JP2010174009A - テトラゾイルオキシム誘導体およびその塩、ならびに植物病害防除剤 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、従来の植物病害防除剤は、その防除効力が不十分であったり、薬剤耐性の病原菌の出現によりその使用が制限されたり、また、植物体に薬害や汚染を生じさせたり、若しくは人畜魚類等に対する毒性が強かったりすることから、必ずしも満足すべき防除薬剤とは言い難いものが少なくない。従って、かかる欠点の少ない安全に使用できる新規な植物病害防除剤の開発が要望されている。
n1はXの数を表し、0〜5のいずれかの整数である。n1が2以上のとき、X同士は互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
Aは、式(2)または式(3)で表されるテトラゾイル基を表す。
n2はRの数を表し、0〜3のいずれかの整数である。n2が2以上のとき、複数のR同士は、互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
Zは、式(a)若しくは式(b)で表される基を表す。
Zは、前記と同じ意味を表す。
また、本発明においては、式(a)におけるR50とR51の組合せが、水酸基とNR60R61、アラルキルオキシ基とアルキル基、アリールオキシ基とアルキル基、アルコキシ基と水素原子、アラルキルオキシ基と水素原子、若しくはアリールオキシ基と水素原子の組み合わせ、または式(b)におけるR50とR51とR53の組合せが、アラルキル基とアルキルチオ基とアルキル基、若しくはアルキル基と水素原子とアルキル基の組み合わせであるものが好ましい。
なお、本明細書において「Ca-b○○○基」は、その基を構成する炭素元素の数がa個〜b個のものであることを示している。
本発明のテトラゾイルオキシム誘導体は、前記式(1)で表される化合物である。
C1-8アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
C1-8アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
C1-8アルキルスルホニル基として具体的には、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、i−プロピルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基等が挙げられる。
C1-8ハロアルキル基として具体的には、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3,2,2−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基等が挙げられる。
(1)フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子; (2)メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基; (3)シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基; (4)メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基; (5)ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等のアルケニル基; (6)2−シクロプロペニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基、4−シクロオクテニル基等のシクロアルケニル基; (7)ビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基; (8)エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基等のアルキニル基; (9)エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基等のアルキニルオキシ基; (10)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;
これら(1)〜(85)に例示された置換基は、その中にさらに(1)〜(85)に例示された置換基を化学的に許容される範囲で有することができる。
これらの中でも、Xはハロゲン原子であるのが好ましい。
式(2)および(3)中、Yは、C1-8アルキル基を表す。C1-8アルキル基としては、前記Xで列挙したものと同じものが挙げられる。
これらの中でも、Yとしては、C1-3アルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(4)中、Rは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、チオール基、ホルミル基、カルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC1-8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2-8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2-8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基、OR1、S(O)mR1、COR1、またはCO2R1を表す。
Rとしての、無置換のC2-8アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。
置換基を有するアミノ基として具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、t−ブトキシカルボニルメチルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、アセチルメチルアミノ基、アセチルエチルアミノ基、ベンゾイルメチルアミノ基等が挙げられる。
また、R1としての、置換基を有するC3-8シクロアルキル基における「置換基」は、化学的に許容される範囲で前記X中の置換基を有するアリール基における「置換基」として示されたものと同様のものを挙げることができる。
無置換の若しくは置換基を有するアミノ基としてはアミノ基(NH2基)およびジアルキルアミノ基が好ましく、C1-8アルキル基としてはC1-4アルキル基が好ましく、OR1としてはC1-4アルコキシ基が好ましく、SR1としてはC1-4アルキルチオ基が好ましい。
式(a)中、R50は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアラルキルオキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基を表し、R51は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルチオ基、またはNR60R61を表す。R60およびR61は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、または無置換の若しくは置換基を有するアラルキル基を表す。なお、式(a)若しくは式(b)中にはC=Nの二重結合に基づく立体異性体が存在する。したがって、本発明のテトラゾイルオキシム誘導体およびその塩には、該立体異性体およびそれらの混合物が含まれる。
式(b)中、R50およびR51は、前記と同じ意味を表す。R53は、水素原子、または無置換の若しくは置換基を有するアルキル基を表す。
式(a)および式(b)中のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
式(a)および式(b)中のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基等のC1-8アルコキシ基が好ましいものとして挙げられる。
式(a)および式(b)中のアラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等が挙げられる。
式(a)および式(b)中のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフトキシ基等が挙げられる。
式(a)および式(b)中のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等のC1-8アルキルチオ基が好ましいものとして挙げられる。
式(a)および式(b)中における「置換基」は、化学的に許容される範囲で前記X中の置換基を有するアリール基における「置換基」として示されたものと同様のものを挙げることができる。
式(a)若しくは式(b)で表される基は、式(a)におけるR50とR51の組合せが、水酸基とNR60R61、アラルキルオキシ基とアルキル基、アリールオキシ基とアルキル基、アルコキシ基と水素原子、アラルキルオキシ基と水素原子、若しくはアリールオキシ基と水素原子の組み合わせであることが好ましく、または式(b)におけるR50とR51とR53の組合せが、アラルキル基とアルキルチオ基とアルキル基、若しくはアルキル基と水素原子とアルキル基の組み合わせであることが好ましい。特に、式(a)におけるR50とR51の組合せが、アルコキシ基と水素原子、アラルキルオキシ基とアルキル基、またはアラルキルオキシ基と水素原子の組合せであることが好ましい。
式(1)で表されるテトラゾイルオキシム誘導体は、例えば、特開2003−137875号公報やWO03/016303号パンフレットに記載された方法に準じて製造することができる。
すなわち、式(6)で表されるオキシムと式(7)で表される化合物とを、塩基の存在下に反応させることにより、式(1)で表される本発明のテトラゾイルオキシム誘導体を得ることができる。
塩基の使用量は、式(6)で表されるオキシムに対し、通常0.01〜100倍モル、好ましくは0.1〜5倍モルである。
用いる溶媒としては、本反応に不活性な溶媒であれば特に限定されない。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;水;およびこれらの混合溶媒;等が挙げられる。
従って、本発明の化合物を有効成分とする組成物は、花卉、芝、牧草を含む農園芸作物の栽培に際し発生する種々の病害の防除に、種子処理、茎葉散布、土壌施用または水面施用等により使用することができる。
さらに、ストロビルリン系殺菌剤(例えば、クレソキシムメチル、アゾキシストロビン等)に耐性を示すキュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、ブドウべと病(Plasmopara viticola)に対しても感受性菌と同様に本発明の化合物は有効である。
適用が好ましい病害としては、ブドウべと病菌(Plasmopara viticola)、ウリ類のべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)、バレイショやトマトの疫病菌(Phytophthora infestans)、 芝のピシウム菌(Pythium aphanidermatum他)、テンサイ黒根病菌(Aphanomyces cochlloides) 等を代表とする卵菌類が引き起こす多種の病害が挙げられる。
また本発明の化合物の製造工程において製造される中間体の中には殺菌活性を示すものがある。
さらにまた、本発明の化合物を塗料や繊維等に混入させることで、壁や浴槽、若しくは靴や衣服の防菌、防黴剤として使用することもできる。
本発明の植物病害防除剤は、式(1)で表されるテトラゾイルオキシム誘導体またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するものである。
本発明の植物病害防除剤としては、本発明化合物のみからなる形態であってもよいし、一般の農薬のとり得る形態、即ち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、フロアブル等の形態であってもよい。
銅剤;塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅等。 硫黄剤;チウラム、ジネブ、マンネブ、マンコゼブ、ジラム、プロピネブ、ポリカーバメート等。 ポリハロアルキルチオ剤;キャプタン、フォルペット、ジクロルフルアニド等。 有機塩素剤;クロロタロニル、フサライド等。 有機リン剤;IBP、EDDP、トリクロホスメチル、ピラゾホス、ホセチル等。 ベンズイミダゾール剤;チオファネートメチル、ベノミル、カルベンダジム、チアベンダゾール等。 ジカルボキシイミド剤;イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン、フルオルイミド等。 カルボキシアミド剤;オキシカルボキシン、メプロニル、フルトラニル、テクロフタラム、トリクラミド、ペンシクロン等。 アシルアラニン剤;メタラキシル、オキサジキシル、フララキシル等。 ストロビルリン系剤;アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、ピリベンカルブ、ファモキサドン、フェンアミドン等。
有機燐およびカーバメート系殺虫剤;フェンチオン、フェニトロチオン、ダイアジノン、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、マラソン、トリクロルホン、チオメトン、ホスメット、ジクロルボス、アセフェート、EPBP、メチルパラチオン、オキシジメトンメチル、エチオン、サリチオン、シアノホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、ホサロン、メチダチオン、スルプロホス、クロルフェンビンホス、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、イソフェンホス、エチルチオメトン、プロフェノホス、ピラクロホス、モノクロトホス、アジンホスメチル、アルディカルブ、メソミル、チオジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、プロポキスル、BPMC、MTMC、MIPC、カルバリル、ピリミカーブ、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブ等。
ジベレリン類(例えばジベレリンA3、ジベレリンA4、ジベレリンA7)、IAA、NAA等。
〔(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−{2−[(ジメチルアミノメチリデン)アミノ]ピリジン−6−イルメチル}−オキシムの製造〕
特開2003−137875号公報に記載されている方法に準じる工程i〜iiによって(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−アミノピリジン−6−イルメチル)−オキシムを得た。すなわち、
〔工程i〕
(1−メチルテトラゾール−5−イル)フェニルメタノン59.1ミリモル、塩化ヒドロキシルアンモニウム148ミリモルをピリジン100mlに加え、45℃で24時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物に水と酢酸エチルを加え、反応生成物を抽出した。有機層を希塩酸、水、炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、次いで有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層から溶媒を留去して、(1−メチルテトラゾール−5−イル)フェニルメタノンオキシム(収率100%)を得た。
水素化ナトリウム1.40g(60%in oil)を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド30mlに懸濁させた。氷浴で冷却しながら、(1−メチルテトラゾール−5−イル)フェニルメタノンオキシム12.6ミリモル及び乾燥N,N−ジメチルホルムアミド15mlからなる溶液を滴下した。10分間撹拌を続けた後、さらに、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶解した2−ブロモメチル−6−アミノピリジン14ミリモルを滴下した。滴下終了後、氷浴を取り除き、1.5時間撹拌を続けた。反応液を飽和塩化アンモニウム水に注ぎ、反応生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、次いで有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層から溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製して、(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−アミノピリジン−6−イルメチル)−オキシムを得た。
(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−アミノピリジン−6−イルメチル)−オキシム0.75g(2.42mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール0.58g(0.48mmol)をベンゼン(20mL)に溶解し、8時間加熱還流した。冷却後、溶媒を減圧留去し、酢酸エチルを加えて水、および飽和食塩水で洗浄した。有機層に硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後に減圧濃縮して、(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−{2−[(ジメチルアミノメチリデン)アミノ]ピリジン−6−イルメチル}−オキシム1.10gを得た。
〔(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−{2−[(メトキシイミノメチル)アミノ]ピリジン−6−イルメチル}−オキシムの製造〕
〔工程i〜iii〕
実施例1と同じ手法で、(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−{2−[(ジメチルアミノメチリデン)アミノ]ピリジン−6−イルメチル}−オキシムを製造した。
〔工程iv〕
(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−{2−[(ジメチルアミノメチリデン)アミノ]ピリジン−6−イルメチル}−オキシム0.20g(0.55mmol)をメタノールに溶解し、O−メチルヒドロキシルアンモニウム塩酸塩0.07g(0.82mmol)を加えて室温にて3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=4:1(v/v))精製して、(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−{2−[(メトキシイミノメチル)アミノ]ピリジン−6−イルメチル}−オキシム0.15gを得た。
〔(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−{[(N−ベンジル−N−メチルアミノ)メチルメルカプトメチリデン]アミノ}ピリジン−6−イルメチル)−オキシムの製造〕
〔工程i〜ii〕
実施例1と同じ手法で、(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−アミノピリジン−6−イルメチル)−オキシムを製造した。
氷冷した(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−アミノピリジン−6−イルメチル)−オキシム0.40g(1.29mmol)のアセトン(6mL)、クロロホルム(3mL)混合溶媒に、チオホスゲン0.18g(1.56mmol)および飽和重曹水(3mL)を加え、そのまま30分間撹拌した。液を減圧濃縮し、塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、減圧留去して粗(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−イソチオシアナトピリジン−6−イルメチル)−オキシム0.53gを得た。
(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−イソチオシアナトピリジン−6−イルメチル)−オキシム1.40g(3.24mmol)をベンゼン(25mL)に溶解し、室温にて一晩撹拌した。溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=2:1(v/v))精製して、(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−{2−[(N−ベンジル−N−メチルアミノチオカルボニル)アミノ]ピリジン−6−イルメチル}−オキシム1.65gを得た。
(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−{2−[(N−ベンジル−N−メチルアミノチオカルボニル)アミノ]ピリジン−6−イルメチル}−オキシム0.19g(0.49mmol)をDMF(5mL)に溶解し、炭酸カリウム0.06g(0.44mmol)、ヨウ化メチル0.07g(0.48mmol)を加えて室温にて4時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出した有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、そして減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=3:1(v/v))精製して、(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−{[(N−ベンジル−N−メチルアミノ)メチルメルカプトメチリデン]アミノ}ピリジン−6−イルメチル)−オキシム0.15gを得た。
〔(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−{[(N−ベンジル−N−メチルアミノ)ヒドロキシイミノメチル]アミノ}ピリジン−6−イルメチル)−オキシムの製造〕
〔工程i〜v〕
実施例3と同じ手法で、(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−{[(N−ベンジル−N−メチルアミノ)メチルメルカプトメチリデン]アミノ}ピリジン−6−イルメチル)−オキシムを製造した。
(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−{[(N−ベンジル−N−メチルアミノ)メチルメルカプトメチリデン]アミノ}ピリジン−6−イルメチル)−オキシム0.15g(0.32mmol)のエタノール(5mL)溶液に50%ヒドロキシルアミン水溶液0.63g(9.6mmol)を加えて80度にて2.5時間撹拌した。溶媒を減圧濃縮して酢酸エチルで抽出し、有機層に硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、次いで減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1(v/v))精製して、(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル) フェニルメタノン−O−(2−{[(N−ベンジル−N−メチルアミノ)ヒドロキシイミノメチル]アミノ}ピリジン−6−イルメチル)−オキシム0.06gを得た。
上記の方法等で製造できる本発明のテトラゾイルオキシム誘導体の他の例を表1〜5に示す。表中のZは化学式(I)中のZを表す。表2中のZは化学式(II)中のZを表す。表3中のZは化学式(III)中のZを表す。表4中のZは化学式(IV)中のZを表す。表5中のZは化学式(V)中のZを表す。表1〜5に示した化合物の一部について、物性および1H−NMRを表6に示す。融点の単位は℃である。VISC.OILは粘稠なオイルであることを示し、AMRはアモルファスであることを示す。
なお、表1〜5は、製造された本発明テトラゾイルオキシム誘導体の一部を示したに過ぎない。本明細書において具体的に示しきれなかった他の化合物、すなわち本発明の趣旨と範囲を逸脱しない限り種々の基に置換されたものが上記方法等によって製造でき且つ使用できることは本明細書の記載によって当業者において容易に理解できることである。
本発明化合物 40部
クレー 53部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 4部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 3部
以上を均一に混合して微細に粉砕して、有効成分40%の水和剤を得る。
本発明化合物 10部
ソルベッソ200 53部
シクロヘキサノン 26部
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩 1部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10部
以上を混合溶解して、有効成分10%の乳剤を得る。
本発明化合物 10部
クレー 90部
以上を均一に混合して微細に粉砕して、有効成分10%の粉剤を得る。
本発明化合物 5部
クレー 73部
ベントナイト 20部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 1部
リン酸カリウム 1部
以上をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成分5%の粒剤を得る。
本発明化合物 10部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 4部
ポリカルボン酸ナトリウム塩 2部
グリセリン 10部
キサンタンガム 0.2部
水 73.8部
以上を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕して、有効成分10%の懸濁剤を得る。
本発明化合物 40部
クレー 36部
塩化カリウム 10部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 1部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物 5部
以上を均一に混合して微細に粉砕後、適量の水を加えてから練り込んで粘土状にする。粘土状物を造粒した後乾燥し、有効成分40%の顆粒水和剤を得る。
素焼きポットで栽培したトマト幼苗(品種「レジナ」、4〜5葉期)に、前記製剤実施例2の乳剤を有効成分100ppmの濃度で散布した。散布後、室温で自然乾燥し、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)の遊走子嚢懸濁液を噴霧接種し、明暗を12時間毎に繰り返す高湿度の恒温室(20℃)に4日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果(防除価)を求めた。
化合物番号b−13、b−14、b−16、b−17、b−19、b−20、b−21、b−30、b−6、b−7、b−22およびb−23の化合物についてPN防除試験を行ったところ、防除価はいずれも80%以上であった。化合物番号は、表1の化合物番号に対応している。
防除価[%]
=〔(無処理区の発病度−処理区の発病度)/(無処理区の発病度)〕×100
Claims (5)
- 式(1):
[式(1)中、Xは、ハロゲン原子、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、シアノ基、C1-8アルキルスルホニル基、ニトロ基、C1-8ハロアルキル基、または無置換の若しくは置換基を有するアリール基を表す。
n1はXの数を表し、0〜5のいずれかの整数である。n1が2以上のとき、X同士は互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
Aは、式(2):
(式(2)中、YはC1-8アルキル基を表す。)で表されるテトラゾイル基、
または式(3):
(式(3)中、Yは前記と同じ意味を表す。)で表されるテトラゾイル基を表す。
Hetは、式(4):
(式(4)中、Rは、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、チオール基、ホルミル基、カルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC1-8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2-8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2-8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基、OR1、S(O)mR1、COR1、またはCO2R1を表す。R1は、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC1-8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC3-8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2-8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2-8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリール基、または無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基を表す。mは括弧内の酸素原子の数を表し、0〜2のいずれかの整数である。
n2はRの数を表し、0〜3のいずれかの整数である。n2が2以上のとき、複数のR同士は、互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
Zは、式(a):
〈式(a)中、R50は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアラルキルオキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ基を表し、R51は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルチオ基、またはNR60R61を表す。R60およびR61は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、または無置換の若しくは置換基を有するアラルキル基を表す。〉、
若しくは式(b):
〈式(b)中、R50およびR51は、前記と同じ意味を表す。R53は、水素原子、または無置換の若しくは置換基を有するアルキル基を表す。〉で表される基を表す。)で表されるピリジル基、
または式(5):
(式(5)中、R11は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、チオール基、ホルミル基、カルボキシル基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するC1-8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2-8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2-8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基、OR1、S(O)mR1、COR1、またはCO2R1を表す。R1およびmは、前記と同じ意味を表す。
Zは、前記と同じ意味を表す。)で表されるチアゾイル基を表す。]で表されるテトラゾイルオキシム誘導体およびその塩。 - n1が0である請求項1に記載のテトラゾイルオキシム誘導体およびその塩。
- Yがメチル基である請求項1または2に記載のテトラゾイルオキシム誘導体およびその塩。
- 式(a)におけるR50とR51の組合せが、水酸基とNR60R61、アラルキルオキシ基とアルキル基、アリールオキシ基とアルキル基、アルコキシ基と水素原子、アラルキルオキシ基と水素原子、若しくはアリールオキシ基と水素原子の組み合わせ、または式(b)におけるR50とR51とR53の組合せが、アラルキル基とアルキルチオ基とアルキル基、若しくはアルキル基と水素原子とアルキル基の組み合わせである請求項1〜3のいずれか1項に記載のテトラゾイルオキシム誘導体およびその塩。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のテトラゾイルオキシム誘導体またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する植物病害防除剤。
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