JP2010168155A - エレベータの非常用通話装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、調整員が反響阻止部の動作チェックを実際の設置環境におけるかご室内で行うことができるエレベータの非常用通話装置を得ることを目的とするものである。
【解決手段】非常用通話端末5が反響阻止部12の動作チェックモードにおいて、あらかじめ記憶された動作チェック用音声をマイクロホン9を介して所定時間かご室1内に出力するとともに、動作チェック用音声が出力されている間にかご室1内の調整員により発声された音声をマイクロホン9を介して収集し、収集した音声が反響阻止部12を通過した後の音声信号を記憶しておき、所定時間経過後に、記録しておいた音声信号をスピーカ10を介して出力するようになっている。
【選択図】図1
【解決手段】非常用通話端末5が反響阻止部12の動作チェックモードにおいて、あらかじめ記憶された動作チェック用音声をマイクロホン9を介して所定時間かご室1内に出力するとともに、動作チェック用音声が出力されている間にかご室1内の調整員により発声された音声をマイクロホン9を介して収集し、収集した音声が反響阻止部12を通過した後の音声信号を記憶しておき、所定時間経過後に、記録しておいた音声信号をスピーカ10を介して出力するようになっている。
【選択図】図1
Description
この発明は、かご室内に閉じ込められた乗客が監視センタのオペレータと通話するためのエレベータの非常用通話装置に関するものである。
従来のエレベータの非常用通話装置では、マイクロホンからの音声信号の音量を非常用通話端末内の音量判断部が適正値か否か判断している。また、マイクロホンからの音声信号をスピーカから流すことにより、調整員が音量及び音質をチェックしている(例えば、特許文献1参照)。
上記のように構成された従来のエレベータの非常用通話装置では、マイクロホンからの音声信号の音量及び音質をチェックすることはできる。しかしながら、スピーカからマイクロホンに回り込んだ音声が監視センタへ送信されるのを防止する反響阻止部の動作チェックを実際の設置環境で行うことができなかった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、調整員が反響阻止部の動作チェックを実際の設置環境におけるかご室内で行うことができるエレベータの非常用通話装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータの非常用通話装置は、かご室内に設けられ、かご室内の音声を音声信号として収集するマイクロホンと、かご室内に音声出力するスピーカとを有するインターホンと、非常時において、インターホンを介してかご室内の乗客と監視センタとの会話を中継するとともに、マイクロホンにより収集された音声信号から、スピーカから出力されマイクロホンに回り込んだ音声信号を除去し、乗客の発声に基づく音声信号を抽出して監視センタに伝える反響阻止部を有する非常用通話端末とを備えたエレベータの非常用通話装置であって、非常用通話端末は、反響阻止部の動作チェックモードにおいて、あらかじめ記憶された動作チェック用音声をスピーカを介して所定時間かご室内に出力するとともに、動作チェック用音声が出力されている間にかご室内の調整員により発声された音声をマイクロホンを介して収集し、収集した音声が反響阻止部を通過した後の音声信号を記録しておき、所定時間経過後に、記録しておいた音声信号を前記スピーカを介して出力するものである。
この発明のエレベータの非常用通話装置では、非常用通話端末が反響阻止部の動作チェックモードにおいて、あらかじめ記憶された動作チェック用音声をスピーカを介して所定時間かご室内に出力するとともに、動作チェック用音声が出力されている間にかご室内の調整員により発声された音声をマイクロホンを介して収集し、収集した音声が反響阻止部を通過した後の音声信号を記憶しておき、所定時間経過後に、記録しておいた音声信号をスピーカを介して出力することで、調整員自らがかご室内において反響阻止部の効果を音声として容易に確認することができ、調整員が反響阻止部の動作チェックを実際の設置環境におけるかご室内で行うことができる。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1を示すエレベータの非常用通話装置を示す構成図である。図1において、かご室1内には、インターホン2、モニタ3及びカメラ4が設けられている。インターホン2には、非常用通話端末5が接続されている。非常用通話端末5には、回線網6を介して監視センタ7が接続されている。モニタ3及びカメラ4には、レコーダ8が接続されている。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1を示すエレベータの非常用通話装置を示す構成図である。図1において、かご室1内には、インターホン2、モニタ3及びカメラ4が設けられている。インターホン2には、非常用通話端末5が接続されている。非常用通話端末5には、回線網6を介して監視センタ7が接続されている。モニタ3及びカメラ4には、レコーダ8が接続されている。
インターホン2は、マイクロホン9と、スピーカ10と、呼び出しボタン11とを有している。マイクロホン9は、かご室1内の音声を音声信号として収集している。スピーカ10は、かご室1内に音声信号を音声として出力している。呼び出しボタン11は、監視センタ7に非常通話の開始を通知する。
非常用通話端末5は、インターホン2を介して非常時にかご室1内の乗客と監視センタ7のオペレータとの会話を中継している。また、非常用通話端末5は、調整員からの操作信号に基づいて非常用通話端末制御部(図示せず)によって制御されている。また、非常用通話端末5は、反響阻止部12と、送信部13と、非常用通話端末回線インターフェイス14と、受信部15と、音量判断部16と、記憶部17とを有している。
反響阻止部12は、マイクロホン9に電気的に接続されている。反響阻止部12には、マイクロホン9から送信された音声信号が入力されている。例えば、乗客の発生した音声とオペレータの発声した音声とが重なり合った状態でマイクロホン9から送信される音声(以下、「合成音声」という)などがある。
反響阻止部12は、非常用通話端末制御部に制御されることにより、合成音声のうちスピーカ10からマイクロホン9に回り込んだ音声の音声信号のみを除去している。即ち、反響阻止部12は、非常用通話端末制御部に制御されることにより、合成音声のうち乗客が発声した音声の音声信号のみを監視センタ7に送信するように機能する。
送信部13は、反響阻止部12にスイッチR1を介して電気的に接続されている。スイッチR1は、調整員からの操作信号に基づいて電気的に開閉するように非常用通話端末制御部によって制御されている。従って、送信部13には、スイッチR1が閉じることにより、反響阻止部12を通過した後の音声信号が入力される。
また、送信部13には、音声信号の音量を調整する電子ボリューム13aが設けられている。電子ボリューム13aは、調整員からの操作信号に基づいて非常用通話端制御部によって制御されている。
非常用通話端末回線インターフェイス14は、回線網6、送信部13及び受信部15に電気的に接続されている。また、非常用通話端末回線インターフェイス14は、送信部13から送信された音声信号を受信している。さらに、非常用通話端末回線インターフェイス14は、回線網6に対して音声信号を送受信している。
受信部15は、非常用通話端末回線インターフェイス14から送信された音声信号を受信している。また、受信部15は、スピーカ10にスイッチR2を介して電気的に接続されている。スイッチR2は、調整員からの操作信号に基づいて電気的に開閉するように非常用通話端末制御部によって制御されている。従って、スピーカ10には、スイッチR2が閉じることにより、受信部15から送信された音声信号が入力される。
また、受信部15には、音声信号の音量を調整する電子ボリューム15aが設けられている。電子ボリューム15aは、調整員からの操作信号に基づいて非常用通話端末制御部によって制御されている。
音量判断部16は、反響阻止部12を通過した後の音声信号が入力されるように電気的に接続されている。また、音量判断部16は、受信部15から送信された音声信号が入力されるように電気的に接続されている。音量判断部16には、反響阻止部12を通過した後の音声信号の音量と受信部15から送信された音声信号の音量とが適正な値か否かを判断するための所定音量値が入力されている。
音量判断部16は、受信部15から送信された音声信号の音量が所定音量値を超えれば異常と判断する。また、音量判断部16は、受信部15から送信された音声信号の音量が所定音量値を超えなければ正常と判断する。
記憶部17は、音量判断部16の判断結果に対応した所定の結果通知用音声を記憶している。また、記憶部17は、所定の第1及び第2の動作チェック用音声を記憶している。さらに、記憶部17は、調整員からの操作信号に基づいて非常用通話端末がスイッチR2を接点Aに接続させることにより、記憶している音声をスピーカ10を介して出力するようになっている。
監視センタ7は、調整員からの操作信号に基づいて監視センタ制御部(図示せず)によって制御されている。また、監視センタ7は、監視センタ回線インターフェイス18と、受信部19と、送信部20と、電話機21とを有している。
監視センタ回線インターフェイス18は、回線網6、受信部19及び送信部20に電気的に接続されている。また、監視センタ回線インターフェイス18は、回線網6に対して音声信号を送受信している。
受信部19は、電話機21にスイッチR3aを介して電気的に接続されている。スイッチR3aは、調整員からの操作信号に基づいて電気的に開閉するように監視センタ制御部によって制御されている。また、受信部19は、監視センタ回線インターフェイス18から送信された音声信号を受信している。
送信部20は、電話機21にスイッチR3bを介して電気的に接続されている。スイッチR3bは、調整員からの操作信号に基づいて電気的に開閉するように監視センタ制御部によって制御されている。また、送信部20は、監視センタ回線インターフェイス18へ音声信号を送信している。
電話機21は、スイッチR3aが閉じることにより、受信部19から送信された音声信号を受信している。また、電話機21は、スイッチR3bが閉じることにより、オペレータの発声に基づいた音声信号を送信部20に送信している。
ここで、受信部19及び送信部20は、スイッチR4を介して電気的に接続されている。スイッチR4は、調整員からの操作信号に基づいて電気的に開閉するように監視センタ制御部によって制御されている。従って、スイッチR3a,3bが開くとともに、スイッチR4が閉じることにより、受信部19から送信された音声信号を送信部20で受信することができる。
レコーダ8は、カメラ4からの映像信号及び調整員からの操作信号に基づいてレコーダ制御部(図示せず)によって制御されている。また、レコーダ8は、映像入出力部22と、音声入出力部23とを有している。
映像入出力部22は、モニタ3及びカメラ4に接続されている。映像入出力部22は、カメラ4からの映像信号の変化に基づいてかご室1内の記録を開始及び停止するようになっている。また、映像入出力部22は、調整員からの操作信号に基づいて記録されたデータをモニタ3に表示及び停止するようになっている。
音声入出力部23は、左チャンネル用音声入力部23aと、右チャンネル用音声入力部23bと、左チャンネル用音声出力部23cと、右チャンネル用音声出力部23dとを有している。
左チャンネル用音声入力部23aは、レコーダ制御部に制御されることにより、反響阻止部12を通過した後の音声信号を記録している。右チャンネル用音声入力部23bは、レコーダ制御部に制御されることにより、受信部15から送信された音声信号を記録している。
左チャンネル用音声出力部23cは、調整員からの操作信号に基づいて非常用通話端末制御部にスイッチR2を接点Cへ切り替えさせることにより、左チャンネル用音声入力部23aに記録されている音声信号をスピーカ10を介して出力するようになっている。
右チャンネル用音声出力部23dは、調整員からの操作信号に基づいて非常用通話端末制御部にスイッチR2を接点Dへ切り替えさせることにより、右チャンネル用音声入力部23bに記録されている音声信号をスピーカ10を介して出力するようになっている。
次に動作について説明する。図2は、図1のエレベータの非常用通話装置の動作モードにおけるスイッチの設定及びレコーダ8の動作を示す表である。
ここで、図2に示すように、動作モードが通常時の場合、スイッチR1は、開いている。また、スイッチR2,3a,3b,4は、設定不要である。
通常時の場合、まず、かご室1内に乗客が乗車すると、カメラ4からの映像信号が変化するので、レコーダ制御部が映像入出力部22にかご室1内の映像を記録させるとともに、レコーダ制御部が左チャンネル用音声入力部23aにかご室1内の音声を記録させる。この後、乗客がかご室1内から降車すると、カメラ4からの映像信号が変化しなくなるので、レコーダ制御部が映像入出力部22にかご室1内の映像の記録を停止させるとともに、レコーダ制御部が左チャンネル用音声入力部23aにかご室1内の音声の記録を停止させる。
非常通話時の場合、まず、乗客がかご室1内に閉じ込められた場合に、呼び出しボタン11を押す。これを受けて、非常用通話端末制御部が、非常用通話端末5と監視センタ7との回線を接続し、監視センタ7に非常通話の開始を通知する。この後、非常用通話端末制御部がスイッチR1を閉じるとともに、スイッチR2を接点Bに接続させる。また、監視センタ制御部がスイッチR3a,3bを閉じるとともに、スイッチR4を開かせる。
これにより、乗客の音声は、マイクロホン9、反響阻止部12、送信部13、非常用通話端末回線インターフェイス14、回線網6、監視センタ回線インターフェイス18、受信部19、電話機21の経路で流れるようになる。この結果、かご室1内の乗客の音声を監視センタ7で聞き取ることができる。また、オペレータの音声は、電話機21、送信部20、監視センタ回線インターフェイス18、回線網6、非常用通話端末回線インターフェイス14、受信部15、スピーカ10の経路で流れるようになる。この結果、乗客はオペレータの音声をかご室1内で聞き取ることができる。
さらに、スイッチR1,2,3a,3b,4の設定時に、レコーダ制御部が映像入出力部22にかご室1内の映像を記録させるとともに、レコーダ制御部が左チャンネル用音声入力部23aにかご室1内の音声を記録させ、レコーダ制御部がオペレータの音声を右チャンネル用音声入力部23bに入力させる。
この後、乗客とオペレータとの通話が終了し、オペレータが電話機21の使用を停止すると、監視センタ制御部が非常用通話端末5と監視センタ7との回線を切断する。そして、レコーダ制御部が乗客の音声を左チャンネル用音声入力部23aに記録させるのを停止させ、レコーダ制御部がオペレータの音声を右チャンネル用音声入力部23bに記録させるのを停止させる。
次に、エレベータの非常用通話装置の点検作業について説明する。図3は、図1のエレベータの非常用通話装置の点検作業を説明するためのフローチャートである。ここでは、図2に示すような、通話装置点検時(第1段階〜第3段階)のスイッチ設定及びレコーダ8の動作も併せて説明する。
図3に示すステップS1〜9,14は、図2に示す通話装置点検時(第1段階)に相当している。また、図3に示すステップS10,11,15は、図2に示す通話装置点検時(第2段階)に相当している。さらに、図3に示すステップS12,13,16は、図2に示す通話装置点検時(第3段階)に相当している。
まず、かご室1内の調整員は、非常用通話端末制御部に点検を開始するための所定の操作を行う。これを受けて、非常用通話端末制御部が非常用通話端末5と監視センタ7との回線を接続させるとともに、非常用通話端末制御部が監視センタ制御部にエレベータの非常通話用装置の点検開始を通知する(ステップS1)。
非常用通話端末制御部は、スイッチR1を閉じるとともに、スイッチR2を接点Bに接続させる。また、監視センタ制御部は、スイッチR3a,3bを開くとともに、スイッチR4を閉じる(ステップS2)。
そして、非常用通話端末制御部は、記憶部17から所定の第1の動作チェック用音声「点検を開始します。10秒間音声を流しますので、その間、マイクロホンに向かって発声してください」を読み出し、スピーカ10から再生させる。この後、非常用通話端末制御部は、記憶部17から所定の第2の動作チェック用音声「こちらは監視センタです。どうかされましたか」を読み出し、スピーカ10から10秒間繰り返し再生させる。調整員は、所定の第2の動作チェック用音声がスピーカ10から再生されている間にマイクロホン9に向かって発声する。これと同時に、レコーダ制御部は、映像入出力部22にかご室1内の映像を記録させるとともに、左チャンネル用音声入力部23aに反響阻止部12を通過した後の音声を記録させる(ステップS3)。
非常用通話端末制御部は、音量判断部16に反響阻止部12を通過した後の音声信号と受信部15から送信された音声信号とを入力させる(ステップS4)。
非常用通話端末制御部は、所定の第2の動作チェック用音声をスピーカ10から再生し、10秒間が経過すると(ステップS5)、所定の第2の動作チェック用音声をスピーカ10から再生させるのを停止させる。また、非常用通話端末制御部は、音量判断部16に反響阻止部12を通過した後の音声信号と受信部15から送信された音声信号とを入力させるのを停止させる(ステップS6)。
次に、音量判断部16は、反響阻止部12を通過した後の音声信号及び受信部15から送信された音声信号の平均音量が正常か否かを判断する。(ステップS7)。
平均音量が異常の場合、非常用通話端末制御部は、記憶部17から結果通知用音声を読み出し、スピーカ10から再生させる。この後、レコーダ制御部は、かご室1内の映像を映像入出力部22に記録させるのを停止させるとともに、調整員の音声を左チャンネル用音声入力部23aに記録させるのを停止させる。そして、非常用通話端末制御部は、音量判断部16の結果に基づいて電子ボリューム13a,15aの設定を調整する(ステップS14)。この後、非常用通話端末制御部は、調整員が反響阻止部12を通過した後の音声信号及び受信部15から送信された音声信号の平均音量を検査するため、再度ステップS3〜7を行う。
平均音量が正常の場合、非常用通話端末制御部は、記憶部17から結果通知用音声を読み出し、スピーカ10から再生させる。この後、レコーダ制御部は、かご室1内の映像を映像入出力部22に記録させるのを停止させるとともに、調整員の音声を左チャンネル用音声入力部23aに記録させるのを停止させる(ステップS8)。そして、非常用通話端末制御部は、監視センタ制御部に点検作業終了を通知し、非常用通話端末5と監視センタ7との回線を切断する(ステップS9)。
次に、非常用通話端末制御部は、スイッチR1を開かせるとともに、スイッチR2を接点Cに接続させる。このとき、スイッチR3a,3b,4は、設定不要である。レコーダ制御部は、ステップS3で映像入出力部22に記録された映像信号を読み出し、モニタ3に表示させる。また、非常用通話端末制御部は、ステップS3で左チャンネル用音声入力部23aに記録された音声信号を左チャンネル用音声出力部23cから読み出し、スピーカ10から再生させる(ステップS10)。
調整員は、モニタ3に表示された点検時の調整員の立ち位置を確認する。立ち位置に問題がある場合、調整員は、立ち位置を修正するとともに、非常用通話端末制御部に点検作業のステップS1〜10までを再実行させる。立ち位置に問題がない場合、調整員は、スピーカ10から再生された調整員の発声した音声が小さくないかを確認するとともに、スピーカ10からマイクロホン9に回り込んだ第2の動作チェック用音声が反響阻止部12で除去されているかを確認し、反響阻止部12の動作が正常か否かを判断する(ステップS11)。
反響阻止部12の動作が異常の場合、調整員は、非常用通話端末制御部に反響阻止部12の設定を調整させる(ステップS15)。その後、調整員は、非常用通話端末制御部に点検作業のステップS1〜10までを再実行させる。
反響阻止部12の動作が正常の場合、非常用通話端末制御部は、スイッチR1を開かせるとともに、スイッチR2を接点Dに接続させる。このとき、スイッチR3a,3b,4は、設定不要である。レコーダ制御部は、ステップS3で映像入出力部22に記録された映像信号を読み出し、モニタ3に表示させる。また、非常用通話端末制御部は、ステップS3で右チャンネル用音声入力部23bに記録された音声信号を右チャンネル用音声出力部23dから読み出し、スピーカ10から再生させる(ステップS12)。そして、調整員は、スピーカ10から再生された調整員の発声した音声に歪みや途切れが生じているか否かを判断する(ステップS13)。
調整員の発声した音声に歪みや途切れが生じている場合、調整員は、各機器(インターホン2や非常用通話端末5)及び回線網6に異常がないか調査し、異常が発見されれば修正を行う(ステップS16)。その後、調整員は、非常用通話端末制御部に点検作業のステップS1〜12までを再実行させる。
調整員の発声した音声に歪みや途切れが生じていない場合、調整員は、非常用通話端末制御部に点検を終了するための所定の操作を行う。
このようなエレベータの非常用通話装置では、非常用通話端末5が反響阻止部12の動作チェックモードにおいて、あらかじめ記憶された動作チェック用音声をマイクロホン9を介して所定時間かご室1内に出力するとともに、動作チェック用音声が出力されている間にかご室1内の調整員により発声された音声をマイクロホン9を介して収集し、収集した音声が反響阻止部12を通過した後の音声信号を記憶しておき、所定時間経過後に、記録しておいた音声信号をスピーカ10を介して出力することで、調整員自らがかご室1内において反響阻止部12の効果を音声として容易に確認することができ、調整員が反響阻止部12の動作チェックを実際の設置環境におけるかご室1内で行うことができる。
また、映像入出力部22は、カメラ4からの映像信号を記録するとともに、記録しておいた映像信号をモニタ3を介して表示させることができる。従って、通話装置点検時に調整員が立ち位置をモニタ3で確認することができ、反響阻止部12の調整作業をより正確に行うことができる。
なお、上記の例では、映像信号をかご室内のモニタを介して表示させていたが、例えば、映像信号を携帯用のパーソナルコンピュータのモニタを介して表示させてもよい。
1 かご室、2 インターホン、3 モニタ(映像信号出力部)、4 カメラ、5 非常用通話端末、7 監視センタ、8 レコーダ、9 マイクロホン、10 スピーカ、12 反響阻止部。
Claims (3)
- かご室内に設けられ、前記かご室内の音声を音声信号として収集するマイクロホンと、前記かご室内に音声出力するスピーカとを有するインターホンと、
非常時において、前記インターホンを介して前記かご室内の乗客と監視センタとの会話を中継するとともに、前記マイクロホンにより収集された音声信号から、前記スピーカから出力され前記マイクロホンに回り込んだ音声信号を除去し、前記乗客の発声に基づく音声信号を抽出して前記監視センタに伝える反響阻止部を有する非常用通話端末と
を備えたエレベータの非常用通話装置であって、
前記非常用通話端末は、前記反響阻止部の動作チェックモードにおいて、あらかじめ記憶された動作チェック用音声を前記スピーカを介して所定時間前記かご室内に出力するとともに、前記動作チェック用音声が出力されている間に前記かご室内の調整員により発声された音声を前記マイクロホンを介して収集し、収集した音声が前記反響阻止部を通過した後の音声信号を記録しておき、前記所定時間経過後に、記録しておいた前記音声信号を前記スピーカを介して出力する
ことを特徴とするエレベータの非常用通話装置。 - 前記反響阻止部を通過した後の前記音声信号を記録しておくレコーダをさらに備え、
前記非常用通話端末は、前記所定時間中に前記反響阻止部を通過した後の音声信号を前記レコーダに記録させ、前記所定時間経過後に、前記レコーダに記録された前記音声信号を前記スピーカを介して出力することを特徴とする請求項1記載のエレベータの非常用通話装置。 - 前記かご室内には、前記かご室内を撮像するカメラがさらに備えられ、
前記非常用通話端末は、前記所定時間中における前記かご室内の調整員の位置を前記カメラを介して映像信号として取得し、前記レコーダに記録させ、前記所定時間経過後に、前記レコーダに記録された前記映像信号を出力する映像信号出力部を介して表示させることを特徴とする請求項2記載のエレベータの非常用通話装置。
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