JP2010175547A - 圧電振動片、圧電振動片の製造方法、圧電振動子および振動型ジャイロスコープ、圧電振動子および振動型ジャイロスコープの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電材料からなるウエハ1からフォトリソグラフィにより形成された圧電振動片100,200であって、圧電振動片100,200の一部と、これら圧電振動片の周囲に形成されているウエハの枠部11とが連結される板状の連結部12が形成され、連結部12の少なくとも一方の表面に、断面形状が略V字状の凹部14または凹部15が前記連結部12の幅方向に直線状に穿設されている。この凹部14,15で圧電振動片100,200をウエハ1から折り離して形成し、パッケージ内に格納する振動型ジャイロスコープ400及び圧電振動子500を提供する。
【選択図】図3
Description
この圧電振動片は、まず、圧電材料からなる薄板のウエハを形成し、このウエハからフォトリソグラフィにより同時に複数の圧電振動片を形成し、この圧電振動片とウエハをつなぐ連結部を圧電振動片の外形を形成した後に折り離すことによりウエハから圧電振動片を分離する製造方法により形成されていた。
圧電振動片とウエハをつなぐ連結部を折り離す際に、この連結部の一部の厚みが薄く形成されていることにより分離部が形成されている。
このことにより、分離部は構造的に弱い部分になるため、この部分にて容易に圧電振動片の折り離しができるというものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
しかし、連結部の薄く形成された部分は、切り離しの際の力と、製造工程中でウエハから圧電振動片が脱落しないための保持力とのバランスを取ることが難しく、厚くすると切り離しが困難になり、所定位置で分離ができない場合が考えられ、また、切り離しの際に、分離部から圧電振動片の表面にわたって貝殻状に剥離部分ができ易いという課題が予測され、さらに、薄くすると、製造工程中で圧電振動片がウエハから脱落してしまうというような課題も考えられる。
ここで、圧電振動片の基材としては、水晶、LiNbO3、LiTaO3、ニオブ酸リチウム固溶体単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等からなる圧電単結晶を採用することができる。
ここで、断面形状が略V字状とは、例えば、凹部の開口部が広く、底部が狭く形成されていることを意味し、V字状やU字状、底部に平面部を有する形状も含まれる。
また、この凹部は、ひとつであっても複数連続して形成されてもよく、この凹部が、連結部の他の部分よりも構造的に弱く形成されていることで、この連結部に外力が加えられた際に、凹部に応力が集中するために、後述するように、圧電振動片を容易にウエハから折り離して取り出すことができる。
また、凹部は、断面形状が略V字状をしているため、この底部先端部付近から折り離されるため、折り離し部の位置のバラツキが小さく正確な外形形状が得られる。その結果、安定した共振周波数が得られるという効果がある。
また、凹部が形成された面には、凹部が形成されない部分も残されているために、折り離し易いが、工程途中で圧電振動片が脱落することを防止できる。
例えば、この開口部の大きさは、凹部の深さがウエハの厚みの1/3程度の深さになるように設定される。
このように、外形形成と凹部形成が同じ工程内でできるため、製造効率を高めることができる。
また、スタッドバンプとは、金線でボールをつくり、先端部を切断して形成したバンプのことを示す。
図1〜図14と図16には本実施形態の圧電振動片の平面図、断面図及び斜視図が示され、図15及び図17〜図20には、本実施形態による圧電振動片の製造方法が示され、図21、図22には振動型ジャイロスコープと圧電振動子が示されている。また、図23、図24には圧電振動子及び振動型ジャイロスコープの製造工程が示されている。
このウエハ1に圧電振動片100が、フォトリソグラフィによって形成されている。
本実施例では、連結部12は、検出腕120の両側位置に設けているが、連結腕130の両側に設けることもできる。また、連結部12は、4ヶ所に設けられているが、それぞれ支持部140を挟んで対向する位置の2ヶ所に設けることもできる。
なお、本実施形態の圧電振動片100は、ウエハ1に複数個同時に形成しても、ひとつ形成する場合でも同様である。
この凹部14の断面形状は、図4〜図7に示されている。
この凹部14,15の大きさ、深さ、ピッチは前述したように折り離しがしやすく、製造工程中に圧電振動片100が脱落しない程度の構造的強度があればよく適宜に設定することができる。
凹部15は、連続して隣り合う凹部14の間に配置され、その大きさ、深さは凹部14とほぼ同じに設定されている。
凹部14が1個の場合、凹部15は、前述の連結部12のくびれ部13(図3、参照)を結んだ直線上に凹部14とは交差しない位置に配置される(図示しない)。
この際、凹部14は、凹部15に比べ、大きく設定されている。凹部14,15のうちどちらを大きく設定するかは、後述する圧電振動片100の折り離しの方法によって選択することができる。
また、この凹部14,15の配列は、図6に示したように平面方向交互に配列することができる。
凹部14,15の配列について他の実施例を図8に示す。
断面の形状については、図10において説明する。
図10(b)において、溝部16は、略コノ字状の断面形状をしているが、この断面形状は、台形型状でもV字型状でもよい。溝部の深さは、ウエハ1の厚みの1/3程度とされる。この際、凹部14と溝部16の大きさは、前述したように折り離しがしやすく、他の工程中に圧電振動片100が脱落しない程度の構造的強度があればよく適宜に組み合わせ、選択することができる。
このくびれ部13,18それぞれの幅方向に結んだ直線状に円錐形の凹部14,17が形成されている。凹部14,17は、前述したように(図4〜図10、参照)、連結部12の一方の面のみに形成されてもよく、表裏両面に形成されてもよく、表裏両面に形成される場合、前述したそれぞれの凹部の配列を組み合わせて選択することができ、また、凹部と溝部を組み合わせることができる。
図12において、連結部12には、この連結部12の幅方向両側から切欠き状のくびれ部13が設けられている。くびれ部13の一辺は、支持部140の一辺に沿った形状であり、この位置の幅が最も細くなるように形成されている。くびれ部13の最も狭い位置に凹部14が形成されている。
連結部12と支持部140との交差部の支持部140の周縁の一辺に沿って凹部14が形成されている。
連結部12は、枠部11からなだらかな円弧形状で支持部220に向かって延出され、最も幅が狭くされた部分で支持部220に連結し、音叉型の圧電振動片200を支持している。
本実施例の圧電振動片100が水晶振動片である場合、図1で示すように、X軸が電気軸、Y軸が機械軸、Z軸が光軸となるように切り出された水晶基板(ウエハ1)をフォトリソグラフィなどで加工し圧電振動片100が形成される。
続いて、圧電振動片100の外形および凹部14,15の形状に合わせたマスク(図示しない)を用いて外形パターン露光、および外形パターン現像が行われる(図15(2))。レジスト膜6は、圧電振動片100の外形141(図3、参照)および凹部14,15の開口部形状に合わせた位置、大きさの開口部7で示される部分が除去される。
凹部14,15の大きさは、開口部8の大きさとエッチング時間で調整される。
その後、圧電振動片100の電極形成が行われるが説明を省略する。
図16は、圧電振動片100の振動腕110を示した斜視図である。図16において、振動腕110は、支持部140から延出された連結腕130によって連結されている。また、振動腕110は、連結腕130から直角方向両側に延出され、その元部には振動腕110と連結腕130の連結部131が形成されている。この振動腕110には、溝部111が形成されている。この溝部111は、図示しないが裏面側にも形成されている。
続いて、圧電振動片100の外形形状に合わせたマスク(図示しない)を用いて外形パターン露光、および外形パターン現像が行われる(図17(2))。
次に、耐蝕膜5の現像された露出部分がエッチング液により剥離され(図17(3))、レジスト膜6が剥離される(図17(4))。この際、圧電振動片100の外形に近い形状の耐蝕膜5のみが残されている。
その後、レジスト膜6、耐蝕膜5が剥離されて圧電振動片100が形成されるのである(図17(9))。この圧電振動片100(圧電振動片200も含む)は、ウエハ1の枠部11に連結された状態である。この状態で、圧電振動片100には、電極が形成されるが説明は省略する。
図19は、圧電振動片100を折り離した時の状態を示した時の図18のC−C断面を示す。図19において、支持部140と連結部12とは、図中矢印方向に分離され、圧電振動片100が完成する。音叉型の圧電振動片200も同様にして折り離されて形成される。
このように形成された圧電振動片100(圧電振動片200)はパッケージに格納される。
図21、図22は、圧電振動片100、音叉型の圧電振動片200がパッケージに格納された状態を示す断面図である。図21は、振動型ジャイロスコープ400の構成を示す概略断面図である。図21に示すように、セラミックパッケージ410は、内側に空間を有する箱状のパッケージである。このセラミックパッケージ410は、例えばアルミナ等のセラミック等で形成されている。
このセラミックパッケージ410には、図示しないが、回路基板460と圧電振動片100とICチップ450や他の回路素子及びセラミックパッケージ410の外側に配置される回路素子や電源とを接続する電極が形成されている。この圧電振動片100は、タブ461から一定の駆動電圧が印加されると正確に振動されるようになっている。
図22において、圧電振動子500は、その内部に音叉型の圧電振動片200を収納するための金属製のキャップ530を有している。このキャップ530は、ステム520に対して圧入され、その内部は真空状態に保持されている。
ステム520を貫通してリード510が2本設けられている。このリード510に音叉型の圧電振動片200の支持部220に形成された電極(図示せず)が導電接着剤等で固定され保持される。
このように構成された音叉型の圧電振動片200にリード510から一定の駆動電圧が印加されると振動腕110が正確に振動し、圧電振動子500として機能することになる。
図23は、スタッドバンプ312を形成する主な工程を示す断面図、図24は要部部分平面図である。図23(a)において、超音波加工機に備えられたホーン(図示は省略)の先端部に取り付けられたキャピラリー300の中央部には金線310が挿通されており、所望のバンプの大きさと同じ体積の金線310がキャピラリー300の先端から突出される。
次に、この金線310に先端部をトーチ(図示せず)からの放電による熱で金線を溶融し球状のバンプ312を形成する(図23(b)に示す)。
また、圧電振動片100は、Z軸を回転軸にして回転させ、コリオリの力を発生させ、それを検出することで角速度センサとして振動型ジャイロスコープ400に使用され、自動車の姿勢制御装置、カーナビゲーション装置、カメラ等の手ぶれ防止装置などの電子機器に搭載することができる。
また、このくびれ部の最も細い部分を結んだ直線で分離されるので、所定の形状で正確に分離することができるので、CI値を低く抑えることができ、歩留まりを向上させ低コスト化をはかることができる。
例えば、前記実施例では、凹部14,15の形状は、断面略V字状の円錐形としていたが、四角形でもよく、四角形の場合は、対向角をくびれ部13を幅方向に結んだ直線上に一致させておけば、なお一層、折り離しがし易くなる。
また、例えば、凹部14を複数連続した形状、即ち、開口部平面形状が細長い楕円形状としてもよい。
連結部12に電極を形成し、そこを折り離すことによって、電極分離を行うこともできる。
Claims (14)
- 圧電材料からなるウエハからフォトリソグラフィにより形成された圧電振動片であって、
該圧電振動片の一部と該圧電振動片の周囲に形成されている前記ウエハの枠部とを連結する板状の連結部が形成され、
前記連結部の少なくとも一方の表面に、断面形状が略V字状の凹部が前記連結部の幅方向に直線状に穿設されていることを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1に記載の圧電振動片において、
前記連結部は、前記圧電振動片の振動腕を連結する支持部から突出して形成され、
前記連結部には、前記凹部が穿設され、
この凹部で折り離して形成されることを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1または請求項2に記載の圧電振動片において、
前記連結部の一部が他の部分よりも幅が細いくびれ部が形成され、
前記凹部がこのくびれ部に穿設されていることを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1または請求項2に記載の圧電振動片において、
前記凹部が、前記連結部の一方の表面、または、一方の表面および他方の表面の両方に設けられ、
前記凹部で折り離されて形成されることを特徴とする圧電振動片。 - 請求項4に記載の圧電振動片において、
前記連結部の一方の表面に穿設された前記凹部と、
他方の表面に穿設された前記凹部と、が平面方向同じ位置、且つ、同じ深さで設けられ、
前記凹部で折り離されて形成されていることを特徴とする圧電振動片。 - 請求項4に記載の圧電振動片において、
前記連結部の一方の表面に穿設された前記凹部と他方の表面に穿設された前記凹部とが、同一方向に交互に設けられ、
これら前記凹部に沿って折り離されて形成されていることを特徴とする圧電振動片。 - 請求項4に記載の圧電振動片において、
前記連結部の一方の表面に穿設された前記凹部と、
他方の表面に穿設された前記凹部と、のいずれかが他方の凹部よりも深く形成され、
これら前記凹部に沿って折り離されて形成されることを特徴とする圧電振動片。 - 請求項4に記載の圧電振動片において、
前記連結部の一方の表面に穿設された前記凹部と他方の表面に穿設された前記凹部とが、平面方向にずれた位置に略平行に設けられていることを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1または請求項2に記載の圧電振動片において、
前記連結部の一方の表面に穿設された前記凹部と、
前記連結部の他方の表面に、前記凹部に沿って前記連結部の幅方向にわたって形成された溝部と、が設けられ、
前記凹部および前記溝部に沿って折り離されて形成されることを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1または請求項2に記載の圧電振動片において、
前記連結部の前記支持部の近傍と前記枠部の近傍との少なくとも2個所に他の部分よりも幅が狭く形成されたくびれ部と、
このくびれ部に請求項3ないし請求項9のいずれか一項に記載の凹部または溝部と、が形成され、
前記凹部または前記溝部に沿って折り離されて形成されることを特徴とする圧電振動片。 - 圧電材料からなるウエハからフォトリソグラフィにより形成される圧電振動片の製造方法であって、
前記圧電振動片の一部と該圧電振動片の周囲に形成される前記ウエハの枠部とを連結する板状の連結部が形成され、
前記連結部の少なくとも一方の表面に、断面形状が略V字状の凹部が前記連結部の幅方向に直線状に穿設され、
前記圧電振動片の外形と前記凹部が同じエッチング工程で形成されることを特徴とする圧電振動片の製造方法。 - 請求項11に記載の圧電振動片の製造方法において、
前記圧電振動片は、前記凹部で、前記圧電振動片と前記枠部とを折り離して形成することを特徴とする圧電振動片の製造方法。 - 請求項1に記載の前記圧電振動片が、パッケージ内に格納されていることを特徴とする圧電振動子及び振動型ジャイロスコープ。
- 圧電材料からなるウエハからフォトリソグラフィにより形成される圧電振動片に形成される駆動電極と検出電極の少なくとも一方の電極上に超音波溶着法によってスタッドバンプを形成し、
この超音波振動方向と前記凹部の連続方向とを一致させることを特徴とする振動型ジャイロスコープの製造方法。
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