JP2010162033A - 上皮増殖因子受容体及びHER2−neu遺伝子発現並びにそれらのレベルと生存との相関関係を決定する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、医学において有用な予後方法、特にガンの化学療法を提供することを目的とする。
【解決手段】固定され、又は固定されてパラフィン包埋された組織中のHER2-neu及び/又はEGFRの発現レベルを評価するための方法であって、患者の腫瘍細胞中のHER2-neu及び/又はEGFR mRNAの量を試験し、そしてそれをそれらの遺伝子の規定の閾値の発現レベルと比較する事によって、受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法による処置に対する、患者の腫瘍の推定される感度を予後判定する方法及び、オリゴヌクレオチドプライマー対EGFR及びHER2-neu並びにEGFR及びHER2-neu mRNAのそれぞれのレベルを検出するためのそれらの使用を含んで成る方法。
【選択図】図1
【解決手段】固定され、又は固定されてパラフィン包埋された組織中のHER2-neu及び/又はEGFRの発現レベルを評価するための方法であって、患者の腫瘍細胞中のHER2-neu及び/又はEGFR mRNAの量を試験し、そしてそれをそれらの遺伝子の規定の閾値の発現レベルと比較する事によって、受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法による処置に対する、患者の腫瘍の推定される感度を予後判定する方法及び、オリゴヌクレオチドプライマー対EGFR及びHER2-neu並びにEGFR及びHER2-neu mRNAのそれぞれのレベルを検出するためのそれらの使用を含んで成る方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、医術、特にガンの化学療法に有用な予後方法関する。更に具体的には、本発明は、腫瘍細胞の遺伝子発現が解析される患者の生存度の評価に関する。更に、受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法による養生法に対する腫瘍細胞の感受性は、ヒトのEGFR及びHer2-neu遺伝子のmRNA発現を試験することによって評価される。
肺ガンは、西洋諸国における男性及び女性のガン関連死の主要原因である。米国において、約171,000の肺ガンの新症例が診断され、そして毎年160,000人の個体がこの疾患により死亡する。この20年の間の肺ガンの検出及び処置の向上にも関わらず、合計5年の生存は15%未満である。Ginsberg, et al., In:DeVita, et al., Cancer:Principles in Practice of Oncology, Ed. 5, pp. 858-910. Philadelphia:Lipincott-Raven Publishers, 1997.非小細胞肺癌(NSCLC)を有する患者の生存率を向上させるために、分子変化に基づく彼らの予後的な分類が必要である。そのような分類は、更に正確で、且つ有用な診断用ツールを、そして最終的には更に有効な治療のオプションを提供する。
ガンは、正常な細胞が悪性形質転換を受け、そして悪性細胞になる場合に生ずる。形質転換した(悪性の)細胞は、細胞の表現型を指定し、そして細胞増殖を抑制する正常な生理学的制御を免れる。個体の体内の形質転換細胞は、その結果増殖し、ガンを形成する。腫瘍が発見された場合、臨床的な目的は、悪性細胞を選択的に破壊し、同時に、処置を受ける個体の正常細胞にもたらされた何らかの害を緩和することである。
化学療法は、ガン細胞に対して選択的に毒性がある(細胞障害性の)薬物の使用に基づく。化学療法の薬物の、複数の一般的なクラスが開発されており、これには核酸合成、タンパク質合成及び他の生命維持に必要な代謝過程を妨害する薬物が含まれる。これらは通常抗代謝薬と称される。他の化学療法薬のクラスは、細胞のDNAに対して損傷を与える。これらのクラスの薬物は通常遺伝毒と称される。更に、化学療法剤のクラスは、受容体チロシンキナーゼ(RTK)を介する分裂促進のシグナル伝達を、RTKが過敏性の細胞において特異的に阻害する。(Drugs of the Future, 1992, 17, 119)。
しかしながら、所望の化学療法薬又は当該薬物の組み合わせに対する個体の新生物の感受性はしばしば、処置の試用期間の後でのみ正確に評価されうる。失敗に終わった試用期間に注いだ時間は、積極的な悪性度の臨床的な管理において重大な危険性をもたらす。従って、特異的な化学療法剤の標的となる遺伝的な決定因子の発現状態を評価することは重要である。例えば、腫瘍が高レベルのDNA修復遺伝子を発現する場合、恐らく、当該腫瘍は、少量のDNAに損傷を与える遺伝毒性剤に対してほとんど応答しない。このように、腫瘍の遺伝的決定因子の発現状態は、臨床医が、腫瘍の遺伝的レパートリーに特異的な、適切な化学療法の養生法を開発するのを助ける。
受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、分裂シグナルの伝達において重要である。RTKは、増殖因子、例えば上皮増殖因子(EGF)についての細胞外リガンド結合ドメイン及び、細胞質タンパク質上のチロシンアミノ酸残基をリン酸化し、それによって細胞増殖を媒介するキナーゼとして機能する細胞内部分を有する巨大な膜貫通タンパク質である。受容体チロシンキナーゼの種々のクラスは、異なる受容体チロシンキナーゼに結合する増殖因子のファミリーに基づいたものが知られている(Wilks, Advances in Cancer Research, 1993, 60, 43-73)。
クラスIのキナーゼ、例えば受容体チロシンキナーゼのEGF-Rファミリーには、EGF, HER2-neu, erbB, Xmrk, DER及びlet23受容体が含まれる。これらの受容体は、一般的なヒトのガン、例えば乳ガン(Sainsbury, et al., Brit. J. Cancer, 1998, 58, 458;Guerin et al., Oncogene Res., 1988, 3, 21)、肺の扁平上皮細胞ガン(Hendler et al., Cancer Cells, 1989, 7, 347)、膀胱ガン(Neal et al., Lancet, 1985, 366)、食道ガン(Mukaida et al, Cancer, 1991, 68, 142)、胃腸ガン、例えば結腸、直腸又は胃ガン(Bolen et al., Oncogene Res., 1987, 1, 149)、白血病(Konaka et al., Cell, 1984, 37, 1035)及び卵巣、気管支又は膵臓のガン(European Patent Specification No. 0400586)においてしばしば存在する。更にヒト腫瘍組織が受容体チロシンキナーゼのEGFファミリーについて試験される場合、その広範な有病率は、他のガン、例えば甲状腺及び子宮ガンにおいて予想される。
具体的には、EGFRチロシンキナーゼ活性は正常な細胞においてまれに検出されるが、悪性細胞においてはよりしばしば検出されうる(Hunter, Cell, 1987, 50, 823)。ごく最近、EGFRは多くの人のガン、例えば脳、肺の扁平上皮細胞、膀胱、胃、乳房、頭及び首、食道、婦人科及び甲状腺の腫瘍において過剰発現することが証明されている(W J Gullick, Brit. Med. Bull, 1991, 47, 87)。受容体チロシンキナーゼは更に、他の細胞増殖疾患、例えば乾癬においても重要である。EGFR疾患は、EGFRを正常に発現しない細胞によるEGFR発現、又は不所望な細胞増殖を招くEGFR活性化の増大、及び/又は不適切なEGFRレベルの存在を特徴とするものである。EGFRは、そのリガンドEGF及びトランスフォーミング増殖因子−アルファ(TGF-α)によって活性化されることが知られている。
Her2-neuタンパク質はまた、クラスIの受容体チロシンキナーゼ(RTK)ファミリーのメンバーである。Yarden and Ullrich, Annu. Rev. Biochem. 57:443, 1988;Ullrich and Schlessinger, Cell61:203, 1990.Her2-neuタンパク質は、構造的にEGFRに関連している。Carraway, et al., Cell 78:5, 1994; Carraway, et al., J. Biol. Chem. 269:14303, 1994.これらの受容体は、共通の分子構造を有し、そしてそれらの細胞質ドメイン内に2つのシステインに富む領域及びそれらの細胞質ドメイン内に構造的に関連した酵素領域を含む。
Her2-neuタンパク質のリガンド依存の活性化は、p165(Her2-neu)に直接的に結合し、そして酵素活性を刺激しうる好中球活性化因子(NAF)によって媒介されると考えられている。Dougall et al., Oncogene 9:2109, 1994; Samata et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:1711, 1994.Her2-neuタンパク質のリガンド依存のホモ二量体化及びその結果としての受容体の活性化は、Her2-neuタンパク質の過剰発現によって容易になる。活性化したHer2-neu複合体はホスホキナーゼとして働き、そして異なる細胞質タンパク質をリン酸化する。HER2-neu疾患は、HER2-neuの不適当な活性又は過剰な活性がHER2-neuの発現を増大させ、不所望な細胞増殖、例えばガンに至ったことを特徴とする。
受容体チロシンキナーゼEGFR及びHER2-neuの阻害剤は、哺乳類のガン細胞の増殖の選択的阻害剤として利用される(Yaish et al. Science, 1988, 242, 933)。例えば、エルブスタチンは、EGF受容体チロシンキナーゼであり、これは胸腺欠損ヌードマウスに注射されたEGFRを発現するヒト哺乳類ガン細胞の増殖を低下させ、更にEGFRを発現していない腫瘍の増殖には効果がなかった(Toi et al., Eur. J. Cancer Clin. Oncol., 1990, 26, 722)。スチレンの種々の誘導体も、チロシンキナーゼ阻害特性を有し(European Patent Application Nos. 0211363, 0304493及び0322738)、そして抗腫瘍剤として使用されるものであることが述べられている。2つのそのようなスチレン誘導体は、有効性がヌードマウスに注射されたヒト扁平上皮細胞ガンの増殖を弱めることによって証明されたクラスIのRTK阻害剤である(Yoneda et al., Cancer Research, 1991, 51, 4430)。また、欧州特許出願番号第0520722号及び第0566226号から、ある4−アニリノキナゾリン誘導体が、受容体チロシンキナーゼ阻害剤として有用であることが知られている。これらの化合物によって示された非常に密接な構造と活性の関係は、明確に規定された結合モードを示唆しており、この中で、キナゾリン環はアデニンポケット内で結合し、そしてアニリノ環は隣接した独特の親油性ポケット内で結合する。3つの4−アニリノキナゾリン類似体(2つは可逆的、そして1つは不可逆的な阻害剤である)は、抗ガン薬として臨床的に評価されてきた。Denny, Farmaco 2001 Jan-Feb;56(1-2):51-6.近年、米国のFDAが、HER2-neuを過剰発現している転移性の乳ガンの処置のためのモノクローナル抗体トラスタツマブ(trastazumab)(Herceptin(商標))の使用を認可した。Scheurle, et al., Anticancer Res 20:2091-2096, 2000.
腫瘍に対する有効な化学療法はがしばしば薬剤の組み合わせを必要とするので、それぞれの単一薬物に対する耐性又は感受性の決定因子の同定及び定量が、個々の組み合わせの化学療法を設計するのに重要なツールと成ってきている。生存性を有するガン患者由来の悪性細胞におけるEGFR及び/又はHER2-neuの発現の相対レベルを確実に補正するための研究は不成功に終わっている。
EGFRの及びNSCLCにおける予後の重要性は、これまでは議論の余地が残されていた。結合アッセイを用いる研究は、EGFR発現の増大を、進行した段階にあるNSCLC及び短縮した全体的な生存度と相関させ、一方、EGFRのmRNA又はタンパク質の発現を測定するための半定量的な技術は、臨床的な結果と一致した相関を示すことに失敗した。Veale et al., Br. J. Cancer 68:162-165, 1993,;Fujino et al., Eur. Cancer 32:2070-2074, 1996; Rusch, et al., Cancer Res 53:2379-2385, 1993;Pfeiffer, et al., Br J Cancer 74:86-91, 1996;Pastorino, et al., J Clin Oncol 15:2858-2865, 1997.免疫組織化学的方法を用いるNSCLC腫瘍におけるEGFRの発現研究は、NSCLC腫瘍における32%〜47%のEGFR過剰発現についての頻度を示した。Veale et al., Br. J. Cancer 55:513-516, 1987; Veale et al., Br. J. Cancer 68:162-165, 1993,;Fujino et al., Eur. Cancer 32:2070-2074, 1996; Rusch, et al., Cancer Res 53:2379-2385, 1993;Pastorino, et al., J Clin Oncol 15:2858-2865, 1997;Tateishi, et al., Eur J Cancer 27:1372-75, 1991;Rachwal, et al., Br J Cancer 72:56-64, 1995; Rusch, et al., Cancer Res 15:2379-85, 1993; Pfeiffer, et al., Br J Cancer 78:96-9, 1998; Ohsaki, et al., Oncol Rep 7:603-7, 2000.更に、EGFR発現の有意な低下が、組織学的な亜型間で報告されており、これは通常AC及びLCと比較してSCCのEGFR発現が高いほどみられる。Fujino et al., Eur. Cancer 32:2070-2074, 1996; Veale et al., Br. J. Cancer 55:513-516, 1987; Pastorino, et al., J Clin Oncol 15:2858-2865, 1997; Pfeiffer, et al., Br J Cancer 78:96-9, 1998; Ohsaki, et al., Oncol Rep &:603-7, 2000.しかしながら、これらの研究では、EGFRの過剰発現と肺ガン患者の生存度との一致した相関が報告されなかった。
EGFRの過剰発現と患者の生存度の低下との相関していると言われるものの観察は、いくつかの決定的な研究においてなされた。Veale et al., 1987;Ohsaki et al., 2000.しかしながら、Veale等は、わずかに19人のNSCLCの患者群を解析した。Ohsaki等は、EGFRタンパク質発現と、p53を過剰発現しているNSCLCの患者の乏しい予後とを相関させた(P=0.024)。
EGFRと同様に、HER2-neuの、及びNSCLCにおける予後の重要性は、以前は議論の余地が残されていた。HER2-neuタンパク質の過剰発現は、扁平上皮細胞ガン、腺ガン、及び大細胞ガンを含む、NSCLCにおいて示された。Veale et al., 1987; Schneider, et al., Cancer Res 49:4968-4971, 1989; Kern et al., Cancer Res. 50:5184-5191, 1990; Weiner, et al., Cancer Res. 50:421-425, 1990; Scheurle, et al., Anticancer Res. 20:2091-2096, 2000.タンパク質アッセイを用いた初期の研究は、HER2-neuタンパク質の過剰発現と肺腺ガン(AC)における低下した全体的な生存度との関連性を報告した。Kern et al., Cancer Res 50:5184-5191, 1990; Kern et al., J Clin Invest 93:516-20, 1994.しかしながら、正反対の研究が、HER2-neuタンパク質の過剰発現と肺腺ガン(AC)における低下した全体的な生存度との相関がないことを報告した。Pfeiffer, et al., Br. J. Cancer 74:86-91, 1996.
別の重要な問題は、ガンを予後判定するものとして、HER2-neuとEGFRの過剰発現との相互関係を評価することである。Tateishi等は(Eur. J. Cancer 27:1372-75, 1991)、解析したACの13%において、EGFRとHER2-neuの同時発現を測定し、そして、これらの2つの遺伝子の同時過剰発現が低下した5年の生存度と相関していたことを見いだした。しかしながら、HER2-neuの過剰発現のみの場合と同様に、肺の扁平上皮細胞ガン(SCC)及び大細胞ガン(LCC)におけるHER2-neuとEGFRの同時発現と生存度との関係は報告されていなかった。
EGFRとHER2-neuの発現レベルの決定のための矛盾した方法論が、これらの遺伝子の発現がガン患者の生存度を予後判定するためにどの程度使用されうるを決定するという問題の根底に存在していた。NSCLCにおけるHER2-neuとEGFRの発現のこれまでの研究は、EGFRとHER2-neuの発現の両方についてポジティブの結果を示したNSCLC腫瘍の頻度における莫大な変動性をもたらした。腺ガン(AC)におけるポジティブなタンパク質染色として定義されるHER2-neuの過剰発現は13〜80%であると報告され、扁平上皮細胞ガン(SCC)においては2〜45%、そして大細胞ガン(LC)においては0〜20%と報告され、これには光学顕微鏡のスライド上でパラフィンによって包埋された組織及びHER2-neuの抗血清を用いた。Pfeiffer, et al., 1996;Kern et al., 1990; Kern et al., 1994; Tateishi et al., 1991; Shi, et al., Mol Carcing 5:213-8, 1992; Bongiorno, et al., J Thorac Cardiovasc Surg 107:590-5, 1994;Harpole, et al., Clin Cancer Res 1:659-64, 1995;Volm et al., Anticancer Res 12:11-20, 1992.更に、最近の報告は、HER2-neuの発現レベルを評価するために設計された現在のプロトコールの非特異性を証明している。浸潤性の乳ガンにおけるHER2-neuの発現の測定のためのHercepTest(商標)が、非常に高い偽陽性を有することを示した。Jacobs et al., J Clin Oncol 17:1983-1987, 1999.
EGFRとHER2-neuの発現レベルを決定するための、正確で、誤りのない、且つ一貫した方法が存在していた場合、どのような発現レベルが患者の生存度と相関しているか、そして受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法が適切であるか否かを確かめることができる。標準的な方法を用いた、NSCLCにおけるEGFR及び/又はHER2-neuの過剰発現の一貫した実証が、受容体チロシンキナーゼを標的とした現在及び将来の化学療法、例えば、これらの受容体を過剰発現しているガンを処置するための化学療法剤、抗体を基にした薬物、についての臨床試験を確立するのに望ましい。
EGFR及び/又はHER2-neu遺伝子の発現を測定するための現在のプロトコールは、腫瘍の予後にとって十分に正確でないことだけでなく、それらが分解していないmRNAを含む大量の新鮮な組織を必要とするという第二の制限に苦しむ。多くの患者に由来する病理学的試料は、組織学的解析及びその後の記録保存を可能にするべく、規定通りに固定され、そしてパラフィン包埋(FPE)される。このように、多くの生検組織試料が遺伝子発現の解析にとって有用でないのは、そのような研究が、遺伝子発現の正確な測定を行いうるようなRNAの高度な完全性を要求するためである。現在、遺伝子の発現レベルは、タンパク質の発現レベルをモニタリングするための免疫組織化学的染色を用いることによって、そのように固定され、そして包埋された試料中で定性的にのみモニタリングされうる。
医療専門家による凍結組織の使用は、実質的な不都合をもたらす。組織及びそれに続くmRNAの分解を避けるための迅速な生検の輸送は、任意のRNAを基にした定量的遺伝子マーカーアッセイを計画する際の主要な関心事である。生検を実施する医療専門家は、組織試料を受け取ってすぐにRNAの抽出プロトコールを実施するためのものを備えた施設に、当該組織試料を急いで輸送しなければならない。そのような施設が利用可能でない場合、臨床医は、mRNAの分解を防ぐために、当該試料をすぐに凍結しなければならない。診断用の施設で、組織及びRNAの分解の前に有用なRNA抽出プロトコールを実施するためには、当該組織試料は、診断用の施設に到着するまでは、たとえ遠かろうが凍結したままの状態にしなければならない。液体窒素及びドライアイスを備えた専門の宅配業者を用いて、輸送の間に凍結組織の完全性を維持することは、非常に高くつくだけである。
規定通りの生検は、通常、間質組織及び腫瘍組織の不均質な混合物を含んで成る。新鮮な又は凍結した組織とは異なり、FPE生検組織試料は直ちに顕微解剖され、そして間質組織及び腫瘍組織に分けられ、そして、その結果、新鮮な組織又は凍結組織の使用以上の利点を提供する。しかしながら、固定した組織、特に固定してパラフィン包埋した組織からのRNAの単離は、高度に分解したRNAをもたらし、これは一般的には遺伝子発現研究に利用可能であると考えられない。
多くの技術が、生物学的試料からのRNAの単離のための存在するが、いずれもFPE試料からのRNAの単離にとって信頼できるものではない。例えば、Chomczynski(米国特許第5,346,994号)は、フェノールとイソチオシアン酸グアニジンを用いる液相分離に基づいて、組織からRNAを精製するための方法を記載している。生物学的な試料は、フェノールとイソチオシアン酸グアニジンの水溶液中でホモジェナイズされ、そしてホモジェネートはその後クロロホルムと混合される。遠心後、ホモジェネートは有機相、中間相及び水相に分離する。タンパク質は有機相中に隔離され、DNAは中間相に、そしてRNAは水相に隔離される。RNAは水相から沈澱しうる。不運なことに、この方法は固定され、そしてパラフィン包埋された(FPE)組織試料に適用され得ない。
RNAを単離するための他の既知の技術は、典型的にはグアニジン塩又はフェノール抽出のいずれかを利用するものであり、これは、例えばSambrook, J. et al., (1989) at pp. 7.3-7.24、及びAusubel, F. M. et al., (1994) at pp. 4.0.3-4.4.7に記載されている。また、既知の方法のいずれも、パラフィン包埋した組織試料からのRNAの単離において、再現性のある定量的な結果を供しない。
パラフィン包埋した組織からのRNAの単離のための技術が、このように、腫瘍組織における遺伝子発現の研究に特に必要とされるのは、ある受容体又は酵素の発現レベルが、特定の処置の成功の可能性又は妥当性を決定するために使用されうるからである。
我々は、高レベルの腫瘍内EGFR mRNA及び高レベルのHER2-neu mRNAと、低下した生存度との有意な関係をここに報告する。従って、本発明の目的は、受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法についての初期の予後を提供するために、腫瘍組織由来のEGFR及び/又はHER2-neuのmRNAを定量する方法を提供することである。また、本発明の目的は、患者の腫瘍細胞中のEGFR及び/又はHER2-neuのmRNAの量を試験し、そしてそれを所定の閾値の発現レベルと比較することによって、固定され、そしてパラフィン包埋された(FPE)組織中のEGFR及び/又はHER2-neuレベルを評価し、そして受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法を用いる腫瘍に対する患者の腫瘍の予想される感度を予測するための方法を提供することである。
本発明の1つの観点において、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)腫瘍細胞から得られたEGFRのmRNAの発現レベルを評価する方法が提供される。
本発明の別の観点において、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)腫瘍細胞から得られたHER2-neuのmRNAの発現レベルを評価する方法が提供される。
本発明の別の観点において、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)組織試料由来の内部標準と比較した、EGFRのmRNAの発現量を定量する方法が提供される。この方法は、前記試料からの全mRNAの単離及び内部標準の遺伝子のmRNAの量と比較したEGFRのmRNAの量の決定を含む。
本発明の別の観点において、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)組織試料由来の内部標準と比較した、HER2-neuのmRNAの発現量を定量する方法が提供される。この方法は、前記試料からの全mRNAの単離及び内部標準の遺伝子のmRNAの量と比較したHER2-neuのmRNAの量の決定を含む。
本発明のこの観点の態様において、EGFR-1573F(配列番号1)又はEGFR-1823R(配列番号2)の配列及び実質的にそれらと同一の配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーが提供される。本発明はまた、配列番号1又は配列番号2あるいはそれらの相補体とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを提供する。
本発明のこの観点の態様において、HER2-neu 2671F(配列番号4)又はHER2-neu 2699R(配列番号5)の配列及び実質的にそれらと同一の配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーが提供される。本発明はまた、配列番号4又は配列番号5あるいはそれらの相補体とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを提供する。
本発明の更に別の観点において、患者のために受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法の養生法を決定する方法であって、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)組織試料からRNAを単離し;新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)、対応する非悪性組織試料を単離し;両組織中のEGFRの遺伝子発現レベルを決定し;ディファレンシャルなEGFR遺伝子発現レベルと、EGFR遺伝子についての所定の閾値とを比較し;そしてディファレンシャルなEGFR遺伝子発現レベルと所定の閾値との比較の結果を基にして化学療法による養生法を決定すること、を含んで成る方法が提供される。
本発明の更に別の観点において、患者のために受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法の養生法を決定する方法であって、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)組織試料からRNAを単離し;新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)、対応する非悪性組織試料を単離し;両組織中のHER2-neuの遺伝子発現レベルを決定し;ディファレンシャルなHER2-neu遺伝子発現レベルと、HER2-neu遺伝子についての所定の閾値とを比較し;そしてディファレンシャルなHER2-neu遺伝子発現レベルと所定の閾値との比較の結果を基にして化学療法による養生法を決定すること、を含んで成る方法が提供される。
本発明の更に別の観点において、受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法の養生法を患者のための決定する方法であって、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)組織試料からRNAを単離し;新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)、対応する非悪性組織試料を単離し;前記試料の両方のHER2-neu及びEGFRの遺伝子発現レベルを決定し;腫瘍試料中のEGFRの発現レベルを、対応する非悪性組織試料中のEGFR発現レベルで割ってEGFRのディファレンシャルな発現レベルを決定し;腫瘍試料中のHER2-neuの発現レベルを、対応する非悪性組織試料中のHER2-neuの発現レベルで割ってHER2-neuのディファレンシャルな発現レベルを決定し;ディファレンシャルなHER2-neu及びEGFR遺伝子発現レベルと、HER2-neu及びEGFR遺伝子のそれぞれについての所定の閾値とを比較し;そしてディファレンシャルなHER2-neu及びEGFR遺伝子発現レベルと所定の閾値との比較の結果を基にして化学療法による養生法を決定すること、を含んで成る方法が提供される。
本発明の更に別の観点において、患者の生存度を決定する方法であって、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)組織試料からRNAを単離し;新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)、対応する非悪性組織試料を単離し;両試料中のEGFRの遺伝子発現レベルを決定し;腫瘍試料中のEGFRの発現レベルを、対応する非悪性組織試料中のEGFR発現レベルで割ってディファレンシャルな発現レベルを決定し;ディファレンシャルなEGFR遺伝子発現レベルと、EGFR遺伝子についての所定の閾値とを比較し;そしてディファレンシャルなEGFR遺伝子発現レベルと所定の閾値との比較の結果を基にして患者の生存度を決定すること、を含んで成る方法が提供される。
本発明の更に別の観点において、患者の生存度を決定する方法であって、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)組織試料からRNAを単離し;新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)、対応する非悪性組織試料を単離し;両試料中のHER2-neuの遺伝子発現レベルを決定し;腫瘍試料中のHER2-neuの発現レベルを、対応する非悪性組織試料中のHER2-neuの発現レベルで割ってディファレンシャルな発現レベルを決定し;ディファレンシャルなEGFR遺伝子発現レベルと、HER2-neu遺伝子についての所定の閾値とを比較し;そしてディファレンシャルなHER2-neu遺伝子発現レベルと所定の閾値との比較の結果を基にして患者の生存度を決定すること、を含んで成る方法が提供される。
本発明の更に別の観点において、患者の生存度を決定する方法であって、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)組織試料からRNAを単離し;新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)、対応する非悪性組織試料を単離し;前記試料の両方のHER2-neu及びEGFRの遺伝子発現レベルを決定し;腫瘍試料中のEGFRの発現レベルを、対応する非悪性組織試料中のEGFR発現レベルで割ってEGFRのディファレンシャルな発現レベルを決定し;腫瘍試料中のHER2-neuの発現レベルを、対応する非悪性組織試料中のHER2-neuの発現レベルで割ってHER2-neuのディファレンシャルな発現レベルを決定し;ディファレンシャルなHER2-neu及びEGFR遺伝子発現レベルと、HER2-neu及びEGFR遺伝子のそれぞれについての所定の閾値とを比較し;そしてディファレンシャルなHER2-neu及びEGFR遺伝子発現レベルと所定の閾値との比較の結果を基にして化学療法による養生法を決定すること、を含んで成る方法が提供される。
本発明は更に、TaqMan(商標)技術によって解析された試料由来の内部標準と比較した既知のEGFR及びHER2-neuの発現レベルに対して、TaqMan(商標)技術を用いて解析された組織試料中の内部標準と比較したEGFR及びHER2-neuの未修整の遺伝子発現(UGE)を標準化する方法に関する。
本発明の詳細な説明
高レベルのHER2-neu及び/又はEGFRのmRNAを発現している腫瘍は、恐らく受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法に感受性があると考えられる。反対に、低量のHER2-neu及びEGFRのmRNAを発現している腫瘍は、恐らくは受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法に感受性がないであろう。患者のディファレンシャルなHER2-neu及びEGFRのmRNAの発現状態は、それを所定の閾値と比較することによって判断される。
高レベルのHER2-neu及び/又はEGFRのmRNAを発現している腫瘍は、恐らく受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法に感受性があると考えられる。反対に、低量のHER2-neu及びEGFRのmRNAを発現している腫瘍は、恐らくは受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法に感受性がないであろう。患者のディファレンシャルなHER2-neu及びEGFRのmRNAの発現状態は、それを所定の閾値と比較することによって判断される。
本発明は、内部標準の遺伝子発現と比較した、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)組織中のHER2-neu及び/又はEGFRのmRNAの発現量を定量する方法を提供する。本発明者は、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されて包埋された組織中のHER2-neu及びEGFRの遺伝子発現の正確な評価を可能にするオリゴヌクレオチドプライマーを開発した。当該オリゴヌクレオチドプライマー、EGFR-1573F(配列番号1)、EGFR-1823R(配列番号2)、又はそれらと実質的に同一のオリゴヌクレオチドプライマーは、好ましくは、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)腫瘍組織から抽出されたRNAと一緒に使用される。本発明はまた、オリゴヌクレオチドプライマー、HER2-neu 2671F(配列番号4)、HER2-neu 2699R(配列番号5)、又はそれらと実質的に同一のオリゴヌクレオチドプライマーを提供し、これらは、好ましくは、新鮮で、凍結され、固定され、又は固定されてパラフィン包埋された(FPE)腫瘍組織から抽出されたRNAと一緒に使用される。HER2-neu及び/又はEGFRの遺伝子発現のこの測定は、その結果受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法の予後に使用されうる。
本発明のこの態様は、新鮮で、凍結され、固定された又はFPEの試料由来のRNAの信頼性のある抽出、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応を実施するための、オリゴヌクレオチドプライマー対、好ましくはEGFR-1753F(配列番号1)とEGFR-1823R(配列番号2)、又はそれらと実質的に同一のオリゴヌクレオチドのオリゴヌクレオチドプライマー対を用いることによる当該試料中のEGFRのmRNA含量の決定、を包含する。
本発明の別の態様は、新鮮で、凍結され、固定された又はFPEの試料由来のRNAの信頼性のある抽出、及びオリゴヌクレオチドプライマー対、好ましくはHER2-neu 2671F(配列番号4)とHER2-neu 2699R(配列番号5)、又はそれらと実質的に同一のオリゴヌクレオチドのオリゴヌクレオチドプライマー対を用いることによる当該試料中のHER2-neuのmRNA含量の決定、を包含する。
本明細書で使用する場合の核酸の文脈における「実質的に同一」は、ストリンジェントな条件下で標的にハイブリダイズすることを意味し、そして更に、核酸のセグメント、又はそれらの相補鎖が、比較した場合に、適切なヌクレオチドの挿入物及び欠失物と、適切に整列した場合当該ヌクレオチドの少なくとも約60%、典型的には少なくとも約70%、更に典型的には少なくとも約80%、一般的には少なくとも約90%、そして更に一般的には、少なくとも約95〜98%同一である。選択的ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーションが、特異性の完全なる欠如よりも選択的である場合に存在する。Kanehisa, Nucleic Acids Res., 12:203-213(1984)を参照のこと。
本発明の方法は、広範な腫瘍型に適用されうる。このことは、個々の「腫瘍発現プロファイル」の作成を可能にし、それによりHER2-neu及び/又はEGFRの発現レベルが個々の患者の試料において決定され、そして種々の化学療法に対する応答が予想される。好ましくは、本発明の方法は、固形腫瘍、最も好ましくはNSCLC腫瘍に対して適用される。
本明細書で定義する「ディファレンシャルな発現レベル」とは、対応する非悪性組織試料中のEGFR又はHER2-neuのそれぞれの発現レベルに対する、腫瘍中のEGFR又はHER2-neuの発現レベルの差違を言及する。ディファレンシャルな発現レベルは、腫瘍試料由来の特定遺伝子のUGEを、対応する非悪性組織試料由来の同一遺伝子のUGEで割ることによって決定される。
EGFRの発現に関して本明細書で定義する、「所定の閾値」とは、腫瘍が受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法による養生法に対して感受性を示す可能性があるレベル以上の(すなわち、高い)ディファレンシャルなEGFRの発現レベルのことである。高いディファレンシャルなEGFRの発現レベルは、より低い患者の生存度の予後因子である。この閾値よりも低い発現レベルを有する腫瘍は、受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法による養生法によって影響を受ける可能性がない。低いディファレンシャルなEGFRの発現レベルは、より高い患者の生存度の予後因子である。ディファレンシャルな発現が高かろうとも低かろうとも、「所定の閾値」は、食道の扁平上皮細胞ガンを有する患者から得られた対応する非悪性組織中の個々のディファレンシャルな腫瘍/正常(T/N)発現比を計算した、Mafune等によって使用された方法によって決定される。Mafune et al., Clin Cancer Res 5:4073-4078, 1999.この解析方法は、対応する非悪性組織から得られた個々のバックグラウンドの発現に基づいて、各患者についての正確な発現の値を導く。EGFRのディファレンシャルな発現は、対応する非悪性組織試料中のEGFR:β−アクチンのUGEによって割られた腫瘍試料中のEGFR:β−アクチンのUGEが約1.8の所定の閾値以上である場合、「高い」と考えられ、そしてそれは低い生存度を示すものであると考えられる。EGFRのディファレンシャルな発現は、対応する非悪性組織試料中のEGFR:β−アクチンのUGEによって割られた腫瘍試料中のEGFR:β−アクチンのUGEが約1.8の所定の閾値以下である場合、「低い」と考えられ、そしてそれは高い生存度を示すものであると考えられる。
HER2-neuの発現に関して本明細書で定義する、「所定の閾値」とは、腫瘍が受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法による養生法に対して感受性を示す可能性があるレベル以上の(すなわち、高い)ディファレンシャルなHER2-NEUの発現レベルのことである。高いディファレンシャルなHER2-NEUの発現レベルは、より低い患者の生存度の予後因子である。この閾値よりも低い発現レベルを有する腫瘍は、受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法による養生法によって影響を受ける可能性がない。低いディファレンシャルなHER2-NEUの発現レベルは、より高い患者の生存度の予後因子である。HER2-NEUのディファレンシャルな発現は、対応する非悪性組織試料中のHER2-NEU:β−アクチンのUGEによって割られた腫瘍試料中のHER2-NEU:β−アクチンのUGEが約1.8の所定の閾値以上である場合、「高い」と考えられ、そしてそれは低い生存度を示すものであると考えられる。HER2-NEUのディファレンシャルな発現は、対応する非悪性組織試料中のHER2-NEU:β−アクチンのUGEによって割られた腫瘍試料中のHER2-NEU:β−アクチンのUGEが約1.8の所定の閾値以下である場合、「低い」と考えられ、そしてそれは高い生存度を示すものであると考えられる。
HER2-neuの「閾値」は以下の結果及び方法を用いて決定される。HER2-neuとβ−アクチンのPCR産物間の比として表した、修正したHER2-neuのmRNAの発現は、正常な肺において4.17x10-3(範囲0.28〜23.86x10-3)であり、そして腫瘍組織において4.35x10-3(範囲:0.21〜68.11x10-3)であった(P=0.019 ウィルコクソン検定)。Miller及びSiegmund(Miller et al., Biometrics 38:1011-1016, 1982)並びにHalpen(Biometrics 38:1017-1023, 1982)による最大カイ二乗法は、患者を低いディファレンシャルなHER2-neuを発現する者と高いディファレンシャルなHERを発現する者とに分けるために、1.8の閾値を決定した。この基準によって、29人(34.9%)の患者が高いディファレンシャルなHER2-neuの発現を有しており、そして54人(65.1%)が低いディファレンシャルなHER2-neuの発現を有していた。
EGFRの「閾値」は以下の結果及び方法を用いて決定される。EGFRとβ−アクチンのPCR産物間の比として表した、修正したEGFRのmRNAの発現は、正常な肺において8.17x10-3(範囲0.31〜46.26x10-3)であり、そして腫瘍組織において7.22x10-3(範囲:0.27〜97.49x10-3)であった(P=n.s.)。最大カイ二乗法(Miller(1982);Halpen(1982))は、患者を低いディファレンシャルなEGFRを発現する者と高いディファレンシャルなHERを発現する者とに分けるために、1.8の閾値を決定した。この基準によって、28人(33.7%)の患者が高いディファレンシャルなEGFRの発現を有しており、そして55人(66.3%)が低いディファレンシャルなEGFRの発現を有していた。
本発明の方法の実施において、ディファレンシャルなEGFRの発現レベル又はディファレンシャルなHER2-neuの発現レベルは、受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法による養生法の有効性について予後を行うために、患者においてアッセイされる。更に、本発明の方法において、ディファレンシャルなHER2-neuの発現レベルは、受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法による養生法の有効性について予後を行うために、患者においてアッセイされる。更に、本発明の方法において、ディファレンシャルなEGFRの発現レベルは、受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法による養生法の有効性について予後を行うために、患者においてアッセイされる。あるいは、ディファレンシャルなEGFRの発現レベル及びディファレンシャルなHER2-neuの発現レベルは共に、受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法による養生法の有効性について予後判定するために、患者においてアッセイされる。
本明細書で定義する「対応する非悪性試料」とは、ディファレンシャルなEGFR及び/又はディファレンシャルなHER2-neuの発現について解析される腫瘍試料と同一の個体に由来する非ガン性の組織の試料を言及する。好ましくは、対応する非悪性試料は、腫瘍試料が由来する器官と同一の器官に由来する。最も好ましくは、対応する非悪性腫瘍試料は、腫瘍試料が由来するものと同一の器官の組織層に由来する。また、対応する非悪性組織試料を、腫瘍組織の生検と同時に採取するのが好ましい。好ましい態様において、以下の2つの部位に由来する組織が解析される:肺腫瘍と、当該腫瘍から最大距離をとる非悪性の肺組織、又は結腸腫瘍と、当該腫瘍から現状で可能な限りの最大距離をとる非悪性の結腸組織。
本発明のこの態様の方法を実施する場合において、腫瘍細胞は、好ましくは、当該患者から単離される。固形又はリンパの腫瘍あるいはそれらの一部が患者から外科的に切除され、又は通常の生検によって得られる。凍結した、又は新鮮な組織から単離されたRNAは、当業界で典型的な方法のいずれかによって当該細胞から抽出され、例えば、Sambrook, Fischer and Maniatis, Molecular Cloning, a laboratory manual, (2nd ed.), Cold Spring Harbor Labratory Press, New York, (1989)による。好ましくは、抽出過程の間のRNAの減成を避けるための処置がとられる。
しかしながら、生検後に患者から得られた組織は、通常ホルマリン(ホルムアルデヒド)又はグルタルアルデヒドによって、例えば、あるいはアルコール浸漬によって、しばしば固定される。固定された生物学的試料はしばしば脱水され、そしてパラフィン又は当業者に知られている他の固形の支持体中に包埋される。Plenat et al., Ann Pathol 2001 Jan;21(1):29-47を参照のこと。包埋されていない固定された組織及び固定されて包埋された組織も本発明の方法において使用されうる。固定した組織を包埋するための固形の支持体は、例えば保存された組織のその後の再水和を可能にするために、有機溶媒で除去可能であることが推定される。
RNAは、パラフィン包埋された(FPE)組織の細胞から、1999年12月20日に出願された米国特許出願番号第09/469,38号に記載の方法のいずれかによって抽出され、ここで、これは引用によってその全体が本明細書に組み入れられる。本明細書で使用する場合、FPE組織とは、固定され、そして固形でない除去可能な支持体中に包埋された組織、例えば保存可能な又は保管可能な組織試料を意味する。RNAは、最初に脱パラフィン化される、保管可能な病理学的試料又は生検試料から単離されうる。例示的な脱パラフィン化法は、パラフィン化した試料を有機溶媒、例えばキシレンで洗浄することを包含する。脱パラフィン化した試料は、低級アルコールの水溶液で再水和されうる。適当な低級アルコールには、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、及びブタノールが含まれる。脱パラフィン化した試料は、徐々に濃度を低下させた低級アルコールによる連続洗浄で再水和されうる。あるいは、当該試料は同時に脱パラフィン化されて再水和される。それにより、RNAは当該試料から抽出される。
RNA抽出のために、固定され、又は固定されて脱パラフィン化された試料は、機械による、超音波による、又は他の手段によるホモジェナイゼーションを用いてホモジェナイズされうる。再水和された試料は、カオトロピック剤、例えばチオシアン酸グアニジン(イソチオシアン酸グアニジンとしても販売されている)を含んで成る溶液中でホモジェナイズされうる。ホモジェナイズされた試料は、有効量のカオトロピック剤、例えばチオシアン酸グアニジンを含むカオトロピックな溶液中で、約50℃〜約100℃の範囲の温度に加熱される。好ましいカオトロピック剤はチオシアン酸グアニジンである。
「有効濃度のカオトロピック剤」は、RNAが、カオトロピック剤の不在下で単離されたものより約10倍以上の量で、パラフィン包埋された試料から単離されるように選択される。カオトロピック剤には、例えば、グアニジン化合物、ウレア、ホルムアルデヒド、ヨウ化カリウム、チオシアン酸カリウム及び類似化合物が含まれる。本発明の方法にとって好ましいカオトロピック剤は、グアニジン化合物、例えばイソチオシアン酸グアニジン(チオシアン酸グアニジンとしても販売されている)及び塩酸グアニジンである。多くの陰イオン性の対イオンが有用であり、そして当業者はそのような適切な陰イオンを用いて多くのグアニジン塩を調製することができる。本発明で使用される有効濃度のグアニジン溶液は、概して、約1〜約5Mの範囲の濃度を有しており、好ましくは4Mの値である。RNAが既に溶液中にある場合、グアニジン溶液は、当該試料中で到達した終濃度が約1〜約5Mの範囲内であるような、より高い濃度であってもよい。グアニジン溶液はまた、適当な生化学的緩衝液、例えばTris-Clを用いて、好ましくは約3〜約6、更に好ましくは約4に緩衝化される。カオトロピックな溶液はまた、還元剤、例えばジチオトレイトール(DTT)及びβ−メルカプトエタノール(BME)を含んでもよい。カオトロピックな溶液は、更にリボヌクレアーゼ阻害剤を含んでもよい。
続いて、RNAは、例えばフェノールクロロホルム抽出、イオン交換クロマトグラフィー又はサイズ排除クロマトグラフィーによって、カオトロピックな溶液から回収される。続いて、RNAは、抽出、電気泳動、クロマトグラフィー、沈澱の技術又は他の適当な技術を用いて更に精製されることがある。
新鮮な、凍結された又は固定されたものから精製した全mRNAからのHER2-neu又はEGFRのmRNAの定量は、好ましくは、例えば当業界で一般的な逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を用いて実施される。HER2-neu又はEGFRのmRNAを定量する他の方法は、例えば、マルチプレックスRNAにおいて有用な分子ビーコン及び他の標識プローブの使用を含む。更に、本発明は、例えば、Invader(商標)アッセイ(Third Wave Technologies, Inc.)のものに類似の蛍光標識プローブを利用する、PCR無しの系の使用を介して、HER2-neu及び/又はEGFRのmRNAの定量を構想する。最も好ましくは、HER2-neu及び/又はEGFRのcDNA並びに内部標準又はハウスキーピング遺伝子(例えば、β−アクチン)の定量は、蛍光を基にしたリアルタイムの検出法(ABI PRISM 7700又は7900 Sequence Detection System[TaqMan(商標)], Applied Biosystems, Foster City CA.)又はHeid等(Genome Res 1996;6;986-994)、そしてGibson等(Genome Res 1996;6;995-1001)によって説明された類似の系を用いて行われる。ABI 7700(TaqMan(商標)Instrument)のアウトプットは、Ct又は「サイクルの閾値」で表される。TaqMan(商標)の系により、試料中により多数の標的分子を有する高度に発現した遺伝子は、より少ない標的分子でより低い相対的な発現遺伝子よりも(より高いCt)、より少ないPCRサイクル(より低いCt)でシグナルを産生する。
本明細書で使用する場合、「ハウスキーピング」遺伝子又は「内部標準」は、その存在がHER2-neu及び/又はEGFRのmRNAレベルの評価を可能にする、任意の構成的に又は全体的に発現している遺伝子である。そのような評価は、遺伝子転写の全体的な構成的レベルの決定及びRNA回収の変動についての制御を含んで成る。「ハウスキーピング」遺伝子又は「内部標準」には、限定しないが、サイクロ(登録商標)フィリン遺伝子、β−アクチン遺伝子、トランスフェリン受容体遺伝子、GAPDH遺伝子等が含まれることがある。最も好ましくは、内部標準遺伝子は、Eads et al., Cancer Research 1999;59:2302-2306に記載のとおりβ−アクチンである。
RNAの回収における変動についての制御は、「キャリブレーターRNA」を必要とする。「キャリブレーターRNA」は、正確にあらかじめ定量したコントロールのRNAの、任意な利用することができる供給源であることが意図される。好ましくは、ヒト肝臓全RNA(Sratagene, Cat#735017)が使用される。
「未修正の遺伝子発現(UGE)」は、本明細書で使用する場合、TaqMan(商標)の装置によって生成した内部標準遺伝子と比較した、HER2-neu及び/又はEGFRの発現の、数値によるアウトプットを言及する。UGEを決定するために使用される方程式を例3及び4に示し、そして図7及び8において試料の計算を用いて例示する。
これらの数値は、ディファレンシャルな遺伝子発現(すなわち、対応する非腫瘍試料の「UGE」によって割られた特定の腫瘍試料の「UGE」)が、「所定の閾値」以上又は以下であるか否かの決定を可能にする。EGFR及びHER2-neuの所定の閾値は約1.8である。
本発明の更なる観点は、TaqMan(商標)以外の技術によって導かれた「既知の相対的な遺伝子発現」を用いて、TaqMan(商標)の装置から得られた未修正の遺伝子発現(UGE)を標準化する方法を提供する。好ましくは、組織試料由来の、TaqMan(商標)によって導かれたHER2-neu及び/又はEGFRのUGEの値は、既知の、TaqMan(商標)以外の技術によって導かれた相対的なHER2-neu及び/又はEGFR:β−アクチンの発現の値を有する試料に対して標準化される。
「修正済みの相対的なEGFRの発現」とは、本明細書で使用する場合、UGEをEGFR特異的な補正係数(KEGFR)とかけて、内部標準遺伝子と相対的なEGFRの発現レベルの既知の範囲と比較可能な値を生じさせることで標準化したEGFRの発現を言及する。例3及び図7は、これらの計算を詳細に例示する。EGFR、内部標準のβ−アクチン及びキャリブレーターヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)にとって特異的なKEGFRは、26.95x10-3である。これらの数値はまた、対応する非腫瘍試料の「修正済みの相対的な発現」によって割られた特定の腫瘍試料の「修正済みの相対的な発現」(すなわち、ディファレンシャルな発現)が「所定の閾値」以上又は以下であるか否かの決定も可能にする。HER2-neu又はEGFRの所定の閾値は約1.8である。腫瘍試料におけるHER2-neu又はEGFRのディファレンシャルな発現が、非腫瘍試料のものと比べて1.8倍以上であるか否かの決定において、UGEの値又は修正済みの相対的な発現の値のいずれかが使用されうるかは容易に認識される。例えば、腫瘍の未修正の相対的な発現レベルを対応する非腫瘍試料で割る場合、Kの因子が相殺し、そしてUGEの値を使用した場合と同じ比率が残る。
「既知の相対的な遺伝子発現」の値は、既に解析した組織試料から導かれ、そして構成的に発現した内部標準遺伝子(例えば、β−アクチン、GAPDH等)に対する標的遺伝子の比率を基にしている。好ましくは、そのような組織試料は、ホルマリン固定されてパラフィン包埋された(FPE)試料であり、そしてRNAは、例1に記載のプロトコールに従い、それらから抽出される。内部標準と比較した遺伝子発現を定量するために、当業界で既知の標準的な定量RT-PCR技術が使用される。Pre-TaqMan(商標)技術のPCR反応は、一定数のサイクル(すなわち、30)で実施され、そして最終点の値が各試料につき報告される。続いて、これら値はβ−アクチンの発現に対するEGFRの発現の比率として報告される。
KEGFRは、β−アクチン以外の内部標準遺伝子及び/又はヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)とは異なるキャリブレーターRNAについて決定されうる。それを行うためには、その特定の内部標準遺伝子と相対的なEGFRの発現レベルが既に決定された(すなわち、「既知の相対的な遺伝子発現」)組織試料に対して、内部標準遺伝子及びキャリブレーターRNAの両方を検量しなければならない。好ましくは、そのような組織試料は、ホルマリン固定され、そしてパラフィン包埋された(FPE)試料であり、そしてRNAは例1に記載のプロトコールに従い、それから抽出される。そのような決定は、当業界で周知の標準的なpre-TaqMan(商標)の定量的RT-PCR技術を用いて行われうる。そのような決定により、当該試料は、例3に記載のように、新規の内部標準及び/又はキャリブレーターRNAに特異的な新規のKEGFRを決定するのに有用なEGFRの「既知の相対的な遺伝子発現」レベルを有する。
「修正済みの相対的なHER2-neuの発現」とは、本明細書で使用する場合、UGEをHER2-neu特異的な補正係数(KEGFR)とかけて、内部標準遺伝子と相対的なHER2-neuの発現レベルの既知の範囲と比較可能な値を生じさせることで標準化したHER2-neuの発現を言及する。例4及び図8は、これらの計算を詳細に例示する。HER2-neu、内部標準のβ−アクチン及びキャリブレーターヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)にとって特異的なKEGFRは、13.3x10-3である。
KEGFRは、β−アクチン以外の内部標準遺伝子及び/又はヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)とは異なるキャリブレーターRNAについて決定されうる。それを行うためには、その特定の内部標準遺伝子と相対的なEGFRの発現レベルが既に決定された(すなわち、「既知の相対的な遺伝子発現」)組織試料に対して、内部標準遺伝子及びキャリブレーターRNAの両方を検量しなければならない。好ましくは、そのような組織試料は、ホルマリン固定され、そしてパラフィン包埋された(FPE)試料であり、そしてRNAは本明細書に記載のプロトコールに従い、それから抽出される。そのような決定は、例えば、当業界で周知の標準的なpre-TaqMan(商標)の定量的RT-PCR技術を用いて行われうる。そのような決定により、当該試料は、例4に記載のように、新規の内部標準及び/又はキャリブレーターRNAに特異的な新規のKEGFRを決定するのに有用なEGFRの「既知の相対的な遺伝子発現」レベルを有する。
本発明の方法は、広範の組織及び腫瘍の型に適用可能であり、そしてその結果、患者の臨床的処置の評価のために、そして乳ガン、頭部ガン、頚部ガン、肺ガン、食道ガン、結腸直腸ガン等の各種ガンについての診断又は予後のためのツールとして使用されうる。好ましい態様において、本発明の方法はNSCLC腫瘍の予後に適用される。
予備的な化学療法の処置の腫瘍生検は一般的に、通常わずかに最小量の異種組織を含む、固定されてパラフィン包埋された(FPE)組織としてのみ入手可能である。そのようなFPE試料は容易に顕微解剖をすることができ、その結果HER2-neu及び/又はEGFRの遺伝子発現は、非悪性の間質組織を含まない腫瘍組織において決定することができる。更に、生検組織試料内で非悪性の間質組織と腫瘍組織との間で比較が行われうるのは、そのような試料がしばしば両方の型の組織を含むためである。
一般的に、配列番号10に示すような、EGFR遺伝子領域に隣接する任意のオリゴヌクレオチド対は、本発明の方法を実施するために使用されうる。本発明のおける使用のための、EGFR遺伝子領域に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプライマーは、20〜1000塩基対、好ましくは50〜100塩基対、最も好ましくは100塩基対未満の産物を増幅する。
本発明は、新鮮で、凍結され、固定され、又はFPEの組織を用いての、EGFR発現の正確な評価を可能にする、特異的なオリゴヌクレオチドプライマー対及びそれらと実質的に同一のオリゴヌクレオチドプライマーを提供する。好ましいものは、オリゴヌクレオチドプライマーEGFR-1573F(配列番号1)とEGFR-1823R(配列番号2)(本明細書でオリゴヌクレオチドプライマー対EGFRとしても言及される)、及びそれらと実質的に同一のオリゴヌクレオチドプライマーである。オリゴヌクレオチドプライマーEGFR-1753F(配列番号1)とEGFR-1823R(配列番号2)は、例えば例1に記載のような、任意のmRNA単離法によって、新鮮な、凍結され、固定され、又はFPEの細胞から抽出されたRNAを用いて、EGFRのmRNAレベルを測定するの特に有効であることが示された。
更に、配列番号11に示すような、HER2-neu遺伝子領域に隣接する任意のオリゴヌクレオチド対は、本発明の方法を実施するために使用されうる。本発明のおける使用のための、HER2-neu遺伝子領域に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするプライマーは、20〜1000塩基対、好ましくは50〜100塩基対、最も好ましくは100塩基対未満の産物を増幅する。
本発明は、新鮮で、凍結され、固定され、又はFPEの組織を用いての、HER2-neu発現の正確な評価を可能にする、特異的なオリゴヌクレオチドプライマー対及びそれらと実質的に同一のオリゴヌクレオチドプライマーを提供する。好ましいものは、オリゴヌクレオチドプライマーHER2-neu 2671F(配列番号4)とHER2-neu 2699R(配列番号5)(本明細書でオリゴヌクレオチドプライマー対EGFRとしても言及される)、及びそれらと実質的に同一のオリゴヌクレオチドプライマーである。オリゴヌクレオチドプライマーHER2-neu 2671F(配列番号4)とHER2-neu 2699R(配列番号5)は、例えば本明細書に記載のような、任意のmRNA単離法によって、新鮮な、凍結され、固定され、又はFPEの細胞から抽出されたRNAを用いて、HER2-neuのmRNAレベルを測定するの特に有効であることが示された。
本発明は、EGFR-1573F(配列番号1)のオリゴヌクレオチドプライマー配列、その相補鎖又はEGFR-1823R(配列番号2)、若しくはその相補鎖又はHER2-neu2671F(配列番号4)のオリゴヌクレオチドプライマー配列、その相補鎖又はHER2-neu 2699R(配列番号5)、若しくはその相補鎖の全部又は一部に対し、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、実質的に同一のオリゴヌクレオチドを含む。
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、本明細書で定義される、高度に相補的な、すなわち実質的に類似の核酸配列のみがハイブリダイズする。好ましくは、そのような条件は、20個の隣接配列のうちの4ないしそれ以上のミスマッチ、更に好ましくは20個の隣接配列のうちの2ないしそれ以上のミスマッチ、最も好ましくは20個の隣接配列のうちの1又は複数のミスマッチを有する核酸のハイブリダイゼーションを防ぐ。
核酸のハイブリダイズする部分は、典型的に少なくとも約10個(例えば15個)のヌクレオチドの長さである。ハイブリダイズする核酸のハイブリダイズする部分は、オリゴヌクレオチドプライマーEGFR-1573F(配列番号1)、その相補鎖又はEGFR-1823R(配列番号2)、若しくはその相補鎖又はオリゴヌクレオチドプライマーHER2-neu2671F(配列番号4)、その相補鎖又はHER2-neu 2699R(配列番号5)、若しくはその相補鎖の一部又は全部に対して、少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約95%、又は最も好ましくは少なくとも約98%同一である。
ストリンジェントな条件下での核酸試料に対するオリゴヌクレオチドプライマーのハイブリダイゼーションは下文で定義される。核酸の二本鎖又はハイブリッドの安定性は、プローブが標的DNAから解離する温度である、融解温度(Tm)として表現される。この融解温度は、必要なストリンジェンシー条件を定義するために使用される。配列が、同一というよりもむしろ、プローブと実質的に同一であると同定されうる場合、相同のハイブリダイゼーションのみが特定の塩(例えば、SSC又はSSPE)で起こる最低温度を最初に確立するのに有用である。続いて、1%のミスマッチングがTmの1℃の低下を招くと仮定すると、ハイブリダイゼーション反応における最終洗浄の温度はそれに応じて低下する(例えば、プローブとの95%超の同一性を有する配列が求められる場合、最終洗浄温度は5℃低下する)。実際には、Tmの変化は、1%のミスマッチ当たり0.5℃〜1.5℃であってもよい。
ストリンジェントな条件は、5xSSC/5xデンハルト溶液/1.0% SDS中での、約68℃でのハイブリダイズ、及び0.2xSSC/0.1% SDS中での、室温での洗浄を包含する。中程度にストリンジェントな条件は、3xSSC中での、約42℃での洗浄を含む。塩濃度及び温度のパラメーターは、プライマーと標的核酸との間の同一性の至適レベルを達成するために変化することがある。そのような条件に関する更なる手引きは、当業界で容易に入手でき、例えばSambrook, Fischer and Maniatis, Molecular Cloning, a laboratory manual, (2nd ed.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, (1989) and F. M. Ausubel et al eds., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons (1994)である。
本明細書に開示されているオリゴヌクレオチドプライマーは、固定された、又は固定されてパラフィン包埋された組織、並びに凍結された、又は新鮮な組織におけるHER2-neu及び/又はEGFR遺伝子発現の正確な評価を可能にしうる。このことは、FPE試料由来のRNAが、新鮮な、又は凍結された組織のものと比較して更にフラグメント化されているという事実にも関わらず、である。このように、本発明の方法は、新鮮で、且つ凍結された組織中のHER2-neu及び/又はEGFR遺伝子を評価するための、正確で且つ一貫した方法がこれまで存在しておらず、そして固定された組織を用いてHER2-neu及び/又はEGFR遺伝子発現を評価する方法が全くない全ての組織においてHER2-neu及び/又はEGFR遺伝子発現レベルをアッセイする際の使用に適している。
HER2-neuの過剰活性は、HER2-neuをコードする遺伝子の増幅又は細胞増殖疾患と関連しうるHER2-neuの活性レベルの産生のいずれかを言及する(すなわち、HER2-neuのレベルが増大するにつれ、細胞増殖疾患の1又は複数の症候の重症度が増大する)。
本発明との関連における、「受容体チロシンキナーゼを標的とした」化学療法又は化学療法による養生法は、クラスIの受容体チロシンキナーゼ機能を特異的に妨害する薬剤を含んで成る化学療法を意味する。好ましくは、そのような薬剤はEGFR及び/又はHER2-neuの受容体チロシンキナーゼシグナル伝達活性を阻害する。そのような薬剤は、4−アニリノキナゾリン、例えば6−アクリルアミド−4−アニリノキナゾリン(Bonvini et al., Cancer Res. 2001 Feb 15;61(4):1671-7)及び誘導体、エルブスタチン(Toi et al., Eur. J. Cancer Clin. Oncol., 1990, 26, 722.)、ゲルダナマイシン、ビスモノサイクリック、ビサイクリック又はヘテロサイクリックアリール化合物(PCT WO 92/20642)、ビニレン−アザインドール誘導体(PCT WO 94/14808)及び1−シクロプロピル−4−ピリジル−キノロン(米国特許第5,330,992号)を含み、これらは広くチロシンキナーゼ阻害剤として記載されている。また、スチリル化合物(米国特許第5,302,606号)、スチリル置換ピリジル化合物(米国特許第5,302,606号)、あるキナゾリン誘導体(欧州特許出願番号0 566 266 A1)、セレノインドール(seleoindol)及びセレニド(PCT WO 94/03427)、三環系のポリヒドロキシル化合物(PCT WO 92/21660)及びベンジルホスホン酸化合物(PCT WO 91/15495)が、ガンの処置における使用のためのチロシンキナーゼ阻害剤としての使用のための化合物として記載されている。
EGFR及び/又はHER2-neuの受容体チロシンキナーゼ伝達活性を標的とする他の薬剤には、ターゲッティング機能を介する細胞毒性を媒介することにより間接的に増殖因子受容体の生物学的機能を阻害する抗体が含まれる。
受容体と複合化する抗体は、血清の補体を活性化し、そして/あるいは抗体依存性の細胞障害活性を媒介する。受容体に結合する抗体は更に、毒素と複合することがある(免疫毒)。有利には、受容体のリガンド結合部位の立体的な近傍に結合すること(受容体をブロッキングすること)によって受容体機能を大きく阻害し、そして/あるいはリガンドが受容体に結合するのを防ぐ(ブロッキングする)ように増殖因子に結合する抗体が選択される。これらの抗体は、受容体機能を中和する抗体を選択するための常用のin vitroアッセイを用いて選択される。リガンドを真似ることによってリガンドのアゴニストとして働く抗体は、当業者に自明の適当なアッセイを実施することによって切り捨てられる。ある腫瘍細胞の場合、当該抗体は自己分泌増殖周期(すなわち、細胞が増殖因子を分泌すると、これが同じ細胞の受容体に結合する)を阻害する。いくつかのリガンド、例えばTGF-αは、細胞膜に位置することが見いだされているので、ターゲッティング機能を果たす抗体はリガンド及び/又は受容体を標的とする。
免疫毒の細胞障害性部分は、細菌又は植物起源の細胞障害性薬物又は酵素的に活性な毒素、あるいはそのような毒素の酵素的に活性なフラグメントであってもよい。使用される酵素的に活性な毒素及びそれらのフラグメントは、ジフテリア、ジフテリア毒素の非結合性の活性フラグメント、外毒素(シュードモナス・アエルギノサ(pseudomonas aeruginosa)(緑膿菌)由来のもの)、リシン、アブリン、モデシン、α−サルシン、アレウリテス・フォルディ(aleurites fordii)(シナアブラギリ)のタンパク質、dianthinタンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(phytolacca americana)のタンパク質(PAPI, PAPII, 及びPAP-S)、ニガウリ(momordica charantia)の阻害剤、カーシン(curcin)、クロチン(crotin)、サボンソウの阻害剤、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン、フェノマイシン、及びエノマイシンである。別の態様において、前記抗体は小分子の抗ガン剤と複合される。モノクローナル抗体とそのような細胞障害性部分との複合は、様々な二機能性タンパク質のカップリング剤を用いて行われる。そのような試薬の例は、SPDP、IT、イミドエステルの二官能性誘導体、例えばジメチルアジピミデートHCl、活性エステル、例えばジスクシニミジルスベレート、アルデヒド、例えばグルタルアルデヒド、ビスアジド化合物、例えば、ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン、ビス−ジアゾニウム誘導体、例えばビス−(p-ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン、ジイソシアネート、例えばトリレン2,6−ジイソシアネート、及びビス活性フッ素化合物、例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼンである。毒素の溶解部分は、抗体のFabフラグメントに結合しうる。
ガンを処置するための細胞障害性の放射線医薬は、放射性同位体を前記抗体に複合させることみよって作製されうる。用語「細胞障害性部分」は、本明細書で使用する場合、そのような同位体を含むことを意図する。
別の態様において、リポソームが細胞障害性薬物で充填され、そして当該リポソームは増殖因子受容体と特異的に結合する抗体でコーティングされる。多数の受容体部位が存在するので、この方法は、適当な細胞型への大量の薬物の送達を可能にする。正確な調剤、投与経路及び投与量は、患者の症状の観点から、それぞれの医師によって選択されうる(例えば、Fingl et al., The pharmaceutical Basis of Therapeutics, 1975, Ch. 1 p.1)。担当医が、毒性、又は臓器不全に起因して投与をどのように、そしていつ終了し、中断し、又は調整するかを知っていることに注目するべきである。反対に、担当医は、臨床的な応答が適切でなかった場合に(毒性を除く)、処置を高レベルのものに調整することも知っている。注目の発ガン性の障害の管理における投与量の程度は、処置される症状の重症度及び投与経路によって変化する。症状の重症度は、例えば標準的な予後の評価法によって、部分的に評価されうる。更に、投与量及び恐らくは投与頻度も、個々の患者の年齢、体重、及び応答に従い変化する。
処置される特定の症状に依存して、前記薬剤は調製され、そして全身的又は局所的に投与されうる。調剤及び投与の技術は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing Co., Easton, Pa. (1990)において見られる。適当な経路は、経口、経直腸、経皮、経膣、経粘膜、又は経腸投与;非経口送達、例えば筋肉内、皮下、髄内注射、並びにくも膜下内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、又は眼内注射が、いくつかの例として含まれうる。注射の場合、本発明の薬剤は水溶液中、好ましくは生理学的に許容される緩衝液、例えばハンクス液、リンガー液、又は生理食塩水中で調製されうる。前記経粘膜投与の場合、障壁を透過するのに適した浸透剤が調剤において使用される。そのような浸透剤は、一般的に当業界で知られている。
これまで記載してきた本発明の実施は、以下に示す実施例によって例示される。当業者は、本実施例において使用される材料及び方法が種々の方法において修飾されうることを認識するだろう。そのような修飾は、本発明の範囲内にあると考えられる。
実施例1
FPE組織からのRNAの単離
RNAは、以下の一般的手法によってパラフィン包埋された組織から抽出される。
FPE組織からのRNAの単離
RNAは、以下の一般的手法によってパラフィン包埋された組織から抽出される。
A.切片の脱パラフィン化及び水和
(1)約10μMの切片の一部を1.5mlの遠心管内に据える。
(2)600μlのキシレンを添加し、そして混合物を激しく約10分間、室温(およそ20〜25℃)で振とうする。
(3)試料を、室温で、ベンチトップ遠心機の最速値(約10〜20,000xg)で約7分間遠心する。
(4)段階2及び3を、大部分のパラフィンが溶解するまで繰り返した。もとの試料部分に含まれるパラフィンの量に依存して、2ないしそれ以上の回数が必要とされる。
(5)キシレン溶液は、低級アルコール、好ましくは100%エタノール(約600μl)を用いて約3分間激しく振とうすることによって除去される。
(6)遠心管は、段階(3)のように約7分間遠心される。上清をデカントし、そして廃棄する。ペレットは白くなる。
(7)段階5と6を漸次的に徐々に希釈していったエタノールを用いて繰り返す:最初は約95%エタノール、続いては約80%、そして最終的には約70%のエタノール。
(8)試料を段階(3)のように室温で7分間遠心する。
(9)上清を棄て、そしてペレットを室温で約5分間乾燥させる。
(1)約10μMの切片の一部を1.5mlの遠心管内に据える。
(2)600μlのキシレンを添加し、そして混合物を激しく約10分間、室温(およそ20〜25℃)で振とうする。
(3)試料を、室温で、ベンチトップ遠心機の最速値(約10〜20,000xg)で約7分間遠心する。
(4)段階2及び3を、大部分のパラフィンが溶解するまで繰り返した。もとの試料部分に含まれるパラフィンの量に依存して、2ないしそれ以上の回数が必要とされる。
(5)キシレン溶液は、低級アルコール、好ましくは100%エタノール(約600μl)を用いて約3分間激しく振とうすることによって除去される。
(6)遠心管は、段階(3)のように約7分間遠心される。上清をデカントし、そして廃棄する。ペレットは白くなる。
(7)段階5と6を漸次的に徐々に希釈していったエタノールを用いて繰り返す:最初は約95%エタノール、続いては約80%、そして最終的には約70%のエタノール。
(8)試料を段階(3)のように室温で7分間遠心する。
(9)上清を棄て、そしてペレットを室温で約5分間乾燥させる。
B.フェノール−クロロホルムによるRNA単離
(1)0.5%サルコシン及び8μlのジチオトレイトールを含む400μlのイソチオシアン酸グアニジン溶液を添加する。
(2)続いて試料を組織用ホモジェナイザー(Ultra-Turrax, IKA-Works, Inc., Wilmingtonm NC)を用いて、約2〜3分間、低速(speed 1)から高速(speed 5)へと速度を徐々に増大させながらホモジェナイズする。
(3)続いて、試料を約95℃で約5〜20分間加熱する。95℃に加熱する前に、試料を含むチューブのキャップを、細いゲージニードルを用いて穴を開けることが好ましい。あるいは、当該キャップにプラスチッククランプ又はラボラトリーフィルムを貼ってもよい。
(4)続いて、試料をpH4.0の、50μLの2M 酢酸ナトリウム及び、18mLのフェノールと3.6mLの1:49のイソアミルアルコール:クロロホルム溶液とを混合することによって新しく調製した600μLのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(10:1.93:0.036)を用いて抽出する。溶液を10秒間激しく振とうし、続いて氷上で約15分間冷却する。
(5)溶液を最速で約7分間遠心する。上側の(水)相を新しいチューブに移す。
(6)RNAを約10μLのグリコーゲンと400μLのイソプロパノールを用いて約30分間−20℃で沈澱させる。
(7)RNAを、ベンチトップの遠心機において、最速で、約7分間の遠心によってペレット化させ;上清をデカントし、そして廃棄し;そしてペレットを約500μLの約70〜75%エタノールで洗浄する。
(8)試料を再び7分間最速で遠心する。上清をデカントし、そしてペレットを風乾させる。続いて、ペレットをその後の実験に適した緩衝液(例えば、50pI. 5mM Tris塩化物、pH8.0)中で溶解する。
(1)0.5%サルコシン及び8μlのジチオトレイトールを含む400μlのイソチオシアン酸グアニジン溶液を添加する。
(2)続いて試料を組織用ホモジェナイザー(Ultra-Turrax, IKA-Works, Inc., Wilmingtonm NC)を用いて、約2〜3分間、低速(speed 1)から高速(speed 5)へと速度を徐々に増大させながらホモジェナイズする。
(3)続いて、試料を約95℃で約5〜20分間加熱する。95℃に加熱する前に、試料を含むチューブのキャップを、細いゲージニードルを用いて穴を開けることが好ましい。あるいは、当該キャップにプラスチッククランプ又はラボラトリーフィルムを貼ってもよい。
(4)続いて、試料をpH4.0の、50μLの2M 酢酸ナトリウム及び、18mLのフェノールと3.6mLの1:49のイソアミルアルコール:クロロホルム溶液とを混合することによって新しく調製した600μLのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(10:1.93:0.036)を用いて抽出する。溶液を10秒間激しく振とうし、続いて氷上で約15分間冷却する。
(5)溶液を最速で約7分間遠心する。上側の(水)相を新しいチューブに移す。
(6)RNAを約10μLのグリコーゲンと400μLのイソプロパノールを用いて約30分間−20℃で沈澱させる。
(7)RNAを、ベンチトップの遠心機において、最速で、約7分間の遠心によってペレット化させ;上清をデカントし、そして廃棄し;そしてペレットを約500μLの約70〜75%エタノールで洗浄する。
(8)試料を再び7分間最速で遠心する。上清をデカントし、そしてペレットを風乾させる。続いて、ペレットをその後の実験に適した緩衝液(例えば、50pI. 5mM Tris塩化物、pH8.0)中で溶解する。
実施例2
mRNAの逆転写及びPCR
逆転写:RNAを、例1で例示したように、顕微解剖し、又は顕微解剖していない、ホルマリン固定してパラフィン包埋した(FPE)組織から、あるいはQuickPrep(商標)Micro mRNA精製キット(Amersham Pharmacia Biotech Inc., Piscatway, N.J.)を取扱説明書通りに用いた一段階のイソシアン酸グアニジン法によって、新鮮な、又は凍結した組織から単離した。エタノールによる沈澱及び遠心の後、RNAのペレットを、pH8.0の50μLの5mM Tris/Cl中で溶解した。M-MLV逆転写酵素が、デオキシヌクレオチドの存在下で一本鎖のRNA又はDNAの鋳型にハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドプライマーを伸長して、相補鎖を作り出す。生じたRNAは、ランダムなヘキサマー及びLife TechnologiesのM-MLV逆転写酵素を用いて逆転写した。逆転写は、25μLのRNA溶液と25.5μLの「逆転写用混合液(reverse transcription mix」(後文を参照のこと)とを混合することによって達成した。反応溶液をサーモサイクラー内に26℃で8分間(ランダムなヘキサマーをRNAに結合させるため)、42℃で45分間(M-MLV逆転写酵素反応のため)、そして95℃で5分間(デオキシヌクレアーゼの熱による不活性化のため)据える。
mRNAの逆転写及びPCR
逆転写:RNAを、例1で例示したように、顕微解剖し、又は顕微解剖していない、ホルマリン固定してパラフィン包埋した(FPE)組織から、あるいはQuickPrep(商標)Micro mRNA精製キット(Amersham Pharmacia Biotech Inc., Piscatway, N.J.)を取扱説明書通りに用いた一段階のイソシアン酸グアニジン法によって、新鮮な、又は凍結した組織から単離した。エタノールによる沈澱及び遠心の後、RNAのペレットを、pH8.0の50μLの5mM Tris/Cl中で溶解した。M-MLV逆転写酵素が、デオキシヌクレオチドの存在下で一本鎖のRNA又はDNAの鋳型にハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドプライマーを伸長して、相補鎖を作り出す。生じたRNAは、ランダムなヘキサマー及びLife TechnologiesのM-MLV逆転写酵素を用いて逆転写した。逆転写は、25μLのRNA溶液と25.5μLの「逆転写用混合液(reverse transcription mix」(後文を参照のこと)とを混合することによって達成した。反応溶液をサーモサイクラー内に26℃で8分間(ランダムなヘキサマーをRNAに結合させるため)、42℃で45分間(M-MLV逆転写酵素反応のため)、そして95℃で5分間(デオキシヌクレアーゼの熱による不活性化のため)据える。
「逆転写用混合液」は、10μLの5x緩衝液(250mM Tris-HCl, pH8.3, 375mM KCl, 15mM MgCl2)、0.5μLのランダムなヘキサマー(50 O.D., 550μLの10mM Tris-HCl pH7.5で溶解)、5μLの10mM dNTP(dATP, dGTP, dCTP及びdTTP)、5μL 0.1M DTT, 1.25μLのBSA(10mM Tris-HCl, pH 7.5中3mg/ml)、1.25μL RNA Guard 24,800U/ml(リボヌクレアーゼ阻害剤)(Porcine#27-0816, Amersham Pharmacia)及び2.5μLのMMLV 200U/μL(Life Tech Cat#28025-02)から成る。
反応成分の終濃度は、50mM Tris-HCl, pH8.3, 75mM KCl, 3mM MgCl2, 1.0mM dNTP, 1.0mM DTT, 0.00375mg/ml BSA, 0.62 UμL RNA Guard及び10U/μl MMLVである。
mRNA発現のPCR定量。EGFRのcDNA及び内部標準又はハウスキーピング遺伝子(例えば、β−アクチン)のcDNAの定量は、蛍光を基にしたリアルタイムの検出法(ABI PRISM 7700又は7900 Sequence Detection System[TaqMan(商標)], Applied Biosystems, Foster City, CA.)を、Heid等(Genome Res 1996;6;986-994);Gibson等(Genome Res 1996;6:995-1001)に記載のように用いることによって行った。要約すると、この方法は、フォワードプライマーとリバースプライマーの間に特異的にアニーリングする二重蛍光標識された蛍光発生的なTaqMan(商標)オリゴヌクレオチドプローブ(EGFR-1773(配列番号3)、Tm=70℃;HER2-neu 2657(配列番号6)、β−アクチン-611(配列番号7))を使用する。反応混合物を含むキャップ付きのウェル内でのレーザー刺激は、プローブがPCR伸長の間にDNAポリメラーゼの5'から3'へのヌクレアーゼ活性によって開裂されて5'のレポーター色素(6FAM)を放出するまで3'クエンチャー色素(TAMRA)の発光をもたらす。その結果、アンプリコンの産生は、TaqMan(商標)のCCD(電荷結合素子)検出カメラによって検出される蛍光シグナルの発光をもたらし、そしてPCR反応の純粋な対数期における閾値のサイクルで産生したシグナルの量は、注目の配列の出発時のコピー数を反映する。注目の配列の出発時のコピー数と内部標準遺伝子の出発時のコピー数との比較は、相対的な遺伝子の発現レベルを提供する。TaqMan(商標)解析は、2つの絶対測定値間での比率(注目の遺伝子/内部標準遺伝子)として表されるレベルを算出する。
PCRの反応混合物は、上述のように調製したcDNAを含む0.5μlの逆転写反応溶液、600nMの各オリゴヌクレオチドプライマーEGFR-1573F(配列番号1,Tm=59℃)及びEGFR-1823R(配列番号2、Tm=58℃)又はオリゴヌクレオチドプライマーHER2-neu 2671F(配列番号4)及びHER-neu 2699R(配列番号5)、200nM TaqMan(商標)プローブ(配列番号3又は配列番号6)、5UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ、200μMの各dATP, dCTP, dGTP, 400μMのdTTP、5.5mMのMgCl2,及び参照色素を含む1xTaqman緩衝液Aから成り、これらは終量が25μl以下である(全ての試薬をApplied Biosystems, Foster City, CA.から購入した)。サイクリングの条件は、95℃を10分間、続いて95℃15秒間、60℃1分間を45サイクル、であった。内部標準遺伝子β−アクチンを定量するために使用したオリゴヌクレオチドはβ−アクチン-592F(配列番号8)及びβ−アクチン-651R(配列番号9)であった。
実施例3
EGFRについての未修正の遺伝子発現(UGE)の決定
二組の類似の反応を実施する。「試験」反応及び「検量」反応。図7。EGFR増幅反応及びβ−アクチン内部標準の増幅反応は試験反応である。別々のEGFR及びβ−アクチンの増幅反応がキャリブレーターRNAの鋳型で実施され、そして検量反応として言及される。TaqMan(商標)装置は、4つの異なるサイクルの閾値(Ct):試験反応由来のCtEGFR及びCtβ-アクチン並びに検量反応由来のCtEGFR及びCtβ-アクチン、を算出する。2つの反応のCt値の差違は、以下の方程式に従い決定される。
ΔCt試験=CtEGFR−Ctβ-アクチン(「試験」反応由来)
ΔCt検量=CtEGFR−Ctβ-アクチン(「検量」反応由来)
EGFRについての未修正の遺伝子発現(UGE)の決定
二組の類似の反応を実施する。「試験」反応及び「検量」反応。図7。EGFR増幅反応及びβ−アクチン内部標準の増幅反応は試験反応である。別々のEGFR及びβ−アクチンの増幅反応がキャリブレーターRNAの鋳型で実施され、そして検量反応として言及される。TaqMan(商標)装置は、4つの異なるサイクルの閾値(Ct):試験反応由来のCtEGFR及びCtβ-アクチン並びに検量反応由来のCtEGFR及びCtβ-アクチン、を算出する。2つの反応のCt値の差違は、以下の方程式に従い決定される。
ΔCt試験=CtEGFR−Ctβ-アクチン(「試験」反応由来)
ΔCt検量=CtEGFR−Ctβ-アクチン(「検量」反応由来)
次の段階は、以下の方程式に従い、数字の2を−ΔCtの累乗することを包含する。
2-ΔCt test(「試験」反応由来)
2-ΔCt calibrator(「検量」反応由来)
2-ΔCt test(「試験」反応由来)
2-ΔCt calibrator(「検量」反応由来)
TaqMan(商標)装置からEGFRについての未修正の遺伝子発現を得るために、以下の計算が実施される:
EGFRについての未修正の遺伝子発現(UGE)= 2-ΔCt test/2-ΔCt calibrator
EGFRについての未修正の遺伝子発現(UGE)= 2-ΔCt test/2-ΔCt calibrator
既知の相対的なEGFR発現レベルを用いるUGEの標準化
標準化の計算は、UGEとEGFR及び特定のキャリブレーターRNAに特異的な補正係数(KEGFR)を掛けることを必要とする。補正係数KEGFRは、任意の内部標準遺伝子及び任意の正確にあらかじめ定量したキャリブレーターRNAについても決定されうる。好ましくは、内部標準遺伝子β−アクチン及び正確にあらかじめ定量したキャリブレーターRNA、ヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)を使用する。所定のこれらの試薬の補正係数KEGFRは1.54に等しい。
標準化の計算は、UGEとEGFR及び特定のキャリブレーターRNAに特異的な補正係数(KEGFR)を掛けることを必要とする。補正係数KEGFRは、任意の内部標準遺伝子及び任意の正確にあらかじめ定量したキャリブレーターRNAについても決定されうる。好ましくは、内部標準遺伝子β−アクチン及び正確にあらかじめ定量したキャリブレーターRNA、ヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)を使用する。所定のこれらの試薬の補正係数KEGFRは1.54に等しい。
標準化は、TaqMan(商標)の製造業者であるApplied BiosystemsがUse Bulletin#2に記載し、そして上文に記載したΔCtの改良法を用いて達成される。この手順を実施するために、6個の異なるFPE試験組織のUGEが、上述のTaqMan(商標)の方法論を持ちいてEGFRの発現について解析された。内部標準遺伝子β−アクチン及びキャリブレーターRNA、ヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)を使用した。
AG221, AG222, AG252, 成人の肺、PC3, AdColの各試料の既知の相対的EGFR発現は、平均化していない補正係数Kを算出するために、その相当するTaqMan(商標)から導いたUGEで割られた。
K平均化していない=既知の値/UGE
K平均化していない=既知の値/UGE
続いて、Kの値は全て、キャリブレーターRNA及びβ−アクチンから、EGFR, Stratageneのヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)に特異的な単一のKEGFRの補正係数を決定するために平均化される。
従って、pre-TaqMan(商標)EGFRの発現研究と一致するスケールでの未知の組織試料における修正済みの相対的なEGFR発現を決定するために、希に、TaqMan(商標)装置から導いた未修正の遺伝子発現データ(UGE)を、同一の内部標準遺伝子とキャリブレーターRNAを使用したKEGFR特異的な補正係数と掛ける。
修正済みの相対的なEGFR発現=UGEx KEGFR
修正済みの相対的なEGFR発現=UGEx KEGFR
KEGFRは、任意の正確にあらかじめ定量したキャリブレーターRNA又は内部標準遺伝子を用いて決定されうる。正確にあらかじめ定量したキャリブレーターRNAの将来の供給源は、上文の方法に記載のように既知の相対的なEGFR発現レベルを用いて試料に対して検量されることがあり、又は上述のように、既に検量したキャリブレーターRNA、例えばヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)に対しても今回検量されうる。
例えば、次のKEGFRが異なる内部標準遺伝子及び/又は異なるキャリブレーターRNAについて決定される場合、その特定の内部標準遺伝子と相対的なEGFR発現レベルが既に決定された組織試料に対し、内部標準遺伝子及びキャリブレーターRNAの両方を検量しなければならない。そのような決定は、当業界で周知の標準的なpre-TaqMan(商標)の、定量的RT-PCR技術を用いて行われうる。これらの試料についての既知の発現レベルは、その試料についてのKを決定するために、それらの相当するUGEレベルによって割られる。続いて、Kの値は、異なる内部標準遺伝子及び/又はキャリブレーターRNAに特異的なKEGFRを決定するために、既知の試料の数に依存して平均化される。
実施例4
HER2-NEUについての未修正の遺伝子発現(UGE)の決定
二組の類似の反応を実施する。「試験」反応及び「検量」反応。図8。HER2-NEU増幅反応及びβ−アクチン内部標準の増幅反応は試験反応である。別々のHER2-NEU及びβ−アクチンの増幅反応がキャリブレーターRNAの鋳型で実施され、そして検量反応として言及される。TaqMan(商標)装置は、4つの異なるサイクルの閾値(Ct):試験反応由来のCtHER2-NEU及びCtβ-アクチン並びに検量反応由来のCtHER2-NEU及びCtβ-アクチン、を算出する。2つの反応のCt値の差違は、以下の方程式に従い決定される。
ΔCt試験=CtHER2-NEU−Ctβ-アクチン(「試験」反応由来)
ΔCt検量=CtHER2-NEU−Ctβ-アクチン(「検量」反応由来)
HER2-NEUについての未修正の遺伝子発現(UGE)の決定
二組の類似の反応を実施する。「試験」反応及び「検量」反応。図8。HER2-NEU増幅反応及びβ−アクチン内部標準の増幅反応は試験反応である。別々のHER2-NEU及びβ−アクチンの増幅反応がキャリブレーターRNAの鋳型で実施され、そして検量反応として言及される。TaqMan(商標)装置は、4つの異なるサイクルの閾値(Ct):試験反応由来のCtHER2-NEU及びCtβ-アクチン並びに検量反応由来のCtHER2-NEU及びCtβ-アクチン、を算出する。2つの反応のCt値の差違は、以下の方程式に従い決定される。
ΔCt試験=CtHER2-NEU−Ctβ-アクチン(「試験」反応由来)
ΔCt検量=CtHER2-NEU−Ctβ-アクチン(「検量」反応由来)
次の段階は、以下の方程式に従い、数字の2を−ΔCtの累乗することを包含する。
2-ΔCt test(「試験」反応由来)
2-ΔCt calibrator(「検量」反応由来)
2-ΔCt test(「試験」反応由来)
2-ΔCt calibrator(「検量」反応由来)
TaqMan(商標)装置からHER2-NEUについての未修正の遺伝子発現を得るために、以下の計算が実施される:
HER2-NEUについての未修正の遺伝子発現(UGE)= 2-ΔCt test/2-ΔCt calibrator
HER2-NEUについての未修正の遺伝子発現(UGE)= 2-ΔCt test/2-ΔCt calibrator
既知の相対的なHER2-NEU発現レベルを用いるUGEの標準化
標準化の計算は、UGEとHER2-NEU及び特定のキャリブレーターRNAに特異的な補正係数(KHER2-NEU)を掛けることを必要とする。補正係数KHER2-NEUは、任意の内部標準遺伝子及び任意の正確にあらかじめ定量したキャリブレーターRNAについても決定されうる。好ましくは、内部標準遺伝子β−アクチン及び正確にあらかじめ定量したキャリブレーターRNA、ヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)を使用する。所定のこれらの試薬の補正係数KHER2-NEUは12.6×10-3に等しい。
標準化の計算は、UGEとHER2-NEU及び特定のキャリブレーターRNAに特異的な補正係数(KHER2-NEU)を掛けることを必要とする。補正係数KHER2-NEUは、任意の内部標準遺伝子及び任意の正確にあらかじめ定量したキャリブレーターRNAについても決定されうる。好ましくは、内部標準遺伝子β−アクチン及び正確にあらかじめ定量したキャリブレーターRNA、ヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)を使用する。所定のこれらの試薬の補正係数KHER2-NEUは12.6×10-3に等しい。
標準化は、TaqMan(商標)の製造業者であるApplied BiosystemsがUse Bulletin#2に記載し、そして上文に記載したΔCtの改良法を用いて達成される。この手順を実施するために、6個の異なるFPE試験組織のUGEが、上述のTaqMan(商標)の方法論を持ちいてHER2-NEUの発現について解析された。内部標準遺伝子β−アクチン及びキャリブレーターRNA、ヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)を使用した。
AG221, AG222, AG252, 成人の肺、PC3, AdColの各試料の既知の相対的HER2-NEU発現は、平均化していない補正係数Kを算出するために、その相当するTaqMan(商標)から導いたUGEで割られた。
K平均化していない=既知の値/UGE
K平均化していない=既知の値/UGE
続いて、Kの値は全て、キャリブレーターRNA及びβ−アクチンから、HER2-NEU, Stratageneのヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)に特異的な単一のKHER2-NEUの補正係数を決定するために平均化される。
従って、pre-TaqMan(商標)HER2-NEUの発現研究と一致するスケールでの未知の組織試料における修正済みの相対的なHER2-NEU発現を決定するために、希に、TaqMan(商標)装置から導いた未修正の遺伝子発現データ(UGE)を、同一の内部標準遺伝子とキャリブレーターRNAを使用したKHER2-neu特異的な補正係数と掛ける。
修正済みの相対的なHER2-NEU発現=UGEx KHER2-NEU
修正済みの相対的なHER2-NEU発現=UGEx KHER2-NEU
KHER2-NEUは、任意の正確にあらかじめ定量したキャリブレーターRNA又は内部標準遺伝子を用いて決定されうる。正確にあらかじめ定量したキャリブレーターRNAの将来の供給源は、上文の方法に記載のように既知の相対的なHER2-NEU発現レベルを用いて試料に対して検量されることがあり、又は上述のように、既に検量したキャリブレーターRNA、例えばヒト肝臓全RNA(Stratagene, Cat#735017)に対しても今回検量されうる。
例えば、次のKHER2-NEUが異なる内部標準遺伝子及び/又は異なるキャリブレーターRNAについて決定される場合、その特定の内部標準遺伝子と相対的なHER2-NEU発現レベルが既に決定された組織試料に対し、内部標準遺伝子及びキャリブレーターRNAの両方を検量しなければならない。そのような決定は、当業界で周知の標準的なpre-TaqMan(商標)の、定量的RT-PCR技術を用いて行われうる。これらの試料についての既知の発現レベルは、その試料についてのKを決定するために、それらの相当するUGEレベルによって割られる。続いて、Kの値は、異なる内部標準遺伝子及び/又はキャリブレーターRNAに特異的なKHER2-NEUを決定するために、既知の試料の数に依存して平均化される。
実施例5
患者群及び組織の収集
患者:65人(78.3%)の男性及び18人(21.7%)の女性から成る、平均年齢63.5才(34〜82才)のNSCLCに苦しむ83人の患者が研究された。39人(47%)の患者が扁平上皮細胞ガンを有し、32人(38.6%)が腺ガンを有し、そして12人(14.5%)が大細胞ガンを有していた。原発性腫瘍は、組織学的に、高分化(G1,1人の患者)、中分化(G2, 18人の患者)、及び低分化(G3, 64人の患者)に分類された。腫瘍の病期分類は、International Union Against Cancer(UICC)TMMの分類に従い実施され;42人(49.4%)が第I期の腫瘍を有し、16人(19.3%)が第II期の腫瘍を有し、そして26人(31.3%)が第IIIa期の腫瘍を有していた。全ての腫瘍が、品質管理として一度は肺葉切除術によって完全に切除された(R0の分類)。組織病理学的な第IIIa期の腫瘍は、術後の放射線治療を受けた。平均的な追跡検査は85.9ヶ月であり(最短63.3ヶ月;最長105.2ヶ月)、そして患者は追跡検査されない患者はいなかった。
患者群及び組織の収集
患者:65人(78.3%)の男性及び18人(21.7%)の女性から成る、平均年齢63.5才(34〜82才)のNSCLCに苦しむ83人の患者が研究された。39人(47%)の患者が扁平上皮細胞ガンを有し、32人(38.6%)が腺ガンを有し、そして12人(14.5%)が大細胞ガンを有していた。原発性腫瘍は、組織学的に、高分化(G1,1人の患者)、中分化(G2, 18人の患者)、及び低分化(G3, 64人の患者)に分類された。腫瘍の病期分類は、International Union Against Cancer(UICC)TMMの分類に従い実施され;42人(49.4%)が第I期の腫瘍を有し、16人(19.3%)が第II期の腫瘍を有し、そして26人(31.3%)が第IIIa期の腫瘍を有していた。全ての腫瘍が、品質管理として一度は肺葉切除術によって完全に切除された(R0の分類)。組織病理学的な第IIIa期の腫瘍は、術後の放射線治療を受けた。平均的な追跡検査は85.9ヶ月であり(最短63.3ヶ月;最長105.2ヶ月)、そして患者は追跡検査されない患者はいなかった。
組織の収集:遺伝子発現解析のための組織は、肺切除の直後で縦隔リンパ節切除の前に得られ、そして直ちに液体窒素中で凍結された。組織は、以下の2つの部位から解析された;腫瘍及び当該腫瘍に対し最大距離をとる関与していない肺組織。6μmの凍結切片が腫瘍組織の固まりから採られ、そして最初の切片から開始して、5つ毎に慣習的にHEで染色され、そして組織病理学的に評価された。切片は推定75%悪性細胞の領域からの解析のためにプールされた。RNAは、実施例2の方法に従い、組織試料から単離された。
実施例6
統計解析
TaqMan(商標)解析は、UGEで表される値を算出する。腫瘍組織のUGEと、対応する非悪性肺組織のUGEとの比率は、ディファレンシャルな遺伝子発現を決定するために使用された。2つのUGEの変数間の関係は、ウィルコクソンの符号付き順位検定を用いることによって試験した。カイ二乗試験は、範疇臨床病理学的変数間の関係を解析するために使用された。ハザード率は、死亡の相対危険度を算出するために使用された。これらの計算はPikeの概算(Pike estimate)に基づいており、これらは、対数順位検定の統計値において算出された通り、事象の観察された数及び予想された数を用いた。Pike, J R Stat Soc Series A 135:201-203;1972.Miller及びSigmund(Miller et al., Biometrics 38:1011-1016, 1982)並びにHalpern(Biometrics 38:1017-1023, 1982)の最大カイ二乗法は、どの発現の値が、分類の強度を測定するために使用された統計値としての対数順位検定により、(生存可能性の観点から)悪い予後の部分集合と良い予後の部分集合とに患者を最もよく分離しているかを決定するために採用された。最大カイ二乗解析に基づいた関係の強度の測定値として解釈されるP値を決定するために、1000個のブートストラップ様のシミュレーションが、関連性が無いとの仮定の下、最大カイ二乗統計分布を推定するために使用された。Halpern, Biometrics 38:1017-1023, 1982.単変数解析において有意であったCoxの比例ハザードモデリングが、どの因子が生存に対して有意な影響を有するかを同定するために実施された。有意のレベルはp<0.05に設定された。
統計解析
TaqMan(商標)解析は、UGEで表される値を算出する。腫瘍組織のUGEと、対応する非悪性肺組織のUGEとの比率は、ディファレンシャルな遺伝子発現を決定するために使用された。2つのUGEの変数間の関係は、ウィルコクソンの符号付き順位検定を用いることによって試験した。カイ二乗試験は、範疇臨床病理学的変数間の関係を解析するために使用された。ハザード率は、死亡の相対危険度を算出するために使用された。これらの計算はPikeの概算(Pike estimate)に基づいており、これらは、対数順位検定の統計値において算出された通り、事象の観察された数及び予想された数を用いた。Pike, J R Stat Soc Series A 135:201-203;1972.Miller及びSigmund(Miller et al., Biometrics 38:1011-1016, 1982)並びにHalpern(Biometrics 38:1017-1023, 1982)の最大カイ二乗法は、どの発現の値が、分類の強度を測定するために使用された統計値としての対数順位検定により、(生存可能性の観点から)悪い予後の部分集合と良い予後の部分集合とに患者を最もよく分離しているかを決定するために採用された。最大カイ二乗解析に基づいた関係の強度の測定値として解釈されるP値を決定するために、1000個のブートストラップ様のシミュレーションが、関連性が無いとの仮定の下、最大カイ二乗統計分布を推定するために使用された。Halpern, Biometrics 38:1017-1023, 1982.単変数解析において有意であったCoxの比例ハザードモデリングが、どの因子が生存に対して有意な影響を有するかを同定するために実施された。有意のレベルはp<0.05に設定された。
HER2-neuのmRNA発現は、定量的リアルタイムRT-PCRによって、83のうち83(100%)の正常な肺及び83のうち83(100%)の腫瘍試料で検出可能であった。HER2-neuとβ−アクチンのPCR産物間の比率として表された修正済みのHER2-neuのmRNA発現は、正常な肺で4.17x10-3(範囲0.28〜23.86x10-3)、そして腫瘍組織で4.35x10-3(範囲:0.21〜68.11x10-3)であった(P=0.019 ウィルコクソン検定)。Miller及びSigmund(Miller et al., Biometrics 38:1011-1016, 1982)並びにHalpern(Biometrics 38:1017-1023, 1982)による最大カイ二乗法は、低レベルにディファレンシャルなHER2-neuを発現する者と高レベルにディファレンシャルな者へと患者を分離するために1.8の閾値を決定した。この基準により、29人(34.9%)の患者は高レベルにディファレンシャルなHER2-neuを発現しており、そして54人(65.1%)は低レベルにディファレンシャルなHER2-neuを発現していた。図4は、臨床病理学的なデータとディファレンシャルなHER2-neuの遺伝子発現状態との関係を示す。検出可能な統計学的に有意な差違は存在しなかった。図1は、推定される生存可能性対ディファレンシャルなHER2-neu mRNAの発現状態のカプランマイヤープロットを示す。中央値の生存度には低レベルにディファレンシャルなHER2-neu発現群において達しなく、それと比較して高レベルにディファレンシャルなHER2-neu発現群においては31.1ヶ月(95% C.I.:21.96-40.24)で達した。P値を決定するために、ブートストラップ様のシミュレーションを使用して最大カイ二乗統計分布が推定されたのは、1.8の閾値が当該データを試験した後に選択されたためである。結果として生じた調整済みのP値は0.04であった(対数順位検定)。
予後因子としてのHER2-neuの正確性が、続いてCoxの比例ハザードモデル解析によって決定された。潜在的な予後因子の単変数解析において、高度にディファレンシャルなHER2-neuの発現及び進行したpT(腫瘍病期)分類、pN(リンパ節病期)分類、及び腫瘍病期は、有意な望ましくない予後因子であった(図5)。予後因子の多変数解析において(図6)、高度にディファレンシャルなHER2-neuの発現は有意で且つ独立した望ましくない予後因子であり、進行したpN分類及び腫瘍病期も同様であった。
EGFR mRNA発現は、定量的リアルタイムRT-PCRによって、83のうち83(100%)の正常な肺及び83のうち83(100%)の腫瘍試料で検出可能であった。中央値の修正済みのEGFRのmRNA発現は、正常な肺で8.17x10-3(範囲0.31〜46.26x10-3)、そして腫瘍組織で7.22x10-3(範囲:0.27〜97.49x10-3)であった(P=n.s.)。最大カイ二乗法(Miller(1982);Halpern(1982))は、低レベルにディファレンシャルなHER2-neuを発現する者と高レベルにディファレンシャルな者へと患者を分離するために1.8の閾値を決定した。この基準により、28人(33.7%)の患者は高レベルにディファレンシャルなEGFRを発現しており、そして55人(66.3%)は低レベルにディファレンシャルなEGFRを発現していた。臨床病理学的なデータとディファレンシャルなHER2-neuの遺伝子発現状態との間に検出可能な統計学的に有意な差違は存在しなかった(図4)。全体的な生存度の低下が、高レベルにディファレンシャルなEGFR発現群について観察されたが、統計的に有意ではなかった(図2)。中央値の生存度には低レベルにディファレンシャルなEGFR発現群において達しなく(P=0.176)、これと比較して高レベルにディファレンシャルなEGFR発現群においては32.37ヶ月(95% C.I.:8.43-56.31)で達した。
ディファレンシャルなHER2-neu及びEGFRの高度な発現レベル(約1.8)は、83人のうち14人(16.9%)の患者において見られた。83人中40人(48.2%)の患者はHER2-neu及びEGFRについて低レベルにディファレンシャルな発現状態(1.8未満)を示したが、83人中14人(16.9%)の患者がEGFRのみの場合高レベルにディファレンシャルな発現を示し、そして83人中15人の患者(18.1%)の患者がHER2-neuについて高度にディファレンシャルな発現を示した。中央値の生存度に、低レベルにディファレンシャルなHER2-neu及びEGFRの発現を示した群において達しなく、それと比較して高度にディファレンシャルなEGFRの発現において45.47ヶ月、高度にディファレンシャルなHER2-neuの発現群において31.10ヶ月(95% C.I.:14.77〜47.43)、そして高度にディファレンシャルなHER2-neu及びEGFRの発現群において22.03ヶ月(95% C.I.:2.30;41.76;P=0.003;対数順位検定;図3及び5)で達した。単変数解析は、有意な望ましくない予後因子として高度にディファレンシャルなHER2-neu及びEGFRの発現群を示した(図5)。予後因子の多変数解析において(図6)、高度にディファレンシャルなHER2-neu及び高度にディファレンシャルなEGFRの同時発現は有意で且つ独立した望ましくない予後因子であり、進行したpN分類及び腫瘍病期も同様であった。
実施例7
受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法に対する腫瘍応答
5人の結腸ガン患者の腫瘍が、免疫組織化学によってEGFRを発現しているとして最初に同定された。患者は、Imclone IMC-C225により、400mg/m2の負荷量、続いて250 mg/m2で週に一回、更にCPT-11により同量で、そして患者が既に進行してたスケジュールで処置された。従来のCPT-11の投与量の減衰が維持された。
受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法に対する腫瘍応答
5人の結腸ガン患者の腫瘍が、免疫組織化学によってEGFRを発現しているとして最初に同定された。患者は、Imclone IMC-C225により、400mg/m2の負荷量、続いて250 mg/m2で週に一回、更にCPT-11により同量で、そして患者が既に進行してたスケジュールで処置された。従来のCPT-11の投与量の減衰が維持された。
例1〜4に記載の方法論を用いて、患者1は、2.08x10-3の修正済みのEGFR発現レベルを有することが決定され、そしてCPT-11(7-エチル-10-[4-(1-ピペリジノ)-1-]カルボキシカンプトセシン)/C225(抗ガン治療に有効な抗EGFRモノクローナル抗体;Mendelsohnm Endocr Relat Cancer 2001 Mar;8(1):3-9)を含んで成る受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法に対して完了した応答(CR)を有していた。患者2は、8.04x10-3の修正済みのEGFR発現レベルを有しており、そして受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法に対する部分的な応答(PR)を有していた。患者3は、1.47x10-3の修正済みのEGFR発現レベルを有しており、そして更に受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法に対する部分的な応答(PR)を示した。患者4は、0.16x10-3の修正済みのEGFR発現レベルを有しており、そして受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法に対する応答を示さない安定な疾患(SD)を有していた。患者5は、EGFRを発現しておらず(0.0x10-3)、そして受容体チロシンキナーゼを標的とした化学療法に対する応答を示さない進行性の疾患(PR)を有していた。図9を参照のこと。
Claims (24)
- 患者の腫瘍を処置するために、受容体チロシンキナーゼを標的とした薬剤を含んで成る化学療法による養生法を決定するための方法であって、
(a)腫瘍の組織試料を入手し;
(b)前記腫瘍に対応する非悪性の組織試料を入手し;
(c)腫瘍の試料及び非悪性の試料からmRNAを単離し;
(d)EGFR腫瘍の増幅試料及びEGFRの非悪性の増幅試料、又はHER2-neu腫瘍の増幅試料及びHER2-neuの非悪性の増幅試料を得るために、ストリンジェントな条件下でEGFR遺伝子の領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマー対、又はストリンジェントな条件下でHER2-neu遺伝子の領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマー対を用いて、前記mRNAを増幅にかけ;
(e)HER2-neu腫瘍の増幅試料及びHER2-neuの非悪性の増幅試料中のHER2-neu mRNAの量を決定し、又はEGFR腫瘍の増幅試料及びEGFRの非悪性の増幅試料中のEGFR mRNAの量を決定し;
(f)ディファレンシャルなHER2-neuの発現レベルを入手し、又はディファレンシャルなEGFRの発現レベルを入手し;そして
(g)ディファレンシャルなHER2-neuの発現レベルとHER2-neu遺伝子の発現についての閾値とを比較し、又はディファレンシャルなEGFRの発現レベルとEGFR遺伝子の発現についての閾値とを比較することによって、化学療法による養生法を決定すること、
を含んで成る方法。 - 患者の腫瘍を処置するために、受容体チロシンキナーゼを標的とした薬剤を含んで成る化学療法による養生法を決定するための方法であって、
(a)腫瘍の組織試料を入手し;
(b)前記腫瘍に対応する非悪性の組織試料を入手し;
(c)腫瘍の試料及び非悪性の試料からmRNAを単離し;
(d)腫瘍の増幅試料及び非悪性の増幅試料を得るために、ストリンジェントな条件下でEGFR遺伝子の領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマー対を用いて、前記mRNAを増幅にかけ;
(e)EGFR腫瘍の増幅試料及びEGFRの非悪性の増幅試料中のEGFR mRNAの量を決定し;
(f)ディファレンシャルなEGFRの発現レベルを入手し;そして
(g)ディファレンシャルなEGFRの発現レベルとEGFR遺伝子の発現についての閾値とを比較することによって、化学療法による養生法を決定すること、
を含んで成る方法。 - 患者の腫瘍を処置するために、受容体チロシンキナーゼを標的とした薬剤を含んで成る化学療法による養生法を決定するための方法であって、
(a)腫瘍の組織試料を入手し;
(b)前記腫瘍に対応する非悪性の組織試料を入手し;
(c)腫瘍の試料及び非悪性の試料からmRNAを単離し;
(d)腫瘍の増幅試料及び非悪性の増幅試料を得るために、ストリンジェントな条件下でEGFR遺伝子の領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマー対、又はストリンジェントな条件下でHER2-neu遺伝子の領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマー対を用いて、前記mRNAを増幅にかけ;
(e)HER2-neu腫瘍の増幅試料及びHER2-neuの非悪性の増幅試料中のHER2-neu mRNAの量を決定し;
(f)ディファレンシャルなHER2-neuの発現レベルを入手し;そして
(g)ディファレンシャルなHER2-neuの発現レベルとHER2-neu遺伝子の発現についての閾値とを比較することによって、化学療法による養生法を決定すること、
を含んで成る方法。 - 患者の腫瘍を処置するために、受容体チロシンキナーゼを標的とした薬剤を含んで成る化学療法による養生法を決定するための方法であって、
(a)腫瘍の組織試料を入手し;
(b)前記腫瘍に対応する非悪性の組織試料を入手し;
(c)腫瘍の試料及び非悪性の試料からmRNAを単離し;
(d)EGFR腫瘍の増幅試料及びEGFRの非悪性の増幅試料、又はHER2-neu腫瘍の増幅試料及びHER2-neuの非悪性の増幅試料を得るために、ストリンジェントな条件下でEGFR遺伝子の領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマー対及びストリンジェントな条件下でHER2-neu遺伝子の領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマー対を用いて、前記mRNAを増幅にかけ;
(e)HER2-neu腫瘍の増幅試料及びHER2-neuの非悪性の増幅試料中のHER2-neu mRNAの量を決定し、そしてEGFR腫瘍の増幅試料及びEGFRの非悪性の増幅試料中のEGFR mRNAの量を決定し;
(f)ディファレンシャルなHER2-neuの発現レベルを入手し、そしてディファレンシャルなEGFRの発現レベルを入手し;そして
(g)ディファレンシャルなHER2-neuの発現レベルとHER2-neu遺伝子の発現についての閾値とを比較し、そしてディファレンシャルなEGFRの発現レベルとEGFR遺伝子の発現についての閾値とを比較することによって、化学療法による養生法を決定すること、
を含んで成る方法。 - オリゴヌクレオチドプライマーがEGFRのオリゴヌクレオチドプライマー対、又はそれと実質的に同一のオリゴヌクレオチドプライマー対から成る、請求項2に記載の方法。
- オリゴヌクレオチドプライマーがHER2-neuのオリゴヌクレオチドプライマー対、又はそれと実質的に同一のオリゴヌクレオチドプライマー対から成る、請求項3に記載の方法。
- 腫瘍が非小細胞肺癌の腫瘍である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- プライマーがHER2-neuのオリゴヌクレオチドプライマー対及びEGFRのオリゴヌクレオチドプライマー対の両方から成る、請求項4に記載の方法。
- EGFR遺伝子発現の閾値が、対応する非悪性組織におけるEGFR遺伝子発現の約1.8倍である、請求項1,2,又は4のいずれか1項に記載の方法。
- HER2-neu遺伝子発現の閾値が、対応する非悪性組織におけるHER2-neu遺伝子発現の約1.8倍である、請求項1,3,又は4のいずれか1項に記載の方法。
- 組織試料が固定され、又は固定されてパラフィン包埋される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 固定されてパラフィン包埋された組織試料中のEGFRの発現レベルを決定するための方法であって;
(a)脱パラフィン化した試料を得るために、組織試料を脱パラフィン化し;
(b)有効量のカオトロピック剤の存在下で、脱パラフィン化した試料からmRNAを単離し;
(c)増幅試料を得るために、ストリンジェントな条件下でEGFR遺伝子の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマー対を用いてmRNAを増幅にかけ;
(d)内部標準遺伝子のmRNAの量と比較してEGFRのmRNAの量を決定すること、
を含んで成る方法。 - オリゴヌクレオチドプライマー対がEGFRのオリゴヌクレオチドプライマー対又はそれと実質的に同一のオリゴヌクレオチドプライマー対から成る、請求項12に記載の方法。
- 固定されてパラフィン包埋された組織試料中のHER2-neuの発現レベルを決定するための方法であって;
(a)脱パラフィン化した試料を得るために、組織試料を脱パラフィン化し;
(b)有効量のカオトロピック剤の存在下で、脱パラフィン化した試料からmRNAを単離し;
(c)増幅試料を得るために、ストリンジェントな条件下でHER2-neu遺伝子の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマー対を用いてmRNAを増幅にかけ;
(d)内部標準遺伝子のmRNAの量と比較してHER2-neuのmRNAの量を決定すること、
を含んで成る方法。 - オリゴヌクレオチドプライマー対がHER2-neuのオリゴヌクレオチドプライマー対又はそれと実質的に同一のオリゴヌクレオチドプライマー対から成る、請求項14に記載の方法。
- 内部標準遺伝子がβ−アクチンである、請求項12又は14に記載の方法。
- mRNAの単離が、
(a)有効濃度のカオトロピック化合物を含んで成る溶液中の組織試料を、約75〜約100℃の温度に約5〜約120分加熱し;そして
(b)前記mRNAをカオトロピック溶液から回収すること、
によって実施される、請求項12又は14に記載の方法。 - 配列番号1の配列及びそれと実質的に同一のオリゴヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドプライマー。
- 配列番号2の配列及びそれと実質的に同一のオリゴヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドプライマー。
- 配列番号4の配列及びそれと実質的に同一のオリゴヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドプライマー。
- 配列番号5の配列及びそれと実質的に同一のオリゴヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドプライマー。
- EGFRのオリゴヌクレオチド対又はそれと実質的に同一のオリゴヌクレオチド対を含んで成るEGFR遺伝子の発現を検出するためのキット。
- HER2-neuのオリゴヌクレオチド対又はそれと実質的に同一のオリゴヌクレオチド対を含んで成るHER2-neu遺伝子の発現を検出するためのキット。
- EGFRのオリゴヌクレオチド対又はそれと実質的に同一のオリゴヌクレオチド対及びHER2-neuのオリゴヌクレオチド対又はそれと実質的に同一のオリゴヌクレオチド対を含んで成るHER2-neu及びEGFR遺伝子の発現を検出するためのキット。
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