JP2010173545A - 電車線路用架空線のばね式張力バランサの引出装置および断線した電車線路用架空線の復旧装置、並びにこれを用いた断線した電車線路用架空線の復旧方法 - Google Patents
電車線路用架空線のばね式張力バランサの引出装置および断線した電車線路用架空線の復旧装置、並びにこれを用いた断線した電車線路用架空線の復旧方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ばね式張力バランサの引出装置1は、高所に設置された状態のばね式張力バランサ51の内筒53の先端側を所定位置まで外筒52の先端側から引き出す装置である。引出装置1は、外筒52に離脱可能に懸架される取付部材2と、この取付部材2に離脱可能に支持される一対の油圧シリンダ3と、この油圧シリンダのロッド4を内筒53の先端側に離脱可能に結合する連結部材5と、油圧ホース7を介して油圧シリンダ3に油圧を供給するように地上に配置される油圧装置6を具備する。一対の油圧シリンダ3は、軸線を外筒52の軸線と平行に向けロッド4を外筒53の先端方向へ突出させるように配置される。
【選択図】図1
Description
したがって、この出願に係る発明は、ばね式張力バランサが引留めているき電ちょう架線のような電車線路用架空線が何らかの原因で断線したときに、ばね式張力バランサを地上へ降ろすことなく、高所の設置位置において短時間で復旧することができるばね式張力バランサの引出装置と、切断箇所を引き寄せる架空線の復旧装置並びに、これを用いた電車線路用架空線の迅速な復旧方法を提供することを目的とする。
好適には、取付部材2は、外筒52の外周上部に離脱可能に掛け止められる掛止部材8と、外筒52の先端面に当接する当接部材9とを具備し、圧力シリンダ3は、当接部材9に離脱可能に支持される。
上記課題を解決するためのこの出願に係る発明の断線した電車線路用架空線の復旧装置は、上記ばね式張力バランサの引出装置1と、断線して引き離されたちょう架線Mのような架空線の切断端部M1,M2の相互を引き寄せるための引き寄せ装置31との組み合わせからなる。引き寄せ装置31は、架空線Mの一方の切断端部M1に引留め金具32を介して接続される第1の滑車34と、架空線Mの他方の切断端部M2に引留め金具32を介して接続される第2の滑車35と、第1、第2の滑車34,35間に掛け回され、地上に係止された張線器37により滑車34,35を引き寄せるロープ36とを具備する。
好ましくは、滑車34,35の枠には、1または2以上の引留め金具32が連結されたヨーク33が接続され、引留め金具32によって、1または2以上の架空線Mを同時に引き寄せ可能に構成される。
上記課題を解決するためのこの出願に係る発明の架空線の復旧方法は、上記復旧装置を用いて断線した電車線路用架空線を復旧する方法である。この方法は、断線した電車線路用架空線Mの両端を引留めている一対のばね式張力バランサ31の一方の外筒52に取付部材2を掛け止めるステップと、この取付部材2に、外筒52の両側に沿って平行に一対の圧力シリンダ3を支持するステップと、連結部材5の中央部を張力バランサ51の内筒53の先端部に係止するステップと、連結部材5の両端部を一対の圧力シリンダ3のロッド4に接続するステップと、圧力シリンダ3に圧力を供給して内筒53の先端側を所定位置まで外筒52から引き出すステップと、架空線の両切断端部M1,M2間に引き寄せ装置31を装着し、断線した架空線Mの両側を引き寄せることにより、他方の張力バランサの内筒を所定位置まで引き出すステップと、その後、架空線の両切断端部M1,M2間をケブラー(登録商標)ロープのような比較的軽量なロープ38で接続することにより、ロープ38に架空線Mの張力を負担させるステップと、その後、引き寄せ装置31を取り外すステップと、その後、架空線の両切断端部M1,M2間を接続用線材39で接続するステップとを含む。
また、この出願に係る発明の断線した電車線路用架空線の復旧装置によれば、ばね式張力バランサ51の復旧を引出装置1により迅速に行い、断線して引き離された架空線Mの引き寄せ、接続を引き寄せ装置31により迅速に行うことにより、断線した電車線路用架空線の復旧作業を少ない作業人員で、短時間に迅速に行うことができる。
またこの出願に係る発明の断線した電車線路用架空線の復旧方法によれば、上記断線した架空線の復旧装置を用いて、架空線の復旧作業を小人員で、しかも短時間に迅速に行うことができる。
以上、添付図面の符号を参照して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
2 取付部材
3 油圧シリンダ(圧力シリンダ)
4 ロッド
5 連結部材
6 油圧装置
7 油圧ホース
8 掛止部材
9 当接部材
10 当接部
11 シリンダ支持部
11a リブ
12 切り込み
13 受け座部
14 フランジ
15 クレビス
16 シリンダ受け部材
17 取付部
18 支持部
19 直交杆
20 ストッパ
20a ピン
21 凹部
22 結合部
23 ピン
24 逆止弁
31 引き寄せ装置
32 引留め金具
33 ヨーク
34 二連滑車
34a 枠
35 二連滑車
36 ロープ
37 張線器
38 ロープ
39 接続用線条(通電用線材)
51 ばね式張力バランサ
52 外筒
53 内筒
54 クレビス
M ちょう架線(き電ちょう架線)
M1 切断端部
M2 切断端部
P1 電柱(支持構造物)
P2 電柱
Claims (7)
- ばねを内蔵し基端側が支持構造物の高所に係止される外筒と、この外筒内に入れ子式に嵌挿され先端が外筒の先端側へ突出するように配置され前記ばねにより外筒の基端側へ引き込む方向に付勢される内筒とを備え、内筒の先端側に接続される電車線路用架空線が温度変化等により伸縮しても、ばねの弾性により当該架空線に一定の張力を付与するばね式張力バランサの当該内筒の先端側を高所の設置位置において所定位置まで外筒の先端側から引き出す作業を行うための装置であって、
前記外筒に離脱可能に懸架される取付部材と、この取付部材に離脱可能に支持され軸線を外筒の軸線と平行に向けロッドを外筒の先端方向へ突出させる一対の圧力シリンダと、前記ロッドを前記内筒の先端側に離脱可能に結合する連結部材と、圧力ホースを介して前記圧力シリンダに圧力を供給するように地上に配置される圧力装置を具備することを特徴とする電車線路用架空線のばね式張力バランサの引出装置。 - 前記取付部材は、前記外筒の外周上部に離脱可能に掛け止められる掛止部材と、外筒の先端面に当接する当接部材とを具備し、
前記圧力シリンダは、前記当接部材に離脱可能に支持されることを特徴とする請求項1に記載の電車線路用架空線のばね式張力バランサの引出装置。 - 前記外筒の外周上部の前記取付部材より基端側に掛け止められ、両端で前記一対の圧力リンダを支持するシリンダ受け部材をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の電車線路用架空線のばね式張力バランサの引出装置。
- 前記連結部材は、前記内筒の先端に設けられたクレビスを貫通して内筒の軸線直交方向に伸びるように装着され両端に前記圧力シリンダのロッドが結合される直交杆と、この直交杆をクレビスに対して抜け止めするためのストッパとを具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の電車線路用架空線のばね式張力バランサの引出装置。
- 請求項1に記載のばね式張力バランサの引出装置と、断線して引き離された電車線路用架空線の切断端部相互を引き寄せるための引き寄せ装置との組み合わせからなり、
前記引き寄せ装置は、前記架空線の一方の切断端部に接続される第1の滑車と、当該架空線の他方の切断端部に接続される第2の滑車と、第1、第2の滑車間に掛け回され、地上に係止された張線器により牽引されて両滑車を引き寄せるロープとを具備することを特徴とする断線した電車線路用架空線の復旧装置。 - 前記滑車の枠には、1または2以上の引留め金具が連結されたヨークが接続されており、前記引留め金具により1または2以上の電車線路用架空線を同時に引き寄せ可能に構成されることを特徴とする請求項5に記載の断線した電車線路用架空線の復旧装置。
- 請求項5に記載の断線した電車線路用架空線の復旧装置を用いて当該架空線を復旧する方法であって、
断線した前記架空線の両端を引留めている一対のばね式張力バランサの一方の外筒に前記取付部材を掛け止めるステップと、
この取付部材に、前記外筒の両側に沿って平行に一対の圧力シリンダを支持するステップと、
前記連結部材の中央部を前記張力バランサの内筒の先端部に係止するステップと、
前記連結部材の両端部を前記一対の圧力シリンダのロッドに接続するステップと、
前記圧力シリンダに圧力を供給して内筒の先端側を所定位置まで外筒から引き出すステップと、
前記架空線の両切断端部間に前記引き寄せ装置を装着し、断線した当該架空線の両側を引き寄せることにより、他方の前記張力バランサの内筒を所定位置まで引き出すステップと、
他方の前記張力バランサの内筒を所定位置まで引き出した後、前記架空線の両切断端部間をロープで接続するステップと、
前記架空線の両切断端部間をロープで接続した後、前記引き寄せ装置を取り外すことにより、ロープに当該架空線の張力を負担させるステップと、
前記引き寄せ装置を取り外した後、前記架空線の両切断端部間を接続用線材で接続するステップと、
を含むことを特徴とする断線した電車線路用架空線の復旧方法。
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