JP2010166711A - 永久磁石型モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 円筒形状コアに電機子コイルを巻装して構成されるステータと、外周表面上に複数個の永久磁石を固定してなる永久磁石ロータ部と、永久磁石ロータ部の軸方向の端部で、電機子コイルのコイルエンドと対向する場所に、永久磁石ロータ部の極対数と同数の凸部を有する突極性磁極部を備えた永久磁石型モータにおいて、q軸を中心に電気角で±45度の範囲において、インダクタンスの変化量が、正弦波状に変化する場合のインダクタンス変化量よりも大きくなるようにする。
【選択図】図1
Description
通常ロータ軸にパルス発信器等のエンコーダ(位置検出器)を結合することにより、ロータ位置を検出している。この場合、ロータ軸の端部にエンコーダを付加するために、モータの寸法が大きくなり、装置への組み込みが困難になるという問題がある。またこのエンコーダが故障の原因になりシステムの信頼性を低下させる問題も生じる。さらにエンコーダの付加によりモータのコストが高価となる問題がある。
従来のエンコーダレスモータは、円筒形状コアに電機子コイルとティースを有するステータと磁気的ギャップを介して、該ステータ内径側に対向配置され、その外周面に永久磁石を取り付けた永久磁石ロータ部と、ロータ軸方向の端部に突極性を備えた磁極部を備えている(例えば、特許文献1参照)。
図8(a)において、101がステータ,102が永久磁石ロータ部,103が軸,104が永久磁石,105が突極性磁極部である。これら101〜104により非突極性を有する永久磁石型モータを構成し、軸103の軸方向の一部に突極性磁極105を付加することにより、突極性を有する永久磁石型モータ(エンコーダレスモータ)を構成している。
図8(b)に示す形状の突極性磁極部を付加することにより、インダクタンス変化は正弦波となる。
なお、モータを駆動するインバータは電流検出器を有し、該電流をd軸・q軸の2軸方向に分解する機能を有している。まず、基本波電圧(図10a)に、磁極(ロータ位置)検出を行うための高周波電圧(図10b)を重畳した駆動電圧(図10c)をモータに印加する。次に、電機子電流を検出し、高周波電流成分を抽出する。この高周波電流成分と、駆動電圧に重畳した高周波電圧からインダクタンスを求め、磁極検出、すなわちロータの位置検出を行う。なお実際の制御システムでは、ロータ位置とインダクタンスと高周波電流は対応しているので、検出した高周波電流値を用いて位置制御を行っている。
また、ステータ内の電機子コイルと対向する位置に突極性磁極を配置しているために、永久磁石ロータ部の軸長を短くしなければならず、同じ軸長のモータと比較して、トルクが減少してしまう問題もあった。
請求項1に記載の発明は、円筒形状コアに電機子コイルを巻装して構成されるステータと、外周表面上に複数個の永久磁石を固定してなる永久磁石ロータ部と、前記永久磁石ロータ部の軸方向の一部で、前記電機子コイルのコイルエンドと対向する場所に、前記永久磁石ロータ部の極対数と同数の凸部を有する突極性磁極部を備えた永久磁石型モータにおいて、q軸を中心に電気角で±45度の範囲において、インダクタンスの変化量が、正弦波状に変化する場合のインダクタンス変化量よりも大きくなるようにしたことを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、q軸を中心に電気角で±45度の範囲において、インダクタンスが最大値から最小値または最小値から最大値まで変化するようにしたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、前記突極性磁極部は、シャフトと嵌合する円筒形状の内周磁極部と凸部の外周磁極部から構成され、外周磁極部のモータの軸に対する垂直な断面形状が略長方形であり、長方形の中心線と頂点がなす中心角をαとし,突極性磁極部の数をβとしたとき、機械角でα=45/β度であるともに、長方形外周中心部にV字またはU字の切り込みを設けた。
請求項4に記載の発明は、前記突極性磁極部は、シャフトと嵌合する円筒形状の内周磁極部と凸部の外周磁極部から構成され、外周磁極部のモータの軸に対する垂直な断面形状が略三角形であり、三角形の頂点と、外周磁極部と内周磁極部の交点がなす中心角をαとし、突極性磁極部の数をβとしたとき、機械角でα=45/β度であるようにしたことを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、前記突極性磁極部は、シャフトと嵌合する円筒形状の内周磁極部と凸部の外周磁極部から構成され、外周磁極部のモータの軸に対する垂直な断面形状が略長方形であり、長方形の中心線と内周磁極部とシャフトの交点がなす中心角をαとし,突極性磁極部の数をβとしたとき、機械角でα=45/β度であるようにしたことを特徴としている。
また請求項4〜5記載の発明によると、インダクタンスの変化量(最大値―最小値)を大きくすることができ、磁極(ロータ位置)の検出精度を向上させることができる。
請求項1〜5記載の発明により、磁極検出精度が向上したので、始動時の磁極検出を失敗することがなくなり、サーボモータとしての信頼性が大幅に向上した。
さらに、突極性磁極を、ステータ内の電機子コイルと対向する位置に配置しているために、永久磁石ロータ部の軸長を短くする必要もなく、従来のエンコーダレスモータに比して、高精度なロータ位置検出と高トルクなエンコーダレスモータを提供することができる。
図1において、1は電機子コイルを巻装したステータ,2は永久磁石ロータ部,3はシャフト,4は永久磁石,5は突極性磁極部,6は電機子コイルエンドである。また、図2,図4,図6は、図1に示した突極性磁極部5の正断面図であり、52が突極性磁極部の外周磁極部(凸部)を表している。また突極性磁極部βを4個設けた。
第2の実施例が第1の実施例と異なる点は、突極性磁極部の外周部磁極の形状を断面形略三角形にしたことである。三角形の頂点と、外周磁極部と内周磁極部の交点がなす中心角αを、突極性磁極部の数を4とし、機械角でα=11.3度とした。このときのインダクタンス変化を図5において実線で示す。比較のため、従来のエンコーダレスのインダクタンス変化を破線で示す。本実施例においても、q軸近傍でのインダクタンス変化は従来モータのインダクタンス変化に比べて大きいことがわかる。
2 永久磁石ロータ部
3 軸
4 永久磁石
5 突極性磁極部
51内周磁極部
52外周磁極部(凸部)
6 電機子コイルのコイルエンド
101 電機子コイル
102 永久磁石ロータ部
103 軸
104 永久磁石
105 突極性磁極
Claims (5)
- 円筒形状コアに電機子コイルを巻装して構成されるステータと、外周表面上に複数個の永久磁石を固定してなる永久磁石ロータ部と、前記永久磁石ロータ部の軸方向の端部で、前記電機子コイルのコイルエンドと対向する場所に、前記永久磁石ロータ部の極対数と同数の凸部を有する突極性磁極部を備えた永久磁石型モータにおいて、
q軸を中心に電気角で±45度の範囲において、インダクタンスの変化量が、正弦波状に変化する場合のインダクタンス変化量よりも大きくなることを特徴とする永久磁石型モータ。 - q軸を中心に電気角で±45度の範囲において、インダクタンスが最大値から最小値または最小値から最大値まで変化することを特徴とする請求項1記載の永久磁石型モータ。
- 前記突極性磁極部は、シャフトと嵌合する円筒形状の内周磁極部と凸部の外周磁極部から構成され、外周磁極部のモータの軸に対する垂直な断面形状が略長方形であり、長方形の中心線と頂点がなす中心角をαとし,突極性磁極部の数をβとしたとき、電気角でα=45/β度であるともに、長方形外周中心部にV字またはU字の切り込みを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の永久磁石型モータ。
- 前記突極性磁極部は、シャフトと嵌合する円筒形状の内周磁極部と凸部の外周磁極部から構成され、外周磁極部のモータの軸に対する垂直な断面形状が略三角形であり、三角形の頂点と、外周磁極部と内周磁極部の交点がなす中心角をαとし、突極性磁極部の数をβとしたとき、機械角でα=45/β度であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の永久磁石型モータ。
- 前記突極性磁極部は、シャフトと嵌合する円筒形状の内周磁極部と凸部の外周磁極部から構成され、外周磁極部のモータの軸に対する垂直な断面形状が略長方形であり、長方形の中心線と内周磁極部とシャフトの交点がなす中心角をαとし,突極性磁極部の数をβとしたとき、機械角でα=45/β度であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の永久磁石型モータ。
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