JP2010167067A - 医用画像処理装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】左右の肺野領域の特徴の変化を把握しやすく、効率の良い読影を可能とする。
【解決手段】医用画像処理装置は、医用画像に含まれる左右の肺野領域を抽出し(ステップS1)、前記抽出された左の肺野領域と右の肺野領域との特徴量の差を算出する(ステップS3)画像解析手段と、前記算出された特徴量の差を肺野領域の位置に対して示す特性情報を作成し、前記医用画像とともに表示手段に表示させる(ステップS4)制御手段と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】医用画像処理装置は、医用画像に含まれる左右の肺野領域を抽出し(ステップS1)、前記抽出された左の肺野領域と右の肺野領域との特徴量の差を算出する(ステップS3)画像解析手段と、前記算出された特徴量の差を肺野領域の位置に対して示す特性情報を作成し、前記医用画像とともに表示手段に表示させる(ステップS4)制御手段と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、医用画像処理装置及びプログラムに関する。
胸部が撮影された医用画像を読影するに際して、肺野領域の濃度や大きさ、形状の変化は、肺疾患の有無や換気量の変化を示唆する重要な因子である。医師はこれらの因子に注意して読影を行うが、胸部は複雑な構造をしており、肺野全体の濃度分布や濃度差を認識するのは容易ではなく、肺疾患の有無を判別するには経験と知識が必要である。
このような医師の読影を支援するため、従来、濃度値についての定量的な情報を医師に提供することが行われている。例えば、過去の医用画像と現在の医用画像の濃度値を差分した差分画像を作成し、表示することが行われている。
また、左右の肺野領域で一定領域毎に濃度値の平均値を算出し、算出した平均値をヒストグラムや折れ線のようなグラフで表示したり、医用画像上でグラフィック表示したりする方法も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、差分画像は経時変化による濃度変化を把握することは可能かもしれないが、左右の肺野間の濃度変化を把握することはできない。また、差分画像は比較のために読影の対象となる医用画像と同じ表示サイズで表示され、表示スペースを占有する。差分画像の表示のため、読影対象とする医用画像の表示サイズは小さくせざるを得ず、読影しづらい状況となっていた。
上記特許文献1の方法により、左右それぞれの肺野領域から算出された濃度値の平均値をグラフ表示した場合、グラフから左右の肺野領域で濃度変化があることは把握できるが、肺野領域のどこで濃度変化があるのか、その位置を直感的に把握しづらい。医師はグラフ上の濃度変化が医用画像上のどの位置で起こっているのか対応をとらなければならず、効率的な読影ができない。一方、医用画像上でグラフィック表示した場合、濃度変化がある位置は把握しやすいかもしれないが、グラフィック表示により医用画像が塗りつぶされる等するため、医師が医用画像を読影する妨げとなる。
本発明の課題は、左右の肺野領域の特徴の変化を把握しやすく、効率の良い読影を可能とすることである。
請求項1に記載の発明によれば、
医用画像に含まれる左右の肺野領域を抽出し、前記抽出された左の肺野領域と右の肺野領域との特徴量の差を算出する画像解析手段と、
前記算出された特徴量の差を肺野領域の位置に対して示す特性情報を作成し、前記医用画像とともに表示手段に表示させる制御手段と、
医用画像処理装置が提供される。
医用画像に含まれる左右の肺野領域を抽出し、前記抽出された左の肺野領域と右の肺野領域との特徴量の差を算出する画像解析手段と、
前記算出された特徴量の差を肺野領域の位置に対して示す特性情報を作成し、前記医用画像とともに表示手段に表示させる制御手段と、
医用画像処理装置が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、
前記特性情報は、肺野領域の垂直方向の位置に対する左右の肺野領域の特徴量の差を示すグラフであり、
前記制御手段は、前記グラフにおいて肺野領域の何れかの位置がユーザにより指定されると、前記表示された医用画像の肺野領域のうち、当該指定された位置に対応する領域を識別表示させる請求項1に記載の医用画像処理装置が提供される。
前記特性情報は、肺野領域の垂直方向の位置に対する左右の肺野領域の特徴量の差を示すグラフであり、
前記制御手段は、前記グラフにおいて肺野領域の何れかの位置がユーザにより指定されると、前記表示された医用画像の肺野領域のうち、当該指定された位置に対応する領域を識別表示させる請求項1に記載の医用画像処理装置が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、
前記制御手段は、前記特性情報の表示サイズの変更がユーザにより指示されると、当該特性情報の表示サイズを変更して表示手段に表示させる請求項1又は2に記載の医用画像処理装置が提供される。
前記制御手段は、前記特性情報の表示サイズの変更がユーザにより指示されると、当該特性情報の表示サイズを変更して表示手段に表示させる請求項1又は2に記載の医用画像処理装置が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、
前記制御手段は、前記特性情報の表示位置の変更がユーザにより指示されると、当該特性情報の表示位置を変更して表示する請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像処理装置が提供される。
前記制御手段は、前記特性情報の表示位置の変更がユーザにより指示されると、当該特性情報の表示位置を変更して表示する請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像処理装置が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、
前記特徴量の差は、濃度差である請求項1〜4の何れか一項に記載の医用画像処理装置が提供される。
前記特徴量の差は、濃度差である請求項1〜4の何れか一項に記載の医用画像処理装置が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、
前記特徴量の差は、テクスチャ特徴量の差である請求項1〜4の何れか一項に記載の医用画像処理装置が提供される。
前記特徴量の差は、テクスチャ特徴量の差である請求項1〜4の何れか一項に記載の医用画像処理装置が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、
コンピュータを、
医用画像に含まれる左右の肺野領域を抽出し、前記抽出された左の肺野領域と右の肺野領域との特徴量の差を算出する画像解析手段、
前記算出された特徴量の差を肺野領域の位置に対して示す特性情報を作成し、前記医用画像とともに表示手段に表示させる制御手段、
として機能させるためのプログラムが提供される。
コンピュータを、
医用画像に含まれる左右の肺野領域を抽出し、前記抽出された左の肺野領域と右の肺野領域との特徴量の差を算出する画像解析手段、
前記算出された特徴量の差を肺野領域の位置に対して示す特性情報を作成し、前記医用画像とともに表示手段に表示させる制御手段、
として機能させるためのプログラムが提供される。
本発明によれば、特徴量の差の特性情報により、左右の肺野領域の特徴の変化とその特徴の変化が生じている肺野領域の位置を容易に把握できる。また、特徴の変化がある肺野領域については特性情報とともに表示された医用画像により読影することができ、効率的な読影が可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態における医用画像処理装置10の機能的構成を示す。
図1に示すように、医用画像処理装置10は制御部11、操作部12、表示部13、通信部14、記憶部15、画像解析部16を備えて構成されている。
図1に示すように、医用画像処理装置10は制御部11、操作部12、表示部13、通信部14、記憶部15、画像解析部16を備えて構成されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)を備えて構成される。制御部11は記憶部15に記憶されているプログラムとの協働により各種処理を実行し、各種演算を行うとともに各部を制御する。
例えば、制御部11は画像解析部16によって算出された左右の肺野領域の特徴量の差を、肺野領域の位置に対して示す特性情報を作成し、前記医用画像とともに表示部13に表示する。
例えば、制御部11は画像解析部16によって算出された左右の肺野領域の特徴量の差を、肺野領域の位置に対して示す特性情報を作成し、前記医用画像とともに表示部13に表示する。
操作部12はキーボード、マウスを備え、これらの操作に応じた操作信号を生成して制御部11に出力する。
表示部13はディスプレイを備え、制御部11の表示制御に従って読影対象の医用画像や左右の肺野領域の特徴量の差の特性情報を表示する。
表示部13はディスプレイを備え、制御部11の表示制御に従って読影対象の医用画像や左右の肺野領域の特徴量の差の特性情報を表示する。
記憶部15は、例えばハードディスクのような大容量メモリから構成され、各種プログラムやパラメータ、データを記憶する。例えば、記憶部15は読影の対象となる医用画像、画像解析部16による解析結果を記憶している。
画像解析部16は、医用画像を解析して医用画像に含まれる左右の肺野領域を抽出する。また、画像解析部16は左の肺野領域と右の肺野領域とで対応する対応領域を決定し、決定された左右の対応領域の特徴量の差を算出する。なお、画像解析部16による画像解析の処理は、記憶部15に記憶される画像解析用のプログラムとCPUとの協働によるソフトウェア処理により実現してもよいし、画像解析用の回路のようなハードウェアによって実現してもよい。
図2は、読影対象の医用画像を表示する際に、上記医用画像処理装置10により実行される処理を示すフローチャートである。この処理では、読影対象の医用画像に含まれる左右の肺野領域の特徴量の差が算出され、その特性情報が医師に提供される。読影対象の医用画像は、ネットワークを介して接続される撮影装置から取得してもよいし、医用画像を管理するサーバからダウンロードしてもよい。読影対象の医用画像は記憶部15に記憶され、医師によって読影対象の医用画像の表示が指示されると、制御部11の制御によって当該記憶された医用画像が画像解析部16に出力される。
図2に示すように、画像解析部16は入力された医用画像を処理対象として当該医用画像から肺野領域を抽出する(ステップS1)。まず、画像解析部16は図3に示すように処理対象の医用画像d1を、平均化フィルタを用いて平均化処理する。平均化フィルタのマスクサイズは例えば8×8画素である。画像解析部16は、平均化処理後の処理画像d2を垂直方向に20画素幅の領域に分割し、分割された帯状の領域毎に水平方向における濃度値のヒストグラムを作成する。
図4は、ある帯状の領域について作成されたヒストグラムの一例を示している。ヒストグラムの横軸は帯状の領域の水平方向における画素の位置を示し、縦軸はその画素の位置における累積濃度値を示している。画像解析部16はこのヒストグラムにおいて変曲点rref、mref、lrefを特定し、各変曲点rref、mref、lrefにおける濃度値のうちの最小値から5を引いた値を閾値に設定する。画像解析部16はヒストグラムにおいて閾値以下の濃度値を有する画素を初期領域として求める。その結果、図3の処理画像d3に示すような初期領域d31が求められる。
次いで、画像解析部16は初期領域d31に対してSnake法(”Snakes:Active countour models”M.Kass,A.Witkin,and Terzopulos , Internatioal Jounal of Computer,Vol.1,No4,pp.321-331,1988)による領域拡張を行う。Snake方法とは、画像平面上のある曲線上で、内部エネルギー、画像エネルギーの線形和として表されるエネルギー関数を用いる方法である。エネルギー関数が最小となるように形状の修正、輪郭線の抽出が行われる。
図3の処理画像d4に示すように、領域拡張によって最終的に得られた領域d41を、画像解析部16は肺野領域として抽出する。
なお、上述した肺野領域の抽出方法は一例である。肺野領域の抽出方法は特に限定されず、何れの方法を使用してもよい。
図3の処理画像d4に示すように、領域拡張によって最終的に得られた領域d41を、画像解析部16は肺野領域として抽出する。
なお、上述した肺野領域の抽出方法は一例である。肺野領域の抽出方法は特に限定されず、何れの方法を使用してもよい。
肺野領域が抽出されると、画像解析部16は抽出された左の肺野領域と右の肺野領域とで対応する対応領域を決定する(ステップS2)。図5に示す医用画像を例に説明すると、まず画像解析部16は医用画像から抽出された左右の肺野領域において、右肺の上端点Rt、下端点Rb、左肺の上端点Lt、下端点Lbを求める。上端点Rt、Ltは左右の肺野領域のうち垂直方向の座標がそれぞれ最小となる画素であり、下端点Rb、Lbは垂直方向の座標がそれぞれ最大となる画素である。
次いで、画像解析部16は医用画像に正中線を設定する。具体的には、画像解析部16は右肺及び左肺の上端点Rt、Ltのうち垂直方向の座標が大きい方を上端境界点、右肺と左肺の下端点Rb、Lbのうち垂直方向における座標が小さい方を下端境界点として求める。図5に示す例では左肺の上端点Ltが上端境界点であり、右肺の下端点Rbが下端境界点である。また、画像解析部16は、図5に示すように上端境界点と下端境界点間の垂直方向の距離を2分割する線を描き、描いた線と左右の肺野領域の外郭との交点Rc、Lcを求める。そして、画像解析部16は右肺と左肺の上端点Rt、Ltの水平方向における中点m1と、右肺及び左肺の交点Rc、Lcの水平方向における中点m2とを求め、求めた2つの中点m1、m2を結ぶ線を正中線Cとして設定する。
次いで、画像解析部16は図5に示すように上端境界点(左肺の上端点Lt)、下端境界点(右肺の下端点Rb)のそれぞれにおいて正中線Cに垂直な境界線et、ebを設定し、設定した2つの境界線et、ebにより囲まれる肺野領域を左右で比較する対象に設定する。この比較の対象に設定された肺野領域のみ特徴量の差の算出が行われる。
次いで、画像解析部16は、比較の対象に設定された左右の肺野領域を正中線Cの方向に複数に分割し、各分割領域を左右で対応する対応領域に設定する。例えば、図6に示すように左右の肺野領域を5つに分割した場合、右の肺野領域から5つの分割領域R1〜R5が得られ、左の肺野領域から5つの分割領域L1〜L5が得られる。このとき、分割領域R1と分割領域L1、分割領域R2と分割領域L2のように、左右で隣接する分割領域がそれぞれ左右で対応する対応領域として設定される。
次いで、画像解析部16は、比較の対象に設定された左右の肺野領域を正中線Cの方向に複数に分割し、各分割領域を左右で対応する対応領域に設定する。例えば、図6に示すように左右の肺野領域を5つに分割した場合、右の肺野領域から5つの分割領域R1〜R5が得られ、左の肺野領域から5つの分割領域L1〜L5が得られる。このとき、分割領域R1と分割領域L1、分割領域R2と分割領域L2のように、左右で隣接する分割領域がそれぞれ左右で対応する対応領域として設定される。
次いで、画像解析部16は左右の対応領域を解析し、特徴量の差を算出する(ステップS3)。特徴量は、画像の特性を示す指標となるのであれば何れの特徴量であってもよく、例えば濃度値そのものや濃度値から求められるテクスチャ特徴量等が挙げられる。テクスチャ特徴量は濃度の一様性や方向性、コントラスト変化等を表す。
本実施形態では、特徴量の差として濃度差(濃度値の差)を算出する例を説明する。
画像解析部16は、図6に示す各分割領域R1〜R5、L1〜L5について分割領域内の各画素の濃度値の平均値を算出する。次に、画像解析部16は各分割領域R1〜R5、L1〜L5で算出された平均値を左右の対応領域同士で差分し、濃度差を算出する。ここでは、左の分割領域の平均値から右の分割領域の平均値の差分が算出されたこととする。
画像解析部16は、図6に示す各分割領域R1〜R5、L1〜L5について分割領域内の各画素の濃度値の平均値を算出する。次に、画像解析部16は各分割領域R1〜R5、L1〜L5で算出された平均値を左右の対応領域同士で差分し、濃度差を算出する。ここでは、左の分割領域の平均値から右の分割領域の平均値の差分が算出されたこととする。
このように、画像解析部16によって濃度差が算出されると、制御部11は算出された濃度差を肺野領域の位置に対して示す特性情報を作成し、当該特性情報を解析対象となった医用画像とともに表示部13に表示させる(ステップS4)。ここでは、肺野領域の位置に対する濃度差を示すグラフを特性情報として作成する例を説明する。
肺野領域を5分割している場合、濃度差は5つ算出されるので、制御部11は図7(a)に示すように5つの濃度差をプロットし、その近似曲線を描いてグラフを作成する。グラフの横軸は濃度差を表し、縦軸は肺野領域の垂直方向における位置を表しており、描かれた近似曲線は肺野領域の垂直方向の位置に対する濃度差を示す特性曲線である。横軸の「L」の方向は左の肺野領域が右の肺野領域よりも濃度値が大きいことを示し、「R」の方向は右の肺野領域が左の肺野領域よりも濃度値が大きいことを示す。濃度差は左の分割領域の平均値から右の分割領域の平均値を差分して求められているので、濃度差が正の値であればL側に、負の値であればR側に濃度差がプロットされる。
肺野領域を5分割している場合、濃度差は5つ算出されるので、制御部11は図7(a)に示すように5つの濃度差をプロットし、その近似曲線を描いてグラフを作成する。グラフの横軸は濃度差を表し、縦軸は肺野領域の垂直方向における位置を表しており、描かれた近似曲線は肺野領域の垂直方向の位置に対する濃度差を示す特性曲線である。横軸の「L」の方向は左の肺野領域が右の肺野領域よりも濃度値が大きいことを示し、「R」の方向は右の肺野領域が左の肺野領域よりも濃度値が大きいことを示す。濃度差は左の分割領域の平均値から右の分割領域の平均値を差分して求められているので、濃度差が正の値であればL側に、負の値であればR側に濃度差がプロットされる。
肺野領域の分割数は設定により変更可能である。制御部11は設定された分割数に応じた特性曲線を計算し、グラフ上に描く。
肺野領域の分割数が増加すれば、濃度差のプロット数が増加するため、グラフ中の特性曲線は左右の肺野領域の濃度差をより明確に表した曲線となる。例えば、肺野領域を8分割した場合、図7(b)に示すようなグラフが作成される。図7(a)に示す5分割の場合と比較して、より精密な特性曲線が描かれ、濃度差が明確となっている。
このように、分割数によって描かれる特性曲線が異なるので、医師は目的に応じて分割数を設定すればよい。例えば、ノイズや小さな病変の濃度差の影響は無視したい場合には分割数を小さく設定することができ、小さな病変の濃度差も確認したい場合には分割数を大きく設定することができる。
肺野領域の分割数が増加すれば、濃度差のプロット数が増加するため、グラフ中の特性曲線は左右の肺野領域の濃度差をより明確に表した曲線となる。例えば、肺野領域を8分割した場合、図7(b)に示すようなグラフが作成される。図7(a)に示す5分割の場合と比較して、より精密な特性曲線が描かれ、濃度差が明確となっている。
このように、分割数によって描かれる特性曲線が異なるので、医師は目的に応じて分割数を設定すればよい。例えば、ノイズや小さな病変の濃度差の影響は無視したい場合には分割数を小さく設定することができ、小さな病変の濃度差も確認したい場合には分割数を大きく設定することができる。
作成されたグラフは医用画像とともに表示される。
図8は肺野に病変が存在する異常症例の場合の表示例を示し、図9は肺野に病変が存在しない正常症例の場合の表示例を示している。
図8及び図9に示すように、解析対象となった医用画像Fが表示され、医師の読影に供される。また、医用画像に隣接して作成されたグラフHが表示される。なお、図8及び図9は、比較対象領域を8分割したときの表示例を示している。
図8は肺野に病変が存在する異常症例の場合の表示例を示し、図9は肺野に病変が存在しない正常症例の場合の表示例を示している。
図8及び図9に示すように、解析対象となった医用画像Fが表示され、医師の読影に供される。また、医用画像に隣接して作成されたグラフHが表示される。なお、図8及び図9は、比較対象領域を8分割したときの表示例を示している。
図9に示すように、病変が存在しない場合、左右の肺野領域の濃度変化は小さい。そのため、グラフH上の特性曲線も左右何れかに偏ることはなく、濃度差0付近に描かれる。
これに対し、病変が存在する場合、病変部分と正常組織部分とで濃度差が生じるため、左右何れかの肺野に病変が含まれれば左右の肺野領域の濃度差は大きくなる。その結果、図8に示すようにグラフHには左右に振れ幅が大きい特性曲線が描かれるので、医師は特性曲線が左右の何れかに偏っている位置において病変が存在すると容易に把握できる。
これに対し、病変が存在する場合、病変部分と正常組織部分とで濃度差が生じるため、左右何れかの肺野に病変が含まれれば左右の肺野領域の濃度差は大きくなる。その結果、図8に示すようにグラフHには左右に振れ幅が大きい特性曲線が描かれるので、医師は特性曲線が左右の何れかに偏っている位置において病変が存在すると容易に把握できる。
初期表示時、図8及び図9に示すように、グラフHの肺野領域の垂直方向におけるサイズと、医用画像の比較対象領域の垂直方向におけるサイズとが同一となるように、グラフH及び医用画像Fが表示される。すなわち、初期表示においては、グラフHの縦軸で示される垂直方向の位置は、隣接して表示されている医用画像Fの肺野領域の垂直方向の位置と一致している。特性曲線が左右の肺野領域の何れかに偏っている部分があれば、医師はその偏っている部分の位置からそのまま目線を水平に移動して医用画像を読影し、病変の有無を診断すればよい。特性曲線と医用画像上の肺野領域の位置との対応関係が分かりやすく、効率的な読影が可能である。
グラフHの表示サイズ及び表示位置は医師の操作に応じて変更することができる。例えば、図10に示すように、制御部11は医師による縮小の指示操作に応じてグラフHの表示サイズを小さく変更し、さらにドラッグ及びドロップ操作に応じて表示サイズが小さく変更されたグラフHを医用画像F上に重ねて表示する。グラフHが表示されていたスペースが空くので、医用画像Fを拡大表示したり、患者情報等の他の情報を表示したりすることができる。
さらに、図11に示すように医師によりグラフH中の特性曲線の一部が選択操作されると、制御部11は選択された特性曲線の部分に対応する分割領域を特定し、医用画像Fの肺野領域のうち、特定された分割領域Ftの色を変えて識別表示するようにしてもよい。識別表示によって、医師は特性曲線と医用画像Fの肺野領域との対応関係を容易に把握することができる。特に、グラフHの表示サイズや表示位置を変更した場合、グラフHと医用画像の肺野領域の垂直方向の位置が一致しなくなるため、グラフHと肺野領域の垂直方向の位置の対応関係が把握しづらくなるが、識別表示によればそのような問題も解消することができる。なお、識別表示の方法としては色を変えるだけでなく、その領域を枠で囲む等、何れの方法であってもよい。
以上のように、本実施形態によれば、画像解析部16が医用画像に含まれる左右の肺野領域を抽出し、当該抽出された左の肺野領域と右の肺野領域の特徴量の差として濃度差を算出する。制御部11は当該算出された濃度差を肺野領域の垂直方向の位置に対して示す特性情報を作成し、医用画像とともに表示部13に表示させるので、医師は濃度差の特性情報により、左右の肺野領域の濃度変化とその濃度変化が生じている肺野領域の位置を容易に把握できる。また、また、濃度変化がある肺野領域については特性情報とともに表示された医用画像により読影することができ、効率的な読影が可能である。
濃度差の特性情報は、肺野領域の垂直方向の位置に対する濃度差を示す特性曲線が描かれたグラフであるので、医師はグラフによって濃度変化の有無、濃度変化が生じている位置を直感的に把握することができる。
また、グラフにおいて特性曲線の一部が医師により選択されると、制御部11は選択された一部に対応する分割領域を特定し、医用画像中の肺野領域のうち、当該特定された分割領域を識別表示するので、医師はグラフ中の特性曲線により示される濃度差と、医用画像中の肺野領域の位置との対応関係を容易に把握することができる。
また、グラフにおいて特性曲線の一部が医師により選択されると、制御部11は選択された一部に対応する分割領域を特定し、医用画像中の肺野領域のうち、当該特定された分割領域を識別表示するので、医師はグラフ中の特性曲線により示される濃度差と、医用画像中の肺野領域の位置との対応関係を容易に把握することができる。
また、制御部11は医師の指示操作に応じて、濃度差の特性情報の表示サイズ、表示位置を変更するので、医師は濃度差の特性情報の配置を自由に決めることができ、使い勝手が良い。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。
例えば、上記実施形態では左右の対応領域の濃度値の平均値の差を濃度差として求めていたが、濃度値の累積加算値の差を濃度差として求めることとしてもよい。また、対応領域内の各画素の濃度値の標準偏差の差を濃度差として求めてもよい。
例えば、上記実施形態では左右の対応領域の濃度値の平均値の差を濃度差として求めていたが、濃度値の累積加算値の差を濃度差として求めることとしてもよい。また、対応領域内の各画素の濃度値の標準偏差の差を濃度差として求めてもよい。
また、特徴量の差として、濃度差ではなくテクスチャ特徴量の差を用いる場合、濃度共起行列によりテクスチャ特徴量を算出することができる。濃度共起行列は、ある特定の相対的な位置関係にある1対の画素において、各画素の濃度値が一定の関係となる頻度を表す。例えば、図12に示すように画像の水平方向の座標をx、垂直方向の座標をyとして画素の位置を表すと、ある画素(x1、y1)とその画素(x1、y1)からみて角度θの方向に距離dだけ離れた位置関係にある画素(x2、y2)に着目する。この1対の画素(x1、y1)、(x2、y2)の濃度値i、jを求め、濃度共起行列(i,j|d,θ)の対応する項に累積していく。
このように求められた濃度共起行列から下記式1〜5に示されるエネルギー、エントロピー、平均、逆差分モーメントといった各種テクスチャ特徴量を算出することができる。上記実施形態で用いられた濃度差に代えてテクスチャ特徴量の差を求め、その特性情報を作成すればよい。この場合も上記実施形態による効果と同様に、医師は画像の特徴の変化とその特徴の変化が生じている位置を容易に把握できる。例えば、左右何れかの肺野に濃度差としては大きくはない、淡い粒状の陰影を伴う病変が存在する場合のように、濃度差よりはテクスチャ特徴量の差の方が、差が大きく左右での変化を把握しやすい場合がある。このような場合には、テクスチャ特徴量の差の特性情報を提供することにより、医師の読影をサポートすることができる。
なお、上記式において、Nは画像の濃度レベルの数、vx、vyは濃度値の平均、σx、σyは濃度値の分散である。
また、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としては、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
10 医用画像処理装置
11 制御部
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 記憶部
16 画像解析部
11 制御部
12 操作部
13 表示部
14 通信部
15 記憶部
16 画像解析部
Claims (7)
- 医用画像に含まれる左右の肺野領域を抽出し、前記抽出された左の肺野領域と右の肺野領域との特徴量の差を算出する画像解析手段と、
前記算出された特徴量の差を肺野領域の位置に対して示す特性情報を作成し、前記医用画像とともに表示手段に表示させる制御手段と、
医用画像処理装置。 - 前記特性情報は、肺野領域の垂直方向の位置に対する左右の肺野領域の特徴量の差を示すグラフであり、
前記制御手段は、前記グラフにおいて肺野領域の何れかの位置がユーザにより指定されると、前記表示された医用画像の肺野領域のうち、当該指定された位置に対応する領域を識別表示させる請求項1に記載の医用画像処理装置。 - 前記制御手段は、前記特性情報の表示サイズの変更がユーザにより指示されると、当該特性情報の表示サイズを変更して表示手段に表示させる請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
- 前記制御手段は、前記特性情報の表示位置の変更がユーザにより指示されると、当該特性情報の表示位置を変更して表示する請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
- 前記特徴量の差は、濃度差である請求項1〜4の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
- 前記特徴量の差は、テクスチャ特徴量の差である請求項1〜4の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
- コンピュータを、
医用画像に含まれる左右の肺野領域を抽出し、前記抽出された左の肺野領域と右の肺野領域との特徴量の差を算出する画像解析手段、
前記算出された特徴量の差を肺野領域の位置に対して示す特性情報を作成し、前記医用画像とともに表示手段に表示させる制御手段、
として機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009011779A JP2010167067A (ja) | 2009-01-22 | 2009-01-22 | 医用画像処理装置及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009011779A JP2010167067A (ja) | 2009-01-22 | 2009-01-22 | 医用画像処理装置及びプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010167067A true JP2010167067A (ja) | 2010-08-05 |
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-
2009
- 2009-01-22 JP JP2009011779A patent/JP2010167067A/ja active Pending
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