JP2010159982A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低保磁力と低い残留磁束密度をもつ軟磁性膜を備え、この軟磁性薄膜で磁気収束する半導体装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体基板1に設けられたホール素子2と、このホール素子1上に設けられた軟磁性薄膜6とを備え、軟磁性薄膜6が、少なくともホウ素を含有している。半導体基板1上で、かつホール素子2上に設けられた有機絶縁膜4と、この有機絶縁膜4と軟磁性薄膜6との間に設けられた金属導電層5とを備え、軟磁性薄膜6が、金属導電層5上で少なくとも1個以上のホール素子2の感磁部を覆うように配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、より詳細には、低保磁力と低い残留磁束密度をもつ軟磁性薄膜を備え、この軟磁性薄膜で磁気収束する半導体装置及びその製造方法に関し、特に、ホール素子を含んだ磁気センサに関する。
従来のホール素子を含んだ磁気センサは、磁気収束のために軟磁性薄膜をホール素子の直上に備えられていることが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような磁気センサは、ホール素子上に軟磁性薄膜を配置することで、磁気収束効果による高感度化及び磁気収束板の端部から漏れる磁束をホール素子で検知することができ、この軟磁性薄膜は、NiFe合金薄膜を電解めっき法により形成している特徴を有している。
図1は、軟磁性薄膜のヒステリシス曲線を示す図で、磁気収束を行う軟磁性薄膜は、磁性材料であるため、外部磁場に対し、磁性材料の出力する飽磁束密度は、図1に示すようなヒステリシス曲線を示している。また、ヒステリシス量は、図1に示すヒステリシス曲線において、X軸の交点となる保磁力とY軸との交点となる残留磁束密度の大きさで定義できる。しかし、ヒステリシス量は、同じ外部磁場量でも磁場の印加方向や外部磁場の大きさにより変化するため、より高度な磁気センシングを実現するためには、ヒステリシス量を小さくすることが必要である。
特開2003−142752号公報
しかしながら、ヒステリシス量を小さくするためには、保磁力と残留磁束密度の低減が必要である。従来の技術では、保磁力は30〜100A/m、残留磁束密度は0.6〜1.1Tであり、磁気センサとしては、0.1〜1.0mT程度のヒステリシスを持っていた。磁気センサの使用磁場範囲は、数mTから数百mTの幅広い範囲で使用され、特に、数mTの使用磁場範囲では、0.1mTのヒステリシスを持っていても約10%の誤差となるため、より精度な測定を必要とする用途には適用できないという課題があった。そのため、より高精度な磁気センシングを実現するため更なる保磁力と残留磁束密度の低減行う必要があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、低保磁力と低い残留磁束密度をもつ軟磁性膜を備え、この軟磁性薄膜で磁気収束する半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、軟磁性薄膜中に含まれる鉄、ニッケル、ホウ素の合計を100重量%としたときに、鉄含有量が15〜30重量%、ホウ素含有量が0.2〜0.6重量%、残部がニッケルであり、その厚みが4〜30μmである軟磁性薄膜を備え、該軟磁性薄膜で磁気収束することを特徴とする。
また、請求項1の半導体装置において、前記軟磁性薄膜の保磁力が0.1〜30A/m、かつ残留磁束密度が0.05〜0.6Tであることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明において、請求項1又は2の半導体装置が、ホール素子を含む磁気センサであることを特徴とする。
また、半導体装置の製造方法であって、1個以上のホール素子と半導体回路が設けられた半導体基板上に、絶縁材料を形成し、該絶縁材料の上に金属導電層を形成し、該金属導電層上で1個以上のホール素子の感磁部を覆うような位置に少なくともホウ素を含有した軟磁性薄膜を形成することを特徴とする。
また、請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、前記軟磁性性薄膜がホウ素還元剤を配合しためっき液を用いて電解めっきで形成することを特徴とする。
本発明によれば、半導体基板に設けられたホール素子と、このホール素子上に設けられた軟磁性薄膜とを備え、この軟磁性薄膜が、少なくともホウ素を含有しているので、低保磁力と低い残留磁束密度をもつ軟磁性膜を備え、この軟磁性薄膜で磁気収束する半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
また、軟磁性薄膜中に含まれる鉄、ニッケル、ホウ素の合計を100重量%としたときに、鉄含有量が15〜30重量%、ホウ素含有量が0.2乃至0.6重量%、残部がニッケルであり、軟磁性薄膜の厚みが4乃至30μmであり、この軟磁性薄膜で磁気収するので、数mTの磁場環境化でも精度よく磁気センシングを行うが可能になり、また、ヒステリシス量が小さくなることで、不平衡電圧の絶対値とそのばらつきを低減できるという効果を奏する。
軟磁性薄膜のヒステリシス曲線を示す図である。 本発明に係る半導体装置の一実施形態を説明するための構成図である。 図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図で、半導体回路を形成する工程図である。 図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図で、下地導電層を形成する工程図である。 図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図で、下地導電層にレジストパターンを形成する工程図である。 図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図で、軟磁性薄膜を形成する工程図である。 図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図で、レジストを除去する工程図である。 図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図で、下地導電層を除去する工程図である。 実施例1及び比較例1における軟磁性薄膜中のホウ素含有量と保磁力の関係を示す図である。 実施例1及び比較例1におけるホウ素含有量と残留磁束密度の関係を示す図である。 実施例1及び比較例1における軟磁性薄膜中のホウ素含有量と(111)配向度(結晶方位)の関係を示す図である。 実施例1及び比較例1における軟磁性薄膜中のホウ素含有量と結晶子サイズの関係を示す図である。 実施例1及び比較例1におけるめっき液へのTMAB添加量と軟磁性薄膜中のホウ素含有量の関係を示す図である。 実施例2及び比較例2における軟磁性薄膜の膜厚と保磁力の関係を示す図である。 実施例2及び比較例2における軟磁性薄膜の膜厚と残留磁束密度の関係を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図2は、本発明に係る半導体装置の一実施形態を説明するための構成図で、図中符号1は半導体基板、2はホール素子、3は外部接続端子パッド、4は有機絶縁膜、5は下地導電層(金属導電膜)、6は軟磁性薄膜を示している。
本発明の半導体装置は、従来の磁性材料により磁気収束をしていた半導体装置に対して、ホウ素を所定量含有させた軟磁性薄膜をホール素子上に設けることで、ヒステリシス量の小さい半導体装置が得られたものである。なお、本発明の半導体装置は、ホール素子を備えた磁気センサであることも含まれている。
本発明の半導体装置は、半導体基板1に設けられたホール素子2と、このホール素子1上に設けられた軟磁性薄膜6とを備え、この軟磁性薄膜6が、少なくともホウ素を含有している。また、半導体基板1上で、かつホール素子2上に設けられた有機絶縁膜4と、この有機絶縁膜4と軟磁性薄膜6との間に設けられた金属導電層5とを備え、軟磁性薄膜6が、金属導電層5上で少なくとも1個以上のホール素子2の感磁部を覆うように配置されている。
つまり、本発明の半導体装置の特徴は、半導体基板1にホール素子2を備えており、半導体基板1上に有機絶縁膜4を備え、ホール素子1の直上に下地通電層5と軟磁性薄膜6を設けたものである。
軟磁性薄膜6は、膜中に含まれる鉄、ニッケル、ホウ素の合計を100重量%としたときに、鉄含有量が15〜30重量%、ホウ素含有量が0.2〜0.6重量%、残部がニッケルであり、その厚みが4〜30μmにコントロールすることで保磁力及び残留磁束密度の低減が可能になる。因みに、その時の軟磁性薄膜における結晶子サイズは5〜10nmで、NiFe(111)の結晶配向度は70〜100%である。また、軟磁性薄膜の保磁力は、0.1乃至30A/mで、かつ残留磁束密度は、0.05乃至0.6Tである。
図3乃至図8は、図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図である。本発明に係る半導体装置の製造方法は、1個以上のホール素子と半導体回路が設けられた半導体基板上に有機絶縁膜4を形成し、この有機絶縁膜4上に金属導電層5を形成し、この金属導電層5上で、かつ1個以上のホール素子の感磁部を覆うような位置に少なくともホウ素を含有した軟磁性薄膜6を形成するものである。また、軟磁性性薄膜6は、ホウ素還元剤を配合しためっき液を用いて電解めっきで形成するものである。
以下に、本発明に係る半導体装置の製造方法を工程順に沿って説明する。
図3は、図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図で、半導体回路を形成する工程図である。まず、図3に示すように、半導体基板1上に磁気センシングを行うホール素子2が少なくとも1個以上配置され、外部電極と電気的な接続を行うため外部接続端子パッド3を開口した状態で、有機絶縁膜4を形成する。半導体基板1としてはシリコンウエハでも、GaAs基板のいずれでもよく、ホール素子2はSiなどの半導体やInSb、InAs,GaAsなどの化合物半導体などが好ましく、それらの積層構造や不純物をSnやZnやSiなどをドープしたものを用いてもよい。また、外部接続端子パッド3の材料としては、AL系やAu系の材料が一般的である。また、有機絶縁膜4は、有機材料であるポリイミド、もしくはポリベンゾオキサゾール、ベンゾシクロブテンなどを用いることが望ましい。
図4は、図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図で、下地導電層を形成する工程図である。次に、図4に示すように、有機絶縁膜4上及び外部接続端子パッド3上に下地通電層5を配置する。下地通電層5としては積層膜を用いており、第1層としてTi、TiWなどのTi系材料を、第2層として、Cu系材料やAL材料、NiFe系材料を真空蒸着法、スパッタリング法、電解・無電解めっき法により形成する。Ti系材料は外部接続端子パッド3のAl系材料と下地通電層5のCu系材料の拡散バリヤ層として少なくとも0.1μm以上の厚みが望ましい。
また、第2層目の、Cu系材料やAL材料、NiFe系材料は電気抵抗を下げるため厚い方が好ましく、0.1〜10μmが望ましい。また、Cuは(111)の結晶方位に配向している。軟磁性薄膜6の結晶方位のミスマッチを減らすためにも(111)の結晶方位を持つCuを、軟磁性薄膜6を堆積する層として用いた方が良い。
図5は、図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図で、下地導電層にレジストパターンを形成する工程図である。次に、図5に示すように、下地導電層5上に軟磁性薄膜6のパターンを形成するためにレジスト7を形成し、露光、現像を行い、レジスト空隙部7aを形成する。レジスト材料としては、ポジレジスト、ネガレジストのどちらでも良いが、一般的には、めっき時の耐酸性と剥離性を両立できるナフトキノン・ジアゾ型のポジレジストが望ましい。レジスト7の膜厚は、フトキノン・ジアゾ型のポジレジスト型のレジストを用いることで最大40μmの膜厚が成膜可能である。また、レジスト7の膜厚は、軟磁性薄膜6よりも厚いことが必要であるため5〜40μmが望ましい。
図6は、図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図で、軟磁性薄膜を形成する工程図である。次に、図6に示すように、レジスト開口部7aにホウ素とニッケルと鉄から成る軟磁性薄膜6を電解めっき法により形成する。軟磁性薄膜6の膜厚は、磁気収束効果を実現するため厚い方が好ましいが、レジスト7より厚く成膜すると軟磁性薄膜6が垂直に成長せず、キノコ状に成長してしまう。そのため軟磁性薄膜6の膜厚は、レジスト7の膜厚より小さいことが望ましく、特に、4〜30μmの範囲が好ましい。
電解めっきを行うために、下地導電層5を形成したウエハをカソードとして、アノードとしてニッケルや鉄、白金などの可溶解性、もしくは不溶解性の金属板を用いて、電気を流すことでカソードの被めっき部分に軟磁性薄膜を形成することができる。めっき液としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硫酸鉄、ホウ酸、サッカリン、塩化ナトリウムとホウ素系還元剤であるテトラメチルアミンボラン(TMAB)やジメチルアミンボラン(DMAB)を用いた。ホウ素はめっき液中にTMABやDMABを添加することで、軟磁性薄膜中に共析させた。
また、本めっき液を用いて電解めっきを行う場合、めっき膜の析出電位は、めっき液の温度で変化するため、めっき液の温度を熱電対とヒーターやチラーを用いて、加熱冷却する必要がある。めっき液の温度は、電流密度やpHなどのめっき条件で大きく変わるが20〜60℃の間が好ましい。また、めっき時の陰極電流密度やpHも最適化する必要がある。陰極電流密度は、1〜70mA/cm2が好ましく、pHを2.0以下に下げると水素の発生量が多くなり、同じめっき時間でもめっき厚が薄くなるため、pHは2.0以上が好ましい。
図7は、図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図で、レジストを除去する工程図である。次に、図7に示すように、レジスト7を除去する。その結果、軟磁性薄膜6が下地通電層5上に残ることになる。
図8は、図2に示した半導体装置の製造方法を説明するための工程図で、下地導電層を除去する工程図である。最後に、図8に示すように、不要になった下地導電層5を、軟磁性薄膜6をマスクとして、ドライエッチング法、もしくはウエットエッチング法により除去する。その際、磁性材料が同時にエッチングされないようにすることが重要である。
また、電解めっきにより形成した軟磁性薄膜の評価法として、ホウ素の含有量は、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP)を、NiFeの配向度と結晶子のサイズはX線回折法を用いて算出した。また、磁気特性測定には、振動試料型磁力計(VSM)を用いて測定を行った。
軟磁性薄膜6中のホウ素量は、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP)を用いて行った。塩酸(1+1)と硝酸中に軟磁性薄膜を投入し、ヒーター上で加熱させ、軟磁性膜、下地通電層を溶解させ、ICPでニッケルと鉄とホウ素の発光強度を測定し、濃度が既知のニッケルと鉄とホウ素の標準試料を溶解させた検量線から各元素の含有量の算出を行った。軟磁性薄膜中の含有量は、ニッケルと鉄とホウ素の合計を100重量%とした時の各元素の含有量を重量%で表した。
軟磁性薄膜の結晶配向性は、励起線としてCu Kα線を用いて、out of plane方向に2θ/ωでのX線回折法により測定を行い、結晶子NiFe合金由来の(111)と(200)のピーク強度の積分値を算出し、(111)と(200)のピーク積分値の合計に対し、(111)のピーク積分値がどの程度あるかを評価することで(111)への配向度(%)を評価した。また、結晶子サイズは、X線回折から得られたNiとFeの合金の(111)ピークの半価幅からScherrerの式を用いて算出した。
また、磁気特性測定は、軟磁性薄膜を形成した半導体装置チップを試料台にセットし、電磁石により磁場を発生しながら試料を振動した際に発生する磁化曲線を描くことで、保磁力や残留磁束密度を算出した。
以下、本発明の実施形態に基づき各実施例について具体的に説明する。なお、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1及び比較例1]
まず、本発明の半導体装置に係る軟磁性薄膜の実施例1及び比較例1について説明する。
半導体基板1としてシリコン基板を用いて、信号処理回路とホール素子を組み合わせたICを形成する。ICの外部接続用端子パッド3は、Alを用いて形成されており、Alパッドを開口してポリイミドを5μmの厚みで形成する。
その上に下地通電層5としてスパッタリング法でTiを1500Å、Cuを6000Å形成したものに、20μmのポジレストを用いて、ICのチップ単位毎に、円形300μmの開口を露光、現像処理で開口した。
レジスト開口を行った半導体基板1をカソードとしてめっき用ホルダにセットし、アノードとして純度が4NのNi板を用いて、電解めっきに浸漬し、通電を行うことで電解めっきを行った。電解用めっき液としては、硫酸鉄・7水和物を5g/Lに、硫酸ニッケル・6水和物を35g/L、塩化ニッケル・6水和物を85g/L配合しためっき液に、添加剤としてホウ酸、塩化ナトリウムをそれぞれ25g/L、サッカリン酸ナトリウムを1.5g/Lを配合して、最後に1N塩酸を用いてめっき液のpHをp3.6で調整した薬液を用い、めっき時の陰極電流密度を6mA/cm2、液温を30℃に固定し、実施例1としては、TMABを0.3、2.5、4.0、8.0、12.0、15.0g/L添加して電解めっきを行った。
また、比較例1としてTMABを添加しないで、軟磁性薄膜の膜厚が実施例と同様に13μmになるようめっき時間を調整し、電解めっきを行った。
次に、NMPからなる有機溶剤でレジスト除去を行い、ウエットエッチング法でTiとCuを除去し、本発明の半導体装置を作成した。
作成した半導体装置の軟磁性薄膜を塩酸(1+1)と硝酸中に溶解させてICP測定を行い軟磁性薄膜中のホウ素量を同定した。また、半導体装置に軟磁性薄膜が付いている状態で、X線回折を行い、結晶方位と結晶サイズ、そして、VSMにより磁気特性評価を行い、TMABの添加量を変えることで軟磁性薄膜中のホウ素含有量を変化させることによる磁気特性及び結晶構造の影響を実験的に確かめた。
図9は、実施例1及び比較例1における軟磁性薄膜中のホウ素含有量と保磁力の関係を示す図で、図10は、実施例1及び比較例1におけるホウ素含有量と残留磁束密度の関係を示す図である。
軟磁性薄膜6中にホウ素が多くなるほど、保磁力と残留磁束密度は低下することが分かった。ホウ素が軟磁性薄膜6中に含有しない比較例1では、保磁力が37A/m、残留磁束密度が0.67Tに対し、軟磁性薄膜6中にホウ素を0.2wt%含有させることで、保磁力は22A/m、残留磁束密度は0.35Tまで低下し、ホウ素含有量が0.4wt%まではホウ素含有量が増えるに従って保磁力、残留磁束密度が低下する。しかし、ホウ素量が0.62wt%になると保磁力は15A/m、残留磁束密度は0.20Tまで若干上昇するが、従来技術よりヒステリシスを低減できることを確認した。これによりヒステリシスを低減させるためには、軟磁性薄膜6中のホウ素量が0.2〜0.6wt%であることが望ましいことを実験的に確認した。
図11は、実施例1及び比較例1におけるX線回折により軟磁性薄膜中のホウ素含有量と((111)配向度(結晶方位)の関係を示す図で、図12は、実施例1及び比較例1における軟磁性薄膜中のホウ素含有量と結晶子サイズとの関係を示す図である。
軟磁性薄膜6中にホウ素が取り込まれる量が多いほど、結晶方位が(111)方向に配向して、かつ結晶子サイズも小さくなることが分かる。よって、軟磁性薄膜6中のホウ素量が0.2wt%以上であれば、そのホウ素取り込み量によらず、(111)の方向に70%以上配向して、かつ10nm以下の結晶子サイズの軟磁性薄膜6を作成できることを実験的に確認できた。
図13は、実施例1及び比較例1におけるめっき液へのTMAB添加量と軟磁性薄膜中のホウ素含有量との関係を示す図である。軟磁性薄膜6中のホウ素含有量は、めっき液中に加えるホウ素系還元剤であるTMABの量に依存する。TMABを2g/L以上めっき液に添加することで軟磁性薄膜6中に0.2wt%のホウ素が含有され、TMABの量を増やすことで、膜中のホウ素量は増加する。今回の実験では最大添加量としてTMABを15g/L添加した場合は軟磁性薄膜6中に0.62wt%のホウ素を含有させることができることを確認した。
これにより、TMABをめっき液中に添加して膜中にホウ素を含有させることで、保磁力と残留磁束密度の小さい軟磁性膜をすることができた。
[実施例2及び比較例2]
次に、本発明の半導体装置に係る実施例2及び比較例2について説明する。
磁気センシング用途として用いる場合、磁気飽和を防ぐため、軟磁性薄膜6は厚い方が好ましい。電解めっき工程のみ、TMABの添加量を12.0g/Lに固定し、電流密度は6mA/cm2、液温を30℃に固定して、めっき時間を変えることで膜厚を変化させた実験を実施例2として行った。また、同じように、TMABを添加せずにめっき時間を変えることで膜厚を変化させた比較例2として実験を行った。
図14は、実施例2及び比較例2における軟磁性薄膜の膜厚と保磁力の関係を示す図で、図15は、実施例2及び比較例2における軟磁性薄膜の膜厚と残留磁束密度の関係を示す図である。
膜厚を変えると保磁力と飽和磁束密度は大きく変化し、TMABを添加しない場合は保磁力に関しては、1μmの薄膜では120A/mで、膜厚が厚くなるほど保磁力は小さくなっていくが、8μm以上の厚みで40A/m程度で飽和するのに対し、TMABを12.0g/L添加することで1μmでも保磁力を40A/mまで低減でき、4μm以上の厚みでは20A/m以下でほぼ一定になることが分かる。また、飽和磁束密度も1μmの薄膜では0.9Tで、膜厚が厚くなれば若干低減するが0.7T程度までしか下がらない。これに対し、TMABを12.0g/L添加することで1μmでも飽和磁束密度は0.6Tであり、TMABを増やすことで0.1T程度まで低減し、32μmの膜厚まで残留磁束密度が変化しないことを確認できた。
これにより、保磁力30A/m以下、残留磁束密度0.6T以下を実現するためには軟磁性薄膜6の厚みを4〜30μmすることが望ましいことを実験的に確認できた。
[実施例3]
次に、本発明の半導体装置に係る実施例3について説明する。
電解めっきを用いて軟磁性薄膜6を作成する場合、めっき時の電流密度は、その生産性を決める上で重要なファクターである。電流密度を上げることでめっき時間の短縮が可能になり、そのまま生産性の向上に直結する。そこで、実施例3として電流密度を実施例1、2の5倍である30mA/cm2でTMAB添加量は12.0g/L、膜厚は13μmでめっきを行った。ICPによるホウ素含有量は0.5wt%で、保磁力は15A/m、残留磁束密度は0.12Tと電流密度を上げても低いヒステリシスの軟磁性薄膜6を作成できた。そのときの軟磁性薄膜6のNiFe(111)配向度は95%、結晶子サイズは8.5nmであった。
[実施例4及び比較例3]
次に、本発明の半導体装置に係る実施例4及び比較例3を説明する。
半導体基板1としてGaAsを用い、ホール素子2としてはInAsからなる化合物半導体を用いた。また、外部電極はTiとAuの積層構造を蒸着法で形成した。ホール素子2の直上にはポリイミドを5μmの厚みで形成し、その上に下地通電層5としてスパッタリング法でTiを1500Å、Cuを6000Å形成したものにレジストパターンを形成し、実施例4として、実施例3に記載したTMABを12g/L配合しためっき液を用い13μmの厚みで軟磁性薄膜6を形成した。
また、比較例2としてTMABを添加しないめっき液を用いて、13μmの厚みで軟磁性薄膜6を形成した。レジスト剥離とエッチング処理を行い作成した素子に、磁場を+40mT→−40mT→+40mTに変化させながら、3V印加時のホール起電力のヒステリシス幅を評価した。
実施例4と比較例3のヒステリシス幅を比較した。ヒステリシス幅は、+40mT→−40mTに磁場を変えた時にホール出力がゼロになる磁場量と、逆に−40mT→+40mTに磁場を変えた時のホール出力がゼロになるときの磁場量の差で定義した場合、実施例4では、0.01mTのヒステリシス幅に対し、比較例3では0.1mTと、TMABを加えることでヒステリシス幅が約1/10に低減することをホール素子として実験的に確認できた。
こうすることによって、数mTの磁場環境化でも精度よく磁気センシングを行うが可能になった。また、ヒステリシス量が小さくなることで、不平衡電圧の絶対値とそのばらつきを低減出来ることが期待できる。
1 半導体基板
2 ホール素子
3 外部接続端子パッド
4 有機絶縁膜
5 下地導電層(金属導電膜)
6 軟磁性薄膜
7 レジスト
7a レジスト空隙部

Claims (5)

  1. 軟磁性薄膜中に含まれる鉄、ニッケル、ホウ素の合計を100重量%としたときに、鉄含有量が15〜30重量%、ホウ素含有量が0.2〜0.6重量%、残部がニッケルであり、その厚みが4〜30μmである軟磁性薄膜を備え、該軟磁性薄膜で磁気収束することを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1の半導体装置において、前記軟磁性薄膜の保磁力が0.1〜30A/m、かつ残留磁束密度が0.05〜0.6Tであることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1又は2の半導体装置が、ホール素子を含む磁気センサであることを特徴とする半導体装置。
  4. 1個以上のホール素子と半導体回路が設けられた半導体基板上に、絶縁材料を形成し、該絶縁材料の上に金属導電層を形成し、該金属導電層上で1個以上のホール素子の感磁部を覆うような位置に少なくともホウ素を含有した軟磁性薄膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、前記軟磁性性薄膜がホウ素還元剤を配合しためっき液を用いて電解めっきで形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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