JP2010158668A - 高分子凝集剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水溶性不飽和モノマーからなる重合性モノマー(a)を、疎水性分散媒(b)および1〜8のHLBを有する分散剤(B)の存在下で逆相懸濁重合させてなる、1〜40dl/gの固有粘度を有し、固有粘度から換算される重量平均分子量(Mw)とメンブラン式浸透圧測定法による数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1〜50である(共)重合体(A)の乾燥粒子からなり、該粒子が25〜40度の安息角を有することを特徴とする高分子凝集剤。
【選択図】 なし
Description
さらに、廃水処理、あるいは建設や浚渫埋め立てなどの土木分野での使用を目的として、水溶性高分子にさらに水溶性モノマーをグラフト重合させ、凝集密度を高めることを特徴としたアニオン性高分子凝集剤も知られている(例えば、特許文献3、4参照)。
これらの中でも逆相懸濁重合法は、疎水性分散媒により容易に重合熱が除去できるため一定温度で重合することができ、高分子量で比較的分子量分布がシャープな高分子凝集剤を得ることができる点で優れている。
また、逆相懸濁重合法の場合、上記のような優れた点があるものの、重合時に粒子間が容易に合着し塊状物を生成し易く、重合槽内壁や撹拌羽根に付着し易い問題や、得られた高分子凝集剤がビーズ状のため転がりやすく、粉体流動性が高すぎて自動計量装置での安定供給ができないという問題があった。
る(共)重合体(A)の乾燥粒子からなり、該粒子が25〜40度の安息角を有することを特徴とする高分子凝集剤である。
(1)製造時において粒子間の合着や重合槽内の壁面への付着が少ない。
(2)適度に優れた粉体流動性を有するため、粉体供給機等を用いて安定かつ定量的に供給できる。
(3)汚泥や廃水の処理において強固な粗大フロックを形成する。
(4)形成されたフロックは破壊、再分散されにくいため凝集処理の安定性や処理速度を著しく高めることができる。
(5)汚泥の脱水工程後のケーキ含水率が低く、廃棄物量および焼却処理コストを低減できる。
(A)を構成するモノマーとしては、本発明の効果を阻害しない範囲で(a)の他に必要により水不溶性不飽和モノマー(x)および架橋性モノマー(y)を併用してもよい。
ここにおいて水溶性不飽和モノマーもしくは水溶性(共)重合体とは、水に対する溶解度(20℃)が1g/水100g以上である不飽和モノマーもしくは(共)重合体を意味し、水不溶性不飽和モノマーとは、水に対する溶解度(20℃)が1g/水100g未満である不飽和モノマーを意味する。
<GPC測定条件>
装置 : HLC−802A、東ソー(株)製
カラム : TSK gel GMH6 (2本)
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量 : 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
下記のもの、およびこれらの混合物が挙げられる。
(a11)(メタ)アクリレート
炭素数(以下、Cと略記)4以上かつ数平均分子量[測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。以下GMnと略記。]5,000以下、例えば水酸基含有(メタ)アクリレート[例えばヒドロキシエチル−、ジエチレングリコールモノ−、ポリエチレングリコール(重合度3〜50)モノ−およびポリグリセロール(重合度1〜10)モノ(メタ)アクリレート]およびアクリル酸アルキル(アルキル基はC1〜2)エステル(C4〜5、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル);
(a12)(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体
C3〜30、例えば(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(C1〜3)(メタ)アクリルアミド[N−メチルおよび−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等]、N−アルキ
ロール(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミド等];
(a13) 上記以外の窒素原子含有エチレン性不飽和化合物
C3〜30、例えばアクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルカルバゾールおよび2−シアノエチル(メタ)アクリレート。
下記のもの、これらの塩[例えば無機酸(塩酸、硫酸、リン酸および硝酸等)塩、メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩およびベンジルクロライド塩等]、およびこれらの混合物が挙げられる。
(a21) 窒素原子含有(メタ)アクリレート
C5〜30、例えばアミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキル(C1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等]、複素環含有(メタ)アクリレート[N−モルホリノエチル(メタ)アクリレート等];
(a22) 窒素原子含有(メタ)アクリルアミド誘導体
C5〜30、例えばN,N−ジアルキル(C1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリルアミド[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等];
(a23) アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物
C5〜30、例えばビニルアミン、ビニルアニリン、(メタ)アリルアミン、p−アミノスチレン等];
(a24) アミンイミド基を有する化合物
C5〜30、例えば1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミド等;
(a25) 上記以外の窒素原子含有ビニルモノマー
C5〜30、例えば2−ビニルピリジン、3−ビニルピペリジン、ビニルピラジン、ビニルモルホリン。
下記の酸、これらの塩[アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等、以下同じ。)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等、以下同じ。)塩、アンモニウム塩およびアミン(C1〜20)塩等]、およびこれらの混合物が挙げられる。
(a31) 不飽和カルボン酸
C3〜30、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、ビニル安息香酸、アリル酢酸;
(a32) 不飽和スルホン酸
C2〜20の脂肪族不飽和スルホン酸(ビニルスルホン酸等)、C6〜20の芳香族不飽和スルホン酸(スチレンスルホン酸等)、スルホン酸基含有(メタ)アクリレート[スルホアルキル(C2〜20)(メタ)アクリレート[2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸等]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド[2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−および3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−および4−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルアミノ
メチルベンゼンスルホン酸等]、アルキル(C1〜20)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[メチル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル等]等;
(a33) (メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン(C1〜6)硫酸エステル
(メタ)アクリロイルポリオキシエチレン(重合度2〜50)硫酸エステル等。
(x1) C6〜23の(メタ)アクリレート
脂肪族または脂環式アルコール(C3〜20)の(メタ)アクリレート[プロピル−、ブチル−、ラウリル−、オクタデシル−およびシクロヘキシル(メタ)アクリレート等]およびエポキシ基(C4〜20)含有(メタ)アクリレート[グリシジル(メタ)アクリレート等];
モノオール(C1〜20)もしくは1価フェノール(C6〜20)のプロピレンオキシド(以下POと略記)付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−メトキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−エトキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−プロポキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−ブトキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−シクロヘキシルPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−フェノキシPPGモノ(メタ)アクリレート等]およびジオール(C2〜20)もしくは2価フェノール(C6〜20)のPO付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−ヒドロキシエチル(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等]等;
エチレン、ノネン、スチレン、1−メチルスチレン等;
(x4) 不飽和アルコール[C2〜4、例えばビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール]のカルボン酸(C2〜30)エステル(酢酸ビニル等);
(x5) ハロゲン含有モノマー(C2〜30、例えば塩化ビニル)。
(y1) ビスポリ(2〜4またはそれ以上)(メタ)アクリルアミド
C5〜30、例えばN,N’−メチレンビスアクリルアミド;
(y2) ポリ(2〜4またはそれ以上)(メタ)アクリレート
C8〜30、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール[ポリ(2〜4)](メタ)アクリレート;
C4以上かつGMn6,000以下、例えばジビニルアミン、多価(2〜5またはそれ以上)アミン[C2以上かつGMn3,000以下、例えばエチレンジアミン、ポリエチレンイミン(C4以上かつGMn3,000以下)]のポリ(2〜20)ビニルアミン、ジビニルエーテル、多価アルコール〔C2以上かつGMn3,000以下、例えばアルキレン(C2〜6またはそれ以上)グリコール[エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール(以下、それぞれEG、PG、HDと略記)等]、ポリオキシアルキレン[GMn2,000〜3000、例えばポリエチレングリコール(以下、PEGと略記)(分子量106以上かつGMn3,000以下)、PPG(分子量134以上かつGMn3,000以下)、ポリオキシエチレン(分子量106以上かつGMn3,000以下)/ポリオキシプロピレン(分子量134以上かつGMn3,000以下)ブロックコポリマー]、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、(ポリ)(2〜50)グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール(以下、それぞれTME、TMP、GR、PE、SOと略記)、デンプン〕のポリ(2〜20)ビニルエーテル等;
C6以上かつGMn3,000以下、例えばジ(メタ)アリルアミン、N−アルキル(C1〜20)ジ(メタ)アリルアミン、多価アミン(上記のもの)のポリ(2〜20)(メタ)アリルアミン、ジ(メタ)アリルエーテル、多価アルコール(上記のもの)のポリ(2〜20)(メタ)アリルエーテル、ポリ(2〜20)(メタ)アリロキシアルカン(C1〜20)(テトラアリロキシエタン等);
(y5) エポキシ基含有モノマー
C8以上かつGMn6,000以下、例えばEGジグリシジルエーテル、PEGジグリシジルエーテル、GRトリグリシジルエーテル。
また、(y)の使用量(モル%)は、使用する架橋性モノマー(y)の重合性または反応性にもよるが、(A)を構成するモノマーの全モル数に基づいて通常5以下、凝集性能発現および高分子凝集剤の水への溶解性の観点から好ましくは0.001〜1、さらに好ましくは0.01〜0.5である。
通常20〜100℃、好ましくは30〜80℃)に調整した後、槽内を不活性ガス(例えば窒素)で十分置換する。一方、水溶性不飽和モノマー(a)、ラジカル重合開始剤(d)、および必要により水不溶性不飽和モノマー(x)および/または架橋性モノマー(y)を加えたモノマー水溶液を調製し、不活性ガスで十分置換した後、撹拌下で重合槽内に投入し、懸濁させながら重合させる。水溶液の投入方法としては、一括投入または滴下のいずれでもよい。また、その際モノマー水溶液としては、(a)、(d)および必要により加える(x)および/または(y)の均一水溶液としてもよいし、別々の水溶液とした上で、滴下直前で混合してもよいし、別々に同時滴下してもよい。モノマー水溶液等を不活性ガスで置換する方法としては、モノマー水溶液等に不活性ガスをバブリング供給する方法、滴下ライン中でスタティックミキサー等によりブレンドする方法などが挙げられ、重合の均一性の観点からスタティックミキサーでブレンドする方法が好ましい。
(b)としては、炭化水素[脂肪族(C5〜12、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン)、脂環含有(C5〜12、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デカリン)および芳香環含有(C6〜12、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン)等]、ケトン[脂肪族(C3〜10、例えばメチル−n−プロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン)、脂環含有(C5〜10、例えばシクロペンタノン、シクロヘキサノン)および芳香環含有(C8〜13、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン)等]、エーテル[脂肪族(C4〜8、例えばジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル)、環状エーテル(C4〜18、例えばテトラヒドロピリン)および芳香環含有エーテル(C7〜12、例えばアニソール)等]、エステル[脂肪族エステル(C3〜10、例えば酢酸n−ブチル)、脂環含有エステル(C7〜12、例えば酢酸シクロヘキシル、シクロヘキサンカルボン酸メチル)、芳香環含有エステル(C8〜13、例えば安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸n−ブチル、酢酸ベンジル、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ−n−ブチルフタレート)等]、およびこれらの混合物が挙げられる。
これらのうち、製造時の取り扱い、および重合時の温度制御の観点から、好ましいのは脂肪族および脂環含有炭化水素、さらに好ましいのはn−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサンである。
Lipophile Balance)が1〜8、好ましくは2〜7、さらに好ましくは3〜5で、分散粒子の粒子径、および分散粒子を脱水、乾燥した後の乾燥粒子の後述の安息角を制御することを目的とする、種々の油溶性物質が挙げられる。該HLBが1未満では分散安定性が悪くなり、8を超えると粒径が細かくなり安息角が上昇する。
ここにおいてHLBとは、親水性と親油性とのつり合いを表し、下記の式から求められる(「界面活性剤の合成と其応用」、501頁、1957年槇書店刊;「新・界面活性剤入門」、197−198頁、1992年三洋化成工業刊、等参照)。
HLB=10×(無機性/有機性)
上記式中、( )内は有機化合物の無機性と有機性の比率を表し、該比率は上記文献に記載されている値から計算することができる。
上(さらに好ましくは7,000〜1,000,000、とくに好ましくは10,000〜100,000)の高分子分散剤(c2)が含まれる。
上記(無水マレイン酸変性)エチレン・酢酸ビニル共重合体には、エチレンおよび/または無水マレイン酸変性エチレンと酢酸ビニルの共重合体、およびエチレン・酢酸ビニル共重合体を無水マレイン酸で変性したもの等が含まれる。
無水マレイン酸変性エチレン・酢酸ビニル共重合体としては、無水マレイン酸をエチレン・酢酸ビニル共重合体に付加またはグラフト重合等して変性したものが挙げられ、無水マレイン酸とエチレン・酢酸ビニル共重合体の重量比は分散安定性および反応物の分子量調整の観点から好ましくは2/98〜30/70、さらに好ましくは5/95〜20/80である。
(無水マレイン酸変性)エチレンと酢酸ビニルとの共重合体における共重合比(重量比)は、疎水性分散媒(b)への溶解性および分散安定性の観点から好ましくは50/50〜95/5、さらに好ましくは70/30〜90/10である。
(c1)と(c2)を併用する場合、粒度分布の観点から好ましい組合せは、多価アルコールの脂肪酸エステルと無水マレイン酸変性エチレン・酢酸ビニル共重合体の組合せ、さらに好ましいのはPEG脂肪酸エステルと無水マレイン酸変性エチレン・酢酸ビニル共重合体の組合せである。
ある。
上記過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよく、還元剤としては重亜硫酸塩(重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウム等)、還元性金属塩[硫酸鉄(II)等]、遷移金属塩のアミン錯体[塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体、塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体等]、有機性還元剤〔アスコルビン酸、3級アミン[ジメチルアミノ安息香酸(塩)、ジメチルアミノエタノール等]等〕が挙げられる。
また、アゾ化合物、過酸化物およびレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもいずれでもよい。
(d)は、通常上記分散相(水溶液)に存在させるが、分散相(水溶液)および/または連続相(疎水性分散媒)のいずれに存在させてもよい。
これらのうち、分子量制御の観点から好ましいのは分子内に1個または2個以上のチオール基を有する化合物である。
(1)1価チオール
脂肪族チオール(C1〜20、例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、n−オクタンチオール、n−ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、メルカプトコハク酸、システイン、システアミン)、脂環含有チオール(C5〜20、例えばシクロペンタンチオール、シクロヘキサンチオール)、芳香環含有チオール(C6〜12、例えばベンゼンチオール、チオサリチル酸、チオクレゾール、チオキシレノール、チオナフトール)および芳香脂肪族チオール(C7〜20、例えばα−トルエンチオール)が挙げられる。
ジチオール[脂肪族ジチオール(C2〜40、例えばエタンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレンジチオール、n−、i−およびsec−プロパンジチオール、1,3−および1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、ネオペンタンジチオール)、脂環式ジチオール(C5〜20、例えばシクロペンタンジチオール、シクロヘキサンジチオール)、芳香族ジチオール(C6〜16、例えばベンゼンジチオール、ビフェニルジチオール)および芳香脂肪族ジチオール(C8〜20、例えばキシレンジチオール)が挙げられる。
なお、ここにおけるpHは、モノマー水溶液の原液をpHメーター[例えば、商品名「LABpHメーターM−12」、(株)堀場製作所製]を用いて室温(20℃)で測定される値である。
重合温度としては、重合速度の観点から、好ましい下限は10、さらに好ましくは30、とくに好ましくは40、最も好ましくは50、分子量および分散粒子安定性の観点から
好ましい上限は95、さらに好ましくは80、とくに好ましくは70、最も好ましくは60である。また、重合中は所定重合温度を一定(例えば、所定重合温度±5℃)に保つように、適宜加熱、冷却して調節することが好ましい。
重合温度を一定に保つために、予め所定重合温度に温調した分散媒に撹拌下でモノマーを随時滴下してもよい。その際の滴下時間は、モノマー濃度、および重合反応発熱量により異なるが、通常0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間である。
上記のモノマー濃度、重合温度、重合時間は、モノマー組成、重合法、開始剤種類などによって適宜調整することができる。
圧力の好ましい下限は50、さらに好ましくは70、とくに好ましくは90、好ましい上限は1,000、さらに好ましくは500、とくに好ましくは300である。
、単位はdl/g。以下同じ。)は1〜40、好ましくは4〜30、さらに好ましくは6〜25、とくに好ましくは8〜20、最も好ましくは9.5〜18である。固有粘度が1未満では凝集性能が悪くなり、40を超えると凝集速度が低下する。
ここで、本発明のような高分子量のものを測定する場合、補正する必要があり、補正式π=CmRT+αCm 2より、π/Cm=RT+αCm となる。(α:濃度に依存しない定数)
ここで、濃度Cを容量当たりのg数で表すとき、Cm=C/Mを代入すればよいので、上式はπ/C=RT/M+(α/M2)Cとなる。
濃度を変えて浸透圧を測定することにより、グラフにCとπ/CをそれぞれX軸、Y軸としてプロットした場合にその延長線がY軸(π/C)を横切る点を求めれば、その高さがRT/Mに相当するため、そこから無限希釈溶液における(A)のM、すなわち本発明におけるMnを求めることができる。通常測定温度は37℃、気体定数Rは8.31Pa・m3/mol・Kを使用する。
脱水方法としては、特に限定されないが、重合後、熱風乾燥、赤外線乾燥、間接加熱乾燥(真空乾燥、撹拌型の乾燥機、ドラムドライヤー)等の乾燥方法により脱水する方法、疎水性分散媒中で共沸させて減圧脱水させる方法等が考えられる。またこれらの方法は任意に併用することができる。局部加熱による架橋防止の観点から真空乾燥および疎水性分散媒中で共沸させ減圧脱水させる方法が好ましい。乾燥温度(℃)としては、通常20〜200、乾燥速度の観点から好ましい下限は30、さらに好ましくは40、架橋防止の観点から好ましい上限は150、さらに好ましくは120である。
本発明の高分子凝集剤の粒子は、前記のとおり、特定のHLBを有する分散剤(c)を用いて逆相懸濁重合を行うことにより安息角を25〜40度の範囲とすることができる。
ここにおいて、安息角とは、円筒回転法で求められる値で、粉粒体を入れた円筒容器を、ゆっくり回転させ、粉粒体が安定な傾斜面を形成するときの傾斜角度で表され、三輪式安息角測定機[筒井理化学器械(株)製]を用いて測定することができる。
ここにおいて円形度とは、「粉体理論と応用(改訂第2版)」[丸善(株)1979年刊]、50頁に記載の方法により定義される。すなわち、粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周長(L)と粒子投影図の輪郭の長さ(l)から下式によって求めることができ、真球状の場合の値は1となる。
円形度=(L)/(l)
円形度および数平均円形度を求める具体的な方法としては、例えば、無作為に取り出した30個の粉粒体群(例えば粒径250μm)をデジタルマイクロスコープ[例えば、KEYENCE(株)製「VH−8000」、レンズ:VH−Z150、倍率:450倍]を用いて撮影し、各粒子の投影面積と粒子投影図の輪郭の長さを求める。次に、各粒子の投影面積から同じ面積を有する円の周長を算出して、各粒子の円形度を求め、さらにこれを数平均して第1の粉粒体群の数平均値を求める。同様の操作を別の粉粒体群について9回繰り返して合計10個の数平均値を求め、これをさらに単純平均して得られた値を数平均円形度とする。
該重量平均粒径(μm)は、ロータップ試験篩振とう機およびJIS Z8801−2000に規定された標準篩を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンパニー刊、1984年、21頁)に記載の方法で求めることができる。
即ち、適当な目開きの上記標準篩、例えば目開きが2、1.7、1.4、1.18、11.0mm、850、710、500、425、355、300、250、180および150μmの標準篩上にそれぞれ該高分子凝集剤粒子50.0gをとり、ロータップ試験篩振とう機[例えば、(株)飯田製作所製]で1分間振とうし、各篩上に残った試料を計量する。結果を対数確率紙にプロットし、重量が50%の時の粒径(メジアン径)を重量平均粒径とする。
ここにおいてD10/D50は粒度分布を表す指標である。該指標は、前述のロータップ試験篩振とう機を用いた方法で得られるもので、D10は標準篩の目開きの大きい順にプロットした際の積算重量が10%の時の粒径を表し、D50は同様にプロットした際の積算重量が50%の時の粒径(重量平均粒径という)を表す。D10/D50の値は1に近いほど粗大粒子が少なく粒度分布がシャープであることを示す。
廃水においては、溶解性有機物などを処理するために無機凝集剤を添加することが多く、その場合、懸濁粒子表面は無機凝集剤で覆われているためプラス荷電を有していることから、凝集沈殿処理用高分子凝集剤としては、アニオン性またはノニオン性、およびこれらの混合物が好ましい。
石油の3次回収用としては、比較的大きな分子量を有するものが使用され、アニオン性またはノニオン性、およびこれらの混合物が好ましい。
製紙工程での濾水歩留向上用または紙力増強用としては、カチオン性または両性高分子凝集剤、およびこれらの混合物が好ましい。
meq/g)として求めることができる。すなわち、カチオン性凝集剤中のカチオン性基当量値はカチオンコロイド当量値として求めることができ、両性凝集剤中のカチオン性基当量値およびアニオン性基当量値は、それぞれカチオンコロイド当量値、アニオンコロイド当量値として求めることができる。
また本発明の高分子凝集剤が両性高分子凝集剤の場合、該凝集剤中のカチオンコロイド当量値(meq/g)は、凝集性能の観点から好ましい下限は0.1、より好ましくは0.5、さらに好ましくは1.0、とくに好ましくは1.5、最も好ましくは2.0、凝集性能の観点から好ましい上限は7.0、より好ましくは6.0、さらに好ましくは5.5、とくに好ましくは5.2、最も好ましくは5.0であり;アニオンコロイド当量値(meq/g)は、凝集性能の観点から好ましい下限は−13.0、より好ましくは−10.0、さらに好ましくは−8.0、とくに好ましくは−5.0、最も好ましくは−3.0、凝集性能の観点から好ましい上限は−0.05、より好ましくは−0.1、さらに好ましくは−0.3、とくに好ましくは−0.5、最も好ましくは−1.0である。
(1)測定試料(高分子凝集剤の50ppm水溶液)の調製
試料0.2g(固形分含量換算したもの)を精秤し、200mlの三角フラスコにとり、全体の重量(試料とイオン交換水の合計重量)が100gとなるようにイオン交換水を加えた後、マグネチックスターラー(長さ40mm、直径5mmの円筒状マグネット、回転数1,000rpm)で、3時間撹拌して完全に溶解させ、0.2重量%の高分子凝集剤溶液を調製する。500mlのビーカーに該調製溶液10mlをとり、全体の重量(溶液10mlとイオン交換水の合計重量)が400gとなるようにイオン交換水を加え、再度マグネチックスターラー(1,000〜1,200rpm)で、30分間撹拌して、均一な測定試料とする。
なお、高分子凝集剤の固形分含量は、試料約1.0gをシャーレ(直径100mm、深さ10mm)に秤量(W1)して、循風乾燥機中、105±5℃で90分間乾燥させた後の残存重量を(W2)として、次式から算出した値である。
固形分含量(重量%)=(W2)×100/(W1)
(2)カチオンコロイド当量値の測定
測定試料100gを200mlのコニカルビーカーにとり、マグネチックスターラー(500rpm)で撹拌しながら徐々に0.5重量%硫酸水溶液を加え、pH3に調整する。次にトルイジンブルー指示薬(TB指示薬)を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム(N/400PVSK)試薬で滴定する。滴定速度は2ml/分とし、測定試料が青から赤紫色に変色し、赤紫色が30秒間保持される時点を終点とする。
(3)アニオンコロイド当量値の測定
測定試料100gを200mlのコニカルビーカーにとり、マグネチックスターラー(500rpm)で撹拌しながら、N/10水酸化ナトリウム水溶液0.5mlを加え、さらにN/200メチルグリコールキトサン水溶液5mlを加えた後、5分間撹拌する(その時のpH約10.5)。TB指示薬を2〜3滴加え、上記(2)と同様にして滴定する。
(4)空試験
測定試料の代わりにイオン交換水100gを用いる以外は(2)および(3)と同様の操作を行う。
(5)計算方法
カチオンまたはアニオンコロイド当量値(meq/g)=(1/2)×(試料の滴定量
−空試験の滴定量)×(N/400PVSKの力価)
キレート化剤(B2)としては、アミノカルボン酸(C6〜24、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸およびトリエチレンテトラミンヘキサ酢酸)、多価カルボン酸[C4以上かつGMn10,000以下、例えばマレイン酸、ポリアクリル酸(GMn1,000〜10,000)およびイソアミレン/マレイン酸共重合体(GMn1,000〜10,000)]、ヒドロキシカルボン酸(C3〜10、例えばクエン酸、グルコン酸、乳酸およびリンゴ酸)、縮合リン酸(トリポリリン酸、トリメタリン酸等)およびこれらの塩[アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(C1〜20、例えばメチルアミン、エチルアミン、オクチルアミン等)塩およびアルカノールアミン(C2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン等)塩]等;
,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)およびジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)等〕、含リン化合物[トリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム、トリフェニルホスファイト(TPP)およびトリイソデシルホスファイト(TDP)等]および含窒素化合物[アミン(オクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノールおよびN,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン等)、尿素、グアニジンおよびグアニジンの無機酸(上記に同じ)塩]等;
防腐剤(B8)としては、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステルおよびソルビン酸等が挙げられる。
(B1)〜(B8)の各添加剤の使用量は、上記と同様の重量に基づいて、(B1)は通常5%以下、好ましくは1〜3%、(B2)は通常20%以下、好ましくは2〜10%、(B3)は通常10%以下、好ましくは1〜5%、(B4)および(B5)はそれぞれ通常5%以下、好ましくは1〜3%、(B6)、(B7)および(B8)はそれぞれ通常5%以下、好ましくは0.1〜2%である。
本発明の高分子凝集剤の使用量は、下水汚泥等の種類、懸濁粒子の含有量、高分子凝集剤の分子量等により異なるが、特に限定はなく、下水汚泥等中の蒸発残留物重量(以下、TSと略記)に基づいて、通常0.01〜10%、凝集性能の観点から好ましい下限は0.1%、さらに好ましくは0.5%、とくに好ましくは1%、処理費用の観点から好ましい上限は5%、さらに好ましくは3%、とくに好ましくは2%である。
高分子凝集剤の溶解方法としては、特に限定されることはなく、例えば予め秤り取った水をジャーテスターなどの撹拌装置を用いて撹拌しながら所定量の高分子凝集剤を徐々に加え、数時間(約2〜4時間程度)かけて溶解させる方法等が採用できる。粉末状の高分子凝集剤を水に溶解させる際に、所定量の高分子凝集剤を一気に加える方法はままこを生じ、完全に水に溶解させることが困難となることから好ましくない。
無機凝結剤としては、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸鉄、消石灰等;有機凝結剤としては、アニリン−ホルムアルデヒド重縮合物塩酸塩、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジ(メタ)アリルアンモニウムクロライド、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−マレイン酸共重合体、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−シトラコン酸共重合体、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−イタコン酸、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−フマル酸共重合体等が挙げられる。
無機および/または有機凝結剤を併用する場合は、本発明の高分子凝集剤に予めこれらを添加した混合物で下水汚泥等を処理するか、下水汚泥等に予め無機凝結剤および/または有機凝結剤を添加して一次凝集させた後、本発明の高分子凝集剤を添加して処理するかいずれでもよいが、フロックの強度の観点から好ましいのは後者の方法である。
pHの調整方法としては、特に限定されることはなく、無機酸(硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等)等の酸性物質や苛性アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等のアルカリ性物質を用いる方法が挙げられる。また、前記の無機または有機凝結剤を下水汚泥等に予め加えることで、上記pHに調整することもできる。
高分子凝集剤の固有粘度[η]、固形分含量、Mw、π/C、Mn、Mw/Mn、安息角、数平均円形度および粒度分布は、前記の方法によって測定し、その他の評価項目は下記のとおりである。
なお、下水汚泥等中のTS、浮遊物質(SS)、有機分(強熱減量)は、「下水試験方法」(日本下水道協会、1984年度版)記載の分析方法に準じて行った。
重合後に反応槽内壁または撹拌羽根に付着したポリマー固形分を理論収量で除した値で
ある。
ジャーテスター[宮本理研工業(株)製、形式JMD−6HS−A、以下同じ。]に板状の塩ビ製撹拌羽根(直径5cm、高さ2cm、厚さ0.2cm)2枚を十字になるように上下に連続して撹拌棒に取り付け、汚泥200mlを300mlのビーカーに取り、ジャーテスターにセットする。ジャーテスターの回転数を120rpmにし、徐々に汚泥を撹拌しながら、所定の濃度の高分子凝集剤の水溶液を所定の方法で添加し、30秒間撹拌した後、撹拌を止めフロックの大きさを目視にて観察する[回転数120rpmでのフロック粒径(単位mm)を表2に示す]。
続いて回転数を300rpmにセットし、さらに30秒間撹拌した後、撹拌を止めフロックの大きさを再度目視にて観察する[回転数300rpmでのフロック粒径(単位mm)を表2に示す]。
T−1189のナイロン製ろ布[敷島カンバス(株)製、円形状、直径9cm]、ヌッチェ漏斗、300mlが測れるメスシリンダーをセットし、上記フロック粒径試験後の汚泥を一気に投入して濾過し、ストップウォッチを用いて投入直後から60秒後のろ液量を測定する。
<ろ布剥離性>
濾過した汚泥の一部をスパーテルで取り出し、プレスフィルター試験機を用いて脱水試験(2kg/cm2、60秒)を行い、試験後のろ布からの脱水ケーキの剥離性を下記の
基準に従って評価する。
◎:非常に剥がれやすい(ろ布付着物ほとんどなし)
○:剥がれやすい (わずかにろ布付着物あり)
△:多少剥がれにくい (ろ布付着物あり、わずかにろ布内部まで付着)
×:剥がれにくい (ろ布内部まで付着)
上記ろ布剥離性試験後の脱水ケーキ約3gをシャーレに秤量(W3)して、循風乾燥機中で完全に水分が蒸発するまで(例えば、105±5℃で8時間)乾燥させた後、シャーレ上に残った乾燥ケーキの重量を(W4)として、次式からケーキ含水率を算出する。
ケーキ含水率(重量%)=[(W3)−(W4)]×100/(W3)
廃水300mLを栓付き300mLメスシリンダー(沈降管)に入れ、これに所定の濃度の高分子凝集剤の水溶液を室温にて所定量添加する 。次にこの沈降管を10回転倒さ
せて廃水と高分子凝集剤の水溶液とを混合させ、フロックを形成させた後、沈降管を静置してフロック層の界面の沈降速度(単位cm/s)を測定する。また、そのときの処理水上澄み液の濁度を目視で判定(評価基準は下記)、JIS K−0102(1998年度版)に記載のCODMn分析方法に準じてCODを測定する。
(濁度の評価基準)
○:濁りなし
△:やや濁り大
×:濁り大
還流脱水管、滴下漏斗および撹拌羽根を備えた反応槽に、キシレン500部、無水マレイン酸50部、エチレン・酢酸ビニル共重合体[商品名「A−C400」、HoneyWell(株)製]500部を仕込み、反応槽内を窒素通気下、150℃まで加熱して撹拌、均一溶液とした。別にキシレン50部とジクミルパーオキサイド[商品名「パークミルD」、日油(株)製]50部からなる溶液を作成して滴下漏斗に仕込み、1時間かけて反応槽に滴下した。その後150℃で3時間撹拌して反応を完結させ、キシレンを減圧留去して生成物を取り出し、冷却後粉砕することでエチレン・酢酸ビニル共重合体に無水マレイン酸がグラフト重合された分散剤(C−1)540部を得た。(C−1)はGMn18,000、GMw40,000、融点45℃、HLB2.1であった。
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の70%水溶液839部、アクリルアミド50%水溶液108部、イオン交換水333部、メルカプト酢酸0.33部の混合液を室温(20〜25℃)で調製した。さらに硫酸を用いてモノマー水溶液のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら3.0に調整した。得られた混合液を十分に窒素(純度99.999%以上。以下同じ。)で置換(溶存酸素濃度100ppb以下)した後、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩の10%水溶液1.94部を加えて均一溶液とし、モノマー水溶液を調製した。
別に還流脱水配管、滴下漏斗、窒素導入管および撹拌翼(マックスブレンド翼)を備えた反応槽にn−デカン1,282部を仕込んだ後、これに分散剤として、アルケン(C30以上)と無水マレイン酸の共重合体[商品名「ダイヤカルナ30」、三菱化学(株)製、HLB2.1、融点65℃、GMw10,000、以下同じ。]12.8部を加えて、撹拌翼を340rpmの回転数にて撹拌しながら、反応槽内を窒素置換(気相酸素濃度10ppm以下)した後、57℃まで昇温した。57℃に到達後、常圧条件下(103kPa)で、予め滴下漏斗内に仕込んだ前述のモノマー水溶液を反応槽中に60分間かけて全量投入し、投入完了後180分間57℃で撹拌を継続し逆相懸濁重合させた。
重合後、ポリマーを50℃にて減圧(3kPa)により共沸脱水した後、スラリーを、減圧濾過機に供給し固液分離を行った後、減圧乾燥機中(1.3kPa、40℃×2時間)で乾燥し、共重合体の乾燥粒子からなる高分子凝集剤(A1)688部を得た(固形分含量93.2%)。
実施例1において、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の70%水溶液839部の代わりにN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の64%水溶液904部を用い、アクリルアミド50%水溶液108部、イオン交換水333部およびメルカプト酢酸0.33部を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、重合体の乾燥粒子からなる高分子凝集剤(A2)619部(固形分含量93.5%)を得た。
実施例1において、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の70%水溶液839部の代わりにN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の64%水溶液344部、アクリルアミドの50%水溶液108部の代わりに同603部、イオン交換水333部の代わりに同357部、メルカプト酢酸0.33部の代わりに同2.60部、アルケン(C30以上)と無水マレイン酸の共重合体12.8部の代わりに脂肪酸エステル変性オルガノポリシロキサン[商品名「KF−910」、信越シリコーン(株)製、HLB2.5、融点45℃、GMw6,000 ]38.5部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、共重合体の乾燥粒子からなる高分子凝集剤(A3)556部(固形分含量93.8%)を得た。
実施例1において、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の70%水溶液839部、アクリルアミドの50%水溶液108部、イオン交換水333部の代わりに、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の70%水溶液152部、アクリルアミドの50%水溶液469部、N,N−ジメチルアミノ
エチルメタクリレートのメチルクロライド塩の64%水溶液268部、アクリル酸59.4部、イオン交換水469.7部を用い、メルカプト酢酸0.33部の代わりに同0.57部を用い、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩の10%水溶液1.94部の代わりに同1.7部を用い、さらにリン酸1ナトリウム11.4部、アルケン(C30以上)と無水マレイン酸の共重合体12.8部の代わりにショ糖脂肪酸エステル[商品名「リョートーシュガーエステルS−370」、三菱化学(株)製、HLB3.0、融点58℃、GMw950、以下同じ。]25.6部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、共重合体の乾燥粒子からなる高分子凝集剤(A4)633部(固形分含量92.1%)を得た。
実施例1において、アルケン(C30以上)と無水マレイン酸の共重合体12.8部の代わりに無水マレイン酸変性エチレン・酢酸ビニル共重合物[商品名「オレヴァック9318]、アルケマ(株)製、HLB1.2、融点50℃、GMw11,000]6.4部およびPEG脂肪酸エステル[商品名「イオネットDS−300」、三洋化成工業(株)製、HLB7.3、融点35℃、GMw850、以下同じ。]0.64部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、共重合体の乾燥粒子からなる高分子凝集剤(A5)687部(固形分含量93.2%)を得た。
実施例1において、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の70%水溶液839部の代わりに同215部、アクリルアミドの50%水溶液108部の代わりに同808部、イオン交換水333部の代わりに同237部、メルカプト酢酸0.33部の代わりにチオグリセロール0.0083部、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩の10%水溶液1.94部の代わりに同0.55部を用い、アルケン(C30以上)と無水マレイン酸の共重合体12.8部の代わりに分散剤(C−1)6.3部およびPEG脂肪酸エステル6.3部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、共重合体の乾燥粒子からなる高分子凝集剤(A6)542部(固形分含量93.0%)を得た。
実施例1において、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の70%水溶液839部の代わりにN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩の64%水溶液904部を用い、アクリルアミド50%水溶液108部、イオン交換水333部およびメルカプト酢酸0.33部を用いなかったこと、アルケン(C30以上)と無水マレイン酸の共重合体12.8部の代わりに分散剤(C−1)6.3部およびPEG脂肪酸エステル14.7部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、共重合体の乾燥粒子からなる高分子凝集剤(A7)610部(固形分含量93.4%)を得た。
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩の70%水溶液839部、アクリルアミド50%水溶液108部、メルカプト酢酸0.33部、イオン交換水333部を配合して室温(20〜25℃)でモノマー水溶液を調製した。さらに硫酸を用いてモノマー水溶液のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら3.0に調整した。このモノマー水溶液を10℃に調整した後、断熱反応容器に仕込み、重合槽内を十分に窒素置換(気相酸素濃度10ppm以下)した。窒素置換後、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩の5%水溶液11.3部、過酸化水素0.1%水溶液0.9部、アスコルビン酸0.1%水溶液0.8部を添加した。約10分後に液温上昇が始まり、反応系は次第に増粘しゲル状の重合物が得られた。発熱が認められなくなった時点でその温度で保持し、7時間後にゲルを細断(1mm角)し、100℃の熱風で5時間乾燥させた後、ミキサーにて粉砕し、共重合体の乾燥粒子からなる高分子凝集剤(比A1)691部(固形分含量92.8%)を得た。
比較例1において、モノマー水溶液として、メルカプト酢酸0.33部を含有しない実施例2と同じものを使用したこと以外は比較例1と同様にして、共重合体の乾燥粒子からなる高分子凝集剤(比A2)を得た。
実施例3において、脂肪酸エステル変性オルガノポリシロキサン38.5部の代わりにセルロースアセテートブチレート[商品名「CAB−381−2」、イーストマンコダック(株)製、HLB0.4、融点180℃、GMw20,000]12.8部を用いたこと以外は実施例3と同様にして、共重合体の乾燥粒子からなる高分子凝集剤(比A3)を得た。
実施例4において、ショ糖脂肪酸エステル25.6部の代わりにソルビタンエステル型非イオン界面活性剤[商品名「イオネットS−20」、三洋化成工業(株)製、HLB8.6、融点0℃以下、GMw350]38.5部を用いたこと以外は実施例4と同様にして、共重合体の乾燥粒子からなる高分子凝集剤(比A4)を得た。
(A1)、(A5)、(A6)および(比A1)をそれぞれイオン交換水に溶解して固形分含量0.2%の水溶液とした。T処理場から採取した余剰汚泥[pH5.3、TS3.3%、有機分78.3%]200部を300mLのビーカーに採り、(A1)、(A5)、(A6)および(比A1)の水溶液32部、35および38部をそれぞれの汚泥に添加し、(この時の固形分添加量はそれぞれ1.0、1.1、1.2%/TS)ハンドミキサーで充分に撹拌、混合処理し、前記の方法によりフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性およびケーキ含水率を測定した。結果を表2に示す。
(A2)および(比A2)をそれぞれイオン交換水に溶解して固形分含量0.2%の水溶液とした。N処理場から採取した混合生汚泥[pH5.3、TS2.3%、有機分80.2%]200部を300mLのビーカーに採り、(A2)および(比A2)のそれぞれの水溶液12、14、16部をそれぞれの汚泥に添加し、(この時の固形分添加量はそれぞれ0.5、0.6、0.7%/TS)ハンドミキサーで充分に撹拌、混合処理し、前記の方法によりフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性およびケーキ含水率を測定した。結果を表3に示す。
(A4)および(比A4)をそれぞれイオン交換水に溶解して固形分含量0.2%の水溶液とした。T処理場から採取した混合汚泥[余剰汚泥/消化汚泥=1/1(重量比)、pH5.9、TS2.7%、有機分72.2%]200部を300mLのビーカーに採り、それぞれポリテツ[日鉄鉱業(株)製、以下同じ]0.27部を添加しハンドミキサーで30秒間撹拌混合した後、(A4)および(比A4)のそれぞれの水溶液20、23、26部を添加(この時の固形分添加量はそれぞれ0.7、0.8、0.9%/TS)して、ハンドミキサーで充分に撹拌、混合処理し、前記の方法によりフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性およびケーキ含水率を測定した。結果を表4に示す。
(A3)および(比A3)をそれぞれイオン交換水に溶解して固形分含量0.2%の水溶液とした。3%濃度の中芯原繊スラリー(30℃、pH4.5)800部に、(A3)および(比A3)のそれぞれの水溶液72部(固形分添加量0.6%/TS)と硫酸バンド0.96部を添加し、抄紙して表6に示す坪量の紙を製造した。また、ブランクとして、高分子凝集剤を加えずに、同様な操作を行った。裂断長およびろ水量の結果を表5に示す。なお、裂断長およびろ水量は、JIS P−8113およびJIS P−8121に従って測定した。
Claims (6)
- 水溶性不飽和モノマーからなる重合性モノマー(a)を、疎水性分散媒(b)および1〜8のHLBを有する分散剤(c)の存在下で逆相懸濁重合させてなる、1〜40dl/gの固有粘度を有し、固有粘度から換算される重量平均分子量(Mw)とメンブラン式浸透圧測定法による数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1〜50である(共)重合体(A)の乾燥粒子からなり、該粒子が25〜40度の安息角を有することを特徴とする高分子凝集剤。
- (c)が、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による重量平均分子量が5,000未満の分散剤(c1)と5,000以上の分散剤(c2)を併用してなる請求項1記載の高分子凝集剤。
- (c)の使用量が、疎水性分散媒(b)の重量に基づいて0.01〜20%である請求項1または2記載の高分子凝集剤。
- 下水汚泥の脱水用である請求項1〜3のいずれか記載の高分子凝集剤。
- 製紙工程での濾水歩留向上用または紙力増強用である請求項1〜3のいずれか記載の高分子凝集剤。
- 水溶性不飽和モノマーからなる重合性モノマー(a)を、疎水性分散媒(b)および1〜8のHLBを有する分散剤(c)の存在下で逆相懸濁重合させ、得られる、1〜40dl/gの固有粘度を有し、固有粘度から換算される重量平均分子量(Mw)とメンブラン式浸透圧測定法による数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1〜50である(共)重合体(A)の粒子を乾燥して、安息角が25〜40度の乾燥粒子からなる高分子凝集剤を製造することを特徴とする高分子凝集剤の製造方法。
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