JP2010158452A - 画像処理装置および方法並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】疑似三次元医用画像の生成において、被写体の投影方向前後の胸郭骨が重なって表示されないようにする。
【解決手段】画像処理装置10は、予め撮像された被写体の横断面を示す複数の医用画像(アキシャル画像)を取得する画像取得部1と、複数の医用画像に表される被写体領域内の中心点から構成される中心線を算出する中心線算出部2と、表示された疑似三次元医用画像に表される被写体の投影方向前後の胸郭骨が重なって表示されないように、少なくとも複数の被写体領域からなる画像情報を、中心線から被写体領域の体表方向に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成する3と、疑似三次元医用画像および/または複数の医用画像うちの少なくともいずれかの医用画像を表示する表示部6を備えるものである。
【選択図】図1
【解決手段】画像処理装置10は、予め撮像された被写体の横断面を示す複数の医用画像(アキシャル画像)を取得する画像取得部1と、複数の医用画像に表される被写体領域内の中心点から構成される中心線を算出する中心線算出部2と、表示された疑似三次元医用画像に表される被写体の投影方向前後の胸郭骨が重なって表示されないように、少なくとも複数の被写体領域からなる画像情報を、中心線から被写体領域の体表方向に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成する3と、疑似三次元医用画像および/または複数の医用画像うちの少なくともいずれかの医用画像を表示する表示部6を備えるものである。
【選択図】図1
Description
本発明は疑似三次元医用画像を生成する処理に関し、特に複数の医用画像から画像投影法を実行することにより疑似三次元医用画像を生成する画像処理装置および方法並びにプログラムに関するものである。
従来、医療分野においては、複数の医用画像に対して、三次元的な画像の構築を可能とする画像投影法(Intensity Projection法、以下IP法という)を実行することにより、疑似三次元医用画像を生成することが行われている。
画像投影法は、処理対象である全ての医用画像に対して、対応するそれぞれのピクセルについて最大値(若しくは最小値,特定値)を取り出して投影することにより疑似三次元医用画像を生成する処理である。すなわち、図3に示すような場合、奥行き方向に得られた第1番目から第N番目までの医用画像に対して、同一ピクセルでの最大値(若しくは最小値,特定値)を取り出す処理を全ピクセルについて行うことにより、疑似三次元医用画像を生成することを可能としている。
この画像投影法には、複数の医用画像毎から最大値を取り出して疑似三次元医用画像を生成するようにするMIP(Maximum Intensity Projection)法が存在する。このMIP法を用いた場合、医用画像に表される骨領域の濃度値が高いため、最終的に生成された疑似三次元医用画像に表される骨領域が特に強調されてしまい、読影者が診断しにくい画像が生成される。
そこで、このような画像投影法の前処理として、骨領域を削除する手法が、特許文献1に提案されている。
しかしながら、従来の画像投影法を用いた画像処理装置(特許文献1参照)では、骨領域を削除してしまうため、積極的に骨領域を診断することができないという問題があった。
また、胸郭骨の画像診断は、医用画像(アキシャル画像)を用いて診断するのが一般的であるが、胸郭骨(特に肋骨、胸骨、胸椎等)は、被写体の体表付近に点在するため、読影者は、医用画像の注視すべき骨領域を診断しづらく、かつ医用画像(アキシャル画像)では第何番目の肋骨や胸椎であるかを把握しにくいという問題もあった。
更に、MIP法であれば、医用画像に表される被写体領域をそのまま投影した場合、医用画像に表される骨領域の濃度値が高いため、骨領域が特に強調され、被写体の投影方向前後の胸郭骨が重なって表示されることで、より診断がしにくい画像が生成されるという問題があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、複数の医用画像から骨領域を診断しやすくする疑似三次元医用画像の生成することが可能な画像処理装置および方法並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の画像処理装置は、予め撮像された体表を含む被写体の多数の横断面を示す医用画像群に基づき画像投影法を実行することにより生成された疑似三次元医用画像を表示する画像処理装置において、医用画像群に表された各被写体領域の略中心点を連結して構成される中心線を算出する中心線算出部と、中心線から被写体の体表に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成する擬似三次元医用画像生成部と、生成された擬似三次元医用画像を表示する表示部を備えたことを特徴とするものである。
「略中心点」とは、被写体領域内の略真中に存在する所定の画素をいい、必ずしも被写体領域内の厳密な中心である必要はない。例えば、被写体領域の周囲または所定の両端から略等距離にあるような点や、重心点、医用画像の中心点および自動検出された体表領域の略中心点等が挙げられる。
「疑似三次元医用画像生成部」とは、予め撮像された体表を含む被写体の多数の横断面を示す医用画像群に基づき画像投影法を実行することにより疑似三次元医用画像を生成するものである。
また、「疑似三次元医用画像生成部」は、MIP法を用いて画像投影法を実行するものであってもよい。
また、「疑似三次元医用画像生成部」は、RAYSUM法を用いて画像投影法を実行するものであってもよい。
「表示部」は、医用画像群のうち少なくともいずれかの医用画像または疑似三次元医用画像生成部により生成された擬似三次元医用画像を表示するものである。
また、「表示部」は、医用画像上に、画像投影法により投影されている領域の範囲を示す画像と、画像投影法の投影方向を示す標識とを合成表示するものであってもよい。
本発明の画像処理装置は、更に、複数の被写体領域のそれぞれに対して、中心線と被写体領域の交差する点から特定領域を指定する特定領域指定部を備えるものであり、擬似三次元医用画像生成部が、特定領域についてのみ画像投影法を実行するものであってもよい。
「特定領域」とは、複数の被写体領域のそれぞれに対して、指定された特定の領域をいう。
また、「特定領域」は、被写体の胸郭骨を除いた領域であってもよい。
本発明の画像処理装置は、更に、複数の被写体領域のそれぞれに対して、任意領域を指定する任意領域指定部とを備えるものであり、擬似三次元医用画像生成部が、任意領域についてのみ画像投影法を実行するものであることを特徴とするものであってもよい。
本発明の画像処理装置が、更に、医用画像上に指定点を入力する入力部と、入力部により指定点が入力された際、医用画像上の指定点に対応する疑似三次元医用画像上の対応点の位置を計算する計算部を備えるものであり、表示部が、医用画像と、疑似三次元医用画像とを表示するものであり、かつ疑似三次元医用画像上に、計算された対応点を示す標識を、位置に合成表示することを特徴とするものであってもよい。
本発明の画像処理装置が、更に、表示された疑似三次元医用画像上に指定点を入力する入力部と、入力部により指定点が入力された際、疑似三次元医用画像上の指定点に対応する医用画像上の対応点の位置を計算する計算部を備えるものであり、表示部が、前記医用画像と、疑似三次元医用画像とを表示するものであり、かつ、医用画像上に、計算された対応点を示す標識を、位置に合成表示することを特徴とするものであってもよい。
本発明の画像処理方法は、予め撮像された体表を含む被写体の多数の横断面を示す医用画像群に基づき画像投影法を実行することにより生成された疑似三次元医用画像を表示する画像処理方法において、医用画像群に表された各被写体領域の略中心点を連結して構成される中心線を算出し、中心線から被写体の体表に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成し、生成された擬似三次元医用画像を表示することを特徴とする。
本発明の画像処理プログラムは、予め撮像された体表を含む被写体の多数の横断面を示す医用画像群に基づき画像投影法を実行することにより生成された疑似三次元医用画像を表示するプログラムにおいて、医用画像群に表された各被写体領域の略中心点を連結して構成される中心線を算出する機能と、中心線から被写体の体表に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成する機能と、生成された擬似三次元医用画像を表示する機能とをコンピュータに実現させることを特徴とするものである。
本発明の画像処理装置および方法並びにプログラムによれば、中心線から被写体の体表に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成し、生成された擬似三次元医用画像を表示することにより、被写体における骨領域の全体的な位置を把握しながら、骨領域を診断し易くした疑似三次元医用画像を生成し、表示することができる。
更に、本発明の画像処理装置および方法並びにプログラムにおいて、表示部に表示された医用画像上に指定点を入力し、指定点が入力された際、医用画像上の指定点に対応する疑似三次元医用画像上の対応点の位置を計算し、表示部が、医用画像と、疑似三次元医用画像とを表示するものであり、かつ疑似三次元医用画像上に、計算された対応点を示す標識を、位置に合成表示する際には、医用画像上の指定点に対応する擬似三次元医用画像上の位置を容易に把握することができる。特に、医用画像の指定点における骨が、擬似三次元医用画像上における何番目の骨であるかを容易に把握することができる。
更に、本発明の画像処理装置および方法並びにプログラムにおいて、表示部に表示された疑似三次元医用画像上に指定点を入力し、指定点が入力された際、疑似三次元医用画像上の指定点に対応する医用画像上の対応点の位置を計算し、表示部が、医用画像と、疑似三次元医用画像とを表示するものであり、かつ、医用画像上に、計算された対応点を示す標識を、位置に合成表示する際には、擬似三次元医用画像上の指定点に対応する医用画像上の位置を容易に把握することができる。特に、擬似三次元医用画像上の指定点における病変部が、医用画像上におけるどの位置に存在するかを把握することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示す画像処理装置10は、予め撮像された体表を含む被写体の多数の横断面を示す医用画像(アキシャル画像)群を取得する画像取得部1と、医用画像群に表された各被写体領域の略中心点を連結して構成される中心線を算出する中心線算出部2と、中心線から被写体の体表に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成する疑似三次元医用画像生成部3と、疑似三次元医用画像および/または複数の医用画像うちの少なくともいずれかの医用画像を表示する表示部6と、後述する入力部4と、指定点に対応する対応点を入力する入力部4と、後述する計算部5、後述する特定領域指定部7、後述する任意領域指定部8等を備えている。
画像取得部1は、複数の医用画像(例えば、CT画像やMRI画像等)を記録した記録媒体を読み取ることにより、もしくはCT装置(コンピュータ断層撮影装置;Computed Tomography)やMRI装置(核磁気共鳴撮像装置)から通信回線を経由することにより、複数の医用画像を取得するものである。なお、画像取得部1が、CT装置やMRI装置であってもよい。
中心線算出部2は、医用画像群に表された各被写体領域の略中心点を連結して構成される構成される中心線を算出するものである。
この略中心点とは、被写体領域内の略真中に存在する所定の画素をいい、必ずしも被写体領域内の厳密な中心である必要はない。例えば、被写体領域の周囲または所定の両端から略等距離にあるような点や、重心点、医用画像の中心点および後述する手法により自動検出された体表領域の略中心点等等が挙げられる。
この中心線算出部2は、疑似三次元医用画像生成部3が中心線を基準に、被写体の体表に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成するための前処理として中心線の算出を行っている。そのため、中心線算出部2は、胸郭骨が、体表領域より少し内側に円柱表面状に配置していることを鑑みて、複数の医用画像(アキシャル画像)のいずれかの医用画像における被写体の体表領域の略中心点(中心の点であってもよい)を基準とし、かつ全ての医用画像と垂直な線(略垂直な線であってもよい)を中心線として設定する。
また、中心線算出部2は、後述する手法により、各医用画像(アキシャル画像)群において、医用画像に表される被写体の体表領域を検出し、その体表領域の略中心点(中心の点であってもよい)を算出し、かつ算出された中心点全てにおけるX座標、Y座標(アキシャル画像の横軸の座標、縦軸の座標)の平均値を基準として、かつ全ての医用画像と垂直な線(略垂直な線であってもよい)を中心線として設定してもよい。この際、基準となった平均値を略中心点とする。
また、中心線算出部2は、後述する手法により各医用画像(アキシャル画像)群において、医用画像に表される被写体の体表領域を検出し、その体表領域の略中心点(中心の点であってもよい)を算出し、かつ算出された全ての中心点から最小二乗法により求めた線を中心線として設定してもよい。この際、最小二乗法により求めた線と、医用画像の交差する点を略中心点とする。
また、中心線算出部2は、被写体の体表領域の略中心点を基準にするのではなく、医用画像全体の略中心点を基準としてもよい。
また、中心線算出部2は、被写体の体表領域の中心点を基準にするのではなく、医用画像に表された被写体の肋骨周りの輪郭円の略中心点を基準としてもよい。
また、中心線算出部2は、特開2008−259682号公報の手法を用いることにより、体表領域を検出することができる。そして、中心線算出部2は、その分類した被写体領域を体表領域として、検出することができる。
また、中心線算出部2は、以下の手法により、体表領域を検出することができる。具体的には、医用画像が、所定の基準濃度以上の画像濃度を有し、基準濃度よりも低い画像濃度を有する低濃度画素に分類し、分類結果に伴い、各高濃度像の境界線が抽出し、各高濃度像に、その高濃度像を識別するためのラベル番号を付与し、二次元の高濃度像をZ軸方向に見たときの相互の繋がりが分析され、Z軸方向に繋がった一連の高濃度像群を抽出し、線形リストが辿られて、連結された複数のラベルデータそれぞれに含まれる高濃度像の面積の合計と、周囲長の合計とが算出され、それら面積の合計値および周囲長の合計値に基づいて、一連の高濃度像群の輪郭が繋がって形成される三次元像の体積を算出する。更に、体表の候補として決定された高濃度像群を構成する複数の高濃度像それぞれのラベルデータが医用画像のスライス番号の小さいものから順に解析し、スライス番号が隣接する複数のラベルデータ間で、高濃度像の面積が急激に減るとともに、高濃度像の周囲長が急激に増加する第1変化点が探索され、穴埋め処理が終了すると、最終的な体表位置が決定する。そして、中心線算出部2は、その分類した被写体領域を体表領域として、検出することができる。
また、中心線算出部2は、例えば、特願2007−256290号公報の手法を用いてもよく、複数の医用画像の各々において、所定の画像濃度値を基準として二値化処理を施し、二値化処理が施された医用画像において二値化によって分別された2種の像のうちの一方を、医用画像内での他方の像との位置関係、および他の医用画像により抽出された他方の像との位置関係に基づいて、被写体の体表領域と、被写体の体表外の像からなる非被写体領域とに分類することを可能とする。そして、中心線算出部2は、その分類した被写体領域を体表領域として、検出することができる。
また、中心線算出部2は、複数の医用画像それぞれが所定の画像濃度を基準として二値化されるとともに、二値化された医用画像に写っている各像が、医用画像内や他の医用画像中の他の像との位置関係に基づいて、被検体内の像からなる第1の像群と被検体外の像からなる第2の像群とに分類することにより、体表領域を検出することができる。このように、平面のみならず立体も考慮されて医用画像中の各像が分類されるため、画像濃度が低い肺の像なども、他の像との位置関係に基づいて精度良く被写体内の像に分類することができる。そして、中心線算出部2は、その分類した被写体領域を体表領域として、検出することができる。
また、中心線算出部2は、複数の医用画像に亘って連続している一連の像については同一の像群に分類するものであることが好ましい。また、中心線算出部2は、ある断面では分離していても、立体的に繋がっていれば同一の像群に分類されるため、ある医用画像上に写っている被写体の一部が消去されてしまう不具合を軽減することができる。
また、中心線算出部2は、上述した分類するに際し、1つの医用画像内である像が他の像を囲んでいる場合には、それらの像を同一の群像に分類するものであることが好適である。そして、中心線算出部2は、その分類した被写体領域を体表領域として、検出することができる。
中心線算出部2は、被写体領域内にありながら画像濃度が低い肺野領域なども精度良く被写体内の像として分類することができる。中心線算出部2は、上述した分類に際し、第2の像群に分類された像のうち、その像が写っている医用画像中で、第1の像群に分類された像の間に割り込んだ像であって、かつ所定方向について、第1の像群に分類された像によって挟まれた像については第1の像群に分類し直すものであることが好ましい。そして、中心線算出部2は、その分類した被写体領域を体表領域として、検出することができる。
また、中心線算出部2は、複数の医用画像の各々において、所定の画像濃度値を基準として二値化処理を施し、二値化処理が施された医用画像により分別された各像のうち、上述した二次ラベリングにより、医用画像の端部に位置する像と連結される像の集合領域以外を被写体領域と、集合領域を非被写体領域とに分類する手法を用いても良い。
疑似三次元医用画像生成部3は、中心線算出部2により算出された中心線から前記被写体の体表に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成するものである。
擬似三次元医用画像生成部3は、例えば、中心線算出部2により算出された中心線を基準として放射線状に体表領域に向かって画像投影法を実施するものであり、図4は本手法を二次的に示した例であるが、医用画像I1と、略中心点P1を通る中心線から、放射線状に体表領域の方向に沿って画像投影法を実施することにより、縦軸が中心軸周囲の円周角度とし、横軸が中心線長手方向の位置として展開図のような疑似三次元医用画像I2が生成される。
画像投影法としては、例えば、MIP法の他に、RAYSUM(RAY SUMMATION)法を用いてもよい。
画像処理装置10が、更に、複数の被写体領域のそれぞれに対して、中心線と被写体領域の交差する点から特定領域を指定する特定領域指定部7を備えるものであり、擬似三次元医用画像生成部3が、特定領域についてのみ画像投影法を実行する。
特定領域指定部7は、例えば、図4のC1および図5C2とC3を指定することを受付、C1内の閉領域および外円C2と内円C3の間の領域を特定領域として指定することができる。
例えば、図5に示すように、外円C2と内円C3の間の領域を特定領域として指定することにより、医用画像I3上の略中心点を通る中心線から、放射線状に体表領域の方向に沿って、特定領域のみ画像投影法を実施することにより、縦軸が中心軸周囲の円周角度とし、横軸が中心線長手方向の位置として展開図のような疑似三次元医用画像I4が生成される。
画像処理装置10が、更に、各被写体領域に対して、任意領域を指定する任意領域指定部7とを備えるものであり、擬似三次元医用画像生成部3が、任意領域についてのみ画像投影法を実行する。
任意領域指定部8は、円ではなく閉曲線により任意領域を指定することを可能とし、更に、内閉曲線と外閉曲線の間の領域を特定領域として指定することができる。この際、画像投影法の投影する中心は、内閉曲線の略中心点とする。
このように、内閉曲線と外閉曲線の間の領域を特定領域として指定することにより、肩甲骨などの骨領域を削除(指定外)することにより、画像投影法を実行することが可能となる。また、体表中心付近の石灰化された骨領域を削除(指定外)することにより、このような骨領域を強調して擬似三次元医用画像の生成を防ぐことができる。
また、任意領域指定部8は、特定形状のマスク領域を設定することにより、任意領域を指定することを可能とする。
また、MIP法は、医用画像に表される被写体領域をそのまま投影した場合、医用画像に表される骨領域の濃度値が高いため、骨領域が特に強調されるため、裏に隠れた欠損が表現されにくい擬似三次元画像を生成する手法である。
一方、RAYSUM法は、医用画像に表される被写体領域をそのまま投影した場合、裏に隠れた欠損も表現される擬似三次元医用画像を生成するが、擬似三次元医用画像全体としての濃度値が薄くなり、他の臓器と骨領域等の識別性が低い擬似三次元画像を生成する手法である。
そのため、擬似三次元医用画像生成部3は、任意領域を指定された後、RAYSUM法を用いれば、識別性が高い擬似三次元医用画像を生成することが可能となる。
擬似三次元医用画像生成部3は、例えば、特開2008−93254号公報の手法を用いることにより、擬似三次元医用画像(コロナル画像)上で指定された位置の、その擬似三次元医用画像(コロナル画像)に含まれる医用画像の断面方向とは異なる断面方向に沿った医用画像を容易に表示させることができ、病巣の位置や形状を正確に把握することができる。更に胸郭骨を認識し、認識された胸郭骨毎に、骨番号を付与することができる。
また、擬似三次元医用画像生成部3は、医用画像に表れたベッド等の診断非対象物である高輝度度な画像領域を抽出し、抽出した画像領域を削除することも可能である。
また、疑似三次元医用画像生成部3は、後述する入力部4により入力された指定点の位置に基づき、画像投影法の投影方向を変更することも可能とする。
表示部6は、医用画像(アキシャル画像)や疑似三次元医用画像(コロナル画像)を表示するモニタ、例えばCRT画面、液晶画面等である。
画像処理装置10は、医用画像と、疑似三次元医用画像とを表示する表示部6と、表示された医用画像上に指定点を入力する入力部4と、入力部4により指定点が入力された際、医用画像上の指定点に対応する疑似三次元医用画像上の対応点の位置を計算する計算部5を備え、表示部6が、医用画像と、疑似三次元医用画像とを表示するものであり、かつ疑似三次元医用画像上に、計算された対応点を示す標識を、位置に合成表示する。
画像処理装置10は、更に、表示部6に表示された疑似三次元医用画像上に指定点を入力する入力部4と、入力部4により指定点が入力された際、表示部6に表示される疑似三次元医用画像上の指定点に対応する医用画像上の対応点の位置を計算する計算部5とを備えるものであり、表示部6は、医用画像と、疑似三次元医用画像とを表示するものであり、かつ、医用画像上に、計算された対応点を示す標識を、位置に合成表示することも可能とする。その際、表示部6は、入力部4により入力された指定点に対応する位置を含む疑似三次元医用画像を表示することも可能とする。
画像処理装置の構成は、補助記憶装置に読み込まれた画像処理プログラムをコンピュータ(たとえばパーソナルコンピュータ等)上で実行することにより実現される。
このとき、この画像処理プログラムは、CD−ROM等の情報記憶媒体に記憶され、もしくはインターネット等のネットワークを介して配布され、コンピュータにインストールされることになる。
入力部4、任意領域指定部8及び特定領域指定部7は、マウスまたはキーボード等の入力手段である。
ユーザは、表示部6の画面上に対して、上記マウスまたはキーボード等からなる入力部4、任意領域指定部8及び特定領域指定部7を用いて、入力を行う。
図2は、疑似三次元医用画像の生成手順を表すフローチャートを示す図である。
まず、画像取得部1が、被写体を胸から足の付け根まで複数の切断位置で切断したときの各輪切の画像からなる医用画像(アキシャル画像)に置ける典型的なCT画像群を取得する(#1)。
中心線算出部2が、上述した手法のいずれかにより、画像取得部1により取得されたCT画像群に表された各被写体領域の略中心点を連結して構成される中心線を算出する(#2)。例えば、図4のCT画像I1上における略中心点は、P1が相当する。
疑似三次元医用画像生成部3が、上述した手法のいずれかにより、表示部6に表示された疑似三次元医用画像に表される被写体の胸郭骨が重なって表示されないように、中心線算出部2により算出された中心線から被写体の体表に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成する(#3)。なお、MIP法に換えて、RAYSUM法を用いてもよい。
表示部6は、疑似三次元医用画像部3により作成された疑似三次元医用画像(コロナル画像)を表示する(#4)。
次に、表示部6の第一の表示態様として、疑似三次元医用画像(コロナル画像)と医用画像(CT画像)との連動表示について、説明する。
例えば、表示部6は、擬似三次元医用画像(コロナル画像)と、医用画像(CT画像)を同時に表示する。次に入力部4が、表示部6上に表示される医用画像(CT画像)上の指定点の入力をユーザから受け付けた際、計算部5が、指定点のXY座標から、その指定点を含むコロナル画像を選択し、医用画像(CT画像)上の指定点の高さ位置(被写体の足の付け根から頭の高さ位置を示すZ座標)を求める。表示部6は、計算部5が求めたZ座標と指定点のXY座標に相当する位置を示す対応点を表す標識(例えば、マーク、点等)を、選択されたコロナル画像上に合成して表示するものとし、選択されなかったコロナル画像を表示しないようにする。なお、これらの擬似三次元医用画像(コロナル画像)と、医用画像(CT画像)との連動表示は、特開2002−6044号公報に記載の手法をPET画像からCT画像に適用することにより用いても良い。
このように、表示部に表示された医用画像上に指定点を入力し、指定点が入力された際、医用画像上の指定点に対応する疑似三次元医用画像上の対応点の位置を計算し、表示部が、医用画像と、疑似三次元医用画像とを表示するものであり、かつ疑似三次元医用画像上に、計算された対応点を示す標識を、位置に合成表示することにより、医用画像上の指定点に対応する擬似三次元医用画像上の位置を容易に把握することができる。特に、医用画像の指定点における骨が、擬似三次元医用画像上における何番目の骨であるかを容易に把握することができる。
ユーザが、入力部4を介して表示部6上の擬似三次元医用画像(コロナル画像)上に指定点を指定すると、指定点を示す標識が表示され、表示部6上に対応して表示されるCT画像上にも対応点の標識が自動表示することも可能である。
このように、表示部6に表示された擬似三次元医用画像(コロナル画像)に指定点を入力し、指定点が入力された際、疑似三次元医用画像上の指定点に対応する医用画像上の対応点の位置を計算し、表示部6が、医用画像と、疑似三次元医用画像とを表示するものであり、かつ、医用画像上に、計算された対応点を示す標識を、位置に合成表示することにより、擬似三次元医用画像上の指定点に対応する医用画像上の位置を容易に把握することができる。特に、擬似三次元医用画像上の指定点における病変部が、医用画像上におけるどの位置に存在するかを把握することができる。
表示部6上に複数の擬似三次元医用画像を表示する場合において、疑似三次元医用画像部3が、入力部4によって回転指示を受け付けたことにより、擬似三次元医用画像(コロナル画像)を回転したデータを生成する。その後、表示部6は、動画により回転した擬似三次元医用画像を表示することを可能とする。なお、指定点や対応点を入力した場合は、回転してもそれらの標識は追従することができる。この回転についての追従方法は、特願2008−145402号公報に記載の手法を用いても良い。また、入力部4(例えば、マウス等)によって、回転制御させることも可能である。
なお、上述したように入力部4により指定点の指示を受け付けている際には、対応する対応点を擬似三次元医用画像に表示しながら、動画による回転表示をしてもよい。
また、入力部4が、表示部6上に表示される医用画像(CT画像)上の被写体領域外に指定点の入力を受け付けた際、計算部5は、CT画像の被写体領域外の領域において、指定点を指定されたことを求めた際には、表示部6にエラーメッセージを表示するように表示指示を行ってもよい。
次に、表示部6の第二の表示態様として、医用画像の強調表示について、説明する。
画像処理装置10は、更に表示部4が、医用画像(CT画像)上に、特定領域を強調して示す画像Mと、疑似三次元医用画像(コロナル画像)における画像投影法の投影方向を示す標識(例えば、文字)とを合成表示することを可能とする。
表示部4は、入力部4により画像Mの表示または非表示とするように設定し、投影方向を示す文字等を表示または非表示とするように設定できる。また、表示部4に疑似三次元医用画像(コロナル画像)が複数表示されている際には、入力部4により指定された疑似三次元医用画像(コロナル画像)に対応する投影方向を示す標識を表示できる。画像Mの換わりに、他方の側に存在する被写体領域の輪郭のみを強調してもよい。また、画像Mは、半透明とすることで、合成前の被写体領域が見えるようにしてもよい。なお、ユーザが、入力部4を介して、画像Mの透明度を調整できるものであってもよい。
例えば、表示部6は、例えば、図6に示すように、医用画像I5上の内円C5と外円C4の間の特定領域を画像Mとして合成表示することができる。上述したように特定領域をマスク領域等にし、それらを画像Mとして合成表示することも可能である。
以上の通り、本発明の実施形態により、中心線から被写体の体表に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成し、生成された擬似三次元医用画像を表示することにより、被写体における骨領域の全体的な位置を把握しながら、骨領域を診断し易くした疑似三次元医用画像を生成し、表示することができる。
更に、表示部6に表示された医用画像上に指定点を入力し、指定点が入力された際、医用画像上の指定点に対応する疑似三次元医用画像上の対応点の位置を計算し、表示部が、医用画像と、疑似三次元医用画像とを表示するものであり、かつ疑似三次元医用画像上に、計算された対応点を示す標識を、位置に合成表示する際には、医用画像上の指定点に対応する擬似三次元医用画像上の位置を容易に把握することができる。特に、医用画像の指定点における骨が、擬似三次元医用画像上における何番目の骨であるかを容易に把握することができる。
更に、表示部6に表示された疑似三次元医用画像上に指定点を入力し、指定点が入力された際、疑似三次元医用画像上の指定点に対応する医用画像上の対応点の位置を計算し、表示部が、医用画像と、疑似三次元医用画像とを表示するものであり、かつ、医用画像上に、計算された対応点を示す標識を、位置に合成表示する際には、擬似三次元医用画像上の指定点に対応する医用画像上の位置を容易に把握することができる。特に、擬似三次元医用画像上の指定点における病変部が、医用画像上におけるどの位置に存在するかを把握することができる。
1 画像取得装置
2 分類線設定部
3 擬似三次元医用画像部
4 入力部
5 計算部
6 表示部
7 特定領域指定部
8 任意領域指定部
2 分類線設定部
3 擬似三次元医用画像部
4 入力部
5 計算部
6 表示部
7 特定領域指定部
8 任意領域指定部
Claims (11)
- 予め撮像された体表を含む被写体の多数の横断面を示す医用画像群に基づき画像投影法を実行することにより生成された疑似三次元医用画像を表示する画像処理装置において、
前記医用画像群に表された各被写体領域の略中心点を連結して構成される中心線を算出する中心線算出部と、
前記中心線から前記被写体の体表に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成する擬似三次元医用画像生成部と、
前記生成された擬似三次元医用画像を表示する表示部を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記画像処理装置が、更に、
前記各被写体領域に対して、前記中心線と該被写体領域の交差する点から特定領域を指定する特定領域指定部を備えるものであり、
前記擬似三次元医用画像生成部が、前記特定領域についてのみ画像投影法を実行するものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記特定領域が、前記被写体の胸郭骨を除いた領域であることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
- 前記画像処理装置が、更に、
前記各被写体領域に対して、任意領域を指定する任意領域指定部とを備えるものであり、
前記擬似三次元医用画像生成部が、前記任意領域についてのみ画像投影法を実行するものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記疑似三次元医用画像生成部が、MIP法を用いて前記画像投影法を実行するものであることを特徴とする請求項1から4項いずれか1項記載の画像処理装置。
- 前記疑似三次元医用画像生成部が、RAYSUM法を用いて前記画像投影法を実行するものであることを特徴とする請求項1から4項いずれか1項記載の画像処理装置。
- 前記画像処理装置が、更に、
前記医用画像上に指定点を入力する入力部と、
前記入力部により指定点が入力された際、前記医用画像上の指定点に対応する前記疑似三次元医用画像上の対応点の位置を計算する計算部を備えるものであり、
前記表示部が、前記医用画像と、前記疑似三次元医用画像とを表示するものであり、かつ前記疑似三次元医用画像上に、前記計算された対応点を示す標識を、前記位置に合成表示することを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の画像処理装置。 - 前記画像処理装置が、更に、
前記表示された疑似三次元医用画像上に指定点を入力する入力部と、
前記入力部により指定点が入力された際、前記疑似三次元医用画像上の指定点に対応する前記医用画像上の対応点の位置を計算する計算部を備えるものであり、
前記表示部が、前記医用画像と、前記疑似三次元医用画像とを表示するものであり、かつ、前記医用画像上に、前記計算された対応点を示す標識を、前記位置に合成表示することを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の画像処理装置。 - 前記表示部が、前記医用画像上に、画像投影法により投影されている領域の範囲を示す画像と、前記画像投影法の投影方向を示す標識とを合成表示するものであることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の画像処理装置。
- 予め撮像された体表を含む被写体の多数の横断面を示す医用画像群に基づき画像投影法を実行することにより生成された疑似三次元医用画像を表示する画像処理方法において、
前記医用画像群に表された各被写体領域の略中心点を連結して構成される中心線を算出し、
前記中心線から前記被写体の体表に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成し、
前記生成された擬似三次元医用画像を表示することを特徴とする画像処理方法。 - 予め撮像された体表を含む被写体の多数の横断面を示す医用画像群に基づき画像投影法を実行することにより生成された疑似三次元医用画像を表示するプログラムにおいて、
前記医用画像群に表された各被写体領域の略中心点を連結して構成される中心線を算出する機能と、
前記中心線から前記被写体の体表に向かって放射線状に画像投影法を実行することにより、平面展開された擬似三次元医用画像を生成する機能と、
前記生成された擬似三次元医用画像を表示する機能とをコンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
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