JP2010174966A - 空調機用の動力伝達部材の固着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】キーをキー溝に圧着させてプーリーなど空調機用の動力伝達部材を回転軸に強固に固着させることのできる固着装置が望まれている。
【解決手段】の動力伝達部材の固着装置は、回転軸1の外周面に半径方向内向きに陥没して形成された内凹キー溝2、および、回転軸1に嵌装された空調機用のプーリー3の内周面に半径方向外向きに陥没して形成された外凹キー溝4の双方に装着されるキー5と、プーリー3の外方と外凹キー溝4とを貫通して形成された雌ネジ穴7に螺合してキー5を押圧しプーリー3を回転軸1に固着するネジ6とから成る装置であって、キー5と対面するネジ6の先端部8が先細の円錐形状に形成されるとともに、キー5におけるネジ6と接する部位5Aに、ネジ6の先端部8を受ける傾斜面を有する受溝9が形成されていることを特徴とするものである。
【選択図】図1
【解決手段】の動力伝達部材の固着装置は、回転軸1の外周面に半径方向内向きに陥没して形成された内凹キー溝2、および、回転軸1に嵌装された空調機用のプーリー3の内周面に半径方向外向きに陥没して形成された外凹キー溝4の双方に装着されるキー5と、プーリー3の外方と外凹キー溝4とを貫通して形成された雌ネジ穴7に螺合してキー5を押圧しプーリー3を回転軸1に固着するネジ6とから成る装置であって、キー5と対面するネジ6の先端部8が先細の円錐形状に形成されるとともに、キー5におけるネジ6と接する部位5Aに、ネジ6の先端部8を受ける傾斜面を有する受溝9が形成されていることを特徴とするものである。
【選択図】図1
Description
この発明は、空調機用のプーリー、ギア等の動力伝達部材を回転軸に固着する際に使用される固着装置に関するものである。
従来、この種の固着装置としては、例えば下記の特許文献1に記載されたものが知られている。この文献1記載の固着装置は、回転軸の外周面に半径方向内向きに陥没して形成された内凹キー溝、および、回転軸に嵌装された動力伝達部材の内周面に半径方向外向きに陥没して形成された外凹キー溝の双方に装着されるキーと、動力伝達部材の外方と外凹キー溝とを貫通して形成された雌ネジ穴に螺合してキーを押圧し動力伝達部材を回転軸に固着するネジとから成っている。前記のキーはそれぞれ傾斜面を有する1対のキー部材で構成されており、互いの傾斜面を当接させて一体にされたものが内凹キー溝および外凹キー溝の双方に装着される。ネジにより押圧された各キー部材は傾斜面に沿って互いに反対方向に変位し両キー溝の左右内側壁に圧着するようになっている。一方で、従来一般の空調機において、例えば送風機に用いられるプーリーなどの動力伝達部材は回転軸のキー溝に取付けられたキーを止めネジで押し付けることにより回転軸に固着されている。
一般に、空調機は定期的にメンテナンスが行われるため、容易なメンテナンス性が求められている。メンテナンスを容易にするため、プーリーの平行度を得る作業(芯だし)が送風機側のプーリーを回転軸の軸心方向にずらすことにより行なわれる。しかしながら、このようなメンテナンスの際に、ずらされたプーリーが回転軸から脱落することが往々にしてあった。
そして、空調機では、結露により錆びが発生するおそれがあるうえ常時運転されることが多い。そのために、結露による錆や回転時の振動によりネジの締結力が低下してプーリーなどの動力伝達部材が回転軸の軸心方向にずれる可能性があり、最悪の場合、動力伝達部材が回転軸から脱落するおそれがあった。
一方で、上記文献1記載の固着装置はキーが二部材で構成されており、部品点数が一つ多くなるため、製造時の部品管理数の増加やコスト増額などの弊害がもたらされる。そのために、部品点数を増やすことなく上記問題を解決することが課題となっていた。
そして、空調機では、結露により錆びが発生するおそれがあるうえ常時運転されることが多い。そのために、結露による錆や回転時の振動によりネジの締結力が低下してプーリーなどの動力伝達部材が回転軸の軸心方向にずれる可能性があり、最悪の場合、動力伝達部材が回転軸から脱落するおそれがあった。
一方で、上記文献1記載の固着装置はキーが二部材で構成されており、部品点数が一つ多くなるため、製造時の部品管理数の増加やコスト増額などの弊害がもたらされる。そのために、部品点数を増やすことなく上記問題を解決することが課題となっていた。
上述の課題を解決するために、この発明に係る空調機用の動力伝達部材の固着装置は、回転軸の外周面に半径方向内向きに陥没して形成された内凹キー溝、および、回転軸に嵌装された空調機用の動力伝達部材の内周面に半径方向外向きに陥没して形成された外凹キー溝の双方に装着されるキーと、動力伝達部材の外方と外凹キー溝とを貫通して形成された雌ネジ穴に螺合してキーを押圧し動力伝達部材を回転軸に固着するネジとを備えて成る固着装置において、キーと対面するネジの先端部が先細の円錐形状に形成されるとともに、キーにおけるネジと接する部位に、ネジの先端部を受ける傾斜面を有する受溝が形成されていることを特徴とするものである。
この発明に係る空調機用の動力伝達部材の固着装置では、ネジを螺進させてキーを押圧すると受溝の傾斜面に力が加わるので、キーに関して回転軸半径方向内向きの力だけでなく回転軸周方向の力も加わる。これによって、キーが回転軸周方向に弾性変形し、回転軸の内凹キー溝および動力伝達部材の外凹キー溝とキーの両側面との隙間を埋めることができる。従って、キーの底面のみならず両側面においてもキーを内凹キー溝および外凹キー溝に圧着できるから、一般的な固着装置に比べて動力伝達部材を回転軸に確実に固着することができる。また、この固着装置では、従来一般の固着構造と同様にキーが一部品であるので、部品点数を増加させずに済む。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における空調機用の動力伝達部材の固着装置を示す要部拡大正断面図、図2はこの発明の実施の形態1,2における空調機用の動力伝達部材の固着装置を示す外観図、図3はこの発明の実施の形態1におけるキーを示し、(a)は外観図、(b)は(a)におけるA−A線矢視断面図、図4はこの発明の実施の形態1における固着装置の押圧方向図である。
各図において、この実施形態に係る空調機用の動力伝達部材の固着装置は、キー5と、キー5を押圧して空調機用のプーリー3(動力伝達部材の一例)を回転軸1に固着するネジ6とから構成されている。回転軸1の外周面にプーリー3の軸挿通穴10が嵌装されるようになっている。プーリー3は例えば能力20馬力の空調機の室内ユニットの送風機に使用されるものである。
図1はこの発明の実施の形態1における空調機用の動力伝達部材の固着装置を示す要部拡大正断面図、図2はこの発明の実施の形態1,2における空調機用の動力伝達部材の固着装置を示す外観図、図3はこの発明の実施の形態1におけるキーを示し、(a)は外観図、(b)は(a)におけるA−A線矢視断面図、図4はこの発明の実施の形態1における固着装置の押圧方向図である。
各図において、この実施形態に係る空調機用の動力伝達部材の固着装置は、キー5と、キー5を押圧して空調機用のプーリー3(動力伝達部材の一例)を回転軸1に固着するネジ6とから構成されている。回転軸1の外周面にプーリー3の軸挿通穴10が嵌装されるようになっている。プーリー3は例えば能力20馬力の空調機の室内ユニットの送風機に使用されるものである。
回転軸1の一端部の外周面には、正面視で角溝状の内凹キー溝2が回転軸半径方向内向きに陥没して形成されている。プーリー3の軸挿通穴10の内周面には、正面視で角溝状の外凹キー溝4が回転軸半径方向外向きに陥没して形成されている。内凹キー溝2、およびこの内凹キー溝2と対向した位置にある外凹キー溝4の双方に、角棒状のキー5が装着されるようになっている。プーリー3のボス部3Aには、ボス部3Aの外方と外凹キー溝4とを貫通する雌ネジ穴7が形成されている。雌ネジ穴7はネジ6と螺合しネジ6をキー5に向けて案内する。そして、雌ネジ穴7を螺進したネジ6はキー5を押圧してプーリー3を回転軸1に固着するようになっている。
キー5においてネジ6と接する部位5Aには、ネジ6の先端部8を受ける傾斜面11,11を有する正断面V字状の受溝9が形成されている。受溝9は回転軸心Cに沿う方向の所定長さLでキー5の上面に形成されている。受溝9の一方の傾斜面11とネジ6の軸心Sとの成す角度θは、例えば26.6度に設定されている。この角度θはネジ6の先端部8において軸心Sと円錐面との成す角度と同じであってもよい。そして、ネジ6におけるキー5と対面する側の先端部8は、先細の円錐形状に形成されている。
尚、この実施形態において、回転軸1の材質は例えばS35Cであり、プーリー3の材質は例えばFC200であり、キー5の材質は例えばS45Cであり、ネジ6の材質は例えばSCM435である。すなわち、ネジ6の方がキー5よりも硬度の高い材料で構成されている。但し、本発明については、前記の各材料に特に限定されるものでなく、他の材料を用いても構わない。
尚、この実施形態において、回転軸1の材質は例えばS35Cであり、プーリー3の材質は例えばFC200であり、キー5の材質は例えばS45Cであり、ネジ6の材質は例えばSCM435である。すなわち、ネジ6の方がキー5よりも硬度の高い材料で構成されている。但し、本発明については、前記の各材料に特に限定されるものでなく、他の材料を用いても構わない。
図2において、10はプーリー3の軸挿通穴であり、以下に組立の順番を説明する。プーリー3の軸挿通穴10に回転軸1を挿通し、互いの対向させたキー溝2,4にキー5を装着する。または、キー5を回転軸1の内凹キー溝2に装着した後、プーリー3の軸挿通穴10に回転軸1およびキー5を通してもよい。そして、プーリー3のボス部3Aの雌ネジ穴7にネジ6を装着して螺進させることにより、ネジ6がキー5を押圧してプーリー3が回転軸1に固着されて、組立が完了する。
図3はキー5の斜視図と受溝9におけるA−A線矢視断面図であり、図中の11は受溝9の傾斜面である。図4はネジ6がキー5を押圧する際の荷重方向を示す図である。
ネジ6の先端部8を尖り先とし、キー5に先端部8を受ける受溝9を設けたことで、ネジ6を螺進させるとネジ6の先端部8が受溝9の傾斜面11,11と接し、ネジ6によりキー5を押圧する力が傾斜面11に垂直な方向(矢印13)となる。そのため、回転軸半径方向内向き(矢印14)だけでなく、キー側面方向(回転軸周方向:矢印15)にも力が加わる。これによって、キー5が矢印15の方向に弾性変形して回転軸1の内凹キー溝2およびプーリー3の外凹キー溝4の左右両側の内側面との隙間12,12を埋めることができる。従って、内凹キー溝2の底面のみならず、キー溝2,4の左右両側の内側面にもキー5を圧着させることができる。この実施形態1に用いたキー5は一部品であるため、既述した文献1記載のキーのように部品点数が多くなることがなく、製造時の部品管理数の増加やコスト増額などの弊害をもたらすこともない。
ネジ6の先端部8を尖り先とし、キー5に先端部8を受ける受溝9を設けたことで、ネジ6を螺進させるとネジ6の先端部8が受溝9の傾斜面11,11と接し、ネジ6によりキー5を押圧する力が傾斜面11に垂直な方向(矢印13)となる。そのため、回転軸半径方向内向き(矢印14)だけでなく、キー側面方向(回転軸周方向:矢印15)にも力が加わる。これによって、キー5が矢印15の方向に弾性変形して回転軸1の内凹キー溝2およびプーリー3の外凹キー溝4の左右両側の内側面との隙間12,12を埋めることができる。従って、内凹キー溝2の底面のみならず、キー溝2,4の左右両側の内側面にもキー5を圧着させることができる。この実施形態1に用いたキー5は一部品であるため、既述した文献1記載のキーのように部品点数が多くなることがなく、製造時の部品管理数の増加やコスト増額などの弊害をもたらすこともない。
従来一般の固着構造においてはネジ6の締め付けにより回転軸半径内向き方向(矢印14)にのみキーを押圧していたが、この実施形態1の固着装置によれば、矢印14方向のみならずキー側面方向(矢印15)にも押圧することになり、回転軸1にプーリー3などの動力伝達部材を確実に固着することができる。
また、従来一般の固着構造からの変更が少なく、特許文献1のように部品点数が増えることもないため、安価な方法で回転軸1にプーリー3などの動力伝達部材を確実に固着でき、据付、メンテナンス時の作業に差がなく、取り扱いが容易である。
また、従来一般の固着構造からの変更が少なく、特許文献1のように部品点数が増えることもないため、安価な方法で回転軸1にプーリー3などの動力伝達部材を確実に固着でき、据付、メンテナンス時の作業に差がなく、取り扱いが容易である。
この固着装置では、キー5においてネジ6を受ける範囲の部位5Aにのみ、すなわち回転軸心Cに沿う方向の所定長さLで、受溝9がキー5に形成されているので、この固着装置を用いて回転軸1にプーリー3を固着させた送風機を備える空調機を常時運転させた場合に、結露による錆び、回転時の振動によってネジ6の締結力が低下し、プーリー3が回転軸1の軸心C方向にずれたとしても、ネジ6はキー5の受溝9内にとどまっているためにキー5が脱落しないので、プーリー3などの動力伝達部材が回転軸1から脱落することはない。
また、メンテナンスにおける芯だし作業の際に送風機側のプーリー3を回転軸1の軸心C方向にずらしても、ネジ6はキー5の受溝9内に入っているので、プーリー3が回転軸1から抜け落ちることはない。従って、空気調和機で求められているメンテナンス性を満足させることができる。
また、メンテナンスにおける芯だし作業の際に送風機側のプーリー3を回転軸1の軸心C方向にずらしても、ネジ6はキー5の受溝9内に入っているので、プーリー3が回転軸1から抜け落ちることはない。従って、空気調和機で求められているメンテナンス性を満足させることができる。
そして、この固着装置によれば、受溝9の角度θおよびネジ6の先端部8の角度を小さくすることで、キー5を回転軸1の周方向(荷重方向15)に押圧する力を増加させることができる。但し、角度θは20度以上35度以下に設定することが望ましい。角度θが20度を下回ると、回転軸周方向の力が大きくなりすぎてキー5が割れるおそれがある。角度θが35度を上回ると、内凹キー溝2の底面にキー5を押し付ける力は強くなるが、回転軸周方向の力が弱くなり弾性変形量が不足してキー5の左右両側面を内凹キー溝2および外凹キー溝4の内側面に密着させることができないという不都合が生じる。
ここで、キー5からキー溝2,4の内側面に加えられる力がどの程度になるか、図5を用いて計算する。
ネジ6がキー5を回転軸半径方向内向きに押圧する力をF、受溝9の一方の傾斜面11とこの傾斜面11で受けるネジ6のネジ軸心Sとの成す角度をθとすると、傾斜面11に加わる力Faは次式で表される。
Fa=F/(2・sinθ)・・・(1)
Faはキー側面方向の力Fhに分解することができ、Fhは次式で表される。
Fh=Fa・cosθ・・・(2)
式(2)に式(1)を代入すると、FhをFで表すことができる。
Fh=F・cosθ/(2・sinθ)・・・(3)
受溝9の開き角度2θはネジ6の先端部8の尖り先角度と等しく、六角穴つき止めねじ(JIS B−1177)の尖り先の角度は90°と120°の2種類なので、受溝9の角度θはθ=45°か60°となる。
ネジ6の先端角度が90°(θ=45°)の場合、式(3)よりFhは次式となる。
Fh=F・cos45°/(2・sin45°)=0.5・F・・・(4)
ネジ6の先端角度が120°(θ=60°)の場合、式(3)よりFhは次式となる。
Fh=F・cos60°/(2・sin60°)=0.29・F・・・(5)
式(4)、式(5)から、上記の固着装置により、回転軸半径方向内向きの力Fだけでなく、キー側面方向の力Fhとして、ネジの先端角度90°の場合に回転軸半径方向内向きの力Fの50%が加わり、ネジの先端角度120°の場合に回転軸半径内向き方向の力Fの29%が加わることがわかる。
ネジ6がキー5を回転軸半径方向内向きに押圧する力をF、受溝9の一方の傾斜面11とこの傾斜面11で受けるネジ6のネジ軸心Sとの成す角度をθとすると、傾斜面11に加わる力Faは次式で表される。
Fa=F/(2・sinθ)・・・(1)
Faはキー側面方向の力Fhに分解することができ、Fhは次式で表される。
Fh=Fa・cosθ・・・(2)
式(2)に式(1)を代入すると、FhをFで表すことができる。
Fh=F・cosθ/(2・sinθ)・・・(3)
受溝9の開き角度2θはネジ6の先端部8の尖り先角度と等しく、六角穴つき止めねじ(JIS B−1177)の尖り先の角度は90°と120°の2種類なので、受溝9の角度θはθ=45°か60°となる。
ネジ6の先端角度が90°(θ=45°)の場合、式(3)よりFhは次式となる。
Fh=F・cos45°/(2・sin45°)=0.5・F・・・(4)
ネジ6の先端角度が120°(θ=60°)の場合、式(3)よりFhは次式となる。
Fh=F・cos60°/(2・sin60°)=0.29・F・・・(5)
式(4)、式(5)から、上記の固着装置により、回転軸半径方向内向きの力Fだけでなく、キー側面方向の力Fhとして、ネジの先端角度90°の場合に回転軸半径方向内向きの力Fの50%が加わり、ネジの先端角度120°の場合に回転軸半径内向き方向の力Fの29%が加わることがわかる。
実施の形態2.
ネジ6の先端部と受溝の形状は、ネジ6がキー5を押圧することによりキー5をキー溝2,4の内側面に圧着させることができるものであれば、実施の形態1で示したV字形状に限らない。そこで、ネジ6の先端部と受溝の他の形状例を実施形態2として以下に記す。
図6はこの発明の実施の形態2における空調機用の動力伝達部材の固着装置を示す要部拡大正断面図、図7はこの発明の実施の形態2におけるキーを示し、(a)は外観図、(b)は(a)におけるB−B線矢視断面図、図8はこの発明の実施の形態2における固着装置の押圧方向図である。
各図において、この実施の形態2における固着装置は前述した実施形態1の固着装置と大部分の構成を共通にしている。そして、この実施の形態2の固着装置が実施形態1と異なるところは、ネジ6におけるキー5と対面する側の先端部8aが、円錐の先端を切り欠いた断面台形状に形成されていることと、キー5におけるネジ6と接する部位5Aに、ネジ6の先端部を受ける傾斜面11,11を有する正断面凹字状の受溝9aが形成されていることである。
ネジ6の先端部と受溝の形状は、ネジ6がキー5を押圧することによりキー5をキー溝2,4の内側面に圧着させることができるものであれば、実施の形態1で示したV字形状に限らない。そこで、ネジ6の先端部と受溝の他の形状例を実施形態2として以下に記す。
図6はこの発明の実施の形態2における空調機用の動力伝達部材の固着装置を示す要部拡大正断面図、図7はこの発明の実施の形態2におけるキーを示し、(a)は外観図、(b)は(a)におけるB−B線矢視断面図、図8はこの発明の実施の形態2における固着装置の押圧方向図である。
各図において、この実施の形態2における固着装置は前述した実施形態1の固着装置と大部分の構成を共通にしている。そして、この実施の形態2の固着装置が実施形態1と異なるところは、ネジ6におけるキー5と対面する側の先端部8aが、円錐の先端を切り欠いた断面台形状に形成されていることと、キー5におけるネジ6と接する部位5Aに、ネジ6の先端部を受ける傾斜面11,11を有する正断面凹字状の受溝9aが形成されていることである。
この固着装置の組立の順番を実施形態1と同様に説明する。図2において、プーリー3の軸挿通穴10に回転軸1を挿通し、互いの対向させたキー溝2,4にキー5を装着する。または、キー5を回転軸1の内凹キー溝2に装着した後、プーリー3の軸挿通穴10に回転軸1およびキー5を通してもよい。そして、プーリー3のボス部3Aの雌ネジ穴7にネジ6を装着して螺進させることにより、ネジ6がキー5を押圧してプーリー3が回転軸1に固着されて、組立が完了する。
図7はキー5の斜視図と受溝9におけるB−B線矢視断面図であり、図中の11aは受溝9aの傾斜面である。図8はネジ6がキー5を押圧する際の荷重方向を示す図である。
ネジ6の先端部8aの下端を切り取った断面台形状の円錐状に形成し、キー5にネジ6の先端部8aを受ける受溝9aを設けたことで、先端部8aが受溝9aの傾斜面11aと接し、ネジ6がキー5を押圧する力が傾斜面11aに垂直な方向(矢印13)となる。そのため、回転軸半径方向内向き(矢印14)の力だけでなく、キー側面方向(矢印15)の力も加わり、キー5が矢印15の方向に弾性変形して回転軸1およびプーリー3のキー溝2,4の内側面との隙間12,12を埋めることができる。従って、内凹キー溝2の底面のみならず、キー溝2,4の内側面にもキー5を圧着させることができる。
ネジ6の先端部8aの下端を切り取った断面台形状の円錐状に形成し、キー5にネジ6の先端部8aを受ける受溝9aを設けたことで、先端部8aが受溝9aの傾斜面11aと接し、ネジ6がキー5を押圧する力が傾斜面11aに垂直な方向(矢印13)となる。そのため、回転軸半径方向内向き(矢印14)の力だけでなく、キー側面方向(矢印15)の力も加わり、キー5が矢印15の方向に弾性変形して回転軸1およびプーリー3のキー溝2,4の内側面との隙間12,12を埋めることができる。従って、内凹キー溝2の底面のみならず、キー溝2,4の内側面にもキー5を圧着させることができる。
実施の形態1で記述したとおり、キー側面方向の力Fhは式(3)で表され、Fの係数をαとすると次式で表される。
α=cosθ/(2・sinθ)・・・(6)
Fh=α・F・・・(7)
αは角度θにより決まってくる。角度θを変化させたときのαの挙動を図9のグラフに示す。
ネジ6の先端角度を小さく(すなわち受溝の角度θを小さく)していくと、図9に示すようにαの値は増加傾向となり、式(7)よりαの増加に伴ってキー側面方向の力Fhが増加する傾向になる。従って、ネジ6の先端部8aの角度とキー5の受溝9aの傾斜面11aの角度θを小さくすることで、キー側面方向(矢印15)に加わる力を増すことができ、回転軸1にプーリー3などの動力伝達部材をより確実に固着させることができる。尚、キー側面方向においても回転軸半径方向内向きの力と同等の押庄力が得られれば、キー接触面全体で均等に押圧することができ、安定した固着が得られると考える。その場合、式(7)のαはα=1である必要があり、そのときのθは図9よりθ=26.6°となる。従って、回転軸半径方向内向きだけでなくキー側面方向においても均等に押圧できる安定した固着を得るには、キー5の受溝9aの傾斜面11aの角度θをθ=26.6°とするとよい。
α=cosθ/(2・sinθ)・・・(6)
Fh=α・F・・・(7)
αは角度θにより決まってくる。角度θを変化させたときのαの挙動を図9のグラフに示す。
ネジ6の先端角度を小さく(すなわち受溝の角度θを小さく)していくと、図9に示すようにαの値は増加傾向となり、式(7)よりαの増加に伴ってキー側面方向の力Fhが増加する傾向になる。従って、ネジ6の先端部8aの角度とキー5の受溝9aの傾斜面11aの角度θを小さくすることで、キー側面方向(矢印15)に加わる力を増すことができ、回転軸1にプーリー3などの動力伝達部材をより確実に固着させることができる。尚、キー側面方向においても回転軸半径方向内向きの力と同等の押庄力が得られれば、キー接触面全体で均等に押圧することができ、安定した固着が得られると考える。その場合、式(7)のαはα=1である必要があり、そのときのθは図9よりθ=26.6°となる。従って、回転軸半径方向内向きだけでなくキー側面方向においても均等に押圧できる安定した固着を得るには、キー5の受溝9aの傾斜面11aの角度θをθ=26.6°とするとよい。
従来一般の固着構造においてはネジ6の締め付けにより回転軸半径内向き方向(矢印14)にのみキーを押圧していたが、この実施形態2の固着装置においては、矢印14方向のみならずキー側面方向(矢印15)にも押圧することになり、回転軸1にプーリー3などの動力伝達部材を確実に固着することができる。
また、この固着装置によれば、受溝9の角度θおよびネジ6の先端部8の角度を小さくすることで、キー5を回転軸周方向(矢印15)に押圧する力を増加させることができる。但し、角度θは実施形態1と同様の理由により20度以上35度以下に設定することが望ましい。
また、従来一般の固着構造からの変更が少なく、特許文献1のように部品点数が増えることもないため、安価な方法で回転軸1にプーリー3などの動力伝達部材を確実に固着でき、据付、メンテナンス時の作業に差がなく、取り扱いが容易である。
また、この固着装置では、ネジ6を受ける範囲の部位5Aにのみ、すなわち回転軸心C(図2参照)に沿う方向の所定長さLで、受溝9aがキー5に形成されているので、ネジ6の締結力が低下してもネジ6がキー5の受溝9a内にとどまっていることによりキー5が脱落しないから、プーリー3などの動力伝達部材が回転軸1から脱落することを防止できる。
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3における空調機用の動力伝達部材の固着装置を示す要部拡大正断面図である。
図において、この実施の形態3における固着装置は前述した実施形態2の固着装置と大部分の構成を共通にしている。そして、この実施の形態3の固着装置が実施形態2と異なるところは、ネジ6の先端部8bの先端テーパ面と軸心Sとの成す角度θ1が、受溝9aの傾斜面11aとネジ6の軸心Sとの成す角度θよりも大きくされていることである。
この固着装置によれば、ネジ6の先端部8bの截頭面と受溝9aの底面との間に、ネジ6の先端部8bを押し込める比較的広い空間があり、ネジ6の先端テーパ面の上端部がキー5の傾斜面11a,11aに点接触ないし線接触をしてキー側面方向に強く押圧するので、キー5をキー側面方向に大きく弾性変形させてキー5をキー溝2,4の内側面に強く固着させることができる。
図10はこの発明の実施の形態3における空調機用の動力伝達部材の固着装置を示す要部拡大正断面図である。
図において、この実施の形態3における固着装置は前述した実施形態2の固着装置と大部分の構成を共通にしている。そして、この実施の形態3の固着装置が実施形態2と異なるところは、ネジ6の先端部8bの先端テーパ面と軸心Sとの成す角度θ1が、受溝9aの傾斜面11aとネジ6の軸心Sとの成す角度θよりも大きくされていることである。
この固着装置によれば、ネジ6の先端部8bの截頭面と受溝9aの底面との間に、ネジ6の先端部8bを押し込める比較的広い空間があり、ネジ6の先端テーパ面の上端部がキー5の傾斜面11a,11aに点接触ないし線接触をしてキー側面方向に強く押圧するので、キー5をキー側面方向に大きく弾性変形させてキー5をキー溝2,4の内側面に強く固着させることができる。
尚、上記した実施形態1,2では空調機用の動力伝達部材として送風機に使用されるプーリーを例示したが、本発明の動力伝達部材としては例えば回転軸に取り付けられるスプロケットやギヤなどでも構わない。
1 回転軸、2 内凹キー溝、3 プーリー(動力伝達部材の例)、3A ボス部、4 外凹キー溝、5 キー、5A 部位、6 ネジ、7 雌ネジ穴、8 先端部、8a 先端部、8b 先端部、9 受溝、9a 受溝、10 軸挿通穴、11 傾斜面、11a 傾斜面、12 隙間、13 矢印、14 矢印、15 矢印、C 回転軸心、F 回転軸半径方向内向きに押圧する力、Fa 傾斜面に加わる力、Fh キー側面方向の力、L 所定長さ、S 軸心、θ 角度、θ1 角度。
Claims (4)
- 回転軸の外周面に半径方向内向きに陥没して形成された内凹キー溝、および、前記回転軸に嵌装された空調機用の動力伝達部材の内周面に半径方向外向きに陥没して形成された外凹キー溝の双方に装着されるキーと、
前記動力伝達部材の外方と前記外凹キー溝とを貫通して形成された雌ネジ穴に螺合して前記キーを押圧し前記動力伝達部材を前記回転軸に固着するネジと
を備えて成る固着装置において、
前記キーと対面する前記ネジの先端部が先細の円錐形状に形成されるとともに、前記キーにおける前記ネジと接する部位に、前記ネジの先端部を受ける傾斜面を有する受溝が形成されていることを特徴とする空調機用の動力伝達部材の固着装置。 - 回転軸の外周面に半径方向内向きに陥没して形成された内凹キー溝、および、前記回転軸に嵌装された空調機用の動力伝達部材の内周面に半径方向外向きに陥没して形成された外凹キー溝の双方に装着されるキーと、
前記動力伝達部材の外方と前記外凹キー溝とを貫通して形成された雌ネジ穴に螺合して前記キーを押圧し前記動力伝達部材を前記回転軸に固着するネジと
を備えて成る固着装置において、
前記キーと対面する前記ネジの先端部が円錐の先端を切り欠かいた断面台形状に形成されるとともに、前記キーにおける前記ネジと接する部位に、前記ネジの先端部を受ける傾斜面を有する受溝が形成されていることを特徴とする空調機用の動力伝達部材の固着装置。 - 受溝の傾斜面と前記傾斜面で受けるネジの軸心との成す角度が、20度以上35度以下に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空調機用の動力伝達部材の固着装置。
- 受溝が回転軸心に沿う方向の所定長さでキーに形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空調機用の動力伝達部材の固着装置。
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2009
- 2009-01-29 JP JP2009017735A patent/JP2010174966A/ja active Pending
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