JP2010169788A - ディスプレイ用フィルター - Google Patents

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Yasuyuki Ishida
康之 石田
Takashi Mimura
尚 三村
Yoshitake Masuda
嘉丈 増田
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Abstract

【課題】モワレを抑制しつつ、高い輝度と広い視野角を達成し、さらに容易な製造方法にて高いコントラストを有するディスプレイ用フィルターを提供する。
【解決手段】透明基材5の一方の面に複数の凸レンズを有する集光部6が形成され、該透明基材5の他方の面に、前記凸レンズの光軸位置に開口部7を有し、その開口部以外に遮光部8を有する光吸収部9が形成された光線制御部材を含むフィルターであって、前記開口部の形状と凸レンズの形状が異なり、かつ透明基材に対して該光吸収部側9の最外部に粘着部A12を有するディスプレイ用フィルター。
【選択図】図1

Description

本発明はディスプレイの前面に設置し、ディスプレイの性能、特にディスプレイに外光が当たった時のコントラスト低下等による画質の低下を、モワレを発生させることなく防止し、さらに反射防止、電磁波遮蔽、防汚、耐傷、近赤外光遮蔽等の機能を有するディスプレイ用フィルターに関するものである。
近年、薄型で大画面のディスプレイが急速に市場を広げている。薄型、大画面のディスプレイとしては液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションテレビなどがある。さらに次世代のディスプレイとして、有機ELディスプレイ又はFED(Field Emission Display:電界放出ディスプレイ)の研究も進んでいる。いずれのディスプレイも技術の進展はめざましく、それぞれの方式の欠点は年を追うごとに解消されているが、明るい室内でのコントラスト(明所コントラスト)が低いという欠点はプラズマディスプレイにおいて改善の余地が大きい。コントラストは白表示と黒表示の明るさの比で表される。外光が存在しない場合のコントラスト(暗所コントラスト)は自発光型であるプラズマディスプレイ、有機EL、FEDなどのディスプレイが高い。これは発光を停止することにより完全な黒表示が可能なためである。
一方、明所コントラストは液晶ディスプレイの方が高い。ディスプレイ内部にカラーフィルター及び偏光板などの光を吸収する光学部材を備えており、ディスプレイ内部に入射した外光が再度ディスプレイ表面から出射されることはほとんどないためである。プラズマディスプレイや有機EL、FEDでは、一般にディスプレイ内部にカラーフィルターや偏光板はなく、入射した外光がディスプレイ内部に入り込み、内部の電極などで反射されて再度ディスプレイ表面から出射されることにより、完全な黒表示ができないため明所コントラストが低くなる。近年では、外光によるコントラストの低下を抑制するために光吸収部がストライプ状に複数配列された光線制御部材、遮光部とレンズ部を組み合わせた光線制御部材、およびそれを含むディスプレイ用フィルター、またはそれらを使用したディスプレイが提案されている。(特許文献1、2、3)
特開2003−066206号公報 特開2002−116307号公報 特開2006−171712号公報
しかしながら、前述の光線制御部材をディスプレイ用フィルターの外光によるコントラストの低下を抑制する目的で使用する場合には、発光源側からの光透過率の低下による輝度低下が課題であった。また、外光によるコントラストの低下を抑制するにあたっては、プラズマディスプレイ等のディスプレイパネルの持つ広い視野角を可能な限り損なわないことが必要であり、同時にモワレを発生させないことも求められる。さらに、光線制御部材にアスペクト比が2を超えるような高アスペクト比を持つ構造など、その製造において著しく難度の高い成型体を用いることなく製造できることも求められている。なお、ここでいうアスペクト比とは、ディスプレイ用フィルターの各部材に設けられた凹凸構造の深さと幅の比率を示し、特に本発明においては光線制御部材中の凸レンズを有する集光部の凹凸構造の深さと幅の比率を指す。
したがって、本発明の課題は次の3点に集約される。
第一課題は、ディスプレイパネルの輝度を低下させることなく明所でのコントラストを高めることである。
第二課題はディスプレイパネルにモワレを発生させることなく、広い視野角を確保することである。
第三課題は、容易な製造方法にて上記の広視野角、高輝度、高コントラストを達成することである。
これら課題に対して、従来技術では次のような対策を行っている。
特許文献1の提案では、ストライプ状の2枚の光線制御部材をストライプが直交するように組み合わせて明所でのコントラストを高めると共に、発光源側からの出射光の一部を光吸収部表面にて屈折させて、光透過率を高めることを目指しているが、その効果は不十分であり、また視野角が大きく制限されてしまう。さらに高アスペクト比の形状を成型する必要があり、本発明の手法についても着想に至っていない。特許文献2の提案について、本発明者らが確認したところ特許明細書に記載の手法ではコントラストの向上には効果があるが、光透過率に対しては不十分であった。特許文献3の提案について、本発明者らが確認したところ特許明細書に記載の手法ではコントラストの向上には効果があるが、光透過率に対しては不十分であった。
上記課題は、以下に記載する本発明によって達成することができる。
(1)透明基材の一方の面に複数の凸レンズを有する集光部が形成され、該透明基材の他方の面に、前記凸レンズの光軸位置に開口部を有し、その開口部以外に遮光部を有する光吸収部が形成された光線制御部材を含むディスプレイ用フィルターであって、
前記開口部の形状と凸レンズの形状が異なり、
かつ透明基材に対して他方の面側の最外部に粘着部Aを有することを特徴とするディスプレイ用フィルター。
(2)前記開口部の形状が、次の範囲にあることを特徴とする(1)に記載のディスプレイ用フィルター。
1.3≦(X/Y
(ここで、Xは開口部における透明基材面に平行な方向の開口部の最大長さ、Yは開口部における透明基材面に平行でかつXに対して垂直な方向の開口部の長さ、を示す。)
(3)前記凸レンズの形状が、次の範囲にあることを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載のディスプレイ用フィルター。
1.0≦(X/Y)≦1.5
(ここで、Xは凸レンズにおける透明基材面に平行な方向の凸レンズの最大長さ、Yは凸レンズにおける透明基材面に平行でかつXに対して垂直な方向の凸レンズの長さ、を示す。)
(4)前記凸レンズの形状と前記開口部の形状が、次の範囲にあることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載のディスプレイ用フィルター。
1.3≦(X/Y)/(X/Y
(5)透明基材に平行な面における光吸収部の面積100%に占める開口部の面積割合が、40%以上70%以下であることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載のディスプレイ用フィルター。
(6)Xが、40μm以上75μm以下であることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載のディスプレイ用フィルター。
(ここで、Xは凸レンズにおける透明基材面に平行な方向の凸レンズの最大長さ、を示す。)
(7)以下の工程を有することを特徴とする、透明基材の一方の面に複数の凸レンズを有する集光部が形成され、該透明基材の他方の面に、前記凸レンズの光軸位置に開口部を有し、その開口部以外に遮光部を有する光吸収部が形成された光線制御部材を含むディスプレイ用フィルターの製造方法。
工程:フォトリソグラフィーにより光吸収部を形成するに際し、凸レンズの光軸に対して傾斜した成分を含む紫外光を集光部側から露光する工程。
(8)開口部の形状と凸レンズの形状が異なり、透明基材に対して他方の面側の最外部に粘着部Aを有することを特徴とする(7)に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
モワレの発生を抑制しながらも、高い輝度と広い視野角を達成し、さらに容易な製造方法にて高いコントラストを有するディスプレイ用フィルターを提供することができる。
本発明のディスプレイ用フィルターの断面形状の例を示す図である。 本発明のディスプレイ用フィルターの光線制御部材の集光部形状の例を示す図である。 本発明のディスプレイ用フィルターの光線制御部材の光吸収部形状の例を示す図である。 光線制御部材の集光部、光吸収部形状の例を示す図である。 本発明のディスプレイ用フィルターの断面形状の例を示す図である。 本発明のディスプレイ用フィルターの断面形状の例を示す図である。 本発明のディスプレイ用フィルターの断面形状の例を示す図である。 本発明のディスプレイ用フィルターの断面形状の例を示す図である。 本発明のディスプレイ用フィルターの製造方法の例を示す図である。 本発明のディスプレイ用フィルターの製造方法の例を示す図である。 実施例で使用した集光部形成用のモールドの形状を示す図である。 本発明で使用した露光方法の概念図である。 比較例のディスプレイ用フィルターの断面形状を示す図である。 本発明のディスプレイ用フィルターの断面形状を示す図である。 比較例のディスプレイ用フィルターの断面形状を示す図である。 比較例のディスプレイ用フィルターの光線制御部材の集光部、光吸収部形状を示す図である。 比較例のディスプレイ用フィルターの断面形状を示す図である。 比較例のディスプレイ用フィルターの断面形状を示す図である。 比較例のディスプレイ用フィルターの光線制御部材の表面形状を示す図である。 比較例のディスプレイ用フィルターの光線制御部材の断面形状を示す図である。 比較例のディスプレイ用フィルターの断面形状を示す図である。
初めに具体的な形態を説明する前に、本発明のメカニズムについて説明する。まず、公知技術に関して、前述の第一から第三課題が達成できない理由を考察する。
特許文献1の光線制御部材は光線透過方向に沿って厚い光吸収部を設けることにより、視認側からある角度を持って入射した光線(外光)が光透過部を通過する前に光吸収部に入射するか、光線制御部材表面に入射するとき、光吸収部に入ることによって吸収されることよるものと考えられる。
一方で、プラズマパネルディスプレイなどの表示パネルから出射する光は、その光量分布(発光パターン)がほぼ一様なランベルト分布となって放射状に出射される。特許文献1の光線制御部材は発光源からの光の透過方向に沿って光吸収部が存在すると、発光源から光線制御部材に入射可能な光の入射角が制限されるため大幅なロスが生じ、同時に視認側の視野角も制限を受ける。
そのため、明所でのコントラストを高めようとすると、光透過率の低下と視野角の縮小が発生し、前述の第一、第二の課題を達成することができない。さらに、光の透過方向に沿って光吸収部を設ける必要があることから、アスペクト比の高い成型体を必要とするため、第三の課題も達成することができない。
特許文献2、特許文献3にて、視認側から入射する外光を遮蔽する光線制御機能を発現する原理は、発光源側に集光部としてレンズを用い、そのレンズにより集光することにより光路を狭め、光路を狭めた部分以外のところに光吸収部を設けることによって、外光の吸収と発光源からの光透過を両立しようとするものである。
確かにこの構造は、発光源側からの入射光がほぼ平行な(入射光の進行方向が光線制御部材の法線方向とほぼ等しい)場合には、良好に光を集束でき、高い光透過率を得ると共に、光吸収部により外光を遮蔽することができる。
しかしながら、前述のようにプラズマパネルディスプレイなどの発光源から出射する光は、その光量分布(発光パターン)がほぼ一様なランベルト分布となっているため、このような放射状の光を良好に集光することが困難である。
よって、特許文献2、特許文献3の技術では、発光源側から光線制御部材に入射される光の多くは、光吸収層で吸収されるか、レンズ表面で散乱されることになり、光線制御部材からの出射光量が低下し、その結果光線制御部材の透過率が低くなり、第一の課題を達成することができない。以上の結果、公知技術では第一から第三課題のすべてを達成することはできない。
次に、本発明が前述の第一から第三課題を解決可能な理由を述べる。本発明ではプラズマパネルディスプレイなどの表示パネルから出射する光の特性、すなわち放射光状の光に適合させるため、視認側に凸レンズを有する集光部を設けることにより、視認側正面方向の輝度を高め、発光源側を平坦にして広い入射角を得た。
次いで透明基材に対して、凸レンズを有する集光部の反対面に、凸レンズの光軸位置と中心が一致した凸レンズと異なる形状の開口部を形成し、その開口部以外に遮光部を有する光吸収部を形成することにより、広い視野角の確保、モワレ、ギラツキを抑制しながら外光を遮蔽することを達成した(ここで光吸収部とは、開口部と遮光部を合わせた部分を意味する。)。
さらに光吸収部をなす開口部を扁平な形状に、集光部をなす凸レンズを特定の大きさの範囲で等方形に近い形状にすることにより、その効果をより高めることができた。これらにより前述の第一、第二課題を達成した。
また、本発明では公知技術の光線制御部材に比べてアスペクト比の低い凸レンズを有する集光部を使用することができるため、モールドの制作、ならびに成型体の制作を容易にすることができ、前述の第三課題を達成した。
本発明のディスプレイ用フィルターは、透明基材の一方の面に複数の凸レンズを有する集光部が形成され、該透明基材の他方の面に、前記凸レンズの光軸位置に開口部を有し、その開口部以外に遮光部を有する光吸収部が形成された光線制御部材を含むディスプレイ用フィルターであって、前記開口部の形状と凸レンズの形状が異なり、かつ透明基材に対して他方の面側の最外部に粘着部Aを有することを特徴とする。以下、本発明の実施の形態について具体的に述べる。図1は本発明のディスプレイ用フィルターの1例である。従って、必ずしもこれに限定されない。図1はディスプレイ用フィルター1がディスプレイパネルのガラス15に貼り付けられている状態を示す。断面図中では、上方が視認側(光線制御部材中の透明基材に対して集光部側から見る)、下方が発光源側(光線制御部材中の透明基材に対して粘着部A側から見る)に設置されることを示す。これはディスプレイ用フィルターの光線制御部材中の透明基材に対して、光吸収部側の最外部に配置される粘着部Aが、ディスプレイパネルに設置されるので、光線制御部材中の透明基材に対して集光部側が視認側、光線制御部材中の透明基材に対して粘着部A側が発光源側となるのである。
ここでディスプレイ用フィルターとは、プラズマパネルディスプレイ等のディスプレイのガラス表面、もしくはその前面に空間を持って設置されたガラス表面に貼り付けられ、電磁波遮蔽、近赤外光遮蔽、色相調整、反射防止、防汚、耐傷、帯電防止、さらに明所コントラスト向上、視野角制御等の機能を有するフィルターを指す。また光線制御部材とは、このディスプレイ用フィルターに含まれ、明所コントラスト向上と視野角制御の機能をもつ部材を指す。
図1にて、光線制御部材3は、反射防止層13を有する反射防止部材2と電気導電部14を有する電磁波遮蔽部材4の中間に位置している。本発明のディスプレイ用フィルターに用いられる光線制御部材3は、透明基材5の一方の面に複数の凸レンズ状の集光部6が形成され、他方の面に前記凸レンズの光軸位置に開口部7を有し、それ以外の部分に遮光部8を有する光吸収部9が形成されている。光線制御部材3は、集光部6を視認側に、光吸収部9を発光源側に向けて、粘着部11を介して反射防止部材2と電磁波遮蔽部材4と接合している。さらに、本発明のディスプレイ用フィルターは、光線制御部材中の透明基材に対して光吸収部を有する側の最外部に粘着部Aを有し、該粘着部A12を介して、ディスプレイパネルのガラス15を接合している。
ここで凸レンズとは、正の焦点距離をもつレンズであり、片凸、両凸の種類があるが、製造適性の観点から、片凸レンズが好ましい。さらに、その形状には球面、または双曲線面、楕円面、正弦曲線面などの非球面などがあるが、そのいずれでも良く、凸レンズの成型の観点から好ましくは球面、または楕円面である。また、凸部を設けずに材料内屈折率分布を設けることにより形成された平面レンズであり、正の焦点距離を示す凸レンズも、本発明のディスプレイ用フィルターにおける凸レンズとして使用することが可能である。
図2は図1に示した本発明のディスプレイ用フィルター中の光線制御部材3の集光部6を、図1中の観察方向1から見た模式図であり、複数の凸レンズ16が平面充填された集光部6が形成されている。ここで、平面充填とは充填操作の一種で平面内を多角形などで隙間なく敷き詰める操作を指す。凸レンズと凸レンズの間には若干の隙間を設けることもできるが、発光源側からの光透過率を確保する観点から、集光部が存在する面の透明基材の面積に対して、凸レンズの占める割合(凸レンズを透明基材に垂直に投影した場合の、透明基材上の投影面積の割合)が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。レンズ間に隙間を設けない事が可能であれば、100%とすることも可能である。
集光部を構成する凸レンズの大きさは、輝度を高める観点からは大きいほど好ましく、一方、モワレの観点からは小さいほど好ましい。そのため、透明基材面に平行な方向での個々の凸レンズの最大長さは、40μm以上であることが望ましく、45μm以上であることがより望ましい。また、75μm以下であることが望ましく、70μm以下であることがより望ましい。
透明基材面に平行な面に投影した場合の個々の凸レンズの形状は、視野角の観点から正多角形、もしくは正多角形をやや扁平にした形状が好ましく、次の範囲が望ましい。
1.0≦(X/Y)≦1.5
ここで、Xは凸レンズにおける透明基材面に平行な方向での凸レンズの最大長さ、Yは凸レンズにおける透明基材面に平行でかつXに対して垂直な方向の凸レンズの長さを示す。
また、本発明のディスプレイ用フィルターは、ディスプレイパネル設置時には、Xの方向が水平方向になる向きに貼り付けて使用することが望ましい。Xは凸レンズの最大長さであるので、(X/Y)の最小値は1になる。また、(X/Y)が1.5よりも大きい場合には、モワレが発生しやすくなることがある。
集光部6は、発光源側から光線制御部材に入る入射光を効率よく視認側に導き、かつ面内のコントラストを均一にし、さらに画面表面に発生する周期的なムラ、模様を低減するため、発光源側に形成される開口部の大きさを均一にしておくことが好ましい。そして本発明のディスプレイ用フィルターの光線制御部材は、凸レンズの光軸位置に開口部を有するため、集光部6に形成される複数の凸レンズ16の形状は単一形状であることが好ましい。ここでいう単一形状とは、同じ寸法を持つ1種類の多角形(同一の多角形)であることを指す。
図3は、図1に示した本発明のディスプレイ用フィルター中の光吸収部9を図1中の観察方向2から見た模式図である。凸レンズを有する集光部が形成された面と反対の透明基材の面であり、該凸レンズの光軸位置に、図2の凸レンズと異なる形状の開口部7が形成され、それ以外の部分に遮光部8が形成されている。
ここでいう「異なる形状」とは、凸レンズの形状と開口部の形状が同一でもなく、相似でもないことを指し、平行移動、原点を中心とする鏡映、原点を中心とする回転、および、原点を中心とする拡大および縮小を有限回組合せることにより、一致することができない形状であることを意味する(つまり、例えば正三角形と二等辺三角形、長方形と台形は、本発明でいう異なる形状である。一方で、正三角形同士で大きさが異なる場合は、本発明でいう異なる形状に該当しない。)
なお開口部の形状とは、開口部を透明基材面に投影した場合の形状を意味し、つまり図1の観察方向1から見た、図2などを意味する。また凸レンズの形状とは、凸レンズを透明基材面に平行な面に投影した場合の凸レンズの形状を意味し、つまり図1の観察方向2から見た、図3などを意味する。
また、ここでいう光軸とは凸レンズを通過する光束の代表となる仮想的な光線であり、凸レンズの回転対称軸を指す。
遮光部の光学濃度には好ましい範囲があり、1.0以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。光学濃度は高い分には問題ないが、実現上は3程度が上限である。光学濃度が1.0よりも低いと、外光の遮蔽が不十分になりコントラスト比が低下する。ここで、光学濃度とは反射濃度、または反射絶対濃度を指す。これは、光のエネルギーの物体内外での伝達において、出射と入射の光束の比率を無次元数であらわしたもので、次の式で表される。
D=−log10R、 R=(I’/I)
D:反射絶対濃度、R:反射率 I:入射光の強度、I’:反射光の強度
本発明では、JIS B9622:2000の反射光学濃度測定に基づく光学系で測定を行ったものを指す。
開口部の形状には望ましい範囲があり、次の範囲が望ましい。
1.3≦(X/Y
ここで、Xは開口部における透明基材面に平行な方向の開口部の最大長さ、Yは開口部における透明基材面に平行でXに対して垂直な方向の開口部の長さを示す。(X/Y)が1.3よりも小さいと視野角が縮小することがある。
さらに、開口部の形状は次の範囲がより望ましい。
1.3≦(X/Y)≦5
(X/Y)が5よりも大きいとモワレの悪化、垂直方向視野角の縮小、輝度の低下が発生することがある。
凸レンズの形状と開口部の形状の組み合わせには望ましい範囲があり、次の範囲が望ましい。
1.3≦(X/Y)/(X/Y
ここで、Xは凸レンズにおける透明基材面に平行な方向の凸レンズの最大長さ、Yは凸レンズにおける透明基材面に平行でXに対して垂直な方向の凸レンズの長さ、Xは開口部における透明基材面に平行な方向の開口部の最大長さ、Yは開口部における透明基材面に平行でXに対して垂直な方向の開口部の長さを示す。
(X/Y)/(X/Y)が1.3よりも小さいと視野角が縮小することがある。
さらに、凸レンズの形状と開口部の形状の組み合わせは次の範囲がより望ましい。
1.3≦(X/Y)/(X/Y)≦2.5
(X/Y)/(X/Y)の値が、2.5よりも大きいとモワレが悪化することがある。
また、光吸収部に占める遮光部と開口部の面積比には好ましい範囲があり、前記光線制御部材の透明基材に対して粘着部A側から見た透明基材に平行な面における光吸収部の面積100%に占める開口部の面積割合が、40%以上70%以下が好ましく、45%以上65%以下がより好ましい。開口部の面積割合(以下、開口率という)が40%よりも低くなると、コントラスト比は向上するが輝度が低下し、開口率が70%よりも高くなると、輝度は向上するが、コントラスト比は低下する。
図4は本発明のディスプレイ用フィルター中の集光部6と、光吸収部9の他の例を示す。集光部の凸レンズ、および光吸収部の開口部の形状は図4のようなひし形でもよく、好ましくは凸レンズと開口部が同種の多角形であり、より好ましくは開口部の形状が凸レンズの形状に対して、特定方向に引き伸ばされた形状である。また多角形としては、モワレと平面充填の観点から、六角形がより好ましい。
図5は本発明のディスプレイ用フィルターの他の例の断面図である。光線制御部材3の集光部6側と反射防止部材2の反射防止層13の反対面の間に設けられる粘着部B10は、特定の屈折率をもち、さらに粘着性、近赤外光遮蔽機能、色相調節機能を有してもよい。特定の屈折率とは、式1の範囲が好ましく、式2の範囲がより好ましい。ここでnは集光部形成材料の屈折率、nは粘着部Bの25℃の屈折率を示す。屈折率範囲がこの範囲よりも小さい場合には、視野角が縮小し、大きい場合には、輝度が低下する。
0.66<n/n<0.94 式1
0.85<n/n<0.90 式2
図6は本発明のディスプレイ用フィルターの他の例の断面図である。光線制御部材3は光吸収部9側をディスプレイパネルのガラス15上に粘着部A12を介して設置され、光線制御部材3の集光部6と電磁波遮蔽部材4の電気導電部14の反対面が粘着部B10を介して接合し、電磁波遮蔽部材4の電気導電部14を有する面と反射防止部材2の反射防止層13の反対面と粘着部11を介して接合している。
図7は、本発明のディスプレイ用フィルターの他の例の断面図である。本例では光線制御部材と電磁波遮蔽部材を貼り合わせるのではなく、光線制御部材6の光吸収部の遮光部に電気導電性を持たせ電気導電部とする、もしくは光吸収部の遮光部の発光源側に電気導電部14を設けることにより、電磁波遮蔽機能を有することもできる。
図8は、本発明のディスプレイ用フィルターの他の例の断面図である。本例では光線制御部材に電磁波遮蔽部材を貼り合わせるのではなく、光線制御部材の透明基材上に電気導電部14を設け、該電気導電部14上に集光部6を設けることで、電磁波遮蔽部材と光線制御部材の機能を統合したものであり、他の構成は図5と同じである。
以下発明を要素毎に説明する。
(1)光線制御部材の集光部
光線制御部材を構成する集光部は、光線制御部材をなす透明基材の一方の面に以下に示す材料による成型体として形成される。この集光部は、複数の凸レンズを有し、複数の凸レンズのみで構成されてもよいし、凸レンズと凸レンズの間に隙間を有していてもよい。なお凸レンズ間に隙間を有する場合は、該隙間も凸レンズと同様の樹脂で構成されることが好ましい。
光線制御部材の凸レンズや隙間などで構成される集光部には、紫外線や電子線等の電離放射線で硬化する樹脂、オリゴマー、モノマーおよびこれらの混合体、または熱硬化性組成物等の硬化性樹脂を用いることができる。特に電離放射線硬化組成物は、硬化速度が早く生産性に優れ、かつ光線制御部材を被覆する場合の塗布組成物およびそれに使用する溶剤などに対する耐久性に優れるので好ましい。電離放射線硬化組成物としては、例えば、電離放射線硬化性の樹脂、オリゴマー、モノマー、及びこれらの混合体を含むことができ、上記の樹脂、オリゴマー、モノマーとしては、分子内にエチレン性不飽和二重結合を有するものが好ましい。電離放射線硬化組成物として好ましく用いられる、上記の分子内にエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、具体的には1〜3個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、4個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物などを挙げることができるが、成型体の精度、耐傷性などを考慮すると多官能アクリレートを用いるのが好ましい。
このような多官能アクリレートとしては、1分子中に3(より好ましくは4、更に好ましくは5)個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体もしくはオリゴマー、プレポリマーが好ましく用いられる(但し、本明細書において「・・・(メタ)アクリ・・・」とは、「・・・アクリ・・・又は・・・メタアクリ・・・」を略して表示したものである)。このような化合物としては、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの前記水酸基が、3個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化物となっている化合物などを挙げることができる。
具体的な例としてはペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどを用いることができる。これらは、1種または2種以上を混合して使用することができる。これらの1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体、オリゴマー、プレポリマーの使用割合は集光部形成材料に対して50〜90質量%が好ましく、より好ましくは50〜80質量%である。
集光部形成材料としては、上記化合物以外に、剛直性を緩和させたり、硬化時の収縮を緩和させたり、塗液の粘度を調整する目的で、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体を併用するのが好ましい。1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、ラジカル重合性のある通常の単量体ならば特に限定されずに使用することができる。1分子中に2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、下記(a)〜(f)の(メタ)アクリレート等を用いることができる。
すなわち、
(a)炭素数2〜12のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなど、
(b)ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリレート酸ジエステル類:ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど、
(c)多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートなど、
(d)ビスフェノールAあるいはビスフェノールAの水素化物のエチレンオキシド及びプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類:2,2’−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)プロパンなど、
(e)ジイソシアネート化合物と2個以上のアルコール性水酸基含有化合物を予め反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物に、更にアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート類など、および、
(f)分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物にアクリル酸又はメタクリル酸を反応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート類など。
分子内に1個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−及びi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、sec−、およびt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドンなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上混合して使用してもよい。
これらの1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合は、集光部形成材料に対して10〜40質量%が好ましく、より好ましくは20〜40質量%である。
集光部形成材料に好ましく用いられる電離放射線硬化組成物を硬化するために用いる電離放射線としては、例えば紫外線を用いる場合などは、電離放射線硬化組成物に光重合開始剤を含有させるのが好ましい。
光重合開始剤は、ラジカル種を発生するものから選んで用いられる。光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロペンアミニウムクロリド一水塩、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2ーヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、メチルフェニルグリオキシエステル、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)、ジフェニルスルフィド誘導体、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−ベンゾイル−4−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジルメトキシエチルアセタール、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ナフタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせなどが挙げられる。
本発明では、これらの光重合開始剤を1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、溶媒を除いた有機成分全量中、好ましくは0.05〜20質量%、さらに好ましくは、0.1〜20質量%である。光重合開始剤の添加量をこの範囲内とすることにより、良好な光感度を得ることができる。光重合開始剤と共に増感剤を使用し、感度を向上させたり、反応に有効な波長範囲を拡大したりすることができる。
増感剤の具体例としては、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニルビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤を添加する場合、その添加量は溶媒を除いた有機成分全量中、好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.1〜20質量%である。増感剤の添加量をこの範囲内とすることにより、露光部の残存率を保ちつつ良好な光感度を得ることができる。
また、集光部形成材料には、改質剤を含有させることができる。改質剤として、塗布性改良剤、消泡剤、増粘剤、帯電防止剤、無機系粒子、有機系粒子、有機系潤滑剤、有機高分子化合物、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料、屈折率調節剤あるいは安定剤などを用いることができ、これらは活性線または熱による反応を損なわない範囲内で構成する塗布層の組成物成分として使用され、用途に応じて特性を改良することができる。
本発明の集光部形成材料として、市販されている多官能アクリル系硬化塗料を用いることができる。かかる硬化塗料としては三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC”シリーズなど)、東亞合成化学工業株式会社;(商品名“アロニックス”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(商品名“ブレンマー”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズ、“ライトアクリレート”シリーズなど)、JSR株式会社;(商品名“デソライト”シリーズ)などの製品を利用することができる。
(2)光線制御部材の光吸収部
本発明の光吸収部は、開口部と遮光部を形成することにより作られる。この遮光部の形成方法としては光硬化性粘着剤とトナー、転写フィルムを使用した方法や、光可溶化型の感光剤を使用した方法を用いることができるが、特に光可溶化型の感光剤を使用した方法は、形状のコントロールや微細な構造の形成に優れるので好ましい。遮光部を光可溶化型の感光剤を使用して製作する方法には、光可溶化型の感光剤に遮光材料を添加して作成する方法と、非遮光層と遮光層の2層から形成する方法の2通りがあるが、遮光部の形状、および遮光部の光学濃度の観点から、後者が好ましい。以下、遮光部を非遮光層と遮光層の2層から形成する方法について述べる。
非遮光層は光透過性の樹脂層であり、光可溶化型の感光剤(樹脂成分)を使用できる。光可溶化型の感光剤としては主成分となる高分子とその高分子の溶媒に対する溶解性を抑制する作用を有し、さらに光を照射することにより溶解抑制効果を消失する物質との混合物または両者の結合体を用いることができる。例えば、o−ナフトキノンジアジドとアルカリ可溶性樹脂との混合物および両者をエステル結合したものは光可溶化型の感光剤として用いることができる。中でも、アルカリ可溶性樹脂としてフェノールノボラック樹脂を用いた系は上記の目的に非常に適している。この他、ジアゾメルドラム酸とフェノールノボラック樹脂の混合物、ジアゾメドンとポリビニルフェノールとの混合物、o−ニトロベンジルカルボン酸エステルとアクリル酸−メチルメタクリレート共重合体との混合物、およびポリo−ニトロベンジルメタクリレート等が適している。また、感光性ポリイミドのうち、光可溶性ポリイミドとしては、ポリアミド酸に光分解性の感光基をエステル結合で導入したもの(例えば特開平1−61747号公報)、ポリアミド酸にナフトキノンジアジド化合物を添加したもの(例えば高分子学会予稿集40巻 3号 821(1991))などがあげられる。
遮光層としては、樹脂中に黒色着色材料を分散または樹脂自身を染料により染色した薄膜が使用できる。樹脂中に分散される黒色着色料としては光吸収能の高いカーボン粉や、Ti、Cr、Niなど金属酸化物の微粒子、R、G、B各色の顔料を混合して全体として広い波長域を遮光できるように調合したものなどが使用できる。また、黒色染料を樹脂中に分散したものも使用できる。
遮光層中に含まれる樹脂としては特に限定されないが、好ましくは200℃以上でも軟化することのないアクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、および耐熱性樹脂として知られるポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂などが適している。アクリル樹脂としては、例えば樹脂成分としてポリエステル、エポキシ、ポリウレタン、アルキッド樹脂、スピラン樹脂、シリコーン樹脂等の低分子量ポリマーまたはオリゴマーにアクリル酸、メタクリル酸またはそのエステル基を導入したいわゆるプレポリマーに、架橋剤として単分子中に2つ以上アクリル酸基、メタクリル酸基またはそのエステル基を有する多官能反応物を添加する系等があげられる。この場合、必要に応じて反応開始剤として熱または光によってラジカルを発生するラジカル発生剤を添加することは有効である。メラミン樹脂としてはフェノール樹脂、アルキッド樹脂等OH基を有するポリマーに架橋剤としてメチロール化メラミンを添加し、また、開始剤として光または熱による酸発生剤を加えた系も有効である。
遮光層の厚さは、0.3〜30μmであることが好ましく、塗布性、パターン解像度、光学濃度などから最適値を決めることができる。樹脂の他、必要に応じて、分散剤、チクソトロピー性付与剤、消泡剤、レベリング剤、希釈剤、可塑化剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、カップリング剤、充填剤、導電性粒子、撥液性付与材料などの添加剤を配合しても良い。
次に開口部の形成方法について述べる。開口部は、上述のようにして形成した遮光部に対して、集光部側から適宜露光、現像処理することにより集光部の光軸位置に形成する。露光、現像処理の方法については、後述の製造方法の項に詳細を記載する。
(3)透明基材
光線制御部材中など、本発明のディスプレイ用フィルター中には1枚若しくは複数枚の透明基材が使用されるが、これらの透明基材としてプラスチックフィルムが用いられる。かかるプラスチックフィルムとしては特に限定されず、ポリエステル、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ポリアミド、トリアセチルセルロース、アクリル、ポリウレタンなどから構成されるプラスチックフィルムを好ましく用いることができるが、特にポリエステルフィルムが好ましい。ポリエステルフィルムのポリエステルとしては特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリプロピレンナフタレートなどが挙げられ、これらの2種以上が混合されたものであってもよい。また、これらと他のジカルボン酸成分やジオール成分が共重合されたポリエステルであってもよいが、この場合は、結晶配向が完了したフィルムにおいて、その結晶化度が好ましくは25%以上60%以下、より好ましくは30%以上60%以下、更に好ましくは35%以上55%以下のプラスチックフィルムであることが好ましい。結晶化度が25%未満の場合には、寸法安定性や機械的強度が不十分となりやすく、60%を超えると柔軟性が不足して取り扱いに難がある。なお結晶化度は、密度勾配法(JIS−K7112(1980))により得ることができる。
また、プラスチックフィルムとして、上述したポリエステルを使用する場合には、その極限粘度(JIS K7367−5(2000)に従い、25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gである。また、本発明で用いられるプラスチックフィルムは、2層以上の積層構造の複合体フィルムであっても良い。複合体フィルムとしては、例えば、内層部に実質的に粒子を含有せず、表層部に粒子を含有させた層を設けた複合体フィルムを挙げることができ、内層部と表層部が化学的に異種のポリマーであっても同種のポリマーであっても良い。本発明の目的用途であるディスプレイ用に用いる場合には、プラスチックフィルム中には粒子などを含有しない方が、内部散乱などがなく透明性などの光学特性の点から好ましい。プラスチックフィルムの厚みは、特に限定するものでは無いが機械的強度やハンドリング性などの点から、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜300μm、特に好ましくは50〜200μmである。
プラスチックフィルム中には本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤や樹脂組成物、架橋剤などを含有しても良い。例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機、無機の粒子(例えば例えばシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、金属微粉末など)、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、ワックス組成物、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メチロール化、アルキロール化された尿素系架橋剤、アクリルアミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを挙げることができる。
本発明の透明基材として用いられるプラスチックフィルムは、前述した集光部、光吸収部、後述する光学機能層、電気導電部、近赤外線遮蔽層との密着性(接着強度)を強化するための下引き層(プライマー層)を設けておくのが好ましい。下引き層はプラスチックフィルムの製膜中に塗布するインラインコーティング法によるのが経済性の点から好ましく、ポリエステル共重合体、アクリル共重合体、各種ウレタン、メラミン、ポリアミド、エポキシなどから選択することができ、これらに架橋剤などを添加して接着性向上や耐溶剤性向上などの特性を賦与することができる。特に本発明のディスプレイ用フィルターをプラズマディスプレイ用として使用する場合には、色補正や近赤外カット機能を有する染料を用いるためにプラスチックフィルムには紫外線カット機能を有するのが好ましく、紫外線吸収剤を含有させるのが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えばサリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、およびベンゾオキサジノン系化合物、環状イミノエステル系化合物、トリアジン系化合物などを好ましく例示することができるが、380nm〜390nmでの紫外線カット性、色相などの点からベンゾオキサジノン系化合物が最も好ましい。これらの化合物は1種で用いても良いし、2種以上併用しても良い。またHALS(ヒンダードアミン系光安定剤)や酸化防止剤などの安定剤の併用はより好ましい。
紫外線吸収剤として好ましい材料であるベンゾオキサジノン系化合物の例としては、2−p−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(p−ベイゾイルフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−2´−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2´−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などを例示することができる。これら紫外線吸収剤として働く化合物の含有量は、プラスチックフィルム中に0.5〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜5質量%含有させるのが好ましい。
また、本発明のディスプレイ用フィルターに更に優れた耐光性を付与するため、プラスチックフィルム中には紫外線吸収剤とともにシアノアクリレート系4量体化合物を併用することが好ましい。シアノアクリレート系4量体化合物はプラスチックフィルム中に0.05〜2質量%含有させることが好ましい。シアノアクリレート系4量体化合物とは、シアノアクリレートの4量体を基本とする化合物であり、例えば1,3−ビス(2´シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイルオキシ)−2、2−ビス−(2´シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイルオキシメチルプロパン)などを例示することができる。シアノアクリレート系4量体化合物と紫外線吸収剤を併用する場合には、前述の紫外線吸収剤はプラスチックフィルム中に0.3〜3質量%含有せしめるのが好適である。上記の紫外線吸収剤添加による本発明のディスプレイ用フィルターに用いるプラスチックフィルムは、波長380nmでの透過率が5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下であり、これにより本発明のディスプレイ用フィルターを特にプラズマディスプレイ用部材に適用した場合、紫外線からプラスチックフィルムや染料色素などを保護することができる。
(4)粘着部
本発明のディスプレイ用フィルターは、透明基材に対して該光吸収部側の最外部に粘着部Aを有し、また、ディスプレイ用フィルター中の光線制御部材、反射防止部材、電磁波遮蔽部材などの接合時に、必要に応じてさらに粘着部を設けることができる。
粘着部Aなどの粘着部には、近赤外線遮蔽機能、色相調整機能、屈折率調節機能、可視光透過率調整機能を付与することができる。粘着部には、種々の接着材あるいは粘着材を用いることができる。粘着材としては、アクリル、シリコーン、ウレタン、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニルなどが挙げられる。接着材としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1、2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプチル−1、3−ブタジエン、ポリ−1、3−ブタジエンなどの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシルエーテルなどのポリエーテル類、ポリビニルアセテート 、ポリビニルプロピオネートなどのポリエステル類、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂などが挙げられる。
ディスプレイ用フィルターをディスプレイに貼り付けるための粘着部Aに、ディスプレイを衝撃から保護するための衝撃緩和機能を付与することは好ましい態様である。粘着部Aに衝撃緩和機能を付与するには、粘着部Aの厚みを50μm以上にすることが好ましく、100μm以上にすることが好ましい。上限の厚みは、粘着部Aのコーティング適性を考慮して2000μm以下が好ましい。
近赤外線遮蔽機能は、波長800〜1100nmの範囲における光線透過率の最大値が15%以下となるように調整するのが好ましい。近赤外線遮蔽機能は、プラスチックフィルムに近赤外線吸収色素や顔料を混練することによって付与してもよいし、近赤外線遮蔽層を新たに設けてもよい。あるいは、粘着部に近赤外線遮蔽機能を持たせてもよい。近赤外線遮蔽機能は、近赤外線吸収色素や顔料を用いることによって、あるいは導電性薄膜のような金属の自由電子によって近赤外線を反射する層を設けることによって付与することができる。本発明においては、近赤外線吸収色素や顔料を樹脂バインダー中に分散もしくは溶解した塗料を塗布乾燥して形成した近赤外線遮蔽層を用いること、あるいは粘着部に上記近赤外線吸収色素や顔料を含有させる態様が好ましく用いられる。近赤外線吸収色素としては、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ジチオール系化合物、ジイモニウム系化合物等の色素が挙げられる。
色相調整機能は、ディスプレイから発光される特定波長の光を吸収して色純度や白色度を向上させるための機能である。特に赤色発光の色純度を低下させるオレンジ光を遮蔽するのが好ましく、波長580〜620nmの範囲に吸収極大を有する色素を含有させるのが好ましい。更に、白色度を向上させるために波長480〜500nmに吸収極大を有する色素を含有させるのが好ましい。色相調整機能は、上記した波長の光を吸収する色素を含有する層を新たに設けてもよいし、上述の近赤外線遮蔽層あるいは粘着部に色素を含有させてもよい。
屈折率調節機能は、光線制御部材、反射防止部材、電磁波遮蔽部材等を貼り合せる際に、部材間での光散乱等による光学ロスを低減するため、あるいは集光部表面での屈折角を調節するために屈折率を適宜調節する機能である。これに用いる材料は、低屈折率側では、含フッ素ポリマー、(メタ)アクリル酸の部分フッ素化アルキルエステルまたは完全フッ素化アルキルエステル、含フッ素シリコーン等の有機系材料で構成することができる。また、高屈折率側では、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどを重合硬化させたもの、あるいはシリコーン系、メラミン系、エポキシ系の架橋性樹脂原料を架橋硬化させたもの等の有機系材料、酸化インジウムを主成分としこれに二酸化チタンなどを少量含ませたもの、あるいはAl、MgO、TiO等で構成することができる。
可視光透過率調整機能は、可視光の透過率を調整するための機能であり、染料や顔料を含有させて調整することができる。
(5)反射防止部材
反射防止部材とは、透明基材上に反射防止機能を有する反射防止層を前述の透明基材上に設けたもの、または凸レンズ等の透明材料上にコーティング等により直接設けられた反射防止層を指し、その機能がディスプレイの画像表示に影響を与える蛍光灯などの外光の反射や映り込みを防止するものを指す。
また、反射防止部材は併せて防眩、耐傷、防汚の各機能を有する層を有してもよい。これらの層はこれらの機能を有する単一層であっても複数層で構成されていてもよい。反射防止部材として、反射防止機能と防眩機能を併せ持つ層を用いることは好ましい態様の1つである。さらに反射防止部材は、ハードコート機能と反射防止機能あるいは防眩機能を併せ持つのも好ましい態様の1つである。
反射防止層は、表面の視感反射率が5%以下であることが好ましく、4%以下がより好ましく、特に以上3%以下であることが好ましい。また、視感反射率に下限は特になく、0%であることが最も好ましいが、視感反射率は0.05%程度であれば十分である。ここで視感反射率は、分光光度計等を使用して可視領域波長(380〜780nm)の反射率を測定し、CIE1931システムに準じて計算された視感反射率(Y)である。
このような反射防止層としては、高屈折率層と低屈折率層とを低屈折率層が視認側になるように2層以上積層したものを用いることが好ましい。高屈折率層の屈折率は1.5〜1.7の範囲が好ましく、特に1.55〜1.69の範囲が好ましい。低屈折率層の屈折率は1.25〜1.49の範囲が好ましく、特に1.3〜1.45の範囲が好ましい。
高屈折率層を形成する材料としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどを重合硬化させたもの、あるいはシリコーン系、メラミン系、エポキシ系の架橋性樹脂原料を架橋硬化させたもの等の有機系材料、酸化インジウムを主成分としこれに二酸化チタンなどを少量含ませたもの、あるいはAl、MgO、TiO等の無機系材料が挙げられる。これらの中でも、有機系材料が好ましく用いられる。以下に本発明の高屈折率層の好ましい態様を説明する。
本発明において、高屈折率層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂、含リン系樹脂、含スルフィド樹脂、含ハロゲン樹脂などの樹脂成分を単体または混合系で用いることが出来るが、特に、硬度と耐久性などの点から、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂を用いるのが好ましい。さらに、硬化性、可撓性および生産性の点から、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂が好ましい。特に、(メタ)アクリレート系樹脂は、活性エネルギー線照射によって容易にラジカル重合が起こり、形成される膜の耐溶剤性や硬度が向上するので好ましい。
かかる(メタ)アクリレート系樹脂として、例えばペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌール酸エステルトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
高屈折率層には、更にカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(モノマー)を使用することができる。具体的には、酸性官能基含有モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸などの不飽和カルボン酸、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のリン酸(メタ)アクリル酸エステル、2−スルホエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他、アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合などの極性を持った結合を有する(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。
高屈折率層には、塗布した樹脂成分の硬化を進めるために開始剤を含有させてもよい。該開始剤としては、塗布した樹脂成分を、ラジカル反応、アニオン反応、カチオン反応等による重合および/または架橋反応を開始あるいは促進せしめるものであり、各種光重合開始剤が使用可能である。かかる光重合開始剤としては、具体的には、ソジウムメチルジチオカーバメイトサルファイド、ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイルモノサルファイド及びジサルファイド等のサルファイド類や、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体や、ヒドラゾン、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物や、ベンゼンジアゾニウム塩等のジアゾ化合物や、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−クロロアントラキノン等の芳香族カルボニル化合物や、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、D−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、p−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピル等のジアルキルアミノ安息香酸エステルや、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物や、9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフェニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベンズアクリジン等のアクリジン誘導体や、9,10−ジメチルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、10−メトキシベンズフェナジン等のフェナジン誘導体や、6,4’,4”−トリメトキシ−2、3−ジフェニルキノキサリン等のキノキサリン誘導体や、2,4,5−トリフェニルイミダゾイル二量体、2−ニトロフルオレン、2,4,6−トリフェニルピリリウム四弗化ホウ素塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、3,3’−カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン等が挙げられる。
また、高屈折率層には、上記開始剤の酸素阻害による感度の低下を防止するために、光重合開始剤にアミン化合物を共存させてもよい。このようなアミン化合物としては、例えば、脂肪族アミン化合物や、芳香族アミン化合物等の不揮発性のものであれば、特に限定されないが、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が適切である。また、高屈折率層には、金属酸化物微粒子を含有させてもよい。これによって帯電防止効果が得られる。金属酸化物微粒子としては錫含有酸化アンチモン(ATO)粒子、亜鉛含有酸化アンチモン粒子、錫含有酸化インジウム(ITO)粒子、酸化亜鉛/酸化アルミニウム粒子、酸化アンチモン粒子等が好ましく、より好ましくは錫含有酸化インジウム(ITO)粒子、錫含有酸化アンチモン(ATO)粒子である。
かかる金属酸化物粒子は、平均粒子径(BET法により測定される非表面積(JIS R1626:1996年)に基づく球相当径分布から計算される算術平均粒子径(JIS Z8819−1:1999年およびZ8819−2:2001年))が0.5μm以下の粒子が好適に使用されるが、より好ましくは0.001〜0.3μm、更に好ましくは0.005〜0.2μmの粒子径のものが用いられる。該平均粒子径が0.5μmを超える場合、高屈折率層の透明性を低下させることがある。また該平均粒子径は小さい程好ましいものの、0.001μm未満の場合は、該粒子が凝集し易くヘイズ値が増大する場合がある。なお金属酸化物粒子の含有量は、高屈折率層を構成する樹脂成分100質量%に対して0.1〜20質量%の範囲が好ましい。
更に、高屈折率層には、重合禁止剤、硬化触媒、酸化防止剤、分散剤等の各種添加剤を含有することができる。高屈折率層の厚みは、0.01〜20μmの範囲が好ましく、0.05〜10μmの範囲がより好ましい。
反射防止層を構成する低屈折率層は、含フッ素ポリマー、(メタ)アクリル酸の部分フッ素化アルキルエステルまたは完全フッ素化アルキルエステル、含フッ素シリコーン等の有機系材料、MgF、CaF、SiO等の無機系材料で構成することができる。以下に低屈折率層の好ましい態様を例示する。低屈折率層の1つの好ましい態様として、MgFやSiO等の薄膜を真空蒸着法やスパッタリング、プラズマCVD法等の気相法により形成する方法、或いはSiOゾルを含むゾル液からSiOゲル膜を形成する方法等が挙げられる。
低屈折率層の他の好ましい態様として、シリカ系微粒子と結合してなるシロキサンポリマーを含有する構成を採用することができる。なお、ここで言う「結合」とは、シリカ系微粒子のシリカ成分とマトリックスのシロキサンポリマーが反応して均質化している状態を意味する。シリカ系微粒子と結合してなるシロキサンポリマーは、該シリカ系微粒子の存在下、多官能性シラン化合物を溶剤中、酸触媒により、加水分解反応によって、一旦シラノール化合物を形成し、縮合反応を利用することによって得ることができる。
かかる多官能性シラン化合物としては、多官能性フッ素含有シラン化合物を含むことが低屈折率化、防汚性の点から好ましく、トリフルオロメチルメトキシシラン、トリフルオロメチルエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランなどの3官能性フッ素含有シラン化合物、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシランなどの2官能性フッ素含有シラン化合物などが挙げられ、いずれも好適に用いられるが、表面硬度の観点から、トリフルオロメチルメトキシシラン、トリフルオロメチルエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシランが、より好ましい。
上記多官能性シラン化合物として、多官能性フッ素非含有シラン化合物を用いることができる。かかる多官能性フッ素非含有シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシシプロピルトリメトキシシランなどの3官能性シラン化合物、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシランなどの2官能性シラン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの4官能性シラン化合物などが挙げられ、いずれも好適に用いられるが、表面硬度の観点からビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランが、より好ましい。
また、上述のシリカ系微粒子としては、平均粒子径1nm〜200nmのシリカ系微粒子であることが好ましく、特に好ましくは、平均粒子径1nm〜70nmである。平均粒子径が1nmを下回ると、マトリックス材料との結合が不十分となり、硬度が低下することがある。一方、平均粒子径が200nmを越えると、粒子を多く導入して生じる粒子間の空隙の発生が少なくなり、低屈折率化の効果が十分発現しないことがある。さらに、かかるシリカ系微粒子の中でも、内部に空洞を有する構造のものが、屈折率を低下させるために、特に好ましく使用される。かかる内部に空洞を有するシリカ系微粒子とは、外殻によって包囲された空洞部を有するシリカ系微粒子、多数の空洞部を有する多孔質のシリカ系微粒子等が挙げられ、いずれも好適に用いられる。このような例としては例えば、特許第3272111号公報に開示されている方法によって製造でき、微粒子内部の空洞の占める体積、すなわち微粒子の空隙率としては、5%以上が好ましく、30%以上がさらに好ましい。空隙率は、例えば、水銀ポロシメーター(商品名:ボアサイザー9320−PC2、(株)島津製作所製)を用いて測定することができる。また、該微粒子自体の屈折率は、1.20〜1.40であるのが好ましく、1.20〜1.35であるのがより好ましい。このようなシリカ系微粒子としては、例えば特開2001−233611号公報に開示されているものや、特許第3272111号公報等に記載されている一般に市販されているものを挙げることができる。
低屈折率層の厚みは、0.01〜1μmの範囲が好ましく、0.02〜0.5μmの範囲がより好ましい。
防眩機能を有する層(防眩層)は、画像のギラツキを防止するものであり、防眩層表面に微小な凹凸を有する膜が好ましく用いられる。防眩層としては、例えば、熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂に粒子を分散させて支持体上に塗布および硬化させたもの、あるいは、熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂を表面に塗布し、所望の表面状態を有する型を押し付けて凹凸を形成した後に硬化させたものなどが用いられる。なお防眩層は、ヘイズ値(JIS K 7136:2000年)が0.5〜20%であることが好ましい。防眩層の厚みは、0.01〜20μmが好ましい。
ハードコート機能を有する層(ハードコート層)は、傷防止のために設けられる。ハードコート層は硬度が高いことが好ましく、JIS K5600−5−4(1999年)で定義される鉛筆硬度が1H以上が好ましく、2H以上がより好ましい。上限は9H程度である。ハードコート層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましい。さらに、硬化性、可撓性および生産性の点で、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂からなるものが好ましい。
活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂または熱硬化型のアクリル系樹脂とは、重合硬化成分として多官能アクリレート、アクリルオリゴマーあるいは反応性希釈剤を含む組成物である。その他に必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有しているものを用いてもよい。アクリルオリゴマーとは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものを始めとして、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどであり、また、メラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いられ得る。また、反応性希釈剤とは、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
また、市販されている多官能アクリル系硬化塗料としては、三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム(登録商標)”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール(登録商標)”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC(登録商標)”シリーズなど)、東亞合成化学工業株式会社;(商品名“アロニックス(登録商標)”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(商品名“ブレンマー(登録商標)”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD(登録商標)”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズ、“ライトアクリレート”シリーズなど)などの製品を利用することができる。
ハードコート層形成組成物を構成するアクリル化合物の主なものを例示すると、1分子中に3個以上、より好ましくは4個以上、さらに好ましくは5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの少なくとも1種と、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の少なくとも1種とからなる混合物を主たる構成成分とし、活性エネルギー線硬化または熱硬化によって得られるハードコート層が、硬度、耐摩耗性および可撓性に優れている点で好ましく用いられる。(メタ)アクリロイルオキシ基が多すぎる場合には、単量体は高粘度となり取り扱いし難くなり、また、高分子量とならざるを得なくなって塗布液として用いることが困難となるので、1分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基は好ましくは10個以下である。
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーとしては、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が、3個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化物となっている化合物などを挙げることができる。具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどを用いることができる。これらの単量体およびプレポリマーは、1種または2種以上を混合して使用することができる。特にこれらの内、少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物は、後述するイソシアネートとの併用により、ハードコート層と隣接層との接着性を向上させることができるので特に好ましい。
これらの1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの使用割合は、ハードコート層形成組成物総量に対して20〜90質量%が好ましく、より好ましくは30〜80質量%、最も好ましくは30〜70質量%である。上記1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して20質量%未満の場合には、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜を得るという点で不十分な場合がある。また、上記1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して90質量%を超える場合は、硬化による収縮が大きく、硬化被膜に歪が残ったり、被膜の可撓性が低下したり、硬化被膜側に大きくカールするなどの不都合を招く場合がある。また、これらの内、少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物の使用割合は、ハードコート層形成組成物総量に対して10〜80質量%が好ましく、より好ましくは20〜70質量%、最も好ましくは30〜60質量%である。少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して10質量%未満の場合には、ハードコート層と隣接層との接着性を向上させる効果が小さい場合がある。少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物の使用割合がハードコート層形成組成物総量に対して80質量%を超える場合は、ハードコート層内の架橋密度が低下して、硬度が低下する傾向がある。
次に、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、ラジカル重合性のある通常の単量体ならば特に限定されずに使用することができる。
また、分子内に2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、下記(a)〜(f)の(メタ)アクリレート等を用いることができる。すなわち、
(a)炭素数2〜12のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなど;
(b)ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリレート酸ジエステル類:ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど;
(c)多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートなど;
(d)ビスフェノールAあるいはビスフェノールAの水素化物のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類:2,2’−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)プロパンなど;
(e)ジイソシアネート化合物と2個以上のアルコール性水酸基含有化合物を予め反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物に、さらにアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート類など、および;
(f)分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物にアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート類など。
分子内に1個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−およびi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、sec−、およびt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドンなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上混合して使用してもよい。
これらの1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合は、ハードコート層形成組成物総量に対して10〜50質量%が好ましく、より好ましくは20〜40質量%である。1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合がハードコート層形成組成物総量に対して50質量%を超える場合には、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜が得られにくくなる場合がある。また、その1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する使用割合がハードコート層形成組成物総量に対して10質量%未満の場合には、被膜の可撓性が低下したり、基材フィルム上に設けた積層膜との接着性が低下する場合がある。
本発明において、ハードコート層形成組成物を硬化させる方法としては、例えば、活性エネルギー線として紫外線を照射する方法や高温加熱法等を用いることができる。これらの方法を用いる場合には、前記ハードコート層形成組成物に、光重合開始剤または熱重合開始剤等を加えることが望ましい。
光重合開始剤の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。
また、熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドまたはジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などを用いることができる。光重合開始剤または熱重合開始剤の使用量は、ハードコート層形成組成物総量に対して0.01〜10質量%が適当である。電子線またはガンマ線を硬化手段とする場合には、必ずしも重合開始剤を添加する必要はない。また220℃以上の高温で熱硬化させる場合には、熱重合開始剤の添加は必ずしも必要ではない。
本発明におけるハードコート層形成組成物は、ポリイソシアネート化合物を含有していることが好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、水添MDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート等の少なくとも2量体以上のものが挙げられる。これらポリイソシアネート化合物は、単独または2種以上を混合して使用することができる。
これらのポリイソシアネート化合物および/またはその誘導体は、前記したハードコート層形成組成物に混合されて塗布される。上記ポリイソシアネート化合物および/またはその誘導体の配合量は、接着性、表面硬度、耐湿熱性および虹彩模様低減の点で、ハードコート層形成組成物に対し、好ましくは0.5〜50質量%、より好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは3〜20質量%である。配合量が0.5質量%未満の場合には、接着性向上効果が不足したり、虹彩模様の低減が不十分な場合があり、また配合量が50質量%を超えると 表面硬度が低下する場合がある。
上記ポリイソシアネートを添加したハードコート層形成組成物には、その硬化効率を高める目的で有機金属触媒を含有させることも好ましい。有機金属触媒は、特に限定されるものではなく、有機錫化合物、有機アルミニウム化合物、有機4A族元素(チタン、ジルコニウムまたはハフニウム)化合物などが挙げられるが、安全性を考慮した場合、非錫系金属触媒である有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、および、有機チタン化合物から選ばれたものが好ましく適用される。有機錫化合物としては、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウリレートなどのジブチル錫脂肪酸塩、ジオクチル錫ジラウリレートなどのジオクチル錫脂肪酸塩が例示できる。
有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ハフニウム化合物、有機チタン化合物としては、これらの金属のオルトエステルとβ−ケトエステル(βジケトン)の反応生成物が例示され、具体的にはジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、アルミニウムテトラ−n−プロポキシド、アルミニウムテトライソプロポキシド、アルミニウムテトラ−n−ブトキシドなどの金属オルトエステルと、アセチルアセトン、メチルアセテート、エチルアセトアセテート、n−プロピルアセトアセテート、イソプロピルアセトアセテート、t−ブチルアセトアセテートなどのβケトエステル(βジケトン)との反応生成物を挙げることができる。金属オルトエステルとβジケトエステル(βジケトン)の混合モル比率は4:1〜1:4程度が好ましく、より好ましくは2:1〜1:4である。4:1より金属オルトエステルが多い場合は触媒の反応性が高すぎてポットライフが短くなりやすく、1:4よりβジケトエステルが多い場合は触媒活性が低下するため好ましい態様では無い。本発明における有機金属系触媒のハードコート組成物中の含有量は0.001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.01〜2質量%である。0.001質量%より少ない場合には触媒添加効果が低く、10質量%より多くすることは経済的見地から好ましくない。
上記した組成物の好ましい態様としては、少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物10〜80質量%、イソシアネート化合物1〜30質量%および必要に応じて有機金属系触媒0.001から10質量%の範囲とするのが望ましい。さらに必要に応じて1〜2個のエチレン性不飽和結合を有する単量体を50質量%以下添加しても良い。
本発明において、ハードコート層中には、本発明の効果が損なわれない範囲で、さらに各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤および帯電防止剤などを用いることができる。シリコーン系レベリング剤としては、ポリジメチルシロキサンを基本骨格とし、ポリオキシアルキレン基が付加されたものが好ましく、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体(例えば東レダウコーニング(株)製SH190)が好適である。またハードコート層上にさらに積層膜を設ける場合には、接着性を阻害しないアクリル系レベリング剤を適用するのが好ましい。このようなレベリング剤としては「ARUFON−UP1000シリーズ、UH2000シリーズ、UC3000シリーズ(商品名):東亞合成化学(株)製)などを好ましく用いることができる。レベリング剤の添加量はハードコート形成組成物総量に対し、0.01〜5質量%の範囲とするのが望ましい。
ハードコート層の厚さは、0.1〜20μmが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。ハードコート層の厚さが0.1μm未満の場合には十分硬化していても薄すぎるために、表面硬度が十分でなく、傷が付きやすくなる傾向にある。一方、ハードコート層の厚さが20μmを超える場合には、折り曲げなどの応力により、硬化膜にクラックが入りやすくなる傾向にある。
ハードコート層には、前述した反射防止層を構成する高屈折率層としての機能を付与することができる。ハードコート層の高屈折率化は、ハードコート層形成用樹脂組成物中に高屈折率の金属や金属酸化物の超微粒子を添加することにより、あるいは高屈折率成分の分子や原子を含んだ樹脂を用いることにより図られる。
前記高屈折率を有する超微粒子は、その粒径が5〜50nmで、屈折率が1.65〜2.7程度のものが好ましく、具体的には、例えば、ZnO(屈折率1.90)、TiO(屈折率2.3〜2.7)、CeO(屈折率1.95)、Sb(屈折率1.71)、SnO、ITO(屈折率1.95)、Y(屈折率1.87)、La(屈折率1.95)、ZrO(屈折率2.05)、Al(屈折率1.63)等の微粉末が挙げられる。前記屈折率を向上させる樹脂に含まれる分子及び原子としては、F以外のハロゲン原子、S、N、Pの原子、芳香族環等が挙げられる。また、ハードコート層に反射防止機能あるいは防眩機能を付与することができる。
反射防止機能を有するハードコート層の表面の視感反射率としては5%以下であることが好ましく、4%以下がより好ましく、特に3%以下であることが好ましい。また、視感反射率に下限は特になく、0%であることが最も好ましいが、視感反射率は0.05%程度であれば十分である。このハードコート層は、例えば、特開平1−197570号公報、特開2001−316604号公報に記載されているようにフッ素含有化合物を用いることによって形成することができる。
防眩機能を有するハードコート層は、例えば、上述したハードコート層形成組成物にシリカ等の微粒子を含有することによって形成することができる。
(6)電磁波遮蔽部材
本発明のディスプレイ用フィルターをプラズマディスプレイの前面フィルターに適用する場合は、ディスプレイ用フィルター中に電磁波遮蔽部材を設けるのが好ましい。電磁波遮蔽部材は、ディスプレイパネルの発光源から発生する電磁波を遮蔽するための部材であり、金属薄膜、導電性メッシュ等、電気導電性酸化物、電気導電性ポリマーからなる電気導電部を透明基材上に設けることにより得られる。電磁波遮蔽部材の表面抵抗値は、低い方が好ましく、10Ω/□以下が好ましく、5Ω/□以下がより好ましく、特に3Ω/□以下が好ましい。面抵抗の下限値は0.01Ω/□程度である。電磁波遮蔽部材の面抵抗値は、4端子法により測定することができる。
本発明において、電気導電部として導電性メッシュが好ましく用いられる。導電性メッシュは、スパッタ法や真空蒸着法等によって形成された金属薄膜あるいは導電性フィラーと樹脂バインダーからなる電気導電部に比べて、低い面抵抗値が得られるという利点がある。特に、導電性フィラーと樹脂バインダーとからなる電気導電部では面抵抗値が得られず、スパッタ法や真空蒸着法等によって金属薄膜を形成するためには大がかりな装置が必要であり、高い生産性が得られないという問題がある。
また、導電性メッシュ上に光学機能層を塗工形成する場合は、光学機能層の塗工性の観点からは、導電性メッシュの厚みは小さい方が好ましく、導電性メッシュの厚みは10μm以下が好ましく、6μm以下がより好ましく、特に3μm以下が好ましい。導電性メッシュの厚みが、上記範囲を超えて大きくなると電気導電部表面の凹凸が大きくなり平滑性が低下するので光学機能層の塗布性が悪化する。導電性メッシュの厚みの下限は電磁波遮蔽性能の観点から0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましい。導電性メッシュの線幅及び線間隔(ピッチ)は、開口率が70%以上となるように設計されるが、線幅としては5〜40μmが好ましく、線間隔(ピッチ)は100〜500μmの範囲が好ましい。
上記観点から本発明の電気導電部に好適な導電性メッシュの形成方法として、1)金属薄膜をエッチング加工する方法、2)印刷でプラスチックフィルム等の基材上に直接に導電性メッシュを形成する方法、3)感光性銀塩を用いる方法、4)印刷パターン上に金属膜積層後に現像する方法、及び5)金属薄膜をレーザーアブレーションする方法が挙げられる。
本発明に用いることができる導電性メッシュのメッシュパターンとしては、格子状パターン、5角形以上の多角形からなるパターン、円形パターン、あるいはこれらの複合パターンが挙げられ、更にランダムパターンも好ましく用いられる。
本発明において、導電性メッシュは黒化処理するのが好ましい。黒化処理は、酸化処理や黒色印刷により行うことができる。例えば、特開平10−41682号、特開2000−9484号、特開2005−317703号公報等に記載の方法を用いることができる。黒化処理は、導電性メッシュの視認側の表面と両側面を行うのが好ましく、更に導電性メッシュの両面及び両側面を黒化処理するのが好ましい。
(7)製造方法
次に、本発明のディスプレイ用フィルターの製造方法の1例について説明するが、本発明のディスプレイ用フィルターの製造方法はこの方法に限定されない。本発明のディスプレイ用フィルターの製造方法の1例は次の5工程からなる。
1.透明基材の一方の面に集光部を形成する工程
2.透明基材のもう一方の面に遮光層および非遮光層を形成する工程
3.光吸収部を形成する工程
4.反射防止部材と貼り合わせる工程
5.電磁波遮蔽部材と貼り合わせる工程
図9、図10に基づいて、上記5工程を説明する。
1.の工程は、いわゆる2P法を用いて成型を行う。すなわち、図9−Aの透明基材17に集光部形成材料18を塗工し、これを図9−Bのモールド19に圧接し、図9−Cにてモールド19上で透明基材17側からUV光20を照射することにより、集光部形成材料18を硬化させ、硬化後、モールド19から剥離して図9−Dに示すように複数の凸レンズを有する集光部21を得る。このとき使用するUV光20は集光型、平行光型いずれの装置を用いてもよい。
モールド19は機械加工、電鋳加工、エッチング、PDMS法等により製作することができる。また、モールド19からの集光部21の離型性確保のため、モールド19に適宜表面処理を行ってもよい。この工程で得られた集光部21の厚みは、集光部形成材料18の供給量、モールド19の圧接圧力とモールド19上での透明基材17の張力により調節する。
2.の工程は、一般的な塗工、乾燥プロセスを用いて行う。図9−Eに示す様に、集光部21が一方の面に形成された透明基材17のもう一方の面(他方の面)に、遮光層22を塗工、乾燥する。次いで図9−Fに示すように、非遮光層23を遮光層22の上に塗工、乾燥する。
ここでいう一般的な塗工、乾燥プロセスとしては、「コーティング」、加工技術研究会 編、(株)加工技術研究会(2002)に記載の方法を参照できる。遮光層22および非遮光層23形成工程の塗工装置としては、正確な塗工量が得られるように、例えば、各種ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、エクストルージョン(米国特許2681294号明細書記載)方式を用いたコーター等の各種塗工装置を適宜選択して用いる。特に塗工精度の観点から、エクストルージョン方式を用いたコーターが好ましい。乾燥装置としては、熱風、または赤外線を用いた乾燥装置を適宜選択して用いる。
3.の工程は、2.の工程で形成した遮光層22および非遮光層23にフォトレジストの露光、現像プロセスを用いて開口部を作り、光吸収部にする工程を行う(このように、フォトレジストの露光、現像プロセスを用いることを、フォトリソグラフィーとよぶ)。この工程では凸レンズの光軸に対して傾斜させた光を含むUV光(紫外光)を集光部側から露光することにより、凸レンズの形状と異なる形状の開口部を形成する。その方法の1つは図10に示すように、集光部21側から遮光層22および非遮光層23に向けて、図10−Gの水平な平行UV光(紫外光)24を、次いで図10−H、Iのように光軸に対して傾斜させた平行UV光(紫外光)24を露光することにより達成される。この時、凸レンズの光軸に対する傾斜角度、傾斜方向、露光ステップ数、各ステップでの露光量の配分により、開口部の形状を自由に制御することができる。
また、他の方法としては、光軸に平行な成分と傾斜した成分を含むUV光(紫外光)を用いることで、集光部側から1回露光することによっても凸レンズの形状と異なる形状の開口部を形成できる。さらに、大面積の露光を行う場合は、搬送しながら露光を行うことによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積を露光することもできる。
次いで、UV光の露光後、遮光層22および非遮光層23に対して有機溶剤、またはアルカリ水溶液で非遮光層と遮光層の現像処理を行うことにより、図10−Jに示すように、集光部21の光軸を中心に開口部26が形成される。現像処理は、露光部分と未露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して現像を行うが、この場合、浸漬法やスプレー法、ブラシ法で行う。現像処理に用いる現像液は、水を主成分とすることがコストや環境負荷の面においても好ましい。アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム水溶液などの無機アルカリ水溶液や、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミン化合物を含む有機アルカリ水溶液を使用してもよい。アルカリ水溶液の濃度は通常0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が除去されず、アルカリ濃度が高すぎれば、遮光部を剥離させるおそれがあり良くない。また、現像時の現像温度は、20〜40℃で行うことが工程管理上好ましい。
4.の工程は、まず3.の工程で形成した光線制御部材27の集光部21表面に粘着部B29を形成する。この方法は、特定の屈折率を持つ粘着フィルムの貼り合わせでもよく、特定の屈折率を持つ材料を前述の一般的な塗工プロセスを用いて形成してもよい。次いで、反射防止部材28の非反射防止層側を粘着部B29のもう一方の面に貼り合わせ、図10−Kが得られる。光線制御部材27と反射防止部材28を貼り合わせた後、加圧処理、減圧処理、加熱処理、UV硬化処理等を必要に応じて行う。また、粘着部B29を反射防止部材28の非反射防止層側に形成後、光線制御部材27の集光部21側を貼り合わせてもよい。
5.の工程は、まず4.の工程で形成した反射防止部材28と光線制御部材27の貼り合わせたものの光吸収部25側に粘着部31を設ける。この方法は、粘着フィルムの貼り合わせでも、粘着材料の前述の一般的な塗工・乾燥プロセスを用いて形成してもよい。次いで、電磁波遮蔽部材30の電気導電部32側を粘着部31のもう一方の面に貼り合わせる。貼り合わせた後、加圧処理、減圧処理、加熱処理、紫外線硬化処理等を必要に応じて行う。また、粘着部31を電磁波遮蔽部材30の電気導電部側に形成後、光線制御部材25の光吸収部側を貼り合わせてもよい。
さらに、電磁波遮蔽部材27のもう一方の面に、粘着部A33を前述と同様の方法で形成し、図10−Lが得られる。
前述のように本発明のディスプレイ用フィルター(透明基材の一方の面に複数の凸レンズを有する集光部が形成され、該透明基材の他方の面に、前記凸レンズの光軸位置に開口部を有し、その開口部以外に遮光部を有する光吸収部が形成された光線制御部材を含むディスプレイ用フィルター)の製造方法は特に限定されないが、フォトリソグラフィーにより光吸収部を形成するに際し、凸レンズの光軸に対して傾斜した成分を含む紫外光を集光部側から露光する工程を含む製造方法が、本発明のディスプレイ用フィルターを容易に製造可能であるために好ましい。
(8)特性の測定方法および効果の評価方法
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(8−1)形状測定
<凸レンズの形状測定>
株式会社キーエンス製レーザー顕微鏡VK8700を使用し、超深度測定モードにて倍率200倍にて観察を行い、そのデータから画像解析モードにて、凸レンズの凸側から見た凸レンズの最大長さ:X(透明基材面に平行な方向での最大長さ)、およびY(透明基材面に平行でXに対して垂直な方向の凸レンズの長さ)を求めた。10個の凸レンズについて測定を行い、その平均値を代表値として、X、Yを求めた。さらにこれらの値を元にX/Yを求めた。
さらに10個の凸レンズについて本装置の面積計算モードにて面積を求めた。
<開口部の形状測定>
株式会社キーエンス製レーザー顕微鏡VK8700を使用し、超深度測定モードにて倍率200倍にて観察を行い、そのデータから画像解析モードにて光吸収部を光吸収部側から見た開口部の最大長さ:X(透明基材面に平行な方向の開口部の最大長さ)およびY(透明基材面に平行でXに対して垂直な方向の開口部の長さ)を求めた。10個の開口部について測定を行い、その平均値を代表値として、X、Yを求めた。さらにこれらの値を元にX/Yを求めた。
さらに10個の開口部について面積計算モードにて面積を求めた。
<開口部の面積割合の算出>
開口部の面積割合(開口部の開口率)は、前述の開口部の形状測定にて得た開口部の面積を、同様にして求めた凸レンズの面積で除することにより算出した。
<アスペクト比の算出>
アスペクト比は集光部(実施例および比較例7以外の比較例)または光透過部(比較例7)の成型に使用したモールドの形状から、モールドの最大深さ(実施例および比較例7以外の比較例においてはYを含む断面での楕円形の短軸の長さd、比較例7においては溝の深さhを指す)を、集光部(実施例および比較例7以外の比較例)、光透過部(比較例7)成型体の最小幅(実施例および比較例7以外の比較例においてはモールドのX、比較例7においては、溝のピッチp−溝の幅w)で除することにより算出した。
(8−2)機能評価
松下電器産業(株)製のプラズマディスプレイテレビ「42PX−20」の前面フィルターを取り外し、上記で作製したディスプレイ用フィルターを反射防止層が視認側を向き、かつX(透明基材に平行な方向の開口部の最大長さ)が水平になる向きでディスプレイパネルに貼り付け、筐体の外部電極と電気導電部を導通が取れるように組み立て、官能評価による機能評価を実施した。
なお、本評価は当該機種のみではなく、一般的なプラズマパネルディスプレイであれば、同様の結果を得ることが可能である。
<明所コントラストの評価>
天井付近に設置された室内照明灯に対してプラズマディスプレイの表示画面が約40度の角度となるようにプラズマディスプレイを設置した。室内照明灯によるディスプレイ表面の照度は、水平面が約168lx、垂直面が約200lxであった。
観察者は、ディスプレイから1.5m離れた位置で、画像を観察した。製品の前面フィルター(ブランク)を基準として、4段階採点方式でコントラスト評価を実施し、10人の評価結果から、最大値と最小値を各1つずつ除いた、8人分の評価点を平均して評価結果を数値化した。その結果を表1に示す。
0点 製品の前面フィルターと同等、もしくはそれ以下
1点 製品の前面フィルターに対してわずか差があるが、効果不十分
2点 製品の前面フィルターに対して差があり、良好
3点 製品の前面フィルターに対して大きな差があり、非常に良好
また、上記各評価値の中間にあるものを下位の点数に0.5点を加えて評価した。評価結果が1.5点以上のものを合格とした。
<画面輝度の評価>
製品の前面フィルター(ブランク)を基準として、4段階採点方式で輝度評価を実施し、10人の評価結果から、最大値と最小値を各1つずつ除いた、8人分の評価点を平均して評価結果を数値化した。
0点 製品の前面フィルターより非常に暗く感じる
1点 製品の前面フィルターより暗く感じる
2点 製品の前面フィルターとほぼ同等
3点 製品の前面フィルターより明るい
また、上記各評価値の中間にあるものを下位の点数に0.5点を加えて評価した。評価結果が1.5点以上のものを合格とした。
<視野角の評価>
製品の前面フィルター(ブランク)を基準として、4段階採点方式で視野角評価を実施し、10人の評価結果から、最大値と最小値を各1つずつ除いた、8人分の評価点を平均して評価結果を数値化した。
0点 製品の前面フィルターよりかなり視野角を狭く感じる
1点 製品の前面フィルターより視野角を狭く感じる
2点 製品の前面フィルターよりわずかに視野角を狭く感じる
3点 製品の前面フィルターと同等以上
また、上記各評価値の中間にあるものを下位の点数に0.5点を加えて評価した。評価結果が1.5点以上のものを合格とした。
<モワレの評価>
製品の前面フィルター(ブランク)を基準として、4段階採点方式でモワレ評価を実施し、10人の評価結果から、最大値と最小値を各1つずつ除いた、8人分の評価点を平均して評価結果を数値化した。
0点 強くモワレ感じ、不快感がある
1点 モワレを感じる
2点 わずかにモワレを感じるが、ほとんど気にならない
3点 現行製品と同等、もしくは全くモワレを感じない
また、上記各評価値の中間にあるものを下位の点数に0.5点を加えて評価した。評価結果が1.5点以上のものを合格とした。
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
1.材料の調合
集光部形成材料の調合
下記材料を混合、脱泡し、集光部形成材料を得た。
(集光部材料処方A)
アロニックスM−402(商品名 東亞合成株式会社) 70質量部
アロニックスM−350 (商品名 東亞合成株式会社) 30質量部
ESACURE KIP150(商品名 Lamberti製) 3質量部
混合は、アロニックスM−402、ESACURE KIP150を70℃に加温して低粘度化して、アロニックスM−402をホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)で攪拌しながら他材料を徐々に添加し、混合した。次いで脱泡は混合・脱泡装置(商品名 あわとり練太郎 株式会社シンキー製)を使用し、1500rpmで5分間脱泡した。
遮光層形成材料の調合
下記材料を混合し、遮光層形成材料を得た。
(遮光層形成材料処方)
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(R−140p、三井化学株式会社製)50質量部
カーボンブラック(MA−8、三菱マテリアル株式会社製) 30質量部
トルエン 20質量部
混合は、各材料を秤量して上記の順で容器に添加後、さらにジルコニアビーズを入れ、ボールミルにて3時間程度混合、分散を行った。
非遮光層形成材料の調合
下記材料を混合、非遮光層形成材料を得た。
(非遮光層形成材料処方)
o−ナフトキノンジアジド/フェノールノボラック系ポジ型感光剤
(SRC300A、ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社) 90質量部
シンナーC(商品名 ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社) 10質量部
混合は、各材料を秤量して上記の順に添加し、マグネチックスターラーにて10分程度攪拌を行い、目視にて泡が確認されなくなるまで静置脱泡した。
粘着部B形成材料の調合
下記材料を混合、脱泡し、粘着部B形成材料処方Aを得た。
(粘着部B形成材料処方A)
ディフェンサOP40(商品名 DIC株式会社製 固形分濃度100%)100質量部
2.集光部形成モールドの成型
図2の形状の集光部に対応し、図11の形状を持つ構造Aのモールドを、グラビア製版に用いる銅エッチング法を用いて製作した。具体的には、最初に金属ロール上に銅薄膜をメッキにて形成し、その表面をバフ研磨して、鏡面ロールを作成した。次いで、フォトポリマーを表面に塗工し、その表面にレーザー露光機にてパターン形成を行い、現像処理を行った。現像処理後、エッチングを行い、銅薄膜の表面に凹部を形成した。最後に表面にクロムメッキ処理を行った。
(構造 A)
集光部の形状(表面):多角形(六角形)の平面充填
集光部の形状(断面):楕円形(凸レンズに対応)
集光部の大きさ(平面)
:x=62μm(透明基材面に平行な方向の最大長さ)
:y=52μm(透明基材面に平行で、かつxに対して垂直な長さ)
集光部の大きさ(断面):d=7μm(yを含む断面での楕円形の短軸の長さ)
凸レンズ間の隙間:e=5μm。
3.光線制御部材の製造方法
(集光部の形成)
前述の集光部形成材料と、前述の構造Aを持つモールド、および透明基材として45μmのPETフィルム(東レ(株)製 T−60)を用い、透明基材上に厚み25μmの厚さになるように前述の集光部形成材料をエクストルージョン方式のコーティングダイを用いて供給した。次いで、前述の構造Aを持つモールドに、集光部形成材料の付着した面を圧接した。このとき、圧接部の面圧が1kg/cmになるように圧接ロールの圧接圧力を調節した。さらに、モールド上で透明基材側から紫外線を照射して硬化させた。紫外線の照射には、アイグラフィックス社製超高圧水銀灯を用いて、透明基材を透過した状態で積算照射強度が600mJ/cm(アイグラフィックス社製紫外線光量計UVPF−36にて計測)となるようにランプ出力を制御した。最終的に集光部の凸レンズ部の総厚みは30μmであった。
(遮光層の形成)
前述の遮光層形成材料を、エクストルージョン方式を用いたコーターにて、透明基材の集光部と反対面に湿潤状態で膜厚約10μm塗工し、次いで熱風乾燥することにより非遮光層を形成した。これにより得られた感光性樹脂層の総厚みは2μmであった。
(非遮光層の形成)
前述の非遮光層形成材料を、エクストルージョン方式を用いたコーターにて、遮光層上に湿潤状態で膜厚約15μm塗工し、次いで熱風乾燥することにより非遮光層を形成した。これにより得られた感光性樹脂層の総厚みは1μmであった。
(光吸収部の形成)
前述の製造方法にて得られた非遮光層に、ウシオ電機株式会社製紫外線照射装置(商品名 マルチライト 250W)を使用し、次の露光1から露光3の3回の露光(露光条件A)を行った。
(露光条件A)
露光1
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 30mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度1) 60度
露光2
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 10mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度2) 90度
露光3
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 30mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度3) 120度
ここでサンプルと平行UV光の角度とは図12に示す関係にある。即ち、凸レンズの光軸方向と、光線制御部材の透明基材に平行な面にて凸レンズの最大長さを示す方向がなす角度を意味している。
上記露光量は、コニカミノルタ株式会社製 紫外線強度計UM−10にて計測にて、平行UV光を露光後、25℃の0.5%水酸化ナトリウム水溶液にて30秒間現像処理を行った後、水洗して遮光部と開口部からなる光吸収部を得た。
4.ディスプレイ用フィルターの製造方法
反射防止部材(高強度クリアタイプ Realook 9100 日油(株)製)、電磁波遮蔽フィルム(日立化成工業(株)製)と前述の光線制御部材を貼り合せてディスプレイ用フィルターを製作した。まず、前述の粘着部B形成材料を、エクストルージョン方式を用いたコーターにて、透明基材の集光部の上に膜厚約30μm塗工し、反射防止部材の反射防止層と反対面と貼り合わせてUV光にて硬化した。次いで、電磁波遮蔽フィルムの電気導電部側にアクリル系粘着材を厚みが30μmになるように粘着部を積層し、電磁波遮蔽フィルムの電気導電部側と光線制御部材の光吸収部を貼り合わせた。さらに電磁波遮蔽フィルムの非電気導電部側に、粘着部Aとしてアクリル系粘着材(日本合成化学株式会社製 コーポニール N−2147ベース)を厚みが30μmになるように積層することにより、図1の構造をもつディスプレイ用フィルターを得た。
<実施例2>
図11の形状を持つ構造Bのモールドを使用した以外は、実施例1と同様にして図2の構造をもつディスプレイ用フィルターを得た。
(構造 B)
集光部の形状(表面):多角形(六角形)の平面充填
集光部の形状(断面):楕円形(凸レンズに対応)
集光部の大きさ(平面):x=52μm(透明基材面に平行な方向の最大長さ)、
:y=52μm(透明基材面に平行で、かつxに対して垂直な長さ)
集光部の大きさ(断面):d=7μm(yを含む断面での楕円形の短軸の長さ)
レンズ間の隙間: e=5μm。
<実施例3>
図11の形状を持つ構造Dのモールドを使用した以外は、実施例1と同様にして図2の構造をもつディスプレイ用フィルターを得た。
(構造 D)
集光部の形状(表面):多角形(六角形)の平面充填
集光部の形状(断面):楕円形(凸レンズに対応)
集光部の大きさ(平面):x=72μm(透明基材面に平行な方向の最大長さ)
:y=52μm(透明基材面に平行で、かつxに対して垂直な長さ)
集光部の大きさ(断面):d=7μm(yを含む断面での楕円形の短軸の長さ)
レンズ間の隙間: e=5μm。
<実施例4>
図11の形状を持つ構造Eのモールドを使用した以外は、実施例1と同様にして図2の構造をもつディスプレイ用フィルターを得た。
(構造 E)
集光部の形状(表面):多角形(六角形)の平面充填
集光部の形状(断面):楕円形(凸レンズに対応)
集光部の大きさ(平面):x=82μm(透明基材面に平行な方向の最大長さ)
:y=52μm(透明基材面に平行で、かつxに対して垂直な長さ)
集光部の大きさ(断面):d=7μm(yを含む断面での楕円形の短軸の長さ)
レンズ間の隙間: e=5μm。
<実施例5>
光吸収部の形成工程にて、次の露光条件Bにて露光を行う以外は実施例1と同様にして図2の構造を持つディスプレイ用フィルターを得た。
(露光条件B)
露光1
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 10mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度1) 60度
露光2
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 50mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度2) 90度
露光3
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 10mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度3) 120度
<実施例6>
光吸収部の形成工程にて、次の露光条件Cにて露光を行う以外は実施例1と同様にして図2の構造を持つディスプレイ用フィルターを得た。
(露光条件C)
露光1
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 20mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度1) 60度
露光2
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 30mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度2) 90度
露光3
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 20mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度3) 120度
<実施例7>
光吸収部の形成工程にて、次の露光条件Dにて露光を行う以外は実施例1と同様にして図2の構造を持つディスプレイ用フィルターを得た。
(露光条件D)
露光1
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 15mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度1) 40度
露光2
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 40mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度2) 90度
露光3
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 15mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度3) 160度
<実施例8>
光吸収部の形成工程にて、次の露光条件Eにて露光を行う以外は実施例1と同様にして図2の構造を持つディスプレイ用フィルターを得た。
(露光条件E)
露光1
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 25mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度1) 40度
露光2
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 20mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度2) 90度
露光3
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 25mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度3) 160度
<実施例9>
光吸収部の形成工程にて、次の露光条件Fにて露光を行う以外は実施例1と同様にして図2の構造を持つディスプレイ用フィルターを得た。
(露光条件F)
露光1
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 30mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度1) 40度
露光2
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 10mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度2) 90度
露光3
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定) 30mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度3) 160度
<実施例10>
集光部材料処方Bを使用した以外は、実施例2と同様にして図2の構造をもつディスプレイ用フィルターを得た。
(集光部材料処方B)
オグソールEA500 (商品名 大阪ガスケミカル株式会社製) 70質量部
アロニックスM350 (商品名 東亜合成株式会社) 30質量部
ESACURE KIP150(商品名 Lamberti製) 3質量部
<実施例11>
図11の形状を持つ前述の構造Dのモールドを使用した以外は、実施例10と同様にして図2の構造をもつディスプレイ用フィルターを得た。
<実施例12>
図11の形状を持つ前述の構造Eのモールドを使用した以外は、実施例10と同様にして図2の構造をもつディスプレイ用フィルターを得た。
<実施例13>
光吸収部の形成工程にて、前述の露光条件Dにて露光を行う以外は実施例10と同様にして図2の構造を持つディスプレイ用フィルターを得た。
<実施例14>
光吸収部の形成工程にて、前述の露光条件Eにて露光を行う以外は実施例10と同様にして図2の構造を持つディスプレイ用フィルターを得た。
<実施例15>
光吸収部の形成工程にて、前述の露光条件Cにて露光を行う以外は実施例10と同様にして図2の構造を持つディスプレイ用フィルターを得た。
<実施例16>
集光部の形成工程にて前述の構造Dのモールドを使用し、光吸収部の形成工程にて、前述の露光条件Bにて露光を行う以外は実施例10と同様にして図2の構造を持つディスプレイ用フィルターを得た。
<実施例17>
集光部の形成工程にて前述の構造Dのモールドを使用し、光吸収部の形成工程にて、前述の露光条件Cにて露光を行う以外は実施例10と同様にして図2の構造を持つディスプレイ用フィルターを得た。
<比較例1>
集光部形成工程を行わず、集光部の表面に凸レンズを設けない以外は実施例1と同様にしてディスプレイ用フィルターの制作を行った。しかし、この方法では、紫外光が全面に照射されるため、吸収部を形成することができず、図13の構造を持つディスプレイ用フィルターが得られた。
<比較例2>
遮光層の形成、非遮光層の形成、光吸収部の形成を行わない以外は、実施例1と同様にして図14の構造をもつディスプレイ用フィルターを得た。
<比較例3>
光線制御部材を使用しない以外は、実施例1と同様にして図15の構造をもつディスプレイ用フィルターを得た。
<比較例4>
光吸収部の形成工程にて、次の条件で露光条件Xにて露光を行い、透明基材に対して該光吸収部側から見た開口部の形状(観察方向2)と、集光部側から見た凸レンズの形状(観察方向1)を同じにした以外は実施例1と同様にして図16の構造を持つディスプレイ用フィルターを得た。
(露光条件X)
露光量(集光部と遮光部を通った状態での測定)70mJ/cm
サンプルと平行UV光の角度(図12中角度2) 90度
<比較例5>
前述の実施例1の光線制御部材の製造方法と同様にして光線制御部材を製作後、集光部をテープにて除去し、再度、同一面に集光部を形成することにより、光吸収部の開口部と集光部の凸レンズの光軸が一致しない形状を製作した以外は、実施例1と同様にして図17の構造を持つディスプレイ用フィルターを得た。
<比較例6>
ディスプレイ用フィルターの製造方法において、反射防止部材の反射防止層の反対面と光線制御部材の光吸収部を、電磁波遮蔽フィルムの電気導電部面と光線制御部材の集光部を貼り合わせる以外は、実施例1と同様にして図18の構造をもつディスプレイ用フィルターを得た。
<比較例7>
反射防止フィルム(高強度クリアタイプ Realook 9100 日油(株)製)、電磁波遮蔽フィルム(日立化成工業(株)製)、光線制御部材(内製)を用い、反射防止フィルムの反射防止層の反対面と、電磁波遮蔽フィルムの電気導電部とは反対面にアクリル系粘着材を厚みが50μmになるように粘着部を積層して、これら3つのフィルムを貼り合わせることにより、図21の構造をもつディスプレイ用フィルター43を得た。光線制御部材は図19、図20の表面、断面形状を有し、その製造方法は以下に示す光透過部の成型と光吸収部の充填からなる。
(光透過部の製造方法)
透明基材31に厚み75μmのPETフィルム(東レ(株)製 T−60)を、光透過部形成材料に電離放射線硬化性組成物(JSR(株)製の「デソライトZ7528」)を用い、図19、図20に示すような、溝がストライプ状に平行に複数形成された長尺シート状の光透過部35を製造した。溝の形状とサイズ等を以下に示す。
溝の断面形状;矩形
溝の高さh;15μm
溝の幅w;5μm
溝のピッチp;13μm
(光吸収部の充填方法)
光吸収部のマトリクス構成材料として電離放射線硬化性組成物(JSR(株)製の「デソライトZ7528」)100質量部を用い、これを70℃に加温して低粘度化し、ミキサーで攪拌しながらカーボンブラック10質量部を徐々に添加しながら分散させ、光吸収部材料を作成した。この光吸収部材料をワイピング法により前述の光透過部の溝に充填した後、電離放射線を照射して硬化させ、光吸収部29を形成した。これにより図19、図20の構造をもつ光線制御部材を製造した。
上記の様にして製作したディスプレイ用フィルターについて、その構成、形状測定結果、およびディスプレイとしての評価(モワレ、輝度、コントラスト、視野角)を行った。この結果を表1から3にまとめた。合格基準はすべての機能評価において1.5以上であり、かつアスペクト比が1.0を下回るものとした。
表3の結果から、本発明の実施例はアスペクト比の高い構造を用いることなく、コントラスト、輝度、視野角をすべて合格していることがわかる。さらに、成型体のアスペクト比が非常に低く、製作が容易であることがわかる。
凸レンズの最大長さの値が、本発明の好ましい範囲より大きい実施例4のディスプレイ用フィルターは、モワレが、実施例1のディスプレイ用フィルターなどと比べてやや劣っていたが、許容できる範囲であった。
(X/Y)/(X/Y)の値と、開口部の面積の割合が本発明の好ましい範囲よりも小さい実施例5のディスプレイ用フィルターは、輝度と視野角が実施例1のディスプレイ用フィルターなどと比べてやや劣っていたが、許容できる範囲であった。
開口部の面積の割合と、凸レンズの最大長さの値が本発明の好ましい範囲よりも大きい実施例12のディスプレイ用フィルターは、モワレと明所コントラストが実施例1のディスプレイ用フィルターなどと比べてやや劣っていたが、許容できる範囲であった。
開口部の面積の割合が、本発明の好ましい範囲よりも大きい実施例14のディスプレイ用フィルターは、明所コントラストが実施例1のディスプレイ用フィルターなどと比べてやや劣っていたが、許容できる範囲であった。
(X/Y)の値、(X/Y)/(X/Y)の値が本発明の好ましい範囲よりも小さい実施例15のディスプレイ用フィルターは、水平方向視野角が実施例1のディスプレイ用フィルターなどと比べてやや劣っていたが、許容できる範囲であった。
Figure 2010169788
Figure 2010169788
Figure 2010169788
本発明のディスプレイ用フィルターは、プラズマディスプレイ、FEDや有機ELなどの自発光型ディスプレイに使用することができる。
1、43 ディスプレイ用フィルター
2、28、39 反射防止部材
3、27、36 光線制御部材
4、30、41 電磁波遮蔽部材
5、17、37 透明基材
6、21 集光部
7、26 開口部
8 遮光部
9、25、34 光吸収部
10、29 粘着部B
11、31、42 粘着部
12、33 粘着部A
13、38 反射防止層
14、32、40 電気導電部
15 ディスプレイパネルのガラス
16 凸レンズ
18 集光部形成材料
19 モールド
20 UV光
22 遮光層
23 非遮光層
24 平行UV光
35 光透過部

Claims (8)

  1. 透明基材の一方の面に複数の凸レンズを有する集光部が形成され、該透明基材の他方の面に、前記凸レンズの光軸位置に開口部を有し、その開口部以外に遮光部を有する光吸収部が形成された光線制御部材を含むディスプレイ用フィルターであって、
    前記開口部の形状と前記凸レンズの形状が異なり、
    かつ透明基材に対して他方の面側の最外部に粘着部Aを有することを特徴とするディスプレイ用フィルター。
  2. 前記開口部の形状が、次の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ用フィルター。
    1.3≦(X/Y
    (ここで、Xは開口部における透明基材面に平行な方向の開口部の最大長さ、Yは開口部における透明基材面に平行でかつXに対して垂直な方向の開口部の長さ、を示す。)
  3. 前記凸レンズの形状が、次の範囲にあることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のディスプレイ用フィルター。
    1.0≦(X/Y)≦1.5
    (ここで、Xは凸レンズにおける透明基材面に平行な方向の凸レンズの最大長さ、Yは凸レンズにおける透明基材面に平行でかつXに対して垂直な方向の凸レンズの長さ、を示す。)
  4. 前記凸レンズの形状と前記開口部の形状が、次の範囲にあることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のディスプレイ用フィルター。
    1.3≦(X/Y)/(X/Y
  5. 透明基材に平行な面における光吸収部の面積100%に占める開口部の面積割合が、40%以上70%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のディスプレイ用フィルター。
  6. が、40μm以上75μm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のディスプレイ用フィルター。
    (ここで、Xは凸レンズにおける透明基材面に平行な方向の凸レンズの最大長さ、を示す。)
  7. 以下の工程を有することを特徴とする、透明基材の一方の面に複数の凸レンズを有する集光部が形成され、該透明基材の他方の面に、前記凸レンズの光軸位置に開口部を有し、その開口部以外に遮光部を有する光吸収部が形成された光線制御部材を含むディスプレイ用フィルターの製造方法。
    工程:フォトリソグラフィーにより光吸収部を形成するに際し、凸レンズの光軸に対して傾斜した成分を含む紫外光を集光部側から露光する工程。
  8. 開口部の形状と凸レンズの形状が異なり、透明基材に対して他方の面側の最外部に粘着部Aを有することを特徴とする請求項7に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
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