JP2010163346A - TiO2を含有するシリカガラスおよびそれを用いたリソグラフィ用光学部材 - Google Patents

TiO2を含有するシリカガラスおよびそれを用いたリソグラフィ用光学部材 Download PDF

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Abstract

【課題】EUVL用露光装置の光学系部材として好適な、高EUVエネルギー光の照射時の線熱膨張係数がほぼゼロとなるTiO2−SiO2ガラスの提供。
【解決手段】ハロゲン含有量が100質量ppm以上であり、仮想温度が1100℃以下であり、20〜100℃の平均線熱膨張係数が30ppb/℃以下であり、線熱膨張係数が0±5ppb/℃となる温度幅ΔTが5℃以上であり、線熱膨張係数が0ppb/℃となる温度が30〜150℃の範囲にあることを特徴とするTiO2を含有するシリカガラス。
【選択図】図2

Description

本発明は、TiO2を含有するシリカガラス(以下、本明細書では、TiO2−SiO2ガラスと記す)に関し、特にEUVリソグラフィ用の露光装置の光学系部材として用いられるTiO2−SiO2ガラスに関する。なお、本発明でいうEUV(Extreme Ultra Violet)光とは、軟X線領域または真空紫外域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。
従来から、光リソグラフィ技術においては、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して集積回路を製造するための露光装置が広く利用されている。集積回路の高集積化および高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、露光装置には深い焦点深度で高解像度の回路パターンをウェハ面上に結像させることが求められ、露光光源の短波長化が進められている。露光光源は、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)やKrFエキシマレーザ(波長248nm)から進んでArFエキシマレーザ(波長193nm)が用いられ始めている。また、さらに回路パターンの線幅が70nm以下となる次世代の集積回路に対応するため、ArFエキシマレーザを用いた液浸露光技術や二重露光技術が有力視されているが、これも線幅が45nm世代までしかカバーできないと見られている。
このような流れにあって、露光光源としてEUV光(極端紫外光)のうち代表的には波長13nmの光を用いたリソグラフィ技術が、回路パターンの線幅が32nm以降の世代にわたって適用可能と見られ注目されている。EUVリソグラフィ(以下、「EUVL」と略する)の像形成原理は、投影光学系を用いてマスクパターンを転写する点では、従来のフォトリソグラフィーと同じである。しかし、EUV光のエネルギー領域では光を透過する材料がないために、屈折光学系は用いることができず、光学系はすべて反射光学系となる。
EUVL用露光装置の光学系部材はフォトマスクやミラーなどであるが、(1)基材、(2)基材上に形成された反射多層膜、(3)反射多層膜上に形成された吸収体層、から基本的に構成される。反射多層膜としては、Mo層と、Si層と、を交互に積層させたMo/Si反射多層膜を形成することが検討され、吸収体層には、成膜材料として、TaやCrが検討されている。基材としては、EUV光照射の下においても歪みが生じないよう低線熱膨張係数を有する材料が必要とされ、低線熱膨張係数を有するガラス等が検討されている。
TiO2−SiO2ガラスは、石英ガラスよりも小さい線熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion;CTE)を有する超低熱膨張材料として知られ、またガラス中のTiO2含有量によって線熱膨張係数を制御できるために、線熱膨張係数が0に近いゼロ膨張ガラスが得られる。したがって、TiO2−SiO2ガラスはEUVL用露光装置の光学系部材に用いる材料としての可能性がある。
従来のTiO2−SiO2ガラスの作製方法は、まず、シリカ前駆体とチタニア前駆体をそれぞれ蒸気形態に転化させてこれらを混合する。この蒸気形態となった混合物は、バーナーに導入され熱分解することでTiO2−SiO2ガラス粒子となる。このTiO2−SiO2ガラス粒子は耐火性容器中に堆積され、堆積と同時にそこで溶融されてTiO2−SiO2ガラスとなる。
また、特許文献1には、TiO2−SiO2多孔質ガラス体を形成し、ガラス体にした後、マスク基板を得る方法が開示されている。
EUVL用露光装置の光学系部材は、EUVL用露光装置での使用時に、高エネルギーのEUV光が照射されるので、部材の温度が局所的に上昇する。このため、EUVL用露光装置の光学系部材は、線熱膨張係数がほぼゼロとなる温度領域が広いことが好ましいが、本願発明者らは、特許文献2において、仮想温度が1200℃以下であり、F含有量が100ppm以上であり、かつ0〜100℃での線熱膨張係数が0±200ppb/℃であることを特徴とするTiO2−SiO2ガラス、およびこのTiO2−SiO2ガラスの製造方法を開示している。
このTiO2−SiO2ガラスは、線熱膨張係数の温度変化が小さい、つまり線熱膨張係数がほぼゼロとなる温度範囲が広く、またガラス中の線熱膨張係数および機械的特性の均質性に優れており、EUVLに使用される光学系を構成する部材の素材としてきわめて好適であると考えられていた。
米国特許出願公開第2002/157421号明細書 特開2005−104820号公報
EUVL用露光装置のスループットを上げるには露光に用いるEUV光のエネルギーを上げることが有効である。その場合、部材の温度はこれまでの想定以上に温度が上がる可能性がある。具体的には、部材の温度は40〜110℃の温度まで上昇する可能性があるので、部材はこれらの温度においてほぼゼロ膨張となることが好ましい。これは、フォトマスクなどの場合はパターンのピッチが変化することを防ぐため、ステッパーミラーなどの場合は形状が変化することを防ぐためである。
また、室温からEUVL用露光装置での使用時の温度まで温度が上昇した際の寸法変化が大きいと、上記パターンのピッチや形状が室温時の状態から変化するため、光学系部材の光学設計が複雑になる可能性が考えられる。したがって、スループット上昇を目的とした高EUVエネルギー光を用いた露光装置用の光学系部材には、室温から40〜110℃といった温度までの平均線熱膨張係数が小さいことが好ましい。
しかしながら、上記した従来技術では、線熱膨張係数がほぼゼロとなる温度範囲が広いが、ゼロ膨張となる温度が室温となっていたため、40〜110℃といった温度では線熱膨張係数がゼロとはならず、寸法変化や形状変化が無視できない可能性がある。また、室温から40〜110℃といった温度までの平均線熱膨張係数が大きいため、光学系部材の光学設計が複雑になるといった問題が考えられる。
上記した従来技術の問題点を解決するため、本発明は、スループット上昇を目的とした高EUVエネルギー光を用いた露光装置用の光学系部材として好適な熱膨張特性を有するTiO2−SiO2ガラスを提供することを目的とする。より具体的には、EUVL用露光装置の光学系部材として使用した場合に、高EUVエネルギー光の照射時の線熱膨張係数がほぼゼロとなるTiO2−SiO2ガラスを提供することを目的とする。
ハロゲン含有量が100質量ppm以上であり、仮想温度が1100℃以下であり、20〜100℃の平均線熱膨張係数が30ppb/℃以下であり、線熱膨張係数(CTE)が0±5ppb/℃となる温度幅ΔTが5℃以上であり、線熱膨張係数(CTE)が0ppb/℃となる温度(クロスオーバー温度:Cross−over Temperature;COT)が30〜150℃の範囲にあることを特徴とするTiO2を含有するシリカガラス(以下、「本発明のTiO2−SiO2ガラス」という。)を提供する。
また、本発明のTiO2−SiO2ガラスにおいては、屈折率の変動幅(Δn)が少なくとも一つの面内における30mm×30mmの範囲で4×10-4以下であることが好ましい。
また、本発明のTiO2−SiO2ガラスにおいては、インクルージョンがないことが好ましい。
さらに、本発明のTiO2−SiO2ガラスにおいては、TiO2含有量が5〜12質量%であることが好ましい。
本発明のTiO2−SiO2ガラスはEUVリソグラフィ用光学部材に用いることができる。
本発明のTiO2−SiO2ガラスは、高EUVエネルギー光の照射時の温度上昇に対し、室温からの平均線熱膨張係数が非常に小さく、かつ高EUVエネルギー光の照射時の線熱膨張係数がほぼゼロとなるため、EUVL用露光装置の光学系部材としてきわめて好適である。
図1は、CTEと温度の関係をプロットしたグラフである。 図2は、例1〜例6について、CTEと温度の関係をプロットしたグラフである。
以下、図面を参照して本発明のTiO2−SiO2ガラスを説明する。
EUVLを実施する際、ミラー等の光学系部材の温度変化による寸法や形状の変化を防ぐ目的から、高EUVエネルギー光を用いた露光装置内に置かれる本発明のTiO2−SiO2ガラスのCOTは30〜150℃の範囲にある。より好ましくは35〜120℃、さらに好ましくは40〜110℃、特に好ましくは50〜80℃である。
EUVLを実施する際、ミラー等の光学系部材の温度変化による寸法形状変化を防ぐ目的から、高EUVエネルギー光を用いた露光装置内に置かれる光学系部材の線熱膨張係数が0±5ppb/℃、すなわち線熱膨張係数がほぼゼロとなる範囲が広いことが望ましい。具体的には0±5ppb/℃となる温度ΔTが5℃以上であることが好ましい。光学系部材の温度は、特に光源に近い部材においては、高エネルギーのEUV光が照射されるため、局所的に上昇することが示唆されている。EUV光の照射条件にもよるが、光学系部材の温度は40〜110℃に上がることが推測されており、さらに局所的に4〜6℃程度の温度差が生じる場合がある。
本発明のTiO2−SiO2ガラスにおいて、ΔTは5℃以上である。ΔTが5℃未満の場合、TiO2−SiO2ガラスをEUVL用露光装置の光学系部材として使用した場合に、EUV光照射時の光学系部材の熱膨張が問題となるおそれがある。より好ましくは6℃以上、さらに好ましくは8℃以上、特に好ましくは10℃以上である。ΔTが15℃以上になると50〜80℃の温度範囲でCTEが0±5ppb/℃を達成することができるのでより好ましく、ΔTが30℃以上になると40〜100℃の温度範囲でCTEが0±5ppb/℃を達成することができるので特に好ましい。
TiO2−SiO2ガラスの20〜100℃の平均線熱膨張係数、ΔTおよびCOTは、TiO2−SiO2ガラスの線熱膨張係数(CTE)を公知の方法、例えば、レーザー干渉式熱膨張計を用いて−150〜+200℃の範囲で測定し、CTEと温度の関係を図1に示すようにプロットすることにより求めることができる。
本発明のTiO2−SiO2ガラスは、仮想温度が1100℃以下である。仮想温度が1100℃超であると、20〜100℃の平均線熱膨張係数が30ppb/℃超となり、TiO2−SiO2ガラスをEUVL用露光装置の光学系部材として使用した場合に、EUV光照射時に光学系部材の温度変化による熱膨張が問題となるおそれがある。仮想温度は好ましくは1000℃以下、より好ましくは950℃以下、さらに好ましくは900℃以下、特に好ましくは850℃以下である。20〜100℃の平均線熱膨張係数を小さくするためには、仮想温度は800℃以下であることが好ましく、780℃以下であることが特に好ましい。
TiO2を含有しないSiO2ガラスにおいて、ハロゲン含有量がガラスの構造緩和に影響を及ぼすことは以前から知られている(例えば、Journal・of・Applied・Physics・91(8)、4886(2002))。これによればFにより構造緩和時間が促進され、仮想温度が低いガラス構造が実現しやすくなる(第1の効果)。本発明者等はTiO2−SiO2ガラスにおいても、Fを含有させることは、仮想温度を低くして、ゼロ膨張の温度範囲を広げる効果(第2の効果)があることを見出した(例えば、特許文献2参照)。
ハロゲンとしては、ClもFと同様にTiO2を含有しないSiO2ガラスの構造緩和時間が促進され、仮想温度が低いガラス構造が実現しやすくなる(第1の効果)ことが知られており(例えば、Applied・Physics・Letter・73(9)、1209(1998))、ClもTiO2−SiO2ガラスにおいてFと同様の効果(第1、第2の効果)が期待できる。ハロゲンはFまたはClであることが好ましく、Fであることがより好ましい。
さらに、今回、本発明者等は、TiO2−SiO2ガラスにおいてハロゲンを含有させることは、ゼロ膨張となる温度を上げる効果(第3の効果)があること、ガラスの仮想温度が低い程、その効果が大きいことを見出した。
本発明のTiO2−SiO2ガラスは、ハロゲン含有量が100質量pmm以上である。100質量ppm未満では、ΔTが5℃以上にならない。より好ましくは500ppm以上、さらに好ましくは1000ppm以上、特に好ましくは7000ppm以上である。
ハロゲン含有量は既知の測定方法、例えば、蛍光X線分析にて測定することができる。
F含有量は公知の方法を用いて測定することができ、例えば、以下の手順で測定することができる。TiO2−SiO2ガラスを無水炭酸ナトリウムにより加熱融解し、得られた融液に蒸留水および塩酸を融液に対する体積比でそれぞれ1ずつ加えて試料液を調整する。
試料液の起電力をフッ素イオン選択性電極および比較電極としてラジオメータトレーディング社製No.945−220およびNo.945−468をそれぞれ用いてラジオメータにより測定し、フッ素イオン標準溶液を用いてあらかじめ作成した検量線に基づいて、フッ素含有量を求める(日本化学会誌、1972(2),350)。なお本法による検出限界は10ppmである。
本発明のTiO2−SiO2ガラスにおいて、20〜100℃の平均線熱膨張係数は30ppb/℃以下である。これにより、高エネルギーのEUV光が照射された際に、光学部材の温度が室温から高温になっても寸法や形状の変化を小さくすることができる。より好ましくは20ppb/℃以下、特に好ましくは10ppb/℃以下である。一方、COTが高温の場合は20〜100℃の平均線熱膨張係数は負の値になる傾向があるが、同様の理由で、20〜100℃の平均線熱膨張係数の絶対値は小さい方が好ましく、−60ppb/℃以上であることが好ましい。より好ましくは−30ppb/℃以上、さらに好ましくは−20ppb/℃以上である。高エネルギーのEUV光が照射された際の寸法や形状の変化をより小さくしたい場合は、20〜100℃の平均線熱膨張係数が−10ppb/℃以上であることが好ましい。
線熱膨張係数が0±5ppb/℃となる温度幅ΔTを大きくし、20〜100℃の平均線熱膨張係数を小さくする、例えば、線熱膨張係数が0±5ppb/℃となる温度幅ΔTが8℃以上、20〜100℃の平均線熱膨張係数を20ppb/℃以下にするには、ハロゲン含有量、TiO2含有量、仮想温度をそれぞれ調整し、COTを30〜150℃の範囲する必要がある。その際、上述のハロゲンによる第3の効果を考慮して、ハロゲン含有量を高くする場合は、TiO2含有量を減らすように調整する。また、同じくハロゲン含有量を高くする場合であっても、ガラスの仮想温度が低い場合は、TiO含有量をより減らすように調整する。
具体的には、ハロゲン含有量が100〜1000質量ppm、仮想温度が850〜1100℃の場合は、TiO2含有量は6〜11質量%であり、ハロゲン含有量が100〜1000質量ppm、仮想温度が850℃未満の場合は、TiO2含有量は5〜10質量%であり、ハロゲン含有量が1000質量ppm超、仮想温度が850〜1100℃の場合は、TiO2含有量は6〜9質量%であり、ハロゲン含有量が1000質量ppm超、仮想温度が850℃未満の場合は、TiO2含有量は5〜8質量%である。
仮想温度が1100℃以下の本発明のTiO2−SiO2ガラスを得るためには、所定の形状に成形したTiO2−SiO2ガラス成形体を600〜1200℃の温度にて2時間以上保持した後、10℃/hr以下の平均降温速度で500℃以下まで降温する方法が効果的である。後述する実施例では、上記の方法に従って、本発明のTiO2−SiO2ガラスを1000℃にて10時間保持し、5℃/hrの速度で300℃まで降温し、大気放冷したところ、得られたTiO2−SiO2ガラスの仮想温度が750℃となることが示されている。より遅い平均降温速度で降温すれば、より低い仮想温度が達成される。例えば、1℃/hr以下の速度で降温すれば、仮想温度は700℃以下に成り得る。
同様に、仮想温度のばらつきを50℃以内とするには、TiO2−SiO2ガラス成形体を600〜1200℃の温度にて2時間以上保持した後、5℃/hr以下の平均降温速度で500℃以下まで降温すればよい。
TiO2−SiO2ガラスの仮想温度は公知の手順で測定することができる。後述する実施例では、以下の手順でTiO2−SiO2ガラスの仮想温度を測定した。
鏡面研磨されたTiO2−SiO2ガラスについて、吸収スペクトルを赤外分光計(後述する実施例では、Nikolet社製Magna760を使用)を用いて取得する。この際、データ間隔は約0.5cm-1にし、吸収スペクトルは、64回スキャンさせた平均値を用いる。このようにして得られた赤外吸収スペクトルにおいて、約2260cm-1付近に観察されるピークがTiO2−SiO2ガラスのSi−O−Si結合による伸縮振動の倍音に起因する。このピーク位置を用いて、仮想温度が既知で同組成のガラスにより検量線を作成し、仮想温度を求める。あるいは、表面の反射スペクトルを同様の赤外分光計を用いて、同様に測定する。このようにして得られた赤外反射スペクトルにおいて、約1120cm-1付近に観察されるピークがTiO2−SiO2ガラスのSi−O−Si結合による伸縮振動に起因する。このピーク位置を用いて、仮想温度が既知で同組成のガラスにより検量線を作成し、仮想温度を求める。なお、ガラス組成の変化によるピーク位置のシフトは、検量線の組成依存性から外挿することが可能である。
本発明のTiO2−SiO2ガラスは、仮想温度のばらつきが50℃以内であることが好ましく、より好ましくは30℃以内である。仮想温度のばらつきが上記範囲を超えると、場所により、線熱膨張係数に差を生じるおそれがある。
本明細書では、「仮想温度のばらつき」を少なくとも1つの面内における30mm×30mm内での仮想温度の最大値と最小値の差と定義する。
仮想温度のばらつきは以下のように測定できる。所定のサイズに成形した透明TiO2−SiO2ガラス体をスライスし、50mm×50mm×6.35mmのTiO2−SiO2ガラスブロックとする。このTiO2−SiO2ガラスブロックの50mm×50mm面について、10mmピッチの間隔で前述の方法に従い仮想温度の測定を行うことで、成形TiO2−SiO2ガラス体の仮想温度のばらつきを求める。
本発明のTiO2−SiO2ガラスは、少なくとも一つの面内における30mm×30mmの範囲の屈折率の変動幅(Δn)が4×10-4以下であることが好ましい。4×10-4以下であると研磨後の表面の粗さが小さくなり、超高平滑性が得られやすい。より好ましくは3.5×10-4以下、さらに好ましくは3×10-4以下である。
特にTiO2を含有するシリカガラスをEUVリソグラフィ用光学部材として用いる際の表面の平滑度rmsを3nm以下とするためには、Δnは4×10-4以下が好ましく、より好ましくは3×10-4以下、さらに好ましくは2×10-4以下である。より表面の平滑度rmsを小さくする、例えば、2nm以下とするためには、Δnは1.5×10-4以下とすることが好ましく、より好ましくは1×10-4以下、特に好ましくは0.5×10-4以下である。
表面の平滑度(rms)は、以下の方法で測定する。鏡面研磨したガラス表面に対し、非接触表面形状測定器(Zygo社 NewView5032)により光学部材として使用する領域の表面形状を測定する。測定には2.5倍の対物レンズを用いる。測定した表面形状は、2×2mm正方形領域ごとにそれぞれ分割し、rms値を算出して平滑度とする。また、rms値算出の際には、波長10μm〜1mmのバンドパスフィルターを用いてデータ処理し、同波長域以外の波長をもつうねり成分は除去している。
本発明のTiO2−SiO2ガラスを用いたEUVL用露光装置の光学部材の表面の平滑度(rms)は、3nm以下であることが好ましい。より好ましくは2nm以下、更に好ましくは1.5nm以下、特に好ましくは、1nm以下である。
屈折率の変動幅Δnの測定方法は公知の方法、例えば、光干渉計を用いることで測定することができる。より具体的には、透明TiO2−SiO2ガラス体から、例えば40mm×40mm×40mm程度の立方体を切り出し、立方体の各面より厚さ0.5mm程度でスライス、研磨を行い、30mm×30mm×0.2mmの板状TiO2−SiO2ガラスブロックを得る。小口径フィゾー干渉計にて、本ガラスブロックの30mm×30mmの面に白色光からフィルターを用いてある特定の波長の光だけを取り出して垂直にあて、脈理が十分観察可能な倍率に拡大して、面内の屈折率分布を調べ、屈折率の変動幅Δnを測定する。脈理のピッチが細かい場合は測定する板状TiO2−SiO2ガラスブロックの厚さを薄くする必要がある。
上記光干渉計を用いて脈理の評価をする場合、CCDにおける1画素の大きさが脈理の幅に比べて十分小さくない可能性があり、脈理を検出できない可能性がある。この場合、30mm×30mmの範囲全域を例えば1mm×1mm程度の複数の微小領域に分割し、各微小領域で測定を実施することが好ましい。
本発明のTiO2−SiO2ガラスは、1つの面における30mm×30mmの範囲のTiO2含有量の最大値と最小値の差が0.06質量%以下であることが好ましい。0.06質量%以下であると研磨後の表面の平滑度が小さくなり、超高平滑性が得られやすい。より好ましくは0.04質量%以下である。
TiO2−SiO2ガラスにおいて、TiO2/SiO2組成比の異なる部位は、組成比によりガラスの機械的および化学的物性が異なるために、研磨レートが一定とならず、研磨後のガラス表面が超高平滑性を有するように仕上げることが困難である。10〜200μmピッチで縞状の脈理のあるTiO2−SiO2ガラスを研磨すると、ガラス表面に、脈理ピッチと同程度のピッチをもつ“うねり”が発生し、超高平滑性を得るのが非常に困難である。
また、脈理による研磨表面の凹凸はTiO2/SiO2組成比の変動によるガラスの機械的および化学的物性の差だけではなく、組成差に起因する線熱膨張係数差によって生じる応力によっても引き起こされる。従って、脈理間の応力を低減させ、研磨後の凹凸形成を抑制する目的においても、ガラスの徐冷点や歪点付近の温度域をより遅い冷却速度で冷却することは有効である。特にハロゲンを含有したガラスにおいては、応力緩和が促進されるため、遅い冷却速度で冷却することは効果が高い。具体的には、アニール処理工程の冷却プロファイルにおいて、最も遅い冷却速度が10℃/hr以下であることが好ましく、より好ましくは5℃/hr以下である。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの脈理の応力レベルの標準偏差(σ)は、少なくとも一つの面内における30mm×30mmの範囲で0.04MPa以下であることが好ましい。0.04MPa以下であると研磨後の表面の粗さが小さくなり、超高平滑性が得られないやすい。より好ましくは0.03MPa以下、特に好ましくは0.02MPa以下である。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの脈理の応力レベルの最大粗さ(PV)は、少なくとも一つの面内における30mm×30mmの範囲で0.20MPa以下であることが好ましい。0.20MPa超であるとTiO2/SiO2組成比の異なる部位は、組成比によりガラスの機械的および化学的物性が異なるために、研磨レートが一定とならないおそれがある。より好ましくは0.17MPa以下、さらに好ましくは0.15MPa以下、特に好ましくは0.10MPa以下である。
本発明のTiO2−SiO2ガラスの脈理の応力レベルの二乗平均平方根(RMS)は、少なくとも一つの面内における30mm×30mmの範囲で0.20MPa以下であることが好ましい。0.20MPa以下であると研磨後の表面の粗さが小さくなり、超高平滑性が得られやすい。より好ましくは0.17MPa以下、さらに好ましくは0.15MPa以下、特に好ましくは0.10MPa以下である。
TiO2−SiO2ガラスの脈理の応力は公知の方法、例えば、複屈折顕微鏡を用いて1mm×1mm程度の領域を測定することでレタデーションを求め、以下の式から求めることができる。
Δ=C×F×n×d
ここで、Δはレタデーション、Cは光弾性定数、Fは応力、nは屈折率、dはサンプル厚である。
上記の方法で応力のプロファイルを求め、そこから標準偏差(σ)、最大粗さ(PV)、二乗平均平方根(RMS)を求めることができる。より具体的には、透明TiO2−SiO2ガラス体から、例えば40mm×40mm×40mm程度の立方体を切り出し、立方体の各面より厚さ1mm程度でスライス、研磨を行い、30mm×30mm×0.5mmの板状TiO2−SiO2ガラスブロックを得る。複屈折顕微鏡にて、本ガラスブロックの30mm×30mmの面にヘリウムネオンレーザ光を垂直にあて、脈理が十分観察可能な倍率に拡大して、面内のレタデーション分布を調べ、応力分布に換算する。脈理のピッチが細かい場合は測定する板状TiO2−SiO2ガラスブロックの厚さを薄くする必要がある。
ハロゲンを含有させたTiO2−SiO2ガラスの製造方法としては以下のようないくつかの方法がある。ひとつに、スート法により、ガラス形成原料となるシリカ前駆体とチタニア前駆体を火炎加水分解もしくは熱分解させて得られるTiO2−SiO2ガラス微粒子(スート)を堆積、成長させて、多孔質TiO2−SiO2ガラス体を得る。得られた多孔質TiO2−SiO2ガラス体をハロゲン含有雰囲気にて処理した後、減圧下あるいはヘリウム含有雰囲気中で緻密化温度以上まで加熱し、さらに透明ガラス化温度以上まで加熱してハロゲンを含有させたTiO2−SiO2ガラスを得る製造方法がある。このとき、多孔質TiO2−SiO2ガラス体の嵩密度の分布を小さくし、かつハロゲンを含むガス雰囲気での処理時間を長くとることでハロゲン含有量のばらつきを良くすることができる。特に、屈折率の変動幅(Δn)を小さくする、具体的には、屈折率の変動幅(Δn)を4×10-4以下とするためには、多孔質TiO2−SiO2ガラス体の嵩密度を0.7g/cm3以下とし、上記処理時間を4時間以上とすることが好ましい。
スート法はその作り方により、MCVD法、OVD法、およびVAD法などがある。
本明細書では、緻密化温度とは、光学顕微鏡で空隙が確認できなくなるまで多孔質ガラス体を緻密化できる温度をいう。また、透明ガラス化温度とは、光学顕微鏡で結晶が確認できなくなり、透明なガラスが得られる温度をいう。
スート法では、ガラス形成原料となるシリカ前駆体とチタニア前駆体を火炎加水分解もしくは熱分解させる際に、ハロゲンを含むガスを同時に供給することで、ハロゲンを含有したTiO2−SiO2ガラス微粒子(スート)を堆積、成長させて、ハロゲンを含有した多孔質TiO2−SiO2ガラス体を得ることができる。この場合、熱源はプラズマであることが好ましい。酸水素火炎とは異なり、熱源としてプラズマを用いることにより合成雰囲気中の水分含有量を下げることが可能となり、ハロゲン含有量を大きくすることができる。また、屈折率の変動幅(Δn)を小さくすることができる。特にハロゲン含有量が5000質量ppm以上であり、屈折率の変動幅(Δn)が4×10-4以下のTiO2−SiO2ガラス体を得るためには、熱源をプラズマとすることが好ましい。
また、直接法により、ハロゲンを含むガラス形成原料となるシリカ前駆体とチタニア前駆体を1800〜2000℃の酸水素火炎中で加水分解・酸化させることで、ハロゲンを含有させたTiO2−SiO2ガラス体を得る製造方法がある。このとき、火炎温度やガス濃度を調整することで、ハロゲン含有量が調整される。
本発明のTiO2−SiO2ガラスにおいて、仮想温度のばらつきが50℃以内、ハロゲン含有量のばらつきが平均含有量の20%以内であれば、線熱膨張係数分布を少なくとも1つの面内における30mm×30mm内で30ppb/℃以内となし得、EUVL用露光装置の光学系部材として適している。
TiO2−SiO2ガラスの線熱膨張係数分布は公知の方法を用いて測定することができる。例えば、所定のサイズに成形した透明TiO2−SiO2ガラス体を切断し、15mm×15mm×1mmのTiO2−SiO2ガラス小片となるよう分割し、この各小片について、前述の方法(例えば、レーザー干渉式熱膨張計)を用いて、線熱膨張係数の測定を行うことで、成形TiO2−SiO2ガラスブロックの線熱膨張係数のばらつきを求める。
本発明のTiO2−SiO2ガラスを製造するためには、下記(a)〜(e)工程を含む製法が採用できる。
(a)工程
ガラス形成原料であるシリカ前駆体およびチタニア前駆体を火炎加水分解させて得られるTiO2−SiO2ガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質TiO2−SiO2ガラス体を形成させる。ガラス形成原料としては、ガス化可能な原料であれば特に限定されないが、シリカ前駆体としては、SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、SiH3Clなどの塩化物、SiF4、SiHF3、SiH22などのフッ化物、SiBr4、SiHBr3などの臭化物、SiI4などのヨウ化物といったハロゲン化ケイ素化合物、またRnSi(OR)4-n(ここにRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数。複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。)で示されるアルコキシシランが挙げられ、またチタニア前駆体としては、TiCl4、TiBr4などのハロゲン化チタン化合物、またRnTi(OR)4-n(ここにRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数。複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。)で示されるアルコキシチタンが挙げられる。また、シリカ前駆体およびチタニア前駆体として、シリコンチタンダブルアルコキシドなどのSiとTiの化合物を使用することもできる。
基材としては石英ガラス製の種棒(例えば特公昭63−24973号公報記載の種棒)を使用できる。また棒状に限らず板状の基材を使用してもよい。
(b)工程
(a)工程で得られた多孔質TiO2−SiO2ガラス体を緻密化温度以下の温度にて、ハロゲン含有雰囲気下にて保持し、ハロゲンを含有した多孔質TiO2−SiO2ガラス体を得る。このハロゲン含有雰囲気としては、含フッ素ガス(例えばSiF4、SF6、CHF3、CF4、C26、C38、F2)を0.1〜100体積%含有する不活性ガス雰囲気が好ましい。これらの雰囲気下、圧力10000〜200000Paで数十分〜数時間の処理を、後述する緻密化温度以下の高温で行うことが好ましい。また、同じフッ素ドープ量を得る場合において処理温度を下げたい時は、処理時間を延ばし5〜数十時間保持するようにすればよい。得られるガラスの透過率を上げるためには、熱処理雰囲気に酸素ガスを混ぜることが好ましい。
また(b)工程においては、TiO2−SiO2緻密体の均質性が上がることから、多孔質TiO2−SiO2ガラス体を減圧下(好ましくは13000Pa以下、特に1300Pa以下)に置いた後、ついで、不活性ガスおよびハロゲンガスを所定の分圧になるまで導入し、ハロゲン含有雰囲気とすることが好ましい。より均質性を向上させるためには、減圧にしてハロゲン含有雰囲気にする作業を複数回繰り返すことが好ましい。
緻密化温度よりも高い温度を用いた場合、多孔質TiO2−SiO2ガラス体の緻密化が進行し、多孔質TiO2−SiO2ガラス体内部にまでフッ素を含有させることが困難になるため好ましくない。
例えば、ハロゲン含有雰囲気としてSiF4を用いる場合、多孔質TiO2−SiO2ガラス体にドープさせたいフッ素量に合わせ、以下のように処理温度、処理時間を設定すればよい。
フッ素ドープ量を100ppm以上1000ppm未満としたい場合は、含フッ素ガスを5〜20体積%含むガス雰囲気にて、室温にて1〜数十時間保持すればよい。フッ素ドープ量を1000ppm以上3000ppm未満としたい場合は、含フッ素ガスを2〜10体積%含むガス雰囲気にて、500〜1000℃で2〜数十時間保持すればよい。フッ素ドープ量を3000〜7000ppmとしたい場合は、含フッ素ガスを5〜数十体積%含む不活性ガス雰囲気にて、800〜1100℃で2〜数十時間保持すればよい。フッ素ドープ量を7000ppm以上としたい場合は、含フッ素ガスを5〜数十体積%含む不活性ガス雰囲気にて、1000℃以上で2〜数十時間保持すればよい。
得られるガラスの透過率を上げるためには、熱処理雰囲気に酸素ガスを混ぜることが好ましい。あるいは、酸素を含む雰囲気にて、ガラス体を緻密化しない程度に、300〜1300℃で5〜数十時間保持する。これはその後の熱処理においてガラスの着色を防ぐためである。雰囲気中の酸素は、1〜100%であることが好ましく、より確実にガラスの着色を防ぐためには、20〜100%であることがより好ましい。
従来のようにスート法で合成された合成石英ガラスにフッ素をドープする場合は、高温でフッ素をドープすると酸素欠乏欠陥が生じて光透過率低下の原因になることが指摘されている。しかしながら、反射光学系に用いる光学部材に使用する場合は光透過率の低下は問題にならない。よって、透明ガラス化温度以下の高温で処理することにより、極めて多いフッ素を含有させることが可能になり、フッ素ドープ量は最大で数千ppm以上とすることができる。
(c)工程
(b)工程で得られたハロゲンを含有したTiO2−SiO2緻密体を、透明ガラス化温度まで昇温して、ハロゲンを含有した透明TiO2−SiO2ガラス体を得る。本発明においては、透明ガラス化温度は、1300〜1750℃が好ましく、特に1350〜1700℃であることが好ましい。
雰囲気としては、ヘリウムやアルゴンなどの不活性ガス100%の雰囲気、またはヘリウムやアルゴンなどの不活性ガスを主成分とする雰囲気であることが好ましい。圧力については、減圧または常圧であればよい。減圧の場合は13000Pa以下が好ましい。
(d)工程
(c)工程で得られたハロゲンを含有した透明TiO2−SiO2ガラス体を、軟化点付近の温度に加熱して所望の形状に成形し、ハロゲンを含有した成形TiO2−SiO2ガラス体を得る。成形加工の温度としては、1500〜1800℃が好ましい。1500℃未満では、ハロゲンを含有した透明TiO2−SiO2ガラスの粘度が高いため、実質的に自重変形が行われず、またSiO2の結晶相であるクリストバライトの成長またはTiO2の結晶相であるルチルもしくはアナターゼの成長が起こり、いわゆる失透が生じるおそれがある。1800℃超では、SiO2の昇華が無視できなくなるおそれがある。
なお、(c)工程と(d)工程を連続的に、あるいは同時に行うこともできる。
(e)工程
(d)工程で得られた成形TiO2−SiO2ガラス体を、600〜1200℃の温度にて1時間以上保持した後、10℃/hr以下の平均降温速度で700℃以下まで降温するアニール処理を行い、TiO2−SiO2ガラスの仮想温度を制御する。あるいは、1200℃以上の(d)工程で得られた成形TiO2−SiO2ガラス体を500℃まで60℃/hr以下の平均降温速度で降温するアニール処理を行い、TiO2−SiO2ガラスの仮想温度を制御する。500℃以下まで降温した後は放冷できる。この場合の雰囲気は、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガス100%の雰囲気下、これらの不活性ガスを主成分とする雰囲気下、または空気雰囲気下で、圧力は減圧または常圧が好ましい。
より低い仮想温度を達成するためには、ガラスの徐冷点や歪点付近の温度域をより遅い冷却速度で冷却することが有効である。また、特にハロゲンを含有する本発明のガラスにおいて、脈理間の応力を低減させ、研磨後の凹凸形成を抑制する目的においても、ガラスの徐冷点や歪点付近の温度域をより遅い冷却速度で冷却することは有効である。具体的には、(e)工程の冷却プロファイルにおいて、最も遅い冷却速度が10℃/hr以下であることが好ましく、より好ましくは5℃/hr以下、さらに好ましくは2℃/hr以下、特に好ましくは1℃/hr以下である。
特により低い仮想温度を達成するためには、ガラスの徐冷点付近の温度域(例えば、徐冷点±25℃)をより遅い冷却速度で冷却することが有効である。また、脈理間の応力をより低減させ、研磨後の凹凸形成をより抑制するためには、ガラスの歪点付近の温度域(例えば、歪点±25℃)をより遅い冷却速度で冷却することが有効である。
本発明のTiO2−SiO2ガラスはインクルージョンがないことが好ましい。インクルージョンとは、ガラス中に存在する異物や泡などである。異物はガラス作製工程のコンタミや結晶析出によって生じる恐れがある。異物や泡などのインクルージョンを排除するためには、上記製造工程において、特に工程(a)でコンタミネーションを抑制すること、さらに工程(b)〜(d)の温度条件を正確にコントロールすることが必要である。
本発明のTiO2−SiO2ガラスを用いたEUVL用露光装置の光学部材は、超高平滑な表面を得ることが容易である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
なお、例1〜3は実施例であり、その他は比較例である。
[例1]
TiO2−SiO2ガラスのガラス形成原料であるTiCl4とSiCl4を、それぞれガス化させた後に混合させ、酸水素火炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)させることで得られるTiO2−SiO2ガラス微粒子を基材に堆積・成長させて、多孔質TiO2−SiO2ガラス体を形成する((a)工程)。
得られた多孔質TiO2−SiO2ガラス体はそのままではハンドリングしにくいので、基材に堆積させたままの状態で、大気中1200℃にて4時間保持したのち、基材から外す。
その後、多孔質TiO2−SiO2ガラス体を雰囲気制御可能な電気炉に設置し、室温にて1333Paまで減圧した後、He/SiF4=90/10(体積比)の混合ガスを導入しながら、この雰囲気にて1100℃、常圧下4時間保持し、フッ素ドープを行う。
その後、O2100%雰囲気下にて1050℃、常圧下4時間保持した後、He100%雰囲気下で1450℃まで昇温した後、この温度で4時間保持しフッ素を含有したTiO2−SiO2緻密体を得る((b)工程)。
得られたフッ素を含有したTiO2−SiO2緻密体を、カーボン炉を用いてアルゴン雰囲気下で1650℃に加熱して、フッ素を含有した透明TiO2−SiO2ガラス体を得る((c)工程)。
得られたフッ素を含有した透明TiO2−SiO2ガラス体を、軟化点以上の温度(1700℃)に加熱して所望の形状に成形し、フッ素を含有した成形TiO2−SiO2ガラス体を得る((d)工程)。
得られたガラスを1000℃にて10時間保持し、5℃/hrの速度で300℃まで降温し、大気放冷する((e)工程)。
[例2]
TiO2−SiO2ガラスのガラス形成原料であるTiCl4とSiCl4を、それぞれガス化させた後に混合させ、酸水素火炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)させることで得られるTiO2−SiO2ガラス微粒子を基材に堆積・成長させて、多孔質TiO2−SiO2ガラス体を形成する((a)工程)。
得られた多孔質TiO2−SiO2ガラス体はそのままではハンドリングしにくいので、基材に堆積させたままの状態で、大気中1200℃にて4時間保持したのち、基材から外す。
その後、多孔質TiO2−SiO2ガラス体を雰囲気制御可能な電気炉に設置し、室温にて1333Paまで減圧した後、He/SiF4=90/10(体積比)の混合ガスを導入し、再び1333Paまで減圧した後、再度、He/SiF4=90/10(体積比)の混合ガスを導入する。この操作を10回繰り返した後、He/SiF4=90/10(体積比)の混合ガスの雰囲気にて室温にて、常圧下24時間保持してフッ素ドープを行う。
その後、O2100%雰囲気下にて1050℃、常圧下4時間保持した後、He100%雰囲気下で1450℃まで昇温した後、この温度で4時間保持しフッ素を含有したTiO2−SiO2緻密体を得る((b)工程)。
得られたフッ素を含有したTiO2−SiO2緻密体を、カーボン炉を用いてアルゴン雰囲気下で1650℃に加熱して、フッ素を含有した透明TiO2−SiO2ガラス体を得る((c)工程)。
得られたフッ素を含有した透明TiO2−SiO2ガラス体を、1750℃に加熱して所望の形状に成形し、フッ素を含有した成形TiO2−SiO2ガラス体を得る((d)工程)。
得られたガラスを1000℃にて10時間保持し、5℃/hrの速度で300℃まで降温し、大気放冷する((e)工程)。
[例3]
TiO2−SiO2ガラスのガラス形成原料であるTiCl4とSiCl4を、それぞれガス化させた後に混合させ、酸水素火炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)させることで得られるTiO2−SiO2ガラス微粒子を基材に堆積・成長させて、多孔質TiO2−SiO2ガラス体を形成する((a)工程)。
得られた多孔質TiO2−SiO2ガラス体はそのままではハンドリングしにくいので、基材に堆積させたままの状態で、大気中1200℃にて4時間保持したのち、基材から外す。
その後、多孔質TiO2−SiO2ガラス体を雰囲気制御可能な電気炉に設置し、室温にて1333Paまで減圧した後、He/SiF4=90/10(体積比)の混合ガスを導入しながら、この雰囲気にて1100℃、常圧下4時間保持し、フッ素ドープを行う。
その後、O2100%雰囲気下にて1050℃、常圧下4時間保持した後、He100%雰囲気下で1450℃まで昇温した後、この温度で4時間保持しフッ素を含有したTiO2−SiO2緻密体を得る((b)工程)。
得られたフッ素を含有したTiO2−SiO2緻密体を、カーボン炉を用いてアルゴン雰囲気下で1700℃に加熱して、フッ素を含有した透明TiO2−SiO2ガラス体を得る
((c)工程)。
得られたフッ素を含有した透明TiO2−SiO2ガラス体を、1700℃に加熱して所望の形状に成形し、フッ素を含有した成形TiO2−SiO2ガラス体を得る((d)工程)。
得られたガラスを1100℃にて10時間保持し、150℃/hrの平均降温速度で300℃まで降温し、大気放冷する((e)工程)。
[例4]
TiO2−SiO2ガラスのガラス形成原料であるTiCl4とSiCl4を、それぞれガス化させた後に混合させ、酸水素火炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)させることで得られるTiO2−SiO2ガラス微粒子を基材に堆積・成長させて、多孔質TiO2−SiO2ガラス体を形成する((a)工程)。
得られた多孔質TiO2−SiO2ガラス体はそのままではハンドリングしにくいので、基材に堆積させたままの状態で、大気中1200℃にて4時間保持したのち、基材から外す。
その後、多孔質TiO2−SiO2ガラス体を雰囲気制御可能な電気炉に設置し、室温にて1333Paまで減圧した後、He100%の雰囲気にて1450℃まで昇温した後、この温度で4時間保持しTiO2−SiO2緻密体を得る((b)工程)。
得られたTiO2−SiO2緻密体を、カーボン炉を用いてアルゴン雰囲気下で1700℃に加熱して、透明TiO2−SiO2ガラス体を得る((c)工程)。
得られた透明TiO2−SiO2ガラス体を、1750℃に加熱して所望の形状に成形し、成形TiO2−SiO2ガラス体を得る((d)工程)。
得られたガラスを1100℃にて10時間保持し、150℃/hrの平均降温速度で500℃まで降温し、大気放冷する((e)工程)。
[例5]
特許文献2に記載の実施例1のTiO2−SiO2ガラスである。
[例6]
ゼロ膨張TiO2−SiO2ガラスとして知られるCorning社ULE#7972である。
上記例1〜例6で作成したガラスの各物性の測定結果を表1にまとめる。なお、評価方法については、それぞれ前述の測定方法に従って行う。また、表1のCOTは、図2の曲線から線熱膨張係数が0ppb/℃となる温度を求め、導出する。表1のΔTは、図2の曲線から線熱膨張係数が−5〜5ppb/℃となる温度の範囲を求め、導出する。
Figure 2010163346
例1〜3のガラスは、仮想温度のばらつきが50℃以内、フッ素含有量のばらつきが50ppm以内である。また、屈折率の変動幅(Δn)が少なくとも一つの面内における30mm×30mmの範囲で4×10-4以下、応力レベルの標準偏差(σ)が少なくとも一つの面内における30mm×30mmの範囲で0.04MPa以下、応力レベルの最大粗さ(PV)が少なくとも一つの面内における30mm×30mmの範囲で0.20MPa以下である。
表1から明らかなように、ΔTが5℃以上であり、20〜100℃の平均線熱膨張係数が30ppb/℃以下である例1〜3は、高EUVエネルギー光の照射時の線熱膨張係数がほぼゼロとなり、かつ広い温度範囲で安定してCTEがほぼゼロとなるため、EUVL用露光装置の光学系部材に好適である。
本発明のシリカガラスおよび光学部はEUVリソグラフィ用露光装置に好適である。

Claims (5)

  1. ハロゲン含有量が100質量ppm以上であり、仮想温度が1100℃以下であり、20〜100℃の平均線熱膨張係数が30ppb/℃以下であり、線熱膨張係数が0±5ppb/℃となる温度幅ΔTが5℃以上であり、線熱膨張係数が0ppb/℃となる温度が30〜150℃の範囲にあることを特徴とするTiO2を含有するシリカガラス。
  2. 屈折率の変動幅(Δn)が少なくとも一つの面内における30mm×30mmの範囲で4×10-4以下であることを特徴とする請求項1に記載のTiO2を含有するシリカガラス。
  3. インクルージョンがないことを特徴とする請求項1または2に記載のTiO2を含有するシリカガラス。
  4. TiO2含有量が5〜12質量%特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のTiO2を含有するシリカガラス。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のTiO2を含有するシリカガラスを用いたEUVリソグラフィ用光学部材。
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