JP2010166198A - 圧電振動子 - Google Patents

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Abstract

【課題】逆相モード振動および同相モード振動の結合を容易に生じさせることにより、周波数−温度特性を向上させた安価な圧電振動子を提供する。
【解決手段】逆相モード振動および同相モード振動が結合する振動モードを有し、一対の振動腕14が延設された基部12が、基台としての底部32に接着剤44によって接合されており、接着剤44は、逆相モード振動の、温度による周波数の変化を示す2次曲線の頂点温度における、前記接着剤の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE2と、頂点温度より低い温度における、前記接着剤の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE1と、前記頂点温度より高い温度における、前記接着剤の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE3と、の相関において、ΔE1<ΔE2、またはΔE2<ΔE3のいずれか一方を有していることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、一対の振動腕を有する圧電振動片を備えた圧電振動子に関する。
一対の振動腕を有する圧電振動片(音叉型振動片)を用いた音叉型圧電振動子の共振周波数温度特性は、温度に対して2次曲線となり、動作温度範囲(例えば、−55℃〜+125℃)における共振周波数の変動量が大きくなってしまうことが知られている。この共振周波数の温度に対する変動量を抑えるため、例えば、主振動である逆相モードの屈曲振動と副振動である捻れ振動とを結合させた音叉型圧電振動子などが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭54−40589号公報
しかしながら、前述の音叉型圧電振動子は、屈曲振動と捻り振動との結合を用いるため、振動腕の厚さ、長さ、幅などの形状に対する依存性が高い。さらに、それぞれの振動の共振周波数を調整する周波数調整と周波数温度特性との調整とが両立し難いため、その製造が非常に困難であった。これらにより、前述の音叉型圧電振動子のコストが高くなってしまうという課題を有していた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するように、以下の形態または適用例として実現される。
[適用例1]本適用例の圧電振動子は、基部と、前記基部から延設された一対の振動腕と、前記基部と前記基部を支持する基台との間に設けられ、前記基部と前記基台とを接続する接着剤と、を有し、前記振動腕が、逆相モード振動および同相モード振動が結合する振動モードを有する圧電振動子であって、前記接着剤は、前記逆相モード振動の、温度による周波数の変化を示す2次曲線の頂点温度における、前記接着剤の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE2と、前記頂点温度より低い温度における、前記接着剤の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE1と、前記頂点温度より高い温度における、前記接着剤の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE3と、の相関において、ΔE1<ΔE2、またはΔE2<ΔE3のいずれか一方を有していることを特徴とする。
[適用例2]上記適用例に記載の圧電振動子であって、前記弾性率変化の前記傾きΔE1、または前記弾性率変化の前記傾きΔE3のいずれか一方が不規則に変化することを特徴とする。
[適用例3]上記適用例に記載の圧電振動子であって、前記2次曲線は、前記逆相モード振動の共振周波数の進み方向を上にしたとき、前記上に凸の曲線であることを特徴とする。
上記適用例の圧電振動子によれば、逆相モード振動の、温度による周波数の変化を示す2次曲線の頂点温度における、接着剤の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE2としている。そして、この弾性率変化の傾きΔE2と、頂点温度より低い温度における同様の弾性率変化の傾きΔE1、および頂点温度より高い温度における同様の弾性率変化の傾きΔE3との相関において、ΔE1<ΔE2、またはΔE2<ΔE3のいずれか一方を有している。
逆相モード振動および同相モード振動が結合する振動モードを有する圧電振動子においては、逆相モード振動が同相モード振動の影響を受け、逆相モード振動の共振周波数が変化する。そして、逆相モード振動および同相モード振動の結合は、基部を基台に接続する接着剤の弾性率の変化によって結合度合いが変化する。
従って、頂点温度より低い温度および高い温度での接着剤の弾性率変化の傾きを前述の相関とすることで、単位温度あたりの共振周波数の変化(周波数−温度特性)の大きな温度領域での逆相モード振動および同相モード振動の結合を強めることが可能となる。このように、逆相モード振動および同相モード振動を容易に結合することが可能となる。
これらにより、単位温度あたりの共振周波数の変化(周波数−温度特性)の大きな温度領域での逆相モード振動の周波数−温度特性を小さくした圧電振動子を安価に提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の機能を有するものには同一もしくは関連の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る圧電振動片としての音叉型圧電振動片を示す平面図である。図2は、図1に示す音叉型圧電振動片のII−II線断面拡大図である。なお、図1に示す音叉型圧電振動片の底面図は平面図と対称に表れる。音叉型圧電振動片10は、相互に反対を向いて厚みを定義する表裏面を有しており、水晶からなる。音叉型圧電振動片10は、基部12と、基部12から別々に延びる一対の振動腕14と、を含む。なお、基部12には振動腕14の他に図示しない支持腕を設けてもよい。
振動腕14は、相互に反対を向いて厚みを定義する表裏面と、表裏面を両側で接続する側面を有する。一対の振動腕14は、側面同士が対向するように並列している。図2に示すように、一方の側面(X軸の+方向を向く面)は、表裏面の間隔によって定義される振動腕14の厚みの中央方向に高くなる山型となるように形成されている。振動腕14には、表裏面に、それぞれ、長手方向に延びる溝16が形成されている。溝16によって、特に電界効率が向上するのでCI値を下げることができる。
一対の振動腕14及び基部12には電極が形成されている。振動腕14には励振電極18が形成されている。励振電極18は、振動腕14の側面及び溝16の内面にそれぞれ分離されて形成されている(図2参照)。1つの振動腕14の相互に反対を向く側面に形成された励振電極18は、振動腕14の先端部上で電気的に接続され、溝16の内面に形成された励振電極18は基部12の側面上で電気的に接続されている。一方の振動腕14の側面にある励振電極18と他方の振動腕14の溝16の内面にある励振電極18とは基部12上で電気的に接続されて第1のパターンを構成し、一方の振動腕14の溝16の内面にある励振電極18と他方の振動腕14の側面にある励振電極18とは基部12上で電気的に接続されて第2のパターンを構成している。
音叉型圧電振動片10には接続電極20が形成されている。接続電極20は、基部12に形成されており、基部12の表裏面に少なくとも形成され、基部12の側面にも形成されている。接続電極20は励振電極18と電気的に接続されている。詳しくは、基部12に形成された接続電極20は、上述した第1のパターンの一部をなす励振電極18と電気的に接続される第1の接続電極21と、上述した第2のパターンの一部をなす励振電極18と電気的に接続される第2の接続電極22と、を含む。
振動腕14の溝16よりも先端部上で側面に形成された励振電極18を電気的に接続する電極膜は、振動腕14の錘の役割を果たしており、その一部を除去することで錘の重さを調整することができる。振動腕14の先端部の重さが重いほど振動腕14の振動周波数が低くなり、軽いほど振動腕14の振動周波数が高くなる。これを利用して周波数調整を行うことができる。そこで、電極膜には、第1及び第2の電極膜除去部23,24が形成されている。第1及び第2の電極膜除去部23,24から振動腕14の表面が露出している。
少なくとも接続電極20は、Auからなる表面を有し、例えば、10nm(100Å)以上100nm(1000Å)以下の厚みを有する下地のCr膜と、Cr膜上に形成された20nm(200Å)以上100nm(1000Å)以下の厚みを有するAu膜と、を含む多層構造であってもよい。Cr膜は水晶との密着性が高く、Au膜は電気抵抗が低く酸化し難い。また、Cr膜に代えてNi膜を用いることもある。
本実施の形態では、溝16の内面に形成された励振電極18と側面に形成された励振電極18との間に電圧を印加する。印加電圧によって、図2に矢印で示すように電界が発生する。励振電極18は、クロス配線によって交流電源に接続され、駆動電圧としての交番電圧が印加されるようになっている。基本波モードの固有振動周波数ffunで駆動すると、振動腕14は、互いに逆相振動となるように(振動腕14の先端側が互いに接近・離間するように)励振されて屈曲振動する。なお、このような基本波モードの固有振動周波数ffunで駆動する屈曲振動を逆相モード振動ともいう。
逆相モード振動(基本波モードの固有振動周波数ffunで駆動する屈曲振動)は、温度変化によって固有振動周波数ffunが変化する、いわゆる周波数−温度特性を有している。そして、前述の逆相モード振動の周波数−温度特性は、図9のグラフに示すように、縦軸に周波数変動量(上方が進み方向)、横軸に温度をとったとき、上に凸の2次曲線102となる。この2次曲線102は、通常、頂点温度が25℃付近となるように設定される。このため、逆相モード振動の周波数−温度特性は、高温側、低温側ともに頂点温度から離れるに連れて、固有振動周波数ffunの変化が大きくなってしまう。
基部12には、振動腕14の表裏面と連続した面に括れた形状が表れるように、相互に対向方向(一対の振動腕14が並列する方向)に一対の切り込み26が形成されている。基部12は、一対の切り込み26の間に括れ部28を有する。括れ部28の幅は、一対の切り込み26の間の長さであって、一対の振動腕14が並列する方向と平行な方向の長さである。括れ部28の幅は、基部12の幅の50%以下であってもよく、振動腕14の幅の2倍以下であってもよい。なお、切り込み26によって、振動腕14の振動の伝達を遮断させる効果があるので、振動が基部12を介して外部に伝わること(振動漏れ)を抑制し、CI値の上昇を防止することができる。
図3は、同相モード(同相モード振動ともいう。)の固有振動周波数fcomで振動する一対の振動腕14を示す図である。本実施の形態では、同じ方向(例えばX軸の+方向)に一対の振動腕14が揺れる同相モードの固有振動周波数fcomで一対の振動腕14が振動したときに、一対の振動腕14の括れ部28に同相モードの振動の節が位置するように、括れ部28の剛性(又は柔軟性)が設定されている。言い換えると、括れ部28がこの剛性(又は柔軟性)を有するように、切り込み26の深さd及び幅wが設定されている。切り込み26の深さd及び幅wは、振動腕14及び基部12の厚み、振動腕14の長さ、基部12の幅及び長さによって異なる。
例えば、同相モードの固有振動周波数fcomは次のように定義する。すなわち、一対の振動腕14の溝16の内面に形成された励振電極18(この段落では「溝電極」という。)同士を接続し、一対の振動腕14の側面に形成された励振電極18(この段落では「側面電極」と言う。)同士を接続するように基部12上の電極の引き回しを変える。そして、溝電極と側面電極とを交流電源に接続し、振動腕14を同相モードで振動させ、効率良く振動する時の周波数を固有振動周波数fcomとして定義する。
図4は、基本波モードの固有振動周波数ffunで振動する一対の振動腕を示す図である。なお、基本波モードの振動については前述してあるのでここでの説明は省略する。
図5は、本発明の実施の形態に係る圧電振動子の一例としての音叉型圧電振動子の断面図であり、図6は、図5に示す音叉型圧電振動子の平面図であり、図7は、図5に示す音叉型圧電振動子の底面図である。
音叉型圧電振動子は、音叉型圧電振動片10を内部に収容するパッケージ30を有する。パッケージ30は、音叉型圧電振動片10が固定される基台としての底部32と、底部32を囲む枠壁部34と、を含む。底部32には、真空引きを行うための通気孔36が形成され、通気孔36は、ロウ材(AuGe等)からなるシール部38で塞がれている。
パッケージ30(底部32)の内面には固定電極40が形成されている。固定電極40は、Auからなる表面を有する。パッケージ30(底部32)の外面には外部端子42が形成されている。固定電極40と外部端子42は図示しない配線で電気的に接続されている。外部端子42は、ハンダなどによって回路基板の配線パターン(図示せず)に実装される。
パッケージ30(底部32)に音叉型圧電振動片10が固定されている。音叉型圧電振動片10は、振動腕14が基部12から枠壁部34に向かって延びるように固定されている。基部12が底部32に固定されて、振動腕14がパッケージ30から浮いた状態になっている。底部32は、振動腕14の先端部と対向する領域が低くなっており、振動腕14が曲がっても底部32に接触し難いようになっている。
パッケージ30と音叉型圧電振動片10の固定は接着剤44によって図られる。接着剤44は、導電性を有する、例えばエポキシ系、シリコン系の樹脂性接着剤が用いられる。
ここで、本実施形態で用いている接着剤44について図8を参照しながら説明する。図8は、接着剤44の弾性率(硬さ)と温度との相関を示すグラフである。
図8に示すように、接着剤44の弾性率(硬さ)は、温度変化によって変わる特性を有している。接着剤44の弾性率は、図8に示すグラフの曲線111(一例として示す)に示すように、低温領域で弾性率が不規則に変化する(図中矢印113で示す)。
逆相モード振動の周波数−温度特性を示す2次曲線の頂点温度(通常25℃付近に設定される。)における接着剤44の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE2と、この頂点温度よりも低い温度である低温領域における接着剤44の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE1との相関が、ΔE1<ΔE2となっている。
換言すれば、低温領域(本例では、−35℃付近以下)での接着剤44の弾性率は、温度が下がるにつれて急激に大きくなっている(温度が上がるにつれて急激に弾性率が小さくなる)。また、他の温度領域(本例では、−35℃付近より高い温度)では温度が上がるにつれて徐々に弾性率が小さくなっている。即ち、−35℃付近を境に曲線111の傾きが大きく変化している。
接着剤44は、基部12とパッケージ30を接合し、振動腕14をパッケージ30から浮いた状態に保持している。接着剤44は、接続電極20と固定電極40を電気的及び機械的に接合する。本実施の形態では、接着剤44によって接続電極20と固定電極40のみを接合し、音叉型圧電振動片10の材料(水晶)とパッケージ30の材料(セラミックス)は接合しないが、これらを接合してもよい。また、変形例として、接続電極が形成された支持腕を有する音叉型圧電振動片を使用して、支持腕をパッケージに固定した場合、支持腕で電気的接続も図られる。
音叉型圧電振動片10は、逆相モード振動と同相モード振動とが結合することにより、逆相モード振動の固有振動周波数ffunが変化する。これは、逆相モード振動と同相モード振動とが結合することにより、それぞれの振動が互いに反発し合うことにより生じる。発明者は、音叉型圧電振動片10の逆相モード振動と同相モード振動との結合は、接着剤44の弾性率(硬さ)が大きくなると生じ易くなり、逆相モード振動の固有振動周波数ffunが、高く(進み方向)なることを見出した。これは、逆相モードが互いに逆方向に屈曲運動するため、その根元付近で互いの振動を打ち消し合う機構が作用するので、実効的な屈曲振動としての振動腕の長さは、振動腕14の長さよりも少し長い程度であるのに対して、同相モードでは括れ部28や基部12全体も振動に寄与するため、その実効的な屈曲振動としての振動腕の長さは、逆相モードよりも必然的に長くなることに起因している。即ち、同相モードの固有振動周波数fcomは逆相モードの固有振動周波数ffunよりも高くなり得ないため、接着剤44の弾性率が大きくなると同相モードの固有振動周波数fcomが高くなって、逆相モードの固有振動周波数ffunに近づく結果としてこのような現象となる。前述のように、本例の接着剤44は、低温領域において温度が下がるにつれて弾性率変化が急激に大きくなるため、逆相モード振動と同相モード振動との結合が低温領域で生じ易くなる。従って、本例の接着剤44を用いることにより、単位温度あたりの共振周波数の変化(周波数−温度特性)の大きな低温領域での逆相モード振動および同相モード振動の結合を容易に生じさせることが可能となる。
図9に示す曲線101は、本例の接着剤44を用いた圧電振動子の逆相モード振動の固有振動周波数ffunの周波数−温度特性を示している。曲線101によれば、接着剤44の弾性率の傾きの変わる−35℃付近から周波数の挙動が変わり、進み方向となっている。これにより、従来の逆相モード振動の固有振動周波数ffunの周波数−温度特性を示す2次曲線102と比較すれば、低温領域の周波数変化量を大幅に小さくすることができる。このように、前述の接着剤44を用いるだけで、容易に逆相モード振動および同相モード振動を結合することが可能となり、周波数−温度特性を向上させることが可能となる。
なお、逆相モード振動の周波数−温度特性を示す2次曲線の頂点温度(通常25℃付近に設定される。)における接着剤44の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE2と、この頂点温度よりも高い温度である高温領域における接着剤44の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE3との相関が、ΔE2<ΔE3となっていてもよい。なお、接着剤44の弾性率(一例)は、図8に示すグラフの曲線112(破線で示す)に示すように、高温領域で弾性率が不規則に変化する(図中矢印114で示す)。
これにより、単位温度あたりの共振周波数の変化(周波数−温度特性)の大きな高温領域での逆相モード振動および同相モード振動の結合を容易に生じさせることが可能となる。
なお、低温領域の相関(ΔE1<ΔE2)、および高温領域の相関(ΔE2<ΔE3)は、いずれか一方を有していればよく、双方を有していてもよい。
パッケージ30は、その全体を金属で形成してもよいが、主としてセラミックス等の非金属で形成する場合には、枠壁部34の上端面はメタライズされている。枠壁部34の非金属部上に、Mo(又はW)膜、Ni膜及びAu膜が順に積層されて、上端面はAuからなる。上端面は、底部32の上方を囲む形状をなしている。上端面には、例えばAgを含む合金からなるロウ材層を介して、リング46が固定されている。リング46は、上端面とオーバーラップして、底部32の上方を切れ目なく囲む。リング46は、シーム溶接用のものであり、例えばコバールから構成される層を有する。リング46には、蓋48が固定されている。
蓋48は、音叉型圧電振動片10が固定されるパッケージ30とオーバーラップしてパッケージ30の開口を塞ぐ。蓋48は、表面及び裏面を貫通する貫通穴50を有する。貫通穴50は、円形の開口形状をなしている。蓋48は、ガラス又は樹脂などの材料からなる光透過性部材52を含む。光透過性部材52は、貫通穴50の内面に密着してなる。
上述した音叉型圧電振動子を使用して、発振器又はセンサを構成することができる。音叉型圧電振動子を含む発振回路で発振器を構成すると、周波数精度の高い交流信号を得ることができる。また、音叉型圧電振動子を使用したセンサは、物理量に応じて音叉型圧電振動片10の周波数が変動することを利用してその物理量を検出するセンサである。例えば、温度、加速度によって発生する応力、角速度によって発生するコリオリ力などを検出するセンサが例に挙げられる。
次に、本発明の実施の形態に係る音叉型圧電振動子の製造方法を説明する。音叉型圧電振動子の製造方法は、音叉型圧電振動片10の形成を含む。音叉型圧電振動片10を水晶から構成する場合、水晶ウエハは、X軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系において、Z軸を中心に時計回りに0度ないし5度の範囲で回転して切り出した水晶Z板であって所定の厚みに切断研磨して得られるものを用いる。1つの水晶ウエハから複数の音叉型圧電振動片10を連結された状態で切り出し、最終的に個々の音叉型圧電振動片10に切断する。音叉型圧電振動片10には、励振電極18及び接続電極20を含む電極膜を形成する。
電極膜の一部を除去して第1の電極膜除去部23を形成する工程は、音叉型圧電振動片10をパッケージ30に固定する工程前に行う。つまり、音叉型圧電振動子に組み込む前(水晶ウエハから連結された状態で切り出された複数の音叉型圧電振動片10を個々に切断する前であっても後でもよい。)に、第1の電極膜除去部23を形成することで周波数調整を行う。電極膜の一部の除去は、レーザービームによって行う。第1の電極膜除去部23は、第2の電極膜除去部24よりも振動腕14の先端に近いので、振動腕14を振動しやすくする(周波数を上げる)効果が大きい。第1の電極膜除去部23の形成による周波数調整プロセスは、おおまかな調整を目的としたもので粗調整ということができる。音叉型圧電振動片10をパッケージ30に取り付ける前に既に周波数調整を行っているため、次に行う第2の電極膜除去部24の形成による電極膜の除去量を少なくすることができる。
音叉型圧電振動子の製造方法では、パッケージ30を用意する。なお、パッケージ30の枠壁部34には、ロウ接合によってリング46を固定しておく。そして、音叉型圧電振動片10を底部32に固定する。その固定には接着剤44を使用する。その他の詳細は、上述した音叉型圧電振動子の構造の説明から自明な内容が該当する。
音叉型圧電振動子の製造方法は、光透過性部材52の下面が電極膜と対向するように蓋48を配置し、枠壁部34及び蓋48を接合することを含む。接合は、シーム溶接によって行う。こうして、パッケージ30の開口を蓋48によって塞ぐ。シーム接合によって蓋48を接合するので、局所的な加熱を行うが全体的な加熱はしない。そのため、熱によって音叉型圧電振動片10に生じる歪みが少ないので、周波数調整のための第2の電極膜除去部24の形成による電極膜の除去は少ない量の除去で足り、ガスの発生が少ない。なお、シーム接合を行うときに光透過性部材52の歪みを抑えるため、光透過性部材52の位置を、シーム接合を行う部分から離してある。
パッケージ30の開口を蓋48によって塞いだ後に、パッケージ30に形成された通気孔36を介して、蓋48によって塞がれたパッケージ30内を真空にし、その後、ロウ材で通気孔36を塞ぐ。
音叉型圧電振動子の製造方法は、第2の電極膜除去部24を形成する工程をさらに含む。この工程は、パッケージ30の開口を蓋48によって塞いだ後(例えばさらに真空引き工程後)に行う。この工程は、光透過性部材52を通して、電極膜に対してレーザービームを照射して行う。第2の電極膜除去部24は、第1の電極膜除去部23よりも振動腕14の先端から離れているので、振動腕14を振動しやすくする(周波数を上げる)効果は小さいが、このことから逆に微調整が可能であると言える。
本実施の形態に係る音叉型圧電振動子の製造方法は、上記プロセスを含み、上述した音叉型圧電振動子の構成から自明の製造プロセスをさらに含む。
上述した実施の形態によれば、単位温度あたりの共振周波数の変化(周波数−温度特性)の大きな温度領域、即ち低温領域、あるいは高温領域の周波数−温度特性を向上させた(周波数変化量を減少させた)音叉型圧電振動子を容易に形成することが可能となる。
従って、低温領域、あるいは高温領域の周波数−温度特性を向上させた音叉型圧電振動子を安価に提供することが可能となる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本発明の実施の形態に係る音叉型圧電振動片を示す平面図。 図1に示す音叉型圧電振動片のII−II線断面拡大図。 同相モードの固有振動周波数fcomで振動する一対の振動腕を示す図。 基本波モード(逆相モード)の固有振動周波数ffunで振動する一対の振動腕を示す図。 本発明の実施の形態に係る音叉型圧電振動子の断面図。 図5に示す音叉型圧電振動子の平面図。 図5に示す音叉型圧電振動子の底面図。 接着剤の弾性率と温度の相関を示すグラフ。 基本波モード(逆相モード)の周波数−温度特性を示すグラフ。
10…音叉型圧電振動片、12…基部、14…振動腕、16…溝、18…励振電極、20…接続電極、21…第1の接続電極、22…第2の接続電極、23…第1の電極膜除去部、24…第2の電極膜除去部、26…切り込み、28…括れ部、30…パッケージ、32…基台としての底部、34…枠壁部、36…通気孔、38…シール部、40…固定電極、42…外部端子、44…接着剤、46…リング、48…蓋、50…貫通穴、52…光透過性部材。

Claims (3)

  1. 基部と、
    前記基部から延設された一対の振動腕と、
    前記基部と前記基部を支持する基台との間に設けられ、前記基部と前記基台とを接続する接着剤と、を有し、前記振動腕が、逆相モード振動および同相モード振動が結合する振動モードを有する圧電振動子であって、
    前記接着剤は、
    前記逆相モード振動の、温度による周波数の変化を示す2次曲線の頂点温度における、前記接着剤の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE2と、
    前記頂点温度より低い温度における、前記接着剤の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE1と、
    前記頂点温度より高い温度における、前記接着剤の単位温度上昇あたりの弾性率変化の傾きΔE3と、の相関において、
    ΔE1<ΔE2、またはΔE2<ΔE3のいずれか一方を有していることを特徴とする圧電振動子。
  2. 請求項1に記載の圧電振動子において、
    前記弾性率変化の前記傾きΔE1、または前記弾性率変化の前記傾きΔE3のいずれか一方が不規則に変化することを特徴とする圧電振動子。
  3. 請求項1に記載の圧電振動子において、
    前記2次曲線は、前記逆相モード振動の共振周波数の進み方向を上にしたとき、前記上に凸の曲線であることを特徴とする圧電振動子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013143586A (ja) * 2012-01-06 2013-07-22 Citizen Finetech Miyota Co Ltd 音叉型振動子の製造方法
JP2013218259A (ja) * 2012-03-16 2013-10-24 Canon Inc 塵埃除去装置および撮像装置
US9450562B2 (en) 2013-12-27 2016-09-20 Seiko Epson Corporation Resonator, oscillator, electronic apparatus, physical quantity sensor, and mobile object

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