JP2010177357A - 真空処理装置および真空処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大気雰囲気あるいは真空雰囲気に切り替え可能な室の内圧を切り替える際の開閉バルブの開動作に伴う発塵、あるいは開閉バルブ連通時の断熱膨張に伴う結露を防止する。
【解決手段】真空処理室1にウエハを搬入出するためのロック室3と、カセット内のウエハを、大気ローダ5、前記ロック室および真空搬送室7を介して前記真空処理室に搬入し、前記処理室で真空処理された処理済ウエハを搬出するための搬送制御を行う制御手段を備えた真空処理装置において、前記搬送制御手段は、前記ロック室内の圧力を大気圧に切り替えるとき、不活性ガス供給ライン11の開閉バルブを一旦開放してロック室内の圧力を圧力計で設定した所定値に設定した後、大気連通ライン18を開放したときロック室内に結露が生じるか否かを判定し、結露が生じると判定したとき大気連通ラインを介して供給される大気の流量を前記大気連通ラインに挿入された流量制御手段で制限する。
【選択図】図1
【解決手段】真空処理室1にウエハを搬入出するためのロック室3と、カセット内のウエハを、大気ローダ5、前記ロック室および真空搬送室7を介して前記真空処理室に搬入し、前記処理室で真空処理された処理済ウエハを搬出するための搬送制御を行う制御手段を備えた真空処理装置において、前記搬送制御手段は、前記ロック室内の圧力を大気圧に切り替えるとき、不活性ガス供給ライン11の開閉バルブを一旦開放してロック室内の圧力を圧力計で設定した所定値に設定した後、大気連通ライン18を開放したときロック室内に結露が生じるか否かを判定し、結露が生じると判定したとき大気連通ラインを介して供給される大気の流量を前記大気連通ラインに挿入された流量制御手段で制限する。
【選択図】図1
Description
本発明は、真空処理技術に係り、特に大気雰囲気と真空雰囲気間で試料を搬入出する真空処理技術に関する。
半導体ウエハ上に形成されるパターン寸法の微細化、高集積化に伴い、近年では微少な異物(パーティクル)であっても、ウエハのそれぞれの製造工程に重大な影響を及ぼすようになった。例えば、半導体デバイスを形成するウエハ上に異物が付着すると、付着した異物がマスクとなって異常な電気回路が形成される。このような場合には、半導体デバイスの製造歩留まりが悪化する。このため、異物をどのように排除するかが大きな問題となっている。
一般に、半導体処理装置においては、真空処理室に真空搬送室を接続し、この真空搬送室に、真空雰囲気または大気雰囲気に切り替えることのできるロック室を接続する。ロック室には大気圧状態にある大気ローダが連結されており、大気ローダは取り込んだウエハをロック室に搬入し、またロック室から搬出できるようになっている。なお、ロック室と大気ローダ間およびロック室と前記真空搬送室間はゲートバルブ(開閉ドア)により連通・遮断が可能となっている。
このような真空処理装置において、前記各室間でウエハを搬送する際に、ゲートバルブを開いて二つの室間を連通すると、その際に二室間の圧力差により気流が生じる。この気流により室内にある異物が巻き上げられると、巻き上げられた異物がウエハに付着することになる。
このような問題に関して、特許文献1には、大気ローダ室とロック室間を小さな圧力差で開作動するリリーフ弁を備えたバイパスラインで接続すること、ゲートバルブ(開閉ドア)を開いてローダ室とロック室を連通するに先立って、ロック室にガスを供給してロック室の圧力をローダ室の圧力と同等かそれ以上の圧力にすると、リリーフ弁が開作動して、過剰分のガスが流れて、両室の圧力差を略ゼロとすること、およびこれによりゲートバルブ(開閉ドア)開放時における異物の巻き上げを抑制することが示されている。
前記従来技術においては、ローダ室とロック室を連通するに先立って、例えばバイパスラインを介してロック室からローダ室に向かってガスを流す。このとき、バイバスラインを流れるガスに水分が含まれており、さらにバイパスラインを連通するときに断熱膨張が起こると結露が生じることがある。このように、ゲートバルブを開放して2つの室を連通させるに際しては、二室間を流れるガス流に伴って発生する異物の巻き上げを抑制すると同時に、バイパスライン連通時における断熱膨張に伴う結露を考慮しなければならない。
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたもので、大気雰囲気あるいは真空雰囲気に切り替え可能なロック室の圧力を切り替える際におけるゲートバルブ(開閉バルブ)の開動作に伴う発塵、あるいは開閉バルブ開放時に通流するガスの断熱膨張に伴う結露を防止することのできるプラズマ処理技術を提供するものである。
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
真空処理室にウエハを搬入出するため大気圧雰囲気および真空雰囲気に切り替え可能なロック室と、カセット内のウエハを、大気ローダ、前記ロック室および真空搬送室を介して前記真空処理室に搬入し、前記真空処理室で真空処理された処理済ウエハを搬出するための搬送制御を行う制御手段を備えた真空処理装置において、流量制御手段および開閉バルブを介して前記ロック室と不活性ガス供給源とを連通する不活性ガス供給ライン、流量制御手段および開閉バルブを介してロック室と大気とを連通する大気連通ライン、ロック室内の圧力を所定値に設定するための圧力計、および大気中の水分の露点を計測する露点計を備え、前記制御手段は、前記ロック室内の圧力を大気圧に切り替えるとき、不活性ガス供給ラインの開閉バルブを一旦開放してロック室内の圧力を前記圧力計で設定した所定値に設定した後、大気連通ラインを開放したときロック室内に結露が生じるか否かを判定し、結露が生じると判定したとき大気連通ラインを介して供給される大気の流量を前記大気連通ラインに挿入された流量制御手段により制限する。
本発明は、以上の構成を備えるため、大気雰囲気あるいは真空雰囲気に切り替え可能なロック室の圧力を切り替える際におけるゲートバルブ(開閉バルブ)の開動作に伴う発塵、あるいは開閉バルブ開放時に通流するガスの断熱膨張に伴う結露を防止することができる。
以下、最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は、エッチング装置を説明する図である。このエッチング装置は4つの真空処理室1a,1b,1c,1dを備え、各真空処理室は共通の真空搬送室7に接続されている。真空搬送室7には、その内部が真空雰囲気と大気雰囲気とに切り替え可能な2つのロック室3a,3bが接続されている。また、各ロック室3a,3bには共通の大気ローダ5が接続されており、この大気ローダ5には3つのカセット積載部6a,6b,6cが設置されている。
真空搬送室7は、図示しない搬送ロボットを備えており、該搬送ロボットによりウエハを真空処理室1a,1b,1cに搬入出する。大気ローダ5は、図示しない大気ロボットを備えており、カセット積載部6a,6b,6cに載置されたカセットとロック室3の間でウエハを搬入出する。ロック室3a,3bは、それぞれ真空搬送室側ゲートバルブ2a,2bと大気側ゲートバルブ4a,4bを備え、これらを閉じることにより密閉可能となっている
図2は、ロック室3b(ロック室3aに同じ)に対する給排気系を説明する図である。ロック室3bは、真空搬送室7側ゲートバルブ2bと大気側ゲートバルブ4bを閉鎖することにより密閉可能である。
図2は、ロック室3b(ロック室3aに同じ)に対する給排気系を説明する図である。ロック室3bは、真空搬送室7側ゲートバルブ2bと大気側ゲートバルブ4bを閉鎖することにより密閉可能である。
また、ロック室3bには、室内を真空雰囲気と大気雰囲気とに切り替えるためにN2ガス供給ライン11と排気ライン14が設置されている。N2ガス供給ライン11にはMFC(マスフローコントローラ)等の流量制御手段10、開閉バルブ9、およびフィルタ8が設置されており、N2ガスの供給によりロック室3b内を大気圧雰囲気にすることができる。排気ライン14には開閉バルブ13が設置されており、図示しない真空ポンプにより真空排気される。
また、前記N2ガス供給ライン11と排気ライン14とは別に、ロック室3bと大気とを連通する大気直通ライン18を設置する。大気連通ライン18には、流量制御手段17、開閉バルブ15、およびフィルタ16を設置し、開閉バルブ15の開閉により、ロック室3bと大気の間の連通・遮断を可能とする。なお、ロック室3bには圧力スイッチを備えた圧力計を設置し、ロック室内の圧力を設定可能としている。また、ロック室近傍には露点計を搭載し大気中の水分の露点を測定可能としている。
図3は、ロック室に対する給排気系を制御する制御手段の動作を説明する図である。ここでは、ウエハをロック室3bから大気ローダ5に搬出する場合を例に説明する。
ウエハを真空搬送室からロック室に搬送したとき、ロック室3bは真空雰囲気である。ここで、N2ガス供給ライン11よりN2ガスの供給を開始し(ステップS1)、真空雰囲気から大気雰囲気に切り替える。N2ガスの供給は圧力計12が予め設定された圧力値に達したことを検知したとき停止する(ステップS2,S3)。設定圧力値は大気圧程度の値とする。
ここで、前記圧力計12、図示しない大気圧力計および露点計の計測値をもとに、大気連通ライン18を開放したときに断熱膨張による結露が生じるか否かを演算し(ステップS4)、演算結果が結露が生じる、であれば流量制御手段17により流量を制限して結露を抑制する(ステップS5)。
この演算に際しては、前記圧力計12により測定されるロック室内圧力と大気圧の比および大気の温度を用いて断熱膨張した後の気体の温度を計算する。計算式は気体の断熱過程の式であるPV/T=一定を用いる。また、露点計により大気中の水分の露点を計測する。次に計測した露点と前記演算により求めた断熱膨張後の気体の温度を比較する。比較した結果、露点が計算値より大きければ断熱膨張により結露が生じず、露点が計算値より小さければ断熱膨張により結露が生じると判断する。
演算結果が結露が生じない、であると、大気連通ラインのバルブを開放する(ステップS6)。このとき、ロック室内の圧力が大気圧よりも高い場合にはロック室から大気側へ、ロック室内の圧力が大気圧よりも低い場合には大気側からロック室内へ、それぞれ少量の気体が流入する。すなわち、連通ラインを開放することにより、ロック室内の圧力と大気圧との差をなくすることができる。また、断熱膨張により結露が生じる場合には、連通ラインに設けられた流量制御手段によりロック室内に流入・流出する気体の流量を制限することにより結露を防止することができる。なお、大気連通ラインにはフィルタを設けることにより、外部の異物がロック室内に入り込むことを防止するのが望ましい。
ロック室内の圧力と大気圧との圧力差がほとんどなくなった後、ロック室の大気側ゲートバルブを開放する(ステップS7)。このとき、ロック室と大気との間には圧力差がないので、ゲートバルブの開動作に伴う気体の流動が生じることはなく、ゲートバルブの開放による発塵を防止できる。
なお、ロック室に大気連通ラインを2本取付け、一方をロック室から大気側への流路専用、他方を大気側からロック室への流路専用とすることができる。この場合にはそれぞれの専用の流路を、発塵を抑制できる最適の位置に配置することができる。なお、前記専用の流路においては、流量制御手段の上流にフィルタを設置するのが好ましい。
以上説明したように、本実施形態においては、ロック室にN2などの不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインおよびロック室内を減圧排気する排気ラインの外に、ロック室と大気とを連通する大気連通ラインを備える。大気連通ラインは流量制御手段、開閉バルブ、フィルタを備え、前記開閉バルブは大気側ゲートバルブを開放する前に開放してロック室と大気とを連通可能とする。さらに、露点計を取付け、ロック室に取付けられた圧力計とにより断熱膨張による結露が生じるか否かを演算する。
ウエハを搬入・搬出するに際して、不活性ガス供給ラインを介してロック室に不活性ガスを供給してロック室内を大気雰囲気に切り替えるに場合には、大気側ゲートバルブを開放する前に、大気連通ラインを介してロック室と大気とを連通することによりロック室と大気との間の圧力差をなくすことができる。このためゲートバルブを開くときに気体が流動せず、発塵を防止することができる。
また、ロック室と大気との連通の際には、ロック室に取付けられた圧力計と露点計により断熱膨張により結露が生じるかを演算し、結露が生じると判断した場合には、大気との連通ラインを開放するときに連通ラインを流れる気体の流量を制御する。これにより、断熱膨張による結露を防止することができる。
1a〜1d 真空処理室
2a、2b ゲートバルブ
3a、3b ロック室
4a、4b ゲートバルブ
5 大気ローダ
6a〜6c カセット積載部
7 真空搬送室
8 フィルタ
9 開閉バルブ
10 流量制御手段
11 不活性ガス供給ライン
12 圧力スイッチ
13 開閉バルブ
14 排気ライン
15 開閉バルブ
16 フィルタ
17 流量制御手段
18 大気連通ライン
2a、2b ゲートバルブ
3a、3b ロック室
4a、4b ゲートバルブ
5 大気ローダ
6a〜6c カセット積載部
7 真空搬送室
8 フィルタ
9 開閉バルブ
10 流量制御手段
11 不活性ガス供給ライン
12 圧力スイッチ
13 開閉バルブ
14 排気ライン
15 開閉バルブ
16 フィルタ
17 流量制御手段
18 大気連通ライン
Claims (3)
- 真空処理室にウエハを搬入出するため大気圧雰囲気および真空雰囲気に切り替え可能なロック室と、
カセット内のウエハを、大気ローダ、前記ロック室および真空搬送室を介して前記真空処理室に搬入し、前記真空処理室で真空処理された処理済ウエハを搬出するための搬送制御を行う制御手段を備えた真空処理装置において、
流量制御手段および開閉バルブを介して前記ロック室と不活性ガス供給源とを連通する不活性ガス供給ライン、流量制御手段および開閉バルブを介してロック室と大気とを連通する大気連通ライン、ロック室内の圧力を所定値に設定するための圧力計、および大気中の水分の露点を計測する露点計を備え、
前記制御手段は、前記ロック室内の圧力を大気圧に切り替えるとき、不活性ガス供給ラインの開閉バルブを開放してロック室内の圧力を前記圧力計で設定した所定値に設定した後、大気連通ラインを開放したときロック室内に結露が生じるか否かを判定し、結露が生じると判定したとき大気連通ラインを介して供給される大気の流量を前記大気連通ラインに挿入された流量制御手段により制限することを特徴とする真空処理装置。 - 請求項1記載の真空処理装置において、
前記制御手段は、前記圧力計で設定した値と大気圧力の比および大気温度をもとに断熱膨張した後の気体温度を演算し、該演算結果が大気中の水分の露点より低いとき、前記流量制御手段により大気連通ラインを流れる流量を制限することを特徴とする真空処理装置。 - 真空処理室にウエハを搬入出するための大気圧雰囲気および真空雰囲気に切り替え可能なロック室を備え、カセット内のウエハを、大気ローダ、前記ロック室および真空搬送室を介して前記真空処理室に搬入し、前記真空処理室で真空処理された処理済ウエハを搬出するための搬送制御を行う真空処理方法において、
流量制御手段および開閉バルブを介して前記ロック室と不活性ガス供給源とを連通する不活性ガス供給ライン、流量制御手段および開閉バルブを介してロック室と大気とを連通する大気連通ライン、ロック室内の圧力を所定値に設定するための圧力計、および大気中の水分の露点を計測する露点計を備え、
前記ロック室内の圧力を大気圧に切り替えるとき、不活性ガス供給ラインの開閉バルブを一旦開放してロック室内の圧力を前記圧力計で設定した所定値に設定した後に大気連通ラインを開放したときロック室内に結露が生じるか否かを判定し、結露が生じると判定したとき大気連通ラインを介して供給される大気の流量を前記大気連通ラインに挿入された流量制御手段により制限することを特徴とする真空処理方法。
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JP2009016878A JP2010177357A (ja) | 2009-01-28 | 2009-01-28 | 真空処理装置および真空処理方法 |
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2009
- 2009-01-28 JP JP2009016878A patent/JP2010177357A/ja active Pending
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