JP2010171819A - 画像処理装置及び画像形成装置 - Google Patents

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嘉之 中井
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Abstract

【課題】原稿画像に付加され、該原稿画像の複写の制限を表すパターンを精度良く検出することができる画像処理装置及び該画像処理装置を有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】与えられた原稿画像に、該原稿画像の複写の制限を表すパターンの一部をなす特定の線状画像が含まれるか否かを第1,第2線状画像判定部13a,13bにより判定し、線状画像が含まれる場合、次に、パターン判定部14により線状画像を含む所定領域内の画像が前記パターンであるか否かを判定するようにしてあり、このパターン判定部14により用いられる判定基準を検出された線状画像の太さに応じて設定しているから、検出すべきパターンでない画像を間違ってパターンであると判定することを防止して、パターンを迅速かつ高精度に抽出することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、紙幣、有価証券又は機密書類等の原稿画像の複製を防止するために、原稿画像に含まれるパターンを検出するように構成された画像処理装置及び該画像処理装置を備える画像形成装置に関する。
近年、原稿画像の複製を形成する技術の進展に伴って、例えば紙幣、有価証券又は機密書類等を複写して偽造することを防止することが可能に構成された画像処理装置、該画像処理装置を有する複写機等の画像形成装置の要望が高まっている。
従来、このような原稿画像の複写の防止に関する技術として、例えばシートに形成された原稿画像を画像読取装置により読取って与えられた画像データと、予め画像処理装置に記憶されている複写防止の対象となる紙幣、有価証券等に含まれるパターンの画像データとを比較して、読取られた画像の画像形成を行うか否かを判断し、画像形成を行わない場合には、画像形成を中止する、又は読取られた画像とは異なる画像を形成する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特許文献1及び2には、処理対象の画像に含まれる紙幣朱印などの円形画像を検出すべく構成された画像処理装置が開示してある。特許文献1の画像処理装置は、読取った画像に含まれる主走査方向における赤色の画素を検出すると、赤色の複数の画素からなる画像の細線化を行う。その後画像処理装置は、前記赤色の画素の位置から主走査方向に所定の間隔を隔てた位置に別の赤色の画素を検出すると、先に検出した赤色の画素と次に検出した赤色の画素とが、円の直径となる線分の両端位置に相当すると仮定した場合の円の中心位置を中心にして、前記線分を主走査方向に対して所定角度回転し、その線分の両側位置に対応する赤色の検出画素信号情報がメモリに記憶されている場合には、検出された赤色の画素によって形成される画像を、円形の外郭を有する画像である、即ち紙幣朱印であると判定する。また、この画像処理装置は、前述の斜め方向の前記線分の両側位置に対応する画素の検出に加えて、前記円内の赤色の画素の数をカウントし、予めメモリ内に記憶されている特定の画像データに対応する数値と前記カウントされた数とが一致するか否かを判定し、一致する場合には、検出された画素によって形成される画像を、特定の円形画像、即ち紙幣朱印であると判定する。
特許文献2に記載の画像処理装置は、主走査方向の円の直径となる線分の両端に相当する画素を検出すると、副走査方向に所定の間隔だけ前記円の中心から離れた円の交点に赤色の画素がある場合には、検出された赤色の画素によって形成される画像を、円形の外郭を有する画像である、即ち紙幣朱印であると判定する。また、この画像処理装置は、前述の交点の検出に加えて、前記円内の所定の間隔内の画素がオンとなる回数、即ち赤色の画素の数をカウントし、予めメモリ内に記憶されている特定の画像データに対応する数値と前記カウントされた数とが一致するか否かを判断し、一致する場合には、検出された画素によって形成される画像を、特定の円形画像、即ち紙幣朱印であると判定する。
また同様の従来の技術として特許文献3に記載されているパターン検出方法、装置及び記録媒体がある。パターン検出方法、装置及び記録媒体においては、処理対象の画像中に含まれるパターンを抽出すべく、複写又は印刷されるべき書類を調べて、該書類が1以上の前記パターンを含んでいるかを判定するようにしてある。このパターン検出方法は、前記パターンの1以上が存在するかを判定する場合に当該書類の或る特徴及びこれら特徴の間の幾何学関係を捜すようなアルゴリズムを含んでいる。
また同様の従来の技術として特許文献4に記載されている画像処理装置は、処理対象の画像中に含まれるパターンである目標画像部を抽出すべく、目標画像部が有する一部の特定画像部分が処理対象の画像中に含まれるか否かを判定する判定手段と、処理対象の画像中に特定画像部分が含まれると判定されたとき、その特定画像部分を含む目標画像部候補が目標画像部であるか否かを確認する確認手段とを備えてなる。
また同様の従来の技術として特許文献5に記載されている画像処理装置は、特許文献4に係る画像処理装置を改善して、複数の検出パターンを精度よく検出するように構成してある。この画像処理装置は、複数の画素からなる画像データを受付け、受付けた画像データに基づく画像から一部の領域を抽出し、抽出した領域を構成する画素のうち、所定の画素値を有する画素の割合を算出して、算出した画素の割合に基づいて前記領域に含まれる画像の種類を検出するようにしてある。
実開平5−85158号公報 特開平6−178098号公報 特開2000−333005号公報 特開2003−99788号公報 特開2006−148578号公報
特許文献1及び2に記載の画像処理装置において、赤色の円形画像を検出することにより紙幣朱印であることを判断する場合、簡便ではあるが、紙幣朱印の赤色の円と類似の画像をも紙幣朱印であると判定してしまい、判定精度が非常に悪いという問題があった。また赤色の円形画像の検出に加えて、円形画像の内部の画素の数が特定の画像データに対応する数値と一致したときに紙幣朱印であると判断する場合、読取った状態の赤色の円内の画像の赤色の画素をカウントし、予めメモリ内に記憶されている特定の画像データに対応する数値と前記カウントされた数とを比較するので、判定精度は高いが、特定の画像データを記憶するメモリの記憶容量が非常に大きくなるとともに、このような容量の大きいデータに対して高速に比較処理を行う比較手段を必要とするので、画像処理装置の回路構成が非常に複雑になり、特に精度を上げるためには角度を変えて確認を行う必要があり画像処理装置の製造コストが高くなる欠点がある。
特許文献3に記載のパターン検出方法、装置及び記録媒体は、複写又は印刷されるべき書類を調べて、該書類が1以上の目標パターンを含んでいるかを判定する。このパターン検出方法は、前記目標パターンの1以上が存在するかを判定する場合に当該書類の或る特徴及びこれら特徴の間の幾何学関係を捜すようなアルゴリズムを含んでいるため、原稿を置く向きに関係なく、精度良く検出でき、回路構成も小さくすることが可能である。しかしながら、光学系が不安定であるなどの理由により、同じ目標画像部が濃くなったり薄くなったりした場合に、白及び黒の2色に2値化処理された画像データの黒の個数がばらついたときの対応について考慮していないから、この場合にパターンの検出が不安定になるという虞があった。
特許文献4に記載の画像処理装置は、処理対象画像中に含まれる抽出すべき目標画像部が有する一部の特定画像部分が、処理対象画像中に含まれるか否かを判定するので、目標画像部全体に基づいて処理対象画像中に目標画像部が含まれるか否かを判断する場合に比べて、扱う情報が少なく、処理対象画像に目標画像部が含まれる可能性があるか否かの判定を迅速に行うことができる。また扱う情報が少ないので、このような判定処理を行うための回路構成を簡略化できるとともに、情報を記憶させるための記憶手段の容量を小さくすることができるが、複数の検出パターンについて対応可能なようには構成されていない。
特許文献5に記載の画像処理装置は、特許文献4に記載の画像処理装置の特徴を生かしながら、抽出した領域を構成する画素のうち、所定の画素値を有する画素の割合を算出し、算出した画素の割合に基づいてその領域に含まれる画像の種類を検出するようにしているため、抽出した領域に含まれる画像の種類を検出する際に画像の特徴等を抽出する必要がなくなり、所定の画素値を持つ画素の数を計数することによって種類を判別することができる。しかしながら、光学系が不安定であるなどの理由により、同じ目標画像部が濃くなったり薄くなったりした場合に、白及び黒の2色に2値化処理された画像データの黒の個数がばらついたときの対応について考慮していないから、この場合にパターンの検出が不安定になるという虞があった。
また、近年、カラープリンタ及びカラー複写機の普及に伴い、カラー原稿が多様化しており、また、カラースキャナの低価格化が進んでいる。このような画像形成装置又は画像読取装置により、検出すべきパターンの濃度がばらついた場合、パターンと判定する判定基準の範囲を広くすることにより、パターンの検出漏れを防止することが可能となるが、その場合は、パターンでない画像を間違ってパターンと判定する可能性が増えるという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、原稿画像に付加され、該原稿画像の複写の制限を表すパターンを精度良く検出することができる画像処理装置及び該画像処理装置を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、与えられた原稿画像に、該原稿画像の複写の制限を表すパターンの一部をなす特定の線状画像が含まれるか否かを判定する線状画像判定手段と、該線状画像判定手段により線状画像が含まれると判定されたとき、該線状画像を含む所定領域内の画像が前記パターンであるか否かを判定するパターン判定手段と、該パターン判定手段にて前記画像が前記パターンであるか否かを判定するときに用いられる判定基準が格納してある格納手段とを備え、前記原稿画像から前記パターンを検出する画像処理装置であって、前記線状画像が前記原稿画像に含まれると判定したとき、前記線状画像の太さを検出し、検出した太さに応じて前記格納手段から判定基準を読出して前記パターン判定手段に設定するように構成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、線状画像判定手段により原稿画像にパターンの一部をなす特定の線状画像が含まれるか否かを判定し、線状画像が含まれる場合に、パターン判定手段により線状画像を含む所定領域内の画像がパターンであるか否かを判定する。この判定のときに、前記画像がパターンであるか否かを判定する判定基準を、前記線状画像の太さに応じて格納手段から読出してパターン判定手段に設定するように構成してある。これにより、光学系が不安定になる等に起因してパターンが濃くなったり薄くなったりした場合に、線状画像の太さに応じて判定基準を設定しているから、パターンを精度良く検出することができる。また、パターンの一部をなす線状画像をまず検出するように構成してあるから、最初からパターン全体を検出対象とする場合と比較して、処理対象の情報量が少なくなり、原稿画像にパターンが含まれている可能性があるか否かの判定を迅速に行うことができる。そして、扱う情報量が少ないから、このような判定処理を行うための回路構成を簡略化することができるとともに、情報を記憶させるための記憶手段の容量を小さくすることができる。また、パターン判定手段は、線状画像判定手段により原稿画像中に線状画像が含まれると判定されたときに、その線状画像を含む所定領域内の画像がパターンであるか否かを判定するから、判定基準を適切に設定することにより、パターンでない画像を間違ってパターンであると判定することを防止して、パターンを高精度に抽出することが可能となる。
本発明に係る画像処理装置は、前記格納手段には、前記線状画像の太さと特定色の画素数との対応関係を示し、前記線状画像の太さの大/小に応じて特定色の画素数が大/小となるように対応させてあるテーブルが格納してあり、検出された線状画像の太さを前記テーブルに適用して対応する特定色の画素数を求め、求めた特定色の画素数を前記判定基準として前記パターン判定手段に設定するように構成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、前記線状画像の太さと特定色の画素数との対応関係を示し、前記線状画像の太さの大/小に応じて特定色の画素数が大/小となるように対応させてあるテーブルが格納手段に格納してあり、検出された線状画像の太さをテーブルに適用して対応する特定色の画素数を求め、求めた特定色の画素数を判定基準としてパターン判定手段に設定するように構成してある。これにより、光学系が不安定になる等に起因してパターンが濃くなったり薄くなったりした場合に、線状画像の太さに応じて判定基準を適切に変更することにより、パターンでない画像を間違ってパターンであると判定することを防止して、パターンを高精度に抽出することが可能となる。また判定基準を特定色の画素数により表して、画素数により判定するようにしてあるから、画素の配列により判定する場合と比較して、判定基準を記憶するために必要となる記憶容量を少なくすることができると共に、判定に用いる情報量が少なく、パターン判定手段による判定処理を迅速に行うことができる。
本発明に係る画像処理装置は、前記パターン判定手段は、前記画像を所定の複数の判定領域に分割し、分割された複数の判定領域夫々における特定色の画素数に前記判定基準を適用して前記画像が前記パターンであるか否かを判定するように構成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、前記画像を所定の複数の判定領域に分割し、分割された複数の判定領域夫々における特定色の画素数に前記判定基準を適用して判定しているから、適切に分割をすることにより、分割された複数の判定領域全てに対する画素数を記憶させておく必要がなく、判定基準を記憶するために必要となる記憶容量を更に少なくすることが可能となる。
本発明に係る画像処理装置は、前記パターン判定手段は、特定色の画素数が略同一になるように複数の領域に予め分割されたパターンに整合させて前記画像を分割するように構成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、特定色の画素数が略同一になるように複数の領域に予め分割されたパターンに整合させて前記画像を複数の領域に分割しているから、分割された複数の領域全てに対する画素数を記憶させておく必要がなく、判定基準を記憶するために必要となる記憶容量を更に少なくすることができる。
本発明に係る画像処理装置は、前記線状画像を含み、隣接する複数の画素からなるテンプレートを備え、該テンプレートは、複数の領域に予め分割してあり、前記線状画像判定手段は、前記原稿画像から抽出され、前記テンプレートと同様に並ぶ複数の領域夫々における特定色の画素数を計数する計数部と、計数した複数の領域夫々の特定色の画素数と、前記テンプレートの複数の領域夫々の前記特定色の画素数とを比較する比較部と、該比較部による結果に応じて前記原稿画像における前記線状画像の有無を判断する判断部とを備えていることを特徴とする。
本発明にあっては、前記線状画像を含み、隣接する複数の画素からなり、予め複数の領域に分割されたテンプレートを用いて、該テンプレートと同様に並ぶ複数の領域を原稿画像から抽出し、抽出した原稿画像と前記テンプレートの複数の領域夫々の特定色の画素数を比較して、線状画像の有無を判定するようにしてある。これによって個々の画素に対して処理対象画像を走査して判定する場合に比べて、隣接する画素同士の関連性をも考慮して判定するので、判定精度を向上することができる。また、原稿画像から抽出した複数の領域における特定色の画素数と、テンプレートの複数の領域における特定色の画素数とを比較しているから、複数の領域における全ての画素について比較して判定する場合と比べて、テンプレートを記憶するために必要となる記憶容量を少なくすることができると共に、判定に用いる情報量が少なく、線状画像判定手段による判定処理を迅速に行うことができる。
本発明に係る画像処理装置は、前記線状画像判定手段は、前記原稿画像の複数の領域夫々における特定色の画素数が予め定める範囲内にあるとき、前記線状画像が前記原稿画像に含まれると判定することを特徴とする。
本発明にあっては、原稿画像から抽出された複数の領域夫々における特定色の画素数が予め定める範囲内にあるとき、線状画像が原稿画像中に含まれると判定するようにしてある。例えば、にじみ又はかすれにより、線状画像の特定色の画素数が、にじみ及びかすれのない場合の線状画像の画素数と多少異なっていても、線状画像が原稿画像中に含まれるという判定がなされることになるから、検出漏れを防止することができ、パターンの検出を高精度に行うことができる。また複数の領域夫々における特定色の画素数に範囲を設けることによって、特定画素判定手段による判定処理を迅速に行うことができる。
本発明に係る画像処理装置は、前記原稿画像から前記パターンを検出すべく処理された画像データを記憶する記憶手段を有しており、該記憶手段は、処理された画像データを、前記線状画像判定手段に与えると共に、前記パターン判定手段に遅延させて与えるように構成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、原稿画像からパターンを検出すべく処理された画像データを記憶する記憶手段を有し、該記憶手段は処理された画像データをパターン判定手段に遅延させて与えるようにしてあるから、パターン判定手段にメモリを設けることなく、画像データをリアルタイムに判定することが可能である。この結果、判定回路の回路構成を簡略化することができると共に、画像データを記憶するための記憶手段の容量を小さくすることができる。
本発明に係る画像処理装置は、前記原稿画像を、該原稿画像よりも少ないデータ量の画像に変換する前処理手段を有することを特徴とする。
本発明にあっては、原稿画像を該原稿画像よりも少ないデータ量の画像に変換する前処理手段を有しているから、線状画像検出手段及びパターン判定手段による判定処理を迅速に行うことができる。
本発明に係る画像形成装置は、前述の発明に記載の画像処理装置を備え、該画像処理装置により前記パターンが検出されたときに前記原稿画像の複製の形成を制限するように構成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、前述の発明に記載の画像処理装置を備え、該画像処理装置によりパターンが検出されたときに原稿画像の複製の形成を制限するように構成してあるから、原稿画像に付加され、線状画像を含むパターンを精度良く検出して、パターンに応じた適切な画像形成処理を行うことができる。
本発明によれば、原稿画像に付加され、該原稿画像の複写の制限を表すパターンを精度良く検出することができる。
本実施の形態に係る画像処理装置を有する画像形成装置を含む画像形成システムの構成を示す模式図である。 画像形成装置の構成を示すブロック図である。 原稿画像読取時の状態についての説明図である。 画像処理装置により検出されるべき線状画像を有するパターンの例を示す図である。 線状画像を判定する際の処理内容についての説明図である。 判定ウィンドウと主走査方向及び副走査方向とを示す図である。 判定ウィンドウ内の画像と線状画像を検出するために用いるテンプレートとの対応関係を示す模式図である。 テンプレートによる判定条件を示す図表である。 検出領域の分割例と画素数の分布との関係を説明する説明図である。 細い線のパターン又は太い線のパターンと同一形状の円弧を含むパターンの例を示す図である。 検出領域の他の分割例と画素数の分布との関係を説明する説明図である。 本発明に係る画像処理装置を有する画像形成装置の原稿画像の複製形成の処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る画像処理装置を有する画像形成装置の原稿画像の複製形成の処理手順を示すフローチャートである。 2値化処理の説明図である。 本発明に係る画像処理装置を有する画像形成装置の原稿画像の複製形成の処理手順の他の例を示すフローチャートである。 本発明に係る画像処理装置を有する画像形成装置の原稿画像の複製形成の処理手順の他の例を示すフローチャートである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて、画像処理装置を有する画像形成装置としてデジタルカラー複合機を例に詳述する。図1は、本実施の形態に係る画像処理装置10を有する画像形成装置20を含む画像形成システムの構成を示す模式図である。
画像形成装置20は、デジタルカラー複合機であり、画像形成装置20には、ネットワーク30を介して、デジタルカメラ31、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略す)32及びノート型パーソナルコンピュータ(以下、ノートPCと略す)33が接続してある。画像形成装置20は、該画像形成装置20内の適宜位置に設けられたインターフェース(図示せず)を介して、デジタルカメラ31からの画像データを受取可能なように構成してあると共に、PC32及びノートPC33との間にて画像データを相互に授受可能なように構成してある。
図2は、画像形成装置20の構成を示すブロック図である。画像形成装置20は、与えられた原稿画像からパターンを検出する画像処理装置10と、シートに形成された原稿画像を読取るカラースキャナ等の画像読取部21と、与えられた原稿画像をシートに形成する画像に適するように処理する形成画像処理部(以下、ICUと略す)22と、シートへの画像形成を制御するプリンタ制御部(以下、PCUと略す)23と、シートに画像を形成する画像形成部24とを備えている。
図3は、原稿画像読取時の状態についての説明図であり、読取対象のシートとして、原稿画像の複写の制限を示すパターン40が付加された原稿画像41が形成されたシート42を例に以下説明する。画像読取部21は、シート42を載置するためのガラス製の原稿載置台21aと、シート42に光を照射する光源と、シート42からの反射光を電気信号に変換する光電変換素子(以下、CCDと略す)を主走査方向に複数配置させてなるCCDラインセンサとを備えている。なお、図3に示した例は、原稿載置台21aの下面側からシート42を見た様子を示している。
画像読取部21は、原稿載置台21aの近傍に設けられた操作パネル(図示せず)により入力された複写開始の指示に応じて、原稿載置台21a上の所定の読取位置にセットされたシート42に光を照射して、主走査方向にCCDが複数個並ぶラインセンサを、主走査方向に直交する副走査方向に変位させて、シート42から反射され、CCDラインセンサに結像された光像を順次電気信号に変換する。なお、CCDラインセンサは、白黒画像又はカラー画像を読取り、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色成分に色分解したラインデータを出力することができるカラーCCDである。
画像読取部21は、得られた電気信号に対して原稿画像読取時の光源の配光特性、CCDラインセンサの感度ムラ等の補正を施し、補正後の画像データを画像処理装置10及びICU22夫々に与える。なお、この画像データは、前述したように、ネットワーク30を介して画像形成装置20に接続されるPC32及びノートPC33に与えることが可能である。CCDラインセンサにより取得される画像データは、複数の画素により構成され、シート42について主走査方向のラインデータである。光源等をステッピングモータ(図示せず)により移動させて副走査方向に走査しながら所定のサンプリング周期にてラインデータを取得することにより、シート42の全面又は指定された範囲の画像データが取得されることになる。取得された画像データは、出力階調はRGB各色256階調の16777216階調(色数)である。なお、本実施の形態において、画像読取部21の主走査方向及び副走査方向の光学解像度は600dpiである。
ICU22は、画像読取部21、並びにネットワーク30を介して画像形成装置20に与えられたデジタルカメラ31、PC32及びノートPC33からの画像データをシートに形成する画像に適するように、色補正等の所定の処理を施し、処理後の画像を画像形成部24に与える。
画像処理装置10は、前処理部11、ラインメモリ12、第1線状画像判定部13a、第2線状画像判定部13b、パターン判定部14、閾値データ格納部15及び記憶部(図示せず)を含んで構成されており、原稿画像41に含まれるパターン40を検出する。
前処理手段である前処理部11は、画像読取部21並びにネットワーク30を介して画像形成装置20に接続されるデジタルカメラ31、PC32及びノートPC33からの原稿画像41の画像データを、例えば解像度が100dpi〜200dpi程度になるように変換すると共に、所定の閾値に基づいて、RGB各色256階調から、例えば色数を白(画素値は1)及び黒(画素値は0)の2階調になるように変換する。前処理部11は、この2値化された画像データをラインメモリ12に与える。このように、前処理部11により、画像形成部24において画像形成するために用いる原稿画像41の画像データを、パターン40を抽出するために用いる情報量の少ない画像データに変換するから、第1,第2線状画像判定部13a,13b及びパターン判定部14での判定処理を迅速に行うことができる。また原稿画像41の画像データの情報量が少なくなるから、パターン40を抽出するために原稿画像41の画像データを記憶するラインメモリ12の容量を小さくすることができる。
ラインメモリ12は、前処理部11により与えられた画像データを格納する。またラインメモリ12は、格納された画像データを、線状画像判定手段である第1,第2線状画像判定部13a,13bに与えると共に、該第1,第2線状画像判定部13a,13bよりも所定時間遅延させてパターン判定手段としてのパターン判定部14に与えるようにしてある。
第1,第2線状画像判定部13a,13bは、画像データを用いてパターン40の一部をなす特定の線状画像が原稿画像41中に含まれるか否かを判定する。なお、判定対象となる線状画像は線の太さが異なる複数種類の線状画像であり、本実施の形態においては太さが異なる2種類の円弧状の線状画像を判定可能なように構成してある。第1線状画像判定部13aは線が細い線状画像の抽出を行い、第2線状画像判定部13bは線が太い線状画像の抽出を行う。第1,第2線状画像判定部13a,13bは、判定結果をパターン判定部14に与える。本実施の形態において、シート42は図3に示すような機密書類であり、パターン40は円の中に「秘」の文字が描かれる印章である。なお、パターンは、これに限定されず、例えば、原稿画像41が紙幣であるときは、紙幣に付加されている印章である。
パターン判定部14は、第1線状画像判定部13a又は第2線状画像判定部13bにより原稿画像41中に線状画像が含まれると判定されたとき、その線状画像を含む所定領域内の画像がパターン40であるか否かを判定する。
PCU23は、画像処理装置10において原稿画像41からパターン40が抽出されたときに、ICU22によって所定の処理が施された原稿画像41をシート上に形成しないように、画像形成部24を制御するように構成してある。このとき、原稿画像41の形成を禁止するのではなく、ICU22からの原稿画像41にノイズを付加した画像をシート上に形成するように構成してもよい。またPCU23は、画像処理装置10において原稿画像41からパターン40が抽出されなかったときには、ICU22によって所定の処理が施された原稿画像41をそのままシート上に形成するように、画像形成部24を制御するようにしてある。なお、PCU23は、CPU、ROM及びRAM等を有してなり、ROMに記憶された制御プログラムに従うCPUの動作により、画像処理装置10、画像形成部24等の各ブロックが協調して動作するように画像形成装置20全体を制御するように構成してある。
画像形成部24は、PCU23による制御指令に応じて、ICU22からの原稿画像41をシート上に形成する。画像形成部24は、感光体ドラム、該感光体ドラムに静電潜像を形成するレーザ書込装置、静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像器、感光体ドラムに形成されたトナー画像をシートに転写する転写器等を備えており、ICU22により与えられた画像データ及びPCU23により与えられた制御指令に基づいて、シート上に原稿画像41の複製を形成する。なお、画像形成部24は、レーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う構成の他、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式等により画像形成を行う構成であってもよい。
以下、本発明に係る画像処理装置10の処理内容について具体的に説明する。図4は、画像処理装置10により検出されるべき線状画像を有するパターンの例を示す図である。本実施の形態においては、「秘密」を意味し、複写の禁止を表すパターンである「マル秘」のマークを例にしている。図4(a)は、細い線の円42の中に細い線にて「秘」41の文字が描いてあるパターン40を、図4(b)は、太い線の円142の中に太い線にて「秘」141の文字が描いてあるパターン140を夫々示している。なお、これら2つのパターン40,140の半径は同一半径n(mm)である。
画像処理装置10は、与えられた画像データから細い線のパターン40又は太い線のパターン140を検出するために、まず前述した如く、前処理部11において、画像処理装置10に与えられた画像データの2値化処理を行うと共に、解像度を600pdiから200dpiに変換する処理を行う。
次に、画像処理装置10は、処理後の画像データに細い線のパターン40又は太い線のパターン140の円42,142の一部をなす特定の線状画像が含まれるか否かを第1線状画像判定部13a及び第2線状画像判定部13bにより判定する。図5は、線状画像を判定する際の処理内容についての説明図であり、細い線のパターン40を例に説明する。図5(a)は、画像処理装置10の検出対象の一つであるパターン40と、パターン40の一部をなす円弧43を含むテンプレート60とを示す図である。パターンの特徴を最も示す部分を特定の線状画像としており、本実施の形態においては、パターン40の円42の一部をなし、テンプレート60内の円弧43が線状画像である。図5(b)は、テンプレート60と同一形状を有する判定ウィンドウ50と、前処理部11により与えられ、判定ウィンドウ50内に線状画像である円弧43を含む所定領域(円弧43を含む円)内の画像であるパターン候補画像45とを示す図である。
図6は、判定ウィンドウ50と主走査方向及び副走査方向とを示す図である。判定ウィンドウ50は、主走査方向に1画素単位で移動させて走査し、主走査方向の走査が終わると、判定ウィンドウ50を副走査方向に1画素単位で移動させて、さらに主走査方向に移動させて走査するように構成してある。なお、画像処理装置10における走査は、画像読取部21におけるハードウェアによる走査ではなく、ソフトウェアの処理による走査であり、副走査方向の走査間隔は画素単位に対応している。判定ウィンドウ50は、図6に示すように、副走査方向に6本の走査線が入る、換言すると6画素分の幅を有している。
図5(a)のパターン40の線状画像である円弧43の半径をn(mm)とした場合、判定ウィンドウ50を主走査方向及び該主走査方向に直交する副走査方向に1画素ずつずらしながら画像全体を走査したときに、図5(b)に示す如く、この判定ウィンドウ50内に現れた円弧の曲率半径がn(mm)であるとき、第1線状画像判定部13aは、この円弧43は半径n(mm)の円の一部であると推測して、この円弧43を含むパターン候補画像45はパターン40である可能性があると判定する。第2線状画像判定部13bも同様に、パターン140について判定する。
図7は、判定ウィンドウ50内の画像と線状画像を検出するために用いるテンプレート60との対応関係を示す模式図である。図7(a)及び(c)は、判定ウィンドウ50内の線の細い画像及び太い画像を夫々示しており、図7(b)はテンプレート60を示している。判定ウィンドウ50内の画像は、図7(a)に示すように、副走査方向に6画素分を並べたラインデータ51〜56により構成されており、各ラインデータ51,52,…,56は主走査方向に42個の画素を有する。図7(a)において、白色のセルは画素値が1の画素を表し、黒色のセルは画素値が0の画素を表す。例えば、ラインデータ51は、座標(0,0)〜(15,0)及び座標(26,0)〜(41,0)に対応した画素の画素値が1であり、座標(16,0)〜(25,0)に対応した画素の画素値が0となっている。
一方、テンプレート60は、前処理部11によって変換された原稿画像41と同じ解像度及び階調であり、線状画像である円弧43を含み、隣接する複数の画素からなり、判定ウィンドウ50内のラインデータ51〜56に対応させた第1ライン61、第2ライン62、第3ライン63、第4ライン64、第5ライン65、第6ライン66により構成されている。第1ライン61〜第6ライン66夫々は、主走査方向に42個の画素を持つと共に、主走査方向において3つの領域に予め分割されている。例えば、第1ライン61は、座標(15,0)〜(26,0)までの第1領域61a、座標(11,0)〜(14,0)及び座標(27,0)〜(30,0)までの第2領域61b,61b、座標(0,0)〜(10,0)及び座標(31,0)〜(41,0)までの第3領域61c,61cに分割されている。第2ライン62〜第6ライン66についても同様であり、主走査方向に予め設定された3つの領域を夫々有している。なお、テンプレート60内の複数の領域である第1ライン61〜第6ライン66の各領域61a,61b,…,66cは、線状画像である円弧43の形状に応じて予め設定してある。
なお、テンプレート60は、前述したように細い線のパターン40及び太い線のパターン140の一部をなす特定の線状画像である太さの異なる円弧に関する情報を有する複数(本実施の形態においては2つ)のテンプレートであり、記憶部に記憶され、円弧が原稿画像41中に含まれるか否かの第1,第2線状画像判定部13a,13bによる判定処理において用いられる。
図8は、テンプレート60による判定条件を示す図表である。図8は、テンプレート60の各領域61a,61b,…,66c内の特定色である黒色の画素数の範囲を示している。図8(a)は、細い線の円弧を検出するための各領域に対する黒色の画素数の範囲を示しており、図8(b)は、太い線の円弧を検出するための各領域に対する黒色の画素数の範囲を示している。
なお、黒色の画素数の範囲は、図8に示すように、例えば第1ライン61の第1領域61aのように、領域が線状画像である円弧上に存在すれば、円弧上に存在しない領域に比べて黒色である画素の数が非常に多くなるので、黒色の画素数を多めの範囲に設定し、第1ライン61の第3領域61cのように、領域が円弧から充分に離れていれば、黒色の画素数を0に近い範囲に設定し、第1画素ライン61の第2領域61bのように、領域が円弧の近傍であれば、前記第1領域61aよりも黒色の画素数が少なめの範囲に設定してある。
第1線状画像判定部13aは、テンプレート60内の複数の領域と同様に並ぶように分割された判定ウィンドウ50内のラインデータ51〜56の複数の領域夫々における黒色の画素数を計数する計数部と、計数した複数の領域夫々の黒色の画素数と、テンプレート60の複数の領域61a,61b,…,66c夫々の黒色の画素数とを比較する比較部と、比較の結果に応じて原稿画像41における線状画像の有無を判断する判断部とを有している。第1線状画像判定部13aは、判定ウィンドウ50内の各ラインデータ51,52,…,56内の黒色の画素の分布が、図8(a)に示すテンプレートの分布に適合する場合、その画像は細い線の円42の一部を構成する細い線の円弧43であると判定する。例えば、図7(a)に示したラインデータ51と、図7(b)に示したテンプレート60の第1ライン61とを比較した場合、第1領域61aに対応するラインデータ51内の黒色の画素数は10個、第2領域61b,61bに対応するラインデータ51内の黒色の画素数は0個、第3領域61c,61cに対応するラインデータ51内の黒色の画素数は0個となり、図8(a)に示した第1ライン61の条件を満足している。他のラインデータ52〜56と、対応するテンプレート60の第2ライン62〜第6ライン66との関係を調べた場合も同様に図8(a)に示した条件を満足している。第1線状画像判定部13aは、このように判定ウィンドウ50のラインデータ51〜56の各領域内の黒色の画素数が、図8(a)に示す黒色の画素数の範囲内である場合、図7(a)に示した判定ウィンドウ50内の画像は特定の線状画像である細い線の円弧43であると判定し、この円弧43を含むパターン候補画像45はパターン40である可能性があると判定する。
また、図5(b)に示すように、太い線の円弧を含むパターン140の検出についても同様である。即ち、第2線状画像判定部13bは、テンプレート60内の複数の領域と同様に並ぶように分割された判定ウィンドウ50内のラインデータ151〜156内の黒色の画素の分布が、図8(b)に示すテンプレートの分布に適合する場合、その画像は太い線の円142の一部を構成する太い線の円弧であると判定する。例えば、図7(c)に示したラインデータ151と、図7(b)に示したテンプレート60の第1ライン61とを比較した場合、第1領域61aに対応するラインデータ151内の黒色の画素数は12個、第2領域61b,61bに対応するラインデータ151内の黒色の画素数は0個、第3領域61c,61cに対応するラインデータ151内の黒色の画素数は0個となり、図8(b)に示した第1ライン61の条件を満足している。他のラインデータ152〜156と、対応するテンプレート60の第2ライン62〜第6ライン66との関係を調べた場合も同様に図8(b)に示した条件を満たしている。第2線状画像判定部13bは、このように判定ウィンドウ50のラインデータ151〜156の各領域内の黒色の画素数が、図8(b)に示す黒色の画素数の範囲内である場合、図7(c)に示した判定ウィンドウ50内の画像は太い線の円弧であると判定し、この円弧を含むパターン候補画像はパターン140である可能性があると判定する。
このように第1線状画像判定部13a又は第2線状画像判定部13bにより特定の線状画像である円弧43が原稿画像41に含まれると判定されたとき、次に、画像処理装置10は、この線状画像を含む所定領域内の画像が、パターン40又はパターン140であるか否かをパターン判定部14により判定するように構成してある。この判定は、円弧43が原稿画像41に含まれると判定されたとき、検出された円弧43の太さに応じて格納手段である閾値データ格納部15から判定基準を読出してパターン判定部14に設定し、設定された判定基準に基づいてなされる。詳細について以下に説明する。
この判定のために、まず、前述したように円弧から該円弧を一部に含む境界線である円を推定することにより、図5(b)に示すように、パターン40又はパターン140を含む可能性を有するパターン候補画像45を設定し、この円形の領域(検出領域)の画像データを抽出する。この検出領域内に含まれる画像の種類を判別するために、本発明に係る画像処理装置10においては、検出領域を4つの判定領域である分割領域に分割し、分割領域毎の画素数(検出領域内の画素数の分布)を調べるように構成してある。
図9は検出領域の分割例と画素数の分布との関係を説明する説明図である。図9(a)は分割例を示している。この例では、抽出した検出領域70を同心円状に分割しており、最も小さな半径を有する円周によって囲まれる領域を第1分割領域71、その円周と2番目に小さな半径を有する円周とで囲まれる領域を第2分割領域72、その円周と3番目に小さな半径を有する円周とで囲まれる領域を第3分割領域73、その円周と外周とで囲まれる領域を第4分割領域74としている。
図9(b)は、各分割領域71,72,73,74内の画素数の範囲を規定するテーブルを示しており、パターンを判定するための円弧43の太さに応じて特定色の画素数が異なる2つの判定基準(第1判定基準及び第2判定基準)を示している。第1判定基準は、パターン候補画像が細い円弧を含むパターン40であるか否かを判定する基準であり、第2判定基準は、パターン候補画像が太い円弧を含むパターン140であるか否かを判定する基準である。第1線状画像判定部13a又は第2線状画像判定部13bにより円弧43が原稿画像41に含まれるという一致の判定結果が得られたとき、この判定結果に応じて、換言すると円弧の太さに応じて第1判定基準及び第2判定基準の2つの判定基準から一つが閾値データ格納部15から読出されてパターン判定部14に判定基準として設定される。
例えば、第1分割領域71内の黒色の画素数が246個から300個の範囲であり、第2分割領域72内の黒色の画素数が250個から302個の範囲であり、第3分割領域73内の黒色画素の数が266個から310個の範囲であり、第4分割領域74内の黒色の画素数が480個以上であるという条件を満たす場合、即ち、検出領域70内の黒色の画素の分布が第1判定基準を満足する場合、パターン判定部14は、その画像は細い円弧を含むパターン40であると判定する。同様に、検出領域70内の黒色の画素の分布が第2判定基準を満足する場合、パターン判定部14は、その画像は太い円弧を含むパターン140であると判定する。なお、図9(b)に示したテーブルは画像処理装置10内の閾値データ格納部15内に予め格納されており、画像形成装置20内の適宜位置に設けられたPCU23からの指示に従って呼出処理、又は書換処理が可能なように構成してある。
図10は、細い線のパターン40又は太い線のパターン140と同一形状の円弧を含むパターンの例を示す図である。図10(a)は、太い線の円242の中に太い線にて「重」241の文字が描いてあるパターン240(「マル重」のマーク)を、図10(b)は、細い線の円342の中に太い線にて「特」341の文字が描いてあるパターン340を夫々示している。なお、パターン240は、「重要」を意味し、原稿画像41の複写の制限を表すパターンであり、パターン340は、原稿画像41の複写の禁止/制限を表すパターンではないとする。
前述したように、細い/太い円弧が検出された時は、パターン判定部14によりパターン候補画像がパターン40/パターン140であるか否かを判定すべく、図9(b)に示した第1/第2判定基準が用いられる。図10に示すパターン240,340の検出領域70内の黒色の画素の分布は、パターン40及びパターン140とは異なるから、図10に示すパターン240,340がパターン40/パターン140として判定されることを防止することができる。細い円弧が検出されたときは、図9(b)に示した細い円弧検出用の第1判定基準が用いられるから、図10(b)に示すパターン340がパターン40/パターン140でないことは容易に判定することができ、図10(b)のパターン340のように、原稿画像41の複写の禁止/制限を表すパターンとして検出してはいけないパターンを誤って検出することをより確実に防止することできる。
なお、検出領域の分割手法は前述したものに限定されない。図11は検出領域の他の分割例と画素数の分布との関係を説明する説明図である。図11(a)は分割例を示している。検出領域内に略一様に黒色の画素が分布するパターンを用いる場合、図11(a)に示すように、検出領域80の中心を通り、互いに直交する2本の線分により、第1分割領域81、第2分割領域82、第3分割領域83、第4分割領域84の4つの領域に検出領域80を分割してもよい。
図11(b)は、各分割領域81,82,83,84内の画素数の範囲を規定するテーブルを示しており、パターンを判定するための円弧43の太さに応じて特定色の画素数が異なる2つの判定基準(第1判定基準及び第2判定基準)を示している。第1判定基準は、パターン候補画像が細い円弧を含むパターンであるか否かを判定する基準であり、第2判定基準は、パターン候補画像が太い円弧を含むパターンであるか否かを判定する基準である。検出領域内に略一様に黒色の画素が分布するパターンの場合、各分割領域81,82,83,84内の黒色の画素数は略一定であるため、各分割領域81,82,83,84毎に画素数の範囲を定める必要がなく、図11(b)に示すように、一つの分割領域の画素数の範囲のみを定めればよい。
以下、原稿画像41を複製する際にデジタルカラー複合機である画像形成装置20において実行される処理の手順について説明する。図12及び13は、本発明に係る画像処理装置10を有する画像形成装置20の原稿画像41の複製形成の処理手順を示すフローチャートである。画像形成装置20のPCU23は、原稿画像41の読取開始の指示があるか否かを判定する(ステップS11)。なお、読取開始の有無の判定は、操作パネルにより入力される複写開始の指示の有無によりなされる。
ステップS11において、読取開始の指示があると判定した場合(ステップS11:YES)、画像読取部21を制御して原稿画像41の読取処理を開始する(ステップS12)。具体的には、前述したように、光源を点灯させて主走査方向の画像データを取得しつつ、光源等を副走査方向に移動させ、指示された範囲の原稿を走査することにより前記範囲内の画像を読取る。一方、読取開始の指示がないと判定した場合(ステップS11:NO)、読取開始の指示があるまで待機する。
ステップS12において、画像読取部21により読取られた画像データは、RGBのライン調整などを行うための画像メモリを経由して画像処理装置10の前処理部11に与えられる。前処理部11において、前述した如く、与えられた画像データの解像度を600dpiから200dpiへ変換する処理を実行した後(ステップS13)、画像データの2値化処理を実行する(ステップS14)。図14は、2値化処理の説明図である。図14(a)に示すように、RGB各色8bitの画像データは、まず色差分演算部により、緑赤色差G−R,緑青色差G−B,赤青色差R−Bの色差分が夫々演算され、R,G,B,G−R,G−B,R−Bの値が比較部に与えられる。次に比較部により、図14(b)に示すテーブルと、与えられたR,G,B,G−R,G−B,R−Bの値とを比較する。そして、図14(b)に示す設定範囲内に入っている色を黒に変換し、それ以外の色を白に変換することにより、2値化処理がなされる。図14においては、朱色域にある特定色を抽出すべく、2値化処理を行うためのテーブルを示している。なお、特定色は検出するパターンに応じて適宜設定される。
ステップS14において2値化された画像データを、前述したようにラインメモリ12に格納する(ステップS15)。ラインメモリ12は、ステップS15において格納された画像データを第1線状画像判定部13a及び第2線状画像判定部13bに夫々与える。
次に、ステップS15において格納された2値化された画像データを用いて、第1線状画像判定部13aにより、細い円弧の検出の有無を判定すると共に(ステップS16)、ステップS15において格納された2値化された画像データを用いて、第2線状画像判定部13bにより、太い円弧の検出の有無を判定する(ステップS17)。
なお、細い円弧の検出の有無の判定は、第1線状画像判定部13aにより、ラインメモリ12から与えられ、図7(a)に示す判定ウィンドウ50の各ラインデータ51,52,…,56の各領域内の黒色の画素数と、テンプレート60の各ライン61,62,…,66の各領域内の黒色の画素数とを比較して、各ラインデータ51,52,…,56内の黒色の画素の分布が、図8(a)に示すテンプレート60の分布に適合するか否かに応じてなされる。同様に、太い円弧の検出の有無の判定は、図7(c)に示す判定ウィンドウ50の各ラインデータ151,152,…,156内の黒色の画素の分布が、図8(b)に示すテンプレート60の分布に適合するか否かに応じてなされる。このようなラインメモリ12に格納された2値化データについてのテンプレート60を利用したパターンマッチングにより検出領域である円領域を抽出する。
ステップS16において、細い円弧の検出がないと判定した場合(ステップS16:NO)、ステップS17において、太い円弧の検出がないと判定した場合(ステップS17:NO)、ステップS24に進む。
一方、ステップS16において、細い円弧の検出があると判定した場合(ステップS16:YES)、細い円弧を含むパターン40に対する第1判定基準を判定基準としてパターン判定部14に設定し、パターン判定部14の起動をかける(ステップS18)。
ステップS17において、太い円弧の検出があると判定した場合(ステップS17:YES)、太い円弧を含むパターン140に対する第2判定基準を判定基準としてパターン判定部14に設定し、パターン判定部14の起動をかける(ステップS19)。なお、これら第1判定基準及び第2判定基準に用いられる値は、閾値データ格納部15に予め格納してある。
次に、細い円弧を含むパターン候補画像又は太い円弧を含むパターン候補画像として抽出された検出領域を4つの領域(判定領域)に分割し、各領域の画素数をカウントする(ステップS20)。この画素数のカウントは、パターン検出部14において、ラインメモリ12により遅延させて与えられた2値化データを用いてなされる。本実施の形態においては、このように、ラインメモリ12は円弧を抽出して判別すべく、第1線状画像判定部13a及び第2線状画像判定部13bにおいて複数ラインを同時に見るために使用するとともに、円弧を検出した後にパターン判定部14において特定領域の黒をカウントするための遅延メモリとしても使用するように構成してある。この結果、少ないメモリで構成することが可能である。
次に、ステップS20において得られた各領域の画素数が、ステップS18又はステップS19において設定された判定基準を満足しているか否かを判定する(ステップS21)。判定基準を満足しているか否かの判定は、前述した如く、ラインメモリ12にて遅延させて、パターン判定部14に与えられた2値化データを用いてカウントされた各領域の画素数が、図9(b)又は図11(b)に示す画素数の範囲にあるか否かによりなされる。
ステップS21において、各領域の画素数が判定基準を満足していると判定した場合、換言すると「マル秘」のマークであるパターン40又はパターン140が検出された場合(ステップS21:YES)、出力処理を禁止する(ステップS22)。同時に、出力処理が禁止されている旨を通知して(ステップS23)、画像形成装置20の原稿画像41の複製形成の処理を終了する。なお、この出力処理の禁止は、パターン判定部14によるPCU23に与えられた結果に応じて、PCU23が画像形成部24に出力処理を禁止する制御指令を与えることによりなされる。また、出力処理禁止の旨の通知は、操作パネルの表示部にメッセージを表示することによりなされる。
一方、ステップS21において、各領域の画素数が判定基準を満足していないと判定した場合(ステップS21:NO)、ステップS24に進む。
ステップS24において、1ページの画像データの処理が終了したか否かを判定する。ステップS24において、1ページの画像データの処理が終了したと判定した場合(ステップS24:YES)、即ち、1ページの画像データ中にパターン40及びパターン140が検出されなかった場合、出力処理を行って(ステップS25)、画像形成装置20の原稿画像41の複製形成の処理を終了する。なお、1ページの画像データの処理が終了したか否かの判定は、操作パネル等により与えられた原稿画像サイズと、処理がなされた画像データ量に対応する原稿画像サイズとの比較によりなされる。
一方、1ページの画像データの処理が終了していないと判定した場合(ステップS24:NO)、ステップS13に戻って一連の動作を繰り返す。
以上のように構成された本発明に係る画像形成装置20においては、画像処理装置10によりパターンが原稿画像41に含まれると判定された場合に、当該原稿画像41の画像形成を行わないように構成してあり、これによって例えば紙幣及び有価証券を偽造したり、機密書類を複写したりすることを防止できる。そして、パターンの一部をなす線状画像である円弧の太さの大/小に応じて、パターン候補画像がパターンであるか否かを判定する判定基準である特定色の画素数を大/小となるように判定基準を設定するように構成してあるから、光学系が不安定になる、スキャナ等の機器バラツキ、原稿の印字バラツキ等に起因してパターンが濃くなったり薄くなったりした場合に、この濃/淡(太い/細い)に応じて適切に判定基準を設定することにより、パターンを精度良く検出することができる。
また、パターン判定部14は、第1,第2線状画像判定部13a,13bにより原稿画像41中に線状画像である円弧43が含まれると判定されたときに、その円弧43を含むパターン候補画像がパターンであるか否かを判定するようにしてあるから、判定基準を適切に設定することにより、パターンでない画像を間違ってパターンであると判定することを防止して、パターンを迅速かつ高精度に抽出することができる。
また、判定基準を特定色の画素数により表してあるから、画素の配列により判定する場合と比較して、判定基準を記憶するために必要となる記憶容量を少なくすることができると共に、判定に用いる情報量が少なく、パターン判定部14による判定処理を迅速に行うことができる。
また、特定色の画素数が略同一になるように複数の領域に分割されたパターンを用いて判定しているから、分割された複数の領域全ての画素数を記憶させておく必要がなく、判定基準を記憶するために必要となる記憶容量を更に少なくすることができる。
また、線状画像である円弧43を含み、隣接する複数の画素からなり、予め複数の領域に分割されたテンプレート60を用いて、該テンプレート60と同様に並ぶ複数の領域からなる判定ウィンドウ50を原稿画像41から抽出し、抽出した判定ウィンドウ50内の複数の領域夫々と前記テンプレートの複数の領域夫々の特定色の画素数を比較して、円弧43の有無を判定するようにしてある。原稿画像41全体を一括して走査する場合に比べて、1回の判定処理に用いる画素数を少なくすることができるため、原稿画像41にパターンが含まれている可能性があるか否かの判定を迅速に行うことができる。また個々の画素に対して処理対象画像を走査して判定する場合に比べて、隣接する画素同士の関連性をも考慮して判定するので、判定精度を向上することができる。また、原稿画像41から抽出した判定ウィンドウ50内の複数の領域における特定色の画素数と、テンプレート60の複数の領域における特定色の画素数とを比較しているから、複数の領域における全ての画素について比較して判定する場合と比べて、テンプレート60を記憶するために必要となる記憶容量を少なくすることができると共に、パターン全体に基づいて処理対象画像中51にパターン40が含まれるか否かを判断する場合に比べて、判定に用いる情報量が少なく、第1,第2線状画像判定部13a,13bによる判定処理を迅速に行うことができると共に、このような判定処理を行うための回路構成を簡略化でき、情報を記憶させるための記憶部の容量を小さくすることができる。また、第1,第2線状画像判定部13a,13bを用いて並列に計算することにより、高速にて線状画像である円弧43を検出することができる。
また、各画素ラインを分割した各領域における黒色の画素数に範囲を設けることによって、例えばパターンに、にじみ、かすれ、ふとり及びずれが生じて、原稿画像41を判定ウィンドウ50で走査したときの線状画像である円弧の黒色の画素数が、にじみ、かすれ、ふとり及びずれのない場合のパターンにおける円弧の画素数と多少異なっていても、線状画像である円弧が原稿画像41中に含まれるか否かの判定を、高精度に行うことができるとともに、第1,第2線状画像判定部13a,13bによる判定処理を迅速に行うことができる。
また、線状画像として円弧状をなす画像を用いているから、原稿画像41の向きに影響を受けることなく線状画像として検出することができると共に、画像データを記憶するための記憶手段の容量を小さくすることができる。
また、原稿画像41から線状画像を抽出すべく処理された画像データをパターン判定部14に遅延させて与えるようにしてあるから、パターン判定部14にメモリを設けることなく、画像データをリアルタイムに判定することが可能である。ラインメモリ12は、円弧を抽出して判別すべく、第1線状画像判定部13a及び第2線状画像判定部13bにおいて複数ラインを同時に見るために使用するとともに、円弧を検出した後にパターン判定部14において特定領域の黒をカウントするための遅延メモリとしても使用するように構成してあるから、判定回路の回路構成を簡略化することができると共に、ラインメモリ12の容量を小さくすることができる。
また、原稿画像41の複製を形成するために用いられる画像データを該画像データよりも少ない情報量の画像データに変換する前処理部11を有しているから、第1,第2線状画像判定部13a,13b及びパターン判定部14による判定処理を迅速に行うことができると共に、パターンを迅速に検出することができる。
以上の実施の形態においては、複写の禁止/制限を表すパターンとして「マル秘」のマークを検出するように構成され、同じ「マル秘」のマークが光学例のバラツキ等により細くなったり太くなったりした場合の処理について述べたが、パターンとして異なる種類のマークを検出するように構成してもよい。以下、細い線のパターンとして複写の禁止を表す「マル秘」のマーク(図4(a))を、太い線のパターンとして、「重要」を意味し、複写の制限を表す「マル重」のマーク(図10(a))を検出するように構成した例について説明する。
図15及び16は、本発明に係る画像処理装置10を有する画像形成装置20の原稿画像41の複製形成の処理手順の他の例を示すフローチャートである。画像形成装置20のPCU23は、原稿画像41の読取開始の指示があるか否かを判定する(ステップS31)。
ステップS31において、読取開始の指示があると判定した場合(ステップS31:YES)、画像読取部21を制御して原稿画像41の読取処理を開始する(ステップS32)。一方、読取開始の指示がないと判定した場合(ステップS31:NO)、読取開始の指示があるまで待機する。
ステップS32において、画像読取部21により読取られた画像データは、RGBのライン調整などを行うための画像メモリを経由して画像処理装置10の前処理部11に与えられる。前処理部11において、前述した如く、与えられた画像データの解像度を600dpiから200dpiへ変換する処理を実行した後(ステップS33)、画像データの2値化処理を実行する(ステップS34)。
ステップS34において2値化された画像データを、前述したようにラインメモリ12に格納する(ステップS35)。ラインメモリ12は、ステップS35において格納された画像データを第1線状画像判定部13a及び第2線状画像判定部13bに夫々与える。
次に、ステップS35において格納された2値化された画像データを用いて、第1線状画像判定部13aにより、細い円弧の検出の有無を判定すると共に(ステップS36)、ステップS35において格納された2値化された画像データを用いて、第2線状画像判定部13bにより、太い円弧の検出の有無を判定する(ステップS37)。
ステップS36において、細い円弧の検出がないと判定した場合(ステップS36:NO)、ステップS37において、太い円弧の検出がないと判定した場合(ステップS37:NO)、ステップS49に進む。
一方、ステップS36において、細い円弧の検出があると判定した場合(ステップS36:YES)、細い円弧を含むパターン40に対する第1判定基準を判定基準としてパターン判定部14に設定し、パターン判定部14の起動をかける(ステップS38)。
ステップS37において、太い円弧の検出があると判定した場合(ステップS37:YES)、太い円弧を含むパターン240に対する第2判定基準を判定基準としてパターン判定部14に設定し、パターン判定部14の起動をかける(ステップS39)。
次に、パターン判定部14により、細い円弧を含むパターン候補画像又は太い円弧を含むパターン候補画像として抽出された検出領域を4つの領域(判定領域)に分割し、各領域の画素数をカウントする(ステップS40)。
次に、ステップS40において得られた各領域の画素数が、ステップS38又はステップS39において設定された判定基準を満足しているか否かを判定する(ステップS41)。
ステップS41において、各領域の画素数が判定基準を満足していないと判定した場合、換言すると「マル秘」のマークであるパターン40及び「マル重」のマークであるパターン240の両方が検出されない場合(ステップS41:NO)、ステップS49に進む。
ステップS49において、1ページの画像データの処理が終了したか否かを判定する。ステップS49において、1ページの画像データの処理が終了したと判定した場合(ステップS49:YES)、即ち、1ページの画像データ中にパターン40及びパターン240の両方が検出されなかった場合、出力処理を行って(ステップS50)、画像形成装置20の原稿画像41の複製形成の処理を終了する。一方、1ページの画像データの処理が終了していないと判定した場合(ステップS49:NO)、ステップS33に戻って一連の動作を繰り返す。
一方、ステップS41において、各領域の画素数が判定基準を満足していると判定した場合、換言すると「マル秘」のマークであるパターン40又は「マル重」のマークであるパターン240が検出された場合(ステップS41:YES)、検出されたパターンが「マル秘」のマークであるパターン40であるか否かを判定する(ステップS42)。
ステップS42において、検出されたパターンが「秘密」を意味するパターン40であると判定した場合(ステップS42:YES)、出力処理を禁止する(ステップS43)。同時に、出力処理が禁止されている旨を通知して(ステップS44)、画像形成装置20の原稿画像41の複製形成の処理を終了する。
一方、ステップS42において、検出されたパターンがパターン40でない、換言すると検出されたパターンが「重要」を意味するパターン240であると判定した場合(ステップS42:NO)、利用者に対して利用者コードの入力を要求する(ステップS45)。ここで、利用者コードとは、各利用者に割り当てた認証コード(例えば、4桁の数値)であり、装置の利用が認証されている者の認証コードが画像形成装置20内のPCU23のROMに予め記憶されている。また、利用者コードの入力の要求は、操作パネルの表示部に入力を促すメッセージを表示することによって行う。
次に、利用者コードが入力されたか否かを判定する(ステップS46)。この判定は、操作パネルの操作部を通じて入力される情報を監視することになされる。利用者コードが入力されていないと判定した場合(ステップS46:NO)、ステップS45に戻って一連の動作を繰り返す。
一方、利用者コードが入力されたと判定した場合(ステップS46:YES)、利用者を認証できるか否かを判定する(ステップS47)。この判定は、入力された利用者コードを予め記憶された利用者コードと照合することによりなされる。
ステップS47において、利用者を認証できないと判定した場合(ステップS47:NO)、出力処理を禁止するとともに(ステップS43)、出力処理が禁止されている旨を通知して(ステップS44)、画像形成装置20の原稿画像41の複製形成の処理を終了する。
一方、ステップS47において、利用者を認証できると判定した場合(ステップS47:YES)、出力処理を行って(ステップS48)、画像形成装置20の原稿画像41の複製形成の処理を終了する。
以上のように構成された画像形成装置20においては、線状画像である円弧の太さが異なる複数のパターン夫々に異なる意味をもたせることにより、原稿画像の複写の禁止のみではなく、種々の制限に対しても対応することができ、多様な要望に対応することが可能となる。
なお、以上の実施の形態においては、線状画像の太さの異なる2種類のパターンを検出する場合について説明したが、2種類に限定されず、線状画像の太さの異なる3種類以上のパターンを検出するように構成することも可能なことは言うまでもない。
また、以上の実施の形態においては、検出すべきパターンとして、「マル秘」及び「マル重」のマークについて説明したが、これに限定されず、例えば、紙幣の朱印を検出すべきパターンとして設定することも可能である。線状画像として円弧43を例に説明したが、これに限定されず、検出すべくパターンに応じて適切に特定の線状画像が予め選定してある。
また、以上の実施の形態においては、太さの異なる線状画像の検出を第1線状画像判定部13a及び第2線状画像判定部13bにより並列して判定を行うように構成してあるが、これに限定されず、どちらか一方の判定処理の後、他方の判定処理を行うように構成してもよい。
また、以上の実施の形態においては、原稿画像を画像読取部21により読取った画像データに対するパターンの検出処理について説明したが、ネットワーク30を介して画像形成装置20に接続されるデジタルカメラ31、PC32及びノートPC33からの原稿画像41の画像データに対するパターンの検出処理についても同様に行うことができる。この場合において、出力処理が禁止されている旨の通知は、画像データの送信元であるデジタルカメラ31、PC32及びノートPC33に送信することにより行うようにしてもよい。
更に、本発明は、その他、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。
10 画像処理装置
11 前処理部(前処理手段)
12 ラインメモリ(記憶手段)
13a 第1線状画像判定部(線状画像判定手段)
13b 第2線状画像判定部(線状画像判定手段)
14 パターン判定部(パターン判定手段)
15 閾値データ格納部(格納手段)
20 画像形成装置

Claims (9)

  1. 与えられた原稿画像に、該原稿画像の複写の制限を表すパターンの一部をなす特定の線状画像が含まれるか否かを判定する線状画像判定手段と、該線状画像判定手段により線状画像が含まれると判定されたとき、該線状画像を含む所定領域内の画像が前記パターンであるか否かを判定するパターン判定手段と、該パターン判定手段にて前記画像が前記パターンであるか否かを判定するときに用いられる判定基準が格納してある格納手段とを備え、前記原稿画像から前記パターンを検出する画像処理装置であって、
    前記線状画像が前記原稿画像に含まれると判定したとき、前記線状画像の太さを検出し、検出した太さに応じて前記格納手段から判定基準を読出して前記パターン判定手段に設定するように構成してあることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記格納手段には、前記線状画像の太さと特定色の画素数との対応関係を示し、前記線状画像の太さの大/小に応じて特定色の画素数が大/小となるように対応させてあるテーブルが格納してあり、
    検出された線状画像の太さを前記テーブルに適用して対応する特定色の画素数を求め、求めた特定色の画素数を前記判定基準として前記パターン判定手段に設定するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記パターン判定手段は、前記画像を所定の複数の判定領域に分割し、分割された複数の判定領域夫々における特定色の画素数に前記判定基準を適用して前記画像が前記パターンであるか否かを判定するように構成してあることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記パターン判定手段は、特定色の画素数が略同一になるように複数の領域に予め分割されたパターンに整合させて前記画像を分割するように構成してあることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記線状画像を含み、隣接する複数の画素からなるテンプレートを備え、該テンプレートは複数の領域に予め分割してあり、
    前記線状画像判定手段は、前記原稿画像から抽出され、前記テンプレートと同様に並ぶ複数の領域夫々における特定色の画素数を計数する計数部と、計数した複数の領域夫々の特定色の画素数と、前記テンプレートの複数の領域夫々の前記特定色の画素数とを比較する比較部と、該比較部による結果に応じて前記原稿画像における前記線状画像の有無を判断する判断部とを備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の画像処理装置。
  6. 前記線状画像判定手段は、前記原稿画像の複数の領域夫々における特定色の画素数が予め定める範囲内にあるとき、前記線状画像が前記原稿画像に含まれると判定することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記原稿画像から前記パターンを検出すべく処理された画像データを記憶する記憶手段を有しており、該記憶手段は、処理された画像データを、前記線状画像判定手段に与えると共に、前記パターン判定手段に遅延させて与えるように構成してあることを特徴とする請求項1から6の何れか一つに記載の画像処理装置。
  8. 前記原稿画像を、該原稿画像よりも少ないデータ量の画像に変換する前処理手段を有することを特徴とする請求項1から7の何れか一つに記載の画像処理装置。
  9. 請求項1から8の何れか一つに記載の画像処理装置を備え、該画像処理装置により前記パターンが検出されたときに前記原稿画像の複製の形成を制限するように構成してあることを特徴とする画像形成装置。
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