JP2010177582A - 光電変換装置の製造方法と光電変換装置、及び光電変換装置の製造システム - Google Patents

光電変換装置の製造方法と光電変換装置、及び光電変換装置の製造システム Download PDF

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Hiroto Uchida
寛人 内田
Tetsushi Fujinaga
徹志 藤長
Masafumi Wakai
雅文 若井
Tadamasa Kobayashi
忠正 小林
Yoshinobu Shoku
喜信 植
Kyuzo Nakamura
久三 中村
Shin Asari
伸 浅利
Kazuya Saito
斎藤  一也
Koichi Matsumoto
浩一 松本
Yasuo Shimizu
康男 清水
Katsuhiko Mori
勝彦 森
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Abstract

【課題】処理枚数が増えた場合であっても特性を劣化させずに、良好な性能を有する光電変換装置を安定して製造でき、生産コスト及び効率を改善可能な光電変換装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、p層、i層、n層を積層したpin型の第一光電変換ユニットと第二光電変換ユニットとを、透明導電膜に順に重ねて設けてなる光電変換装置の製造方法であり、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成し(第一ステップ)、第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させ(第二ステップ)、大気中に露呈された第二光電変換ユニットのp層上に、第二光電変換ユニットを構成するi層、n層を同一のプラズマCVD反応室内で形成し(第三ステップ)、第二光電変換ユニットのn層上に、i層を第三ステップと同一のプラズマCVD反応室内で形成する(第四ステップ)ことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、光電変換装置の製造方法と光電変換装置、及び光電変換装置の製造システムに係り、詳しくは、処理枚数が増えた場合であっても特性を劣化させずに、良好な性能を有する光電変換装置を安定して製造することができ、生産コスト及び効率を改善し得る技術に関する。
近年、光電変換装置は、太陽電池や光センサなどに一般的に利用されており、とりわけ太陽電池においては、エネルギーの効率的な利用の観点から広く普及を始めている。特に、単結晶シリコンを利用した光電変換装置は、単位面積当たりのエネルギー変換効率に優れている。しかし一方で単結晶シリコンを利用した光電変換装置は、単結晶シリコンインゴットをスライスしたシリコンウエハを用いるため、インゴットの製造に大量のエネルギーが費やされ、製造コストが高くなってしまう。たとえば、太陽電池として屋外などに設置される大面積の光電変換装置を、単結晶シリコンを利用して実現しようとすると相当にコストが掛かるのが現状である。そこで、より安価に製造可能なアモルファス(非晶質)シリコン薄膜(以下、「a−Si薄膜」とも表記する)を利用した光電変換装置が、ローコストな光電変換装置として普及している。
ところが、このアモルファス(非晶質)シリコン薄膜を利用した光電変換装置は、単結晶シリコンや多結晶シリコン等を利用した結晶型の光電変換装置に比べて変換効率が低いものである。そこで、光電変換装置の変換効率を向上させる方法として、2つの光電変換ユニットを積層してタンデム型にする方法が提案されている。たとえば、図5に示すように、透明導電膜102が配された絶縁性の透明基板101を用い、この透明導電膜102上に、p型半導体層131、i型シリコン層(非晶質シリコン層)132、n型半導体層133、を順次積層したpin型の第一光電変換ユニット103と、p型半導体層141、i型シリコン層(結晶質シリコン層)142、n型半導体層143、を順次積層したpin型の第二光電変換ユニット104とを、順に重ねて設け、さらに、第二光電変換ユニット104の上に、裏面電極105を配してなるタンデム型の光電変換装置100が知られている。
このようなタンデム型の光電変換装置は、たとえば、非晶質型の光電変換ユニット(第一光電変換ユニット)を構成するp型半導体層とi型の非晶質シリコン系光電変換層とn型半導体層とは各々別々のプラズマCVD反応室内で成膜され、結晶質型の光電変換ユニット(第二光電変換ユニット)を構成するp型半導体層とi型の結晶質シリコン系光電変換層とn型半導体層とは各々同一のプラズマCVD反応室内で成膜される製法が知られている(特許文献1を参照)。
このタンデム型の光電変換装置100は、図6(a)に示すように、まず、透明導電膜102が成膜された絶縁性透明基板101を準備する。次いで、図6(b)に示すように、絶縁性透明基板101の上に成膜された透明導電膜102上に、p型半導体層131、i型シリコン層(非晶質シリコン層)132、n型半導体層133、を各々別々のプラズマCVD反応室内で形成して順次積層したpin型の第一光電変換ユニット103を設ける。引き続き、第一光電変換ユニット103のn型半導体層133を大気中に露呈させて移動した後、図6(c)に示すように、大気中に露呈された第一光電変換ユニット103のn型半導体層133上に、p型半導体層141、i型シリコン層(結晶質シリコン層)142、n型半導体層143、を同一のプラズマCVD反応室内で形成して順次積層したpin型の第二光電変換ユニット104を設ける。そして、第二光電変換ユニット104のn型半導体層143上に、裏面電極105を形成することにより、図5に示すような光電変換装置100とする。
上記構成からなるタンデム型の光電変換装置100は、従来、以下の製造システムによって製造されている。
この製造システムは、第一光電変換ユニット103における各層をそれぞれ別々に形成するチャンバと呼ばれる成膜反応室を複数、直線状(線形)に連結して配置した、いわゆるインライン型の第一成膜装置によって第一光電変換ユニット103を設けた後、第二光電変換ユニット104における各層を同一の成膜反応室で形成する、いわゆるバッチ型の第二成膜装置によって第二光電変換ユニット104を設けるものである。具体的には、たとえば図7に示すように、最初に基板を搬入し減圧雰囲気下とする仕込(L:Lord)室161が配置され、引き続き第一光電変換ユニット103のp型半導体層131を形成するP層成膜反応室162、同i型シリコン層(非晶質シリコン層)132を形成するi層成膜反応室163、同n型半導体層133を形成するn層成膜反応室164、減圧状態を大気雰囲気に戻し基板を搬出する取出(UL:Unlord)室166が連続して直線状に配置された第一成膜装置と、この第一成膜装置で処理された基板を大気に曝して移動した後、再び、基板を搬入して減圧雰囲気下としたり、あるいは減圧下にある基板を大気雰囲気として基板を搬出するための仕込・取出(L/UL)室171を介して、第一光電変換ユニット103のn型半導体層133上に、第二光電変換ユニット104のp型半導体層141、i型シリコン層(結晶質シリコン層)142、n型半導体層143、を同一の反応室内で順次形成する、複数の基板を同時に処理することが可能なPin層成膜反応室172が配置された第二成膜装置と、から構成されるものである。
この際、図7のG地点において、図6(a)に示すように、透明導電膜102が成膜された絶縁性透明基板101が準備される。また、図7中H地点において、図6(b)に示すように、絶縁性透明基板101の上に成膜された透明導電膜102上に、第一光電変換ユニット103が設けられた光電変換装置第一中間品100aが形成される。そして、図7中i地点において、図6(c)に示すように、第一光電変換ユニット103上に、第二光電変換ユニット104が設けられた光電変換装置第二中間品100bが形成される。
図7において、インライン型の第一成膜装置は、2つの基板が同時に処理されるように示され、i層成膜反応室163は4つの反応室163a〜163dにより構成されたものとして示されている。また、図7において、バッチ型の第二成膜装置は、6つの基板が同時に処理されるように示されている。
このような従来の製造方法において、非晶質光電変換層はi層で2000〜3000Å程度の膜厚で構成できることから個別の成膜室構成で生産可能であり、個別の成膜室を使用することからp層不純物のi層への拡散や、残留不純物のp、n層への混入による接合の乱れを生ずることなく良好なpinの不純物プロファイルを得ることができる。
一方、結晶質光電変換層のi層の膜厚は15000〜25000Åと非晶質光電変換層に比して一桁厚い膜厚が要求されることから、生産性を上げるためにはバッチ式の成膜室内に複数枚の基板を並べ同時処理することが有利である。
しかしながら、この結晶質光電変換層のバッチ式の成膜においては、同一の反応室内において処理するゆえに、p層不純物のi層への拡散や、残留不純物のp、n層への混入による接合の乱れが問題となる。
また、薄膜光電変換装置の製造方法において、結晶質光電変換層のp層、i層、n層、特にi層の結晶化率分布のコントロールが大面積基板への成膜に要求されるが、非晶質光電変換層(第一光電変換ユニット)を構成するn層の上に結晶質光電変換層(第二光電変換ユニット)のp層、i層、n層を形成する従来の製造方法では、第一光電変換ユニットの形成後、第二光電変換ユニットを形成するまでの放置時間や放置雰囲気により、結晶化率分布のバラツキが生じる問題があった。
また、従来の薄膜光電変換装置の製造方法において、第一光電変換ユニットを形成した後に、前記第一光電変換ユニットを構成するn層を大気中に露呈させ、その後、前記大気中に露呈された第一光電変換ユニットのn層上に、前記第二光電変換ユニットを形成した場合に、得られるタンデム型薄膜光電変換装置の特性が、第一光電変換ユニットを大気中に露呈させることなく全層を連続的に形成した場合に比べて低下してしまう問題があった。
さらに、大気中に露呈された第一光電変換ユニット上に、第二光電変換ユニットを構成するi層、n層を同一のプラズマCVD反応室内で形成する場合、処理枚数が増えるにつれ、反応室の内部に、n型不純物が付着、蓄積され、この影響により、光電変換装置の特性が、処理枚数の増加に伴い低下していってしまうという問題があった。換言すると、この問題は、先の製造バッチによって発生したn型不純物が、同一成膜室内で成膜される次の製造バッチのi層の初期成長時に混入すると、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層とi層との界面が所定の構成から外れたものとなり、所望のp層/i層という積層構造を作製することが困難となり得られる光電変換装置の特性を劣化させてしまう現象ではないかと、本発明者らは推察した。
特許第3589581号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、第二光電変換ユニットを構成するp層不純物のi層への拡散や、残留不純物のp、n層への混入による接合の乱れがなく、第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層、特にi層の結晶化率分布のバラツキが改善された光電変換装置の製造方法、特に、処理枚数が増えた場合であっても特性を劣化させずに、良好な性能を有する光電変換装置を安定して製造することができ、生産コスト及び効率を改善することが可能な光電変換装置の製造方法を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、良好な発電性能を有する光電変換装置を提供することを第二の目的とする。
また、本発明は、第二光電変換ユニットを構成するp層不純物のi層への拡散や、残留不純物のp、n層への混入による接合の乱れがなく、第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層、特にi層の結晶化率分布のバラツキが改善された光電変換装置を作製できる製造システム、特に、処理枚数が増えた場合であっても特性を劣化させずに、良好な性能を有する光電変換装置を安定して製造することができ、生産コスト及び効率を改善することが可能な光電変換装置の製造システムを提供することを第三の目的とする。
本発明の請求項1に記載の光電変換装置の製造方法は、透明導電膜付き基板を用い、p型半導体層(p層)、実質的に真性なi型半導体層(i層)、n型半導体層(n層)を積層したpin型の第一光電変換ユニットと第二光電変換ユニットとを、前記透明導電膜に順に重ねて設けてなり、前記第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層が結晶質のシリコン系薄膜からなる光電変換装置の製造方法であって、前記第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と前記第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成する第一ステップ、前記第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させる第二ステップ、及び、前記大気中に露呈された第二光電変換ユニットのp層上に、前記第二光電変換ユニットを構成するi層、n層を同一のプラズマCVD反応室内で形成する第三ステップ、前記第二光電変換ユニットのn層上に、i層を第三ステップと同一のプラズマCVD反応室内で形成する第四ステップ、を少なくとも順に備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の光電変換装置は、前記請求項1に記載の光電変換装置の製造方法により形成されたことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の光電変換装置の製造方法は、透明導電膜付き基板を用い、p型半導体層(p層)、実質的に真性なi型半導体層(i層)、n型半導体層(n層)を積層したpin型の第一光電変換ユニットと第二光電変換ユニットとを、前記透明導電膜に順に重ねて設けてなり、前記第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層が結晶質のシリコン系薄膜からなる光電変換装置の製造方法であって、前記第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と前記第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成する第一ステップ、前記第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させる第二ステップ、及び、前記大気中に露呈された第二光電変換ユニットのp層上に、前記第二光電変換ユニットを構成するi層、n層を同一のプラズマCVD反応室内で形成する第三ステップ、前記第二光電変換ユニットのn層上に、酸素を含むi層を第三ステップと同一のプラズマCVD反応室内で形成する第四ステップ、を少なくとも順に備えたことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の光電変換装置の製造方法は、請求項3において、前記第四ステップは、酸素元素を有するガスを含むプロセスガスを用いることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の光電変換装置は、前記請求項3又は4に記載の光電変換装置の製造方法により形成されたことを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の光電変換装置の製造システムは、透明導電膜付き基板を用い、p型半導体層(p層)、実質的に真性なi型半導体層(i層)、n型半導体層(n層)を積層したpin型の第一光電変換ユニットと第二光電変換ユニットとを、前記透明導電膜に順に重ねて設けてなり、かつ、前記第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層として結晶質のシリコン系薄膜を形成する光電変換装置の製造システムであって、前記第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と前記第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成する第一成膜装置、前記第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させる暴露装置、及び、前記大気中に露呈された第二光電変換ユニットのp層上に、前記第二光電変換ユニットを構成するi層、n層と、該第二光電変換ユニットのn層上に、i層とを同一のプラズマCVD反応室内で形成する第二成膜装置、を少なくとも順に配置したことを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の光電変換装置の製造システムは、透明導電膜付き基板を用い、p型半導体層(p層)、実質的に真性なi型半導体層(i層)、n型半導体層(n層)を積層したpin型の第一光電変換ユニットと第二光電変換ユニットとを、前記透明導電膜に順に重ねて設けてなり、かつ、前記第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層として結晶質のシリコン系薄膜を形成する光電変換装置の製造システムであって、前記第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と前記第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成する第一成膜装置、前記第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させる暴露装置、及び、前記大気中に露呈された第二光電変換ユニットのp層上に、前記第二光電変換ユニットを構成するi層、n層と、該第二光電変換ユニットのn層上に、酸素を含むi層とを同一のプラズマCVD反応室内で形成する第二成膜装置、を少なくとも順に配置したことを特徴とする。
本発明の光電変換装置の製造方法によれば、透明導電膜付きの基板(たとえば、ガラスや樹脂等からなる絶縁性の透明基板)上に、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成した後、この第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させ、その後、第二光電変換ユニットのp層上に、第二光電変換ユニットを構成するi層、n層、さらに、前記第二光電変換ユニットのn層上に、i層を同一のプラズマCVD反応室内で形成する。
これにより、第二光電変換ユニットのp層は、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層や、第二光電変換ユニットのi層とは別々のプラズマCVD反応室内で形成されるので、第二光電変換ユニットを構成するp層不純物のi層への拡散や、残留不純物のp、n層への混入による接合の乱れを生ずることがないものとなる。また、第二光電変換ユニットのp層が大気中に露呈されることで、p層表面にOHが付いたり、p層表面が一部酸化したりすることで結晶核が発生し、結晶質のシリコン系薄膜からなる第二光電変換ユニットのi層の結晶化率が上がるものとなり、結晶化率分布のコントロールが容易になる。
したがって、透明導電膜付きの絶縁性の透明基板上に、p型半導体層(p層)、実質的に真性なi型半導体層(i層)、n型半導体層(n層)を積層したpin型の第一光電変換ユニットと第二光電変換ユニットとを順に重ねて設けてなり、この第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層が結晶質のシリコン系薄膜からなる光電変換装置において、第二光電変換ユニットを構成するp層不純物のi層への拡散や、残留不純物のp、n層への混入による接合の乱れがなく、かつ、第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層の結晶化率分布のバラツキが改善されて製造することができるようになる。
さらに、本発明では、前記第二光電変換ユニットのn層上に、i層を第三ステップと同一のプラズマCVD反応室内で形成する。これにより、成膜室内の最表面は、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」(i層)が付着した状態となる。ゆえに、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層/i層という積層構造を作製する際に、pi界面を阻害する要因とはならず、所望の正常なpi界面の形成をもたらす。ここで、「実質的に真性なi型半導体」という表記において、「実質的に真性な」とは「同一チャンバ内でp層またはn層の形成時に用いたドーパント」や「透明導電膜付き基板を支持するトレーに付着して外部からチャンバ(プラズマCVD反応室)内へ持ち込まれたパーティクル」を、「i型半導体の特性を阻害しない程度含む」ことを意味する。
その結果、本発明では、製造バッチを多数回行った場合、すなわち、処理枚数が増えた場合であっても特性を劣化させずに、良好な性能を有する光電変換装置を安定して製造することができ、生産コスト及び効率を改善することが可能な光電変換装置の製造方法を提供することができる。
また、本発明の光電変換装置によれば、上記光電変換装置の製造方法により形成されたものであるので、良好なpinの不純物プロファイルを得ることで接合の乱れが無く、また、ムラが無く良好な結晶化率分布を有するものとなる。特に、第二光電変換ユニットを構成するp層/i層という積層構造を作製する際に、pi界面を阻害することなく、所望の正常なpi界面が形成される。その結果、薄膜光電変換装置として良好な性能を得ることができるようになる。
また、本発明の光電変換装置の製造方法によれば、透明導電膜付きの基板(たとえば、ガラスや樹脂等からなる絶縁性の透明基板)上に、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成した後、この第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させ、その後、第二光電変換ユニットのp層上に、第二光電変換ユニットを構成するi層、n層、さらに、前記第二光電変換ユニットのn層上に、酸素を含むi層を同一のプラズマCVD反応室内で形成する。
これにより、第二光電変換ユニットのp層は、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層や、第二光電変換ユニットのi層とは別々のプラズマCVD反応室内で形成されるので、第二光電変換ユニットを構成するp層不純物のi層への拡散や、残留不純物のp、n層への混入による接合の乱れを生ずることがないものとなる。また、第二光電変換ユニットのp層が大気中に露呈されることで、p層表面にOHが付いたり、p層表面が一部酸化したりすることで結晶核が発生し、結晶質のシリコン系薄膜からなる第二光電変換ユニットのi層の結晶化率が上がるものとなり、結晶化率分布のコントロールが容易になる。
したがって、透明導電膜付きの絶縁性の透明基板上に、p型半導体層(p層)、実質的に真性なi型半導体層(i層)、n型半導体層(n層)を積層したpin型の第一光電変換ユニットと第二光電変換ユニットとを順に重ねて設けてなり、この第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層が結晶質のシリコン系薄膜からなる光電変換装置において、第二光電変換ユニットを構成するp層不純物のi層への拡散や、残留不純物のp、n層への混入による接合の乱れがなく、かつ、第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層の結晶化率分布のバラツキが改善されて製造することができるようになる。
さらに、本発明では、前記第二光電変換ユニットのn層上に、酸素を含むi層を第三ステップと同一のプラズマCVD反応室内で形成する。これにより、成膜室内の最表面は、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」(酸素を含むi層)が付着した状態となる。ゆえに、次の製造バッチのi層の初期形成時には、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層とi層との界面に飛び込んでくるものは、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」に限定される。この「実質的に真性なi型半導体」は、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層/i層という積層構造を作製する際に、pi界面を阻害する要因とはならず、所望の正常なpi界面の形成をもたらす。
その結果、本発明では、製造バッチを多数回行った場合、すなわち、処理枚数が増えた場合であっても特性を劣化させずに、良好な性能を有する光電変換装置を安定して製造することができ、生産コスト及び効率を改善することが可能な光電変換装置の製造方法を提供することができる。
また、本発明の光電変換装置によれば、上記光電変換装置の製造方法により形成されたものであるので、良好なpinの不純物プロファイルを得ることで接合の乱れが無く、また、ムラが無く良好な結晶化率分布を有するものとなる。特に、第二光電変換ユニットを構成するp層/i層という積層構造を作製する際に、pi界面を阻害することなく、所望の正常なpi界面が形成される。その結果、薄膜光電変換装置として良好な性能を得ることができるようになる。
さらに、本発明の光電変換装置の製造システムによれば、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成する第一成膜装置、第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させる暴露装置、及び前記第二光電変換ユニットを構成するi層、n層と、該第二光電変換ユニットのn層上に、p層とを同一のプラズマCVD反応室内で形成する第二成膜装置、を少なくとも順に配置した。これにより、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層、及び第二光電変換ユニットのi層は各々別々のプラズマCVD反応室内で形成されると共に、第二光電変換ユニットのp層と第二光電変換ユニットのi層及びn層とが別々の成膜装置で形成されるものとなる。
したがって、第二光電変換ユニットを構成するp層不純物のi層への拡散や、残留不純物のp、n層への混入による接合の乱れがなく、かつ、第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層、特にi層の結晶化率分布のバラツキが改善された光電変換装置を製造することができるようになる。
さらに、本発明では、前記第二光電変換ユニットを構成するi層、n層と、該第二光電変換ユニットのn層上に、i層とを同一の成膜室内で形成する。これにより、成膜室内の最表面は、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」(i層)が付着した状態となる。ゆえに、次の製造バッチのi層の初期形成時には、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層とi層との界面に飛び込んでくるものは、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」に限定される。この「実質的に真性なi型半導体」は、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層/i層という積層構造を作製する際に、pi界面を阻害する要因とはならず、所望の正常なpi界面の形成をもたらす。
その結果、本発明では、製造バッチを多数回行った場合、すなわち、処理枚数が増えた場合であっても特性を劣化させずに、良好な性能を有する光電変換装置を安定して製造することができ、生産コスト及び効率を改善することが可能な光電変換装置の製造システムを提供することができる。
さらに、本発明の光電変換装置の製造システムによれば、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成する第一成膜装置、第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させる暴露装置、及び前記第二光電変換ユニットを構成するi層、n層と、該第二光電変換ユニットのn層上に、酸素を含むi層とを同一のプラズマCVD反応室内で形成する第二成膜装置、を少なくとも順に配置した。これにより、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層、及び第二光電変換ユニットのi層は各々別々のプラズマCVD反応室内で形成されると共に、第二光電変換ユニットのp層と第二光電変換ユニットのi層及びn層とが別々の成膜装置で形成されるものとなる。
したがって、第二光電変換ユニットを構成するp層不純物のi層への拡散や、残留不純物のp、n層への混入による接合の乱れがなく、かつ、第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層、特にi層の結晶化率分布のバラツキが改善された光電変換装置を製造することができるようになる。
さらに、本発明では、前記第二光電変換ユニットを構成するi層、n層と、該第二光電変換ユニットのn層上に、酸素を含むi層とを同一の成膜室内で形成する。これにより、成膜室内の最表面は、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」(酸素を含むi層)が付着した状態となる。ゆえに、次の製造バッチのi層の初期形成時には、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層とi層との界面に飛び込んでくるものは、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」に限定される。この「実質的に真性なi型半導体」は、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層/i層という積層構造を作製する際に、pi界面を阻害する要因とはならず、所望の正常なpi界面の形成をもたらす。
その結果、本発明では、製造バッチを多数回行った場合、すなわち、処理枚数が増えた場合であっても特性を劣化させずに、良好な性能を有する光電変換装置を安定して製造することができ、生産コスト及び効率を改善することが可能な光電変換装置の製造システムを提供することができる。
本発明に係る光電変換装置の製造方法の工程例を示す説明図。 本発明に係る光電変換装置の層構成の一例を示す断面図。 本発明に係る光電変換装置を製造する製造システムの一例を示す概略図。 本発明に係る光電変換装置の層構成の一例を示す断面図。 従来の光電変換装置の一例を示す断面図。 従来の光電変換装置の製造方法の工程例を示す説明図。 従来の光電変換装置を製造する製造システムの一例を示す概略図。
以下では、本発明に係る光電変換装置の製造方法の一実施形態を、第一光電変換ユニットとしてアモルファスシリコン型の光電変換装置、第二光電変換ユニットとして微結晶シリコン型の光電変換装置として積層してタンデム型の光電変換装置の場合を例に図面に基づいて説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明である光電変換装置の製造方法の工程を示す説明図であり、図2は、本発明により製造された光電変換装置の層構成を示す構造断面図である。
まず、図2に示すように、本発明に係る光電変換装置の製造方法によって製造される光電変換装置10A(10)は、光透過性を有する絶縁性の基板1の一面1a上に、pin型の第一光電変換ユニット3と第二光電変換ユニット4とを順に重ねて設け、さらに、第二光電変換ユニット4の上に、裏面電極5を重ねて形成したものである。
基板1は、たとえば、ガラスや透明樹脂等、太陽光の透過性に優れ、かつ、耐久性のある絶縁材料からなる。この基板1は、透明導電膜2を備えている。透明導電膜2としては、たとえばITO(indium Tin Oxide)やSnO、ZnOなどの光透過性を有する金属酸化物からなり、真空蒸着法やスパッタ法によって形成される。
この光電変換装置10では、図2において白抜き矢印で示すように、基板1の他面1b側から太陽光Sを入射させる。
また、第一光電変換ユニット3は、p型半導体層(p層)31、実質的に真性なi型半導体層(i層)32、n型半導体層(n層)33とを備えたpin構造を有している。すなわち、p型半導体層(p層)31、実質的に真性なi型半導体層(i層)32、n型半導体層(n層)33を、この順に積層することにより第一光電変換ユニット3を構成している。
この第一光電変換ユニット3は、たとえばアモルファス(非晶質)シリコン系材料による光電変換ユニットとすることができる。第一光電変換ユニット3は、p型半導体層(p層)3の厚さが、たとえば90Å、i型半導体層(i層)32の厚さが、たとえば2500Å、n型半導体層(n層)33の厚さが、たとえば300Åとすることができる。
第一光電変換ユニット3のp層31、i層32、n層33は、各々別々のプラズマCVD反応室内で形成される。
第二光電変換ユニット4は、p型半導体層(p層)41、実質的に真性なi型半導体層(i層)42、n型半導体層(n層)43とを備えたpin構造を有している。すなわち、p型半導体層(p層)41、実質的に真性なi型半導体層(i層)42、n型半導体層(n層)43、p型半導体層44Aを、この順に積層することにより第二光電変換ユニット4を構成している。
この第二光電変換ユニット4は、結晶質を含むシリコン系材料による光電変換ユニットとすることができる。第二光電変換ユニット4は、p型半導体層(p層)41の厚さが、たとえば100Å、i型半導体層(i層)42の厚さが、たとえば15000Å、n型半導体層(n層)43の厚さが、たとえば150Å、とすることができる。
第二光電変換ユニット4のp層41は、他と別のプラズマCVD反応室内で形成され、i層42、n層43は、同一のプラズマCVD反応室内で形成する。
そして、特に本発明の光電変換装置10A(10)では、前記第二光電変換ユニット4において、n型半導体層(n層)43の上に、i型半導体層(i層)44Aが配されている。
i型半導体層(i層)44Aは、結晶質を含むシリコン系材料から構成することができる。また、i型半導体層(i層)44Aの厚さが、たとえば50Åとすることができる。
具体的には後述するように、このi型半導体層(i層)44Aは、第二光電変換ユニット4のi層42、n層43と同一のプラズマCVD反応室内で形成される。これにより、成膜室内の最表面は、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」(i層)が付着した状態となる。この「実質的に真性なi型半導体」は、次の製造バッチの第二光電変換ユニット4を構成するp層42/i層43という積層構造を作製する際に、pi界面を阻害する要因とはならず、所望の正常なpi界面の形成をもたらす。これにより得られる光電変換装置の特性劣化を防止することができる。その結果、このようにして製造される光電変換装置10A(10)は、良好な性能を有するものとなる。
裏面電極5は、Ag(銀)やAl(アルミニウム)など導電性の光反射膜によって構成されていれば良い。この裏面電極5は、たとえばスパッタ法や蒸着法により形成することができる。
また、裏面電極5は、第二光電変換ユニット4のi型半導体層(i層)44と裏面電極5との間に、iTOやSnO、ZnOといった導電性酸化物からなる層を形成した積層構造とすることも可能である。
次に、以上のような構成の光電変換装置10A(10)を製造するための製造方法を説明する。
まず、図1(a)に示すように、透明導電膜2が成膜された絶縁性透明基板1を準備する。
次いで、図1(b)に示すように、絶縁性透明基板1の上に成膜された透明導電膜2上に、第一光電変換ユニット3のp型半導体層31、i型シリコン層(非晶質シリコン層)32、n型半導体層33と、第二光電変換ユニット4のp型半導体層41を各々別々のプラズマCVD反応室内で形成する。すなわち、第一光電変換ユニット3のn型半導体層33上に、第二光電変換ユニット4を構成するp型半導体層41が設けられた光電変換装置第一中間品10aが形成する。
p型半導体層31は、個別の反応室内においてプラズマCVD法により、たとえばアモルファスシリコン(a−Si)のp層を、基板温度が180−200℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が70〜120Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH)が300sccm、水素(H)が2300sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が180sccm、メタン(CH)が500sccmの条件で成膜することができる。
また、i型シリコン層(非晶質シリコン層)32は、個別の反応室内においてプラズマCVD法により、たとえばアモルファスシリコン(a−Si)のi層を、基板温度が180−200℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が70〜120Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH)が1200sccmの条件で成膜することができる。
さらに、n型半導体層33は、個別の反応室内においてプラズマCVD法により、たとえばアモルファスシリコン(a−Si)のn層を、基板温度が180−200℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が70〜120Pa、反応ガスの流量は、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で成膜することができる。
引き続き、第二光電変換ユニット4のp型半導体層41を大気中に露呈させた後、図1(c)に示すように、大気中に露呈されたp型半導体層41上に、第二光電変換ユニット4を構成するi型シリコン層(結晶質シリコン層)42、n型半導体層43、i型半導体層44Aを同一のプラズマCVD反応室内で形成する。すなわち、第一光電変換ユニット3上に、第二光電変換ユニット4が設けられた光電変換装置第二中間品10bが形成される。
そして、第二光電変換ユニット4のn型半導体層43上に、裏面電極5を形成することにより、図2に示すような光電変換装置10A(10)とする。
p型半導体層41は、個別の反応室内においてプラズマCVD法により、たとえば微結晶シリコン(μc−Si)のp層を、基板温度が180−200℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が500〜900Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH)が100sccm、水素(H)が25000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccmの条件で成膜することができる。
i型シリコン層(結晶質シリコン層)42は、n型半導体層43と同一の反応室内においてプラズマCVD法により、たとえば微結晶シリコン(μc−Si)のi層を、基板温度が180−200℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が500〜900Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH)が180sccm、水素(H)が27000sccm、の条件で成膜することができる。
n型半導体層43は、i型シリコン層(結晶質シリコン層)42と同一の反応室内においてプラズマCVD法により、たとえば微結晶シリコン(μc−Si)のn層を、基板温度が180−200℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が500〜900Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH)が180sccm、水素(H)が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で成膜することができる。
i型半導体層(i層)44Aは、第二光電変換ユニット4を構成するi型シリコン層(結晶質シリコン層)42、n型半導体層43と同一の反応室内においてプラズマCVD法により、たとえば微結晶シリコン(μc−Si)のi層を、基板温度が180−200℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が500〜900Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH4)が100sccm、水素(H)が25000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccmの条件で成膜することができる。
このように本発明では、前記第二光電変換ユニット4のn層43上に、i型半導体層(i層)44Aを第三ステップと同一のプラズマCVD反応室内で形成する。これにより、成膜室内の最表面は、先の製造バッチにより発生したi型半導体層(i層)が付着した状態となる。ゆえに、次の製造バッチのi層の初期形成時には、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層とi層との界面に飛び込んでくるものは、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」に限定される。この「実質的に真性なi型半導体」は、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層/i層という積層構造を作製する際に、pi界面を阻害する要因とはならず、所望の正常なpi界面の形成をもたらす。
その結果、本発明では、製造バッチを多数回行った場合、すなわち、処理枚数が増えた場合であっても特性を劣化させずに、良好な性能を有する光電変換装置10A(10)を安定して製造することができ、生産コスト及び効率を改善することが可能となる。
次に、この光電変換装置10A(10)の製造システムを図面に基づいて説明する。
本発明に係る光電変換装置の製造システムは、第一光電変換ユニット3におけるp型半導体層31、i型シリコン層(非晶質シリコン層)32、n型半導体層33と、第二光電変換ユニット4のp型半導体層41の各層を各々別々に形成するチャンバと呼ばれる成膜反応室を複数直線状に連結して配置した、いわゆるインライン型の第一成膜装置と、第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させる暴露装置と、第二光電変換ユニット4におけるi型シリコン層(結晶質シリコン層)42、n型半導体層43、i型半導体層44Aを同一の成膜反応室内で、複数の基板を同時に処理して形成する、いわゆるバッチ型の第二成膜装置とを順に配置したものである。
本発明に係る光電変換装置の製造システムを図3に示す。
製造システムは、図3に示すように、第一成膜装置60と、第二成膜装置70Aと、第第一成膜装置60で処理した基板を大気に曝した後、第二成膜装置70Aへ移動する暴露装置80Aとから構成される。
製造システムにおける第一成膜装置60は、最初に基板を搬入し減圧雰囲気下とする仕込(L:Lord)室61が配置されている。なお、L室の後段に、プロセスに応じて、基板温度を一定温度まで加熱する加熱チャンバーを設けても良い。引き続き第一光電変換ユニット3のp型半導体層31を形成するP層成膜反応室62、同i型シリコン層(非晶質シリコン層)32を形成するi層成膜反応室63、同n型半導体層33を形成するn層成膜反応室64、第二光電変換ユニット4のp型半導体層41を形成するP層成膜反応室65、が連続して直線状に配置されている。そして最後に、減圧状態を大気雰囲気に戻し基板を搬出する取出(UL:Unlord)室66を配置して構成されている。
この際、図3中A地点において、図1(a)に示すように、透明導電膜2が成膜された絶縁性透明基板1が準備される。また、図3中B地点において、図1(b)に示すように、絶縁性透明基板1の上に成膜された透明導電膜2上に、第一光電変換ユニット3のp型半導体層31、i型シリコン層(非晶質シリコン層)32、n型半導体層33と、第二光電変換ユニット4のp型半導体層41の各層が設けられた光電変換装置第一中間品10aが形成される。
また、製造システムにおける第二成膜装置70Aは、最初に第一成膜装置60で処理された光電変換装置第一中間品10aを搬入して減圧雰囲気下としたり、あるいは減圧下にある基板を大気雰囲気として基板を搬出するための仕込・取出(L/UL)室71が配置されている。引き続き、この仕込・取出(L/UL)室71を介して、第二光電変換ユニット4のp型半導体層41上に、第二光電変換ユニット4のi型シリコン層(結晶質シリコン層)42、n型半導体層43、i型半導体層44Aを同一の反応室内で順次形成する、複数の基板を同時に処理することが可能なPin層成膜反応室72を配置して構成されている。
この際、図3中C地点において、図1(c)に示すように、第一光電変換ユニット3上に、第二光電変換ユニット4が設けられた光電変換装置第二中間品10bが形成される。
また、図3において、インライン型の第一成膜装置60は、2つの基板が同時に処理されるように示され、i層成膜反応室63は4つの反応室63a,63b,63c,63dによって構成されたものとして示されている。また、図3において、バッチ型の第二成膜装置70Aは、6つの基板が同時に処理されるように示されている。
以上のような光電変換装置の製造方法によれば、非晶質光電変換装置である第一光電変換ユニット3のp層、i層、n層の上に結晶質光電変換装置である第二光電変換ユニット4のp層を形成しておき、その上に第二光電変換ユニット4のi層、n層を形成することで、第二光電変換ユニット4のi層の結晶化率分布のコントロールを容易にすることができる。
特に本発明では、第二光電変換ユニット4のn層43上に、同一の成膜室でi層44Aを形成することで、良好な特性を有する光電変換装置10を得ることができる。
また、本発明においては、大気中に露呈されたp型半導体層41上に、第二光電変換ユニット4を構成するi型シリコン層(結晶質シリコン層)42、n型半導体層43を形成する際、このi層42を形成する前に、大気中に露呈された第二光電変換ユニット4のp層41に対してOHラジカル含有プラズマ処理を施すと望ましい。
OHラジカル含有プラズマ処理は、個別の成膜室で透明金属酸化物電極(透明導電膜2)付きガラス基板1の透明金属酸化物電極上に第一光電変換ユニット3のp層、i層、n層及び第二光電変換ユニット4のp層41を形成した後、OHラジカル含有プラズマ処理室にて行い、その後、第二光電変換ユニット4を構成するi型シリコン層(結晶質シリコン層)42、n型半導体層43、i層44Aを個別の成膜室で成膜しても良いし、同一の処理室にてOHラジカル含有プラズマ処理と連続して第二光電変換ユニット4のi層42、n層43、i層p層44Aを積層しても良い。
ここで、同一処理室にて第二光電変換ユニット4のi層42、n層43、i層44AをOHラジカル含有プラズマ処理と連続して形成する場合、処理ごとに成膜室をOHラジカル含有プラズマで処理を施すことにより、残留不純物ガスPHの分解除去が可能である。したがって、同一処理室で第二光電変換ユニット4のi層42、n層43、i層44Aの成膜を繰り返しても良好な不純物プロファイルが得られ、良好な発電効率の積層薄膜光電変換装置を得ることができる。
また、本発明においては、第二光電変換ユニット4のp層41に対して施すOHラジカル含有プラズマ処理において、プロセスガスとして、CO、CH又はHOとH とからなる混合ガスを用いると望ましい。すなわち、OHラジカル含有プラズマの生成には、成膜室に(CO+H)、(CH+H)ないしは(HO+H) を流した状態で、電極間に、たとえば13.5MHz、27MHz、40MHz等の高周波を印加することにより有効に生成することができる。このOHラジカル含有プラズマの生成において、(HCOOCH+H)、(CHOH+H)等のアルコール類、ギ酸エステル類等の酸素含有炭化水素類を用いるものとしても良い。ただし、C不純物量の増加が問題となる系では、(CO+H)、(CH+H)ないしは(HO+H)を使用することが好ましい。
このOHラジカル含有プラズマの生成でプラズマ生成ガスにCOを用いる際には、系にHの存在が必要であるが、(CH+H)、(HO+H)の他、(HCOOCH+H)、(CHOH+H)等のアルコール類、ギ酸エステル類等の酸素含有炭化水素類を使用する際は、必ずしも系にHの存在は必要でない。
このようにOHラジカル含有プラズマ処理を施すと、Oラジカルに比して反応が穏やかで下層にダメージを与えずに、第一光電変換ユニット3のp層31、i層32上に形成した微結晶相が非晶質結晶相に分散したn層33を介して形成した第二光電変換ユニット4のp層41の表面活性に効果がある。したがって、第二光電変換ユニット4のp層41の表面活性化が可能となり、その上に積層する第二光電変換ユニット4のi層42とn層43の結晶生成に有効に働き、大面積の基板においても均一な結晶化率分布を得ることが可能となる。
また、個別の成膜室で第一光電変換ユニット3の非晶質のp層31、i層32上に形成する、結晶質のn層33と第二光電変換ユニット4のp層41は、非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)層に微結晶シリコン(μc−Si)の分散した膜でも、非晶質のアモルファス酸化シリコン(a−SiO)層に微結晶シリコン(μc−Si)の分散した膜でも良い。しかし、基板の大面積化の際に必要とされる結晶質光電変換層のi層とn層の結晶成長核の生成による均一な結晶化分布率を得るためには、非晶質のアモルファス酸化シリコン(a−SiO)層に微結晶シリコン(μc−Si)の分散した膜の方が良い。
このように、非晶質のアモルファス酸化シリコン(a−SiO)層に微結晶シリコン(μc−Si)の分散した膜は、アモルファスシリコン(a−Si)半導体層よりも低屈折率に調整可能なことから波長選択反射膜とし、短波長光をトップセル側に閉じ込めることで変換効率の向上が可能である。
また、この光閉じ込め効果の有無に拠らず、晶質のアモルファス酸化シリコン(a−SiO)層に微結晶シリコン(μc−Si)の分散した膜は、OHラジカル含有プラズマ処理により第二光電変換ユニット4のi層42とn層43の結晶成長核の生成に有効に働き、大面積の基板においても均一な結晶化率分布を得ることが可能となる。
また、本発明においては、第一光電変換ユニット3を構成するn層33として、結晶質のシリコン系薄膜を形成するものとしても良い。すなわち、非晶質の第一光電変換ユニット3のp層31、i層32の上に、結晶質のn層33及び、結晶質の第二光電変換ユニット4のp層41を形成する。
この際、非晶質の第一光電変換ユニット3のp層31、i層32の上に形成する結晶質のn層33、第二光電変換ユニット4のp層41は、個別の成膜室で第一光電変換ユニット3のp層31、i層32を形成した後、大気開放することなく連続して形成することが望ましい。
すなわち、第一光電変換ユニット3のp層31、i層32、及びn層33形成後に大気開放し、別の成膜室で第二光電変換ユニット4のp層41、i層42、n層43を形成する方法では、基板を大気開放し放置する時間、温度、雰囲気等により、第一光電変換ユニット3のi層32の劣化による素子性能の劣化を伴う。
したがって、第一光電変換ユニット3のp層31、i層32を形成した後、大気開放することなく連続して結晶質のn層33、及び第二光電変換ユニット4のp層41を形成する。
このように、結晶質のn層33、及び第二光電変換ユニット4のp層41を形成した基板を、個別ないしは同一の成膜室にてOHラジカル含有プラズマ処理で表面を活性化し結晶核生成を行い、引き続いて結晶質の第二光電変換ユニット4のi層42、n層43を積層することにより、大面積に均一な結晶化率分布を持ち良好な発電効率の積層薄膜光電変換装置を得ることができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
なお、以下の説明においては、上述した第一実施形態と異なる部分について主に説明し、第一実施形態と同様の部分については、その説明を省略する。
図4は、本実施形態にかかる製造方法において製造された光電変換装置の層構成を示す構造断面図である。
この光電変換装置10B(10)では、第二光電変換ユニット4において、n型半導体層(n層)43の上に、酸素を含むi型半導体層(i層)44Bが配されている。
この酸素を含むi型半導体層(i層)44Bは、第二光電変換ユニット4を構成するi型シリコン層(結晶質シリコン層)42、n型半導体層43と同一の反応室内においてプラズマCVD法により形成される。このとき、酸素元素を有するガスを含むプロセスガスを用いる。
酸素を含むi型半導体層(i層)44Bは、結晶質を含むシリコン系材料から構成することができる。また、酸素を含むi型半導体層(i層)44Bの厚さが、たとえば50Åとすることができる。
i型のSiO層は、成膜室に(SiH/H/B)の他に、(CO+H)、(CH+H)ないしは(HO+H) を流した状態で、電極間に、たとえば13.5MHz、27MHz、40MHz等の高周波を印加することによりOHラジカル含有プラズマを発生させ形成することができる。
このOHラジカル含有プラズマの生成において、(HCOOCH+H)、(CHOH+H)等のアルコール類、ギ酸エステル類等の酸素含有炭化水素類を用いるものとしても良い。ただし、C不純物量の増加が問題となる系では、(CO+H)、(CH+H)ないしは(HO+H)を使用することが好ましい。
このOHラジカル含有プラズマの生成でプラズマ生成ガスにCOを用いる際には、系にHの存在が必要であるが、(CH+H)、(HO+H)の他、(HCOOCH+H)、(CHOH+H)等のアルコール類、ギ酸エステル類等の酸素含有炭化水素類を使用する際は、必ずしも系にHの存在は必要でない。
このように本発明では、前記第二光電変換ユニット4のn層43上に、酸素を含むi型半導体層(i層)44Bを、i型42、n層43と同一の反応室内においてと同一のプラズマCVD反応室内で形成する。これにより、成膜室内の最表面は、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」(酸素を含むi層)が付着した状態となる。ゆえに、次の製造バッチのi層の初期形成時には、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層とi層との界面に飛び込んでくるものは、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」に限定される。この「実質的に真性なi型半導体」は、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層/i層という積層構造を作製する際に、pi界面を阻害する要因とはならず、所望の正常なpi界面の形成をもたらす。
その結果、本発明では、製造バッチを多数回行った場合、すなわち、処理枚数が増えた場合であっても特性を劣化させずに、良好な性能を有する光電変換装置10B(10)を安定して製造することができ、生産コスト及び効率を改善することが可能となる。
次に、本発明に係る光電変換装置の製造方法より製造された光電変換装置について、以下のような実験を行なった。各実施例により製造した光電変換装置、及びその製造条件は、次のとおりである。
なお、、実施例1〜3は、第二光電変換ユニットのi層とn層を形成した後、第二光電変換ユニットのn層の上にi層としてi型Si層を形成した例であり、該i層の膜厚の依存性を示したものである。また、実施例4〜6は、第二光電変換ユニットのn層の上に酸素を含有するi層としてi型SiO層を形成時に、成膜室に(SiH/H/B)の他に、それぞれ(CO+H)、(CH+H)又は(HO+H)を流し形成した実施例である。
なお、光電変換装置は、何れの実施例も大きさが1100mm×1400mmの基板を用いて製造した。
<実施例1>
実施例1は、基板上に第一光電変換ユニットとして非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるp層、バッファ層、非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるi層の上に、微結晶シリコン(μc−Si)を含んだn層と、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)を含んだp層を、各々別々の成膜室にて連続して形成し、その後、第二光電変換ユニットのp層を大気中に暴露すると共に、第二光電変換ユニットのp層に対してプロセスガスとして(CO+H)を用いてOHラジカル含有プラズマ処理を施してから、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)からなるi層、n層を形成し、さらに第二光電変換ユニットを構成するn層の上に微結晶シリコン(μc−Si)からなるi層を形成したものである。
実施例1において、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層、及び第二光電変換ユニットのp層は、個別の反応室内においてプラズマCVD法により成膜し、第二光電変換ユニットのi層、n層、及び第二光電変換ユニットのn層の上に形成されたi層は、同一成膜室内においてプラズマCVD法により成膜した。
第一光電変換ユニットのp層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が180sccm、メタン(CH) が500sccmの条件で、90Åの膜厚に成膜した。
また、バッファ層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、メタン(CH) が100sccmの条件で、60Åの膜厚に成膜した。
また、第一光電変換ユニットのi層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が80Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が1200sccmの条件で、2500Åの膜厚に成膜した。
さらに、第一光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、300Åの膜厚に成膜した。
次に、第二光電変換ユニットのp層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が100sccm、水素(H) が25000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccmの条件で、100Åの膜厚に成膜した。
また、ここで第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させ、このp層に対して、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、プロセスガスとしてHが1000sccm、COが150sccmの条件で、プラズマ処理を施した。
引き続き、第二光電変換ユニットのi層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccmの条件で、の条件で、15000Åの膜厚に成膜した。
そして、第二光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、150Åの膜厚に成膜した。
さらに、第二光電変換ユニットのn層の上に配されるp層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が20000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccmの条件で、30Åの膜厚に成膜した。
<実施例2>
実施例2は、基板上に第一光電変換ユニットとして非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるp層、バッファ層、非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるi層の上に、微結晶シリコン(μc−Si)を含んだn層と、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)を含んだp層を、各々別々の成膜室にて連続して形成し、その後、第二光電変換ユニットのp層を大気中に暴露すると共に、第二光電変換ユニットのp層に対してプロセスガスとして(CO+H)を用いてOHラジカル含有プラズマ処理を施してから、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)からなるi層、n層を形成し、さらに第二光電変換ユニットを構成するn層の上に微結晶シリコン(μc−Si)からなるi層を形成したものである。
実施例2において、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層、及び第二光電変換ユニットのp層は、個別の反応室内においてプラズマCVD法により成膜し、第二光電変換ユニットのi層、n層、及び第二光電変換ユニットのn層の上に形成されたi層は、同一成膜室内においてプラズマCVD法により成膜した。
第一光電変換ユニットのp層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が180sccm、メタン(CH) が500sccmの条件で、90Åの膜厚に成膜した。
また、バッファ層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、メタン(CH) が100sccmの条件で、60Åの膜厚に成膜した。
また、第一光電変換ユニットのi層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が80Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が1200sccmの条件で、2500Åの膜厚に成膜した。
さらに、第一光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、300Åの膜厚に成膜した。
次に、第二光電変換ユニットのp層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が100sccm、水素(H) が25000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccmの条件で、100Åの膜厚に成膜した。
また、ここで第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させ、このp層に対して、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、プロセスガスとしてHが1000sccm、COが150sccmの条件で、プラズマ処理を施した。
引き続き、第二光電変換ユニットのi層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccmの条件で、の条件で、15000Åの膜厚に成膜した。
そして、第二光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、150Åの膜厚に成膜した。
さらに、第二光電変換ユニットのn層の上に配されるp層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が20000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccmの条件で、50Åの膜厚に成膜した。
<実施例3>
実施例3は、基板上に第一光電変換ユニットとして非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるp層、バッファ層、非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるi層の上に、微結晶シリコン(μc−Si)を含んだn層と、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)を含んだp層を、各々別々の成膜室にて連続して形成し、その後、第二光電変換ユニットのp層を大気中に暴露すると共に、第二光電変換ユニットのp層に対してプロセスガスとして(CO+H)を用いてOHラジカル含有プラズマ処理を施してから、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)からなるi層、n層を形成し、さらに第二光電変換ユニットを構成するn層の上に微結晶シリコン(μc−Si)からなるi層を形成したものである。
実施例3において、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層、及び第二光電変換ユニットのp層は、個別の反応室内においてプラズマCVD法により成膜し、第二光電変換ユニットのi層、n層、及び第二光電変換ユニットのn層の上に形成されたi層は、同一成膜室内においてプラズマCVD法により成膜した。
第一光電変換ユニットのp層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が180sccm、メタン(CH) が500sccmの条件で、90Åの膜厚に成膜した。
また、バッファ層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、メタン(CH) が100sccmの条件で、60Åの膜厚に成膜した。
また、第一光電変換ユニットのi層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が80Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が1200sccmの条件で、2500Åの膜厚に成膜した。
さらに、第一光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、300Åの膜厚に成膜した。
次に、第二光電変換ユニットのp層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が100sccm、水素(H) が25000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccmの条件で、100Åの膜厚に成膜した。
また、ここで第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させ、このp層に対して、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、プロセスガスとしてHが1000sccm、COが150sccmの条件で、プラズマ処理を施した。
引き続き、第二光電変換ユニットのi層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccmの条件で、の条件で、15000Åの膜厚に成膜した。
そして、第二光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、150Åの膜厚に成膜した。
さらに、第二光電変換ユニットのn層の上に配されるi層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が20000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccmの条件で、100Åの膜厚に成膜した。
<実施例4>
実施例4は、基板上に第一光電変換ユニットとして非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるp層、バッファ層、非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるi層の上に、微結晶シリコン(μc−Si)を含んだn層と、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)を含んだp層を、各々別々の成膜室にて連続して形成し、その後、第二光電変換ユニットのp層を大気中に暴露すると共に、第二光電変換ユニットのp層に対してプロセスガスとして(CO+H)を用いてOHラジカル含有プラズマ処理を施してから、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)からなるi層、n層を形成し、さらに第二光電変換ユニットを構成するn層の上に、酸素を含むi層を形成したものである。
実施例4において、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層、及び第二光電変換ユニットのp層は、個別の反応室内においてプラズマCVD法により成膜し、第二光電変換ユニットのi層、n層、及び第二光電変換ユニットのn層の上に形成された酸素を含むi層は、同一成膜室内においてプラズマCVD法により成膜した。
第一光電変換ユニットのp層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が180sccm、メタン(CH) が500sccmの条件で、90Åの膜厚に成膜した。
また、バッファ層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、メタン(CH) が100sccmの条件で、60Åの膜厚に成膜した。
また、第一光電変換ユニットのi層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が80Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が1200sccmの条件で、2500Åの膜厚に成膜した。
さらに、第一光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、300Åの膜厚に成膜した。
次に、第二光電変換ユニットのp層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が100sccm、水素(H) が25000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccmの条件で、100Åの膜厚に成膜した。
また、ここで第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させ、このp層に対して、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、プロセスガスとしてHが1000sccm、COが150sccmの条件で、プラズマ処理を施した。
引き続き、第二光電変換ユニットのi層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccmの条件で、の条件で、15000Åの膜厚に成膜した。
そして、第二光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、150Åの膜厚に成膜した。
さらに、第二光電変換ユニットのn層の上に配される酸素を含むi層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が20000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccm、二酸化炭素(CO)が150sccmの条件で、50Åの膜厚に成膜した。
<実施例5>
実施例5は、基板上に第一光電変換ユニットとして非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるp層、バッファ層、非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるi層の上に、微結晶シリコン(μc−Si)を含んだn層と、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)を含んだp層を、各々別々の成膜室にて連続して形成し、その後、第二光電変換ユニットのp層を大気中に暴露すると共に、第二光電変換ユニットのp層に対してプロセスガスとして(CO+H)を用いてOHラジカル含有プラズマ処理を施してから、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)からなるi層、n層を形成し、さらに第二光電変換ユニットを構成するn層の上に、酸素を含むi層を形成したものである。
実施例5において、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層、及び第二光電変換ユニットのp層は、個別の反応室内においてプラズマCVD法により成膜し、第二光電変換ユニットのi層、n層、及び第二光電変換ユニットのn層の上に形成された酸素を含むi層は、同一成膜室内においてプラズマCVD法により成膜した。
第一光電変換ユニットのp層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が180sccm、メタン(CH) が500sccmの条件で、90Åの膜厚に成膜した。
また、バッファ層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、メタン(CH) が100sccmの条件で、60Åの膜厚に成膜した。
また、第一光電変換ユニットのi層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が80Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が1200sccmの条件で、2500Åの膜厚に成膜した。
さらに、第一光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、300Åの膜厚に成膜した。
次に、第二光電変換ユニットのp層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が100sccm、水素(H) が25000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccmの条件で、100Åの膜厚に成膜した。
また、ここで第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させ、このp層に対して、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、プロセスガスとしてHが1000sccm、COが150sccmの条件で、プラズマ処理を施した。
引き続き、第二光電変換ユニットのi層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccmの条件で、の条件で、15000Åの膜厚に成膜した。
そして、第二光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、150Åの膜厚に成膜した。
さらに、第二光電変換ユニットのn層の上に配される酸素を含むi層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が20000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccm、ギ酸(CH)が250sccmの条件で、50Åの膜厚に成膜した。
<実施例6>
実施例6は、基板上に第一光電変換ユニットとして非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるp層、バッファ層、非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるi層の上に、微結晶シリコン(μc−Si)を含んだn層と、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)を含んだp層を、各々別々の成膜室にて連続して形成し、その後、第二光電変換ユニットのp層を大気中に暴露すると共に、第二光電変換ユニットのp層に対してプロセスガスとして(CO+H)を用いてOHラジカル含有プラズマ処理を施してから、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)からなるi層、n層を形成し、さらに第二光電変換ユニットを構成するn層の上に、酸素を含むi層を形成したものである。
実施例6において、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層、及び第二光電変換ユニットのp層は、個別の反応室内においてプラズマCVD法により成膜し、第二光電変換ユニットのi層、n層、及び第二光電変換ユニットのn層の上に形成された酸素を含むi層は、同一成膜室内においてプラズマCVD法により成膜した。
第一光電変換ユニットのp層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が180sccm、メタン(CH) が500sccmの条件で、90Åの膜厚に成膜した。
また、バッファ層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、メタン(CH) が100sccmの条件で、60Åの膜厚に成膜した。
また、第一光電変換ユニットのi層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が80Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が1200sccmの条件で、2500Åの膜厚に成膜した。
さらに、第一光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、300Åの膜厚に成膜した。
次に、第二光電変換ユニットのp層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が100sccm、水素(H) が25000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccmの条件で、100Åの膜厚に成膜した。
また、ここで第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させ、このp層に対して、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、プロセスガスとしてHが1000sccm、COが150sccmの条件で、プラズマ処理を施した。
引き続き、第二光電変換ユニットのi層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccmの条件で、の条件で、15000Åの膜厚に成膜した。
そして、第二光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、150Åの膜厚に成膜した。
さらに、第二光電変換ユニットのn層の上に配される酸素を含むi層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が20000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccm、水(HO)が150sccmの条件で、50Åの膜厚に成膜した。
<比較例>
比較例は、基板上に第一光電変換ユニットとして非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるp層、バッファ層、非晶質のアモルファスシリコン(a−Si)系薄膜からなるi層の上に、微結晶シリコン(μc−Si)を含んだn層と、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)を含んだp層を、各々別々の成膜室にて連続して形成し、その後、第二光電変換ユニットのp層を大気中に暴露すると共に、第二光電変換ユニットのp層に対してプロセスガスとして(CO+H)を用いてOHラジカル含有プラズマ処理を施してから、第二光電変換ユニットを構成する微結晶シリコン(μc−Si)からなるi層、n層を形成したものである。
比較例において、第一光電変換ユニットのp層、i層、n層、及び第二光電変換ユニットのp層は、個別の反応室内においてプラズマCVD法により成膜し、第二光電変換ユニットのi層、n層は、同一成膜室内においてプラズマCVD法により成膜した。
第一光電変換ユニットのp層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が180sccm、メタン(CH) が500sccmの条件で、90Åの膜厚に成膜した。
また、バッファ層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が110Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が300sccm、水素(H)が2300sccm、メタン(CH) が100sccmの条件で、60Åの膜厚に成膜した。
また、第一光電変換ユニットのi層は、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が80Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が1200sccmの条件で、2500Åの膜厚に成膜した。
さらに、第一光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、300Åの膜厚に成膜した。
次に、第二光電変換ユニットのp層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が100sccm、水素(H) が25000sccm、水素を希釈ガスとしたジボラン(B/H)が50sccmの条件で、100Åの膜厚に成膜した。
また、ここで第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させ、このp層に対して、基板温度が190℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、プロセスガスとしてHが1000sccm、COが150sccmの条件で、プラズマ処理を施した。
引き続き、第二光電変換ユニットのi層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccmの条件で、の条件で、15000Åの膜厚に成膜した。
そして、第二光電変換ユニットのn層は、基板温度が180℃、電源周波数が13.56MHz、反応室内圧力が700Pa、反応ガス流量は、モノシラン(SiH) が180sccm、水素(H) が27000sccm、水素を希釈ガスとしたホスフィン(PH/H)が200sccmの条件で、150Åの膜厚に成膜した。
まず、本発明の光電変換装置に関する実験結果を表1に示す。本実験では、生産初期と100バッチの連続処理後において、それぞれ製造した光電変換装置に、AM1.5の光を100mW/cmの光量で照射して25℃で出力特性として曲線因子(FF)、変換効率(Eff)を測定した。その結果を表1に示す。
なお、表1において、p,n,iは非晶質光電変換層、P,i,nは結晶質光電変換層をそれぞれ示す。また、表1において、(CO+H)、(CH+H)、(HO+H)は、OHラジカル含有プラズマ処理において用いたプロセスガスの種類を表す。
Figure 2010177582
表1から明らかなように、生産初期においては、いずれも良好な特性を有する光電変換装置が得られている。しかし、第二光電変換ユニットを構成するn層上に、追加i層を形成しなかった比較例1では、生産初期に比べて、連続処理後では曲線因子及び変換効率が大きく低下してしまっている。これは、第二光電変換ユニットを構成するi層、n層を同一のプラズマCVD反応室内で形成する場合、処理枚数が増えるにつれ、反応室の内部に、n型不純物が付着、蓄積されていってしまうためと考えられる。すなわち、先の製造バッチによって発生したn型不純物が、同一成膜室内で成膜される次の製造バッチのi層の初期成長時に混入すると、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層とi層との界面が所定の構成から外れたものとなり、所望のp層/i層という積層構造を作製することが困難となり得られる光電変換装置の特性を劣化させてしまったためと考えられる。
これに対し、第二光電変換ユニットを構成するn層上に、追加i層を形成した実施例1〜実施例3、酸素を含むi層を形成した実施例4〜実施例6では、100バッチの連続成膜後においても、曲線因子及び変換効率の低下が抑えられ、生産初期とほぼ同じく良好な特性を有する光電変換装置が得られている。
これは、i層又は酸素を含むi層を追加で形成することで、成膜室内の最表面は、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」(i層)が付着した状態となる。ゆえに、次の製造バッチのi層の初期形成時には、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層とi層との界面に飛び込んでくるものは、先の製造バッチにより発生した「実質的に真性なi型半導体」に限定される。この「実質的に真性なi型半導体」は、次の製造バッチの第二光電変換ユニットを構成するp層/i層という積層構造を作製する際に、pi界面を阻害する要因とはならず、所望の正常なpi界面の形成をもたらしたためと考えられる。その結果、得られる光電変換装置の特性劣化が防止されたと考えられる。
また、追加i層の厚さを変えた実施例1〜実施例3を比較すると、i層の厚さに係らず、上述したような効果、特性劣化抑制の効果を得ることができるが、厚さが100Å未満の場合に、特に良好な結果が得られていることがわかる。
本発明は、タンデム型の光電変換装置の製造方法及び光電変換装置の製造システムに広く適用可能である。
1 透明基板、2 透明導電膜、3 第一光電変換ユニット、4 第二光電変換ユニット、5 裏面電極、10A,10B(10) 光電変換装置、31 p型半導体層、32 i型シリコン層(非晶質シリコン層)、33 n型半導体層、41 p型半導体層、42 i型シリコン層(結晶質シリコン層)、43 n型半導体層、44A i型半導体層、44B 酸素を含むi型半導体層、60 第一成膜装置、61 仕込室、62 P層成膜反応室、63(63a,63b,63c,63d) i層成膜反応室、64 n層成膜反応室、65 P層成膜反応室、66 取出室、70A,70B 第二成膜装置、71,73 仕込・取出室、72 Pin層成膜反応室、74(74a,74b,74c,74d,74e,74f) i層成膜反応室、75 n層成膜反応室、77 中間室、80A,80B 暴露装置。

Claims (7)

  1. 透明導電膜付き基板を用い、p型半導体層(p層)、実質的に真性なi型半導体層(i層)、n型半導体層(n層)を積層したpin型の第一光電変換ユニットと第二光電変換ユニットとを、前記透明導電膜に順に重ねて設けてなり、前記第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層が結晶質のシリコン系薄膜からなる光電変換装置の製造方法であって、
    前記第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と前記第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成する第一ステップ、
    前記第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させる第二ステップ、及び、
    前記大気中に露呈された第二光電変換ユニットのp層上に、前記第二光電変換ユニットを構成するi層、n層を同一のプラズマCVD反応室内で形成する第三ステップ、
    前記第二光電変換ユニットのn層上に、i層を第三ステップと同一のプラズマCVD反応室内で形成する第四ステップ、
    を少なくとも順に備えたことを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  2. 前記請求項1に記載の光電変換装置の製造方法により形成されたことを特徴とする光電変換装置。
  3. 透明導電膜付き基板を用い、p型半導体層(p層)、実質的に真性なi型半導体層(i層)、n型半導体層(n層)を積層したpin型の第一光電変換ユニットと第二光電変換ユニットとを、前記透明導電膜に順に重ねて設けてなり、前記第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層が結晶質のシリコン系薄膜からなる光電変換装置の製造方法であって、
    前記第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と前記第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成する第一ステップ、
    前記第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させる第二ステップ、及び、
    前記大気中に露呈された第二光電変換ユニットのp層上に、前記第二光電変換ユニットを構成するi層、n層を同一のプラズマCVD反応室内で形成する第三ステップ、
    前記第二光電変換ユニットのn層上に、酸素を含むi層を第三ステップと同一のプラズマCVD反応室内で形成する第四ステップ、
    を少なくとも順に備えたことを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  4. 前記第四ステップは、酸素元素を有するガスを含むプロセスガスを用いることを特徴とする請求項3に記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記請求項3又は4に記載の光電変換装置の製造方法により形成されたことを特徴とする光電変換装置。
  6. 透明導電膜付き基板を用い、p型半導体層(p層)、実質的に真性なi型半導体層(i層)、n型半導体層(n層)を積層したpin型の第一光電変換ユニットと第二光電変換ユニットとを、前記透明導電膜に順に重ねて設けてなり、かつ、前記第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層として結晶質のシリコン系薄膜を形成する光電変換装置の製造システムであって、
    前記第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と前記第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成する第一成膜装置、
    前記第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させる暴露装置、及び、
    前記大気中に露呈された第二光電変換ユニットのp層上に、前記第二光電変換ユニットを構成するi層、n層と、該第二光電変換ユニットのn層上に、i層とを同一のプラズマCVD反応室内で形成する第二成膜装置、
    を少なくとも順に配置したことを特徴とする光電変換装置の製造システム。
  7. 透明導電膜付き基板を用い、p型半導体層(p層)、実質的に真性なi型半導体層(i層)、n型半導体層(n層)を積層したpin型の第一光電変換ユニットと第二光電変換ユニットとを、前記透明導電膜に順に重ねて設けてなり、かつ、前記第二光電変換ユニットを構成するp層、i層、n層として結晶質のシリコン系薄膜を形成する光電変換装置の製造システムであって、
    前記第一光電変換ユニットのp層、i層、n層と前記第二光電変換ユニットのp層とを各々別々のプラズマCVD反応室内で形成する第一成膜装置、
    前記第二光電変換ユニットのp層を大気中に露呈させる暴露装置、及び、
    前記大気中に露呈された第二光電変換ユニットのp層上に、前記第二光電変換ユニットを構成するi層、n層と、該第二光電変換ユニットのn層上に、酸素を含むi層とを同一のプラズマCVD反応室内で形成する第二成膜装置、
    を少なくとも順に配置したことを特徴とする光電変換装置の製造システム。
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