄するので、悪化情報の信頼性の低下を抑制できる。また、悪化情報が含まれたデータを生成してから一定距離移動してもデータを送信していなければ、当該データを破棄するので、悪化情報の信頼性の低下を抑制できる。また、悪化情報が含まれたデータを生成してから、所定数のアクセス制御装置のエリアへ進入してもデータを送信していなければ、当該データを破棄するので、悪化情報の信頼性の低下を抑制できる。
アクセス制御装置からの制御情報にしたがって生成したスロットにてデータを報知するので、複数の端末装置間の同期を確立できる。また、複数の端末装置間の同期が確立されるので、データの衝突確率を低減できる。また、スロット内にてデータを報知するので、複数のデータの一部が重なって衝突するような状況の発生を低減できる。また、スロット内にてデータを報知するので、フレームの利用効率を向上できる。また、空きスロットを推定し、空きスロットのうちのいずれかを選択するので、通信量が増加した場合であってもパケット信号の衝突確率を低減できる。また、キャリアセンスの結果をもとに空きスロットを推定するので、端末装置の周囲の状況に応じた空きスロットを推定できる。
また、制御情報をもとに空きスロットを推定するので、アクセス制御装置の周囲の状況に応じた空きスロットを推定できる。また、空きスロットに関する情報が制御情報に含まれていなければ、キャリアセンスを実行するので、さまざまなアクセス制御装置に応じた処理を実行できる。また、制御情報のうち、識別キャリアは、データに使用させず、残りのサブキャリアは、データにも使用されるので、制御情報とデータとが衝突しても制御情報の信号成分を観測させることによって、制御情報の存在を検知させることができる。また、識別キャリアとそれ以外のサブキャリアとの間にガードバンドが設けられるので、両者の間の干渉を低減でき、識別キャリアで伝送している情報の到達確率を向上できる。また、識別キャリアに、重要な情報を配置するので、重要な情報の到達確率を向上できる。また、識別キャリアにUWを配置するので、識別キャリアの検出精度を向上できる。
また、フレームに含まれた複数のスロットのうち、制御領域が制御スロットのために確保されているので、制御情報とデータとの干渉を低減できる。また、制御領域に複数の制御スロットが配置されているので、複数のアクセス制御装置からの制御情報間の干渉を低減できる。また、干渉が低減されるので、制御情報の品質の悪化を抑制できる。また、制御情報の品質の悪化が抑制されるので、制御情報の内容を正確に伝送できる。また、複数の制御情報間の干渉が低減されるので、複数のアクセス制御装置を配置できる。また、複数のアクセス制御装置が配置されるので、各交差点でのパケット信号の衝突確率を低減できる。また、他のアクセス制御装置に使用されていない制御スロットを推定するので、複数の制御情報間の干渉を低減できる。
また、複数のスロットの中から、複数の端末装置間の通信に使用可能なスロットを報知するので、複数の端末装置間の通信における衝突の発生確率を低減できる。また、複数の端末装置間の通信における衝突の発生確率が低減されるので、通信量が増加した場合であってもパケット信号の衝突確率を低減できる。また、複数のスロットのそれぞれに対する受信電力をもとに、空きスロットを特定するので、特定を簡易に実行できる。また、以前のフレームに含まれた空きスロットの番号を報知するので、端末装置への指示を確実に実行できる。また、空きスロットを使用している端末装置は、複数のフレームにわたって、当該スロットに対応したスロットを使用するので、処理を簡易にできる。また、アクセス制御装置は、端末装置間のデータ通信に参加せず、空きスロットに関する指標を通知するだけなので、CSMA/CAを前提とした通信システムにも容易に適用できる。
また、複数のスロットの中から、複数の端末装置が信号を重複して送信したことによって衝突が発生したスロットを報知するので、複数の端末装置間の通信における衝突の発生確率を低減できる。また、複数のスロットのそれぞれに対する受信電力と、複数のスロットのそれぞれに対する信号品質とをもとに、衝突スロットを特定するので、特定を簡易に実行できる。また、以前のフレームに含まれた衝突スロットの番号を報知するので、端末装置への指示を確実に実行できる。また、アクセス制御装置は、端末装置間のデータ通信に参加せず、衝突スロットに関する指標を通知するだけなので、CSMA/CAを前提とした通信システムにも容易に適用できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、フレーム生成部160は、複数のスロットにて形成されたフレームが規定される。しかしながらこれに限らず例えば、フレーム生成部160は、フレームに複数のスロット以外の期間を設けてもよい。具体的には、フレームの一部の期間に複数のスロットが配置され、残りの期間では、複数の端末装置14間においてCSMA/CAがなされてもよい。その際、アクセス制御装置は、CSMA/CAの期間では、空きスロットや衝突スロットの検出を実行しない。本変形例によれば、端末装置14は、スロットによる通信とCSMA/CAによる通信を選択できるので、通信の自由度を向上できる。つまり、フレームは、複数のスロットを少なくとも含んでいればよい。
本発明の実施例において、アクセス制御装置10から報知される制御情報や、ひとつの端末装置14から報知されるデータは、ひとつのスロットに割り当てられている。しかしながらこれに限らず例えば、制御情報やデータが、ふたつ以上のスロットに割り当てられていてもよい。本変形例によれば、制御情報やデータの通信速度を向上できる。
本発明の実施例において、識別キャリアは、ふたつのサブキャリアに相当する。また、識別キャリアは、OFDMシンボルの中央周波数付近のサブキャリアに配置されている。しかしながらこれに限らず例えば、識別キャリアは、ふたつ以上のサブキャリアに相当してもよく、識別キャリアは、OFDMシンボルの中央周波数付近以外のサブキャリアに配置されていてもよい。その際、識別キャリアに、空きスロットに関する情報や衝突スロットに関する情報を含めてもよい。本変形例によれば、通信システム100の設計の自由度を向上できる。
本発明の実施例において、第1報知タイミングと第1中止タイミングとが組み合わされ、第2報知タイミングと第2中止タイミングとが組み合わされ、第3報知タイミングと第3中止タイミングとが組み合わされている。しかしながらこれに限らず例えば、報知タイミングと中止タイミングとが任意に組み合わされてもよい。本変形例によれば、通信システム100の設計の自由度を向上できる。
10 アクセス制御装置、 14 端末装置、 50 アンテナ、 52 RF部、 54 変復調部、 56 処理部、 58 制御部、 60 タイミング特定部、 62 取得部、 64 生成部、 66 制御情報抽出部、 68 スロット決定部、 70 通知部、 80 記憶制御部、 82 測定部、 84 特定部、 86 記憶部、 100 通信システム、 150 アンテナ、 152 RF部、 154 変復調部、 156 処理部、 158 GPS測位部、 160 フレーム生成部、 162 制御部、 164 抽出部、 166 挿入部。
Claims (5)
- 測位した存在位置が含まれた信号を報知するとともに、他の無線装置の存在位置が含まれた信号を当該他の無線装置から受信する通信部と、
前記通信部における電波環境を測定する測定部と、
前記測定部において測定した電波環境が悪化している場合に、測位した存在位置を記憶媒体に記憶させる記憶制御部と、
前記記憶制御部において記憶媒体に記憶させた存在位置を報知すべきタイミングを特定する特定部とを備え、
前記通信部は、前記特定部において特定したタイミングにおいて、前記記憶制御部において記憶媒体に記憶させた存在位置が含まれた信号を報知することを特徴とする無線装置。 - 前記特定部は、報知すべきタイミングとして、前記記憶制御部が存在位置を記憶媒体に記憶させたタイミングから一定期間経過したタイミングを特定することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
- 前記特定部は、報知すべきタイミングとして、前記記憶制御部が存在位置を記憶媒体に記憶させたタイミングから一定距離移動したタイミングを特定することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
- 前記通信部は、無線装置間の通信を制御するためのアクセス制御装置から、無線装置が信号を報知する際に同期すべきタイミングに関するタイミング情報を受信し、当該タイミング情報をもとにしたタイミングにて信号を報知し、
前記特定部は、報知すべきタイミングとして、新たなアクセス制御装置からのタイミング情報を受信したタイミングを特定することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。 - 無線装置間の通信を制御するために、無線装置が信号を報知する際に同期すべきタイミングに関するタイミング情報を生成する処理部と、
前記処理部において生成したタイミング情報を報知する報知部と、
前記報知部において報知したタイミング情報にしたがって無線装置から報知された信号を受信する受信部と、
前記受信部において受信した信号の中に、電波環境が悪化している位置に関する位置情報が含まれている場合に、当該位置情報を抽出する抽出部とを備え、
前記報知部は、前記抽出部において抽出した位置情報も報知することを特徴とするアクセス制御装置。
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