JP2010171578A - 電力線搬送通信システム及び電力線搬送通信装置 - Google Patents

電力線搬送通信システム及び電力線搬送通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010171578A
JP2010171578A JP2009010742A JP2009010742A JP2010171578A JP 2010171578 A JP2010171578 A JP 2010171578A JP 2009010742 A JP2009010742 A JP 2009010742A JP 2009010742 A JP2009010742 A JP 2009010742A JP 2010171578 A JP2010171578 A JP 2010171578A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
communication
unit
repeater
power line
slave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009010742A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Sasaki
博之 佐々木
Toshiyuki Maeda
敏幸 前多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Networks and System Integration Co Ltd
Original Assignee
Toyo Networks and System Integration Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Networks and System Integration Co Ltd filed Critical Toyo Networks and System Integration Co Ltd
Priority to JP2009010742A priority Critical patent/JP2010171578A/ja
Publication of JP2010171578A publication Critical patent/JP2010171578A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

【課題】リピータを用いる場合の通信時間を短縮する。
【解決手段】親機C0と、親機C0に接続する電力線B1とを備え、電力線B1にはそれぞれリピータ機能を内蔵する複数の子機C11〜C17がバス接続される電力線搬送通信システム1であって、親機C0とOFDM通信により直接通信できる子機C11〜C14は、第1の周波数帯を用いる第1のOFDM通信により親機C0と直接通信し、OFDM通信では親機C0と直接通信できない子機C15〜C17は、前記第1の周波数帯とは重複しない第2の周波数帯を用いる第2のOFDM通信により、親機C0とOFDM通信により直接通信できる子機C11〜C14の中から選択されるリピータ子機C14を介して親機C0と通信する。
【選択図】図1

Description

本発明は電力線搬送通信システム及び電力線搬送通信装置に関し、特に親機と複数の子機との間で電力線搬送通信を行う電力線搬送通信システム及び電力線搬送通信装置に関する。
近年、電力線に10kHz以上の高周波電流を重畳して通信を行う電力線搬送通信(PLC,Power Line Communications)が注目されている。以前は、電力線搬送通信の周波数帯域としては10kHz〜450kHzの帯域(以下、低周波数帯域という。)のみが認められていたが、2006年10月の電波法令改正により、屋内限定ではあるものの2MHz〜30MHzのより高帯域を用いることが認められた。これに伴い、数十〜数百Mbpsの高速通信が可能になったことから、特に家庭内やオフィス内での利用に注目が集まっている。
しかし、従来通りの低周波数帯域を用いる電力線搬送通信システムも引き続き多用されている。具体的には、集合住宅内の各戸の電気メーターの検針(データ収集)や遠隔地からの機器制御に用いる例が挙げられる。
ここで、低周波数帯域を用いる電力線搬送通信装置における法制度について、簡単に説明しておく。
電波法では低周波数帯域を用いる電力線搬送通信装置を高周波利用設備として分類し、電波法施行規則は、高周波利用設備を免許不要で利用が可能となる型式制度を規定している。その中で一般用途として使える区分は「特別搬送式デジタル伝送装置」であり、型式指定のための具体的な条件が変調方式ごとに表1のように規定されている(施規第46条の2第四号。一部の条件のみ抜粋。)。
Figure 2010171578
この低周波数帯域にて使われる変調方式として、以下の説明例示では、10kHz〜450kHzを用いる「スペクトル拡散方式以外の変調方式」としてのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing,直交波周波数分割多重)変調方式と、115kHz又は132kHzを用いる位相変調方式(位相振幅変調方式を含む。)とする。以下、特に断らない限り、OFDM変調方式と言えば前者を指し、位相変調方式と言えば後者を指すことにする。
OFDM変調方式は、10kHz〜450kHzの帯域をフルに用い、かつサブキャリアごとの適応変調を行えるので、比較的高速かつ信頼性の高い通信を実現できるという利点を有する。そのため、低周波数帯域の電力線搬送通信システムでは通常、OFDM変調方式による通信(以下、OFDM通信という。)が用いられる。一方で、現行の電波法施行規則では全サブキャリアの合計出力値が100mW以下に制限されるため、OFDM通信はノイズが多い環境下での通信や遠方との通信には不利である。
位相変調方式は、OFDM変調方式に比べると低速な通信しかできないが、350mWの出力を出せるので、ノイズが多い環境下での通信や遠方との通信に有効である。
低周波数帯域を用いる電力線搬送通信システムの具体的な例を挙げる。図12(a)は、3階建てで各階に7つずつの部屋を有する集合住宅Aにおいて、各戸のメーター検針を行うための電力線搬送通信システムを示している。同図に示すように、このシステムは、1階(例えば分電盤付近)に設置された親機D0と、それぞれ親機D0に接続する階ごとの電力線B1〜B3とを備え、各電力線B1〜B3には、各戸ごとの子機D11〜D37がバス接続されている。
図12(b)は、図12(a)に示した電力線搬送通信システムのネットワークトポロジを示している。同図に示すように、この電力線搬送通信システムでは、論理的には親機D0と各子機D11〜D37とが直接接続されており、相互にOFDM通信による直接通信を行う。
図13は、親機D0と各子機D11〜D37との通信ステップを示す模式図である。同図に示すように、親機D0は各子機D11〜D37から直接検針データを受信し、その総通信ステップ数は42ステップとなる。
なお、特許文献1には、電力線搬送通信装置間にリピータ(注:特許文献1では「レピータ」と称している。)を挿入することにより、電力線搬送通信システムの通信距離を延ばす技術が開示されている。
特開2003−229793号公報
ところで、図12(b)及び図13では、図12(a)に示した電力線搬送通信システムにおいて親機と各子機とがOFDM通信により直接通信を行う例を示したが、実際にはこのような直接通信ができない場合もある。例えば、親機と子機との距離が離れ過ぎている場合、親機と子機とがOFDM通信によって直接通信を行うことは困難である。
そこで、図14(a)に示すように、各電力線B1〜B3上にリピータR1〜R3を設置し、OFDM通信では親機D0と直接通信することができない子機については、リピータR1〜R3を介して親機とOFDM通信するようにすることが考えられる。しかしながら、このようにリピータR1〜R3を用いることとすると、総通信ステップ数が増大してしまい、通信時間が長くなってしまうという問題が発生する。以下、詳しく説明する。
図14(b)は、図14(a)に示した電力線搬送通信システムのネットワークトポロジの例を示している。同図に示すように、この電力線搬送通信システムでは、論理的に親機D0と直接接続しているのは子機D11〜D14,D21〜D23,D31〜D32及びリピータR1〜R3のみであり、その他の子機D15〜D17,D24〜D27,D33〜D37はリピータR1〜R3を介して親機D0と接続されている。
図15は、親機D0と各子機D11〜D37との通信ステップを示す模式図である。同図に示すように、親機D0は子機D11〜D14,D21〜D23,D31〜D32からは直接検針データを受信する一方、子機D15〜D17,D24〜D27,D33〜D37からはリピータR1〜R3を介して検針データを受信する。
直接通信では、1つの子機からの検針データ受信に要する通信ステップ数は2ステップである。一方、リピータを介する場合、親機D0とリピータとの通信及びリピータと子機との通信を順次行うことになるため、1つの子機からの検針データ受信に要する通信ステップ数は4ステップである。したがって、この場合の総通信ステップ数は、図15に示すように66ステップとなり、リピータを用いない場合(42ステップ)の1.5倍を超える通信ステップが必要となる。
以上説明したように、リピータを用いる場合、総通信ステップ数が多くなり、通信時間が長くなってしまうという問題がある。
したがって、本発明の目的の一つは、リピータを用いる場合の通信時間を短縮できる電力線搬送通信システム及び電力線搬送通信装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による電力線搬送通信システムは、親機と、前記親機に接続する電力線とを備え、前記電力線にはそれぞれリピータ機能を内蔵する複数の子機がバス接続される電力線搬送通信システムであって、前記親機とOFDM通信により直接通信できる子機は、第1の周波数帯を用いる第1のOFDM通信により前記親機と直接通信し、OFDM通信では前記親機と直接通信できない子機は、前記第1の周波数帯とは重複しない第2の周波数帯を用いる第2のOFDM通信により、前記親機とOFDM通信により直接通信できる子機の中から選択されるリピータ子機を介して前記親機と通信することを特徴とする。
本発明によれば、第1及び第2の周波数帯という重複しない2つの周波数帯を用いるので、リピータ子機が他の子機とOFDM通信している間、親機はさらに他の子機とOFDM通信することができる。したがって、リピータを用いる場合の通信時間が短縮される。また、子機をリピータとして用いるので、子機とは別にリピータを設ける必要がなくなる。
また、上記電力線搬送通信システムにおいて、前記親機に接続し、複数の子機がバス接続された電力線を複数備えることとしてもよい。これによれば、各電力線上のリピータ子機は、他の電力線上のリピータ子機から独立して、第2の通信により当該電力線上の子機と通信することができるので、複数の電力線を有する場合の通信時間がより短縮される。
また、上記各電力線搬送通信システムにおいて、前記リピータ子機は、前記第1のOFDM通信により前記親機から受信した情報を蓄積するとともに、前記第2のOFDM通信により他の子機から受信した情報を蓄積するバッファを備えることとしてもよい。これによれば、親機とリピータ子機との通信回数を減らすことができるので、通信時間がさらに短縮される。
また、上記各電力線搬送通信システムにおいて、前記親機は、前記各子機それぞれについて、OFDM通信により直接通信できるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段がOFDM通信では直接通信できないと判定した子機との通信を、前記リピータ子機を介する通信に切り替える切替手段とを有することとしてもよい。これによれば、リピータ子機を介して通信を行う子機と直接通信する子機とをシステム構築後に人手を介さずに分類することが可能になる。
また、上記電力線搬送通信システムにおいて、前記親機は、前記判定手段がOFDM通信により直接通信できると判定した子機の中からリピータ子機を選択する選択手段をさらに有することとしてもよい。これによれば、親機は、リピータ子機を適切に選択できる。
また、本発明による電力線搬送通信装置は、親機と接続する電力線にバス接続される子機のひとつとして機能する電力線搬送通信装置であって、第1の周波数帯を用いてOFDM通信を行う第1の通信手段と、前記第1の周波数帯とは重複しない第2の周波数帯を用いてOFDM通信を行う第2の通信手段とを備え、前記第1の通信手段により前記親機とOFDM通信を行うとともに、前記第2の通信手段により他の子機とOFDM通信を行うことにより、前記親機と他の子機との間のOFDM通信を中継するリピータとして機能することを特徴とする。
なお、上記電力線搬送通信装置において、前記第1及び第2の通信手段により受信した情報を蓄積するバッファを備えることとしてもよい。
本発明によれば、リピータを用いる場合の通信時間を短縮できる。
(a)は、本発明の実施の形態による電力線搬送通信装置のシステム構成を示す図である。(b)は、(a)に示した電力線搬送通信システムのネットワークトポロジを示す図である。 本発明の実施の形態による第1及び第2の周波数帯の説明図である。 (a)は、本発明の実施の形態による親機の機能ブロックを示す図である。(b)は、本発明の実施の形態による子機の機能ブロックを示す図である。 本発明の実施の形態による電力線搬送通信システム内の各子機と親機との通信状態を示す図である。 (a)〜(f)は、本発明の実施の形態による親機と各子機との間若しくは子機間で送受信される信号のフォーマットを示す図である。 本発明の実施の形態による親機と各子機との間及び子機間での通信ステップを示す模式図である。 本発明の実施の形態による親機の処理手順を示す図である。 本発明の実施の形態による通信品質確認用の信号のフォーマットを示す図である。 本発明の実施の形態による通信品質確認用の信号の周波数の時間変化を示す図である。 本発明の実施の形態の変形例による親機と各子機との間及び子機間での通信ステップを示す模式図である。 本発明の実施の形態の他の変形例による親機と各子機との間及び子機間での通信ステップを示す模式図である。 (a)は、本発明の背景技術による電力線搬送通信システムのシステム構成を示す図である。(b)は、(a)に示した電力線搬送通信システムのネットワークトポロジを示す図である。 図12(a)に示した電力線搬送通信システムにおける親機と各子機との通信ステップを示す模式図である。 (a)は、本発明の背景技術による電力線搬送通信システムのシステム構成を示す図である。(b)は、(a)に示した電力線搬送通信システムのネットワークトポロジを示す図である。 図14(a)に示した電力線搬送通信システムにおける親機と各子機との通信ステップを示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1(a)は、本実施の形態による電力線搬送通信システム1のシステム構成を示す図である。同図に示すように、電力線搬送通信システム1は、親機C0と、それぞれ親機C0に接続する電力線B1〜B3とを備え、各電力線B1〜B3には、それぞれリピータ機能を内蔵する子機C11〜C37がバス接続されている。親機C0及び各子機C11〜C37はいずれも電力線搬送通信装置であり、相互に、上述したOFDM通信又は位相変調通信による電力線搬送通信を行う。そして、図示しない端末装置(パソコン、電気メータなど)と接続されて端末装置間での通信を実現する。
電力線B1〜B3は親機C0の近辺に設けられた接続点N(例えば分電盤)で互いに接続されており、一の電力線に流れる信号は、他の電力線にも流れる。したがって、電力線B1〜B3に、同一周波数の信号を互いに独立して同時に流すことは原則としてできないが、接続点Nとの距離がある程度以上離れている子機が送信した信号は、接続点Nに到達する前に減衰してしまうため他の電力線に流れこむことはない。したがって、このような信号に限れば、電力線B1〜B3に、同一周波数の信号を互いに独立して同時に流すことが可能である。
この電力線搬送通信システム1は、具体的には、例えば図12に示した背景技術の例と同様、3階建てで各階に7つずつの部屋を有する集合住宅Aに設置され、各戸のメーター検針を行うために用いられる。以下の説明では、親機C0に接続される端末装置はパソコンであり、各子機に接続される端末装置は電気メータであるとし、パソコンから各電気メータの検針データの取得を行う例を取り上げる。なお、本発明が電気メータの検針データを取得する電力線搬送通信システムに限定されないのはもちろんである。
ここで、親機C0及び各子機C11〜C37の詳細について説明するに先立ち、低周波数帯域を分割してなる第1及び第2の周波数帯について説明しておく。
電力線搬送通信システム1では、OFDM通信を行う際、低周波数帯域(10kHz〜450kHz)を第1の周波数帯Fと第2の周波数帯Fに分割して用いる。すなわち、親機C0及び各子機C11〜C37は、いずれか一方の周波数帯に属するサブキャリアのみを用いて、OFDM信号(OFDM変調方式によって変調された搬送波信号)を生成する。
図2は、第1及び第2の周波数帯の説明図である。まず、同図に示すように、第1の周波数帯Fは10kHz〜220kHzの周波数帯域であり、第2の周波数帯Fは240kHz〜450kHzの周波数帯域である。低周波数帯域は10kHz〜450kHzであるので、第1の周波数帯Fは概ね低周波数帯域の下半分を占め、第2の周波数帯Fは概ね上半分を占めていることになる。
さて、図3(a)は、親機C0の機能ブロックを示す図である。同図に示すように、親機C0は、それぞれ電力線に接続するFモデム11及び同期信号生成器12と、制御部13と、バッファ14と、端末装置としてのパソコンに接続するインターフェイス15とを有している。
モデム11は、第1の周波数帯Fを用いてOFDM通信(第1のOFDM通信)又は位相変調通信を行うモデムである。ただし、指示データ及び検針データの送受信にはOFDM通信のみを用いる。具体的には、制御部13の指示に従い、バッファ14に記憶されるデータ又はインターフェイス15を介してパソコンから入力されるデータに基づいて第1の周波数帯Fの搬送波信号を変調し、電力線に送出する。また、電力線を流れる第1の周波数帯Fの変調搬送波信号を受信して復調し、得られたデータを、制御部13の指示に従ってバッファ14又はインターフェイス15に出力する。
なお、OFDM信号は各サブキャリアの出力の合計が100mWとなるように出力調整されて送出される。一方、位相変調信号は350mWの出力で送出される。このような出力としているのは、上掲の表1に示した法規制に従うためである。
モデム11は、搬送波信号の変復調にOFDM変調方式又は位相変調方式を用いる。OFDM変調方式を用いる場合、搬送波信号は、第1の周波数帯Fに属するサブキャリアのみによって構成される広帯域信号となる。位相変調方式を用いる場合には、搬送波信号は単一周波数信号であり、その周波数は115kHz又は132kHzとなる。
なお、Fモデム11は、信号を送信する際、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式を用いるよう構成されている。すなわち、Fモデム11は、送信を開始する前に一度受信を試み(キャリアセンス)、他の装置の送信信号が検知されなければ、送信データの送信を行う。他の装置の送信信号が検知された場合には、その送信信号の送信終了を監視し、送信終了が検知された場合に所定時間待機してから送信データの送信を行う。なお、この所定時間は待機回数の増加に応じて短くなるよう決定される。通信開始時のネゴシエーションは行われない。
同期信号生成器12は、電力線を流れる信号に既知の同期信号が含まれているか否かを監視する。含まれていることが検出された場合、その同期信号を用いて同期を確立し、同期を確立したことを示す情報を制御部13に通知する。この通知を受けた制御部13は、Fモデム11に復調処理を開始させる。
制御部13は、ここまでに挙げた処理の他、親機C0の各部を制御する処理を行う。また、制御部13は、パソコンからの指示に従って検針データの送信を指示するための指示データを生成し、Fモデム11を用いて各子機に向けて送信するとともに、指示データに応じて各子機から返送されてきた検針データをFモデム11を介して受信する。
なお、親機C0が指示データを送信する順序は、予めプログラミングされる。このプログラミングの詳細については後述する。また、制御部13は機能的に、判定部16(判定手段)、選択部17(選択手段)、切替部18(切替手段)を含んでいるが、これらの処理についても後述する。
バッファ14は、制御部13の指示に従い、Fモデム11から入力されるデータを記憶する記憶手段である。インターフェイス15はパソコンとの間でデータの入出力を行う。
図3(b)は、子機C11〜C37の機能ブロックを示す図である。なお、本実施の形態では、いずれの子機も同様の機能ブロックを有している。図3(b)に示すように、子機C11〜C37は、それぞれ電力線に接続するFモデム21(第1の通信手段)、Fモデム22(第2の通信手段)及び同期信号生成器23と、制御部24と、バッファ25と、端末装置としての電気メータに接続するインターフェイス26とを有している。
モデム21の機能は、上述したFモデム11の機能と同様である。すなわち、Fモデム21は、第1の周波数帯Fを用いてOFDM通信(第1のOFDM通信)又は位相変調通信を行う。また、信号の送信にはCSMA/CA方式を用いる。
モデム22の機能は、使用する周波数帯が第2の周波数帯Fである点を除いて、Fモデム21の機能と同様である。すなわち、Fモデム22は、第1の周波数帯Fとは重複しない第2の周波数帯Fを用いて、OFDM通信(第2のOFDM通信)を行う。具体的には、制御部24の指示に従い、バッファ25に記憶されるデータ又はインターフェイス26を介して図示しない端末装置から入力されるデータに基づいて第2の周波数帯Fの搬送波信号を変調し、電力線に送出する。また、電力線を流れる第2の周波数帯Fの変調搬送波信号を受信して復調し、得られたデータを、制御部24の指示に従ってバッファ25又はインターフェイス26に出力する。なお、Fモデム22は位相変調通信は行わない。また、信号の送信にはCSMA/CA方式を用いる。
同期信号生成器23の機能は、上述した同期信号生成器12の機能と同様である。なお、同期信号生成器23から同期を確立したことを示す情報の通知を受けた制御部24は、Fモデム21又はFモデム22に復調処理を開始させる。
制御部24は、ここまでに挙げた処理の他、子機の各部を制御する処理を行う。また、制御部24は、親機C0又は他の子機から自機宛の上記指示データ(検針データを送信するよう指示するための指示データ)が受信された場合、インターフェイス26を介して電気メータにアクセスして検針データを取得し、取得した検針データを、指示データを受信したモデムを用いて返送する。
さらに、制御部24は、自機を、親機C0と他の子機との間の通信を中継するリピータとして機能させるか否かを記憶している。リピータとして機能させる場合には、さらに配下の子機を示す情報も記憶しており、Fモデム21を介して親機C0から配下の子機宛の上記指示データが受信された場合、Fモデム21を用いて宛先の子機に対して指示データを転送する。そして、この転送に応じて配下の子機から返送されてきた指示データを、Fモデム21を用いて親機C0に転送する。
バッファ25は、制御部24の指示に従い、Fモデム21及びFモデム22から入力されるデータを記憶する記憶手段である。インターフェイス26は電気メータとの間でデータの入出力を行う。
ここから、親機C0と子機C11〜C37の間で行われる通信について、詳しく説明していく。
初めに、以下の説明の前提を説明しておく。以下では、電力線搬送通信システム1内の各子機と親機C0との通信状態は、図4に示す通りであると仮定する。すなわち、図4に示すように、親機C0は、子機C11〜C14、C21〜C23、C31〜C32との間で、OFDM信号と位相変調信号(位相変調方式により変調された搬送波信号)の両方を送受信できる。また、子機C15〜C17、C24〜C26、C33〜C35との間では、OFDM信号は送受信できないが、位相変調信号の送受信はできる。その他の子機C27、C36〜C37との間では、OFDM信号・位相変調信号ともに送受信できないものとする。
さて、図1(b)は、電力線搬送通信システム1のネットワークトポロジを示す図である。同図に示すように、本実施の形態では、論理的に親機C0と直接接続しているのは子機C11〜C14,C21〜C23,C31〜C32(以下、直接通信子機と総称する。)のみである。このうち、子機C14,C23,C32はリピータ(以下、リピータ子機と総称する。)として用い、各電力線上で親機C0との距離がリピータ子機よりも離れている子機C15〜C17,C24〜C27,C33〜C37(以下、リピータ経由通信子機と総称する。)は、リピータとしての子機C14,C23,C32を介して、親機C0と接続されている。
このようなネットワークトポロジを採用しているのは、図4に示したように、リピータ経由通信子機は、距離が離れ過ぎていて親機C0とOFDM通信による直接通信ができないためである。具体的に各子機を直接通信子機、リピータ経由通信子機のいずれとするか、またどの子機をリピータ子機として用いるかについては、親機C0の処理によってシステム立ち上げ時に自動決定される。この処理の詳細については、後にまとめて説明する。
図1(a)(b)に示すように、親機C0と各直接通信子機との通信には、第1の周波数帯Fを用いる。つまり、各直接通信子機は、Fモデム21により親機C0とのOFDM通信(第1のOFDM通信)又は位相変調通信を行う。ただし、指示データや検針データの送受信にはOFDM通信のみを用いるというのは、上述したとおりである。一方、リピータ子機とリピータ経由通信子機との通信には、第2の周波数帯Fを用いる。つまり、これらの子機は、Fモデム22により相互にOFDM通信(第2のOFDM通信)を行う。
図5の各図は、親機C0と各子機との間若しくは子機間で送受信される信号のフォーマットを示す図である。なお、これらの図に示しているのはネットワークレイヤより上位のレイヤに係る部分のみであって、同期信号など、ネットワークレイヤより低いレイヤに係る部分については示していない。以下、これらの図を参照しながら、親機C0と各子機との間及び子機間での信号の送受信について説明する。
まず、図5(a)は、親機C0が直接通信子機(リピータ子機を除く)に指示データを送信する際に用いる信号のフォーマットである。パソコンから検針データ取得の指示を受けた親機C0は、指示データと、宛先アドレスとしての直接通信子機のアドレスと、送信元としての自機のアドレスとを含む信号を生成し、第1のOFDM通信により電力線B1〜B3上に送出する。各子機は電力線上を流れる信号のヘッダを監視しており、自機のアドレスが付加された信号が流れてきた場合に、その信号を受信する。
図5(b)は、直接通信子機(リピータ子機を除く)が親機C0に検針データを送信する際に用いる信号のフォーマットである。図5(a)の信号を受信した各直接通信子機は、まず電気メータから検針データを取得する。そして、検針データと、宛先アドレスとしての親機C0のアドレスと、送信元としての自機のアドレスとを含む信号を生成し、第1のOFDM通信により電力線上に送出する。親機C0は電力線B1〜B3上を流れる信号のヘッダを監視しており、自機のアドレスが付加された信号が流れてきた場合に、その信号を受信する。以上の処理により、直接通信子機(リピータ子機を除く)からの検針データの取得が完了する。
次に、図5(c)は、親機C0がリピータ子機及びリピータ経由通信子機に指示データを送信する際に用いる信号のフォーマットである。親機C0は、指示データと、宛先アドレスとしてのリピータ子機のアドレスと、送信元としての自機のアドレスとを含む信号を生成し、第1のOFDM通信により電力線B1〜B3上に送出する。
図5(d)は、リピータ子機が配下のリピータ経由通信子機に指示データを転送する際に用いる信号のフォーマットである。リピータ子機は、親機C0から受信した信号の宛先アドレス及び送信元アドレスを、それぞれリピータ経由通信子機のアドレス及び自機のアドレスで書き換え、第2のOFDM通信により電力線上に送出する。
図5(e)は、リピータ経由通信子機がリピータ子機に検針データを送信する際に用いる信号のフォーマットである。図5(d)の信号を受信した各リピータ経由通信子機は、まず電気メータから検針データを取得する。また、受信した信号の送信元アドレスから、検針データの宛先アドレス(すなわち、リピータ子機のアドレス)を取得する。そして、検針データと、宛先アドレスとしてのリピータ子機のアドレスと、送信元としての自機のアドレスとを含む信号を生成し、第2のOFDM通信により電力線上に送出する。
図5(f)は、リピータ子機が親機C0に検針データを送信する際に用いる信号のフォーマットである。図5(b)の信号を受信したリピータ子機は、自機に接続されている電気メータから検針データを取得し、バッファ25(図3(b))に蓄積する。また、図5(e)に示した信号により、配下のリピータ経由通信子機からも検針データを取得し、バッファ25(図3(b))に蓄積する。そして、リピータ子機は、すべての検針データの取得が完了したら、蓄積された検針データと、宛先アドレスとしての親機C0のアドレスと、送信元としての自機のアドレスとを含む信号を生成し、第1のOFDM通信により電力線上に送出する。親機C0は、この信号を受信することにより、リピータ子機及びリピータ経由通信子機からの検針データの取得を完了する。
以上、親機C0と各子機との間及び子機間で行われる信号の送受信について説明した。次に、この信号送受信の具体的な手順について説明する。
図6は、親機C0と各子機との間及び子機間での通信ステップを示す模式図である。同図中の矢印は信号a〜fの送受信を示している。なお、信号a〜fは、図5(a)〜(f)に対応している。また、以下の説明で親機C0が信号を送信する順序は、子機の数などを考慮して、総通信ステップ数が最も少なくなるように予めプログラミングされたものである。
まず初めに、信号の同時送受信について説明しておく。信号a〜c,fの送受信には第1のOFDM通信が用いられ、信号d,eの送受信には第2のOFDM通信が用いられることから、信号a〜c,fと信号d,eとは、電力線B1〜B3上で同時に送受信することができる。また、各リピータ子機及びその配下のリピータ経由通信子機の間で送受信される信号は、機器間の距離が十分に離れているため、他のリピータ子機及びその配下のリピータ経由通信子機の間で送受信される信号とは干渉しない。したがって、各リピータ子機及びその配下のリピータ経由通信子機の間での信号の送受信は、各電力線上で互いに独立して同時に行うことが可能である。親機C0における上記プログラミングは、これらを考慮して行われる。
さて、図6に示すように、親機C0は、まず3つのリピータ子機C32,C23,C14を順次宛先として、信号c(指示データを含む信号)を送信する(ステップ1〜3)。この送信は第1のOFDM通信により行われる。
各リピータ子機C32,C23,C14は、親機C0から信号cを受信すると直ちに、配下のリピータ経由通信子機のうちのひとつを宛先として、信号d(指示データを含む信号)を第2のOFDM通信により送信する(ステップ2〜4)。信号dを受信したリピータ経由通信子機は直ちに検針データを取得し、リピータ子機に向けて信号e(検針データを含む信号)を第2のOFDM通信により返送する(ステップ3〜5)。各リピータ子機C32,C23,C14は、こうして受信した信号eに含まれる検針データをバッファ25に蓄積する。各リピータ子機C32,C23,C14は、以上の処理を配下のリピータ経由通信子機すべてについて繰り返す(リピータ子機C32についてはステップ2〜11。リピータ子機C23についてはステップ3〜10。リピータ子機C14についてはステップ4〜9。)。そして、すべての配下のリピータ経由通信子機の検針データが蓄積されたら、自機の検針データも含む信号fを生成し、親機C0に向けて第1のOFDM通信により送信する(ステップ10〜12)。
本実施の形態では各リピータ子機C32,C23,C14の配下にそれぞれ5つ,4つ,3つのリピータ経由通信子機があるので、親機C0がリピータ子機C14に向けて信号cを送信したステップ3の7ステップ後であるステップ10で、まずリピータ子機C14が信号fを親機C0に向けて第1のOFDM通信により送信する。次に、ステップ11,12で、リピータ子機C23,C32が順次、信号fを親機C0に向けて第1のOFDM通信により送信する。
ステップ4〜9でリピータ子機が上記処理を行っている間、親機C0は直接通信子機C11〜C13との間で第1のOFDM通信により信号a,bの送受信を行い、これらの子機から検針データを取得する。また、親機C0は、ステップ13以降で、残りの直接通信子機C21,C22,C31との間で第1のOFDM通信により信号a,bの送受信を行い、これらの子機から検針データを取得する。最終的に、ステップ18が完了した時点で、すべての子機からの検針データの取得が完了する。
以上説明したように、電力線搬送通信システム1では、第1及び第2の周波数帯という重複しない2つの周波数帯を用いているので、リピータ子機がリピータ経由通信子機とOFDM通信している間、親機は他の子機とOFDM通信することができる。したがって、リピータを用いる場合の通信時間が短縮される。より具体的に言えば、図15に示した背景技術では検針データの取得を完了するまでに66ステップを要していたものが、電力線搬送通信システム1では18ステップで完了している。
また、各電力線上のリピータ子機は、他の電力線上のリピータ子機から独立して、配下のリピータ経由通信子機と通信することができるので、複数の電力線を有する場合の通信時間が短縮されている。
また、リピータ子機にバッファを備えたことにより、親機とリピータ子機との通信回数を減らすことができるので、通信時間がさらに短縮されている。
次に、各子機を直接通信子機、リピータ経由通信子機のいずれとするか、またどの子機をリピータ子機として用いるかを決定するための親機の処理について説明する。以下では、図1に示した電力線搬送通信システム1を前提として説明する。なお、この処理は電力線搬送通信システム1の立ち上げ時に行うことが好適である。また、初期状態では、各子機はFモデム21を用いて第1のOFDM通信を行うよう設定されており、親機C0には、子機C11〜C37のアドレス、及び各子機C11〜C37が電力線B1〜B3のいずれに接続しているかを示す情報が事前に設定される。
図3(a)に示したように、親機C0は、判定部16、選択部17、切替部18を含んでいる。このうち、まず判定部16が、OFDM通信により直接通信できるか否かを子機ごとに判定する。次に、選択部17は、判定部16がOFDM通信により直接通信できると判定した子機の中から、リピータとして機能させる子機を選択し、選択した子機をリピータ子機として記憶する。そして、切替部18は、判定部16がOFDM通信により直接通信できないと判定した子機との通信を、リピータ子機を介する通信に切り替える。すなわち、これらの子機をリピータ経由通信子機として記憶するとともに、リピータ子機に対してリピータとして機能するよう命令する。この命令を受けたリピータ子機は、配下のリピータ経由通信子機との通信を第2のOFDM通信に切り替える。
以下、親機C0の具体的な処理手順について詳しく説明する。
図7は、電力線B2に接続している各子機C21〜C27に関する処理の手順を示している。以下、この図7を参照しながら親機C0の処理について詳しく説明していくが、電力線B1,B3に接続している各子機に関しても、同様な手順で処理が行われる。
図7に示すように、まず判定部16が、子機C21に向けて通信品質確認用の信号gをユニキャスト送信する(ステップ1)。
図8は、上記信号gのフォーマットを示す図である。同図に示すように、通信品質確認用の信号gは、第1のOFDM通信により伝送される部分、115kHzの位相変調通信により伝送される部分、132kHzの位相変調通信により伝送される部分の3つの部分信号から構成されている。各部分信号は、それぞれプリアンブルとユニキャストデータとを含んで構成され、それぞれ対応する変調方式により搬送波信号を変調するために用いられる。なお、プリアンブルには宛先の子機のアドレスが含まれ、ユニキャストデータには当該信号が通信品質確認用の信号であることを示す所定のデータが含まれる。
親機C0は、通信品質確認用の信号の上記各部分信号を、順次電力線B1〜B3に送出する。図9は、こうして送出される通信品質確認用の信号の周波数の時間変化を示す図である。同図に示すように、通信品質確認用の信号の送出を周波数の時間変化で見ると、第1の周波数帯F全体に広がる広帯域信号がまず送出され、続いて115kHzのみを用いる単一周波数信号が送出され、最後に132kHzのみを用いる単一周波数信号が送出されることになる。
図7に戻る。子機C21は、Fモデム21を介して信号gの少なくとも一部が受信されると、部分信号ごとに、その受信品質を測定する。なお、受信品質には、受信レベル、信号対ノイズ比(SNR)、ビットエラー数、フレームエラー数などが含まれる。
子機C21は、図4に示したように、親機C0との間でOFDM信号と位相変調信号の両方を送受信できる。したがって、子機C21は、信号gの3つの部分信号すべてを受信し、全部分信号が受信されたことを示す情報と、各部分信号の受信品質を示す情報を含む信号hを生成し、親機C0に向けて第1のOFDM通信により送信する(ステップ2)。
次に、判定部16は、子機C22に向けて通信品質確認用の信号gを送信する(ステップ3)。子機C22も、子機C21と同様に信号hを生成し、親機C0に向けて第1のOFDM通信により送信する(ステップ4)。子機C23についても同様である(ステップ5〜6)。
次に、判定部16は、子機C24に向けて通信品質確認用の信号gを送信する(ステップ7)。子機C21は、図4に示したように、親機C0との間で位相変調信号のみを送受信でき、OFDM信号は送受信できない。したがって、子機C24は、信号gの3つの部分信号のうち位相変調通信により伝送される部分信号のみを受信し、位相変調通信により伝送される部分信号のみが受信されたことを示す情報と、これらの部分信号の受信品質を示す情報を含む信号h'を生成し、親機C0に向けて位相変調通信により送信する(ステップ8)。子機C25〜C26についても同様である(ステップ9〜12)。
次に、判定部16は、子機C27に向けて通信品質確認用の信号gを送信する(ステップ13)。子機C21は、図4に示したように、親機C0との間でOFDM信号・位相変調信号のいずれも送受信できない。したがって、子機C27は信号gを受信できず、親機C0に向けて何も送信しない(ステップ14)。判定部16は、所定のタイミングで子機C27からの信号が受信されないことにより、OFDM通信では子機C27との直接通信ができないと判定する。
以上の処理により、判定部16は、子機C21〜C23をOFDM通信により直接通信できる子機であると判定し、子機C24〜C27をOFDM通信では直接通信できない子機であると判定する。
以上説明した判定部16の処理が完了し、OFDM通信で直接通信できない子機が1つでも存在していた場合、次に選択部17が、まずリピータ子機候補を選択する。具体的には、判定部16によりOFDM通信により直接通信できると判定された子機C21〜C23の中から、通信品質の低い順に所定個の子機をリピータ子機候補として選択する。通信品質の低い順とするのは、親機C0との通信品質が低いほど、直接通信できない子機に近いと考えられるからである。ここでは、所定個を2個とすることにすると、子機C22,C23がリピータ子機候補として選択される。
選択部17は、選択したリピータ子機候補のうちのひとつである子機C22に対して、子機C24〜C27の存在確認を行うよう命令するための命令信号iを送信する(ステップ15)。子機C22の制御部24(図3(b))は、この命令信号iを受信すると、上述した判定部16の処理と同様に、子機C24〜C27に向けて通信品質確認用の信号gを順次第1のOFDM通信により送信し、各子機からの応答信号(信号h又は信号h')をバッファ25に蓄積する(ステップ16〜23)。そして、すべての子機に対する処理が完了したら、バッファ25に蓄積した各応答信号を含む信号jを生成し、親機C0に向けて第1のOFDM通信により送信する(ステップ24)。
選択部17は、選択したリピータ子機候補のうちの他のひとつである子機C23に対しても、子機C22と同様に、子機C24〜C27の存在確認を行わせる(ステップ25〜34)。
選択部17は、各リピータ子機候補C22,C23から受信した信号jに基づき、どちらの子機が、子機C24〜C27との通信状態がより良好であるかを判定する。そして、より良好であると判定した子機を、リピータ子機として選択する。なお、図1の例では、子機C23の方が子機C24〜C27との距離が近いので、子機C23がリピータ子機として選択される。
選択部17がリピータ子機を選択したら、次に切替部18が、リピータ子機C23に対して、リピータとして機能するよう命令するための命令信号kを第1のOFDM通信により送信する(ステップ35)。この命令信号kには、配下のリピータ経由通信子機となる子機C24〜C27を示す情報が含まれる。
リピータ子機C23の制御部24(図3(b))は、この命令信号kを受信すると、自機がリピータ子機となることを記憶し、リピータとしての動作を開始するとともに、配下のリピータ経由通信子機C24〜C27に対して、次からはFモデム22にて当該子機C23からの信号を待機するよう(第2のOFDM通信に切り替えるよう)命令するための命令信号lを送信する。各リピータ経由通信子機C24〜C27の制御部24は、この命令信号lを受信すると、Fモデム22による子機C23からの信号の待機を開始するとともに、所定の応答信号mをリピータ子機C23に対して第2のOFDM通信により返送する(ステップ36〜43)。
リピータ子機C23は、子機C24〜C27のすべてについて応答信号mの受信を完了すると、親機C0に対してネットワーク構築完了通知のための信号nを第1のOFDM通信により送信する(ステップ44)。親機C0は、この信号nを受信することにより子機C23がリピータとして機能し始めたことを認識し、子機C23をリピータとして用いる運用モードを開始する。具体的には、検針データの取得の際、子機C24〜C27には指示データを送らないこととし、子機C24〜C27の検針データはリピータ子機C23から受信する。
以上説明したように、電力線搬送通信システム1によれば、リピータ子機を介して通信を行うリピータ経由通信子機と直接通信する直接通信子機とを、システム構築後に人手を介さずに分類することが可能になる。また、親機C0は、リピータ子機を適切に選択できる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態では各子機はバッファ25を有し、リピータ子機として機能する際には、親機C0や配下のリピータ経由通信子機から受信した情報をバッファ25に蓄積し、後にまとめて送信するようにしているが、このようなまとめ送信を行わないリピータ子機を用いても、背景技術に比べて総通信ステップ数を減らすことは可能である。以下、具体的に説明する。
図10は、リピータ子機が上記まとめ送信を行わないとした場合の、親機C0と各子機との間及び子機間での通信ステップを示す模式図である。
図10に示すように、親機C0は、まず3つのリピータ子機C32,C23,C14を順次宛先として、上述した信号c(指示データを含む信号)を第1のOFDM通信により送信する(ステップ1〜3)。
各リピータ子機C32,C23,C14は、親機C0から信号cを受信すると直ちに、配下のリピータ経由通信子機のうちのひとつを宛先として、信号d(指示データを含む信号)を第2のOFDM通信により送信する(ステップ2〜4)。信号dを受信したリピータ経由通信子機は直ちに検針データを取得し、リピータ子機に向けて信号e(検針データを含む信号)を第2のOFDM通信により返送する(ステップ3〜5)。各リピータ子機C32,C23,C14は、こうして受信した信号eに含まれる検針データを含む信号fを生成し、直ちに親機C0に向けて第1のOFDM通信により送信する(ステップ4〜6)。
親機C0及び各リピータ子機は、以上の処理を、すべてのリピータ経由通信子機の検針データの取得が完了するまで繰り返し行う(リピータ子機C32についてはステップ1〜28。リピータ子機C23についてはステップ2〜24。リピータ子機C14についてはステップ3〜18。)。この例では、リピータ子機C14の配下のリピータ通信子機は3つであるので、ステップ21では親機C0からリピータ子機C14に対する信号cの送信は行われない。そこで、親機C0は、ステップ21を利用して、直接通信子機C11に信号a(指示データを含む信号)を第1のOFDM通信により送信し、ステップ22で、直接通信子機C11から信号b(検針データを含む信号)の返送を受ける。なお、ステップ22ではリピータ子機C32も信号fの送信を行おうとするため信号bと信号fが競合するが、この競合はCSMA/CA方式により調整される。
以下同様に、親機C0は、リピータ経由通信子機の検針データの取得の合間に直接通信子機からの検針データの取得を行う(ステップ26〜27)。また、すべてのリピータ経由通信子機の検針データの取得が終了したら、残る直接通信子機からの検針データの取得を引き続き行う(ステップ29〜42)。結果として、総通信ステップ数は図10に示すように42ステップとなり、図15に示した背景技術の場合(66ステップ)に比べて少ない総通信ステップ数が実現されている。
他にも、上記実施の形態では3つの電力線B1〜B3を用いる電力線搬送通信システム1を例に挙げて説明したが、本発明は、1つの電力線のみを用いる電力線搬送通信システムにおいても、同様な効果を奏する。以下、リピータ子機が上記まとめ送信を行わないとする場合を取り上げて、具体的に説明する。
図11は、図1(a)に示した電力線搬送通信システム1において、電力線B1のみを用いる場合の、親機C0と各子機との間及び子機間での通信ステップを示す模式図である。
図11に示すように、親機C0は、まずリピータ子機C14を宛先として、上述した信号c(指示データを含む信号)を第1のOFDM通信により送信する(ステップ1)。リピータ子機C14は、親機C0から信号cを受信すると直ちに、配下のリピータ経由通信子機のうちのひとつを宛先として、信号d(指示データを含む信号)を第2のOFDM通信により送信する(ステップ2)。信号dを受信したリピータ経由通信子機は直ちに検針データを取得し、リピータ子機C14に向けて信号e(検針データを含む信号)を第2のOFDM通信により返送する(ステップ3)。リピータ子機C14は、こうして受信した信号eに含まれる検針データを含む信号fを生成し、直ちに親機C0に向けて第1のOFDM通信により送信する(ステップ4)。親機C0及びリピータ子機C14は、以上の処理を配下のすべてのリピータ経由通信子機について繰り返す(ステップ1〜12)。
以上の処理が行われている間、親機C0は、直接通信子機C11からの検針データの取得を行う(ステップ2〜3)。
以下同様に、親機C0は、リピータ経由通信子機の検針データの取得の合間に直接通信子機からの検針データの取得を行う(ステップ6〜7,10〜11)。また、すべてのリピータ経由通信子機の検針データの取得が終了したら、残る直接通信子機からの検針データの取得を引き続き行う(ステップ13〜14)。結果として、総通信ステップ数は図10に示すように14ステップとなる。
以上のように、用いる電力線が1本だけであっても、リピータ子機C14がリピータ経由通信子機から検針データを取得する処理と、親機C0が直接通信子機から検針データを取得する処理とを並行して行える。これは、第1及び第2の周波数帯という重複しない2つの周波数帯を用いるからである。結局、総通信ステップ数は、第1及び第2の周波数帯という重複しない2つの周波数帯を用いない場合に比べて削減されている。
1 電力線搬送通信システム
11,21 Fモデム
12,23 同期信号生成器
13,24 制御部
14,25 バッファ
15,26 インターフェイス
16 判定部
17 選択部
18 切替部
22 Fモデム
B1〜B3 電力線
C0 親機
C11〜C17,C21〜C27,C31〜C37 子機

Claims (7)

  1. 親機と、前記親機に接続する電力線とを備え、前記電力線にはそれぞれリピータ機能を内蔵する複数の子機がバス接続される電力線搬送通信システムであって、
    前記親機とOFDM通信により直接通信できる子機は、第1の周波数帯を用いる第1のOFDM通信により前記親機と直接通信し、
    OFDM通信では前記親機と直接通信できない子機は、前記第1の周波数帯とは重複しない第2の周波数帯を用いる第2のOFDM通信により、前記親機とOFDM通信により直接通信できる子機の中から選択されるリピータ子機を介して前記親機と通信することを特徴とする電力線搬送通信システム。
  2. 前記親機に接続し、複数の子機がバス接続された電力線を複数備えることを特徴とする請求項1に記載の電力線搬送通信システム。
  3. 前記リピータ子機は、前記第1のOFDM通信により前記親機から受信した情報を蓄積するとともに、前記第2のOFDM通信により他の子機から受信した情報を蓄積するバッファを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力線搬送通信システム。
  4. 前記親機は、
    前記各子機それぞれについて、OFDM通信により直接通信できるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段がOFDM通信では直接通信できないと判定した子機との通信を、前記リピータ子機を介する通信に切り替える切替手段とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電力線搬送通信システム。
  5. 前記親機は、前記判定手段がOFDM通信により直接通信できると判定した子機の中からリピータ子機を選択する選択手段をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の電力線搬送通信システム。
  6. 親機と接続する電力線にバス接続される子機のひとつとして機能する電力線搬送通信装置であって、
    第1の周波数帯を用いてOFDM通信を行う第1の通信手段と、
    前記第1の周波数帯とは重複しない第2の周波数帯を用いてOFDM通信を行う第2の通信手段とを備え、
    前記第1の通信手段により前記親機とOFDM通信を行うとともに、前記第2の通信手段により他の子機とOFDM通信を行うことにより、前記親機と他の子機との間のOFDM通信を中継するリピータとして機能することを特徴とする電力線搬送通信装置。
  7. 前記第1及び第2の通信手段により受信した情報を蓄積するバッファを備えることを特徴とする請求項6に記載の電力線搬送通信装置。
JP2009010742A 2009-01-21 2009-01-21 電力線搬送通信システム及び電力線搬送通信装置 Pending JP2010171578A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009010742A JP2010171578A (ja) 2009-01-21 2009-01-21 電力線搬送通信システム及び電力線搬送通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009010742A JP2010171578A (ja) 2009-01-21 2009-01-21 電力線搬送通信システム及び電力線搬送通信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010171578A true JP2010171578A (ja) 2010-08-05

Family

ID=42703294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009010742A Pending JP2010171578A (ja) 2009-01-21 2009-01-21 電力線搬送通信システム及び電力線搬送通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010171578A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011041228A (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 Toyo Networks & System Integration Co Ltd 電力線搬送通信システム
CN104993847A (zh) * 2015-07-03 2015-10-21 宋继东 一种动态可重构电力线载波通信组网方法和载波通信模块

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004235879A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Sumitomo Electric Ind Ltd 信号注入抽出装置
JP2007006086A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Kyuki:Kk 電力線搬送通信装置
JP2007028270A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Sumitomo Electric Ind Ltd 電力線通信システム並びにそれに用いる中継装置及び電力線通信用モデム
JP2007143070A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 Sumitomo Electric Ind Ltd 電力線通信システム、中継装置及び電力線通信装置
JP2007288719A (ja) * 2006-04-20 2007-11-01 Mitsubishi Electric Corp 電力線搬送通信システム
WO2008010282A1 (fr) * 2006-07-20 2008-01-24 Mitsubishi Electric Corporation appareil de communication de lignes de distribution
JP2008301268A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Panasonic Electric Works Co Ltd 通信ルートの探索方法およびそれを用いる通信端末

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004235879A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Sumitomo Electric Ind Ltd 信号注入抽出装置
JP2007006086A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Kyuki:Kk 電力線搬送通信装置
JP2007028270A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Sumitomo Electric Ind Ltd 電力線通信システム並びにそれに用いる中継装置及び電力線通信用モデム
JP2007143070A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 Sumitomo Electric Ind Ltd 電力線通信システム、中継装置及び電力線通信装置
JP2007288719A (ja) * 2006-04-20 2007-11-01 Mitsubishi Electric Corp 電力線搬送通信システム
WO2008010282A1 (fr) * 2006-07-20 2008-01-24 Mitsubishi Electric Corporation appareil de communication de lignes de distribution
JP2008301268A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Panasonic Electric Works Co Ltd 通信ルートの探索方法およびそれを用いる通信端末

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011041228A (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 Toyo Networks & System Integration Co Ltd 電力線搬送通信システム
CN104993847A (zh) * 2015-07-03 2015-10-21 宋继东 一种动态可重构电力线载波通信组网方法和载波通信模块
CN104993847B (zh) * 2015-07-03 2017-09-29 新开普电子股份有限公司 一种动态可重构电力线载波通信组网方法和载波通信模块

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9819393B2 (en) Joining process in a powerline communication (PLC) network
KR101218938B1 (ko) 전력선 통신망 브리지
CN111465068B (zh) 一种电力线载波与无线双模融合的通信方法
US20210194541A1 (en) Long preamble and duty cycle based coexistence mechanism for power line communication (plc) networks
de Oliveira et al. Medium access control protocols for power line communication: A survey
JP2011524724A (ja) 共用媒体上のシグナリングプロトコル間での共存の管理
US8902930B2 (en) Hybrid communication networks
JP5482992B2 (ja) 電力線搬送通信システム
US8885505B2 (en) Non-beacon network communications using frequency subbands
JP5286514B2 (ja) 電力線搬送通信システム
CN105392181A (zh) 一种智能设备的联网方法、装置及系统
JP5296581B2 (ja) 電力線搬送通信装置及び電力線搬送通信システム
JP5256426B2 (ja) 電力線搬送通信装置
JP2010171578A (ja) 電力線搬送通信システム及び電力線搬送通信装置
JP2010124394A (ja) 電力線搬送通信装置
JP5156920B2 (ja) 電力線搬送通信装置
CN103023738B (zh) 一种车辆总线网络通讯控制的方法
WO2001089136A1 (fr) Procede et dispositif de communication
KR101002411B1 (ko) 전력선 통신 기반의 홈 네트워크를 위한 자동 주소 할당 방법
JP5212638B2 (ja) 電力線搬送通信システム及び電力線搬送通信装置
CN101473700A (zh) 在复杂网络上传输信息的方法及装置
CN205566666U (zh) 板级基站系统
JP5205605B2 (ja) 電力線搬送通信装置
US9749118B2 (en) Method and apparatus for providing bidirectional communication between segments of a home network
CN108270592A (zh) 一种网络资源配置的管控方法及装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20110916

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20121119

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20121127

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130326