JP2010158721A - 直動案内レールの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】直動案内レールの加工において、加工時間、コストを削減するとともに、必要精度を確保する。
【解決手段】軌道溝2の形状に合わせた凸状加工部付きの回転ダイス10を用い、レール素材Wに前記軌道溝2を転造加工するとともに、直動案内レールの取付け面となるレール素材Wの下面を、幅方向の両端部が盛り上がって幅中央部が凹んだ円弧面形状とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、直動案内レールの加工方法に係り、特に、その軌道溝加工の改良に関する。
従来、直動案内レールであるリニアガイドレールの製造は、例えば図15に示す工程を経て行われている。すなわち、先ずリニアガイドレール素材としての鋼材(ワーク)Wを引き加工して、レール外形形状とともに軌道溝2の形状を形成する〔図15(a)〕。
次に、その引抜き加工したリニアガイドレールの軌道溝2の溝底部に、ワイヤ保持器を通すためのワイヤ溝(または油溜り溝のこともある)3、取付け基準面Wbsの基準表示線(又は溝)4等の何れかまたは全部を切削加工する〔図15(b)〕。以上が前加工として行われる。
その後、熱処理を施す。次に、取付けボルト孔5の孔明け加工を行う〔図15(c)〕。次いで、案内レール上面Wa、下面Wcを仕上げ研削加工する〔図15(d)〕。さらに、軌道溝2及び両側面Wbs、Wbを仕上げ研削加工する〔図15(e)〕。その溝研削加工は、図15(f)に示すようにレール両側面の同時研削により行われる。
しかしながら、従来の前加工の引き抜き加工や切削加工では、加工精度や面粗さは仕上げ精度として不十分なため、高精度を必要としない製品に対しても仕上げ工程として研削加工が必要となり、そのために加工時間が長く、加工コストが高くなるという問題点がある。
すなわち、引き抜き加工では加工精度が十分でなく、研削加工に際して研削取代を多めに設ける必要があり、そのために研削時間が長くかかる。かといって、引抜き加工でできるだけ精度良く加工するには引抜き回数を多くしなければならないが、1回引抜く毎に(1)口付け(ダイスに入るように先を細くする)、(2)焼きなまし、(3)熱処理のスケール落としのためのショットピーニング、(4)リン酸塩皮膜処理等の前後処理が必要であり、結局は加工コストが高くつき、精度もあまり良くないという問題点がある。
そこで、本発明は、このような従来技術の未解決の課題に着目してなされたものであり、転造技術を直線溝に適用することで、加工時間、コストを削減するとともに、必要精度を確保した直動案内レールの加工方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1は、転動体が転動する軌道溝を有する直動案内レールの加工方法であって、前記軌道溝の形状に合わせた凸状加工部付きの回転ダイスを用い、レール素材に前記軌道溝を転造加工するとともに、前記軌道溝を前記回転ダイスで転造加工することによって、直動案内レールの取付け面となる前記レール素材の下面を、幅方向の両端部が盛り上がって幅中央部が凹んだ円弧面形状とすることを特徴としている。
また、本発明に係る請求項2は、転動体が転動する軌道溝を有する直動案内レールの加工方法であって、前記軌道溝の形状に合わせた凸状加工部付きの回転ダイスを用い、レール素材に前記軌道溝を転造加工するとともに、前記回転ダイスの加工位置または加工近傍位置の間隔を直接測定するセンサを備え、ダイス間距離を一定に制御しつつ軌道溝間距離を安定に維持することを特徴としている。
本発明によれば、軌道溝の形状に合わせた凸状加工部付きの回転ダイスを用いて直動案内レールの軌道溝を1工程で転造加工するので、従来の引き抜き加工より小さい加工力で足りる。またダイスの摩耗が少なく寿命が長い。転造面の組織が連続しており強度が高い。さらに、高精度を必要としない製品には、従来のごとく引き抜き加工に加えて切削加工や研削加工を施すことなく精度の良い溝加工ができるので加工時間が短縮され、加工コストも安くなる。回転ダイスのため加工面に潤滑剤が導入されやすい等の種々の利点がある。
また、当該レールの角部の面取り、溝底の油溜まり、基準面表示線等を同一の回転ダイスで同時加工すれば、加工能率が極めて高くなる。また、軌道溝を回転ダイスで転造加工することによって、レール取付け面の幅方向両端部を幅中央部より若干突出させた形状にすることができ、レールの取付けがより安定する。すなわち、取り付けボルトを締めつけたとき、取り付け接触面が幅方向に広がるため、レールに横荷重が作用しても踏ん張りが効き、取り付け強度が向上する。
また、回転ダイスの加工間隔を測定し、その結果をフィードバックしつつダイス間距離を一定に自動制御すれば、製品の軌道溝間距離をより安定に維持することができて、高品質の直動案内レールが得られる。そして、レール両側の回転ダイスの配置を非対称にすることで、軌道溝の転造加工と同時に直動案内レールの曲げ加工が可能となり、これにより曲率を有する直動案内レールが得られる。
本発明によれば、直動案内レールの軌道溝を冷間での転造により精度良く成形するため、一層高精度を得るべく必要に応じてその後に熱処理してから研削加工を行う場合も、研削取り代が少なくなり、そのため従来よりも研削時間が短縮されて加工コストが低減され、かつ溝研削加工による曲がりを小さくでき、高能率で極めて高精度に仕上げることができる。
本発明に係る直動案内レールの加工方法によれば、直動案内レールの軌道溝の加工に転造技術を適用して1工程で精度の良い軌道溝等を成形するため、従来の引き抜き加工、切削、研削という複数工程を要するものに比べて加工時間、コストを削減できるという効果を奏する。そして、請求項1記載の直動案内レールの加工方法によれば、直動案内レールの取付け面となるレール素材の下面を、幅方向の両端部が盛り上がって幅中央部が凹んだ円弧面形状としているので、取付けた直動案内レールに横荷重が作用したときの踏ん張りが効き、取付け強度を高めることができる。また、請求項2記載の直動案内レールの加工方法によれば、回転ダイスの加工位置または加工近傍位置の間隔を直接測定するセンサを備え、ダイス間距離を一定に制御しつつ軌道溝間距離を安定に維持するようにしているので、高品質の直動案内レールを形成することができる。
本発明の第1の実施の形態を示すレール軌道溝の転造加工装置の要部の概略で、(a)は側面図、(b)は正面図である。 (a)は脱炭層が存在した状態で転造加工したワークと脱炭層を0.5mm除去した後に転造加工したワークとの硬さを比較したグラフであり、(b)は脱炭層を除去する方法を示す図である。 本発明の第2の実施の形態を示すレール軌道溝の転造加工装置の要部の概略で、(a)は側面図、(b)は正面図である。 本発明の第3の実施の形態を示すレール軌道溝の転造加工装置の要部概略図である。 本発明の第4の実施の形態を示す複数個所同時加工の回転ダイスの要部拡大断面図である。 本発明により加工された取付け面凹形状を有するリニアガイドレールの正面図で、(a)は1軌道溝タイプ、(b)は2軌道溝タイプ、(c)は当該リニアガイドレールの取付け状態の応力を示す図、(d)は従来の取付け面平面形状を有するリニアガイドレールの取付け状態の応力を示す図である。 本発明の第5の実施の形態を示すレール軌道溝の転造加工装置の正面図である。 本発明の第6の実施の形態を示すレール軌道溝の転造加工装置の正面図である。 本発明の第7の実施の形態を示すレール軌道溝の転造加工装置の正面図である。 本発明の第8の実施の形態を示すレール軌道溝の転造加工装置の正面図である。 本発明の第9の実施の形態を示すレール軌道溝の転造加工装置の側面図である。 本発明の第10の実施の形態を示すレール軌道溝の転造加工装置の正面図である。 本発明の第11の実施の形態を示すレール軌道溝の転造加工装置の正面図で、(a)は1面加工、(b)は3面加工の場合である。 本発明の第1実施の形態においてリニアガイドレール及びリニアガイドレールにボール等の転動体を介して組み付けられるスライダーの軌道溝の表面粗さとスライダーの摺動抵抗の変化率との関係を示す図である。 従来のリニアガイドレールの加工工程を示す図である。
以下、本発明の直動案内レールの加工方法の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態を示す直動案内レールとしてのリニアガイドレールの軌道溝の転造加工装置の要部の概略で、(a)は側面図、(b)は正面図である。2つの転造加工用の回転ダイス10がリニアガイドレールの素材であるワークWを挟むように向かい合って設置されている。各回転ダイス10は円盤形の丸ダイスで、その回転軸の方向がワークWの軸の方向に対して直角に配設されている。ダイス外周面(溝加工面)の形状は、転造すべきリニアガイドレールの軌道溝2の溝形状に合わせた凸形状、例えば半円形(単一R形)凸形状またはゴシックアーク形凸形状などに整えられて凸状加工部Tを形成している。
各回転ダイス10には駆動装置であるダイス回転用のモータ11がそれぞれに付設されており、ダイス10はこのモータ11によりベルト12を介して回転駆動される(能動型ダイスである)。また、回転ダイス10をその駆動装置11と共にワークWに向けて矢符号Aのように移動させることで、ダイス10をワークWに押し付ける図示されない移動加圧機構を備えている。
その移動加圧機構により加圧位置に送り出された回転ダイス10は、図外のストッパに突き当てて位置決めするか、または油圧NC、BS駆動等の公知の位置決め送り機構を有して位置決めを行うようになっている。更に、溝加工時に矢符号Xで示す方向(すなわちダイス対向方向と90°位相をずらした方向)の位置を安定させるために、加工位置(又はその前後の近傍位置でも良い)に、ワークWを両側から挟んで加圧支持する例えば油圧式あるいは固定式などの位置決め支持装置13を備えている。
先ず、図示の転造加工装置による、リニアガイドレールの軌道溝10のみの加工工程を述べる。ワークWは、加工前硬さHRC20以下に焼きなまししておく。また、このワークWの表面には、薄い脱炭層が存在し、このままの状態で転造加工すると、熱処理後に十分な表面焼入れ硬さが得られない。このため、転造加工前に、ワークWの脱炭層を、0.5mm程度あらかじめ削り取っておく。ここで、図2(a)は、脱炭層が存在した状態で転造加工したワークWと、脱炭層を0.5mm除去した後に転造加工したワークWとの両者について、熱処理後の焼入れ硬さを比較したものであり、この図の横軸は、硬さを測定すべきワークWの表面からの距離を示し、縦軸は、その距離の位置での焼き入れ硬さを示している。この図2(a)から明らかなように、脱炭層を0.5mm除去した後に転造加工したワークWは、表面及びその表面近くの内部の硬さが、脱炭層が存在した状態で転造加工したワークWと比較して高い値を示している。脱炭層を除去する方法としては、図2(b)の左側の図のように存在しているワークWを、図2(b)の右側の上図のように平面で除去するか、図2(b)の右側の下図のようにV形状に除去する。V形状に除去する場合には、後の転造加工力を低減できる利点がある。なお、図2(b)の右側の上下に図で破線で示した半円は、軌道溝を示している。
そして、対向する一対の回転ダイス10は、図外の移動加圧機構により加圧位置に送り出し、ストッパに突き当てるなどして位置決めされる。かくて、ダイス間距離Lを、ワークWの両側の軌道溝2、2間の既知寸法lに対応させて予め設定しておく。そして、ダイス10を回転させた状態でワークWを、当該ダイス10間に挿入して位置決め支持装置13で正しく加工位置に保持しつつ矢符号B方向に送り、回転ダイス10間を通過させてリニアガイドレールの軌道溝2を素材Wの側面に転造成形する。回転ダイス10間を1回通過して最終形状に仕上がる場合と、ダイス間距離を変えながら複数回の通過を繰り返して最終形状に仕上がる場合とがあり、ワークWの素材の種類や溝の加工精度、溝形状等に応じて通過回数が決定される。こうして転造加工により形成した軌道溝2の長手方向の面粗さ(中心線平均粗さ)は0.05〜0.2Raとすることができる。当該溝面粗さが0.05Ra未満では加工上難しい。一方、0.2Raを超えると作動・摩耗の面で問題が生じやすくなる。
図14は、リニアガイドレール及びリニアガイドレールにボール等の転動体を介して組み付けられるスライダーの軌道溝の表面粗さとスライダーの摺動抵抗の変化率との関係を示す図である。図から明らかなように、表面粗さRaが0.2μmを越えると急にスライダーの摺動抵抗の変化率(低下率)が大きくなっている。
いずれにしても、軌道溝10の加工を容易に行うために、ワークWを送るべく押し込みまたは引き抜きを行う補助駆動装置を有することが好ましい。当該補助駆動装置は押し込み装置と引き抜き装置との両方またはどちらか一方を有するものとすることができる。軌道溝10が転造されたワークWに、取付けボルト孔5の孔明け機械加工を行う。
かくして、本実施の形態によれば、転造の1工程のみで軌道溝10が精度良く転造加工されたリニアガイドレールが得られる。高精度を必要としないリニアガイドレールの場合、そのまま十分に使用に供することができる。もし、極めて高い精度が要求される場合は、必要に応じて、研削加工を施すことも可能である。
続いて、案内レール上面、両側面、下面の4平面、及び軌道溝2を高精度に仕上げ研削加工する。その研削加工は、図15(f)に示すと同じく、レール両側溝の同時研削により行うことができる。この第1の実施の形態によれば、従来のリニアガイドレールの加工方法に比べて、次のような種々の作用効果が得られる。
(1)軌道溝2を回転ダイス10を用いて転造するから、従来の固定ダイスを用いる引き抜きより加工力が小さく、装置の剛性や強度が小さくてすむ。また一つの装置で融通性がある。設備費が少なくてすむ。
(2)回転ダイス10の転がり接触で加工されるから、ダイス10の摩耗が少なく工具寿命が長い。
(3)ワークWの転造面に、転造特有の連続した加工繊維組織が得られるので強度が増し、材質が良好になる。
(4)熱処理後のひずみが少ない。したがって、その後必要に応じて行う軌道溝の研削工程での取り代が少なくなり、その結果研削時間が短縮できて加工コストが低減される。また、溝研削加工によるワークWの曲がりを小さくできる。
(5)ダイス10が回転接触するから、加工面に潤滑剤を導入しやすい。
(6)ワークWの表面に存在している脱炭層を0.5mm程度削り取ってから転造加工しているので、熱処理後に、十分な表面焼入れ硬さを得ることができる。
なお、図1には軌道溝2のみ成形する場合を示しているが、後述のように、軌道溝2の底部にワイヤ保持器用溝又は油溜り溝を設ける場合には、軌道溝と共に保持器用溝又は油溜り溝を併せ持った凸形のダイス形状を使用して同時転造加工を行うことができる。このような複数個所同時転造加工によれば、従来は引き抜き→切削という別々の工程を経て行われているリニアガイドレールの諸加工が、1工程で済むという利点もある。
図3に、本発明の第2の実施の形態を示す。上記第1の実施の形態では、回転駆動装置11を有する能動型の回転ダイス10を用いているのに対し、このものは自由回転する受動型の回転ダイス10Aを用いた点が異なっている。すなわちこの場合の回転ダイス10Aは、補助駆動装置で矢符号B方向に押し込み又は引き抜きされるワークWの送りにより回転して軌道溝2を転造する。回転駆動装置11がない分、装置が簡略で低コストになる利点がある。その他の構成及び作用効果は、第1の実施の形態のものと同様である。
図4に、本発明の第3の実施の形態を示す。これは、リニアガイドレール素材Wを挟み対向して対称的に向かい合った2個一対の回転ダイス10を一組とし、複数組(図では3組)をレール素材Wの加工送り方向に沿い直列に多段配設したものである。溝加工の深さ(ダイス間距離)を第1段の組のLから次の段Lへと次第に深くして少しずつ加工を行い、最後段の組で最終的な転造深さLに加工するようにして、素材Wの一回の通過で軌道溝2を仕上げ形状に加工できる利点がある。このとき、回転ダイス10の加工面の形状を段毎に変えて、各段階での最適形状で加工しても良い。
なお、図4では能動型の回転ダイスを用いているが、勿論、回転駆動装置を有しない受動型回転ダイス(図3)を用いることも可能である(以下の各実施の形態においても同じ)。その他の構成及び作用効果は、第1の実施の形態のものと同様である。
図5に本発明の第4の実施の形態を示す。この図は、回転ダイス15の加工部である外周面(溝加工面)を拡大して示している。その凸状加工部Tは、転造すべきリニアガイドレールの軌道溝2の溝形状に合わせて、軌道溝凸部Tと油溜り凸部Tとを併せ持つ二段形に形成してある。更に、その軌道溝凸部Tと油溜り凸部Tとを併せ持つ二段形の凸状加工部Tの他に、基準表示線4を加工するための基準表示線凸部T及びレール素材Wの角部Weを面取りする面取り加工部Tを備えている。
このような複数個所の加工部付きの回転ダイス15を用いることで、第1の実施の形態の作用効果に加えて、リニアガイドレールの軌道溝2の転造加工と、軌道溝底の油溜りまたはワイヤ保持器用の溝3の加工と、基準面表示線4の加工及びレールの角部Weの面取り加工を同一の回転ダイス15で同時に1工程で行うことができる、極めて高能率加工ができるという効果が得られる。勿論、回転ダイス15の加工部の油溜り凸部T、基準表示線凸部T及び面取り加工部Tを適宜に取捨選択すれば、必要に応じて油溜り溝3、基準面表示線4、角部面取りWeのいずれかを選択して軌道溝2と同時に加工することも可能である。
また、リニアガイドレールの軌道溝2を図1〜図4に示すようなレールを挟んで1対をなす回転ダイス10で転造加工するとか、または図5のような面取り加工部Tをダイス両サイドに備えている回転ダイス15を用いてレール素材Wを転造加工すると、図6に示すように、レール下面(基台への取付け面となる)Wcの幅両端部が盛り上がって幅中央部が凹んだ断面形状になり、レール取付け時の安定性が向上する利点がある。
図6(a)は、左右一対の油溜り又は保持器溝3付き軌道溝2と左側面の基準表示線4とを有する1溝タイプである。図6(b)は、その他に、レール上面の角部に左右一対の1/4円弧状の軌道溝2Aをも有する2溝タイプで、この場合は回転ダイス15の一方の(上面側の)面取り加工部T4 の部分を1/4円弧状凸形状にしたものを用いて転造するのである。図6(c)は、凹形状のレール取付け面Wcを有する本発明のリニアガイドレールを、ボルトB1を締め付けて基台上に固定した場合の応力状態図で、基台とレールWc面との接触面S1は中央部を除くレール幅両端部のみであり、その接触面の幅S1W は左右合わせてレール取付け面Wcの全幅の約10〜50%である。すなわち、図6(d)に示す従来のレール取付け面が平坦なものの接触面S2と比べると、幅外側方向に広がっており、そのためレールに横荷重が作用したときの踏ん張りが効き、取付け強度が高められるものである。
なお、図5に示したような面取り加工部Tを有する回転ダイス15を用いる場合には、転造加工前のレール素材Wの角部Weを転造加工で盛り上がる分だけ予め削った形状にしておくことで、レール下面(取付け面)Wcの平らなレールとすることもできる。
図7に本発明の第5の実施の形態を示す。このものは、回転ダイス間距離Lを自動制御により一定に保ちつつ、リニアガイドレールの軌道溝2を回転ダイス10で転造加工するものである。すなわち、ダイス間距離測定機16を備え、軌道溝2の加工位置の近傍におけるダイス間の距離Lをセンサ17で感知して図外の制御装置にフィードバックし、これを予め入力してあるダイス間距離設定値と比較して、偏差補正指令を図示しない移動加圧機構に送ることにより、ダイス間間隔Lが一定になるように両ダイス10、10の位置を制御しつつ加工する。かくして、この実施の形態によれば、軌道溝間距離の安定したリニアガイドレールを製造することができる利点がある。
その他の構成及び作用効果は、第1の実施の形態のものと同様である。
図8に、本発明の第6の実施の形態を示す。この実施形態では、2台1対の回転ダイス10、10でリニアガイドレールの両側面の軌道溝2、2を転造加工すると同時に、レール下面に研削工具(又は切削工具)22を当てて研削(又は切削)加工する。これにより、1対の回転ダイス10、10でリニアガイドレールの両側面の軌道溝2、2を転造加工するとき、レール下面(基台への取付け面となる)Wcの幅両端部に形成される盛り上がり部分(図6参照)を除去して、レールの取付け面Wcを平面にする。このようにすれば、加工工程を増やすことなくレール軌道溝2、2の長手方向の平行度を向上させることができる。先の図6の説明では、レール軌道溝2、2の転造により形成される当該盛り上がり部分の利点として、幅中央部が凹んだ取付け面形状のレールは取付け時の安定性が向上して強度が高められることを挙げたが、反面、レール軌道溝2、2と取付け面間の相対寸法に不確定な要素が入ってくる。よって、軌道溝〜取付け面間の寸法精度が要求される用途では、レール軌道溝2、2の転造加工と同時にレール取付け面に研削(または切削)加工を施すのがよいのである。
因みに、転造のみでレール軌道溝の平行度を確保するためには、レール上下面に配した位置決め支持装置13のガイドロールでレールを押圧して盛り上がり部分を潰すことが必要であるが、4面同時転造はロール同志の干渉のため実際上は不可能といえる。
図9に、本発明の第7の実施の形態を示す。この実施形態では、2台1対の回転ダイス10、10でリニアガイドレールの両側面の軌道溝2、2を転造加工すると同時に、レール上面及び下面に研削工具(又は切削工具)23、24を当てて研削(又は切削)加工する。これにより、1対の回転ダイス10、10でリニアガイドレールの両側面の軌道溝2、2を転造加工する。それと同時に、研削工具23により、レール上面Waの幅両端部に形成される盛り上がり部分(図6参照)を除去し、且つ幅両端部の面取り加工を施しながらレールの上面Waを平面にするとともに、研削工具24により、レール下面(基台への取付け面となる)Wcの幅両端部に形成される盛り上がり部分(図6参照)を除去し、且つ幅両端部の面取り加工を施しながらレールの取付け面Wcを平面にする。
このようにすれば、加工工程を増やすことなくレール軌道溝2、2の長手方向の平行度を向上させることができる。
図10に本発明の第8の実施の形態を示す。このものは、上記図7に示すものの変形例である。この場合は、前記ダイス間距離測定機16の代わりに溝間距離測定機18を備え、両回転ダイス10、10で転造された成形直後の軌道溝2、2間の距離lを、軌道溝2の溝底に直接にセンサ19を当てて測定する。その測定結果から目的の溝間距離lになるように図外の移動加圧機構でダイス位置をフィードバック制御し、前記同様に軌道溝間距離lの安定したリニアガイドレールを加工することができる。
その他の構成及び作用効果は、第1の実施の形態のものと同様である。
図11に本発明の第9の実施の形態を示す。これまでの各実施の形態は、リニアガイドレールの軸が直線の場合であるのに対し、本実施の形態は湾曲レールの加工方法である。転動する回転ダイス10を、レール素材Wの片側に適宜に間隔Hをおいて2個配設するとともに、その2個の中間位置の反対側に1個を配設して一組としている。これら3個一組の回転ダイスによりレール素材Wの両側の軌道溝2、2をそれぞれ転造加工で転造することで、軌道溝2の加工と同時に曲率を持ったリニアガイドレールWを加工することができる。その曲率は、2個のダイス10のレール軸方向沿いの間隔Hとダイス押し付け力とを加減することで調整できる。
図12に本発明の第10の実施の形態を示す。この実施の形態は、直動案内レールの一種であるボールスプライン軸の円形断面の素材Wに、円周等分に軌道溝(スプライン溝)2を3個のダイス10を用いて転造で転造加工する。図示のものは、モータ11、ベルト12を介して回転駆動される能動型ダイス10を3台、円周沿いに等配に配設して加工する場合であるが、必ずしも3台に限定するものではない。
その他の構成及び作用効果は、第1の実施の形態のものと同様である。
図13に本発明の第11の実施の形態を示す。これは、例えば循環式の直動案内レールの一種であるクロスローラガイドの角断面のレール素材Wの奇数面に、軌道溝を加工するものである。同図(a)は、レール素材Wの1面にのみ軌道溝2を加工する場合で、1台の溝加工用ダイス10の対向側には、荷重受けダイス20が配設されている。荷重受けダイス20はその円周面形状は溝加工用ダイス10のように凸形になっておらず、単に円筒形であって、対向側にある溝加工用ダイス10の荷重を受け止めればよく、モータ11、ベルト12を介して回転駆動される。
同図(b)は、3面溝加工の場合の例であり、前記1面溝加工のものに直交させて更に、一対の溝加工用のダイス10、10を、レール素材の残りの面を挟み対向配置して、レール素材Wの3面に軌道溝2をそれぞれ転造する。かくして、図13の軌道溝の加工方法によれば、レール素材Wの奇数面に軌道溝を有する、又は奇数本の軌道溝を有するリニアガイドレールを正確に且つ容易に加工することができる利点がある。
その他の構成及び作用効果は、第1の実施の形態のものと同様である。
W…レール素材(ワーク)、2…軌道溝、3…ワイヤ保持器溝(または油溜り溝)、4…基準表示溝(線)、10…回転ダイス、11…回転用モータ(ダイス駆動装置)、15 …(複数加工部型)回転ダイス、17…ダイス間距離測定センサ、19…軌道溝間距離測定センサ、20…荷重受けダイス、22、23、24…研削工具

Claims (2)

  1. 転動体が転動する軌道溝を有する直動案内レールの加工方法であって、前記軌道溝の形状に合わせた凸状加工部付きの回転ダイスを用い、レール素材に前記軌道溝を転造加工するとともに、前記軌道溝を前記回転ダイスで転造加工することによって、直動案内レールの取付け面となる前記レール素材の下面を、幅方向の両端部が盛り上がって幅中央部が凹んだ円弧面形状とすることを特徴とする直動案内レールの加工方法。
  2. 転動体が転動する軌道溝を有する直動案内レールの加工方法であって、前記軌道溝の形状に合わせた凸状加工部付きの回転ダイスを用い、レール素材に前記軌道溝を転造加工するとともに、前記回転ダイスの加工位置または加工近傍位置の間隔を直接測定するセンサを備え、ダイス間距離を一定に制御しつつ軌道溝間距離を安定に維持することを特徴とする直動案内レールの加工方法。
JP2010049019A 1999-12-08 2010-03-05 直動案内レールの加工方法 Expired - Fee Related JP5195788B2 (ja)

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