JP2010171736A - 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】本や書類、葉書等の文書を複写する時に、所望の文書が正しくセットされているか否かを検出する。
【解決手段】画像読取装置にセットされた、規定の位置に情報が付加された文書のうち、画像読取装置の読取範囲内の部分を画像読取装置が読み取ることで得られる文書画像を取得する。文書画像中の規定の位置における情報を抽出する。文書画像中において、文書に記された情報が欠損しているか否かを、抽出手段が抽出した情報に基づいて判断する。欠損があると判断した場合には、文書画像を印刷装置に出力せず、欠損がないと判断した場合には、文書画像を印刷装置に出力する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、本や書類、葉書等の文書を複写する時に、所望の文書が正しくセットされているか否かを検出するための技術に関する。
複写機の普及により、原稿や本の複写が可能になった。一般的な使用方法として、まずユーザは、スキャナ部に直接手で文書をセットするか、ADF(Auto Document Feeder)に文書をセットする。次に、スキャナ部は、セットした文書を読み込む。最後に読み込んだ文書情報が、出力側にセットされた複写用の紙に印刷されることで複写が完了する。
この時に文書が、スキャナ部で読み込みが行われる範囲からずれていたり、文書の裏表自体が逆であると、不完全な複写が行なわれてしまう。また、スキャナ部で所望どおりの文書情報が読み込まれても、出力側にセットされた複写用の紙のサイズが読み込んだ文書情報の複写する範囲と合っていない場合にも不完全な複写が行なわれてしまう。
以上の問題を解決するために、いくつかの技術が開発されている。例えば、特許文献1に記載の複写機は、ページ番号を認識する認識装置を有する。文書の表裏が逆である時等、認識装置がページ番号を認識できなかった時には、警告装置は警告を発する。
また、特許文献2に記載の複写機は、原稿サイズセンサで原稿サイズを検知し、検知した原稿サイズに応じて原稿上の領域を予め定められた複数領域に分割する。各分割された各領域内毎に算出した画像占有率が予め定められた数値に達しているかを判断し、原稿が白紙の場合等、予め定められた数値に達している領域が存在しない場合には警告を行う。
特開平6−181516号公報 特開2006−246214号公報
しかしながら、特許文献1に記載の複写機は、付加されたページ番号周辺の部位が読み込まれない場合は検出できても、ページ番号から離れた部位が読み込まれない場合を検出できない可能性がある。また、特許文献2に記載の複写機は、原稿や本等のサイズがセンサによって誤って認識される可能性がある。例えば、本を複写する時に、スキャナ面に対する本の押し付けが不十分な場合が該当する。さらに、年賀状、葉書、コーティング紙等を複写する場合には、原稿の内容とともに印刷用紙の裏表や上下も考慮しなければ、複写が不完全になってしまう。
本発明は、本や書類、葉書等の文書を複写する時に、所望の文書が正しくセットされているか否かを検出する技術を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。
すなわち、
印刷装置と接続された画像処理装置であって、
画像読取装置にセットされた、規定の位置に情報が付加された文書のうち、当該画像読取装置の読取範囲内の部分を当該画像読取装置が読み取ることで得られる文書画像を取得する手段と、
前記文書画像中の規定の位置における情報を抽出する抽出手段と、
前記文書画像中において、前記文書に記された情報が欠損しているか否かを、前記抽出手段が抽出した情報に基づいて判断する判断手段と、
前記判断手段が欠損があると判断した場合には、前記文書画像を前記印刷装置に出力せず、前記判断手段が欠損がないと判断した場合には、前記文書画像を前記印刷装置に出力する出力手段と
を備えることを特徴とする。
他の形態として、本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
セットされた紙文書を排紙可能であるとともに、排紙する際に当該紙文書上に画像を形成してから排紙可能な画像処理装置であって、
規定の位置に情報が付加された紙文書を文書画像として読み取る読み取り手段と、
前記文書画像中の前記規定の位置における情報を抽出する抽出手段と、
前記文書画像中における、前記紙文書上に記された情報の欠損の有無を、前記抽出手段が抽出した情報に基づいて判断する判断手段と、
前記紙文書上に画像形成する為の出力文書を取得する手段と、
前記判断手段が欠損があると判断した場合には、前記出力文書を前記紙文書上に画像形成させることなく、前記紙文書を排紙し、前記判断手段が欠損がないと判断した場合には、前記出力文書を前記紙文書上に画像形成してから排紙する排紙制御手段と
を備えることを特徴とする。
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の画像処理方法は以下の構成を備える。
すなわち、
印刷装置と接続された画像処理装置が行う方法であって、
画像読取装置にセットされた、規定の位置に情報が付加された文書のうち、当該画像読取装置の読取範囲内の部分を当該画像読取装置が読み取ることで得られる文書画像を取得する工程と、
前記文書画像中の規定の位置における情報を抽出する抽出工程と、
前記文書画像中において、前記文書に記された情報が欠損しているか否かを、前記抽出工程で抽出した情報に基づいて判断する判断工程と、
前記判断工程で欠損があると判断した場合には、前記文書画像を前記印刷装置に出力せず、前記判断工程で欠損がないと判断した場合には、前記文書画像を前記印刷装置に出力する出力工程と
を備えることを特徴とする。
他の形態として、本発明の画像処理方法は以下の構成を備える。すなわち、
セットされた紙文書を排紙可能であるとともに、排紙する際に当該紙文書上に画像を形成してから排紙可能な画像処理装置が行う方法であって、
規定の位置に情報が付加された紙文書を文書画像として読み取る読み取り工程と、
前記文書画像中の前記規定の位置における情報を抽出する抽出工程と、
前記文書画像中における、前記紙文書上に記された情報の欠損の有無を、前記抽出工程で抽出した情報に基づいて判断する判断工程と、
前記紙文書上に画像形成する為の出力文書を取得する工程と、
前記判断工程で欠損があると判断した場合には、前記出力文書を前記紙文書上に画像形成させることなく、前記紙文書を排紙し、前記判断工程で欠損がないと判断した場合には、前記出力文書を前記紙文書上に画像形成してから排紙する排紙制御工程と
を備えることを特徴とする。
本や書類、葉書等の文書を複写する時に、所望の文書が正しくセットされているか否かを検出することができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
[第1の実施形態]
<<透かし情報埋め込み方法>>
図1は、第1の実施形態における透かし情報埋め込み装置(画像処理装置)の構成概念図である。第1の実施形態に係る透かし情報埋め込み装置は、以下の構成を備える。すなわち、透かし情報(埋め込み情報)の埋め込み対象である文書100を取得する文書取得部101。文書内の各オブジェクトを検出する文書解析部102。検出した各オブジェクト及び文書の撮像範囲の4隅の座標を用いて、透かし情報の埋め込み位置を決定する埋め込み位置決定部103。透かし情報取得部105が取得した透かし情報104を文書100に埋め込む埋め込み部106。埋め込み部106が生成した情報付与文書108を出力する出力部107。以上の各部を備える。後述の透かし情報抽出装置は、出力部107が出力した情報付与文書108を複写する装置である。この時透かし情報抽出装置は、埋め込まれている透かし情報を参照して、情報付与文書108が透かし情報抽出装置に正しく読み込まれているかを判断し、複写の可否を決定する。以下、透かし情報を埋め込む方法について具体的に述べる。
図2は、第1の実施形態における透かし情報埋め込み装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS201において、文書取得部101は文書100を入力文書として取得する。文書100のフォーマットは、テキストファイルやPS(Post Script)等の電子文書ファイルであればよい。ただし、文書100中の文字及び画像を含む構成要素が出力される座標が決定されている必要がある。例えばテキストファイルは様々なフォーマットで出力しうるが、出力フォーマットが固定されていなければならず、テキストファイル中のある文字がどの座標に出力されるかが決定されていなければならない。文書取得部101が文書100はまた、既に印刷された文書を、スキャナ等の読み取り装置で読み取って画像化した文書画像ファイルでもよい。文書画像ファイルのフォーマットはBMP(Microsoft Windows(登録商標) Bitmap Image)やTIFF(Tagged Image File Format)を含むが、これらに限定されない。ただし、本実施形態においては文書画像ファイルの画像に電子透かしを埋め込んで情報付与文書として出力し、この情報付与文書を複写するわけであるから、読み取り装置での画像化は、ずれなく正確に行われることが望まれる。
ステップS202において、文書解析部102は、文書取得部101が取得した文書100からオブジェクトを検出する。オブジェクトとは、本実施形態では文や図のまとまった部分を示す。文書解析部102がオブジェクトを検出する方法の例として、OCR(光学文字認識技術)で一般に使われているブロックセレクションの技術を用いる方法がある。このブロックセレクション技術は、例えば特許3278471号公報に詳しく開示されている。
図3に示す文書301を文書解析部102が解析した場合、302に示されるように、各オブジェクト302a〜302dが検出される。この時、周知のオブジェクト検出技術により、302a、302b、302cは文字オブジェクト、302dは画像オブジェクトと判断される。ただし、オブジェクトの抽出方法は以上に示す又は図3に示す方法に限定されるわけではなく、例えば単語を1つのオブジェクトとしてみなしてもよい。
ステップS203において、埋め込み位置決定部103は、文書100における透かし情報埋め込み位置を決定する。埋め込み位置は、文書100に対して一意に定まる規定の位置である。埋め込み位置は、文書解析部102が検出した、文書を構成するオブジェクト領域内であって、文書の4隅のそれぞれに最も近い位置であればよい。本実施形態では特に、文字オブジェクト領域内であって、文書の4隅のそれぞれに最も近い位置を埋め込み位置とする。ステップS203の詳細については<埋め込み位置決定部>の項で後述する。
ステップS204において、透かし情報取得部105は埋め込むことを所望する透かし情報104を取得する。そして、埋め込み部106は取得した透かし情報104を文書100の透かし情報埋め込み位置に付加し、情報付与文書108とする。本実施形態では、埋め込み位置に最も近い文字を一端とする文字列、すなわち文書の4隅のそれぞれに最も近い文字を一端とする文字列に対して、透かし情報を埋め込む。また本実施形態では、文字列の文字間隔の大小を変化させることにより透かし情報を埋め込む。ステップS204の詳細については<埋め込み部>の項で後述する。
最後にステップS205において、出力部107は情報付与文書108を出力する。
<埋め込み位置決定部>
図5は、本実施形態において透かし情報の埋め込み位置を決定する工程である、ステップS203の詳細を説明するためのフローチャートである。ステップS203の処理は、全て埋め込み位置決定部103が行う。
まず、ステップS203において用いる変数について説明する。文書100中の特定の選択オブジェクトを構成する画素のうち、4隅の1つであるAとの間の距離が最短である画素の座標を格納するXa及びYa。座標が(Xa,Ya)である画素と、4隅の1つであるAとの間の距離を格納する、Ra。文書100中の何れかのオブジェクトを構成する全ての画素のうち、4隅の1つであるAとの間の距離が最短である画素の座標を格納するXa_min及びYa_min。座標が(Xa_min,Ya_min)である画素と、4隅の1つであるAとの間の距離を格納する、Ra_min。ステップS203を開始する際に、Ra_minには初期値としてnullが設定される。
同様に、他の4隅の1つであるBについても同様に設定する。すなわち、文書100中の特定の選択オブジェクトを構成する画素のうち、4隅の1つであるBとの間の距離が最短である画素の座標を格納するXb及びYb。座標が(Xb,Yb)である画素と、4隅の1つであるBとの間の距離を格納する、Rb。文書100中の何れかのオブジェクトを構成する全ての画素のうち、4隅の1つであるBとの間の距離が最短である画素の座標を格納するXb_min及びYb_min。座標が(Xb_min,Yb_min)である画素と、4隅の1つであるBとの間の距離を格納する、Rb_min。ステップS203を開始する際に、Rb_minには初期値としてnullが設定される。
C、Dについても同様に設定する。また、(Xa〜Xd、Ya〜Yd、Ra〜Rd、Xa_min〜Xd_min、Ya_min〜Yd_min、Ra_min〜Rd_min)を、まとめて(Xs、Ys、Rs、Xs_min、Ys_min、Rs_min)と呼ぶ。
次に、ステップS203の詳細のステップを説明する。次にまず、ステップS203aで、ステップS202で検出したオブジェクトのうち1つを選択する。例えば、文書の左上に一番近いオブジェクトから、順次選択すればよい。
次にステップS203bにおいて、ステップS203aで選択したオブジェクトが文字オブジェクトであるか否かを判断する。
ステップS203aで選択したオブジェクトが文字オブジェクトであると判断した場合(YES)は、ステップS203cに進む。ステップS203aで選択したオブジェクトが文字オブジェクトではないと判断した場合(NO)は、S203aに戻り、次のオブジェクトを選択する。
ステップS203cにおいて、文書100の4隅のうち1つを選択する。以下、説明は図4に示すAを選択したものとして続けるが、B、C、又はDを選択した場合でも同様である。
ステップS203dにおいて、ステップS203cで選択した4隅の1つAと、ステップS203aで選択したオブジェクトとの間の最短距離Raを求める。一般に、二点間の距離Rは、式1により求めることができる。
Figure 2010171736
ここで、XおよびYは一方の点の水平座標と垂直座標である。また、xおよびyはもう一方の点の水平座標と垂直座標である。
すなわち、ステップS203aで選択したオブジェクトを構成する画素のそれぞれについてと、4隅の1つAとの距離Rを求め、Rが最小になる画素座標を(Xa、Ya)とし、最小のRを距離Raとして算出する。図4に、文書301を用いる例における、Aに対するRaを示す。
ステップS203eにおいて、S203dで算出したRaと、最小のRaを格納するRa_minとを比較する。ステップS203eで、Ra_minよりもRaの方が小さいと判断した場合、又はRa_minがnullの場合(YES)はステップS203fに進む。Ra_minよりもRaの方が大きいか等しい場合(NO)はステップS203gに進む。
ステップS203fで、Ra_min、Xa_min、及びYa_minを、Ra、Xa、及びYaの値に更新する。すなわち、(Xa_min、Ya_min)は、ここまでに調査したオブジェクトを構成する画素の中で最もAに距離が近い画素の座標を示す。
ステップS203gで、4隅A〜Dの全てについて、座標(Xs_min、Ys_min)を求めたか否かを判断する。ステップS203gで、4隅全てについて(Xs_min、Ys_min)を求めていると判断した場合(YES)、ステップS203hに進む。4隅全てについて(Xs_min、Ys_min)を求めてはいないと判断した場合(NO)、ステップS203cに戻り、選択していない4隅の1つを選択する。
最後のステップS203hでは、全てのオブジェクトについてステップS203a〜S203gの処理を行ったかを判断する。全てのオブジェクトについてステップS203a〜S203gの処理を行っている場合(YES)には、S203を終了する。全てのオブジェクトについてステップS203a〜S203gの処理を行っていない場合(NO)には、S203aに戻り、次のオブジェクトを選択する。
以上のステップS203を行うことで、図4のように4隅のそれぞれに対して座標(Xa_min、Ya_min)、(Xb_min、Yb_min)、(Xc_min、Yc_min)、(Xd_min、Yd_min)を求める。これらの座標は図4の402a〜402dで示され、ステップS204の処理で埋め込み位置として用いられる。
なお、本実施形態ではステップS203a及びステップS203bの処理の結果、埋め込み位置決定部103は文字オブジェクトのみを選択する。しかし、ステップS202において文書解析部102が文字オブジェクトのみを検出することで、ステップS203bを行わない構成とすることも可能であり、本実施形態の処理と同じ結果が得られる。
<埋め込み部>
図6は、本実施形態における透かし情報の埋め込みの一例を説明するためのフローチャートである。この例では、上述のステップS203で決定した、図4の402a〜402dで示される埋め込み位置に対して透かし情報を埋め込む。ステップS204の処理は、特に言及されない場合は全て埋め込み部106が行う。
まずステップS204a−1で、ステップS203で決定した埋め込み位置の中から1つを選択する。例えば、文書の左上に近い埋め込み位置から順に選択する。
次にステップS204a−2で、透かし情報取得部105から、ステップS204a−1で選択した埋め込み位置に埋め込む透かし情報104を取得する。ここで、透かし情報とは複写を制御するための情報であって、本実施形態においては埋め込み位置に関係なく同じ透かし情報を埋め込む。透かし情報は、具体的には”0101”等の所定のビット列であればよい。複写時に透かし情報が埋め込み位置に存在するかどうかを確認することで、文書の一部が欠けていないことを確認できる。
ステップS204bで、図7に示すような文字に対して外接矩形を算出した時に得られる文字間隔の組P、Sを選択する。この際、埋め込み位置に一番近い文字間隔から順に選択すればよい。選択順序はオブジェクトと埋め込み位置とが決まっている場合に一意に定められるものであれば何でもよい。例えば、図43に示すように、「*社員旅行のお知らせ*」という横書きの文字オブジェクトに透かし情報を埋め込むものとする。埋め込み位置が図に示す埋め込み位置1にある場合は、まず埋め込み位置から右下に進むと最初に接触するオブジェクト内の文字矩形(「*」)を選択する。選択した「*」から右に進み、「*」と「社」との間隔をP、「社」と「員」との間隔をSとする。次の文字間隔を選択する場合には、「員」と「旅」との間隔をP、「旅」と「行」との間隔をSとすればよい。文字オブジェクトが複数行で構成され、先頭行だけでは透かし情報を埋め込めない場合には、さらに次行の文字間隔を選択すればよい。
また、図4の402dで示すように、オブジェクトの右下が埋め込み位置となる場合がある。この場合は図43の埋め込み位置2に示すように、埋め込み位置から右下に進んでもオブジェクト内の文字矩形には接触しない。よって、埋め込み位置から左上に進むこととし、最初に接触するオブジェクト内の文字矩形「*」を選択する。続けて選択した「*」から左に進み、まず「*」と「せ」との間隔をP、「せ」と「ら」との間隔をSとすればよい。次の文字間隔を選択する場合には、「ら」と「知」との間隔をP、「知」と「お」との間隔をSとすればよい。PとSを逆に指定することも可能である。また、埋め込み位置のどちら側に文字があるのかを判断するのではなく、埋め込み位置が4隅のうちいずれに最も近いのかを記憶しておいてもよい。左上に近い埋め込み位置については右下の文字に透かし情報を埋め込み、右下に近い埋め込み位置については左上の文字に透かし情報を埋め込むようにしてもよい。
このように埋め込み位置を選択することで、埋め込み位置の文字を一端とする文字列に対して透かし情報を埋め込むことができる。ここで、文字列には複数行の文字列も含まれる。すなわち、埋め込み位置の文字を端点とする複数行の文字列に対して透かし情報を埋め込んでもよい。
ステップS204cで、ステップS204a−2で取得した透かし情報104の先頭から順番に、1ビットを選択する。
ステップS204dでは、ステップS204cで取得したビットが1であるかどうかを判断し、1である場合は(YES)ステップS204eに進む。ステップS204eでは、間隔Pが間隔Sよりも短くなるように、PとSの間にある文字を移動させる。
ステップS204dで、ステップS204cで取得したビットが1ではないと判断した場合(NO)はステップS204fに進む。ステップS204fでは、間隔Pが間隔Sよりも長くなるように、PとSの間にある文字を移動させる。
ステップS204e、ステップS204fのどちらにおいても、1ビットの情報を透かし情報として埋め込む。ただし、文字移動の前後において、PとSとの総和は一定とする。このため、透かし埋め込み前後で1行の文字間の総和は変化せず、1行の横幅(横書きの場合)も変化しない。
ステップS204gでは、1つの埋め込み位置に対して透かし情報104の全てのビットを埋め込んだか否かを判断する。すなわち、透かし情報104に、ステップS204cで選択したビットの次ビットがあるかどうかを判断する。ステップS204gで、全てのビットを埋め込んだと判断した場合(YES)は、ステップS204hに進む。全て埋め込んでいないと判断した場合(NO)は、ステップS204bに戻り、次の文字間隔P、Sを選択する。
最後のステップS204hでは、全ての埋め込み位置に透かし情報を埋め込んだか否かを判断する。すなわち、ステップS204a−1で選択していない埋め込み位置がまだ残っているかどうかを判断する。ステップS204hで、全ての埋め込み位置に透かし情報を埋め込んだと判断した場合(YES)は、ステップS204を終了する。全ての埋め込み位置に透かし情報を埋め込んでいないと判断した場合(NO)は、ステップS204a−1に戻り、次の埋め込み位置を選択する。
ここでは埋め込み位置に対して複写を容易に行うための透かし情報を埋め込む処理について述べた。しかし、決定した埋め込み位置以外の位置において、本実施形態の目的である複写を正しく行なうこと以外を目的として、ID等の異なる透かし情報を埋め込んでもよい。
<<透かし情報抽出方法>>
図8は、第1の実施形態における透かし情報抽出装置(画像処理装置)の構成図である。図8に示すように、透かし情報を抽出する対象である情報付与文書108は、文書取得部801が撮像文書(文書画像)として取得する。文書解析部802は、撮像文書中(文書画像中)に含まれるオブジェクトを検出する。抽出位置決定部803は、検出した各オブジェクトと撮像範囲の4隅の位置から、透かし情報の抽出位置を決定する。確認情報取得部808は、撮像文書が正しく取得されていれば抽出される情報を示す、確認情報809を取得する。本実施形態では、確認情報809は、透かし情報埋め込み装置が埋め込んだ透かし情報104である。透かし情報抽出部804は、抽出位置決定部803が決定した抽出位置から透かし情報を抽出する。本実施形態では透かし情報抽出部804は、抽出位置の文字列の文字間隔の大小を判別することにより、透かし情報を抽出する。この時、透かし情報抽出部804は確認情報809のビット数を参照する。透かし情報判断部805は、透かし情報抽出部804が抽出した透かし情報と確認情報809とを比較する。透かし情報判断部805が透かし情報は正しいと判断した場合は、出力部806に複写文書807を出力させる。また、透かし情報判断部805が透かし情報は正しくないと判断した場合は、複写を行わない。この時、透かし情報判断部805は正しくない原因をユーザに対して画面表示及び音声で通知してもよい。以下、透かし情報抽出方法の具体的な実現方法について述べる。
図9は、本実施形態における透かし情報抽出装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS901において、文書取得部801は情報付与文書108を取得する。文書取得部801は、前述の透かし情報埋め込み装置が出力した情報付与文書108を撮像することにより、撮像文書として取得する。文書取得部801は一般的にはスキャナ等の画像読取装置であって、セットされた文書のうち、読取範囲内の部分を文書画像(撮像文書)として取得する。情報付与文書108のうち、文書取得部801が取得した撮像文書に相当する部分を撮像範囲と呼ぶ。一般的には撮像範囲とは文書を複写や印刷する時の紙のサイズであり、A4等に代表される。図3に示される文書301を取得した時の撮像範囲を401として、4隅を401a〜401dとして、図4に示す。以下、401a〜401dに位置する4隅をそれぞれA、B、C、Dとする。ここで、撮像範囲のX方向の画素数をW、Y方向の画素数をHとし、撮像範囲の左上を原点とすると、撮像範囲の4隅の座標はそれぞれA=(0,0)、B=(0,H)、C=(W,0)、D=(W、H)となる。
ステップS902において、文書解析部802は撮像文書からオブジェクトを検出する。オブジェクトの検出は、透かし情報埋め込み処理におけるステップS202と同様に行う。
ステップS903−1において、抽出位置決定部803は透かし情報を抽出する抽出位置を決定する。抽出位置は、1つの撮像文書に対して一意に定まる、規定の位置である。抽出位置の決定は、透かし情報埋め込み処理におけるステップS203と同様に行う。情報付与文書108が文書取得部801に正確にセットされていれば、撮像文書は情報付与文書108と同一となる。本実施形態では文書100の透かし情報埋め込み位置に最も近い文字は透かし情報埋め込み処理において移動しない。よって、情報付与文書108が文書取得部801に正確にセットされている場合、透かし情報埋め込み位置と抽出位置とは同じ位置となる。
ステップS903−2において、確認情報取得部808は確認情報809を取得する。確認情報809は、予め透かし情報抽出装置内に記憶されていてもよいし、ユーザから取得してもよい。また、確認情報809を、前述の透かし情報埋め込み装置が埋め込んだ透かし情報を抽出する以外の方法で、情報付与文書108から読み取ってもよい。例えば、確認情報809が情報付与文書108の右下に数字として記載されており、確認情報取得部808はこの数字を確認情報として取得してもよい。本実施形態において確認情報809は、透かし情報埋め込み装置が埋め込んだ透かし情報104と同一である。
ステップS904において、透かし情報抽出部804は、抽出位置から透かし情報を抽出する。ステップS904の詳細については<抽出部>の項で後述する。
ステップS905において、透かし情報判断部805は情報の抽出が成功したか、すなわち透かし情報抽出部804が抽出した透かし情報が正しいかどうかを判断し、複写の是非を決定する。透かし情報判断部805は、透かし情報が正しくない場合に、情報が欠損しているものと判断し、ステップS906の処理を開始しないため、文書画像は出力されない。ステップS905の詳細については<透かし情報判断部>の項で後述する。
最後に、ステップS906において、印刷装置である出力部806は複写文書807を出力する。
<抽出部>
図10は、本実施形態における透かし情報の抽出の一例を説明するためのフローチャートであり、図9のステップS904を詳細に説明する。ステップS904の処理は、全て透かし情報抽出部804が行う。
まず、ステップS904aでステップS903−1にて決定した抽出位置の中から1つを順に選択する。例えば、文書の左上に近い抽出位置から順に選択する。
ステップS904bで、透かし情報埋め込み時と同様に文字間隔の組P、Sを選択する。
ステップS904cで、間隔P<間隔Sであるか否かを判断する。間隔P<間隔Sであると判断した場合(YES)は、埋め込まれた透かしビットは「1」であると判定する(ステップS904d)。また、間隔P<間隔Sではないと判断した場合(NO)は、埋め込まれた透かしビットは「0」であると判定する(ステップS904e)。
ステップS904fでは、ステップS904aで選択した抽出位置から、透かし情報を全て抽出したか否かを判断する。具体的には、確認情報取得部808から取得した確認情報809のビット数と、ステップS904bからステップS904fまでの繰り返しで取得したビット数とが等しければ、透かし情報を全て抽出したとすればよい。ステップS904fで、透かし情報を全て抽出したと判断した場合(YES)は、ステップS904gに進み、全て抽出していないと判断した場合(NO)は、S904bに戻り、次の文字間隔P、Sを選択する。
最後のステップS904gでは、全ての抽出位置から透かし情報を抽出したか否かを判断する。全ての抽出位置から透かし情報を抽出したと判断した場合(YES)はステップS904を終了する。全ての抽出位置から透かし情報を抽出していないと判断した場合(NO)はステップS904aに戻り、次の抽出位置を選択する。
<透かし情報判断部>
図11は、本実施形態における透かし情報の判断の一例を説明するためのフローチャートであり、図9のステップS905を詳細に説明するものである。ステップS905の処理は、全て透かし情報判断部805が行う。
まず、ステップS905aでステップS904にて抽出した透かし情報の中から1つを選択する。例えば、文書の左上に近い抽出位置の透かし情報から順に選択する。
ステップS905bで、透かし情報が正しいか否かを判断する。本実施形態では、確認情報809と選択した透かし情報とを比較し、同一である場合に透かし情報が正しいと判断する。透かし情報が正しいと判断した場合(YES)は、ステップS905dに進み、透かし情報が正しくないと判断した場合(NO)は、ステップS905cに進む。
ステップS905cで、消失位置数Dをインクリメントする。なお、ステップS905を開始する際の消失位置数Dの初期値は0である。消失位置数Dは、正しい透かし情報を抽出できなかった抽出位置の数を示す。
ステップS905dで、全ての抽出位置の透かし情報について正しいかどうかを判断している場合(YES)は、ステップS905eに進む。全ての透かし情報について正しいかどうかを判断していない場合(NO)、S905aに戻り、次の透かし情報を選択する。
ステップS905eで、消失位置数Dが0であるか否かを判断する。消失位置数Dが0である場合(YES)は、全ての透かし情報を正しく抽出したと判断してS905を終了し、ステップS906に進む。D=0でない場合(NO)は、ステップS905fに進む。
ステップS905fに進んだ場合は、ステップS906に進むことなく、すなわち複写処理を行なわない。正しい透かし情報を取得できなかった原因を消失位置数Dを参考にして割り出し、例えば画面表示又は音声等の通知手段で、ユーザに通知する。
例えば図32に示すように、撮像文書の4隅であるC及びDに対応する透かし情報が正しくない場合は、文書3202の右半分が撮像範囲3201からはみ出している可能性が考えられる。文書3202には、図4の402aから402dに示される位置に透かし情報を埋め込まれている。しかし、文書3202の位置が撮像範囲3201とはずれていることにより、抽出位置決定部が決定する抽出位置は、3202aから3202dに示される位置になる。402cと3202c、及び402dと3202dが文書の異なる位置を示すため、透かし情報抽出部804は正しい透かし情報を抽出できない。よって、正しく文書3202がセットされていないことを本実施形態に係る透かし情報抽出装置は検出できる。また、図12に示す1201及び1202のように文字が斜めになっていて、透かし情報が抽出できなかった場合は、文書が斜めに置かれている可能性が考えられる。
ただし、ここで挙げた原因は一例であり、他の原因を割り出すことも可能である。ステップS905にて複写が行なわれなかった場合でも、透かし情報判断部805が割り出し通知した原因に基づいて、ユーザは情報付与文書108の文書取得部801へのセット位置の修正を容易に行なうことができる。
上記の説明した方法に限らず、埋め込んだ透かし情報と抽出した透かし情報とが一致するかどうかを判断できるようなやり方で、文字の間隔を使って情報を埋め込む他の方法のいずれにも本実施形態を適用することができる。また、本実施形態では文字間隔を使用して透かし情報を埋め込んだが、文字に対して透かし情報を埋め込む他の方法いずれにも本実施形態を適用するができる。例えば、文字を回転したり、文字に対してドットパターンを施すことにより透かし情報を埋め込むことが可能である。
本実施形態は、機密文書の不正複写防止を強化することを目的として用いてもよい。例えば、複写時に機密文書が撮像範囲からずれてしまうことで、機密文書内に埋め込まれている複写禁止情報が読み込まれず、複写されてしまうことを防止するために用いることが可能である。また、埋め込める情報の長さに余裕があるならば、誤り訂正符号を導入してもよい。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、文書の撮像範囲の4隅に近い文字オブジェクトに対して、文字の間隔を操作することで透かし情報を埋め込んだ。つまり、画像オブジェクトには埋め込みを行なっていない。しかし、画像オブジェクトに対して画像用の電子透かし技術を用いて透かし情報を埋め込んでもよい。
また、文字オブジェクトにおいても、文字数が少ない場合には、埋め込むことを所望する透かし情報を埋め込めないことがある。そこで、文字オブジェクトに埋め込み可能な情報量、例えば文字数、に応じて埋め込み方法を切り替えてもよい。すなわち、文字数が少ない場合には文字間隔を操作するよりも多くの情報を埋め込むことができる埋め込み方法を用いるようにしてもよい。
本実施形態では、画像オブジェクトには画像用の電子透かし技術を用いて透かし情報を埋め込み、加えて文字オブジェクトに対しては、文字数に応じて埋め込み方法を切り替える。例として本実施形態では、文字列の文字間隔を操作する方法と、文字にパターンを重畳する方法の何れかを用いる。これらの手法により、撮像範囲の4隅に近いどのオブジェクトに対しても、透かし情報を埋め込むことができる。以下、本実施形態を詳細に説明する。もっとも、画像オブジェクトに対して透かし情報を埋め込む方法と、文字数に応じて埋め込み方法を切り替える方法とは、独立に用いられてもよい。本実施形態では文字オブジェクトの文字数に応じて埋め込み方法を切り替える。しかし実際には、埋め込み情報を埋め込むことを所望する、埋め込み位置を端点とする複数行の文字列の文字数に応じて埋め込み方法を切り替え、その複数行の文字列に対して埋め込み情報を埋め込めばよい。もちろん、埋め込み情報を埋め込むことを所望する1行の文字列の文字数に応じて埋め込み方法を切り替え、その1行の文字列に対して埋め込み情報を埋め込んでもよい。
<<透かし情報埋め込み方法>>
本実施形態に係る透かし情報埋め込み装置の構成は、図1に示される第1の実施形態での構成と同様のものであり、図2に示される第1の実施形態に係る処理手順に従って処理を行う。但し、本実施形態では、図2のステップS203及びS204での処理を図13〜図16及び図18のように行う。これらの処理について、以下で詳細に説明する。
<埋め込み位置決定部>
図13は、本実施形態における透かし情報の埋め込み位置を決定するステップS203の詳細を説明するためのフローチャートである。図5に示す第1の実施形態の処理とは、ステップS203bを行わないことを除いて共通である。
まず、ステップS203iでオブジェクトのうち1つを順次選択する。次に、ステップS203jで、4隅A、B、C、Dの1つを順次選択する。
ステップS203kで、ステップS203iで選択したオブジェクトを構成する画素のうち、ステップS203jで選択した4隅の1つからの距離が最も短い画素の座標(Xs、Ys)とその距離Rsとを算出する。
ステップS203lで、S203kで算出したRsと、Rs_minとを比較する。第1の実施形態と同様、Rs_minの初期値はnullである。
ステップS203lで、Rs_minよりもRsの方が小さい場合又はRs_minがnullの場合(YES)は、ステップS203mに進む。Rs_minよりもRsの方が大きいか等しい場合(NO)は、ステップS203nに進む。
ステップS203mで、Rs_min、Xs_min、及びYs_minを、Rs、Xs、及びYsの値に更新する。
ステップS203nで、ステップS203iで選択した1つのオブジェクトに対し、ステップS203k〜S203lの処理を4隅の全てについて行ったかどうかを判断する。4隅全てについて処理をした場合(YES)、ステップS203oに進む。4隅全てについて処理をしていない場合(NO)、S203jに戻り、まだ選択していない4隅の1つを選択する。
最後のステップS203oでは、全てのオブジェクトについて処理を行ったか否かを判断する。全てのオブジェクトについて処理を行った場合(YES)、ステップS203を終了する。全てのオブジェクトについて処理を行っていない場合(NO)、ステップS203iに戻り、次のオブジェクトを選択する。
本実施形態では、埋め込み位置決定処理において、決定する埋め込み位置を文字オブジェクトに限定しない。そのため、画像オブジェクトを構成する画素を埋め込み位置として決定する場合もある。すなわち、画像オブジェクトが文書の4隅近辺にある場合に、第1の実施形態に係る処理よりも、さらに4隅に近い位置を埋め込み位置として決定することができる。
<埋め込み部>
図14は、本実施形態において透かし情報の埋め込み処理を行うステップS204における、処理の一例を説明するためのフローチャートである。ステップS204における処理は、特に示されない限りは埋め込み部106が行う。
まずステップS204iで、ステップS203にて埋め込み位置決定部103が決定した埋め込み位置の中から1つを選択する。
次にステップS204jで、ステップ204iで選択した埋め込み位置が、文字オブジェクトに含まれるか、それとも画像オブジェクト中に含まれるかを判断する。ステップS204iで選択した埋め込み位置が、文字オブジェクト中に含まれる場合(YES)はステップS204kに進み、画像オブジェクト中に含まれる場合(NO)は、ステップS204oに進む。
ステップS204kで、ステップ204iで選択した埋め込み位置が含まれる文字オブジェクト内の、埋め込み可能データ量Upを算出する。埋め込み可能データ量Upは、文字オブジェクト内の2つの文字間隔(P、S)からなる組を1ビットとしてカウントし、何組の文字間隔が存在するかを求めることで得られる。
ステップS204lで、ステップS204kにおいて算出した埋め込み可能データ量Upが、埋め込む予定である透かし情報104のデータ量Z以上であるか否かを判断する。Up≧Zの場合(YES)は文字間隔を操作した埋め込みを行なうため、ステップS204mに進む。Up≧Zではない場合(NO)は文字に対するドットパターンを用いた埋め込みを行なうため、ステップS204nに進む。
まず、文字間隔を操作して透かし情報を埋め込む、ステップS204mの処理を図15のフローチャートに従って説明する。
まず、ステップS204m−1で、文字間隔の組P、Sを順次選択する。この処理は、第1の実施形態に係る図6のステップS204bと同様に行えばよい。
ステップS204m−2で、透かし情報取得部105が取得した透かし情報104の先頭から順次、1ビットずつ選択する。
ステップS204m−3では、ステップS204m−2で選択したビットが1であるか1ではないかを判断する。ステップS204m−2で選択したビットが1である場合(YES)、ステップS204m−4に進む。選択したビットが1ではない場合(NO)はステップS204m−5に進む。
ステップS204m−4では、文字間隔がP<Sとなるように、間隔Pと間隔Sの間の文字を移動させてP及びSの値を変化させる。
ステップS204m−5では、文字間隔がP>Sとなるように、間隔Pと間隔Sの間の文字を移動させてP及びSの値を変化させる。
最後のステップS204m−6では、埋め込み位置に対して、透かし情報の全てのビットを埋め込んだか否かを判断する。すなわち、ステップS204m−2で選択するビットがまだ残っているか否かを判断する。全てのビットを埋め込んだと判断した場合(YES)、ステップS204mを終了する。全てのビットを埋め込んではいないと判断した場合(NO)、S204m−1に戻り、次の文字間隔の組を選択する。
次に、ドットパターンを用いて透かし情報を埋め込む、ステップS204nの処理を、図16のフローチャートを参照して説明する。ドットパターンを用いた埋め込みは、例えば図17のパターンI(1701)及びパターンJ(1702)として示される2つのパターンのどちらかを埋め込むことにより行う。
まず、ステップS204n−1で、文字を順次選択する。例えば、埋め込み位置から一番近い文字から順に選択すればよい。選択方法はステップS204m−1と同様にして、文字間隔の代わりに文字を選択すればよい。
ステップS204n−2では、透かし情報取得部105が取得した透かし情報104の先頭から順次、1ビットを選択する。
ステップS204n−3では、ステップS204n−2で選択したビットが1であるか1ではないかを判断する。選択したビットが1である場合(YES)、ステップS204n−4に進み、選択したビットが1ではない場合(NO)はステップS204n−5に進む。
ステップS204n−4では、ステップS204n−1で選択した文字に対してパターンIを重畳する。同様に、ステップS204n−5では、ステップS204n−1で選択した文字に対してパターンJを重畳する。
最後のステップS204n−6では、埋め込み位置に対して透かし情報の全てのビットを埋め込んだか否かを判断する。全てのビットを埋め込んだと判断した場合(YES)は、ステップS204nを終了する。全てのビットを埋め込んではいないと判断した場合(NO)は、ステップS204n−1に戻り、次の文字を選択する。
上記のドットパターンを使って透かし情報を埋め込む方法に限らず、埋め込んだ透かし情報と抽出した透かし情報とが一致するかどうかを判断できるようなやり方で、文字に対して情報を埋め込む他の方法のいずれにも本実施形態を適用することができる。例えば、文字を回転して透かし情報を埋め込むことも可能である。
本実施形態では、文字オブジェクト中の文字間隔の数に応じて、透かし情報埋め込み方法を文字間隔の操作による埋め込み方法とドットパターンによる埋め込み方法に切り替える。しかしながら、文字数に応じて埋め込み方法を切り替える方法を含む、他の方法のいずれを用いることも可能である。
続いて、ステップS204oにおける、画像オブジェクトに透かし情報を埋め込む方法について説明する。ステップS204oでは、画像オブジェクト内で4隅の1つに最も近い画素を一端とする画素群に対して、透かし情報を埋め込む。具体的には、画素群の各画素の画素値を変化させて、透かし情報を1ビットずつ挿入する。ステップS204oの具体的な処理は、図18のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS204o−1で、画像オブジェクトを構成する画素を選択する。選択する順序はステップS204m−1と同様でよく、文字間隔の代わりに画素を選択すればよい。例えば、図44に示すように、埋め込み位置1からラスタスキャンを行い、埋め込み位置に一番近い画素から順に選択すればよい。図44の埋め込み位置2からは、図44に示すように、右から左に、左端までたどり着いたら上の行の右から左に、と画素を選択していけばよい。文字間隔を操作する処理と同様、埋め込み位置が4隅のうち何れに最も近いかを記憶しておき、最も近い4隅の1つの位置に基づいて選択順序を変更してもよい。
ステップS204o−2で、透かし情報取得部105が取得した透かし情報104の先頭から順次、1ビットを選択する。ステップS204o−3で、選択したビットが1であるか否かを判断する。1である場合(YES)、ステップS204o−4に進み、1ではない場合(NO)、ステップS204o−5に進む。
ステップS204o−4では、選択した画素の画素値を調べ、画素値が偶数である場合にはインクリメントすることで奇数にする。同様にステップS204o−5では、画素の画素値を調べ、画素値が奇数である場合にはインクリメントすることで偶数にする。ステップS204o−4又はステップS204o−5の処理では、インクリメントする代わりにデクリメントしてもよい。画素値が複数ある場合はそのうちの1つを使えばよく、例えばRGBのRの画素値であればよい。
最後のステップS204o−6は、埋め込み位置に対して透かし情報の全てのビットが埋め込まれたか否かを判断する。全てのビットを埋め込んだ場合(YES)、ステップS204oを終了する。全てのビットを埋め込んでいない場合(NO)、S204o−1に戻り、次の画素を選択する。
上記の方法は一例に過ぎず、埋め込んだ透かし情報と抽出した透かし情報とが一致するかどうかを判断できるようなやり方で、画像オブジェクトに対して情報を埋め込む他の方法のいずれを用いることも可能である。例えば、画像オブジェクトに対してブロック分割を行い、各ブロックを周波数変換したのち、透かし情報を埋め込む方法をとることも可能である。具体的には、各ブロックを周波数変換した後、特定の周波数領域(例:ノイズなどの影響を受けにくい直流成分以外の低周波領域の値)の値に透かし情報(例:「0」なら奇数に、「1」なら偶数にする)を変更することによって透かし情報を埋め込む。その後、逆変換して実空間画像に戻せめばよい。画像オブジェクトに対して情報を埋め込む方法としては、耐性が高い埋め込み方法を用いることがさらに好ましい。画素値を偶数又は奇数にすることで情報を埋め込むのではなく、例えば画素値を16の倍数又は(16の倍数+8)のどちらかに離散化することで情報を埋め込む方法等の、公知の方法が利用可能である。
最後のステップS204pでは、全ての埋め込み位置に透かし情報を埋め込んだか否かを判断する。全ての埋め込み位置に透かし情報を埋め込んだと判断した場合(YES)、S204を終了する。全ての埋め込み位置に透かし情報を埋め込んでいないと判断した場合(NO)、S204iに戻り、次の埋め込み位置を選択する。
<<透かし情報抽出方法>>
第2の実施形態に係る透かし情報抽出装置は、図8に示す第1の実施形態に係る透かし情報抽出装置と同様のものであり、基本的には図9に示す第1の実施形態に係る処理手順と同様に処理を行う。但し、図9に示すステップのS903−1及びS904での処理内容は、本実施形態では異なる。ステップS903−1では透かし情報を抽出する抽出位置を決定する。決定方法は本実施形態の透かし情報埋め込み時の埋め込み位置決定方法(ステップS203)と同様であり、文字オブジェクトであるか画像オブジェクトであるかに関わらず、4隅に一番近いオブジェクトを抽出位置とする。また、ステップS904では図19〜22に示す処理を行う。以下で、ステップS905の処理を詳述する。
<抽出部>
図19に、本実施形態における透かし情報の抽出の一例を説明するためのフローチャートを示す。
まず、ステップS904hで、ステップS903−1で抽出位置決定部803が決定した抽出位置の中から1つを選択する。
次に、ステップS904iで、ステップS904hで選択した抽出位置の画素を含むオブジェクトが、文字オブジェクトであるか否かを判断する。文字オブジェクトであると判断した場合(YES)はステップS904jに進み、文字オブジェクトではないと判断した場合(NO)はステップS904nへと進む。
ステップS904jで、選択した抽出位置の画素を含む文字オブジェクト内の、埋め込み可能データ量Usを算出する。Usは透かし情報埋め込み装置がステップS204で埋め込み可能データ量Upを算出するのと同様に算出する。
ステップS904kでは、ステップS904jにて算出したUsが、抽出すべき透かし情報量Z以上であるか否かを判断する。Us≧Zの場合(YES)は文字間隔から透かし情報の抽出を行なうため、ステップS904lに進む。Us≧Zでない場合(NO)は文字に重畳したドットパターンから透かし情報の抽出を行なうため、ステップS904mに進む。ここで、抽出すべき透かし情報量Zとは、確認情報取得部808が取得した確認情報809の情報量のことである。
まず、文字間隔から透かし情報の抽出を行うステップS904lの処理を、図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップS904l−1で、ステップS204m−1と同様に、文字間隔の組P、Sを順次選択する。
ステップS904l−2で、間隔P<間隔Sであると判断した場合(YES)は、埋め込まれたビットが「1」であると判定する(ステップS904l−3)。また、P<Sではないと判断した場合(NO)は、埋め込まれたビットは「0」であると判定する(ステップS904l−4)。
ステップS904l−5では、ステップS904hで選択した抽出位置の透かし情報を全て抽出したか否かを判断する。具体的には、第1の実施形態と同様、確認情報取得部808から取得した確認情報809のビット数と、ステップS904l−1からステップS904l−5までの繰り返しで取得したビット数とが等しければ、透かし情報を全て抽出したとすればよい。透かし情報を全て抽出したと判断した場合(YES)はステップS904lを終了する。透かし情報が全て抽出されていないと判断した場合(NO)は、S904l−1に戻り、次の文字間隔の組を選択する。
次に、文字に重畳したドットパターンから透かし情報の抽出を行うステップS904mの処理を、図21のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS904m−1で、文字を透かし情報埋め込み時(ステップS204n−1)と同様に選択する。
次に、ステップS904m−2で、文字からドットパターンを抽出する。
ステップS904m−3では、ステップS904m−2で抽出したドットパターンから、埋め込まれたビットを判定する。ドットパターンがパターンIである場合(YES)には、埋め込まれたビットは「1」であると判定する(ステップS904m−4)。また、パターンIではない場合(NO)は、埋め込まれた透かしビットは「0」であると判定する(ステップS904m−5)。
最後のステップS904m−6は、選択した抽出位置の画素を含む文字オブジェクトから、全ての透かし情報を抽出したか否かを判断する。具体的には、文字間隔から透かし情報を抽出する場合と同様に判断すればよい。すなわち、確認情報取得部808から取得した確認情報809のビット数と、ステップS904m−1からステップS904m−6までの繰り返しで取得したビット数とが等しければ、透かし情報を全て抽出したとすればよい。全ての透かし情報を抽出したと判断した場合(YES)には、ステップS904mを終了する。全ての透かし情報が抽出されてはいないと判断した場合(NO)には、S904m−1に戻り、次の文字を選択する。
最後に、選択した抽出位置の画素を含むオブジェクトが画像オブジェクトである場合のステップS904nの処理を、図22のフローチャートを参照して説明する。ステップS904nでは、4隅の1つに最も近い画素を一端とする画素群から、透かし情報を抽出する。
まず、ステップS904n−1で、画素を選択する。この時の画素の選択方法は透かし情報埋め込み時、すなわち図18に示すステップS204o−1と同様である。
ステップS904n−2で、ステップS904n−1で選択した画素の画素値から、透かし情報として埋め込まれたビットを判定する。選択した画素の画素値が奇数である場合(YES)には、埋め込まれたビットは「1」であると判定する(ステップS904n−3)。また、選択した画素の画素値が奇数ではない場合(NO)には、埋め込まれたビットは「0」であると判定する(ステップS904n−4)。
最後のステップS904n−5では、ステップS904hで選択した抽出位置から、全ての透かし情報を抽出したか否かを判断する。具体的には、文字間隔から透かし情報を抽出する場合と同様に判断すればよい。すなわち、確認情報取得部808から取得した確認情報809のビット数と、ステップS904n−1からステップS904n−5までの繰り返しで取得したビット数とが等しければ、透かし情報を全て抽出したとすればよい。透かし情報を全て抽出したと判断した場合(YES)は、ステップS904nを終了する。透かし情報を全て抽出していないと判断した場合(NO)は、ステップS904n−1に戻り、次の画素を選択する。
最後のステップS904oでは、全ての抽出位置から透かし情報を抽出したか否かを判断する。全ての抽出位置から透かし情報を抽出したと判断した場合(YES)は、ステップS904を終了する。全ての抽出位置から透かし情報を抽出していないと判断した場合(NO)は、ステップS904hに戻り、次の抽出位置を選択する。
本実施形態では、文書中のオブジェクトの種類及び埋め込み可能なデータ量によって透かし情報の埋め込み方法を切り替える。この方法により、4隅に近いオブジェクトが大きな文字オブジェクトではない場合でも、透かし情報を埋め込むことを可能にした。
[第3の実施形態]
第2の実施形態では、文書の撮像範囲の4隅に近いオブジェクトに対して透かし情報を埋め込んだ。しかしながら、図37のように文書3702が撮像範囲3701からずれてしまって文書の内容の一部「Title」が消失しても、4隅に近い各抽出位置から正しい透かし情報を読み込める場合がある。この場合、透かし情報抽出装置は、文書が正しく読み込めていると判断し、ずれた文書を複写してしまう。
そこで本実施形態では、埋め込み位置が属するオブジェクトの一角の座標値を透かし情報とする。すなわち、各埋め込み位置の座標(Xs_min、Ys_min)から透かし情報を生成し、生成した透かし情報を各埋め込み位置に埋め込めばよい。抽出時に抽出位置の座標(Xt、Yt)(すなわち抽出時に抽出位置決定部803が決定した座標(Xa_min、Ya_min)〜(Xd_min、Yd_min))と抽出した透かし情報とを比較することで、所望の内容を複写するか否かを判断する。
<<透かし情報埋め込み方法>>
図38は第3の実施形態における透かし情報の埋め込み装置の構成概念図である。既に説明した第2の実施形態の処理と異なるのは、埋め込み位置決定部3803が、埋め込み位置の座標に基づいて、透かし情報3804を生成するところであり、それ以外の処理は第2の実施形態と同様である。以下、透かし情報埋め込み方法の具体的な実現方法について述べる。
図39は、実施形態3における透かし情報埋め込み装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。まず、文書取得部3801はステップS3901において文書3800を取得する。
ステップS3902において、文書解析部3802は取得した文書中のオブジェクトを検出する。ステップS3903において、埋め込み位置決定部3803は透かし情報を埋め込む位置を決定する。また、ステップS3904において、埋め込み位置決定部は、ステップS3803で決定した埋め込み位置の座標(Xs_min、Ys_min)を示す透かし情報3804を生成する。例えば、単純にXs_minとYs_minを連結したビット列であればよい。また、適宜符号化して情報量を減らしてもよい。
ステップS3905において、透かし情報取得部3805は透かし情報3804を取得し、埋め込み部3806が透かし情報3804を文書3800に埋め込む。透かし情報は埋め込み位置によって異なるため、埋め込み部3806は、着目埋め込み位置に対する透かし情報を選択し、着目埋め込み位置に対して埋め込む。最後に、ステップS3906において、出力部3807は情報付与文書108を出力する。
<<透かし情報抽出方法>>
本実施形態に係る透かし情報抽出装置の構成は、図8に示される第2の実施形態における構成と同様のものであり、図9に示される第2の実施形態の手順に従って処理を行う。但し、確認情報として抽出位置を用いるため、確認情報取得部808は、抽出位置決定部803が決定した抽出位置の座標を確認情報809として取得する。各抽出位置毎に座標は異なり、それぞれの抽出位置に対して異なる値を確認情報とする。また、透かし情報判断部805の処理(ステップS905)は第2の実施形態とは異なる。以下、ステップS905での処理内容を図40を参照して説明する。座標としては、情報付与文書108上での実際の長さ、例えばミリメートル単位の長さを用いるのがよい。データとしての入力文書及び撮像文書における画素単位の座標を用いることもできるが、出力部3807の出力解像度と文書取得部801の撮像解像度とを合わせるか、座標を解像度に応じて変換する必要がある。
<透かし情報判断部>
図40は、本実施形態における透かし情報の判断の一例を説明するためのフローチャートを示す図である。
まず、ステップS905gでステップS904にて抽出した透かし情報の中から1つを選択する。例えば、文書の左上に近い抽出位置の透かし情報から順に選択する。
ステップS905hで、ステップS905gで選択した透かし情報から、透かし情報が示す座標(Xe、Ye)を算出する。例えば、透かし情報がXs_minとYs_minとを単純に連結したものであれば分割すればよいし、符号化したものであれば伸張すればよい。
ステップS905iで、確認情報取得部808が取得した確認情報809、すなわち抽出位置の座標と、ステップS905hで算出した座標とが等しいかを、誤差を考慮して判定する。具体的には、以下の式(2)をともに満たすか否かを判断すればよい。
|Xe−Xt| < XY_th
|Ye−Yt| < XY_th …(2)
ここで(Xt、Yt)は抽出位置の座標、XY_thは埋め込み位置と抽出位置の座標の誤差許容範囲を示す任意の閾値である。抽出位置の座標と、ステップS905hで算出した座標との差分が閾値以内である場合に、情報の抽出が成功したと判断する。XY_thは、ユーザが設定してもよいし、例えば撮像範囲の横幅の1/3、撮像面積の平方根等を、透かし情報抽出装置が算出してXY_thとしてもよい。ステップS905iの処理を行うことで、透かし情報を埋め込んだオブジェクトが、撮像文書において、情報付与文書と同じ座標にあることを確認できる。文書がずれている場合にはオブジェクトの情報付与文書における座標と撮像文書における座標が異なることから、文書のずれを検出して警告でき、よって複写の失敗を防止できる。透かし情報が埋め込み位置の座標を符号化したものである場合は、ステップS905h及びS905iの処理の代わりに、抽出位置の座標(確認情報809)を同様の方法で符号化し、ステップS905gで選択した透かし情報と比較するようにしてもよい。
ステップS905iで、式(2)を満たす場合(YES)は、ステップS905kに進み、式(2)を満たさない場合(NO)は、ステップS905jに進む。
ステップS905jでは、正しい透かし情報を抽出できなかった抽出位置数を消失位置数Dとして、消失位置数Dをインクリメントする。なお、ステップS905開始時における消失位置数Dの初期値は0である。
ステップS905kでは、全ての透かし情報についてステップS905iの判定を行っていると判断した場合(YES)、ステップS905lに進む。全ての透かし情報についてステップS905hの判定を行っていないと判断した場合(NO)、ステップS905aに戻り、次の透かし情報を選択する。
ステップS905lでは、消失位置数Dが0であるか否かを判断する。消失位置数Dが0である場合(YES)は、S905を終了し、ステップS906に進む。消失位置数Dが0でない場合(NO)は、ステップS905mに進む。
ステップS905mに進んだ場合は、ステップS906に進むことなく、複写処理を行なわない。消失位置から複写できない原因を割り出し、例えば画面表示又は音声等の通知手段により、ユーザに通知する。透かし情報3804は、埋め込み位置の座標(Xs_min、Ys_min)に基づいて生成される情報なら何でもよい。もよいし、Xs_minとYs_minとの和を100で割った値の整数部分でもよい。
第1の実施形態及び第2の実施形態では所定の固定されたビット列を透かし情報として埋め込んだ。しかし、本実施形態では埋め込み位置毎に異なる透かし情報を埋め込む。埋め込む透かし情報は、埋め込み位置の座標に限られない。例えば埋め込み位置がある位置が文書の上か下かを示す情報、若しくは文書の表面か裏面かを示す情報、又はその双方を含む情報を埋め込んでもよい。この場合埋め込み位置決定部3803は、埋め込み位置の座標を透かし情報3804として生成するのではなく、例えば上下、表裏を示す透かし情報を非図示のメモリから選択して透かし情報3804とすればよい。
透かし情報が上下表裏を示す情報である場合、確認情報取得部808が取得する確認情報809も上下表裏を示す情報となる。例えば、透かし情報が上下を示す情報である場合、確認情報取得部808は、埋め込み位置の座標が撮像文書の上半分であれば上を示す確認情報を、埋め込み位置の座標が撮像文書の下半分であれば下を示す確認情報を、例えばユーザから、取得すればよい。また、例えば透かし情報が裏表を示す情報である場合、ユーザが複写することを所望する面が表であるか裏であるかを示す確認情報を取得すればよい。ユーザが表面のみを複写することを所望する場合、裏面であることを示す透かし情報を取得した場合に警告を発することができる。ユーザが表面と裏面とを交互に複写することを所望する場合も同様である。このように、透かし情報判断部805は、文書の上下、表裏を間違えて複写を行う場合に警告を発することができ、複数ページの文書を正確に複写できる。
また、本実施形態に係る方法は、出力部806が撮像文書を出力するのではなく、情報付与文書に対して非図示の出力文書を重畳して出力する場合にも適用できる。この情報付与文書に対して非図示の出力文書を重畳して出力するための画像処理装置は、上記の透かし情報抽出装置が備える各部に加え、排紙制御部を備える。この画像処理装置は、セットされた紙文書を撮像文書として読み取り、本実施形態の方法で、撮像文書中における、紙文書上に記された情報の欠損の有無を判断する。排紙制御部は、セットされた紙文書を出力部を通して排紙可能である。排紙制御部は、欠損があると判断した場合には、出力を行わずに紙文書を排紙する。排紙制御部は、欠損がないと判断した場合には、別途取得した出力文書を紙文書上に画像形成してから紙文書を排紙する。
情報付与文書に対して出力文書を重畳出力するこの方法は、例えば、葉書やコーティング紙の紙の上下や裏表が決まっている特殊な紙フォーマットに文書を印刷する場合に有効である。この構成においては、例えば撮像文書、すなわち印刷用紙の上半分から抽出した透かし情報が上を示す確認情報と一致しない場合は、撮像文書の上下が間違っていると判断できる。すなわち情報付与文書(印刷用紙)の上下が間違っているということであり、この場合に警告を発することができる。また、出力文書に、例えば表裏のどちらかに印刷されるべきであるかを示す情報を含むことにより、表裏を正しく出力することができる。例えば葉書の宛名のような、表面に印刷するべき出力文書を出力する場合、確認情報取得部808は確認情報として表面を示す確認情報を取得する。撮像文書から抽出した透かし情報が表面を示す確認情報と一致しない場合には、表裏が間違っていると判断し、警告を発することができる。
[第4の実施形態]
上記第3の実施形態では、第2の実施形態で生じる、文書の内容の一部が消失してしまう場合を検出できないことがあるという問題に対処するために、各埋め込み位置の座標を透かし情報として生成して各埋め込み位置に埋め込んだ。本実施形態では、4隅のそれぞれからの距離が最も短いオブジェクト1つずつに透かし情報を埋め込むのではなく、4隅のそれぞれから所定の距離にある画素を含む全てのオブジェクトに対して透かし情報を埋め込む。例えば、図4のように埋め込み位置ではない「Title」403にも透かし情報を埋め込むため、「Title」403が撮像範囲を外れている場合を検出でき、ユーザに通知できる。
透かし情報としては上述の実施形態で説明した情報を用いることができるが、文書内の透かし情報埋め込み位置の総数Npを透かし情報として各埋め込み位置に対して埋め込むこともできる。以下では、4隅のそれぞれから所定の距離内にある画素を含む全てのオブジェクトに対して透かし情報埋め込み位置の総数Npを埋め込む方法を詳細に説明する。
<<透かし情報埋め込み方法>>
本実施形態に係る透かし情報埋め込み装置の構成は、図38に示される第3の実施形態に係る構成と同様であり、図39に示される第3の実施形態の処理手順に従って処理を行う。但し、図39のステップのS3903及びステップS3904の処理内容は、第3の実施形態とは異なる。ステップS3903及びステップS3904の処理について、以下で詳述する。
<埋め込み位置決定部>
図41は、本実施形態における透かし情報の埋め込み位置を決定するステップS3903の詳細を説明するためのフローチャートを示す。ステップS3903の処理は、全て埋め込み位置決定部3803が行う。ステップS3903a、b、c、g、hの処理は、第1の実施形態に係る図5のステップS203a、c、d、g、hとほぼ同様である。
まず、ステップS3903aでオブジェクトを順次選択する。次に、ステップS3903bで、4隅A、B、C、Dの1つを選択する。
ステップS3903cで、ステップS3903aで選択したオブジェクトに含まれる画素のうち、ステップS3903bで選択した4隅の1つと最も近い距離にある画素の座標(Xs、Ys)とその距離Rsとを算出する。
ステップS3903dで、ステップS3903cで算出したRsと4隅距離閾値Rs_thとを比較する。ここで、4隅距離閾値Rs_thは任意の値であり、ユーザが設定してもよいし、例えば撮像範囲の横画素数の1/3、撮像総画素数の平方根を10で除した数等に、透かし情報埋め込み装置が自動的に設定してもよい。
ステップS3903dで、Rs_thよりもRsの方が小さいと判断した場合(YES)は、ステップS3903eに進む。Rs_thよりもRsの方が小さい場合は、ステップS3903aで選択したオブジェクトと、ステップS3903bで選択した4隅の1つとの距離が、閾値以下である場合に対応する。Rs_thよりもRsの方が大きいか等しいと判断した場合(NO)は、ステップS3903gに進む。
ステップS3903eでは、文書全体の総埋め込み位置数Npをインクリメントする。なお、ステップS3903を開始する時点でのNpの初期値は0とする。ステップS3903fでは、Np番目の埋め込み位置の位置座標(X_em(Np)、Y_em(Np))として(Xs、Ys)の値を格納する。
ステップS3903gでは、ステップS3903aで選択した1つのオブジェクトに対して、4隅全てについてステップS3903b〜gの処理を行ったか否かを判断する。ステップS3903gでは、4隅全てについて処理を行っている場合(YES)は、ステップS3903hに進む。4隅全てについて処理を行っていない場合(NO)は、S3903bに戻り、選択していない4隅を選択する。
最後のステップS3903hは、ステップS3903aで文書3800中の全てのオブジェクトを選択したか否かを判断する。ステップS3903hで、全てのオブジェクトを選択した場合(YES)、S3903を終了する。全てのオブジェクトを選択していない場合(NO)、S3903abに戻り、次のオブジェクトを選択する。
ステップS3904では、埋め込み位置決定部3803は、ステップS3903で求めた文書全体の総埋め込み位置数Npに基づいて、透かし情報3804を生成する。透かし情報3804は、総埋め込み位置数Npから計算される値であればよい。具体的には、総埋め込み位置数Npをそのまま透かし情報3804としてもよいし、総埋め込み位置数Npを4で割った余りを透かし情報3804にしてもよい。
<<透かし情報抽出方法>>
本実施形態に係る透かし情報抽出装置の構成は、図8に示される第3の実施形態と同様のものであり、図9に示される第3の実施形態に係る処理手順に従って処理を行う。但し第3の実施形態とは、ステップS903−1からステップS905までの処理が異なる。ステップS903−1では、図41に示すステップS3903における埋め込み位置決定部3803が行う処理と同様に、抽出位置決定部803が各抽出位置及び総抽出位置数Nsを求める。ステップS903−2で、確認情報取得部808は総抽出位置数Nsを確認情報809として取得する。ステップS904で、透かし情報抽出部804は透かし情報を抽出する。ステップS904では、第3の実施形態と同様に全ての抽出位置から透かし情報を抽出してもよい。しかし、総埋め込み位置数Npを全ての抽出位置に埋め込む本実施形態では、1か所の抽出位置から透かし情報を抽出すれば十分である。例えば、ステップS903−1が決定した抽出位置の1つ、(X_em(1)、Y_em(1))だけから透かし情報を抽出すればよい。以下、透かし情報は1か所の抽出位置だけから抽出したものとして説明する。
そしてステップS905において、透かし情報判断部805は総抽出位置数NsとステップS904で抽出した透かし情報とを比較し、複写するか否かを判断する。すなわち、本実施形態に係る透かし情報埋め込み装置が判断した総埋め込み位置数Npと、本実施形態に係る透かし情報抽出装置が判断した総抽出位置数Nsとを比較することにより、図37に代表される原稿のずれを検出する。例えば図37の場合、埋め込み位置の存在する「Title」は、撮像範囲を外れているため、抽出装置には抽出位置として認識されない。このため、NsはNp未満となり、本実施形態に係る抽出装置は警告を発する。ステップS905における透かし情報判断部805の具体的な処理内容を、図42を参照して以下で説明する。
<透かし情報判断部>
図42は、本実施形態における、透かし情報判断部805による透かし情報の判断の一例を説明するためのフローチャートを示す。
まず、ステップS905nにおいて、ステップS903で取得した総抽出位置数Nsと、ステップS904で取得した透かし情報とが等しいか否かを判断する。透かし情報をNp’とし、Ns=Np’であると判断した場合(YES)は、ステップS905を終了し、ステップS906に進む。Ns=Np’ではないと判断した場合(NO)は、ステップS905oに進む。
ステップS905oに進んだ場合は、ステップS906に進むことなく、よって複写処理を行なわない。ステップS905oでは、消失位置数Dを式3により算出する。
D=|Np’−Ns| …(3)
ここで、式(3)の算出値が絶対値なのは、所望の文書が正しくセットされていない場合に文書の4隅付近ではない複数のオブジェクトを抽出位置と判断することにより、Nsの値がNp’の値より大きくなる場合を考慮しているからである。
最後に、ステップS905pにおいて、ステップS903で取得した総抽出位置数Nsと、ステップS904で取得した透かし情報とが等しくない原因を割り出し、例えば画面表示又は音声等の通知手段で、ユーザに原因を通知する。これは、第1の実施形態に係る図11のステップS905fの処理と同様である。
[第5の実施形態]
本実施形態において透かし情報埋め込み装置は、文書中に記されている文字に係る情報を、1以上の文字列の文字間隔を操作することにより透かし情報として埋め込む。本実施形態では例として、文書全体の文字列の間隔を操作する。文字に係る情報として、例えば文書中に埋め込み可能な情報量である総埋め込み量Tpを用いることができ、この場合Tp自身を透かし情報として文書に埋め込む。Tpは、より具体的には文書中の文字間隔数、あるいは文字数から求めることが可能である。透かし情報抽出装置は、透かし情報を抽出してTpを取得するとともに、撮像文書全体の総抽出量Tsを、総埋め込み量Tpと同様に算出する。総抽出量Tsは、撮像文書中の文字に係る情報といえる。TpとTsとを比較することで、透かし情報抽出装置は、文書を正しく取得できているかを判断でき、もって複写を許可するか否かを決定できる。
また、第1実施形態から第4の実施形態までとは異なり、文書の4隅の位置情報を使用せずに透かし情報等を埋め込む。総埋め込み量Tpを埋め込む方法と4隅の位置情報を使用せずに透かし情報を埋め込む方法は独立に行うことができるが、本実施形態ではこの2つの方法を併用する。
<<透かし情報埋め込み方法>>
図27は、第6の実施形態における透かし情報埋め込み装置の構成図を示す。第6の実施形態による透かし情報埋め込み装置は、次の構成を備える。文書2700を取得する文書取得部2701。文書2700の文字間隔数から総埋め込み量Tpを算出し、総埋め込み量Tpから透かし情報2703を生成する文書解析部2702。透かし情報取得部2704が取得した透かし情報2703を用いて、透かし情報の埋め込みを行なう埋め込み部2705。情報付与文書2707を出力する出力部2706。以下、透かし情報の埋め込み方法の具体的な実現方法について述べる。
図28は、第6の実施形態6における透かし埋め込み装置の動作手順を説明するためのフローチャートを示す。
まず、ステップS2801において、文書取得部2701は文書2700を入力文書として取得する。ステップS2802において、文書解析部2702は総埋め込み量Tpを算出する。総埋め込み量TpはTpは文書全体の文字列が含む2つの文字間隔P、Sの1組を1ビットとしてカウントすることで得られる。文書解析部2702は文書2700中の文字オブジェクトを検出し、第1の実施形態に係る埋め込み部106が行うのと同じように、文字間隔P、Sの組を順次選択しながら、文字間隔P、Sの組の数を調べ、総埋め込み量Tpを求める。あるいは、もっと単純に文書2700に含まれる文字オブジェクトの各行の文字数を2で割ったものの合計をTpとしてもよい。図35の例では、撮像範囲3501に存在する文書3502のTpは100ビットであるとする。ステップS2803において、文書解析部2702は、ステップS2802で算出したTpから透かし情報を生成する。本実施形態ではTpをそのまま透かし情報として用いるが、Tpに何らかの操作を加えて透かし情報としてもよい。
ステップS2804において、透かし情報2703を透かし情報取得部2704が取得し、埋め込み部2705は透かし情報2703を入力文書に埋め込み、情報付与文書2707を生成する。透かし情報の埋め込みは、入力文書全体の文字間隔を操作することで行う。例えば、第1の実施形態と同様の方法で、文字間隔の組P、Sを順次選択して透かし情報2703を埋め込む。第1の実施形態では1つの埋め込み位置について1つの透かし情報しか埋め込まなかったが、本実施形態では1つの文字オブジェクトに対して同じ透かし情報を連続して埋め込む。すなわち、文字オブジェクトの1つに着目し、着目文書オブジェクトの先頭から文字間隔の組P、Sを順次選択して透かし情報2703を埋め込む。1つの透かし情報2703を埋め込んだら、さらに続けて文字間隔の組P、Sを順次選択し、同じ透かし情報2703を埋め込むことを繰り返す。連続して埋め込む場合には、埋め込まれた1つの透かし情報の途中から抽出を開始した場合にも正しく透かし情報を解読できる方法、例えば開始ビット及び終了ビットを用いる方法、を使用することが好ましい。文字オブジェクトの選択と透かし情報の埋め込みを繰り返し、文書中の全てのオブジェクトに対して透かし情報2703を埋め込む。
最後に、ステップS2805において、出力部2706は情報付与文書2707を出力する。
<<透かし情報抽出方法>>
図29は、第5の実施形態に係る透かし情報抽出装置の構成図を示す。図29に示すように、文書取得部2901は情報付与文書2707を撮像して撮像文書として取得する。文書解析部2902は、文書の撮像範囲に含まれる文字間隔数から総抽出量Tsを算出する。透かし情報抽出部2903は、透かし情報の抽出を行う。最後に透かし情報判断部2904は、抽出した透かし情報からTpを算出し、TsとTpが等しいならば出力部2905は複写文書2906を出力する。以下、透かし情報抽出方法の具体的な実現方法について述べる。
図30は、第6の実施形態における透かし情報抽出装置の動作手順を説明するためのフローチャートを示す。
まず、ステップS3001において、文書取得部2901は情報付与文書2707を撮像し、撮像文書として取得する。ステップS3002において、文書解析部2902は総抽出量Tsを算出する。算出方法は透かし情報埋め込み時にTpを算出したのと同様である。ステップS3003において、透かし情報抽出部2903は撮像範囲全体の文字列の文字間隔から透かし情報を抽出する。文字間隔からの透かし情報の抽出は、第1の実施形態と同様に実現できるが、本実施形態では文書中の文字オブジェクトの何れか1つから透かし情報を抽出すれば十分である。
ステップS3004において、透かし情報抽出部2903はステップS3003で抽出した透かし情報からTpを算出する。本実施形態では、ステップS3003で抽出した透かし情報をそのままTpとすればよい。以下のからステップS3005において、透かし情報判断部2904はTsとTpが合致するか否かを判断する。Ts=Tpである場合(YES)は、ステップS3006に進み、Ts=Tpでない場合(NO)は、ステップS3007に進む。ステップS3004及びS3005の代わりに、総抽出量Tsに対してステップS2803と同じ操作を行って得た値が、ステップS3003で抽出した透かし情報と合致するかどうかを判断してもよい。
ステップS3006に進んだ場合は出力部2905が撮像文書を複写文書2906として出力する。ステップS3007に進んだ場合は出力処理を行なわない。また、第1の実施形態と同様に、ユーザに複写できないことを通知する。出力処理を行なわない例として、図36のように文書3602が撮像範囲3601に収まっていない場合が挙げられる。この場合は、文字が欠けることによりTsはTpよりも少なくなり(この例では80ビット)Tp=100ビットと等しくならず、文書が欠けていることを検出できる。
なお、本実施形態では、文字間に埋め込み可能な情報量を透かし情報として、文字間隔を操作して透かし情報を埋め込む方法を用いて埋め込んだ。しかしながら、埋め込み可能な情報量を透かし情報として埋め込み、抽出時に透かし情報と総抽出量とが適合するかを比較できるならば、他の透かし情報埋め込み方法にも本実施形態の方法は適用できる。
[第6の実施形態]
次に、文書にオブジェクトに透かし情報を埋め込むのではなく、文書の4隅に近い位置にマークを付加する(埋め込む)方法を説明する。マークを文書に埋め込んだ例を図24に示す。図24に示すように文書301を取得すると、本実施形態に係るマーク埋め込み装置は、文書2401のように、4隅に近い位置(2401a〜2401d)にマークを埋め込んだ文書を生成する。マークは、文書の4隅のそれぞれから、それぞれの所定の方向に所定の距離離れた部分に埋め込めばよい。
<<マーク埋め込み方法>>
図33は、本実施形態におけるマーク埋め込み装置の構成概念図である。第5の実施形態に係るマーク埋め込み装置は、以下の構成を備える。すなわち、文書3300を取得する文書取得部3301。埋め込み位置を決定する埋め込み位置決定部3302。マークの埋め込みを行なうマーク埋め込み部3303。情報付与文書3305を出力する出力部3304。以下、マーク埋め込み方法の具体的な実現方法について述べる。
図23は、本実施形態に係るマーク埋め込み装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。
まずステップS2301において、文書取得部3301は文書3300を取得する。ステップS2302において、埋め込み位置決定部3302はマークを埋め込む位置を決定する。埋め込み位置は4隅である点A〜Dからそれぞれの所定の方向に所定の距離離れた位置として決定すればよい。例えば、図4の点Aに対しては、点Aから右に1cm、下に1cm離れた点をマーク位置とし、点Dに対しては、点Dから左に1cm、上に1cm離れた点をマーク位置すればよい。点B、Cについても同様である。
ステップS2303において、マーク埋め込み部3303はマークの埋め込みを行う。マークは任意の物で良く、例えばドットであればよい。入力された文書の特徴によって、マークの種類を変更することも可能である。例えば、図25に示すように、文書に裏表がある場合(2501)は、表面には横に2つ並べたドットを用い、裏面には縦に2つ並べたドットを用いることで、裏表を区別してマークすることができる。また、情報付与文書を本にして、これを複写することを所望する場合(2502)もある。この場合には、文書2502に示されるように3つのドットをマークとして用いると、綴じ部付近が抜け落ちることなく複写されるかどうかを判断することができる。
最後に、ステップS2304において、出力部3304は情報付与文書3305を出力する。
<<マーク抽出方法>>
図34は、本実施形態に係るマーク抽出装置の構成図を示す。図34に示すように、第5の実施形態に係るマーク埋め込み装置が出力した情報付与文書3305は、文書取得部3401が撮像文書として取得する。抽出位置決定部3402は、撮像範囲の4隅の位置に基づいて抽出位置を決定する。マーク抽出部3403は、マークの抽出を行う。最後にマーク判断部3404は、抽出されたマークが正しいかどうかを判断し、複写の是非を決定する。マーク判断部3404が複写を許可すると、出力部3405は撮像文書を複写文書3406として出力する。以下、マーク抽出装置の具体的な実現方法について述べる。
図26は、第5の実施形態5に係るマーク抽出装置の動作手順を説明するためのフローチャートを示す。
まず、ステップS2601において、文書取得部3401は、情報付与文書3305を撮像し、撮像文書として取得する。ステップS2602において、抽出位置決定部3402は、マークを抽出する抽出位置を決定する。決定方法はマーク埋め込み時の埋め込み位置決定方法と同様である。ステップS2603において、マーク抽出部3403は、ステップS2602で決定したマーク抽出位置からマークの発見できるか否かを判断し、発見した場合には抽出を行う。発見及び抽出は、公知のパターンマッチングにより、各抽出位置のマークを判断することにより行う。
ステップS2604において、マーク判断部3404は、各抽出位置のマークを全て正しく抽出できたか否かを判断する。すなわち、マークを発見できたかを判断し、抽出したマークが埋め込んだマークと同じか、あるいは抽出したマークが所望の位置(上下、裏表等)を示すマークであるかを判断する。全て正しく抽出できたと判断した場合(YES)は、ステップS2605に進み、正しく抽出できなかったと判断した場合(NO)は、ステップS2606に進む。
ステップS2605に進んだ場合は、出力部3405が撮像文書を複写文書3406として出力する。ステップS2606に進んだ場合は複写処理を行なわない。マーク判断部3404は、第1の実施形態と同様に、マークが抽出できなかった原因を割り出し、ユーザに複写できないことを通知する。
[第7の実施形態]
第7の実施形態では、上述の各実施形態に係る夫々の処理をコンピュータ3100により行なわせる。図31はコンピュータ3100の基本構成を示す図である。例えばこのコンピュータ3100において、全ての機能を実行する場合、各機能構成をコンピュータプログラムにより表現し、このコンピュータ3100に読み込ませることで、このコンピュータで上述の実施形態の全ての機能を実現することができる。
同図において、3101はCPUで、RAM3102やROM3103に格納されているプログラムやデータを用いて、コンピュータ3100内の各ブロック制御を行う。また、CPU3101は、上述の各実施形態に係る、本コンピュータ3100を適用した装置が行う各処理を実行する。
3102はRAMで、外部記憶装置3108からロードされたプログラムやデータ、他のコンピュータシステム3114からI/F(インターフェース)3115を介してダウンロードしたプログラムやデータを一時的に記憶するエリアを備える。また、RAM3102は、CPU3101が各種の処理を行なうために必要とするエリアを備える。
3103はROMで、コンピュータ3100の機能プログラムや設定データ等を記憶する。3104はディスプレイ制御装置で、画像や文字等をディスプレイ3105に表示させるための制御処理を行なう。3105はディスプレイで、画像や文字等を表示する。なお、ディスプレイとしてはCRTや液晶画面等が適用可能である。
3106は操作入力デバイスで、キーボードやマウス等、CPU3101に各種の指示を入力することのできるデバイスにより構成されている。3107は操作入力デバイス3106を介して入力された各種の指示等をCPU3101に通知するためのI/Oである。
3108はハードディスク等の大容量情報記憶装置として機能する外部記憶装置で、OS(オペレーティングシステム)や上述の各実施形態に係る処理をCPU3101に実行させるためのプログラム、入出力原稿画像等を記憶する。外部記憶装置3108に保存されているプログラムやデータは、CPU3101による制御に従って適宜RAM3102にロードされ、CPU3101による処理対象となる。なお、RAM3102に記憶するものとして説明した情報の幾つかについては外部記憶装置3108に保存するようにしてもよい。外部記憶装置3108への情報の書き込みや外部記憶装置3108からの情報の読み出しはI/O3109を介して行われる。
3110は文書や画像を出力する為のプリンタで、出力データはI/O3111を介してRAM3102、若しくは外部記憶装置3108から送られる。なお、文書や画像を出力する為のプリンタとしては、例えばインクジェットプリンタ、レーザビームプリンタ、熱転写型プリンタ、ドットインパクトプリンタ等が挙げられる。
3112は文書や画像を読み取るためのスキャナで、入力データはI/O3113を介してRAM3102、若しくは外部記憶装置3108に送られる。
3116は、CPU3101、ROM3103、RAM3102、I/O3111、I/O3109、ディスプレイ制御装置3104、I/F3115、I/O3107、I/O3113を繋ぐバスである。
なお本実施形態では、スキャンやプリントを除く処理をコンピュータ3100により行っているが、スキャナやプリンタ内部の専用のハードウェア回路を用いて、コンピュータ3100で行なう処理を代行してもよい。
[その他の実施形態]
なお、本実施形態は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、複合機、ファクシミリ装置等)に適用してもよい。
また、以下のようにしても前述の各実施形態の目的は達成される。すなわち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体(又は記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)は、記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本実施形態を構成することになる。また、読み出したプログラムコードを利用する場合、コンピュータがそのプログラムコードを実行することによってのみ、前述した実施形態の機能が実現されるわけではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も、各実施形態に含まれることは言うまでもない。
さらに、以下の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も、各実施形態に含まれることは言うまでもない。すなわち、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
本実施形態を上記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明したフローチャートや機能構成に対応するプログラムコードが格納されることになる。
なお、上記各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
第1の実施形態及び第2の実施形態に係る透かし情報埋め込み装置の構成概念図である。 第1の実施形態及び第2の実施形態に係る透かし情報の埋め込み手順を示すフローチャートである。 文書におけるオブジェクトの構成例を示す図である。 第1の実施形態及び第2の実施形態における文書の撮像範囲の4隅及び文書の埋め込み位置の例を示す図である。 第1の実施形態における埋め込み位置を決定する手順を示すフローチャートである。 第1の実施形態における、文字間隔を操作して透かし情報を埋め込む手順を示すフローチャートである。 文字間隔の組の例を示す図である。 第1〜第4の実施形態に係る透かし情報抽出装置の構成概念図である。 第1〜第4の実施形態に係る透かし抽出手順を示すフローチャートである。 第1の実施形態における各抽出位置において文字間隔の大小から透かし情報を抽出する手順を示すフローチャートである。 第1及び第2の実施形態における抽出された透かし情報が正しいかどうかを判断する手順を示すフローチャートである。 複写時の文書のセットミスにより、文字が斜めになってしまった例を示す図である。 第2の実施形態における埋め込み位置を決定する手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態における、透かし情報の埋め込み手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態における、文字間隔を操作して透かし情報を埋め込む手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態における、文字に対してドットパターンを施すことにより透かし情報を埋め込む手順を示すフローチャートである。 文字に対してドットパターンを施した例を示す図である。 第2の実施形態における、画像オブジェクトに対して透かし情報を埋め込む手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態における、各種抽出方法を用いた抽出手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態における文字間隔の大小関係から透かし情報を抽出する手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態における文字に施されたドットパターンから透かし情報を抽出する手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態における画像オブジェクトから透かし情報を抽出する手順を示すフローチャートである。 第6の実施形態におけるマーク埋め込み手順を示すフローチャートである。 第6の実施形態における文書に対するマークの埋め込み例を示した図である。 第6の実施形態における、文書に裏表がある場合や文書が本である場合の埋め込み例を示した図である。 第6の実施形態におけるマーク抽出手順を示すフローチャートである。 第5の実施形態に係る透かし情報埋め込み装置の構成概念図である。 第5の実施形態における透かし情報埋め込み手順を示すフローチャートである。 第5の実施形態に係る透かし情報抽出装置の構成概念図である。 第5の実施形態における透かし情報抽出手順を示すフローチャートである。 第7の実施形態に係るコンピュータの基本構成を示す図である。 第1及び第2の実施形態における、透かし情報抽出時に文書が読取範囲から外れてセットされた例を示す図である。 第6の実施形態に係るマーク埋め込み装置の構成概念図である。 第6の実施形態に係るマーク抽出装置の構成概念図である。 第5の実施形態における総埋め込み量Tp及び総抽出量Tsの計算例を示す図である。 第5の実施形態における総抽出量Tsが総埋め込み量Tpと等しくない場合の例を示す図である。 文書のセットミスにより、文書の表題の部分が撮像範囲からはみ出した例を示す図である。 第3及び第4の実施形態に係る透かし情報埋め込み装置の構成概念図である。 第3及び第4の実施形態における透かし情報の埋め込み手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態における透かし情報に基づく判断の手順を示すフローチャートである。 第4の実施形態における埋め込み位置を決定する手順を示すフローチャートである。 第4の実施形態における透かし情報に基づく判断の手順を示すフローチャートである。 文字間隔を操作して透かし情報を埋め込む際に文字間隔の組を選択する順序を説明する図である。 画素値を操作して透かし情報を埋め込む際に画素を選択する順序を説明する図である。

Claims (21)

  1. 印刷装置と接続された画像処理装置であって、
    画像読取装置にセットされた、規定の位置に情報が付加された文書のうち、当該画像読取装置の読取範囲内の部分を当該画像読取装置が読み取ることで得られる文書画像を取得する手段と、
    前記文書画像中の規定の位置における情報を抽出する抽出手段と、
    前記文書画像中において、前記文書に記された情報が欠損しているか否かを、前記抽出手段が抽出した情報に基づいて判断する判断手段と、
    前記判断手段が欠損があると判断した場合には、前記文書画像を前記印刷装置に出力せず、前記判断手段が欠損がないと判断した場合には、前記文書画像を前記印刷装置に出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記文書には、前記文書を構成するオブジェクト領域内で前記文書の4隅のそれぞれに最も近い部分に、埋め込み情報が埋め込まれており、
    前記抽出手段は、前記文書画像から検出したオブジェクト領域内で前記文書画像の4隅のそれぞれに最も近い部分から情報を抽出し、
    前記判断手段は、前記文書画像の4隅のそれぞれに最も近い部分について、前記抽出手段による情報の抽出が成功したか否かを判断し、
    前記出力手段は、前記判断手段が失敗したと判断した場合には、前記文書画像を印刷装置に出力せず、前記判断手段が成功したと判断した場合には、前記文書画像を印刷装置に出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記文書の4隅のそれぞれに最も近い文字を一端とする文字列に対して前記埋め込み情報が埋め込まれており、
    前記抽出手段は、前記文書画像の4隅のそれぞれに最も近い文字を一端とする文字列から前記情報を抽出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記文書を構成するオブジェクト領域内で前記文書の4隅の1つに最も近い部分が文字オブジェクトに属する場合には、当該4隅の1つに最も近い文字を一端とする文字列に対して前記埋め込み情報が埋め込まれており、前記文書を構成するオブジェクト領域内で前記文書の4隅の1つに最も近い部分が画像オブジェクトに属する場合には、当該画像オブジェクト内で当該4隅の1つに最も近い画素を一端とする画素群に対して前記埋め込み情報が埋め込まれており、
    前記抽出手段は、前記文書画像から検出したオブジェクト領域内で前記文書画像の4隅の1つに最も近い部分が文字オブジェクトに属する場合には、当該4隅の1つに最も近い文字を一端とする文字列から前記情報を抽出し、前記文書画像から検出したオブジェクト領域内で前記文書画像の4隅の1つに最も近い部分が画像オブジェクトに属する場合には、当該画像オブジェクト内で当該4隅の1つに最も近い画素を一端とする画素群から前記情報を抽出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記文字列に対する埋め込み情報は、文字列の文字間隔の大小を変化させることにより埋め込まれており、
    前記抽出手段は、文字列の文字間隔の大小を判別することにより、当該文字列から前記情報を抽出することを特徴とする、請求項3又は4に記載の画像処理装置。
  6. 前記文書には、当該文書の4隅の1つに最も近い文字が属する文字列に埋め込み可能な情報量に応じた埋め込み方法により、当該4隅の1つに最も近い文字を一端とする文字列に対して前記埋め込み情報が埋め込まれており、
    前記抽出手段は、前記埋め込み情報の情報量と、前記4隅の1つに最も近い文字が属する文字列に埋め込み可能な情報量とを比較して、抽出方法を選択することを特徴とする、請求項3又は4に記載の画像処理装置。
  7. 前記埋め込み方法は、文字列の文字間隔を操作する方法と、文字にパターンを重畳する方法の何れかであり、
    前記抽出方法は、文字列の文字間隔の大小を判別する方法と、文字からパターンを読み取る方法の何れかであることを特徴とする、請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記判断手段は、前記抽出手段が抽出した情報と、前記埋め込み情報とを比較し、一致した場合に情報の抽出が成功したと判断することを特徴とする、請求項3乃至7の何れか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記埋め込み情報は、当該埋め込み情報の埋め込み位置に関係なく同じであることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記埋め込み情報は、当該埋め込み情報の埋め込み位置を示す情報であることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  11. 前記埋め込み情報は、当該埋め込み情報の埋め込み位置が属するオブジェクトの一角の座標値であり、
    前記判断手段は、情報を抽出する位置の座標と、当該情報を抽出する位置から前記抽出手段が抽出した情報とを比較し、差分が閾値以内である場合に情報の抽出が成功したと判断することを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記文書には、前記文書の4隅のそれぞれについて、4隅の1つから所定の距離内にある画素を含むオブジェクトに対して、当該4隅の1つから最も近い部分に埋め込み情報が埋め込まれており、
    前記抽出手段は、前記文書画像の4隅のそれぞれについて、4隅の1つから所定の距離内にある画素を含むオブジェクトの、当該4隅の1つから最も近い部分から情報を抽出し、
    前記判断手段は、前記文書画像のそれぞれの部分について、前記抽出手段による情報の抽出が成功したか否かを判断し、
    前記出力手段は、前記判断手段が失敗したと判断した場合には、前記文書画像を印刷装置に出力せず、前記判断手段が成功したと判断した場合には、前記文書画像を印刷装置に出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  13. 前記埋め込み情報は、埋め込み情報の埋め込み位置の数であることを特徴とする、請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記文書中の1以上の文字列に対して、前記文書に記されている文字に係る情報が埋め込まれており、
    前記文書画像から、当該文書画像中の文字に係る情報を取得する手段をさらに備え、
    前記抽出手段は、前記文書画像から前記埋め込まれている情報を抽出し、
    前記判断手段は、前記抽出手段が抽出した情報が、前記文書画像中の文字に係る情報と合致するか否かを判断し、
    前記出力手段は、前記判断手段が合致しないと判断した場合には、前記文書画像を印刷装置に出力せず、前記判断手段が合致したと判断した場合には、前記文書画像を印刷装置に出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  15. 前記文書には、前記文書の4隅のそれぞれから、それぞれの所定の方向に所定の距離離れた部分に、マークが埋め込まれており、
    前記抽出手段は、前記文書画像の4隅のそれぞれから、それぞれの所定の方向に所定の距離離れた部分に埋め込まれているマークを発見した場合には抽出し、
    前記判断手段は、前記抽出手段がマークを抽出できたかどうかを調べ、また前記抽出手段が抽出したマークと埋め込んだマークとが一致するかどうかを調べることで、前記文書画像の4つのマークが正しく抽出されたか否かを判断する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
  16. 前記判断手段は、前記判断をユーザに通知することを特徴とする、請求項1乃至15の何れか1項に記載の画像処理装置。
  17. セットされた紙文書を排紙可能であるとともに、排紙する際に当該紙文書上に画像を形成してから排紙可能な画像処理装置であって、
    規定の位置に情報が付加された紙文書を文書画像として読み取る読み取り手段と、
    前記文書画像中の前記規定の位置における情報を抽出する抽出手段と、
    前記文書画像中における、前記紙文書上に記された情報の欠損の有無を、前記抽出手段が抽出した情報に基づいて判断する判断手段と、
    前記紙文書上に画像形成する為の出力文書を取得する手段と、
    前記判断手段が欠損があると判断した場合には、前記出力文書を前記紙文書上に画像形成させることなく、前記紙文書を排紙し、前記判断手段が欠損がないと判断した場合には、前記出力文書を前記紙文書上に画像形成してから排紙する排紙制御手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  18. 印刷装置と接続された画像処理装置が行う方法であって、
    画像読取装置にセットされた、規定の位置に情報が付加された文書のうち、当該画像読取装置の読取範囲内の部分を当該画像読取装置が読み取ることで得られる文書画像を取得する工程と、
    前記文書画像中の規定の位置における情報を抽出する抽出工程と、
    前記文書画像中において、前記文書に記された情報が欠損しているか否かを、前記抽出工程で抽出した情報に基づいて判断する判断工程と、
    前記判断工程で欠損があると判断した場合には、前記文書画像を前記印刷装置に出力せず、前記判断工程で欠損がないと判断した場合には、前記文書画像を前記印刷装置に出力する出力工程と
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  19. セットされた紙文書を排紙可能であるとともに、排紙する際に当該紙文書上に画像を形成してから排紙可能な画像処理装置が行う方法であって、
    規定の位置に情報が付加された紙文書を文書画像として読み取る読み取り工程と、
    前記文書画像中の前記規定の位置における情報を抽出する抽出工程と、
    前記文書画像中における、前記紙文書上に記された情報の欠損の有無を、前記抽出工程で抽出した情報に基づいて判断する判断工程と、
    前記紙文書上に画像形成する為の出力文書を取得する工程と、
    前記判断工程で欠損があると判断した場合には、前記出力文書を前記紙文書上に画像形成させることなく、前記紙文書を排紙し、前記判断工程で欠損がないと判断した場合には、前記出力文書を前記紙文書上に画像形成してから排紙する排紙制御工程と
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  20. コンピュータを、請求項1乃至17の何れか1項に記載の画像処理装置が有する各手段として機能させるための、コンピュータプログラム。
  21. 請求項20に記載のコンピュータプログラムを格納した、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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