JP2010164356A - 車両用周辺監視装置 - Google Patents

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JP2010164356A JP2009005332A JP2009005332A JP2010164356A JP 2010164356 A JP2010164356 A JP 2010164356A JP 2009005332 A JP2009005332 A JP 2009005332A JP 2009005332 A JP2009005332 A JP 2009005332A JP 2010164356 A JP2010164356 A JP 2010164356A
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Abstract

【課題】路面反射による障害物の誤検知影響分を取り除くことで、車両周辺に存在する障害物の検知精度の向上を図ることができる車両用周辺監視装置を提供すること。
【解決手段】車体に取り付けられた各ソナー7,8,9,10と、各ソナー7,8,9,10から発射した球面送信波の反射波を捕らえて車両周辺に存在する障害物を検知する障害物検知コントローラ12と、を備えた車両用周辺監視装置において、各ソナー7,8,9,10の取り付け姿勢を検出する姿勢センサ11を設け、障害物検知コントローラ12は、検出されたソナー姿勢に基づき、路面からの反射波を取り除く閾値パターンの形状を、ソナー姿勢によって変化する路面反射強度特性に沿った形状に設定し、捕らえた反射波による路面反射強度特性から設定した閾値パターンを取り除いて障害物を検知する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車体に取り付けられた車載ソナーから発射した球面送信波の反射波を捕らえて車両周辺に存在する障害物を検知する車両用周辺監視装置に関する。
従来、車両前部のバンパー位置に複数の車載ソナーを取り付け、複数の車載ソナーから発射した球面送信波の反射波を捕らえて車両前方に接近してきた障害物を検知する障害物検知回路を備えた車両用周辺監視装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、「ソナー」とは、「Sound Navigation And Ranging(音波による計測)」の頭文字をとったものであり、測定対象に向けて音波を発信し、その反射波を捕らえることで測定対象の位置や距離などの計測を行なうアクティブソナーのことをいう。
特開2008−96108号公報
しかしながら、従来の車両用周辺監視装置にあっては、車載ソナーから発射する送信波が球面送信波(音波)であるため、例えば、水平方向に球面送信波を発射したとしても、障害物検知回路にて捕らえられる反射波には、路面からの反射波を含むことになる。しかも、路面からの反射波と障害物からの反射波とは区別をつけにくいことから、障害物を誤検知してしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、路面反射による障害物の誤検知影響分を取り除くことで、車両周辺に存在する障害物の検知精度の向上を図ることができる車両用周辺監視装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、車体に取り付けられた車載ソナーと、該車載ソナーから発射した球面送信波の反射波を捕らえて車両周辺に存在する障害物を検知する障害物検知手段と、を備えた車両用周辺監視装置において、
前記車載ソナーの取り付け姿勢を検出するソナー姿勢検出手段を設け、
前記障害物検知手段は、検出されたソナー姿勢に基づき、路面からの反射波を取り除く閾値パターンの形状を、ソナー姿勢によって変化する路面反射強度特性に沿った形状に設定し、捕らえた反射波による路面反射強度特性から設定した閾値パターンを取り除いて障害物を検知することを特徴とする。
よって、本発明の車両用周辺監視装置にあっては、障害物検知手段において、検出されたソナー姿勢に基づき、路面からの反射波を取り除く閾値パターンの形状が、ソナー姿勢によって変化する路面反射強度特性に沿った形状に設定される。そして、捕らえた反射波による路面反射強度特性から、設定された形状の閾値パターンを取り除いて障害物が検知される。
すなわち、路面反射強度特性がソナー姿勢によって変化することに着目し、路面からの反射波を取り除く閾値パターンの形状を、ソナー姿勢によって変化する路面反射強度特性に沿った形状に設定している。このため、車両周辺に存在する障害物からの反射波による障害物反射強度特性を残しつつ、ノイズとなる路面からの反射波による路面反射強度特性を整然と取り除く作用を示す。
このように、路面反射による障害物の誤検知影響分を取り除くことで、車両周辺に存在する障害物の検知精度の向上を図ることができる。
アラウンドビューモニタシステムにおいて俯瞰映像のつなぎ目領域に存在する障害物を検知する実施例1の車両周辺監視装置を示す全体システム図である。 実施例1の車両周辺監視装置における障害物検知制御系を示す制御ブロック図である。 実施例1の車両周辺監視装置における障害物検知制御系のROMに記憶設定されている閾値パターンの一例を示し、(a)は第1閾値パターンをあらわし、(b)は第2閾値パターンをあらわし、(c)は第3閾値パターンをあらわす。 実施例1の車両周辺監視装置における障害物検知コントローラ12のCPU12fで実行される障害物検知処理の一例を示すフローチャートである。 車載ソナーからの送信波に対する障害物反射波と路面反射波の関係を示す説明図である。 車載ソナーからの送信波に対する障害物反射波と路面反射波の関係を示す反射強度特性図である。 路面反射を避け障害物を検知するための閾値パターンの一例を示す図である。 車両姿勢変化に伴う路面反射の変化例を示す図で、(a)は車両が上向きに傾いた場合をあらわし、(b)は車両が水平状態の場合をあらわし、(c)は車両が下向きに傾いた場合をあらわす。 一般的な対処例としての多用な路面反射に対応する閾値パターンの一例を示す図である。 図9に示す一般的な対処例による閾値パターンを用いた場合に障害物が存在しているにもかかわらず非検知となる例を示す図である。 実施例1の車両周辺監視装置における閾値パターンを用いた場合に障害物が存在を見逃すことなく検知する例を示す図である。 実施例2の車両用周辺監視装置の一例である内蔵型ユニットの障害物検知制御系を示す制御ブロック図である。 実施例3の車両用周辺監視装置の一例であるCAN通信線により接続された障害物検知制御系を示す制御ブロック図である。 本発明の車両周辺監視装置における障害物検知制御系のROMに記憶設定されている閾値パターンの形状の異ならせた例を示し、(a)は第1閾値パターンをあらわし、(b)は第2閾値パターンをあらわし、(c)は第3閾値パターンをあらわす。 本発明の車両周辺監視装置における障害物検知制御系のROMに記憶設定されている基準閾値パターンの一例を示す図である。
以下、本発明の車両用周辺監視装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、アラウンドビューモニタシステムにおいて俯瞰映像のつなぎ目領域に存在する障害物を検知する実施例1の車両周辺監視装置を示す全体システム図である。以下、図1に基づいて実施例1の車両周辺監視装置が適用されたアラウンドビューモニタシステムの各構成要素を説明する。
前記アラウンドビューモニタシステムは、図1に示すように、前カメラ1と、後カメラ2と、左カメラ3と、右カメラ4と、画像処理コントローラ5と、モニタ6と、を備えている。
前記前カメラ1は、車両前部のバンパー位置などにレンズ光軸を斜め下方向に向けて設置され、車両前方の近景を撮像範囲とする。前記後カメラ2は、車両後部のバンパー位置などにレンズ光軸を斜め下方向に向けて設置され、車両後方の近景を撮像範囲とする。前記左カメラ3は、車両左側部のドアミラー位置などにレンズ光軸を斜め下方向に向けて設置され、車両左側方の近景を撮像範囲とする。前記右カメラ4は、車両右側部のドアミラー位置などにレンズ光軸を斜め下方向に向けて設置され、車両右側方の近景を撮像範囲とする。
前記画像処理コントローラ5は、例えば、リバース位置を読み出す駐車時等において、前後左右のカメラ1,2,3,4からの視点を、車両の中央上部位置に設定した仮想カメラ位置から下向きに視た視点に変換し、前後左右の俯瞰画像を合成することで、図1に示すように、前映像と後映像と左映像と右映像をつなぎ目により合成した全周俯瞰合成画像を生成する。
前記モニタ6は、画像処理コントローラ5により生成された1つの合成画像をモニタ画面6a上に映し出す。ここで、モニタ6としては、車室内のインストルメントパネル位置に設けられ、例えば、出発地から目的地までの適切な車両走行ルートを、道路地図や自車マークなどを用いて案内するナビゲーションシステムのモニタと共用しても良い。
実施例1の車両周辺監視装置は、全周囲俯瞰映像のつなぎ目領域に存在する障害物を検知するもので、図1に示すように、前左ソナー7(車載ソナー)と、前右ソナー8(車載ソナー)と、後左ソナー9(車載ソナー)と、後右ソナー10(車載ソナー)と、姿勢センサ11(ソナー姿勢検出手段)と、障害物検知コントローラ12(障害物検知手段)と、障害物警報ランプ13と、を備えている。
前記前左ソナー7は、車体の前左隅位置に路面に平行な車体姿勢にて水平方向に向けて取り付けている。前記前右ソナー8は、車体の前右隅位置に路面に平行な車体姿勢にて水平方向に向けて取り付けている。前記後左ソナー9は、車体の後左隅位置に路面に平行な車体姿勢にて水平方向に向けて取り付けている。前記後右ソナー10は、車体の後右隅位置に路面に平行な車体姿勢にて水平方向に向けて取り付けている。これらの各ソナー7,8,9,10は、障害物検知コントローラ12からの発振トリガにより球面送信波を発射し、球面送信波の反射波を障害物検知コントローラ12に取り込む。
前記姿勢センサ11は、前記各ソナー7,8,9,10の取り付け姿勢、つまり、各ソナー7,8,9,10が取り付けられている車体の路面に対するロール方向の傾斜姿勢を検出する手段である。実施例1では、姿勢センサ11として、基板に形成した薄肉部の中央付近に発熱抵抗体を配置し、その周囲に複数の温度センサを配置した構造の傾斜センサ素子を有し、暖めた空気の温度分布に基づき車体のロール方向傾斜度を計測する傾斜センサを用いている。
前記障害物検知コントローラ12は、前記各ソナー7,8,9,10から発射した球面送信波の反射波を捕らえて車両の4隅周辺領域に存在する障害物を検知する。より詳しくは、前記姿勢センサ11により検出されたソナー姿勢に基づき、路面からの反射波を取り除く閾値パターンの形状を、ソナー姿勢によって変化する路面反射強度特性に沿った形状に設定し、捕らえた反射波による路面反射強度特性から設定した閾値パターンを取り除いて障害物を検知する。そして、車両の4隅領域のうち、少なくとも1つの領域に障害物の存在が検知された場合、画像処理コントローラ5が障害物の存在情報と距離情報を入力することで、画像処理コントローラ5において、障害物警報ランプ13の点滅や警報音の発生等によりドライバーに障害物の存在を報知する指令を出力すると共に、俯瞰映像のつなぎ目の位置を、モニタ画面6a上で障害物の形状認識ができるように、障害物に交差する位置から外す処理を行う。
図2は、実施例1の車両周辺監視装置における障害物検知制御系を示す制御ブロック図である。図3は、実施例1の車両周辺監視装置における障害物検知制御系のROMに記憶設定されている閾値パターンの一例を示し、(a)は第1閾値パターンをあらわし、(b)は第2閾値パターンをあらわし、(c)は第3閾値パターンをあらわす。以下、図2および図3に基づいて障害物検知制御系の構成を説明する。
前記障害物検知コントローラ12は、図2に示すように、ソナー入出力インターフェース12aと、姿勢センサ入出力インターフェース12bと、水晶発振器12cと、RAM12dと、ROM12e(閾値パターン記憶部)と、CPU12fと、出力インターフェース12gと、を備えている。
前記ソナー入出力インターフェース12aは、前記各ソナー7,8,9,10に対応して4個設けられている。このソナー入出力インターフェース12aは、各ソナー7,8,9,10に対し球面送信波を発射する発振トリガを出力し、各ソナー7,8,9,10からの反射波を入力する。
前記姿勢センサ入出力インターフェース12bは、姿勢センサ11の発熱抵抗体に所定の発熱を生じさせる指令を出力し、姿勢センサ11により計測された車体のロール方向傾斜度を入力する。
前記水晶発振器12cは、各ソナー7,8,9,10に対しトリガ信号を出力するための時間計測やトリガ信号を発してから反射信号が戻ってくるまでの時間を計測するための水晶発振信号を生成する。
前記RAM12dは、各ソナー7,8,9,10から取り込んだ反射波信号を一時的に記録(記憶)しておくメモリである。
前記ROM12eは、前記各ソナー7,8,9,10からの送信波の発射方向に応じて、障害物からの反射波を残しつつ路面からの反射波を取り除くため、車体のロール傾斜姿勢に応じて異なるパターン形状による複数の閾値パターンを予め記録(記憶)しておくメモリである。
実施例1では、複数の閾値パターンの一例として、図3に示すように、各ソナー7,8,9,10が上向き状態の反射時間に対する反射強度閾値をあらわす第1閾値パターンP1(図3(a))と、各ソナー7,8,9,10が水平状態の反射時間に対する反射強度閾値をあらわす第2閾値パターンP2(図3(b))と、各ソナー7,8,9,10が下向き状態の反射時間に対する反射強度閾値をあらわす第3閾値パターンP3(図3(c))を記憶している。このROM12eで予め記憶しておく閾値パターンP1,P2,P3は、様々な路面のうち路面反射強度が最も大きく出る路面(例えば、吸水アスファルト路面)を基準路面として選定し、基準路面でソナー姿勢を変化させながら振動する路面反射強度特性データを取得し、取得した路面反射強度特性データの包絡線D1,D2,D3に沿ったパターン形状に設定している。実施例1では、記憶している閾値パターン形状を、図3に示すように、水平線と垂直線を組み合わせた階段パターン形状に設定している。
前記CPU12fは、姿勢センサ入出力インターフェース12bからの車体ロール方向傾斜度と、RAM12dからの反射波信号と、ROM12eからの複数の閾値パターンに基づき、車体ロール方向傾斜度に応じた閾値パターンを選択すると共に、反射波と選択した閾値パターンの比較により障害物の有無を判定し、障害物有りと判定された場合には、障害物までの距離を計算し、障害物までの距離情報を出力インターフェース12gに出力する。
前記出力インターフェース12gは、CPU12fでの演算処理結果である障害物存在情報と障害物までの距離情報を、画像処理コントローラ5に対して出力する。
図4は、実施例1の車両周辺監視装置における障害物検知コントローラ12のCPU12fで実行される障害物検知処理の一例を示すフローチャートである。以下、図4のフローチャートの各ステップについて説明する。
ステップS41では、一定時間毎に発振トリガを各ソナー7,8,9,10に対し出力し、ステップS42へ移行する。
ステップS42では、ステップS41での発振トリガの出力に続き、発振トリガにより各ソナー7,8,9,10から発射した球面送信波(音波)の反射波を一時的にRAM12dに記録し、ステップS43へ移行する(反射波メモリ取り込み部)。
ステップS43では、ステップS42での反射はメモリ取り込みに続き、姿勢センサ11により検出された車体ロール方向傾斜度を読み取り、ステップS44へ移行する(姿勢センサ読み取り部)。
ステップS44では、ステップS43での姿勢センサ読み取りに続き、読み取った車体ロール方向傾斜度に基づき、車体ロール方向傾斜度の大きさに応じて適合する閾値パターンを判定し、ステップS45へ移行する(閾値パターン判定部)。
ここで、車体ロール方向傾斜度が水平状態であると判定する水平傾斜度領域を予め設定しておく。そして、車体ロール方向傾斜度が水平傾斜度領域を超えるときには、上向き状態の第1閾値パターンP1(図3(a))が適合パターンであると判定する。車体ロール方向傾斜度が水平傾斜度領域内のときには、水平状態の第2閾値パターンP2(図3(b))が適合パターンであると判定する。車体ロール方向傾斜度が水平傾斜度領域に満たないときには、下向き状態の第3閾値パターンP3(図3(c))が適合パターンであると判定する。
ステップS45では、ステップS44での閾値パターンの判定に続き、閾値パターン記憶部であるROM12eに予め記憶されている3個の閾値パターンP1,P2,P3(図3)の中から判定された閾値パターンを読み出し、ステップS46へ移行する(閾値パターン読み出し部)。
ステップS46では、ステップS35での閾値パターン読み出しに続き、読み出された閾値パターンとRAM12dに一時的に記録されているソナー反射波を比較し、ステップS47へ移行する(比較部)。
ここで、閾値パターンとソナー反射波の比較は、全てのソナー反射波から閾値パターンを取り除く処理により行う。
ステップS47では、ステップS46での閾値パターンと反射波の比較に続き、反射波から閾値パターンを取り除いた後に反射波が残ったか否かにより障害物が有るか否かを判定し、YES(障害物有り)の場合はステップS48へ移行し、NO(障害物無し)の場合はリターンへ移行する(障害物有無判定部)。
ここで、反射波から閾値パターンを取り除いた後に反射波が残った場合には、残った反射波は障害物反射波とみなして「障害物有り」と判定し、反射波が残らなかった場合には、「障害物無し」と判定する。
ステップS48では、ステップS47での障害物有りとの判定に続き、送信波の発射時間からの障害物反射波を受けた時間までの所要時間を水晶発振器12cに基づき計測し、この所要時間を障害物反射時間として取得し、ステップS49へ移行する。
ステップS49では、ステップS48での障害物反射時間の取得に続き、障害物反射時間と音速から障害物までの距離を換算し、ステップS50へ移行する。
ここで、障害物までの距離は、障害物反射時間をt0とし、音速をVsとすると、
(障害物までの距離)=Vs×t0÷2
の式により求められる。
ステップS50では、ステップS49での障害物までの距離換算に続き、障害物の存在情報と障害物までの距離情報を外部に出力し、リターンへ移行する。
次に、作用を説明する。
まず、「車載ソナーによる障害物検知技術の課題」の説明を行い、続いて、実施例1の車両用周辺監視装置における「車載ソナーによる障害物検知作用」を説明する。
[車載ソナーによる障害物検知技術の課題]
図5は、車載ソナーからの送信波に対する障害物反射波と路面反射波の関係を示す説明図である。図6は、車載ソナーからの送信波に対する障害物反射波と路面反射波の関係を示す反射強度特性図である。図7は、路面反射を避け障害物を検知するための閾値パターンの一例を示す図である。図8は、車両姿勢変化に伴う路面反射の変化例を示す図で、(a)は車両が上向きに傾いた場合をあらわし、(b)は車両が水平状態の場合をあらわし、(c)は車両が下向きに傾いた場合をあらわす。図9は、一般的な対処例としての多用な路面反射に対応する閾値パターンの一例を示す図である。図10は、図9に示す一般的な対処例による閾値パターンを用いた場合に障害物が存在しているにもかかわらず非検知となる例を示す図である。以下、図5〜図10に基づいて車載ソナーによる障害物検知技術の課題を説明する。
一般にソナー送信波は、球面波であるため、図5に示すように、車載ソナーから水平方向に発射された音波であっても路面で反射される。このため、車載ソナーで受ける反射波を見ると、図6に示すように、障害物反射に比べ比較的大きな路面反射が反射強度特性にあらわれる。この路面からの反射は、障害物までの距離を計測するときに、誤検知等を引き起こす原因となる。なお、障害物までの距離は、音速をVsとしたとき、
障害物までの距離=Vs×t0÷2
の式にて求められる。
上記のように、路面からのソナー反射信号と障害物からの反射信号とは区別を付けにくく、何らかの対策が必要である。これまで一般的には、
・ソナーの取り付け高さを高くし、路面反射を低減する。
・ソナーを上向き取り付けにして、路面反射を低減する。
・ソナー反射時間毎に閾値を細かく調整する。
といった手法により対応している。
最初の二つは、物理的に路面反射強度を低減する手法である。これに対し、三番目は、図7の障害物検出閾値パターンに示すように、障害物検出閾値を時間変化させ、路面反射信号を無視する手法である。
しかし、いずれの手法により路面反射に対処する場合であっても、車両の姿勢に対し、余裕のある設定が必要である。例えば、検知距離が数mになると、車体の傾きが数度であっても、図8に示すように、路面までの距離が大きく変化する。すなわち、図8(a)に示すように、車体が上向きに傾いた場合には、図8(b)に示す車体が水平状態の場合に比べて路面までの距離が遠くなり、遠距離での反射になることで信号強度が低下する。一方、図8(c)に示すように、車体が下向きに傾いた場合には、図8(b)に示す車体が水平状態の場合に比べて路面までの距離が近くなり、近距離での反射になることで信号強度が増大する。とりわけ、近距離での信号強度が増大する反射の場合に問題が大きくなる。
したがって、一般的には、図9に示すように、信号強度が増大する近距離での反射に備えた閾値パターンにより対処している。しかし、近距離反射に備えて増大した信号強度に対応する一つの閾値パターンを用いる対処では、図10に示すように、車載ソナーが水平状態で障害物反射と路面反射を受けた場合、障害物反射も路面反射も一つの閾値パターンにより取り除かれることになり、障害物反射が残らない、言い換えると、検知されるべき障害物が検知されない、という問題があった。
[車載ソナーによる障害物検知作用]
図11は、実施例1の車両周辺監視装置における閾値パターンを用いた場合に障害物が存在を見逃すことなく検知する例を示す図である。以下、図4および図11に基づき車載ソナーによる障害物検知作用を説明する。
車両の4隅周辺領域に障害物が存在しない場合、図4にフローチャートにおいて、ステップS41→ステップS42→ステップS43→ステップS44→ステップS45→ステップS46→ステップS47→リターンへと進む流れとなり、障害物に関する情報の外部への出力がなされない。
一方、車両の4隅周辺領域の少なくとも一つの領域に障害物が存在する場合、図4にフローチャートにおいて、ステップS41→ステップS42→ステップS43→ステップS44→ステップS45→ステップS46→ステップS47→ステップS48→ステップS49→ステップS50へと進む流れとなり、ステップS50において、障害物の存在情報と障害物までの距離情報が外部に出力される。
すなわち、実施例1では、路面反射強度特性がソナー姿勢によって変化することに着目し、路面からの反射波を取り除く閾値パターンの形状を、車体ロール方向傾斜度によって変化する路面反射強度特性に沿った形状に設定している(図3)。そして、ステップS46において、捕らえた反射波による路面反射強度特性から、設定された形状の閾値パターンを取り除くという比較処理により障害物の有無が判断される。
このため、車両周辺に障害物が存在しない場合には、車体ロール方向傾斜度にかかわらず、路面反射強度特性が閾値パターンにより整然と取り除かれ、路面を障害物と認識する誤検知を防止する作用を示す。
一方、車両周辺に障害物が存在する場合には、障害物からの反射波による障害物反射強度特性を残しつつ、ノイズとなる路面からの反射波による路面反射強度特性を整然と取り除く作用を示す。例えば、図10と同様に、ソナー姿勢が水平状態で、路面反射と障害物反射があるとき、実施例1では、水平時の閾値パターンP2が選択されることで、図11に示すように、路面反射は取り除かれるものの、障害物反射は一部残ることになり、ステップS46での障害物の有無判断では、障害物有りという判断結果を出すことになる。つまり、周辺に存在する障害物を見逃してしまうという障害物未検知を防止する。
実施例1のROM12eには、車体のロール傾斜姿勢に応じて異なるパターン形状による複数の閾値パターンを予め記憶している。
したがって、各ソナー7,8,9,10からの送信波の発射方向に適合する閾値パターンが高応答の読み出し処理により設定され、発振トリガの間隔短縮を含め障害物検知処理の時間短縮化を図ることができる。
実施例1では、複数の閾値パターンとして、上向き状態の反射時間に対する第1閾値パターンP1と、水平状態の反射時間に対する第2閾値パターンP2と、下向き状態の反射時間に対する第3閾値パターンP3を記憶している。
したがって、3つの閾値パターンP1,P2,P3を設定するだけで記憶容量を小さく抑えながら、各ソナー7,8,9,10が上向き状態・水平状態・下向き状態の各取り付け姿勢に適合させることができる。
実施例1では、ROM12eで予め記憶しておく閾値パターンP1,P2,P3を、様々な路面のうち路面反射強度が最も大きく出る路面を基準路面として選定し、基準路面で取得した路面反射強度特性データの包絡線D1,D2,D3に沿ったパターン形状に設定している。
したがって、路面反射強度が最も大きく出る吸水アスファルト路面は勿論のこと、吸水アスファルト路面に比べて路面反射強度が低い砂利道・泥道・アスファルト路面等の場合、路面を障害物と認識する誤検知を確実に防止することができる。
実施例1では、閾値パターン形状を、水平線と垂直線を組み合わせた階段パターン形状に設定している。
したがって、閾値パターンP1,P2,P3の記憶設定の際に複雑な関数を用いることなく、閾値パターン形状を、ソナー姿勢によって変化する路面反射強度特性に沿った近似形状に設定することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用周辺監視装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 車体に取り付けられた車載ソナー(各ソナー7,8,9,10)と、該車載ソナー(各ソナー7,8,9,10)から発射した球面送信波の反射波を捕らえて車両周辺に存在する障害物を検知する障害物検知手段(障害物検知コントローラ12)と、を備えた車両用周辺監視装置において、前記車載ソナー(各ソナー7,8,9,10)の取り付け姿勢を検出するソナー姿勢検出手段(姿勢センサ11)を設け、前記障害物検知手段(障害物検知コントローラ12)は、検出されたソナー姿勢に基づき、路面からの反射波を取り除く閾値パターンの形状を、ソナー姿勢によって変化する路面反射強度特性に沿った形状に設定し、捕らえた反射波による路面反射強度特性から設定した閾値パターンを取り除いて障害物を検知する。このため、路面反射による障害物の誤検知影響分を取り除くことで、車両周辺に存在する障害物の検知精度の向上を図ることができる。ここで、検知精度の向上は、路面を障害物と認識する誤検知の防止と、周辺に存在する障害物を見逃してしまうという障害物未検知の防止により達成される。
(2) 前記ソナー姿勢検出手段は、前記車載ソナー(各ソナー7,8,9,10)が取り付けられている車体の路面に対する傾斜姿勢を検出する姿勢センサ11であり、前記障害物検知手段(障害物検知コントローラ12)は、車体の傾斜姿勢に応じた異なるパターン形状による複数の閾値パターンを予め記憶しておく閾値パターン記憶部(ROM12e)を有し、前記複数の閾値パターンの中から、前記姿勢センサ11により検出された車体の傾斜姿勢に基づいて選択した閾値パターンを用いる。このため、車載ソナー(各ソナー7,8,9,10)からの送信波の発射方向に適合する閾値パターンが高応答の読み出し処理により設定され、発振トリガの間隔短縮を含め障害物検知処理の時間短縮化を図ることができる。
(3) 前記閾値パターン記憶部(ROM12e)は、前記車載ソナー(各ソナー7,8,9,10)が上向き状態の反射時間に対する反射強度閾値をあらわす第1閾値パターンP1と、前記車載ソナー(各ソナー7,8,9,10)が水平状態の反射時間に対する反射強度閾値をあらわす第2閾値パターンP2と、前記車載ソナー(各ソナー7,8,9,10)が下向き状態の反射時間に対する反射強度閾値をあらわす第3閾値パターンP3を記憶している。このため、3つの閾値パターンP1,P2,P3を設定するだけで記憶容量を小さく抑えながら、各ソナー7,8,9,10が上向き状態・水平状態・下向き状態の各取り付け姿勢に適合させることができる。
(4) 前記閾値パターン記憶部(ROM12e)は、様々な路面のうち路面反射強度が最も大きく出る路面を基準路面として選定し、基準路面でソナー姿勢を変化させながら路面反射強度特性データを取得し、予め記憶しておく閾値パターンP1,P2,P3を、取得した路面反射強度特性データの包絡線に沿ったパターン形状に設定した。このため、路面反射強度が最も大きく出る基準路面は勿論のこと、基準路面に比べて路面反射強度が低い路面の場合においても、路面を障害物と認識する誤検知を確実に防止することができる。
(5) 前記閾値パターン記憶部(ROM12e)は、記憶している閾値パターン形状を、水平線と垂直線を組み合わせた階段パターン形状に設定した。このため、閾値パターンP1,P2,P3の記憶設定の際に複雑な関数を用いることなく、閾値パターン形状を、ソナー姿勢によって変化する路面反射強度特性に沿った近似形状に設定することができる。
(6) 前記障害物検知手段(障害物検知コントローラ12)は、発振トリガにより前記車載ソナー(各ソナー7,8,9,10)から発射した球面送信波の反射波を一時的にメモリ(RAM12d)に記録する反射波メモリ取り込み部(ステップS42)と、前記姿勢センサ11により検出された車体姿勢を読み取る姿勢センサ読み取り部(ステップS43)と、読み取った車体姿勢に基づき適切な閾値パターンを判定する閾値パターン判定部(ステップS44)と、前記閾値パターン記憶部(ROM12e)に予め記憶されている複数の閾値パターンP1,P2,P3の中から判定された閾値パターンを読み出す閾値パターン読み出し部(ステップS45)と、読み出された閾値パターンと一時的に記録されている反射波を比較する比較部(ステップS46)と、反射波から閾値パターンを取り除いた後に反射波が残ったか否かにより障害物の有無を判定する障害物有無判定部(ステップS47)と、を有する。このため、閾値パターンを用いた障害物の検知手法において、姿勢センサ読み取りと閾値パターンの判定および読み出しの各処理を加えるだけで、車体姿勢の変化にかかわらず、路面反射による障害物の誤検知影響分を整然と取り除くことができる。
実施例2は、車載ソナーを、障害物検知手段とソナー姿勢検出手段を内蔵する内蔵型ユニットによる構成とした例である。
まず、構成を説明する。
図12は、実施例2の車両用周辺監視装置の一例である内蔵型ユニットの障害物検知制御系を示す制御ブロック図である。
実施例2の内蔵型ユニット20は、図12に示すように、ユニット基板21上に、送受信機22(車載ソナー)と、姿勢センサ23(ソナー姿勢検出手段)と、発信器21aと、増幅器21bと、読出器21cと、ROM21dと、比較器21eと、水晶発振器21fと、CPU21gと、出力インターフェース21hと、を備えている。なお、ユニット基板21上の各構成要素21a〜21hにより障害物検知手段が構成される。
前記送受信機22は、発信器21aからのトリガ信号に応じた発信信号により球面送信波を外部に送信し、外部からの反射波を受信する。
前記姿勢センサ23は、ユニット基板21に取り付けられ、車体の路面に対するロール方向の傾斜姿勢を検出する手段である。実施例2でも、実施例1と同様に、姿勢センサ23として、暖めた空気の温度分布に基づき車体のロール方向傾斜度を計測する傾斜センサを用いている。
前記発信器21aは、CPU21gからのトリガ信号に応じて送受信機22に発信信号を出力する。
前記増幅器21bは、送受信機22にて受信した反射信号を増幅し、増幅した反射信号を比較器21eに出力する。
前記読出器21cは、姿勢センサ23からの車体傾斜度信号に基づき、ROM21dに予め設定している複数の閾値パターンから適合する閾値パターンを選択し、CPU21gからのトリガ信号のタイミングにて選択した閾値パターンを比較器21eに出力する。
前記ROM21dは、車体のロール傾斜姿勢に応じて異なるパターン形状による複数の閾値パターンを予め記録(記憶)しておくメモリである。実施例2においても、実施例1と同様に、例えば、図3に示すように、第1閾値パターンP1、第2閾値パターンP2、第3閾値パターンP3を記憶している。
前記比較器21eは、増幅器21bからの増幅した反射波と、読出器21cにより読み出された閾値パターンとを比較し、二値化した反射信号をCPU21gに出力する。
前記水晶発振器21fは、発信器21aに対しトリガ信号を出力するための時間計測やトリガ信号を発してから反射信号が戻ってくるまでの時間を計測するための水晶発振信号を生成する。
前記CPU21gは、水晶発振器21fからの水晶発振信号に基づいてトリガ信号を発信器21aと読出器21cに出力する。そして、比較器21eからの二値化した反射信号に基づき、障害物の有無を判定すると共に、障害物有りの場合には障害物までの距離を計算し、障害物情報として外部に出力する。
前記出力インターフェース21hは、CPU21gでの演算処理結果を、障害物検知情報を活用する外部コントローラに対して出力する。
次に、作用を説明する。
内蔵型ユニット20を用いる実施例2の場合も、CPU21gからトリガ信号を発し、ソナーを発振させるところから開始する。発振器21aがトリガ信号を受け取ると、送受信機22により超音波が発振される。同時に、読出器21cにもトリガ信号が入力され、姿勢センサ23からの車体傾斜度を検知し、ROM21dから車体傾斜角度に応じた閾値パターンの逐次読み出しを開始する。この読み出し速度は、ソナー反射波の受信速度と同じにしておく。送受信機22で受け取ったソナー反射波は、増幅器21bにより増幅され、逐次比較器21eに送られる。同時に、読出器21cにより選ばれた閾値パターンのデータが逐次比較器21eに送られ、反射波の大きさと比較される。比較結果は二値化されてCPU21gに送信される。CPU21gは、トリガ信号を発した時間から、二値化された反射信号が戻ってくるまでの反射時間を、水晶発振器21fに基づき計測し、距離に換算して障害物情報を活用する外部のコントローラ等に出力する。
上記のように、実施例2では、ROM21dからの読み出し速度をソナー反射波の受信速度と同じにし、読み出された閾値パターンと反射波の大きさを比較して障害物の有無を検知するようにしている。したがって、実施例1のように、ソナー反射波を一時的に記憶しておくRAMを省略できると共に、トリガ信号を発した時間から反射信号が戻ってくるまでの反射時間を待つだけの高い応答性により障害物の有無を検知することができる。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用周辺監視装置にあっては、実施例1の(1)〜(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(7) 前記車載ソナー(送受信機22)と前記障害物検知手段(各構成要素21a〜21h)と前記ソナー姿勢検出手段(姿勢センサ23)を1つのユニット基板21上に有する内蔵型ユニット20による構成とした。このため、車両への搭載時に車載ソナーや姿勢センサとECUとを接続するハーネス等を省略でき、車両への設置容易性を達成することができる。
(8) 前記内蔵型ユニット20は、車体の傾斜姿勢に応じた異なるパターン形状による複数の閾値パターンを予め記憶しておく閾値パターン記憶部(ROM21d)を有し、前記閾値パターン記憶部(ROM21d)からの読み出し速度をソナー反射波の受信速度と同じにし、読み出された閾値パターンと反射波の大きさを比較して障害物の有無を検知する。このため、ソナー反射波を一時的に記憶しておくRAMの省略により構成の簡略化を達成できると共に、無駄時間を抑えた高い応答性により障害物の有無を検知することができる。
実施例3は、ソナー姿勢情報を、車内ネットワークによる双方向通信により取得する構成とした例である。
まず、構成を説明する。
図13は、実施例3の車両用周辺監視装置の一例であるCAN通信線により接続された障害物検知制御系を示す制御ブロック図である。
実施例3の障害物検知コントローラ32は、図13に示すように、ソナー入出力インターフェース32aと、水晶発振器32cと、RAM32dと、ROM32e(閾値パターン記憶部)と、CPU32fと、姿勢入力距離出力インターフェース32gと、を備えている。
前記ソナー入出力インターフェース32aは、前記各ソナー7,8,9,10に対応して4個設けられている。このソナー入出力インターフェース32aは、各ソナー7,8,9,10に対し球面送信波を発射する発振トリガを出力し、各ソナー7,8,9,10からの反射波を入力する。
前記水晶発振器32cは、各ソナー7,8,9,10に対しトリガ信号を出力するための時間計測やトリガ信号を発してから反射信号が戻ってくるまでの時間を計測するための水晶発振信号を生成する。
前記RAM32dは、各ソナー7,8,9,10から取り込んだ反射波信号を一時的に記録(記憶)しておくメモリである。
前記ROM32eは、前記各ソナー7,8,9,10からの送信波の発射方向に応じて、障害物からの反射波を残しつつ路面からの反射波を取り除くため、実施例1と同様に、車体のロール傾斜姿勢に応じて異なるパターン形状による複数の閾値パターンP1,P2,P3を予め記録(記憶)しておくメモリである。
前記CPU32fは、姿勢入力距離出力インターフェース32gから入力した車体ロール方向傾斜度と、RAM32dからの反射波信号と、ROM32eからの複数の閾値パターンに基づき、車体ロール方向傾斜度に応じた閾値パターンを選択すると共に、反射波と選択した閾値パターンの比較により障害物の有無を判定し、障害物有りと判定された場合には、障害物までの距離を計算し、障害物までの距離情報として姿勢入力距離出力インターフェース32gへ出力する。
前記姿勢入力距離出力インターフェース32gは、他の車載コントローラ34,35,36の何れかからCAN通信線33を介して車体ロール方向傾斜度情報を入力する。そして、CPU32fでの演算処理結果である障害物存在情報と障害物までの距離情報を、CAN通信線33を介して画像処理コントローラ5に出力する。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。また、作用についても、ソナー姿勢を示す車体ロール方向傾斜度情報を、CAN通信線33を介して他の車載コントローラ34,35,36の何れかから入力する以外は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用周辺監視装置にあっては、実施例1の(1)〜(6)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(9) 前記障害物検知手段(障害物検知コントローラ32)は、車載の他の電子制御系(他の車載コントローラ34,35,36)と車内ネットワーク上で情報交換可能とし、前記ソナー姿勢検出手段からのソナー姿勢情報を、前記車内ネットワークによる双方向通信(CAN通信線33による双方向通信)により取得する構成とした。このため、ソナー姿勢検出手段を省略したコスト的に有利な構成とすることができる。
以上、本発明の車両用周辺監視装置を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜3では、ROMに記憶している閾値パターン形状を、図3に示すように、水平線と垂直線を組み合わせた階段パターン形状に設定した。しかし、ROMに記憶している閾値パターン形状としては、図14に示すように、水平線と傾斜線を組み合わせた台形パターン形状としても良い。この場合、実施例1〜3に比べ、ソナー姿勢によって変化する路面反射強度特性により沿った近似形状に設定することができる。
実施例1〜3では、ROMに予め複数の閾値パターンを記憶設定しておく例を示した。しかし、図15に示すように、基準となるソナー姿勢での基準閾値パターン情報と、ソナー姿勢の変化に応じ、発振時点から反射強度ピーク時点までの時間Trの情報(下向きほど短い時間)と反射強度のピーク強度Frの情報(下向きほど大きい)を設定しておき、検出されたソナー姿勢に基づき、閾値パターンを、基準閾値パターンの相似形を得る演算処理により生成する例としても良い。
実施例1〜3では、ソナー姿勢に応じて閾値パターンを3段階にて与える例を示したが、例えば、ソナー姿勢である車体傾斜角が水平状態と下向き状態の中間状態にあるとき、水平状態の閾値パターンと下向き状態の閾値パターンを用いた補間処理により、車体傾斜角に応じた閾値パターンを設定するようにしても良い。この場合、ソナー姿勢に応じて閾値パターンとして、3段階を超える多段階、あるいは、無段階にて与えることができる。
実施例1〜3では、ソナー姿勢に対応する閾値パターンを、車体のロール傾斜姿勢に対応する閾値パターンにて与える例を示した。しかし、車体の傾斜姿勢には、ロール方向ばかりでなく、ピッチ方向にも傾斜することを考慮し、車体のロール傾斜とピッチ傾斜の複合による傾斜姿勢に対応する閾値パターンにて与える例としても良い。
実施例1〜3では、最も反射強度が高い路面を基準として、閾値パターンの形状を決める例を示した。しかし、車両の走行路面状況を検出する手段が車載されている場合には、ソナー姿勢と路面状況に応じた閾値パターン形状を設定しておき、適合する閾値パターンを選択するようにしても良い。この場合、ソナー姿勢と路面状況に応じて最小限の閾値パターンを選択することが可能となる。
実施例1〜3では、姿勢センサとして、暖めた空気の温度分布に基づき車体のロール方向傾斜度を計測する傾斜センサを用いた例を示した。しかし、封入された液体の傾斜に伴う静電容量の変化を角度変化として捉える液封入容量式傾斜角センサを用いても良い。また、ロール方向の車体傾斜角を推定する横加速度センサや、ピッチ方向の車体傾斜角を推定する前後加速度センサや、三次元で車体姿勢を推定するジャイロセンサ等を用いても良い。さらに、サスペンションに設けられた4輪の輪荷重センサや車高センサ等を用いて車体姿勢を推定するようにしても良い。
実施例1〜3では、アラウンドビューモニタシステムにおいて、障害物検知情報を、ドライバーへの警告と俯瞰映像のつなぎ目を変更する情報とする適用例を示した。しかし、障害物検知情報を、ブレーキ制御やステアリング制御により障害物を回避する車両挙動制御システムの車両用周辺監視装置として適用する例としても良い。要するに、本発明の車両用周辺監視装置は、障害物検知情報を何らかの形で活用できるものであれば様々な車載制御システムに適用することができる。
7 前左ソナー(車載ソナー)
8 前右ソナー(車載ソナー)
9 後左ソナー(車載ソナー)
10 後右ソナー(車載ソナー)
11 姿勢センサ(ソナー姿勢検出手段)
12 障害物検知コントローラ(障害物検知手段)
12e ROM(閾値パターン記憶部)
P1 第1閾値パターン
P2 第2閾値パターン
P3 第3閾値パターン
20 内蔵型ユニット
21 ユニット基板
22 送受信機(車載ソナー)
23 姿勢センサ(ソナー姿勢検出手段)
21a 発信器(障害物検知手段)
21b 増幅器(障害物検知手段)
21c 読出器(障害物検知手段)
21d ROM(障害物検知手段)
21e 比較器(障害物検知手段)
21f 水晶発振器(障害物検知手段)
21g CPU(障害物検知手段)
21h 出力インターフェース(障害物検知手段)
32 障害物検知コントローラ
32a ソナー入出力インターフェース
32c 水晶発振器
32d RAM
32e ROM(閾値パターン記憶部)
32f CPU
32g 姿勢入力距離出力インターフェース
33 CAN通信線
34,35,36 他の車載コントローラ

Claims (9)

  1. 車体に取り付けられた車載ソナーと、該車載ソナーから発射した球面送信波の反射波を捕らえて車両周辺に存在する障害物を検知する障害物検知手段と、を備えた車両用周辺監視装置において、
    前記車載ソナーの取り付け姿勢を検出するソナー姿勢検出手段を設け、
    前記障害物検知手段は、検出されたソナー姿勢に基づき、路面からの反射波を取り除く閾値パターンの形状を、ソナー姿勢によって変化する路面反射強度特性に沿った形状に設定し、捕らえた反射波による路面反射強度特性から設定した閾値パターンを取り除いて障害物を検知することを特徴とする車両用周辺監視装置。
  2. 請求項1に記載された車両用周辺監視装置において、
    前記ソナー姿勢検出手段は、前記車載ソナーが取り付けられている車体の路面に対する傾斜姿勢を検出する姿勢センサであり、
    前記障害物検知手段は、車体の傾斜姿勢に応じた異なるパターン形状による複数の閾値パターンを予め記憶しておく閾値パターン記憶部を有し、前記複数の閾値パターンの中から、前記姿勢センサにより検出された車体の傾斜姿勢に基づいて選択した閾値パターンを用いることを特徴とする車両用周辺監視装置。
  3. 請求項2に記載された車両用周辺監視装置において、
    前記閾値パターン記憶部は、前記車載ソナーが上向き状態の反射時間に対する反射強度閾値をあらわす第1閾値パターンと、前記車載ソナーが水平状態の反射時間に対する反射強度閾値をあらわす第2閾値パターンと、前記車載ソナーが下向き状態の反射時間に対する反射強度閾値をあらわす第3閾値パターンを記憶していることを特徴とする車両用周辺監視装置。
  4. 請求項3に記載された車両用周辺監視装置において、
    前記閾値パターン記憶部は、様々な路面のうち路面反射強度が最も大きく出る路面を基準路面として選定し、基準路面でソナー姿勢を変化させながら路面反射強度特性データを取得し、予め記憶しておく閾値パターンを、取得した路面反射強度特性データの包絡線に沿ったパターン形状に設定したことを特徴とする車両用周辺監視装置。
  5. 請求項4に記載された車両用周辺監視装置において、
    前記閾値パターン記憶部は、記憶している閾値パターン形状を、水平線と垂直線を組み合わせた階段パターン形状に設定したことを特徴とする車両用周辺監視装置。
  6. 請求項2から請求項5までの何れか1項に記載された車両用周辺監視装置において、
    前記障害物検知手段は、発振トリガにより前記車載ソナーから発射した球面送信波の反射波を一時的にメモリに記録する反射波メモリ取り込み部と、前記姿勢センサにより検出された車体姿勢を読み取る姿勢センサ読み取り部と、読み取った車体姿勢に基づき適切な閾値パターンを判定する閾値パターン判定部と、前記閾値パターン記憶部に予め記憶されている複数の閾値パターンの中から判定された閾値パターンを読み出す閾値パターン読み出し部と、読み出された閾値パターンと一時的に記録されている反射波を比較する比較部と、反射波から閾値パターンを取り除いた後に反射波が残ったか否かにより障害物の有無を判定する障害物有無判定部と、を有することを特徴とする車両用周辺監視装置。
  7. 請求項1から請求項5までの何れか1項に記載された車両用周辺監視装置において、
    前記車載ソナーと前記障害物検知手段と前記ソナー姿勢検出手段を1つのユニット基板上に有する内蔵型ユニットによる構成としたことを特徴とする車両用周辺監視装置。
  8. 請求項7に記載された車両用周辺監視装置において、
    前記内蔵型ユニットは、車体の傾斜姿勢に応じた異なるパターン形状による複数の閾値パターンを予め記憶しておく閾値パターン記憶部を有し、前記閾値パターン記憶部からの読み出し速度をソナー反射波の受信速度と同じにし、読み出された閾値パターンと反射波の大きさを比較して障害物の有無を検知することを特徴とする車両用周辺監視装置。
  9. 請求項1から請求項6までの何れか1項に記載された車両用周辺監視装置において、
    前記障害物検知手段は、車載の他の電子制御系と車内ネットワーク上で情報交換可能とし、前記ソナー姿勢検出手段からのソナー姿勢情報を、前記車内ネットワークによる双方向通信により取得する構成としたことを特徴とする車両用周辺監視装置。
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