JP2010175060A - 車両の制御装置 - Google Patents

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正志 小野
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Abstract

【課題】車両が停止している場合においても変速時間の学習制御を行うことができ、ドライバビリティを向上させることができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】ブレーキ圧の変化により発進指示の判定を行い(ステップS14)、この発進指示から車両の発進が判定される(ステップS19)までの時間によって実変速時間を求める(ステップS21)ことにより、この実変速時間と予め設定された目標変速時間とに基づいて、変速制御圧を学習補正する(ステップS22)ので、車両が停車中であっても変速時間を学習することができ、ドライバビリティを向上させることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、自動変速機の制御圧を制御する車両の制御装置に関し、特に、変速時の制御圧を学習補正する車両の制御装置に関する。
一般に、車両に搭載される自動変速機は、トルクコンバータと変速機構とを備えている。変速機構は、変速歯車機構の動力伝達経路を、クラッチやブレーキなどの複数の摩擦係合装置の係合および解放により選択的に切り替えて、所定の変速段になるようにしている。
このような自動変速機を備えた車両の制御装置においては、摩擦係合装置の解放および係合による変速制御を実行する際に、解放側の摩擦係合装置に供給する解放側油圧と係合側の摩擦係合装置に供給する係合側油圧とを最適化し、変速時における車両のドライバビリティを向上させるようになっている。
例えば、変速機構において変速段を切り替える際、クラッチやブレーキの掴みかえが行われるため、この掴みかえが早すぎると変速ショックが発生し、掴みかえが遅すぎると変速が遅れるとともに摩擦材の耐久性を悪化させてしまう。したがって、実際の変速時間が設定された変速時間となるように、次回の変速時間を学習補正して、変速段の切り替えを滑らかでかつ迅速なものとする必要がある。
この種の自動変速機の制御装置として、現在のギヤ比が所定の条件を満たした場合に、変速開始として実変速時間を計測することにより、変速時間の検出精度を高め、適正な学習を行い、変速ショックを防止するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来の自動変速機の制御装置においては、変速前の変速段のギヤ比Gxから目標変速段のギヤ比Gyへ変化する過程において、変速機構の入力軸回転数Vinと出力軸回転数Voutとを読み込んで、現在のギヤ比G(=Vout/Vin)を算出し、現在のギヤ比Gが連続して単位ギヤ比ΔG以上で所定のN回低下したとき、または、ギヤ比Gxよりも所定値だけ低く設定した第1のギヤ比G1に達したときのいずれか早い方を変速開始として実変速時間を計測する。これにより、自動変速機の作動油圧を制御するための変速時間学習制御において、変速時間を高い精度で求め、ドライバビリティを向上させることができるようになっている。
再表01/090606号公報
しかしながら、このような従来の制御装置においては、実変速時間の測定や推定に、変速機構の出力軸回転数や、入力軸回転数、すなわち、トルクコンバータのタービン回転数を用いるため、車両が停止している状態で変速を行う場合には、実変速時間を測定や推定することができない。
すなわち、停車中に変速を行う場合には、駆動輪からトルクコンバータのタービン軸まで、回転数は0であるため、タービン軸等の回転数や回転変化量のみによって実変速時間を測定や推定することができず、変速時間の制御を行うことができないという問題があった。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、車両が停止している場合においても変速時間の制御を行うことができ、ドライバビリティを向上させることができる車両の制御装置を提供することを課題とする。
本発明に係る車両の制御装置は、上記課題を解決するため、(1)複数の油圧式摩擦係合装置が選択的に係合されることにより変速比の異なる複数の変速段が成立させられる自動変速機に対して、前記複数の油圧式摩擦係合装置のうち所定の解放側摩擦係合装置を解放させる一方、所定の係合側摩擦係合装置を係合させて、前記自動変速機の変速制御を行う車両の制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、ドライバーの発進意思操作を検出する発進操作検出手段と、前記自動変速機の油圧式摩擦係合装置に対して、係合圧を付与する係合圧付与手段と、前記自動変速機が実現する各変速段において、前記複数の油圧式摩擦係合装置の解放側摩擦係合装置および係合側摩擦係合装置を特定する解放係合特定マップを記憶するマップ記憶手段と、前記車速検出手段に検出された車速に基づいて、前記車両の停止および発進を判定する車両状態判定手段と、前記発進操作検出手段に検出されたドライバーの発進意思操作に基づいて、前記車両の発進指示を判定する発進指示判定手段と、前記自動変速機の変速段を検出する変速段検出手段と、前記解放係合特定マップに基づいて、前記変速段検出手段に検出された変速段から変速比が最も大きな第1変速段へ前記自動変速機の変速段を切り替えるための解放側摩擦係合装置を特定する解放装置特定手段と、前記特定された解放側摩擦係合装置に対して、前記係合圧付与手段が付与する係合圧を、予め設定された目標変速時間に応じた変速制御圧に制御する解放側係合圧制御手段と、前記発進指示判定手段により前記発進指示が判定されてから前記車両状態判定手段により前記発進が判定されるまでの実変速時間を計時する実変速時間計時手段と、前記目標変速時間と前記実変速時間とに基づいて、前記変速制御圧の学習値を算出する変速圧学習手段と、前記変速圧学習手段が算出した学習値により、前記解放側係合圧制御手段が制御する変速制御圧を補正する変速圧補正手段と、を備えたことを特徴とした構成を有している。
この構成により、ドライバーの操作により発進指示を判定するとともに、車両の発進を判定することにより、実変速時間を求め、この実変速時間と予め設定された目標変速時間とに基づいて、変速制御圧を学習補正するので、車両が停車中であっても変速時間を学習することができ、ドライバビリティを向上させることができる。
また、本発明に係る車両の制御装置は、上記(1)に記載の車両の制御装置において、(2)前記発進操作検出手段は、前記車両の走行を制動するブレーキの圧力を検出し、前記発進指示判定手段は、前記検出されたブレーキの圧力と、予め設定された判定用ブレーキ圧と、に基づいて、前記車両の発進指示を判定することを特徴とした構成を有している。
この構成により、ブレーキの圧力によって車両の発進指示を検出するので、自動変速機のようにドライバーからの明確な変速指示が入力されない車両であっても、発進指示を検出することができるとともに、迅速な発進指示の検出を行うことができ、変速時間の学習を行うことができる。
さらに、本発明に係る車両の制御装置は、上記(2)に記載の車両の制御装置において、(3)前記発進指示判定手段は、前記検出されたブレーキの圧力の変化に応じて、前記判定用ブレーキ圧を変更することを特徴とした構成を有している。
この構成により、ブレーキの圧力の変化に応じて、発進指示を判定する判定用ブレーキ圧を変更するので、ドライバーの意図を推測して、急激な変速に対処することができるとともに、無用な発進指示検出も防止して、発進指示の検出精度を向上させることができる。
さらに、本発明に係る車両の制御装置は、上記(1)から(3)のいずれかに記載の車両の制御装置において、(4)前記変速圧学習手段は、前記変速段検出手段により検出された変速段が、前記第1変速段よりも変速比が小さな変速段である場合に限り、前記変速制御圧の学習値を算出することを特徴とした構成を有している。
この構成により、停車時の変速段が第1変速段よりも変速比が小さな変速段である場合に限って、変速制御圧を学習補正するので、第1変速段よりも変速比が小さな変速段から第1変速段に変速制御される変速時間を確実に学習することができるとともに、第1変速段から第1変速段への変速のように学習補正が無用な場合の制御を防止することができる。
さらに、本発明に係る車両の制御装置は、上記(4)に記載の車両の制御装置において、(5)前記車両状態判定手段に前記車両の発進が判定されたときの駆動力を検出する駆動力検出手段を備え、前記変速圧学習手段は、前記駆動力検出手段に検出された前記車両の駆動力が予め設定された前記第1変速段による発進の駆動力である場合に限り、前記変速制御圧の学習値を算出することを特徴とした構成を有している。
この構成により、発進時の駆動力が第1変速段による発進の駆動力である場合に限って、変速制御圧の学習補正を行うので、第1変速段に切り替わらずに車両が発進してしまった場合の学習補正を防止することができ、第1変速段に切り替わった変速時間を確実に学習することができる。
本発明によれば、車両が停車中であっても変速時間を学習することができ、ドライバビリティを向上させる車両の制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る制御装置を備えた車両の概略ブロック構成図である。 本発明の実施の形態におけるトランスミッションの構成を表す概略ブロック構成図である。 本発明の実施の形態における各変速段を実現する摩擦係合装置の係合状態を示す作動表である。 本発明の実施の形態における油圧制御回路の概略構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態における車両制御のタイミングを説明するタイミングチャートである。 本発明の実施の形態における車両制御処理に用いる各種のテーブルである。(a)は、判定ブレーキ圧決定テーブルであり、(b)は、指示圧決定テーブルであり、(c)は、油圧補正量決定テーブルである。 本発明の実施の形態における車両制御処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態における車両10は、動力源としてのエンジン20と、エンジン20において発生した動力を伝達するとともに車両10の走行状態に応じて変速比を変化させるトランスミッション30と、トランスミッション30から伝達された動力を駆動軸としてのドライブシャフト51L、51Rに分配するディファレンシャル機構40と、ドライブシャフト51L、51Rから伝達された動力により回転され、車両10を駆動させる駆動輪52L、52Rと、を備えている。
また、車両10は、車両10全体を制御するための車両用電子制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)100と、トランスミッション30を油圧により制御する油圧制御装置120と、を備えている。さらに、車両10は、クランクセンサ131と、駆動軸回転数センサ132と、シフトセンサ141と、アクセルセンサ142と、フットブレーキセンサ(以下、「FBセンサ」という)143と、パーキングブレーキセンサ(以下、「PKBセンサ」という)144と、スロットルセンサ145と、吸入空気量センサ151と、吸入空気温度センサ152と、冷却水温センサ153と、その他図示しない各種センサを備えている。上記車両10に備えられたそれぞれのセンサは、検出した検出信号を、ECU100に出力するようになっている。
エンジン20は、ガソリンあるいは軽油等の炭化水素系の燃料と空気との混合気を、図示しないシリンダの燃焼室内で燃焼させることによって動力を出力する公知の動力装置により構成されている。エンジン20は、燃焼室内で混合気の吸気、燃焼および排気を断続的に繰り返すことによりシリンダ内のピストンを往復動させ、ピストンと動力伝達可能に連結されたクランクシャフト21(図2参照)を回転させることにより、トランスミッション30にトルクを伝達するようになっている。なお、エンジン20に用いられる燃料は、エタノール等のアルコールを含むアルコール燃料であってもよい。
トランスミッション30は、クランクシャフト21を介してエンジン20により出力されたトルクを入力し、車両10の走行状態に応じて変速比を変化させて、図示しないファイナルギヤによりディファレンシャル機構40に出力するようになっている。トランスミッション30の詳細について、後述する。
ディファレンシャル機構40は、カーブ等を走行する場合に、駆動輪52Lと駆動輪52Rとの回転数の差を許容するものである。ディファレンシャル機構40は、ファイナルギヤにより入力されたトルクを、ドライブシャフト51L、51Rに分配して、出力するようになっている。なお、ディファレンシャル機構40は、ドライブシャフト51L、51Rを同一回転とし、駆動輪52Lと駆動輪52Rとの回転数の差を許容しないデフロック状態をとることができるものであってもよい。
駆動輪52L、52Rは、ドライブシャフト51L、51Rに取り付けられた、例えば金属製のホイールと、ホイールの外周を覆うように取り付けられた、例えば樹脂製のタイヤとを備えている。また、駆動輪52L、52Rは、ドライブシャフト51L、51Rによって伝達されたトルクにより回転し、タイヤと路面との摩擦作用によって、車両10を駆動させるようになっている。
ECU100は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)100a、固定されたデータの記憶を行うROM(Read Only Memory)100b、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)100c、書き換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)100dおよび入出力インターフェース回路(I/F)100eを備え、車両10の制御を統括するようになっている。
また、後述するように、ECU100は、クランクセンサ131、駆動軸回転数センサ132、アクセルセンサ142等と接続されている。ECU100は、これらのセンサから出力された検出信号により、エンジン回転数Ne、車速V(車両10の走行速度)、アクセル開度Acc等を検出するようになっている。
さらに、ECU100は、油圧制御装置120を制御し、トランスミッション30の各部の油圧を制御するようになっている。
また、ECU100のROM100bには、スロットル開度制御マップ、変速線図、ロックアップ制御マップ、車両10の諸元値、各変速段を実現する作動表、車両制御を実行するためのプログラム等が記憶されている。
スロットル開度制御マップは、アクセル開度Accに基づいて、スロットル開度θthを求めるためのマップである。また、スロットル開度制御マップは、複数のモードを有し、走行状態、走行路等に応じて、モードを切り替えるようにしてもよい。ECU100は、スロットル開度制御マップにおけるモードの選択を、走行状態、走行路等に応じて、自動で切り替えるようにしてもよいし、ドライバーによる選択に応じて切り替えるようにしてもよい。
また、変速線図は、車速Vおよびスロットル開度θthに基づいて、自動変速を行う場合の変速段を決定するマップである。例えば、同一のスロットル開度θthで車速Vが上昇し、アップシフト用変速線を超えて車速Vが大きくスロットル開度θthが小さい領域に移行した場合には、その領域に応じた変速段にアップシフトする。一方、同一のスロットル開度θthで車速Vが下降し、ダウンシフト用変速線を超えて車速Vが小さくスロットル開度θthが大きい領域に移行した場合には、その領域に応じた変速段にダウンシフトする。また、同様に、同一の車速Vでスロットル開度θthが上昇し、ダウンシフト用変速線を超えて車速Vが小さくスロットル開度θthが大きい領域に移行した場合にも、その領域に応じた変速段にダウンシフトする。
ここで、ECU100のCPU100aは、変速線図に基づいて、車速Vおよびスロットル開度θthに応じて決定した変速段を、RAM100cに記憶しておく。
また、ロックアップ制御マップは、車速Vおよびアクセル開度Accに基づいて、トルクコンバータ60(図2参照)のロックアップの状態を決定するマップである。例えば、車速Vが大きく、アクセル開度Accが小さい領域では、ロックアップ作動領域となり、ECU100は、トルクコンバータ60をロックアップ状態とする。また、車速Vが小さく、アクセル開度Accが大きい領域では、コンバータ領域となり、ECU100は、トルクコンバータ60のロックアップを完全に開放したコンバータ状態とする。さらに、これらの間で、車速Vとアクセル開度Accに応じた領域が、フレックスロックアップ作動領域となった場合には、ECU100は、トルクコンバータ60をフレックスロックアップ状態、すなわち、所定の滑り率でロックアップが係合する状態とする。
また、車両10の諸元値には、全幅・全高等の車両寸法、車両重量、エンジン総排気量、最小回転半径、車両10のタイヤ径(駆動輪52L、52Rの直径)、変速機構70のギヤ比等が含まれている。
また、ECU100のROM100bに記憶された各変速段を実現する作動表および車両制御を実行するためのプログラムについては、後述する。
油圧制御装置120は、ECU100によって制御される電磁弁としてのリニアソレノイドバルブSLT、SLU、オンオフソレノイドバルブSL、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5を備えている。油圧制御装置120は、ECU100によって制御されることにより、上記各ソレノイドバルブにより油圧回路の切り替えおよび油圧制御が行われ、トランスミッション30の各部を動作させるようになっている。油圧制御装置120の各ソレノイドバルブの機能については、後述する。
クランクセンサ131は、ECU100によって制御されることにより、クランクシャフト21の回転数を検出して、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、クランクセンサ131から出力された検出信号が表すクランクシャフト21の回転数を、エンジン回転数Neとして取得するようになっている。
駆動軸回転数センサ132は、ECU100によって制御されることにより、ドライブシャフト51L(または51R)の回転数を検出して、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、駆動軸回転数センサ132から出力された検出信号が表すドライブシャフト51L(または51R)の回転数を、駆動軸回転数Ndとして取得するようになっている。さらに、ECU100は、駆動軸回転数センサ132から取得した駆動軸回転数Ndに基づいて、車速Vを算出するようになっている。
シフトセンサ141は、ECU100によって制御されることにより、シフトレバー211が複数の切り替え位置のうちいずれの切り替え位置にあるかを検出し、シフトレバー211の切り替え位置を表す検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、シフトセンサ141から出力された検出信号が表すシフトレバー211の切り替え位置を、シフトポジションPshとして取得するようになっている。
ここで、シフトレバー211は、車両10の後方から前方に向かって、ドライブレンジ(以下、単にDレンジという)に対応するDポジション、中立レンジに対応するNポジション、後進レンジに対応するRポジション、駐車レンジに対応するPポジションを取るようになっている。
シフトレバー211がDレンジに位置する場合には、後述する変速機構70の変速段が1速から6速のうち、いずれかを形成するようになっており、後述するように、ECU100が、これらの変速段の中から車速Vやスロットル開度θthに基づいて変速段を選択するようになっている。
シフトレバー211は、さらに、変速機構70の変速段を手動変速モード(シーケンシャルシフトマチックモード:以下、単にSレンジという)においてシフトするためのマニュアルポジションを表すMポジション、アップシフトを指示するためのプラスポジション(+ポジション)およびダウンシフトを指示するためのマイナスポジション(−ポジション)を取るようになっている。Mポジションは、Dポジションの横に位置しており、シフトレバー211は、Dポジションから横に移動されると、図示しないばねにより、Mポジションに保持されるようになっている。
アクセルセンサ142は、ECU100によって制御されることにより、アクセルペダル212が踏み込まれた踏み込み量(以下、ストロークという)を検出して、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、アクセルセンサ142から出力された検出信号が表すアクセルペダル212のストロークから、アクセル開度Accを算出するようになっている。
FBセンサ143は、ECU100によって制御されることにより、フットブレーキペダル213が踏み込まれた踏み込み量(以下、ストロークという)を検出して、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、FBセンサ143から出力された検出信号が表すフットブレーキペダル213のストロークから、フットブレーキ踏力Bfを算出するようになっている。
なお、FBセンサ143は、フットブレーキペダル213のストロークを表すフットブレーキ踏力Bfではなく、フットブレーキペダル213のストロークに所定のしきい値を設け、踏み込まれたフットブレーキペダル213のストロークが、このしきい値を超えたか否かにより、フットブレーキオンオフ信号を出力するようにしてもよい。また、FBセンサ143は、駆動輪52L、52Rに設けられたブレーキ本体220L、220Rに与えられる油圧を検出し、このブレーキ本体220L、220Rに与えられる油圧を表す検出信号をECU100に出力するようにしてもよい。この場合も、FBセンサ143は、ブレーキシリンダの油圧に所定のしきい値を設け、ブレーキシリンダの油圧が、このしきい値を超えたか否かにより、フットブレーキオンオフ信号を出力するようにしてもよい。
ここで、フットブレーキペダル213は、踏み込まれたストロークをブレーキマスタシリンダ231に伝達する。ブレーキマスタシリンダ231は、フットブレーキペダル213から伝達されたストロークに応じた油圧を発生させる。ブレーキマスタシリンダ231に発生された油圧は、ブレーキアクチュエータ232を介して、各駆動輪52L、52Rに設けられたブレーキ本体220L、220Rに伝達される。ブレーキ本体220L、220Rは、伝達された油圧を機械的な力に変換して、それぞれの駆動輪52L、52Rを制動するようになっている。
PKBセンサ144は、ECU100によって制御されることにより、パーキングブレーキレバー214の操作量を検出して、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、PKBセンサ144から出力された検出信号が表すパーキングブレーキレバー214の操作量を、パーキングブレーキ操作量Bpkとして取得するようになっている。
なお、パーキングブレーキ機構がレバー式ではなくペダル式である場合には、PKBセンサ144は、パーキングブレーキペダルのストロークを検出し、パーキングブレーキペダルのストロークを表す検出信号をECU100に出力するようにしてもよい。
スロットルセンサ145は、ECU100によって制御されることにより、図示しないスロットルアクチュエータにより駆動されるスロットルバルブの開度を検出して、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、スロットルセンサ145から出力された検出信号が表すスロットルバルブの開度を、スロットル開度θthとして取得するようになっている。
また、ECU100は、スロットル開度制御マップに基づいてアクセル開度Accによりスロットル開度θthを求めるので、スロットルセンサ145から出力された検出信号を用いずに、上記スロットル開度制御マップにより求めたスロットル開度θthを検出値として代用することもできる。
ブレーキ圧センサ146は、ECU100によって制御されることにより、ブレーキマスタシリンダ231に発生された油圧を検出し、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、ブレーキ圧センサ146から出力された検出信号が表すブレーキマスタシリンダ231に発生された油圧を、ブレーキ圧Pbkとして取得するようになっている。
吸入空気量センサ151は、ECU100によって制御されることにより、エンジン20の図示しない吸気バルブから吸入される空気量を検出して、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、吸入空気量センサ151から出力された検出信号から、エンジン20の吸入空気量Qarを取得するようになっている。
吸入空気温度センサ152は、ECU100によって制御されることにより、エンジン20の上記吸気バルブから吸入される空気の温度を検出して、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、吸入空気温度センサ152から出力された検出信号から、エンジン20の吸入空気温度Tarを取得するようになっている。
冷却水温センサ153は、ECU100によって制御されることにより、エンジン20の図示しないシリンダを冷却する冷却水(以下、単にエンジン20の冷却水という)の温度を検出して、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、冷却水温センサ153から出力された検出信号から、エンジン20の冷却水温Twを取得するようになっている。
次に、トランスミッション30の詳細な構成について、説明する。
図2に示すように、トランスミッション30は、エンジン20からトルクを入力し、オイルを介して出力するトルクコンバータ60と、入力軸であるインプットシャフト71の回転数と出力ギヤであるアウトプットギヤ72の回転数との変速を行う変速機構70と、変速機構70からトルクを入力し回転数を落としながら駆動力を大きくしてディファレンシャル機構40に出力する減速歯車機構90と、を備えている。
トルクコンバータ60は、エンジン20と変速機構70との間に配置され、エンジン20からトルクを入力するポンプインペラー63と、変速機構70にトルクを出力するタービンランナー64と、オイルの流れの向きを変えるステータ66と、ポンプインペラー63とタービンランナー64との間を直結するロックアップクラッチ67と、を有しており、オイルを介してトルクを伝達するようになっている。
ポンプインペラー63は、エンジン20のクランクシャフト21に連結されている。また、ポンプインペラー63は、エンジン20のトルクによってクランクシャフト21と一体に回転させられるようになっている。
タービンランナー64は、タービン軸62を介して変速機構70のインプットシャフト71に連結されている。また、タービンランナー64は、ポンプインペラー63の回転により押し出されたオイルの流れによって回転させられ、インプットシャフト71を介して変速機構70にエンジン20のクランクシャフト21の回転を出力するようになっている。
ステータ66は、ワンウェイクラッチ65を介して非回転部材となるトランスミッション30のハウジング31に回転可能に支持されている。また、ステータ66は、タービンランナー64から流出し、再び、ポンプインペラー63に流入するオイルの方向を変え、ポンプインペラー63をさらに回そうとする力に変えるようになっている。ステータ66は、ワンウェイクラッチ65により回転が阻止され、このオイルの流れる方向を変更するようになっている。
また、ステータ66は、ポンプインペラー63とタービンランナー64とがほぼ同じ速度で回転するようになったときには、空転し、タービンランナー64に逆向きのトルクが働くことを防止するようになっている。
ロックアップクラッチ67は、ポンプインペラー63とタービンランナー64との間を直結し、エンジン20のクランクシャフト21の回転を、変速機構70のインプットシャフト71に機械的に直接伝達するようになっている。
ここで、トルクコンバータ60は、ポンプインペラー63とタービンランナー64との間でオイルを介して回転を伝達するようになっている。そのため、ポンプインペラー63の回転を、タービンランナー64に100%伝達することができない。したがって、ポンプインペラー63とタービンランナー64との回転速度が近づいた場合に、ロックアップクラッチ67を作動させて、ポンプインペラー63とタービンランナー64とを機械的に直結することにより、エンジン20から変速機構70への回転の伝達効率を高め、燃費を向上させるようにしている。
また、ロックアップクラッチ67は、所定の滑り率でスリップさせるフレックスロックアップも実現できるようにしている。なお、ロックアップクラッチ67の状態(ロックアップクラッチ67を解放したコンバータ状態とするか、ロックアップクラッチ67を締結したロックアップ状態とするか、ロックアップクラッチ67をスリップさせたフレックスロックアップ状態とするか)は、ECU100のROM100bに記憶されたロックアップ制御マップに基づいて、車両10の走行状態、具体的には、車速Vとアクセル開度Accに応じて、ECU100のCPU100aに選択されるようになっている。
さらに、ポンプインペラー63には、変速機構70の変速を行うための油圧や、各部にオイルを供給するための油圧を発生させる機械式のオイルポンプ68が設けられている。
変速機構70は、インプットシャフト71と、アウトプットギヤ72と、第1遊星歯車装置73と、第2遊星歯車装置74と、C1クラッチ75、C2クラッチ76と、B1ブレーキ77、B2ブレーキ78、B3ブレーキ79と、Fワンウェイクラッチ80と、を備えている。
インプットシャフト71は、トルクコンバータ60のタービン軸62に直結されている。したがって、インプットシャフト71は、トルクコンバータ60の出力回転を直接入力するようになっている。
アウトプットギヤ72は、第2遊星歯車装置74のキャリアに連結されるとともに、減速歯車機構90のギヤと係合している。したがって、アウトプットギヤ72は、変速機構70の出力回転を減速歯車機構90に伝達するようになっている。
第1遊星歯車装置73は、シングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されている。第1遊星歯車装置73は、サンギヤS1と、リングギヤR1と、ピニオンギヤP1と、キャリアCA1と、を有している。
サンギヤS1は、インプットシャフト71に連結されている。したがって、サンギヤS1は、インプットシャフト71を介して、トルクコンバータ60のタービン軸62に連結されている。リングギヤR1は、B3ブレーキ79を介してトランスミッション30のハウジング31に選択的に固定されるようになっている。
ピニオンギヤP1は、キャリアCA1に回転自在に支持されている。また、ピニオンギヤP1は、サンギヤS1およびリングギヤR1と係合している。キャリアCA1は、第2遊星歯車装置74のサンギヤS2と連結されている。また、キャリアCA1は、B1ブレーキ77を介してハウジング31に選択的に固定されるようになっている。
第2遊星歯車装置74は、ラビニヨ型の遊星歯車機構により構成されている。第2遊星歯車装置74は、サンギヤS2と、リングギヤR2(R3)と、ショートピニオンギヤP2と、ロングピニオンギヤP3と、サンギヤS3と、キャリアCA2と、キャリアCA3と、を有している。
サンギヤS2は、第1遊星歯車装置73のキャリアCA1に連結されている。リングギヤR2(R3)は、C2クラッチ76を介してインプットシャフト71に選択的に連結されるようになっている。また、リングギヤR2(R3)は、B2ブレーキ78を介してハウジング31に選択的に固定されるようになっている。また、リングギヤR2(R3)は、B2ブレーキ78と並列に設けられたFワンウェイクラッチ80により、インプットシャフト71の回転方向と反対方向(以下、逆方向という)への回転が阻止されるようになっている。
ショートピニオンギヤP2は、キャリアCA2に回転自在に支持されている。また、ショートピニオンギヤP2は、サンギヤS2およびロングピニオンギヤP3と係合している。ロングピニオンギヤP3は、キャリアCA3に回転自在に支持されている。また、ロングピニオンギヤP3は、ショートピニオンギヤP2、サンギヤS3およびリングギヤR2(R3)と係合している。
サンギヤS3は、C1クラッチ75を介してインプットシャフト71に選択的に連結されるようになっている。キャリアCA2は、アウトプットギヤ72に連結されている。キャリアCA3は、キャリアCA2およびアウトプットギヤ72に連結されている。
さらに、B1ブレーキ77、B2ブレーキ78およびB3ブレーキ79は、トランスミッション30のハウジング31に固定されている。また、C1クラッチ75、C2クラッチ76、Fワンウェイクラッチ80、B1ブレーキ77、B2ブレーキ78およびB3ブレーキ79(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置により構成されている。また、クラッチCおよびブレーキBは、油圧制御装置120のリニアソレノイドバルブSL1〜SL5、SLU、SLT、およびオンオフソレノイドバルブSLの励磁、非励磁や図示しないマニュアルバルブの作動状態によって切り替えられる油圧回路に応じて、係合状態および解放状態の双方の間で状態を切り替えられるようになっている。
さらに、トランスミッション30には、インプットシャフト回転数センサ133と、アウトプットギヤ回転数センサ134と、が設けられている。
インプットシャフト回転数センサ133は、ECU100によって制御されることにより、インプットシャフト71の回転数を検出して、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、インプットシャフト回転数センサ133から出力された検出信号が表すインプットシャフト71の回転数を、インプットシャフト回転数Nmとして取得するようになっている。
なお、インプットシャフト71は、トルクコンバータ60のタービン軸62と連結されており、タービン軸62の回転数と同一のものなので、以下では、このインプットシャフト回転数センサ133によって検出されたインプットシャフト回転数Nmを、タービン回転数Ntとする。
アウトプットギヤ回転数センサ134は、ECU100によって制御されることにより、アウトプットギヤ72の回転数を検出して、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、アウトプットギヤ回転数センサ134から出力された検出信号が表すアウトプットギヤ72の回転数を、アウトプットギヤ回転数Ncとして取得するようになっている。
また、油圧制御装置120には、油温センサ154が設けられている。
油温センサ154は、ECU100によって制御されることにより、トランスミッション30および油圧制御装置120における油圧回路内のオイルの温度(以下、単にオイルの温度または油温という)を検出して、検出した検出信号をECU100に出力するようになっている。また、ECU100は、油温センサ154から出力された検出信号から、オイルの温度Tfを取得するようになっている。
次に、トランスミッション30の変速機構70における各変速段を実現する摩擦係合装置の係合状態を表す作動表を示し、説明する。
図3に示すように、各変速段を実現する作動表は、各変速段を実現するために、変速機構70の各摩擦係合装置(クラッチC、ブレーキB)の係合および解放の状態を示したものである。図3において、「○」は係合を表している。「×」は解放を表している。「◎」はエンジンブレーキ時のみの係合を表している。また、「△」は駆動時のみの係合を表している。
この作動表に示された組み合わせで、油圧制御装置120(図1参照)に設けられたリニアソレノイドバルブSL1〜SL5および図示しないトランスミッションソレノイドの励磁、非励磁や電流制御によって各摩擦係合装置を作動させることにより、1速(1st)〜6速(6th)の前進変速段と、後進変速段(R)と、が形成される。
このような作動表に基づいて、ECU100は、1速(1st)を実現させる場合において、駆動時には、C1クラッチ75の係合に加え、Fワンウェイクラッチ80を係合させる。一方、ECU100は、1速(1st)を実現させる場合において、エンジンブレーキをかける際には、C1クラッチ75の係合に加え、B2ブレーキ78を係合させる。
また、ECU100は、2速(2nd)を実現する場合には、C1クラッチ75およびB1ブレーキ77を係合させる。また、ECU100は、3速(3rd)を実現する場合には、C1クラッチ75およびB3ブレーキ79を係合させる。
また、ECU100は、4速(4th)を実現する場合には、C1クラッチ75およびC2クラッチ76を係合させる。また、ECU100は、5速(5th)を実現する場合には、C2クラッチ76およびB3ブレーキ79を係合させる。また、ECU100は、6速(6th)を実現する場合には、C2クラッチ76およびB1ブレーキ77を係合させる。
また、ECU100は、後進変速段(R)を実現する場合には、B2ブレーキ78およびB3ブレーキ79を係合させる。
さらに、ECU100は、中立レンジおよび駐車レンジを実現する場合には、C1クラッチ75、C2クラッチ76、B1ブレーキ77、B2ブレーキ78、B3ブレーキ79およびFワンウェイクラッチ80の全てを解放させる。このように、変速機構70は、全ての摩擦係合装置を解放させることにより、変速機構70の入出力間で動力伝達が行われないニュートラル状態となる。
したがって、このような作動表に基づいて、例えば、3速(3rd)から4速(4th)に、アップシフトさせる場合には、ECU100は、B3ブレーキ79を解放させるとともに、C2クラッチ76を係合させる掴みかえを実行するようになっている。また、3速(3rd)から2速(2nd)に、ダウンシフトさせる場合には、ECU100は、B3ブレーキ79を解放させるとともに、B1ブレーキ77を係合させる掴みかえを実行するようになっている。
さらに、例えば、2速(2nd)で車両10が停車し、その後発進させる場合には、ECU100は、B1ブレーキ77を解放させるとともに、Fワンウェイクラッチ80を係合させることにより、駆動時の1速(1st)を実現させて、車両10を発進させるようになっている。
次に、油圧制御装置120の各ソレノイドバルブの機能について、説明する。
リニアソレノイドバルブSLTは、各部に供給するオイルの元圧となるライン圧PLの油圧制御を行うようになっている。具体的には、リニアソレノイドバルブSLTは、スロットル開度θth、エンジン20の吸入空気量Qar、エンジン20の冷却水温Tw、エンジン回転数Ne、インプットシャフト回転数Nm(タービン回転数Nt)、トランスミッション30(および油圧制御装置120)の油温Tf、シフトポジションPsh、シフトレンジ等に基づいて、ECU100によって制御され、ライン圧PLを調圧するようになっている。
リニアソレノイドバルブSLUは、ロックアップ機構の制御を行うようになっている。具体的には、リニアソレノイドバルブSLUは、トルクコンバータ60の入力回転数であるエンジン回転数Ne、トルクコンバータ60の出力回転数であるタービン回転数Nt、スロットル開度θth、車速V、入力トルク等に基づいて、ECU100によって制御され、図示しないロックアップリレーバルブ、ロックアップコントロールバルブを調圧し、ロックアップクラッチ67を制御するようになっている。
オンオフソレノイドバルブSLは、ロックアップリレーバルブの油圧の切り替えを行うようになっている。
リニアソレノイドバルブSL1〜SL5は、変速制御を行うようになっている。また、リニアソレノイドバルブSL1およびSL2は、C1クラッチ75およびC2クラッチ76の油圧を制御するようになっている。また、リニアソレノイドバルブSL3、SL4およびSL5は、B1ブレーキ77、B2ブレーキ78およびB3ブレーキ79の油圧を制御するようになっている。
図4に、本発明の実施の形態における油圧制御回路の概略構成を表す回路図を示し、説明する。
図4に示すように、オイルポンプ68から圧送されたオイルは、レギュレータバルブ121により調圧され、ライン圧PLとなる。
レギュレータバルブ121によってライン圧PLに調圧されたオイルは、シフトレバー211(図1参照)に連動させられるマニュアルバルブ122に供給される。シフトレバー211が前進レンジに対応するポジションに位置する場合には、ライン圧PLと等しい前進ポジション圧PDを有するオイルが、マニュアルバルブ122からリニアソレノイドバルブSL1〜SL5へ供給されるようになっている。
リニアソレノイドバルブSL1〜SL5は、C1クラッチ75、C2クラッチ76、B1ブレーキ77、B2ブレーキ78、B3ブレーキ79にそれぞれ対応するよう配設されている。ECU100は、ソレノイド電流によってこれらのリニアソレノイドバルブSL1〜SL5を制御することにより、油圧PC1、PC2、PB1、PB2、PB3を調節し、C1クラッチ75、C2クラッチ76、B1ブレーキ77、B2ブレーキ78、B3ブレーキ79の係合および解放を切り替えたり、係合圧を調節したりするようになっている。
このように、変速機構70は、油圧制御装置120のリニアソレノイドバブルSLT、SLU、オンオフソレノイドバルブSLおよびリニアソレノイドバルブSL1〜SL5の作動状態に応じて、ライン圧PLを元圧とする油圧により、摩擦係合装置(クラッチCおよびブレーキB)が選択的に係合あるいは解放、および、所定の係合圧で制御されるようになっている。変速機構70は、これらの摩擦係合装置(クラッチCおよびブレーキB)の係合および解放の組み合わせに応じた変速段を構成し、インプットシャフト71とアウトプットギヤ72との回転数の比を変更するようになっている。
したがって、本実施の形態における変速機構70は、上記のように、1速(1st)〜6速(6th)により構成される6つの前進変速段、および、1つの後進変速段のうちのいずれかの変速段、あるいは、ニュートラル状態をとるようになっている。
以下、本発明の実施の形態における制御装置を備えた車両10の特徴的な構成について説明する。
変速機構70は、複数の摩擦係合装置が選択的に係合されることにより変速比の異なる複数の変速段が成立させられるようになっている。すなわち、変速機構70は、本発明における自動変速機を構成している。
駆動軸回転数センサ132は、車速Vを検出するようになっている。すなわち、駆動軸回転数センサ132は、本発明における車速検出手段を構成している。
ブレーキ圧センサ146は、ドライバーの発進意思操作を検出するようになっている。具体的には、ブレーキ圧センサ146は、車両10の走行を制動させるブレーキ本体220L、220Rを作動させるブレーキマスタシリンダ231から供給される油圧を検出することにより、ドライバーの発進意思操作を検出するようになっている。すなわち、ブレーキ圧センサ146は、本発明における発進操作検出手段を構成している。
油圧制御装置120は、変速機構70の摩擦係合装置に対して、係合圧を付与するようになっている。すなわち、油圧制御装置120は、本発明における係合圧付与手段を構成している。
ECU100のROM100bは、変速機構が実現する各変速段において、複数の摩擦係合装置の解放側摩擦係合装置および係合側摩擦係合装置を特定する作動表を記憶するようになっている。すなわち、ECU100のROM100bは、本発明におけるマップ記憶手段を構成している。なお、作動表とは、本発明における解放係合特定マップを構成している。
ECU100は、検出された車速Vに基づいて、車両10の停止および発進を判定するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における車両状態判定手段を構成している。
また、ECU100は、ブレーキ圧センサ146に検出されたドライバーの発進意思操作に基づいて、車両10の発進指示を判定するようになっている。例えば、ECU100は、検出されたブレーキの圧力に基づいて、車両10の発進指示を判定するようになっている。さらに、ECU100は、検出されたブレーキの圧力の変化に応じて、発進指示と判定するブレーキの圧力を変更するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における発進指示判定手段を構成している。
さらに、ECU100は、変速機構70の変速段を検出するようになっている。例えば、ECU100のCPU100aは、RAM100cに記憶した変速段を読み込むことにより、変速段を検出することができる。また、ECU100は、変速機構70の摩擦係合装置のそれぞれの係合または解放状態を検出(例えば、各摩擦係合装置の油圧により検出)することにより、作動表に基づいて変速段を検出することもできる。すなわち、ECU100は、本発明における変速段検出手段を構成している。
さらに、ECU100は、作動表に基づいて、検出された変速段から変速比が最も大きな1速(1st)へ切り替えるための解放側摩擦係合装置を特定するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における解放装置特定手段を構成している。なお、1速(1st)とは、本発明における第1変速段を構成している。
さらに、ECU100は、特定された解放側摩擦係合装置に対して、油圧制御装置120が付与する係合圧を、予め設定された目標変速時間に応じた変速制御圧に制御するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における解放側係合圧制御手段を構成している。
さらに、ECU100は、発進指示が判定されてから発進が判定されるまでの実変速時間を計時するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における実変速時間計時手段を構成している。
さらに、ECU100は、目標変速時間と実変速時間とに基づいて、変速制御圧の学習値を算出するようになっている。例えば、ECU100は、検出された変速段が1速(1st)よりも変速比が小さな2速(2nd)以上である場合に限り、変速制御圧の学習値を算出するようになっている。また、ECU100は、車両10の発進が判定されたときの駆動力が予め設定された1速(1st)による発進の駆動力である場合に限り、変速制御圧の学習値を算出するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における変速圧学習手段を構成している。
さらに、ECU100は、算出した学習値により変速制御圧を補正するようになっている。例えば、ECU100は、予め記憶した所定の変速制御圧に、算出した学習値を加算することにより、変速制御圧を補正するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における変速圧補正手段を構成している。
さらに、ECU100は、車両10の発進が判定されたときの駆動力を検出するようになっている。例えば、ECU100は、車速Vの変化率に基づいて車両10の発進時の駆動力を検出するようになっている。すなわち、ECU100は、本発明における駆動力検出手段を構成している。
次に、図5に、本発明の実施の形態における車両制御のタイミングチャートを示し、車両制御のタイミングを説明する。
ここで、タイミングチャート(a)は、ドライバーがフットブレーキペダル213を踏む力を示すブレーキ踏力Bfの変化を表している。また、タイミングチャート(b)は、ECU100により判定された変速指示の有無の変化を表している。また、タイミングチャート(c)は、解放側油圧の変化を表しており、例えば、本実施の形態において、2速(2nd)で停車した場合には、B1ブレーキ77に対する係合圧PB1の変化を表している。また、タイミングチャート(d)は、車速の変化を表しており、ドライブシャフト51L(または51R)の回転数、アウトプットギヤ72の回転数としてもよい。また、タイミングチャート(e)は、車両10にかかる前後Gの変化を表している。
なお、本実施の形態において、タイミングチャート(a)に示したドライバーのブレーキ踏力は、ブレーキ圧センサ146が検出したブレーキ圧Pbkに基づいて検出する。また、点線は学習前の挙動を示し、実線は学習制御後の挙動を示す。
ECU100は、車両10の停止中にブレーキ踏力が所定値以下に低下したと判定すると、変速指示が発生したものとして、指示変速段を1速(1st)に切り替え、解放側の油圧を所定の棚圧まで低下させる。また、ECU100は、この変速指示の判定とともに、変速時間の計時を開始する。
ブレーキ踏力が低下し、解放側油圧を所定の棚圧まで低下させたまま一定時間経過すると、車両10が発進する。ECU100は、車両10が発進したら、変速指示の判定から車両10の発進までの実変速時間を測定し、計時を終了する。ここで、解放側油圧の設定した棚圧が低すぎると、設定されている目標変速時間よりも、実変速時間が短くなってしまう。そのため、ECU100は、目標変速時間と、実変速時間と、を比較し、解放側油圧の棚圧を学習補正する。
この学習補正により、設定されている変速時間の目標時間よりも実変速時間が短かった場合には、次回の変速時に、ECU100は解放側油圧の棚圧を前回よりも高く設定し、実変速時間を設定された目標変速時間に合わせることができる。
次に、図6に、本発明の実施の形態における車両制御処理に用いる各種テーブルを示し、説明する。
ここで、(a)は、ブレーキ圧変化量に基づいて変速指示判定を行うブレーキ圧を変更する判定ブレーキ圧決定テーブルである。(b)は、トランスミッション30の油温に応じて解放側油圧の指示圧を変更する指示圧決定テーブルである。(c)は、目標変速時間と実変速時間との差に応じて解放側油圧を補正する補正量を決定する油圧補正量決定テーブルである。
なお、判定ブレーキ圧決定テーブル、指示圧決定テーブル、油圧補正量決定テーブルは、予めECU100のROM100bに記憶されている。また、上記各テーブル上に該当する値がない場合には、線形変換を用いることによって各値を求めることができる。
次に、図7に、本発明の実施の形態における車両制御処理を示すフローチャートを示し、動作について説明する。
なお、図7に示すフローチャートは、ECU100のCPU100aによって、RAM100cを作業領域として実行される車両制御処理のプログラムの実行内容を表す。この車両制御処理のプログラムは、ECU100のROM100bに記憶されている。また、この車両制御処理は、ECU100のCPU100aによって、予め定められた時間間隔で実行されるようになっている。なお、この車両制御処理は、後述する車両10の停止判定(ステップS11)を行う代わりに、車両10の停止を検出した場合に、処理を実行するようにしてもよい。
図7に示すように、まず、ECU100のCPU100aは、車両10が停止中か否かの判定を行う(ステップS11)。具体的には、ECU100のCPU100aは、駆動軸回転数センサ132(図1参照)により入力された検出信号Ndに基づく車両10の走行速度Vが0である場合に、車両10は停止中であると判定する。また、この車両10の停止判定は、車両10の走行速度Vが予め定められた低車速以下である場合に、車両10は停止中であると判定するようにしてもよい。
ECU100のCPUは、車両10が停止中ではないと判定した場合には(ステップS11でNOと判定)、本車両制御処理を終了する。
ECU100のCPU100aは、車両10が停止中であると判定した場合(ステップS11でYESと判定)には、シフトポジションが"Pポジション"、"Rポジション"および"Nポジション"以外であるか否かを判定し(ステップS12)、シフトポジションが"Pポジション"、"Rポジション"または"Nポジション"であったら(ステップS12でNOと判定)、本車両制御処理を終了する。
具体的には、ECU100のCPU100aは、シフトセンサ141が検出したシフトレバー211の切り替え位置を表すシフトポジションPshが、"Pポジション"、"Rポジション"または"Nポジション"であるか否かを判定する。
ECU100のCPU100aは、シフトポジションが"Pポジション"、"Rポジション"および"Nポジション"以外であると判定した場合(ステップS12でYESと判定)には、変速段が2速(2nd)以上であるか否かを判定し(ステップS13)、変速段が2速(2nd)以上でなければ(ステップS13でNOと判定)、本車両制御処理を終了する。
具体的には、ECU100のCPU100aは、RAM100cに記憶されている変速段により、2速(2nd)以上であるか否かを判定する。また、ECU100のCPU100aは、変速機構70のクラッチCおよびブレーキBの実際の係合状態に基づいて変速段を判定するようにしてもよい。
ECU100のCPU100aは、変速段が2速(2nd)以上であると判定した場合(ステップS13でYESと判定)には、ブレーキ圧が所定の油圧以下となったか否かを判定し(ステップS14)、所定の油圧以下となっていなければ(ステップS14でNOと判定)、車両10の停止判定処理(ステップS11)に戻る。
具体的には、ECU100のCPU100aは、ブレーキ圧センサ146からブレーキ圧Pbkを取得し、取得したブレーキ圧Pbkにより、ブレーキ圧変化量を算出する。次いで、ECU100のCPU100aは、ROM100bに記憶した判定ブレーキ圧決定テーブル(図6(a)参照)に基づいて、上記算出したブレーキ圧変化量に応じた油圧低下判定用ブレーキ圧cmc_tblを求める。そして、ECU100のCPU100aは、ブレーキ圧センサ146が検出したブレーキ圧Pbkが上記油圧低下判定用ブレーキ圧cmc_tbl以下となったか否か判定する。
このように、ブレーキ圧変化量に応じてブレーキ圧低下の判定値を変更することにより、ドライバーの意図を迅速に読み取って変速制御を行うことができる。
ECU100のCPU100aは、ブレーキ圧が所定の油圧cmc_tbl以下となった場合(ステップS14でYESと判定)には、変速指示が出されたものと推定し、変速機構70の摩擦係合装置のうち解放を行う摩擦係合装置(以下、解放側摩擦係合装置という)を特定する(ステップS15)。
具体的には、ECU100のCPU100aは、ROM100bに記憶された摩擦係合装置の作動表に基づいて、上記検出した現在の変速段における摩擦係合装置の係合解放の組み合わせと、1速(1st)における摩擦係合装置の係合解放の組み合わせと、により解放側摩擦係合装置を特定する。例えば、2速(2nd)で停車した場合には、解放側摩擦係合装置は、B1ブレーキ77となる。
次に、ECU100のCPU100aは、上記特定した解放側摩擦係合装置の変速過渡時の制御圧(以下、変速制御圧という)の算出を行う(ステップS16)。
具体的には、ECU100のCPU100aは、油温センサ154から油圧回路の油温Tfを取得する。次いで、ECU100のCPU100aは、ROM100bに記憶した指示圧決定テーブル(図6(b)参照)に基づいて、上記取得した油温Tfに応じた指示圧pac_tblを求める。そして、ECU100のCPU100aは、求めた指示圧pac_tblに前回の変速制御時に学習している油圧学習値lrnを加算し、変速制御圧を算出する。なお、油圧学習値lrnは、初期値を"0"とし、後述するステップS22において、学習補正される。
次に、ECU100のCPU100aは、解放側摩擦係合装置の解放制御を開始する(ステップS17)。
具体的には、ECU100のCPU100aは、上記特定した解放側摩擦係合装置の係合圧を上記算出した変速制御圧まで低下させる。例えば、B1ブレーキ77を解放させる場合には、ECU100のCPU100aは、油圧PB1を調節して、B1ブレーキ77の係合圧が上記変速制御圧となるように、リニアソレノイドバルブSL3を制御する。
次に、ECU100のCPU100aは、変速時間の計時を開始する(ステップS18)。
具体的には、ECU100のCPU100aは、学習用カウンタの計数を開始して、実際に変速に要する時間(実変速時間)の計時を開始する。
次に、ECU100のCPU100aは、車両10が発進したか否かを判定し(ステップS19)、車両10の発進と判定しない場合(ステップS19でNOと判定)には、車両10の発進を判定するまで、本車両発進判定処理(ステップS19)を繰り返す。
具体的には、ECU100のCPU100aは、駆動軸回転数センサ132から駆動軸回転数Ndを取得し、取得した駆動軸回転数Ndが"1"(rpm)以上であるか否かを判定する。また、ECU100のCPU100aは、駆動軸回転数Ndの代わりに、アウトプットギヤ回転数センサ134からアウトプットギヤ回転数Ncを取得し、取得したアウトプットギヤ回転数Ncが"1"以上であるか否かを判定することにより、車両10の発進を判定するようにしてもよい。同様に、ECU100のCPU100aは、駆動軸回転数Ndの代わりに、インプットシャフト回転数センサ133からインプットシャフト回転数Nm(タービン回転数Nt)を取得し、車両10の発進を判定するようにしてもよい。
ECU100のCPU100aは、車両10が発進したと判定した場合(ステップS19でYESと判定)には、1速(1st)による発進であるか否かを判定し(ステップS20)、1速(1st)による発進でない場合(ステップS20でNOと判定)には、本車両制御処理を終了する。
具体的には、ECU100のCPU100aは、車両10の発進時の車速Vの変化率を求める。次いで、ECU100のCPU100aは、予め設定されたマップに応じて、求めた車速Vの変化率により発進時の駆動力を求め、この駆動力が予め設定された1速(1st)による発進の駆動力であるか否かを判定する。
ECU100のCPU100aは、1速(1st)による発進であると判定した場合(ステップS20でYESと判定)には、変速開始から発進までに経過した実変速時間を求める(ステップS21)。
具体的には、ECU100のCPU100aは、車両10の発進時の学習用カウンタの値を求める。ここで、この学習用カウンタの値から、実変速時間を算出するようにしてもよいが、本実施の形態においては、以下の処理において実変速時間そのものは使用せず、学習用カウンタの値を用いて変速制御処理を行うので、実変速時間を特に算出しなくてもよい。なお、学習用カウンタの値として、単なるカウンタ値ではなく、計測時間そのものを用いるようにすることもできる。
次に、ECU100のCPU100aは、上記実変速時間から油圧補正量を算出し、次回変速時の油圧学習値を補正する(ステップS22)。
具体的には、ECU100のCPU100aは、変速時の目標時間を示す目標カウンタの値から上記計測した学習用カウンタの値を減算して、目標カウンタと学習用カウンタとのカウンタ値の差を算出する。次いで、ECU100のCPU100aは、ROM100bに記憶した油圧補正量決定テーブル(図6(c)参照)に基づいて、上記算出した目標カウンタと学習用カウンタとのカウンタ値の差に応じた油圧の補正量lrndcを求める。そして、ECU100のCPU100aは、今回の変速時に使用した油圧学習値lrnに、上記求めた油圧の補正量lrndcを加算して、次回の変速時の油圧学習値lrnを算出する。
次に、ECU100のCPU100aは、変速の開始から目標変速時間を経過しているか否かを判定し(ステップS23)、目標変速時間を経過していない場合(ステップS23でNOと判定)には、目標変速時間を経過するまで、本目標変速時間経過判定処理(ステップS23)を繰り返す。
ECU100のCPU100aは、目標変速時間を経過したと判定した場合(ステップS23でYESと判定)には、解放側摩擦係合装置の完全解放を行う(ステップS24)。
具体的には、ECU100のCPU100aは、上記変速制御圧で制御している解放側摩擦係合装置の係合圧を完全に開放する。例えば、B1ブレーキ77を解放させる場合には、ECU100のCPU100aは、B1ブレーキ77の係合圧が完全に開放されるように、リニアソレノイドバルブSL3を制御する。
以上のように、本実施の形態における車両の制御装置は、ドライバーの操作により発進指示を判定するとともに、車両10の発進を判定することにより、実変速時間を求め、この実変速時間と予め設定された目標変速時間とに基づいて、変速制御圧を学習補正するので、車両10が停車中であっても変速時間を学習することができ、ドライバビリティを向上させることができる。
また、本実施の形態における車両の制御装置は、ブレーキマスタシリンダ231に発生された油圧によって車両10の発進指示を検出するので、変速を自動で行う変速機構70のようにドライバーからの明確な変速指示が入力されない車両10であっても、発進指示を検出することができるとともに、迅速な発進指示の検出を行うことができ、変速時間の学習を行うことができる。
さらに、本実施の形態における車両の制御装置は、ブレーキマスタシリンダ231に発生された油圧の変化に応じて、発進指示を判定する判定用ブレーキ圧を変更するので、ドライバーの意図を推測して、急激な変速に対処することができるとともに、無用な発進指示検出も防止して、発進指示の検出精度を向上させることができる。
さらに、本実施の形態における車両の制御装置は、停車時の変速段が2速以上の変速段である場合に限って、変速制御圧を学習補正するので、2速以上の変速段から1速に変速制御される変速時間を確実に学習することができるとともに、1速から1速への変速のように学習補正が無用な場合の制御を防止することができる。
さらに、本実施の形態における車両の制御装置は、発進時の駆動力が1速による発進の駆動力である場合に限って、変速制御圧の学習補正を行うので、1速に切り替わらずに車両10が発進してしまった場合の学習補正を防止することができ、1速に切り替わった変速時間を確実に学習することができる。
なお、本実施の形態においては、動力源としてガソリンを燃料とするエンジン20を用いた車両10の場合について説明したが、これに限らず、モーターを動力源とする電気自動車、水素を燃料とするエンジンを動力源とする水素自動車、あるいは、エンジンとモーターの双方を用いるハイブリッド車両等とすることもできる。この場合も上述した車両の制御装置と同様の効果が得られる。
また、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内ですべての変更が含まれることが意図される。
以上説明したように、本発明に係る車両の制御装置は、車両が停車中であっても変速時間を学習することができ、ドライバビリティを向上させることができるという効果を有し、変速時の制御圧を学習補正する車両の制御装置等として有用である。
10 車両
20 エンジン
30 トランスミッション
40 ディファレンシャル機構
51L、51R ドライブシャフト
52L、52R 駆動輪
60 トルクコンバータ
70 変速機構(自動変速機)
71 インプットシャフト
72 アウトプットギヤ
73 第1遊星歯車装置
74 第2遊星歯車装置
75 C1クラッチ
76 C2クラッチ
77 B1ブレーキ
78 B2ブレーキ
79 B3ブレーキ
80 Fワンウェイクラッチ
90 減速歯車機構
100 ECU(車両状態判定手段、発進指示判定手段、変速段検出手段、解放装置特定手段、解放側係合圧制御手段、実変速時間計時手段、変速圧学習手段、変速圧補正手段、駆動力検出手段)
100b ROM(マップ記憶手段)
120 油圧制御装置(係合圧付与手段)
132 駆動軸回転数センサ(車速検出手段)
133 インプットシャフト回転数センサ
134 アウトプットギヤ回転数センサ
143 フットブレーキセンサ(FBセンサ)
146 ブレーキ圧センサ(発進操作検出手段)
151 吸入空気量センサ
154 油温センサ
213 フットブレーキペダル
220L、220R ブレーキ本体
231 ブレーキマスタシリンダ
232 ブレーキアクチュエータ

Claims (5)

  1. 複数の油圧式摩擦係合装置が選択的に係合されることにより変速比の異なる複数の変速段が成立させられる自動変速機に対して、前記複数の油圧式摩擦係合装置のうち所定の解放側摩擦係合装置を解放させる一方、所定の係合側摩擦係合装置を係合させて、前記自動変速機の変速制御を行う車両の制御装置において、
    車速を検出する車速検出手段と、
    ドライバーの発進意思操作を検出する発進操作検出手段と、
    前記自動変速機の油圧式摩擦係合装置に対して、係合圧を付与する係合圧付与手段と、
    前記自動変速機が実現する各変速段において、前記複数の油圧式摩擦係合装置の解放側摩擦係合装置および係合側摩擦係合装置を特定する解放係合特定マップを記憶するマップ記憶手段と、
    前記車速検出手段に検出された車速に基づいて、前記車両の停止および発進を判定する車両状態判定手段と、
    前記発進操作検出手段に検出されたドライバーの発進意思操作に基づいて、前記車両の発進指示を判定する発進指示判定手段と、
    前記自動変速機の変速段を検出する変速段検出手段と、
    前記解放係合特定マップに基づいて、前記変速段検出手段に検出された変速段から変速比が最も大きな第1変速段へ前記自動変速機の変速段を切り替えるための解放側摩擦係合装置を特定する解放装置特定手段と、
    前記特定された解放側摩擦係合装置に対して、前記係合圧付与手段が付与する係合圧を、予め設定された目標変速時間に応じた変速制御圧に制御する解放側係合圧制御手段と、
    前記発進指示判定手段により前記発進指示が判定されてから前記車両状態判定手段により前記発進が判定されるまでの実変速時間を計時する実変速時間計時手段と、
    前記目標変速時間と前記実変速時間とに基づいて、前記変速制御圧の学習値を算出する変速圧学習手段と、
    前記変速圧学習手段が算出した学習値により、前記解放側係合圧制御手段が制御する変速制御圧を補正する変速圧補正手段と、
    を備えたことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記発進操作検出手段は、前記車両の走行を制動するブレーキの圧力を検出し、
    前記発進指示判定手段は、前記検出されたブレーキの圧力と、予め設定された判定用ブレーキ圧と、に基づいて、前記車両の発進指示を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記発進指示判定手段は、前記検出されたブレーキの圧力の変化に応じて、前記判定用ブレーキ圧を変更することを特徴とする請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記変速圧学習手段は、前記変速段検出手段により検出された変速段が、前記第1変速段よりも変速比が小さな変速段である場合に限り、前記変速制御圧の学習値を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
  5. 前記車両状態判定手段に前記車両の発進が判定されたときの駆動力を検出する駆動力検出手段を備え、
    前記変速圧学習手段は、前記駆動力検出手段に検出された前記車両の駆動力が予め設定された前記第1変速段による発進の駆動力である場合に限り、前記変速制御圧の学習値を算出することを特徴とする請求項4に記載の車両の制御装置。
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