JP2010169989A - プロジェクター装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カラーホイールからの戻り光の量が低減され、その結果、放電ランプの電極における過度の昇温が抑制され、長期間にわたって放電ランプの照度を高く維持することができるプロジェクター装置を提供することにある。
【解決手段】 放電ランプ35aと、複数のセグメントを備えたカラーホイール10とを有するプロジェクター装置において、カラーホイール10は、透光性基板12と、透光性基板の光出射側の表面に形成された各セグメントを区画する複数のカラーフィルター層15を有し、カラーフィルター層の一つは、600〜780nmの波長域の光を透過する特定カラーフィルター層15bであって、この特定カラーフィルター層17bと対向する透光性基板12は、380〜500nmの波長域の光を吸収する特定透過性基板12bであり、これらの組み合わせを特定セグメント17bと規定し、特定セグメント17bを構成する特定透過性基板12bは、380nmの光において厚さ1mmあたりの光吸収率が80%以下であって、厚みTが以下の(式1)を満たしていることを特徴とするプロジェクター装置。 (式1) T≧{−0.68(A/B)+3.10(A/B)−2.45}×C/120° Tは、特定透過性基板の厚み(mm) Aは、特定セグメントにおける放電ランプの入力電力(W) Bは、全てのセグメントにわたる放電ランプの平均入力電力(W) Cは、特定セグメントの占有角度(°)

Description

本発明は、放電ランプからの光を複数のセグメントを備えたカラーホイールを透過することによって、複数の着色光に分光するプロジェクター装置に関するものである。
最近においては、液晶ディスプレイ(LCD)装置やDMDを使用したDLPなどのプロジェクター装置の普及が進み、ビジネスユースに加えてホームシアターユースなどに利用分野が広がっている。このような利用形態の変化に伴い、従来のような単なる明るさ重視から、高い色再現性を求める、いわゆる色味を重視したものが求められている。
このような流れに対応するために、プロジェクター装置のカラーホイールについて種々の改良が行われている。
カラーホイールは、プロジェクター装置において投影される画像の発色手段として従来から広く活用されている技術であって、特に、単板式表示パネルのDLPや、LCDタイプのプロジェクター装置において有用な技術である。
このカラーホイールについて、図1を参照して説明する。このカラーホイール10は、円周方向に複数、例えば4つの略扇状のセグメント17a〜17dに分割された各々に、所望の色の光を透過する波長選択性のカラーフィルター層15a〜15dが形成されてなるものである。各カラーフィルター層15a〜15dは、それぞれ、白色光(W光)を透過するもの、および、光の3原色である赤色光(R光)、緑色光(G光)、青色光(B光)を透過するものとされている。
カラーホイールは、必要に応じて、W光,R光,G光およびB光に加えて例えば補色のシアン色の光(C光)、マゼンダ色の光(M光)、黄色光(Y光)などについてのカラーフィルター層を有する構成とされていてもよい。カラーホイール10における各セグメントの占有角度範囲は、各々の色の光について求められる強度や明るさに従って設定される。
このようなカラーホイール10を高速で回転させ、固定された照射スポット領域Sに光を照射することによって、光を時分割的に分光することができる。
このようなカラーホイール10を発色手段として使用したプロジェクター装置について、図4を参照して説明する。
このプロジェクター装置30は、光源装置35、およびこの光源装置35から照射された可視光L1をW光,R光,G光およびB光のいずれかに時分割させて着色光L2に分光するカラーホイール10を有するものである。このプロジェクター装置30においては、カラーホイール10を透過した着色光L2はロッドレンズ31から断面の照度が均一な等輝度光L3として出射される。そして、インテグレータレンズ32を介して集光光L4となり、集光光L4がDMDなどの表示デバイス33において変調されて形成された映像光L5が投射レンズ34によってスクリーン(図示せず)上に拡大投射される。
このようなプロジェクター装置において、例えば特許文献1には、色バランスの調整のために、光源ランプの照射スポット領域に巡ってきたカラーフィルター層の色種に応じてランプの入力電力の制御をすることが開示されている。
このようなランプの入力電力の制御を行うことによって、プロジェクター装置を例えばホームシアターなどに好適な色再現性の高いものとすることができる。具体的には、通常の時分割による投射画像は、一般に観察者に赤味が少なく感知されるために、R光に係るランプの入力電力を大きくする制御を行うことが有効である。
特開2007−121971号公報
しかしながら、このようなカラーホイールを用いたプロジェクター装置においては、以下のような問題が生じることが判明した。
すなわち、カラーホイールにおいて各カラーフィルター層を透過する特定波長域の光以外の波長域の光は、反射光となって放電ランプに戻される。この戻り光が放電ランプの電極に照射されることにより、当該電極の温度が想定以上に上昇してしまい、その結果、放電ランプの照度低下や短寿命などの不具合が生じる。
上記の問題は、特にB光が戻り光に多く含まれている場合、具体的には、R光に係るランプの入力電力を大きくする制御を行った場合に、顕著に表れる。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、カラーホイールからの戻り光の量が低減され、その結果、放電ランプの電極における過度の昇温が抑制され、放電ランプの照度低下が抑止されると共に、長期間にわたって放電ランプの照度を高く維持することができるので、投射画像において高い色再現性が得られるプロジェクター装置を提供することにある。
請求項1記載のプロジェクター装置は、放電ランプと、回転することによって放電ランプからの光を透過特性に応じた着色光に分光する複数のセグメントを備えたカラーホイールとを有し、放電ランプへの入力電力を変えて各着色光の光出力を変調するプロジェクター装置において、前記カラーホイールは、透光性基板と、当該透光性基板の光出射側の表面に形成された前記各セグメントを区画する複数のカラーフィルター層を有し、前記カラーフィルター層の一つは、600〜780nmの波長域の光を透過する特定カラーフィルター層であって、前記特定カラーフィルター層と対向する透光性基板は、380〜500nmの波長域の光を吸収する特定透過性基板であり、前記複数のセグメントのうち、前記特定カラーフィルター層と前記特定透過性基板との組み合わせからセグメントを、特定セグメントと規定し、前記特定セグメントを構成する前記特定透過性基板は、380nmの光において厚さ1mmあたりの光吸収率が80%以下であって、厚みTが以下の(式1)を満たしていることを特徴とするプロジェクター装置。
(式1)
T≧{−0.68(A/B)+3.10(A/B)−2.45}×C/120°
Tは、特定透過性基板の厚み(mm)
Aは、特定セグメントにおける放電ランプの入力電力(W)
Bは、全てのセグメントにわたる放電ランプの平均入力電力(W)
Cは、特定セグメントの占有角度(°)
請求項2に記載のプロジェクター装置は、請求項1に記載のプロジェクター装置であって、特に、前記特定透過性基板の厚みTが、1mm以下であることを特徴とする。
請求項1記載のプロジェクター装置によれば、カラーホイールには、600〜780nmの波長域の光を透過する特定カラーフィルター層が形成され、この特定カラーフィルター層と対向する透光性基板は、380〜500nmの波長域の光を吸収する特定透過性基板であり、このカラーホイールの複数のセグメントのうち、特定カラーフィルター層と特定透過性基板との組み合わせからセグメントを、特定セグメントと規定する。そして、特定セグメントを構成する特定透過性基板は、380nmの光において厚さ1mmあたりの光吸収率が80%以下であって、厚みTが以下の(式1)を満たすことにより、特定セグメントにおいて、放電ランプへの戻り光の量を低減させることができ、放電ランプの電極における過度の昇温が抑制され、放電ランプの照度低下が抑止されると共に、長期間にわたって放電ランプの照度を高く維持することができるので、投射画像において高い色再現性が得られるプロジェクター装置となる。
(式1)
T≧{−0.68(A/B)+3.10(A/B)−2.45}×C/120°
Tは、特定透過性基板の厚み(mm)
Aは、特定セグメントにおける放電ランプの入力電力(W)
Bは、全てのセグメントにわたる放電ランプの平均入力電力(W)
Cは、特定セグメントの占有角度(°)
さらに、請求項2に記載のプロジェクター装置によれば、特定透過性基板の厚みTが、1mm以下とすることにより、カラーホイールの厚みが厚くなることを防止でき、カラーホイールの配置位置を従来の配置位置と同じにでき、さらには、高速で回転するカラーホイールに偏心がおこらず、最適な回転状態を保つことができるプロジェクター装置となる。
本発明のプロジェクター装置におけるカラーホイールの構成の一例を模式的に示す説明用正面図である。 図1におけるX−X線部分の断面図である。 透光性基板を模式的に示す説明用正面図である。 本発明のプロジェクター装置の説明図である。 本発明のプロジェクター装置のカラーホイールの各セグメンにおける放電ランプの入力電力の関係を説明図である。 特定セグメントの特定透過性基板の厚みと、放電ランプの入力電力との関係において、照度維持率の変化を調べた実験データである。 図6に示す実験結果を基に、A(特定セグメントにおける放電ランプの入力電力)/B(全てのセグメントにわたる放電ランプの平均入力電力)の値と、照度維持率の低下を抑制するための特定透過性基板の厚みT(mm)との関係のグラフである。
図1は、本発明のプロジェクター装置におけるカラーホイールの構成の一例を模式的に示す説明用正面図であり、図2は、図1におけるX−X線部分の断面図であり、図3は、透光性基板を模式的に示す説明用正面図である。
カラーホイール10は、ガラスからなる円盤状の透光性基板12の光出射側の表面に、それぞれ互いに異なる波長域の光を透過するカラーフィルター層15a〜15dが形成されたセグメント17a〜17dを有するものである。
透光性基板12は、4つの略扇状のガラス板12a〜12dからなり、各ガラス板12a〜12dの扇の中心側が透光性基板12の中心に位置する軸19にそれぞれ接続されて支持されている。
なお、この実施例では、透光性基板12は、4つのセグメント17a〜17dに対応するように、4つのガラス板12a〜12dを組み合わせなるものであるが、カラーフィルター層15a、15d、15cに跨って対応するようなガラス板であってもよく、この場合、透光性基板12は、ガラス板12bと他の1つのガラス板からなるものである。
カラーフィルター層15a〜15dは、例えば誘電体多層膜により形成されたものである。
この例のカラーホイール10においては、透光性基板12の光出射側の表面には、各セグメントを区画する4つのカラーフィルター層が形成されており、それぞれ、白色光(W光)、並びに光の3原色である赤色光(R光)、緑色光(G光)および青色(B光)を透過するカラーフィルター層15a〜15dが形成されている。
このようなカラーホイール10は、高速で回転させ、固定されている照射スポット領域Sに光を照射することによって、放電ランプからの光をカラーフィルター層15a〜15dの透過特性に応じた着色光に時分割的に分光するものである。
カラーホイール10においては、カラーフィルター層15bは、600〜780nmの波長域の赤色光(R光)を透過するものであり、このカラーフィルター層15bを特定カラーフィルター層15bと呼ぶ。
この特定カラーフィルター層15bと対向する透光性基板12bは、380〜500nmの波長域の青色光(B光)を吸収するものであり、この透光性基板12bを特定透過性基板12bと呼ぶ。
そして、特定カラーフィルター層15bと特定透過性基板12bとの組み合わせからセグメントを、特定セグメント17bと規定するものである。
図1、図3に示すように、透光性基板12は、4つの略扇状のガラス基板12a〜12dを組み合わせて、1つの円盤状の透光性基板12を形成するものであり、透過性基板12全体に対して、特定透過性基板12bが占める角度は、扇の開き角度であり、本実施例では、120°である。
この特定透過性基板12bの扇の開き角度によって、特定セグメント17bの占有角度(°)を規定するものであり、本実施例では、特定セグメント17bの占有角度は120°である。
同様に、白色光(W光)を透過するセグメント17aの占有角度は60°であり、緑色色光(G光)を透過するセグメント17cの占有角度は60°であり、青色光(B光)を透過するセグメント17dの占有角度は120°である。
このようなカラーホイール10を発色手段として使用したプロジェクター装置について、図4を参照して説明する。
このプロジェクター装置30は、光源装置35の放電ランプ35aから放射された可視光L1を反射鏡35bで反射し、この光源装置35から照射された可視光L1を、カラーホイール10に照射する。カラーホイール10は中央の軸に連結された駆動手段18によって時計方向に例えば60〜120回転/秒回転するより、白色光(W光),赤色光(R光),緑色光(G光)および青色光(B光)のいずれかに可視光L1を時分割させて着色光L2に分光する。
このプロジェクター装置30においては、カラーホイール10を透過した着色光L2はロッドレンズ31から断面の照度が均一な等輝度光L3として出射される。そして、インテグレータレンズ32を介して集光光L4となり、集光光L4がDMDなどの表示デバイス33において変調されて形成された映像光L5が投射レンズ34によってスクリーン(図示せず)上に拡大投射される。
光源装置35について詳細に説明すると、光源装置35は、白色光を発する放電ランプ35aと、光軸を中心とした回転楕円面形状の光反射面を有し、放電ランプ35aからの白色光を反射する凹面反射鏡35bと、必要に応じて放射窓35cとから構成されるものである。
この放電ランプ35aとしては、白色光を発するものであれば特に限定されず、例えば超高圧水銀ランプを用いることができる。超高圧水銀ランプは、発光管部内に例えば一対のタングステン製の電極が対向配置され、水銀およびハロゲンが封入されており、希ガスが必要に応じて適宜に封入されたものである。放電ランプ35aとしては、特に、発光管内に0.16mg/mm以上の水銀が封入されて点灯時の水銀蒸気圧が超高圧となる超高圧水銀ランプを用いることが好ましい。
また、放電ランプ35aとしては、他にも、キセノンアーク放電ランプおよびメタルハライド放電ランプなどを用いることができる。
プロジェクター装置30は、各セグメントを透過した着色光の光出力を変調するために放電ランプへの入力電力を変えるものである。
具体的には、着色光の光出力を大きくするためには、放電ランプへの入力電力を大きくするものであり、着色光の光出力を小さくするためには、放電ランプへの入力電力を小さくするものである。
そして、ホームシアターなどに好適な色再現性の高い映像を得るためには、特定セグメント17bを透過した赤色光(R光)の光出力を高めるために、放電ランプは、特定セグメント17bを照射する時に、他のセグメントを照射する時と比べて、入力電力を大きくするものである。
図5は、各セグメンにおける放電ランプの入力電力の関係を説明図である。
図中、縦軸は放電ランプの入電力であり、横軸は、各セグメントを示すものであり、各セグメントのR、G、B、Wは、Rは着色光が赤色光、Gは着色光が緑色光、Bは着色光が青色光、Wは着色光が白色光を意味するものである。
また、セグメント17aの占有角度は60°、特定セグメント17bの占有角度は120°、セグメント17cの占有角度は60°、セグメント17dの占有角度は120°である。
図5に示すように、着色光が赤色光となる特定セグメント17bに対応する間は、放電ランプの入力電力は最高値である90Wとなっており、着色光が緑色光となるセグメント17cに対応する間は、放電ランプの入力電力は60Wとなっており、着色光が青色光となるセグメント17dに対応する間は、放電ランプの入力電力は30Wとなっており、着色光が白色光となるセグメント17aに対応する間は、放電ランプの入力電力は60Wとなっている。
つまり、特定セグメント17bにおける放電ランプの入力電力をAとすると、Aは90Wとなる。
一方、全てのセグメントにわたる放電ランプの平均入力電力とは、各セグメントの占有角度(°)に、そのセグメントに対応する放電ランプの入力電力を掛けて各セグメントの占有電力を求め、それぞれの占有電力の和を360°で割った値のことであり、この実施では、全てのセグメントにわたる放電ランプの平均入力電力をBとすると、Bは60Wとなっている。
このように、着色光が赤色光(R光)となる特定セグメント17bに対応する間の放電ランプの入力電力を大きくすることにより、赤色光(R光)の着色光の光出力を高めて赤色光(R光)の光出力を他の着色光(G光、B光、W光)の光出力に比べ大きくすることができる。
以下に、透過性基板12について詳細に説明する。
特定セグメント17bを構成する特定透過性基板12bは、600〜780nmの波長域の赤色光(R光)の光は透過し、少なくとも380〜500nmの波長域の青色光(B光)の光を吸収する特性を有するものであり、放電ランプに青色光(B光)が反射光として戻らない構成になっている。
特定透過性基板12bは、赤色やオレンジ色などに着色されたガラス(以下、「色ガラス」ともいう。)などを用いることができる。
色ガラスは、ガラスの成分や火加減、溶融雰囲気、冷却環境などによって異なるが、例えば赤色のものはガラス中に添加物として金、銅、セレンなどを含有させることにより、また、オレンジ色のものは添加物として銀、ニッケル、炭素などを含有させることにより、製造することができる。
特定透過性基板12bは、380nmの光において厚さ1mmあたりの光吸収率が80%以下であって、本実施例では、その光吸収率が80%であり、厚みが0.65mmである。
一方、特定透過性基板12b以外の透光性基板12a、12c、12dは、光源装置35の放電ランプ35aから放射される光を吸収せずに透過させるものであり、例えば白板ガラスが挙げられる。
白板ガラスは、ガラスの成分や火加減、溶融雰囲気、冷却環境などによって異なるが、例えばガラス中に添加物としてカルシウム、錫、フッ素などを含有させることにより、得ることができる。
次に、特定セグメントの特定透過性基板の厚みと、放電ランプの入力電力との関係において、照度維持率の変化を調べる実験を行った。
この実験では、放電ランプの入力電力は、特定セグメントにおける放電ランプの入力電力(W)をAと規定し、全てのセグメントにわたる放電ランプの平均入力電力(W)をBと規定し、A/Bの値と、特定透過性基板の厚みT(mm)との関係において、照度維持率の変化を調べる実験を行った。
照度維持率は、点灯初期の照度を100%として、100時間後の照度を相対的に示すものである。
照度維持率が変化(低下)する原因は、特定セグメントに照射された光のうち、380〜500nmの波長域の青色光(B光)が放電ランプへの戻り光となり、この戻り光が放電ランプの電極に照射されることにより、電極の温度が上昇し、電極が溶融することにより、電極間距離が広がったり、電極からの蒸発物が発光管の内面に付着したりして、放電ランプ自体の照度が低下するものである。
この実験では、特定セグメントの占有角度(°)は120°であり、A/Bの値を1.1から1.7に変化させ、特定透過性基板の厚みを0.15mmから0.85mmに変化させた場合の照度維持率を調べたものであり、照度維持率が90%以上のプロジェクター装置を良好「○」、90%未満のプロジェクター装置を不良「×」として評価した。
結果を図6に示す。
図6より、A/Bの値が大きくなるほど、つまり、特定セグメントを透過した着色光である赤色光(R光)の光出力を高くするほど、380〜500nmの波長域の青色光(B光)を放電ランプへ戻さないようにして照度維持率の低下を抑制するためには、特定透過性基板の厚みTを厚くしなければならないことがわかる。
図7は、図6に示す実験結果を基に、A/Bの値と、照度維持率の低下を抑制するための特定透過性基板の厚みT(mm)との関係をグラフ化したものである。
特定透過性基板の厚みTとは、380〜500nmの波長域の青色光を十分に吸収し、照度維持率が90%未満(図5では「×」)とならないための特定透過性基板の厚みのことである。
図7より、特定透過性基板の厚みTとA/Bの値との関係は以下の式を満たせば、特定透過性基板によって、380〜500nmの波長域の青色光(B光)を良好に吸収して、青色光(B光)を放電ランプへ戻さないようにすることができ、照度維持率の低下を抑制することができる。
(式)
T≧{−0.6(A/B)+3.1(A/B)−2.4}
なお、図7より、特定透過性基板の厚みTとA/Bの値との関係は、近似曲線で、T≧{−0.68(A/B)+3.10(A/B)−2.45}となるが、実験結果の誤差を考慮して、上記の(式)としたものである。
また、上記の式では、特定透過性基板は、380nmの光において厚さ1mmあたりの光吸収率が80%の場合であるが、光吸収率が80%以下の時には、全てのA/Bの値において、特定透過性基板の厚みは厚い方向にシフトするために、380nmの光において厚さ1mmあたりの光吸収率が80%以下の場合であっても、上記の(式)を満たすものである。
また、上記の(式)は、特定セグメントの占有角度が120°の場合であるが、特定セグメントを透過した赤色光(R光)の光出力の調整は、特定セグメントの占有角度を変化させて行うものであり、上記(式)は特定セグメントの占有角度と関係して変化するものである。
つまり、上記の(式)は、特定セグメントの占有角度が120°の場合に成り立つ関係式であるが、特定セグメントを透過した着色光である赤色光(R光)の光出力を変化させるためには、特定セグメントの占有角度を変えるものであり、上記実験に用いた特定セグメントの占有角度120°に対して、変化させた特定セグメントの占有角度C(°)との間には、C(°)/120(°)の比例関係が成り立つものである。
よって、上記(式)は、特定セグメントの占有角度(°)と比例関係にあることから、特定透過性基板の厚みT(mm)と、特定セグメントにおける放電ランプの入力電力A(W)と、全てのセグメントにわたる放電ランプの平均入力電力B(W)と、特定セグメントの占有角度C(°)は、以下の式1を満たすものである。
(式1)
T≧{−0.6(A/B)+3.1(A/B)−2.4}×C/120°
また、上記の(式1)においても、特定透過性基板が、380nmの光において厚さ1mmあたりの光吸収率が80%以下の場合は、全てのA/Bの値において、特定透過性基板の厚みは厚い方向にシフトするために、380nmの光において厚さ1mmあたりの光吸収率が80%以下の場合であっても、上記の(式1)を満たすものである。
この結果、上記(式1)から求められる範囲の厚みを有する特定透過性基板であれば、赤色光(G光)の光出力を大きくするために、放電ランプへの入力電力を上げても、特定セグメントに照射された光のうち、600〜780nmの波長域の赤色光(R光)の光は良好に透過し、380〜500nmの波長域の青色光(B光)は良好に吸収され、青色光(B光)を放電ランプへ戻さないようにすることができ、放電ランプの電極温度の上昇を抑制でき、放電ランプ自体の照度低下を抑制するこができる。
そして、上記(式1)から求められる範囲の厚みを有する特定透過性基板を有するカラーホイールを用いることにより、長期間にわたって放電ランプの照度を高く維持することができるので、投射画像において高い色再現性が得られるプロジェクター装置となる。
さらに、特定透過性基板の厚みが1mm以下とすることにより、カラーホイールの厚みが厚くなることを防止でき、カラーホイールの配置位置を従来の配置位置と同じにでき、さらには、高速で回転するカラーホイールに偏心がおこらず、最適な回転状態を保つことができるプロジェクター装置となる
35a 放電ランプ
10 カラーホイール
12 透光性基板
12a 透光性基板
12b 透光性基板
12c 透光性基板
12d 透光性基板
15a カラーフィルター層
15b カラーフィルター層
15c カラーフィルター層
15d カラーフィルター層
17a セグメント
17b セグメント
17c セグメント
17d セグメント

Claims (2)

  1. 放電ランプと、回転することによって放電ランプからの光を透過特性に応じた着色光に分光する複数のセグメントを備えたカラーホイールとを有し、放電ランプへの入力電力を変えて各着色光の光出力を変調するプロジェクター装置において、
    前記カラーホイールは、透光性基板と、当該透光性基板の光出射側の表面に形成された前記各セグメントを区画する複数のカラーフィルター層を有し、
    前記カラーフィルター層の一つは、600〜780nmの波長域の光を透過する特定カラーフィルター層であって、
    前記特定カラーフィルター層と対向する透光性基板は、380〜500nmの波長域の光を吸収する特定透過性基板であり、
    前記複数のセグメントのうち、前記特定カラーフィルター層と前記特定透過性基板との組み合わせからセグメントを、特定セグメントと規定し、
    前記特定セグメントを構成する前記特定透過性基板は、380nmの光において厚さ1mmあたりの光吸収率が80%以下であって、厚みTが以下の(式1)を満たしていることを特徴とするプロジェクター装置。
    (式1)
    T≧{−0.6(A/B)+3.1(A/B)−2.4}×C/120°
    Tは、特定透過性基板の厚み(mm)
    Aは、特定セグメントにおける放電ランプの入力電力(W)
    Bは、全てのセグメントにわたる放電ランプの平均入力電力(W)
    Cは、特定セグメントの占有角度(°)
  2. 前記特定透過性基板の厚みTが、1mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター装置。
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