JP2010161268A - 形状補正荷電粒子ビーム描画方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は形状補正荷電粒子ビームパターン描画装置に関し、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去できるようにすること。
【解決手段】分割された図形面積から実際の描画面積を求め、この描画面積と指定した走査ステップサイズから分割図形内の計算上の荷電粒子ビーム照射数を計算する手段と、分割された図形から実際の描画形状を求め、この形状と指定した走査ステップサイズから分割図形の走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算する手段と、分割図形内の実際の荷電粒子照射数に対する、計算上の照射数の比を計算する手段と、分割された図形に対し、通常指定のドーズ補正量と合わせて最終ドーズ補正量を決定する手段と、荷電粒子ビームの当該図形内の走査速度を、最終ドーズ補正量に従って変調し、走査丸め誤差による図形形状の変化をドーズ量で補正する手段と、から構成される。
【選択図】図1
【解決手段】分割された図形面積から実際の描画面積を求め、この描画面積と指定した走査ステップサイズから分割図形内の計算上の荷電粒子ビーム照射数を計算する手段と、分割された図形から実際の描画形状を求め、この形状と指定した走査ステップサイズから分割図形の走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算する手段と、分割図形内の実際の荷電粒子照射数に対する、計算上の照射数の比を計算する手段と、分割された図形に対し、通常指定のドーズ補正量と合わせて最終ドーズ補正量を決定する手段と、荷電粒子ビームの当該図形内の走査速度を、最終ドーズ補正量に従って変調し、走査丸め誤差による図形形状の変化をドーズ量で補正する手段と、から構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は形状補正荷電粒子ビームパターン描画方法及び装置に関し、更に詳しくは分割図形内の実際のビーム照射点数に対する計算上のビーム照射点数の比を図形形状補正係数としてドーズ量を補正するようにした形状補正荷電粒子ビームパターン描画方法及び装置に関する。
電子ビーム描画装置では、描画パターンデータを、描画時前に、描画装置用のデータフォーマットに変換する。このフォーマット変換前、描画すべきパターンはフィールドサイズ、及び/若しくはフィールドサイズに準ずるサイズ(サブフィールドサイズ)で分割され、更にこのような分割で生じた多角形パターンを台形乃至は矩形に分割する。
図18はフィールド分割並びに多角形分割の説明図である。図に示すように、描画すべきパターン1をフィールドF1に分割する。ここで、1フィールドとは、ステージを移動させないでビーム偏向により描画できる領域のことである。図の実線がフィールド分割ラインである。F2はサブフィールドであり、図の破線がサブフィールド分割ラインである。
同図では、描画すべきパターン1は4つのフィールドF1に分割され、各フィールドF1は4個のサブフィールドF2からなる。例えば、電子ビームの走査によって被描画材料上に描画する際は、フィールドF1又はサブフィールドF2を基準にしてフィールド単位で描画が行なわれる。2はサブフィールドF2内の多角形パターンで、該多角形パターンは更に台形又は矩形又は三角形パターンに分割される。
そして、指定した分割サイズに従ってこのようなパターンを更に分割し、各パターン内を指定した走査ステップサイズに従って電子ビーム走査して被描画材料上にパターンが描画される。図19はパターンの分割並びにパターン内ビーム走査の説明図である。分割によって生じた各パターン内を走査ステップサイズSsに従って電子ビーム走査する。ここで、走査ステップサイズSsとは、スポットビーム間の距離である。
ここで、CAD等で作製したスポット型荷電粒子ビーム描画パターンを、当該描画パターン用のデータフォーマットに変換する時、多角形を矩形、台形、三角形に分割する際、矩形の辺の長さ、台形の辺の長さ、高さを描画時のパターン分割サイズSpの整数倍と描画時の走査ステップサイズSsの整数倍の和になるようにする。図23は基準点と各頂点間の相対距離を示す図である。図23において、頂点Aを基準(0,0)とした時、各頂点とのX座標,Y座標の差分を、Spの整数倍とSsの整数倍の和とする。
従来のこの種の装置としては、描画データ上、電子ビーム描画領域1を小領域2に分割して、パターンが存在する小領域2には数値1、パターンが存在しない小領域2には数値0を割り当て、パターンが存在する各小領域2について、周囲の隣接した8つの小領域2に割り当てられた数値を加算し、その加算値をドーズ量のランク値として割り当て、このランク値に応じてドーズ量を決定する装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、電子光学系による収差が所定量以下となる範囲内に収まる大きさを有する要素路露光領域を複数の部分領域に分割し、該複数の部分領域毎の荷電粒子線の照射量が設定された露光情報に基づいて、電子ビームによって基板にパターンを描画する装置が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、密に分布する照射量領域には照射量所定値及びこの所定値に対応する照射量の割り当てを多くし、粗に分布する照射量領域には割り当てを少なくする装置が知られている(例えば特許文献3参照)。
スポット型荷電粒子ビーム描画用のデータフォーマットを作成する時、多角形を矩形、台形、三角形に分類する際、矩形の辺の長さ、台形、三角形の辺の長さ、高さを描画時のパターン分割サイズSpの整数倍と描画時の走査ステップサイズSsの整数倍の和になるようにすることで、矩形、並びに台形、三角形のXY方向走査に関しては走査丸めの影響を除去できるが、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去することができない。
図20は走査丸め誤差の発生例を示す図である。(a)は矩形の場合を、(b)は三角形の場合をそれぞれ示している。(a)に示す矩形の場合、Lx,Lyが走査ステップサイズの整数倍でない場合、パターン内にビームが均等に照射されない。(b)に示す三角形の場合、底辺Lxが走査ステップサイズの整数倍の場合でも、Lx’は整数倍にならない場合がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去できる形状補正荷電粒子ビームパターン描画方法及び装置を提供することを目的としている。
本発明は、パターン分割された図形面積と描画時の走査ステップサイズから求めた走査丸めを含んだ実際図形内の照射数に対する、前記図形面積と前記走査ステップサイズから計算した当該図形内の照射数の比を求め、この値を当該図形描画に対するドーズ補正量として定義し、描画の際にこのドーズ補正量を与えることで、走査丸めによって発生する図形形状変化を補正するものである。
(1)請求項1記載の発明は、スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、パターン分割サイズと走査ステップサイズを指定する第1のステップと、スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、指定したパターン分割サイズに従って、当該装置用のパターンデータを分割する第2のステップと、分割された図形面積から実際の描画面積を求め、この描画面積と指定した走査ステップサイズから分割図形内の計算上の荷電粒子ビーム照射数を計算する第3のステップと、分割された図形から実際の描画形状を求め、この形状と指定した走査ステップサイズから分割図形の走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算する第4のステップと、分割図形内の実際の荷電粒子照射数に対する、計算上の照射数の比を図形形状補正係数と定義し、これを計算する第5のステップと、分割された図形に対し、図形形状補正係数をドーズ補正量として付与し、通常指定のドーズ補正量と合わせて最終ドーズ補正量を決定する第6のステップと、荷電粒子ビームの当該図形内の走査速度を、最終ドーズ補正量に従って変調し、走査丸め誤差による図形形状の変化をドーズ量で補正する第7のステップと、から構成されることを特徴とする。
(2)請求項2記載の発明は、前記ステップ6における通常指定のドーズ補正量は、近接効果補正であることを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、パターン分割サイズと走査ステップサイズを指定する手段と、スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、指定したパターン分割サイズに従って、当該装置用のパターンデータを分割する手段と、分割された図形面積から実際の描画面積を求め、この描画面積と指定した走査ステップサイズから分割図形内の計算上の荷電粒子ビーム照射数を計算する手段と、分割された図形から実際の描画形状を求め、この形状と指定した走査ステップサイズから分割図形の走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算する手段と、分割図形内の実際の荷電粒子照射数に対する、計算上の照射数の比を図形形状補正係数と定義し、これを計算する手段と、分割された図形に対し、図形形状補正係数をドーズ補正量として付与し、通常指定のドーズ補正量と合わせて最終ドーズ補正量を決定する手段と、荷電粒子ビームの当該図形内の走査速度を、最終ドーズ補正量に従って変調し、走査丸め誤差による図形形状の変化をドーズ量で補正する手段と、から構成されることを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、パターン分割サイズと走査ステップサイズを指定する手段と、スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、指定したパターン分割サイズに従って、当該装置用のパターンデータを分割する手段と、分割された図形面積から実際の描画面積を求め、この描画面積と指定した走査ステップサイズから分割図形内の計算上の荷電粒子ビーム照射数を計算する手段と、分割された図形から実際の描画形状を求め、この形状と指定した走査ステップサイズから分割図形の走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算する手段と、分割図形内の実際の荷電粒子照射数に対する、計算上の照射数の比を図形形状補正係数と定義し、これを計算する手段と、分割された図形に対し、図形形状補正係数をドーズ補正量として付与し、通常指定のドーズ補正量と合わせて最終ドーズ補正量を決定する手段と、荷電粒子ビームの当該図形内の走査速度を、最終ドーズ補正量に従って変調し、走査丸め誤差による図形形状の変化をドーズ量で補正する手段と、から構成されることを特徴とする。
(4)請求項4記載の発明は、前記通常指定のドーズ補正量は、近接効果補正であることを特徴とする。
(1)請求項1記載の発明によれば、パターン分割された図形面積と描画時の走査ステップサイズから求めた走査丸めを含んだ実際図形内の照射数に対する、前記図形面積と前記走査ステップサイズから計算した当該図形内の照射数の比を求め、この値を当該図形描画に対するドーズ補正量として定義し、描画の際にこのドーズ補正量を与えることで、走査丸めによって発生する図形形状変化を補正するようにしているので、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去することができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去すると共に、近接効果補正も行なうことができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、パターン分割された図形面積と描画時の走査ステップサイズから求めた走査丸めを含んだ実際図形内の照射数に対する、前記図形面積と前記走査ステップサイズから計算した当該図形内の照射数の比を求め、この値を当該図形描画に対するドーズ補正量として定義し、描画の際にこのドーズ補正量を与えることで、走査丸めによって発生する図形形状変化を補正するようにしているので、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去することができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、パターン分割された図形面積と描画時の走査ステップサイズから求めた走査丸めを含んだ実際図形内の照射数に対する、前記図形面積と前記走査ステップサイズから計算した当該図形内の照射数の比を求め、この値を当該図形描画に対するドーズ補正量として定義し、描画の際にこのドーズ補正量を与えることで、走査丸めによって発生する図形形状変化を補正するようにしているので、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去することができる。
(4)請求項4記載の発明によれば、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去すると共に、近接効果補正も行なうことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(前提となる要件)
スポット型荷電粒子ビーム描画装置の場合、荷電粒子ビームを描画パターン内XY方向にデジタル走査して描画を実施するため、当該描画装置用のデータフォーマットへの変換時、フィールドサイズ及びフィールドサイズに準ずるサイズで分割した後、多角形パターンデータを矩形、乃至は台形、三角形パターンデータに分割する。図18はフィールド分割並びに多角形分割を示す図である。1は描画すべきパターン、2は多角形パターンを示す。多角形パターン2が矩形、三角形パターンに分割されている。
(前提となる要件)
スポット型荷電粒子ビーム描画装置の場合、荷電粒子ビームを描画パターン内XY方向にデジタル走査して描画を実施するため、当該描画装置用のデータフォーマットへの変換時、フィールドサイズ及びフィールドサイズに準ずるサイズで分割した後、多角形パターンデータを矩形、乃至は台形、三角形パターンデータに分割する。図18はフィールド分割並びに多角形分割を示す図である。1は描画すべきパターン、2は多角形パターンを示す。多角形パターン2が矩形、三角形パターンに分割されている。
描画の際は、指定したパターン分割サイズSpに従ってパターンデータを更に分割し、分割された各パターン内を、指定した走査ステップサイズSsに従って荷電粒子ビームが走査する。図19はパターン分割並びにパターン内ビーム走査を示す図である。その際、XY方向の走査長さが走査ステップSsの整数倍にならない場合は、走査丸めが発生する。図20は走査丸め誤差の発生例を示す図である。
ここで、荷電粒子ビーム描画パターンを作製する段階で、各図形毎にドーズ量補正番号を付与することが可能である。図21はドーズ量補正番号付与の説明図である。分離されているパターン毎にドーズ量補正番号が付されている。図の例は、ドーズ量補正番号1からドーズ量補正番号3まで付されている場合を示している。
当該図形に付与されたドーズ量補正番号に対して、描画時にドーズ補正量が描画ジョブで指定された場合、走査速度が前記ドーズ補正量に従って変調され、指定したドーズ量で描画を実施することが可能である。図22はドーズ量補正の説明図である。ドーズ量補正番号1は10%ドーズ量を増やし、ドーズ量補正番号2は5%ドーズ量を減らし、ドーズ量補正番号3は15%ドーズ量を増やしている。
(動作の概要)
スポット型荷電粒子ビームの描画が開始されると、パターンデータ格納領域から指定した描画パターンデータが読み出され、パターン分割サイズSpに従ってパターンデータが分割される。パターン分割サイズは、通常は走査ステップSsの整数倍の値を指定する。図26はパターン分割サイズSp並びに走査ステップサイズSsの説明図である。図の例は、パターン分割サイズSpが走査ステップサイズSsの整数倍であることを示している。即ち、パターン分割サイズSpは走査ステップサイズSsの6倍の長さであることを示す。
(動作の概要)
スポット型荷電粒子ビームの描画が開始されると、パターンデータ格納領域から指定した描画パターンデータが読み出され、パターン分割サイズSpに従ってパターンデータが分割される。パターン分割サイズは、通常は走査ステップSsの整数倍の値を指定する。図26はパターン分割サイズSp並びに走査ステップサイズSsの説明図である。図の例は、パターン分割サイズSpが走査ステップサイズSsの整数倍であることを示している。即ち、パターン分割サイズSpは走査ステップサイズSsの6倍の長さであることを示す。
ここで、分割されたパターンデータは、描画の際の電気信号へと変換される。図27はパターンデータから描画用電気信号の発生の説明図である。描画パターンデータは、パターンデータ分割ユニット12に入って分割され、続く図形形状補正係数演算ユニット13,走査速度変調量演算ユニット14を経て走査信号発生ユニット15に入って描画装置へ描画電気信号を転送される。その際、図形形状補正係数演算ユニット13では、分割された図形面積から実際の描画面積を求め、この描画面積と指定した走査ステップサイズSsから分割図形の計算上の荷電粒子ビーム照射数を計算し、これをSn_cとする。
図24は図形内の計算上の照射点数の説明図である。横軸が実効X方向辺長Lx,縦軸が実効Y方向辺長Lyである。走査ステップはSsである。この照射数には、走査丸めの影響は考慮せず、描画面積と走査ステップサイズSsから機械的に計算するものであり、自然数に丸める必要はない。
次に、当該分割図形と走査ステップサイズSsから、走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算し、ことをSn_aとする。図25は図形内の実際の照射点数の説明図である。ここで、Sn_c/Sn_aは、分割図形内の実際の荷電粒子照射数に対する、計算上の照射数の比となり、これを図形形状補正係数とする。
今、Sn_c>Sn_aの場合は、走査丸めの影響で描画図形の中に、ビーム照射が行われない部分が存在することになり、当該図形は全体としてドーズ量不足となって図形形状が変形する。図28は走査丸めによるドーズ量変化の説明図、図29は走査丸めの影響による図形形状変化の説明図である。図28の場合は、ビーム照射数が減少することによるドーズ量不足とビーム照射数が増加することによるドーズ量過剰を示している。図29の場合は、走査丸めの影響による図形形状変化の説明図である。領域Aの場合は図形形状が減少し、領域Bの場合は図形形状が増加している。また、Sn_a>Sn_cの場合は、当該図形は全体としてドーズ量オーバとなり、図形形状が変形する(図28,図29)。
そこで、Sn_c/Sn_aをドーズ補正量として、当該図形を描画する際の走査速度を変調させることで、走査丸めの影響でドーズ量不足の場合は走査速度が低下し、ドーズ量が過剰の場合は走査速度が増すため、走査丸めの影響を荷電粒子ビーム照射点のドーズ量で補償することが可能となる。図30は走査丸めによる図形形状変化の補正の説明図である。領域AはSn_c/Sn_aが1より大きいので、図形全体のドーズ量を増加させることで描画図形サイズを拡大させる。領域BはSn_c/Sn_aが1より小さいので、図形全体のドーズ量を減少させることで、描画図形サイズを縮小させる。このようなドーズ量補正方法をとることで、走査丸めによって発生する図形形状変化を補正するようにしているので、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去することができる。
なお、当該図形には、設計の段階で付与したドーズ量補正信号と描画時に指定したドーズ量補正番号に対応するドーズ量補正(これをd_cとする)が実施される場合があるが、図形形状補正係数によるドーズ量補正とは、独立した関係にある。よって、当該図形に対する最終ドーズ量補正値は、(Sn_c/Sn_a)・d_cとなる。
図2は図形形状補正係数の付加の説明図である。領域Cのドーズ量補正番号がSR、ドーズ量補正がd_cの場合、図形形状補正係数はSn_c/Sn_a、最終ドーズ量補正値は、(Sn_c/Sn_a)・d_cとなる。当該図形に対して決定された最終ドーズ量補正値に基づいて、荷電粒子ビームの走査速度が決定され、図形データから変換された描画位置情報に従って荷電粒子ビームが当該図形内を走査することになる。
(本発明装置の構成図)
図1は本発明の一実施の形態を示す構成図である。図において、10は装置全体の動作制御を行なう制御CPU、11はパターンデータを格納するパターンデータ格納機器である。該パターンデータ格納機器11としては、例えばハードディスク装置等が用いられる。12は前記パターンデータ格納機器11から読み出したパターンデータを所定のサイズに分割するパターンデータ分割ユニットである。20は制御CPU10にデータ指定値、コマンド等を入力する操作部である。該操作部20としては、例えばキーボードやマウスが用いられる。
(本発明装置の構成図)
図1は本発明の一実施の形態を示す構成図である。図において、10は装置全体の動作制御を行なう制御CPU、11はパターンデータを格納するパターンデータ格納機器である。該パターンデータ格納機器11としては、例えばハードディスク装置等が用いられる。12は前記パターンデータ格納機器11から読み出したパターンデータを所定のサイズに分割するパターンデータ分割ユニットである。20は制御CPU10にデータ指定値、コマンド等を入力する操作部である。該操作部20としては、例えばキーボードやマウスが用いられる。
13はパターンデータ分割ユニット12の出力を受けて走査丸め量演算を行なう図形形状補正係数演算ユニット、14は該図形形状補正係数演算ユニット13の出力を受けて、走査速度変調量を演算する走査速度変調量演算ユニットである。15は該走査速度変調量演算ユニット14の出力を受けて、走査信号を発生する走査信号発生ユニット、16は該走査信号発生ユニット15の出力を受けて電子ビーム偏向器に印加する信号を増幅する電子ビーム偏向増幅器、17は電子ビーム偏向器であり、前記電子ビーム偏向増幅器16の出力により制御される。18は電子ビーム収束レンズ、19は電子ビームである。このように構成された装置の動作を概説すれば、以下の通りである。
パターンデータ格納機器11には、描画すべき描画パターンデータが格納されている。制御CPU10はオペレータから指定されたパターンデータを操作部20から受けると、パターンデータ格納機器11に記憶されている指定されたパターンデータを読み出す。読み出されたパターンデータは、パターンデータ分割ユニット12に入って、所定のサイズ毎に分割される。図形形状補正係数演算ユニット13は、パターンデータ分割ユニット12で分割されたサイズ毎に図形形状補正係数を演算する。
走査速度変調量演算ユニット14は、図形形状補正係数演算ユニット13からの出力を受けてドーズ補正量に応じた走査速度を求める走査速度変調量を演算する。この走査速度変調量演算ユニット14は走査信号発生ユニット15に入り、走査速度変調量演算ユニット14の出力に応じて走査速度を変調した走査信号を発生する。この走査信号で電子ビーム偏向増幅器16が駆動され、電子ビーム偏向器17を駆動する。この結果、電子ビームの偏向速度が変化し、電子ビーム19は、試料21に照射される。この結果、ドーズ量が多い図形は速く掃引され、ドーズ量が少ない図形は遅く掃引される。この結果、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去することができる。
(実施の形態1)
第1の実施の形態は、以下の機能を持つ。
(実施の形態1)
第1の実施の形態は、以下の機能を持つ。
・スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、パターン分割サイズSp、走査ステップサイズSsを指定する機能。パターン分割サイズSpと走査ステップサイズSsは、操作部20から制御CPU10に入力される。
・スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、指定したパターン分割サイズSpに従って、当該装置用のパターンデータを分割する機能。図19はパターン分割並びにパターン内ビーム走査を示す図である。描画すべきパターン1は4つのフィールドF1に分割され、各フィールドF1は4個のサブフィールドF2からなる。例えば、電子ビームの走査によって被描画材料上に描画する際は、フィールドF1又はサブフィールドF2を基準にしてフィールド単位で描画が行なわれる。サブフィールドF2には、図に示すように走査ステップサイズSsでスポットビームが照射される。
・分割された図形面積から実際の描画面積を求め、この描画面積と指定した走査ステップサイズSsから分割図形内の計算上の荷電粒子ビーム照射数を計算する機能。図24は図形内の計算上の照射点数の説明図である。
・分割された図形から実際の描画形状を求め、この形状と指定した走査ステップサイズSsから分割図形内の走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算する機能。図25は図形内の実際の照射点数の説明図である。
・分割図形内の実際の荷電粒子照射数に対する、計算上の照射数の比を図形形状補正係数と定義し、これを計算する機能。
・矩形の辺の長さが、走査ステップサイズSsの整数倍の場合、当該図形に対する図形形状補正係数を1とする機能。図3は矩形の辺の長さが走査ステップSsの整数倍の例を示す図である。ビームスポットが矩形の辺の長さに丁度収まるように描画されている。
・矩形の辺の長さが、走査ステップサイズSsの整数倍の場合、当該図形に対する図形形状補正係数を1とする機能。図3は矩形の辺の長さが走査ステップSsの整数倍の例を示す図である。ビームスポットが矩形の辺の長さに丁度収まるように描画されている。
・台形、三角形の辺の長さ、高さが走査ステップサイズSsの整数倍で、かつ斜辺の角度が45度の場合、当該図形に対する図形形状補正係数を1とする機能。図4は、辺の長さと高さが走査ステップSsの整数倍で斜辺の角度が45度の例を示している。(a)が三角形、(b)が台形の場合の描画の様子を示している。
・分割された図形に対し、図形形状補正係数をドーズ補正量として付与し、通常指定のドーズ補正量と合わせて最終ドーズ補正量を決定する機能。
・荷電粒子ビームの当該図形内の走査速度を、最終ドーズ補正量に従って変調し、走査丸め誤差による図形形状の変化を、ドーズ量で補正する機能。
・荷電粒子ビームの当該図形内の走査速度を、最終ドーズ補正量に従って変調し、走査丸め誤差による図形形状の変化を、ドーズ量で補正する機能。
以上の機能を持った装置の動作を説明すると、以下の通りである。
スポット型荷電粒子ビームの描画が開始されると、制御CPU10によりパターンデータ格納機器11から、指定した描画パターンデータが読み出され、パターンデータ分割ユニット12によりパターン分割サイズSpに従ってパターンデータが分割される。ここで、パターン分割サイズは、通常走査ステップサイズSsの整数倍の値を指定する。図26はパターン分割サイズSp並びに走査ステップサイズSsの説明図である。パターン分割サイズSp内に6個のビームスポットが存在している。
スポット型荷電粒子ビームの描画が開始されると、制御CPU10によりパターンデータ格納機器11から、指定した描画パターンデータが読み出され、パターンデータ分割ユニット12によりパターン分割サイズSpに従ってパターンデータが分割される。ここで、パターン分割サイズは、通常走査ステップサイズSsの整数倍の値を指定する。図26はパターン分割サイズSp並びに走査ステップサイズSsの説明図である。パターン分割サイズSp内に6個のビームスポットが存在している。
ここで、分割されて作製される矩形パターンデータの辺の長さ、台形の上辺、下辺、高さ、三角形の底辺、高さは、走査ステップサイズSsの整数倍、或いはパターン分割サイズSpになるように、予め当該描画装置用のパターンフォーマットに変換する際、多角形は描画時のパターン分割サイズSpの整数倍と描画時の走査ステップサイズSsの整数倍の和になるように分割されていることを前提とする。図23は基準点と各頂点間の相対距離を示す図である。頂点Aを基準(0,0)としたとき、各頂点とのX座標,Y座標の差分をSpの整数倍とSsの整数倍の和となるように分割している。但し、前記前提は、描画均一性を高めるためのものであり、本動作に対して前記前提は必須事項ではない。
ここで、分割されたパターンデータは、図形形状補正係数演算ユニット13、走査速度変調量演算ユニット14を経て、走査信号発生ユニット15により描画の際の電気信号へと変換される(図1参照)。その際、図形形状補正係数演算ユニット13では、分割された図形面積から実際の描画面積を求め、この描画面積と指定した走査ステップサイズSsから分割図形内の計算上の荷電粒子ビーム照射数を計算し、これをSn_cとする(図24参照)。この照射数には、走査丸めの影響は考慮せず、描画面積と走査ステップサイズSsから機械的に計算するものであり、自然数に丸める必要はない。
次に、当該分割図形と走査ステップサイズSsから、走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算し、これをSn_aとする(図25参照)。図24は図形内の計算上の照射点数であるから、この三角形内の計算上の照射点数Sn_cは次式で表される。
Sn_c=((Lx/Ss)・(Ly/Ss))/2
これに対して、図25に示す走査丸めを含んだ実際の照射点数はビームスポット数をカウントすればよくSn_aとなる。
これに対して、図25に示す走査丸めを含んだ実際の照射点数はビームスポット数をカウントすればよくSn_aとなる。
ここで、Sn_c/Sn_aは、分割図形内の実際の荷電粒子照射数に対する、計算上の照射数の比となり、これとを図形形状補正係数とする。なお、矩形の辺の長さが走査ステップサイズSsの整数倍の場合、また台形、三角形の辺の長さ、高さが走査ステップサイズSsの整数倍でかつ斜辺の角度が45度の場合、当該図形では走査丸めが発生しないため、当該図形に対する図形形状補正係数は無条件で1とする(図3,図4参照)。
今、Sn_c>Sn_aの場合は、走査丸めの影響で描画図形の中に、ビーム照射が行われない部分が存在することになり、当該図形は全体としてドーズ量不足となって、図形形状が変形する(図28,図29)。図28は走査丸めによるドーズ量変化の説明図である。図29は走査丸めの影響による図形形状変化の説明図である。一方、Sn_a>Sn_cの場合は、当該図形は全体としてドーズ量オーバーとなって、図形形状が変化する(図28,図29)。
そこで、Sn_c/Sn_aをドーズ補正量として、当該図形を描画する際の走査速度を変調させることで、走査丸めの影響でドーズ量不足の場合は走査速度が低下し、ドーズ量が過剰の場合は走査速度が増すため、走査丸めの影響を荷電粒子ビーム照射点のドーズ量で補償することが可能である。図30は走査丸めによる図形形状変化の補正の説明図である。領域Aは図形全体のドーズ量を増加させることで描画図形サイズを拡大させる。領域Bは図形全体のドーズ量を減少させることで、描画図形サイズを縮小させる。
なお、当該図形には、設計の段階で付与したドーズ量補正番号と描画時に指定したドーズ量補正番号に対応するドーズ量補正(これをd_cとする)が実施される場合があるが、図形形状補正係数によるドーズ量補正とは独立した関係にある。よって、当該図形に対する最終ドーズ量補正値は(Sn_c/Sn_a)・d_cとなる。図2は図形形状補正係数の付加の説明図である。領域Cのドーズ量補正番号SRとドーズ量補正d_cは、本発明による最終ドーズ量補正で(Sn_c/Sn_a)・d_cとなる。なお、この場合において、ドーズ量補正d_cは近接効果補正とすることができる。これによれば、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去すると共に、近接効果補正も行なうことができる。
当該図形に対して決定された最終ドーズ量補正値に基づいて、荷電粒子ビームの走査速度が決定され、図形データから変換された描画位置に従って荷電粒子ビームが当該図形内を走査する。即ち、図1に示す装置の電子ビーム偏向増幅器16から電子ビーム偏向器17に偏向信号が印加され、電子ビーム19はこの偏向信号により試料21内をビーム走査することになる。
図5に走査丸めによる形状変化をドーズ量で補正した実施例を示す。図5は三角形の描画事例を示している。この図形内の計算上の照射数は1002、実際の照射数は954であるから、図形形状補正係数は(1002/954)は約1.05となる。一方、実験的に求めたこの三角形図形に対する最適ドーズ量補正値も1.05になる。
このように、第1の実施の形態によれば、パターン分割された図形面積と描画時の走査ステップサイズから求めた走査丸めを含んだ実際図形内の照射数に対する、前記図形面積と前記走査ステップサイズから計算した当該図形内の照射数の比を求め、この値を当該図形描画に対するドーズ補正量として定義し、描画の際にこのドーズ補正量を与えることで、走査丸めによって発生する図形形状変化を補正するようにしているので、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去することができる。
(実施の形態2)
第2の実施の形態は以下の機能を持つ。
(実施の形態2)
第2の実施の形態は以下の機能を持つ。
・CAD等で作製した描画パターンを、スポット型荷電粒子ビーム描画装置用にフォーマット変換する際、パターン分割サイズSp、走査ステップサイズSsを指定する機能。
・ドーズ量補正番号数を指定する機能。
・ドーズ量補正番号数を指定する機能。
・CAD等で作製した描画パターンをフィールドサイズ、及びフィールドサイズに準ずるサイズで分割する機能。図6はフィールド分割並びにフィールドに準じた分割の説明図である。図の実線はフィールド分割線、図の破線はフィールド分割に準ずる分割線である。
・CAD等で作製した描画パターン内の多角形の、基準頂点座標と同多角形内各頂点のX,Y方向の距離(ΔX,ΔY)がパターン分割サイズSpの整数倍と走査ステップサイズSsの整数倍の和に一致せず、その誤差が走査ステップサイズSsの±1/2を超え、かつその誤差が走査ステップサイズSsの整数倍にならない場合、ΔX又はΔYがパターン分割サイズSpの整数倍と走査ステップサイズSsの整数倍の和になるよう、当該頂点座標を、走査ステップサイズSsの±1/2内の範囲で変更する機能。図10は基準頂点からの相対座標の修正の他の例を示す図である。図に示す座標(ΔX1,ΔY1)を条件を満足する座標(ΔX1’,ΔY1’)に移すことになる。
・CAD等で作製したスポット型荷電粒子ビーム描画パターンを、当該描画パターン用のデータフォーマットに変換する際、指定したパターン分割サイズSp、分割手法に従って描画パターンを分割する機能。図11は多角形分割の説明図である。図を参照すると、多角形が三角形、矩形に分割されていることが分かる。
・指定した、描画時の走査ステップサイズSsから、分割された図形の面積内のビーム照射数を計算する機能(図24参照)。
・指定した、描画時の走査ステップサイズSsから、分割された図形内の実際のビーム照射数を計算する機能(図25参照)。
・指定した、描画時の走査ステップサイズSsから、分割された図形内の実際のビーム照射数を計算する機能(図25参照)。
・分割図形内の実際のビーム照射数に対する、当該図形内の計算上のビーム照射数の比を、描画図形形状補正係数と定義し、これを計算する機能。
・矩形の辺の長さが、走査ステップサイズSsの整数倍の場合、当該図形に対する図形形状補正係数を1とする機能(図4参照)。
・矩形の辺の長さが、走査ステップサイズSsの整数倍の場合、当該図形に対する図形形状補正係数を1とする機能(図4参照)。
・台形、三角形の辺の長さ、高さが走査ステップサイズSsの整数倍で、かつ斜辺の角度が45度の場合、当該図形に対する図形形状補正係数を1とする機能(図4参照)。
・形状補正係数をドーズ補正量と定義して、当該分割図形にドーズ補正量を付与する機能。図12はドーズ補正量付加の説明図である。図形Eにはドーズ補正量D1を、図形Fにはドーズ補正量D2を、図形Gにはドーズ補正量D3をそれぞれ付与していることが分かる。
・形状補正係数をドーズ補正量と定義して、当該分割図形にドーズ補正量を付与する機能。図12はドーズ補正量付加の説明図である。図形Eにはドーズ補正量D1を、図形Fにはドーズ補正量D2を、図形Gにはドーズ補正量D3をそれぞれ付与していることが分かる。
・全ドーズ量補正範囲と指定したドーズ量補正番号から、各ドーズ量補正番号に対応するドーズ量補正範囲を定義する機能。
・各ドーズ量補正番号に対応したドーズ量補正テーブルを作成する機能。図13はドーズ量補正テーブルの構成例を示す図である。ドーズ量補正番号と対応付けてドーズ補正量が記憶されている。そのドーズ量補正テーブルは、制御CPU10内又はパターンデータ格納機器11内に記憶される。
・各ドーズ量補正番号に対応したドーズ量補正テーブルを作成する機能。図13はドーズ量補正テーブルの構成例を示す図である。ドーズ量補正番号と対応付けてドーズ補正量が記憶されている。そのドーズ量補正テーブルは、制御CPU10内又はパターンデータ格納機器11内に記憶される。
・各ドーズ量補正番号に対応するドーズ量補正範囲の関係から、各図形毎にドーズ量補正番号を付与し、すでに付与されていた当該図形へのドーズ補正量を削除する機能。図14は、ドーズ量補正番号とドーズ補正量の付加の説明図である。(a)に示す各図形のドーズ補正量は、(b)に示すようにドーズ補正量の再設定が行なわれる。
・ドーズ量補正番号を付与された分割図形を、同一ドーズ量補正番号の図形は合成した後、当該描画パターン用のデータフォーマットに変換する機能(図14参照)。
このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。制御CPU10はパターンデータ格納機器11からパターンデータを読み出す。制御CPU10は読み出されたパターンデータをパターンデータ分割ユニット12に与える。該パターンデータ分割ユニット12は、CAD等で作製された描画パターンを、フィールドサイズ及びフィールドサイズに準ずるサイズで分割する。ここで、フィールドサイズ及びフィールドサイズに準ずるサイズの指定は、操作部20から制御CPU10に与えられる。図6はフィールド分割並びにフィールドに準じた分割の説明図である。
このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。制御CPU10はパターンデータ格納機器11からパターンデータを読み出す。制御CPU10は読み出されたパターンデータをパターンデータ分割ユニット12に与える。該パターンデータ分割ユニット12は、CAD等で作製された描画パターンを、フィールドサイズ及びフィールドサイズに準ずるサイズで分割する。ここで、フィールドサイズ及びフィールドサイズに準ずるサイズの指定は、操作部20から制御CPU10に与えられる。図6はフィールド分割並びにフィールドに準じた分割の説明図である。
制御CPU10はフィールド境界並びにフィールドサイズに準ずるサイズで分割されたパターンを含む各多角形から、基準となる頂点を定義する。図7は基準頂点の定義の説明図である。定義された頂点の座標は(X1,Y1)→(0,0)とする。頂点の定義は任意である。制御CPU10は、ここで定義された頂点(以下基準頂点という)座標から、他の同多角形内の各頂点座標を計算する。図8は基準点から各頂点の相対座標の定義を示す図である。各頂点が、(ΔX1,ΔY1)〜(ΔX5,ΔY5)と求まる。ここで、各頂点と基準頂点間のX,Y方向の距離を(ΔX,ΔY)とする。
ここで、ΔX又はΔYがパターン分割サイズSpの整数倍と一致せず、かつその誤差が走査ステップサイズSsの±1/2内の場合、ΔX又はΔYをパターン分割サイズSpの整数倍と一致させるように当該頂点座標を変更する。図9は基準頂点からの相対座標の修正を示す図である。(a)に示すような多角形があり、それぞれの頂点の座標が(ΔX1,ΔY1)〜(ΔX5,ΔY5)である場合、(b)に示すように、(ΔX1,ΔY1)の位置を条件を満足する(ΔX1’,ΔY1’)へ変更する。
誤差がSsの±1/2に一致する場合の該当、非該当の指定は、操作部20から操作者が行なう。また、ΔX、又はΔYがパターン分割サイズSpの整数倍と一致せず、かつその誤差が走査ステップサイズSsの±1/2を超え、かつその誤差が走査ステップサイズSsの整数倍にならない場合、ΔX又はΔYがパターン分割サイズSpの整数倍と走査ステップサイズSsの整数倍の和になるよう、当該頂点座標を、走査ステップサイズSsの±1/2内の範囲で変更する(図10参照)。
誤差が走査ステップサイズSsの整数倍と1/2に一致した場合、この1/2を切り上げるか切り捨てるかの指定は、操作者が操作部20から制御CPU10に入力することで行なう。なお、通常、図形分割サイズSpは走査ステップサイズSsの整数倍となるように指定する。
以上の過程で、当該多角形の各頂点間距離は
1.パターン分割サイズSpの整数倍
2.パターン分割サイズSpの整数倍と走査ステップサイズSsの整数倍の和
3.走査ステップサイズSsの整数倍
のどれかに該当することになる。
1.パターン分割サイズSpの整数倍
2.パターン分割サイズSpの整数倍と走査ステップサイズSsの整数倍の和
3.走査ステップサイズSsの整数倍
のどれかに該当することになる。
次に、当該多角形を、パターン分割サイズSpの値に従って、描画の際の分割と同じ手法で分割する(図11参照)。ここで分割されて作成される矩形パターンデータの辺の長さ、台形の上辺、下辺、高さ、三角形の底辺、高さは走査ステップサイズSsの整数倍、或いはパターン分割サイズSpになるが、この前提は、描画均一性を高めるためのものであり、本発明動作に対し前記前提は必ずしも必要ではない。
ここで、制御CPU10は分割された図形面積から実際の描画面積を求め、この描画面積と指定した走査ステップサイズSsから分割図形内の計算上の荷電粒子ビーム照射数を計算し、これをSn_cとする(図24参照)。この照射数には、走査丸めの影響は考慮せず、描画面積と走査ステップサイズSsから機械的に計算するものであり、自然数に丸める必要はない。次に、当該分割図形と走査ステップサイズSsから、走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算し、ことをSn_aとする(図25参照)。
ここで、Sn_c/Sn_aは、分割図形内の実際の荷電粒子照射数に対する、計算上の照射数の比となり、これを図形形状補正係数とする。なお、矩形の辺の長さが走査ステップサイズSsの整数倍の場合、また台形、三角形の辺の長さ、高さが走査ステップサイズSsの整数倍で、かつ斜辺の角度が45度の場合、当該図形では走査丸めが発生しないため、当該図形に対する図形形状補正係数は無条件で1とする(図3,図4)。
今、Sn_c>Sn_aの場合は、走査丸めの影響で描画図形の中に、ビーム照射が行われない部分が存在することになり、当該図形は全体としてドーズ量不足となり、図形形状が変形する(図28,図29参照)。一方、Sn_a>Sn_cの場合は、当該図形は全体としてドーズ量オーバーとなり、図形形状が変形する(図28,図29参照)。
そこで、Sn_c/Sn_aをドーズ補正量として、当該図形を描画する際の走査速度を変調させることで、走査丸めの影響でドーズ量不足の場合は走査速度が低下し、ドーズ量が過剰の場合は走査速度が増すため、走査丸めの影響を荷電粒子ビーム照射点のドーズ量で補償することが可能となる(図30参照)。具体的には、制御CPU10は走査速度変調量演算ユニット14を制御して、ドーズ量が多い場合は走査速度を速くし、ドーズ量が少ない場合は走査速度を遅くする。これにより、全体として均質な描画が可能となる。
ここで、制御CPU10は各図形毎にドーズ補正量を付与する(図12参照)。制御CPU10は、全図形に対するドーズ補正量の範囲を求め、このドーズ量範囲と指定したドーズ量補正番号数から、各ドーズ補正量範囲に対応したドーズ量補正番号を決定する。各ドーズ量補正番号に対応するドーズ補正量範囲の定義は、ドーズ量補正範囲の上限から下限の値を差し引いた値をドーズ量補正番号で割るという手法に限らず、ドーズ量の変化が急峻な部分は細かく、ドーズ量の変化が少ない部分は粗く指定することも可能である。
ドーズ量補正番号と各ドーズ量補正番号に対応するドーズ補正量の関係を、ドーズ量補正テーブルとして作成し(図13参照)、出力して描画の際に使用する。図13はドーズ量補正テーブルの構成例を示す図である。ドーズ量補正番号とドーズ補正量とから構成されている。一方、先にドーズ補正量を付与された各図形に対しては、そのドーズ補正量に対応したドーズ量補正番号が付与され、既に付与されていたドーズ補正量の値を削除し(図14参照)、同一ドーズ量の補正番号の図形を合成した後、当該描画パターン用のデータフォーマットに変換する(図14参照)。
このように、第2の実施の形態においても、パターン分割された図形面積と描画時の走査ステップサイズから求めた走査丸めを含んだ実際図形内の照射数に対する、前記図形面積と前記走査ステップサイズから計算した当該図形内の照射数の比を求め、この値を当該図形描画に対するドーズ補正量として定義し、描画の際にこのドーズ補正量を与えることで、走査丸めによって発生する図形形状変化を補正するようにしているので、台形、三角形の斜辺部分の走査丸めの影響を除去することができる。
(実施の形態3)
第3の実施の形態は以下の機能を持つ。
(実施の形態3)
第3の実施の形態は以下の機能を持つ。
・当該描画装置用のフォーマットデータを入力し、同フォーマットに変換する際、パターン分割サイズSp、走査ステップサイズSsを指定する機能。
・ドーズ量補正番号数を指定する機能
・入力した当該描画装置用のフォーマットパターンを合成、輪郭処理する機能。
・ドーズ量補正番号数を指定する機能
・入力した当該描画装置用のフォーマットパターンを合成、輪郭処理する機能。
・当該描画装置用のフォーマットに変換する際、フィールドサイズ及びフィールドサイズに準ずるサイズで分割する機能。図6はフィールド分割並びにフィールドに準じた分割を示す図である。
・当該描画パターン内の多角形の、基準頂点座標と同多角形内各頂点のX,Y方向の距離(ΔX,ΔY)がパターン分割サイズSpの整数倍と走査ステップサイズSsの整数倍の和に一致せず、その誤差が走査ステップサイズSsの±1/2を超え、かつその誤差が走査ステップサイズSsの整数倍にならない場合、ΔX又はΔYがパターン分割サイズSpの整数倍と走査ステップサイズSsの整数倍の和になるように、当該頂点、座標を走査ステップサイズSsの±1/2内の範囲で変更する機能(図9参照)。
・入力した当該描画装置用のフォーマットパターンを、同フォーマットに変換する際、指定したパターン分割サイズSp、分割手法に従って描画パターンを分割する機能(図8参照)。
・指定した描画時の走査ステップサイズSsから、分割された図形の面積内のビーム照射数を計算する機能(図24参照)。
・指定した描画時の走査ステップサイズSsから、分割された図形内の実際のビーム照射数を計算する機能(図25参照)。
・指定した描画時の走査ステップサイズSsから、分割された図形内の実際のビーム照射数を計算する機能(図25参照)。
・分割図形内の実際のビーム照射数に対する当該図形内の計算上のビーム照射数の比を、描画図形形状補正係数と定義し、これを計算する機能。
・矩形の辺の長さが、走査ステップサイズSsの整数倍の場合、当該図形に対する図形形状補正係数を1とする機能(図3参照)。
・矩形の辺の長さが、走査ステップサイズSsの整数倍の場合、当該図形に対する図形形状補正係数を1とする機能(図3参照)。
・台形、三角形の辺の長さ、高さが走査ステップサイズSsの整数倍で、かつ斜辺の角度が45度の場合、当該図形に対する図形形状補正係数を1とする機能(図4参照)。
・形状補正係数をドーズ補正量と定義して、当該分割図形にドーズ補正量を付与する機能(図12参照)。
・形状補正係数をドーズ補正量と定義して、当該分割図形にドーズ補正量を付与する機能(図12参照)。
・全ドーズ量補正範囲と指定したドーズ量補正番号数から、各ドーズ量補正番号に対応するドーズ量補正範囲を定義する機能
・各ドーズ量補正番号に対応したドーズ量補正テーブルを作成する機能(図13参照)
・各ドーズ量補正番号に対応するドーズ量補正範囲の関係から、各図形毎にドーズ量補正番号を付与し、すでに付与されていた当該図形へのドーズ補正量を削除する機能(図14参照)。
・各ドーズ量補正番号に対応したドーズ量補正テーブルを作成する機能(図13参照)
・各ドーズ量補正番号に対応するドーズ量補正範囲の関係から、各図形毎にドーズ量補正番号を付与し、すでに付与されていた当該図形へのドーズ補正量を削除する機能(図14参照)。
・ドーズ量補正番号を付与された分割図形を、同一ドーズ量補正番号の図形は合成した後、当該描画パターン用のデータフォーマットに変換する機能(図14参照)。
このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。この実施の形態3は、実施の形態2の動作を、当該描画装置用のフォーマットを入力し、同フォーマットで出力させるものである。入力するパターン図形は、既に当該フォーマットを満たす形で分割されているため、各図形を合成し、輪郭補正する。図15は図形の合成と輪郭処理の説明図である。(a)に示すような入力図形に対して、合成と輪郭補正すると(b)に示すような合成、輪郭処理図形ができる。但し、図形の合成、輪郭処理は必ずしも実施する必要はなく、分割図形のままの処理も可能である。
(実施の形態4)
実施の形態4は、以下の機能を持つ。
このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。この実施の形態3は、実施の形態2の動作を、当該描画装置用のフォーマットを入力し、同フォーマットで出力させるものである。入力するパターン図形は、既に当該フォーマットを満たす形で分割されているため、各図形を合成し、輪郭補正する。図15は図形の合成と輪郭処理の説明図である。(a)に示すような入力図形に対して、合成と輪郭補正すると(b)に示すような合成、輪郭処理図形ができる。但し、図形の合成、輪郭処理は必ずしも実施する必要はなく、分割図形のままの処理も可能である。
(実施の形態4)
実施の形態4は、以下の機能を持つ。
・スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、パターン分割サイズSp、走査ステップサイズSs、基準荷電粒子ビーム照射数密度Sdを指定する機能。
・スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、指定したパターン分割サイズSpに従って、当該装置用のパターンデータを分割する機能(図19参照)。
・スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、指定したパターン分割サイズSpに従って、当該装置用のパターンデータを分割する機能(図19参照)。
・分割された図形面積から当該図形面積を求める機能。図16は分割図形面積計算の説明図である。X方向の辺長をLx、Y方向の辺長をLyとすれば、この三角形内の面積Afは、Af=(Lx・Ly)/2
で表すことができる。
で表すことができる。
・分割された図形から実際の描画形状を求め、この形状と指定した走査ステップサイズSsから分割図形内の、走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算する機能(図25参照)。
・分割図形内の荷電粒子照射数を当該図形面積で割った値を照射数密度と定義する機能
・各図形毎の照射数密度と指定した基準荷電粒子ビーム照射線密度から図形形状補正係数と定義し、これを計算する機能。図17は図形形状補正係数の計算の説明図である。
・各図形毎の照射数密度と指定した基準荷電粒子ビーム照射線密度から図形形状補正係数と定義し、これを計算する機能。図17は図形形状補正係数の計算の説明図である。
・分割された図形に対し、図形形状補正係数をドーズ補正量として付与し、通常指定のドーズ補正量と合わせて最終ドーズ補正量を決定する機能。
・荷電粒子ビームの当該図形内の走査速度を、最終ドーズ補正量に従って変調し、走査丸め誤差による図形形状の変化を、ドーズ量で補正する機能。
・荷電粒子ビームの当該図形内の走査速度を、最終ドーズ補正量に従って変調し、走査丸め誤差による図形形状の変化を、ドーズ量で補正する機能。
このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
スポット型荷電粒子ビームの描画が開始されると、パターンデータ格納機器11から操作部20で指定した描画パターンデータが読み出され、パターン分割サイズSpに従ってパターンデータ分割ユニット12でパターンデータが分割される。ここで、パターン分割サイズは、通常、走査ステップサイズSsの整数倍の値を指定する。図26はパターン分割サイズSp並びに走査ステップサイズSsの説明図である。パターン分割サイズSpの中に、走査ステップサイズSsのスポットが整数個(ここでは6個)入っている。即ち、スポットサイズSsが6個でパターン分割サイズSpを構成していることになる。
スポット型荷電粒子ビームの描画が開始されると、パターンデータ格納機器11から操作部20で指定した描画パターンデータが読み出され、パターン分割サイズSpに従ってパターンデータ分割ユニット12でパターンデータが分割される。ここで、パターン分割サイズは、通常、走査ステップサイズSsの整数倍の値を指定する。図26はパターン分割サイズSp並びに走査ステップサイズSsの説明図である。パターン分割サイズSpの中に、走査ステップサイズSsのスポットが整数個(ここでは6個)入っている。即ち、スポットサイズSsが6個でパターン分割サイズSpを構成していることになる。
ここで、分割されて作成される矩形パターンデータの辺の長さ、台形の上辺、下辺、高さ、三角形の底辺、高さは、走査ステップサイズSsの整数倍、或いはパターン分割サイズSpになるように、予め当該描画装置用のパターンフォーマットに変換する際、多角形は描画時のパターン分割サイズSpの整数倍と描画時の走査ステップサイズSsの整数倍の和になるように分割されていることを前提とする。
図23は基準点と各頂点間の相対距離を示す図である。図では、頂点をAとして、6個の頂点が存在する例を示している。但し、前記前提は、描画均一性を高めるためのものであり、本動作に対し前記前提は必須事項ではない。ここで、分割されたパターンデータは、描画の際の電気信号へと変換される。図27はパターンデータから描画用電気信号の発生の説明図であり、パターンデータ分割ユニット12,図形形状補正係数演算ユニット13,走査速度変調量演算ユニット14及び走査信号発生ユニット15から構成される。前記図1にて使用した記号と同一記号の付されたものは同一構成要素を示す。
ここで、分割されたパターンデータが描画の際の電気信号に変換される際、図形形状補正係数演算ユニット13では、分割された図形の面積Afを求める(図16参照)。次に、当該分割図形と走査ステップサイズSsから、走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算し、これをSn_aとする(図25参照)。ここで、制御CPU10は、Sn_a/Afを、分割図形内の荷電粒子照射数密度と定義し、基準荷電粒子ビーム照射数密度Sdとの関係から、
Sd/(Sn_a/Af)を図形形状補正係数とする。図17は、図形形状補正係数の計算の説明図である。
Sd/(Sn_a/Af)を図形形状補正係数とする。図17は、図形形状補正係数の計算の説明図である。
今、Sd>(Sn_a/Af)の場合は、走査丸めの影響で、描画図形の中に、ビーム照射が行われない部分が存在することになり、当該図形は全体としてドーズ量不足となって、図形形状が変形する(図28,29参照)。一方、(Sn_a/Af)>Sdの場合は、当該図形は全体としてドーズ量オーバーとなり図形形状が変形する(図28,図29参照)。
そこで、Sd/(Sn_a/Af)をドーズ補正量として、当該図形を描画する際の走査速度を変調させることで、走査丸めの影響でドーズ量不足の場合は走査速度が低下し、ドーズ量が過剰の場合は走査速度が増すため、走査丸めの影響を荷電粒子ビーム照射点のドーズ量で補償することが可能となる(図30参照)。このようなドーズ量補正制御は、具体的には制御CPU10が走査信号発生ユニット15を制御することで実現することが可能となる。
なお、当該図形には、設計の段階で付与したドーズ量補正信号と描画時に指定したドーズ量補正番号に対応するドーズ量補正(これをd_cとする)が実施される場合があるが、図形形状補正係数によるドーズ量補正とは、独立した関係にある。従って、当該図形に対する最終ドーズ量補正値は、
(Sd/(Sn_a/Af))・d_c
となる。当該図形に対して決定された最終ドーズ量補正値に基づいて、荷電粒子ビームの走査速度が決定され、図形データから変換された描画位置に従って荷電粒子ビームが当該図形内を走査することになる(図1参照)。
(実施の形態5)
実施の形態5は、実施の形態1,4に描画時のリアルタイム近接効果補正を組み合わせたものである。構成としては、
・指定した近接効果パラメータに従い、当該描画装置用のパターンを、図形サイズ、或いはドーズ量の補正で近接効果を実施する機能を追加したものである。
(Sd/(Sn_a/Af))・d_c
となる。当該図形に対して決定された最終ドーズ量補正値に基づいて、荷電粒子ビームの走査速度が決定され、図形データから変換された描画位置に従って荷電粒子ビームが当該図形内を走査することになる(図1参照)。
(実施の形態5)
実施の形態5は、実施の形態1,4に描画時のリアルタイム近接効果補正を組み合わせたものである。構成としては、
・指定した近接効果パラメータに従い、当該描画装置用のパターンを、図形サイズ、或いはドーズ量の補正で近接効果を実施する機能を追加したものである。
動作は以下の通りである。描画が開始されると、指定した近接効果パラメータに従ってパターンの形状補正、或いはドーズ量補正を実施する。ここで、近接効果補正の手法は問わず、パターンの分割、ドーズ量補正番号付加、ドーズ量補正量の計算を実施した後、実施の形態1で示すと同様の処理を実施する。近接効果補正と実施の形態1の補正は独立なため、近接効果を形状補正で実施する場合は、形状補正を行なった図形に対して実施の形態1に従った補正を実施する。
近接効果をドーズ量で補正する場合は、近接効果補正用にパターンを分割、ドーズ量補正番号付加、ドーズ補正量テーブルを作成した後に、実施の形態1と4に従った補正を実施する。
(実施の形態6)
実施の形態6は、実施の形態2,3,5に近接効果補正を組み合わせるものである。構成としては、指定した近接効果パラメータに従い、当該描画装置用のパターンを図形サイズ或いはドーズ量の補正で近接効果補正を実施する機能を追加したものである。動作は以下の通りである。
(実施の形態6)
実施の形態6は、実施の形態2,3,5に近接効果補正を組み合わせるものである。構成としては、指定した近接効果パラメータに従い、当該描画装置用のパターンを図形サイズ或いはドーズ量の補正で近接効果補正を実施する機能を追加したものである。動作は以下の通りである。
入力したCAD等で作製した描画パターン、又は当該描画装置用フォーマットに、指定した近接効果パラメータに従ってパターンの形状補正、或いはドーズ量補正を実施する。ここで、近接効果の補正の手法は問わず、パターンの分割、ドーズ量補正番号付加、ドーズ量補正量の計算を実施した後、実施の形態2,3と同様の処理を実施する。
近接効果補正と実施の形態2,3の補正は独立なため、近接効果を形状補正して実施する場合は、形状補正を行なった図形に対して、実施の形態2,3に従った補正を実施する。近接効果をドーズ量で補正する場合は、近接効果補正用にパターンを分割、ドーズ量補正番号付加、ドーズ補正量テーブルを作成した後に、実施の形態2,3,5に従った補正を実行する。
本発明の効果を列挙すると、以下の通りである。
1)スポット型荷電粒子ビーム描画用のパターンデータフォーマット変換の際、描画時のパターン分割サイズSp、走査ステップサイズSsを指定し、入力パターンの各頂点間の距離(ΔX,ΔY)を描画時のパターン分割サイズSpの整数倍と走査ステップサイズSsの整数倍の和に調整する機能を有することで、分割後のパターン描画時、XY方向の直線走査では丸め誤差をなくすことができるが、斜辺部分の走査丸めによる描画図形形状の変形を荷電粒子ビーム照射点でのドーズ量で補正することで、より完全な均一描画を実現することが可能になる。
1)スポット型荷電粒子ビーム描画用のパターンデータフォーマット変換の際、描画時のパターン分割サイズSp、走査ステップサイズSsを指定し、入力パターンの各頂点間の距離(ΔX,ΔY)を描画時のパターン分割サイズSpの整数倍と走査ステップサイズSsの整数倍の和に調整する機能を有することで、分割後のパターン描画時、XY方向の直線走査では丸め誤差をなくすことができるが、斜辺部分の走査丸めによる描画図形形状の変形を荷電粒子ビーム照射点でのドーズ量で補正することで、より完全な均一描画を実現することが可能になる。
2)スポット型荷電粒子ビームでの描画の際、走査丸めによるドーズ量過剰、ドーズ量不足から発生する描画図形の変形を、各描画図形単位に、計算上の荷電粒子ビームの照射数と実際の照射数の関係、又は各描画図形単位の照射点数密度からドーズ量で自動的に補償するため、ドーズ量補正値を決定するに当たっての実験的要素を必要としない。
近接効果補正としての図形形状補正、ドーズ量補正も同時に実施することが可能なため、スポット型荷電粒子ビーム描画での総合的な均一描画が可能となる。
10 制御CPU
11 パターンデータ格納機器
12 パターンデータ分割ユニット
13 図形形状補正係数演算ユニット
14 走査速度変調量演算ユニット
15 走査信号発生ユニット
16 電子ビーム偏向増幅器
17 電子ビーム偏光器
18 電子ビーム収束レンズ
19 電子ビーム
20 操作部
21 試料
11 パターンデータ格納機器
12 パターンデータ分割ユニット
13 図形形状補正係数演算ユニット
14 走査速度変調量演算ユニット
15 走査信号発生ユニット
16 電子ビーム偏向増幅器
17 電子ビーム偏光器
18 電子ビーム収束レンズ
19 電子ビーム
20 操作部
21 試料
Claims (4)
- スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、パターン分割サイズと走査ステップサイズを指定する第1のステップと、
スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、指定したパターン分割サイズに従って、当該装置用のパターンデータを分割する第2のステップと、
分割された図形面積から実際の描画面積を求め、この描画面積と指定した走査ステップサイズから分割図形内の計算上の荷電粒子ビーム照射数を計算する第3のステップと、
分割された図形から実際の描画形状を求め、この形状と指定した走査ステップサイズから分割図形の走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算する第4のステップと、
分割図形内の実際の荷電粒子照射数に対する、計算上の照射数の比を図形形状補正係数と定義し、これを計算する第5のステップと、
分割された図形に対し、図形形状補正係数をドーズ補正量として付与し、通常指定のドーズ補正量と合わせて最終ドーズ補正量を決定する第6のステップと、
荷電粒子ビームの当該図形内の走査速度を、最終ドーズ補正量に従って変調し、走査丸め誤差による図形形状の変化をドーズ量で補正する第7のステップと、
から構成される形状補正荷電粒子ビームパターン描画方法。 - 前記ステップ6における通常指定のドーズ補正量は、近接効果補正であることを特徴とする請求項1記載の形状補正荷電粒子ビームパターン描画方法。
- スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、パターン分割サイズと走査ステップサイズを指定する手段と、
スポット型荷電粒子ビーム描画装置における描画の際、指定したパターン分割サイズに従って、当該装置用のパターンデータを分割する手段と、
分割された図形面積から実際の描画面積を求め、この描画面積と指定した走査ステップサイズから分割図形内の計算上の荷電粒子ビーム照射数を計算する手段と、
分割された図形から実際の描画形状を求め、この形状と指定した走査ステップサイズから分割図形の走査丸めを含んだ実際の荷電粒子ビーム照射数を計算する手段と、
分割図形内の実際の荷電粒子照射数に対する、計算上の照射数の比を図形形状補正係数と定義し、これを計算する手段と、
分割された図形に対し、図形形状補正係数をドーズ補正量として付与し、通常指定のドーズ補正量と合わせて最終ドーズ補正量を決定する手段と、
荷電粒子ビームの当該図形内の走査速度を、最終ドーズ補正量に従って変調し、走査丸め誤差による図形形状の変化をドーズ量で補正する手段と、
から構成される形状補正荷電粒子ビームパターン描画装置。 - 前記通常指定のドーズ補正量は、近接効果補正であることを特徴とする請求項3記載の形状補正荷電粒子ビームパターン描画装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009003323A JP2010161268A (ja) | 2009-01-09 | 2009-01-09 | 形状補正荷電粒子ビーム描画方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010161268A true JP2010161268A (ja) | 2010-07-22 |
Family
ID=42578227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009003323A Withdrawn JP2010161268A (ja) | 2009-01-09 | 2009-01-09 | 形状補正荷電粒子ビーム描画方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010161268A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108717720A (zh) * | 2017-03-30 | 2018-10-30 | 纽富来科技股份有限公司 | 描绘数据制作方法 |
JP2019117961A (ja) * | 2019-04-25 | 2019-07-18 | 株式会社ニューフレアテクノロジー | 描画データ生成方法、プログラム、マルチ荷電粒子ビーム描画装置、及びパターン検査装置 |
-
2009
- 2009-01-09 JP JP2009003323A patent/JP2010161268A/ja not_active Withdrawn
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