JP2010156981A - ステープラによる用紙綴じ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はステープルで複数の用紙を綴る際にステープルの打ち込み時の貫通抵抗を低減させることにより、ステープラ自体を大型化したり、強度の高いステープルを用いたりすることなしに良好な綴りを実現することができるステープル打ち込み荷重の低減方法を提供することをその課題とする。
【解決手段】複写機、プリンター等の画像形成装置で複写又は印刷した複数の用紙をステープラで綴じる際、上記用紙の綴じ部に予め貫通抵抗低減剤を付着させた後、上記綴じ部にステープルを打ち込むことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、複写機、プリンター等の電子機器で複写又は印刷した複数の用紙をステープラによって綴じる際に、ステープルの打ち込み荷重を低減させることにより、ステープラ自体を大型化したり強度の高いステープルを用いたりすることなしに綴ることができるステープラによる用紙綴じ方法に関する。
最近、事務機にもデジタル機器が急速に普及し始め、複写機にもカラー化が求められ、それに伴ない、カラー複写機にも電動ステープラが内蔵されたものが要求されている。電動ステープラも、普通紙用の複写機に装備されたものと同じ機種でカラー紙用複写機に対応することができるのであれば問題はない。
ところが、普通紙とカラー紙とでは、厚さ、密度、表面コート等が異なり、ステープラで綴るときにはカラー紙の方がステープルの貫通抵抗が高い。そのため、同じ枚数を綴じる場合に、普通紙用のステープラではカラー紙を綴じることはできないことがある。したがって、カラー複写機に装備される電動ステープラは、カラー紙の貫通抵抗に耐えられるように設計的に改善しなければならない。例えば、パワーを上げる、ステープルの脚が座屈しないように針脚ガイドを強化する、強度を高めて耐久性を強化させる等が、その対象になっているのが実状である。また、ステープラ自体の部品や機構の設計を改善するだけでは足りない。さらに、カラー用紙そのものの物性も解明されなければならない。このため、複写機のカラー化は複写機メーカーだけでなく、ステープラメーカーにも種々の改善、改良の負担を強いることになる。
ステープラメーカー側の対応としては、ステープラの機構の改善で対処していた。例えば、ステープラ自体を大型化する、ステープルの強度を上げる、使用するバネのバネ力を大きくする、ステープルの針脚が綴り用紙に座屈せずに貫通するようにガイドする機構を採用するなどの解決策が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−180710号公報
本発明は上記問題点を解消し、ステープルで複数の用紙を綴る際にステープルの打ち込み時の貫通抵抗を低減させることにより、ステープラ自体を大型化したり、強度の高いステープルを用いたりすることなしに良好な綴りを実現することができるステープラによる用紙綴じ方法を提供することをその課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るステープラによる用紙綴じ方法は、複写機、プリンター等の画像形成装置で複写又は印刷されて、前記画像形成装置から送出される用紙が排出されて揃えられるステープルトレイと、前記ステープルトレイに排出された前記用紙をステープルで綴じて用紙束とするステープラと、を用いて実行され、前記用紙は、前記ステープルで綴じられる綴じ部に前記画像形成装置によって貫通抵抗低減剤が付着され、前記綴じ部にステープルが打ち込まれることを特徴とする。
また、前記貫通抵抗低減剤は、前記画像形成装置によって前記用紙に複写又は印刷すると同時に付着されるものであるのが好ましい。
また、前記貫通抵抗低減剤は、前記画像形成装置が前記用紙に対して画像形成する際に使用されるトナーであって、前記貫通抵抗低減剤の付着は、前記用紙に対する画像形成によって行われるものであるのが好ましい。
また、前記用紙束が排紙されるスタッカを備えるものであるのが好ましい。
また、前記トナーは、前記用紙のうち前記ステープルが打ち込まれる側の最上部の用紙を除いて付着されるものであるのが好ましい。
ステープルの貫通荷重の実験結果を示す表図 複写機を簡略に示した説明図 (a)(b)(c)はステープルの綴りの態様を示す説明図 本発明の1つの実施形態を示すフローチャート図 本発明の他の実施形態を示すフローチャート図 本発明の別の実施形態を示すフローチャート図
本発明は、ステープラで複数の用紙を綴る際にステープルの打ち込み時の貫通抵抗を低減させることにより、ステープラやステープル自体の能力を上げなくても容易に多数枚の用紙を綴ることができるものである。このようにステープルの打ち込み荷重を軽減するためには、ステープルの貫通抵抗を低減させる貫通抵抗低減剤によって行なう。
綴られるべき用紙の枚数が多くなればなるほど、打ち込まれたステープルが用紙を貫通するときに大きな抵抗を受けるが、上記貫通抵抗低減剤は、この貫通時の抵抗を低減させて打ち込み荷重を小さくするもので、綴り動作をさせる前に、予め上記用紙のステープルが貫通する部分、つまり綴じ部に予め貫通抵抗低減剤を付着させることによって貫通抵抗を低減させようとするものである。
このような貫通抵抗低減剤としては、例えば複写機の複写用トナーの一部に認められる。このことは、図1の表に示すような貫通荷重の実験データによって知ることができる。
なお、上記実験は、気温10°C、湿度5%の環境条件下で行なった。綴られる用紙の枚数はカラー紙40枚で、用紙はカラー紙A(90g/m)とカラー紙B(90g/m)の2種類であった。前者は図1の左側、後者はその右側に表示されている。それぞれの種類は、次の4種類a、b、c、dに分けられる。
a:開封したままの無垢の用紙
b:カラープリンタで両面印刷した用紙の画像が載っていない部分を綴じ部としたもの
c:画像の色が濃い部分(トナーが多く乗っていると思われる部分)を綴じ部としたもの
d:画像の色が薄い部分(トナー乗りが少ないと思われる部分)を綴じ部としたもの結果は、トナーを施しておいた方がトナーを施さなかったものに比べて貫通荷重が約45%も減少した。
これにより、次の事実を知ることができる。1つは、何もない無垢のままの用紙や、カラープリンタ内を通過して乾燥状態にある用紙よりも、印刷した部分の方が貫通抵抗がはるかに小さいことが明らかである。次に、上記トナーにはステープルの貫通荷重を小さくし、ステープルの貫通抵抗を低減する低減剤が含まれているということである。さらに、トナー以外にも貫通抵抗低減剤が存在するかもしれないという可能性である。
以上のことから、少なくともカラープリンタ用トナーには、ステープルの貫通抵抗低減剤が含まれることが明白であるから、この場合、印刷又は複写された用紙をステープルで綴じるときは、プリンター又は複写機にステープラを装備させておき、綴じ機能付き複写機の場合と同様にして印刷又は複写と同時に用紙の綴じ部にもトナーを付着させ、その直後に綴じ作業をするのが最も効率がよい。もちろん、モノクロのプリンターや複写機においても、同じ効果が得られる。
そこで、次に複写機によって印刷された用紙をステープルで綴じる場合の実施形態を、図2に簡略して示す複写機と後述のフローチャートに基づいて説明する。
図2の複写機1は、外部に接続されているホストコンピュータから供給されるコピー情報や、フォーム情報や命令等を記憶するとともに、これらの情報に対応する文字パターンやフォームパターン等を作成し、モノクロ用又はカラー用トナーによって用紙に複写画像を形成するほか、ステープラを装備し、コピー後に複写された複数の用紙を綴じる機能を有するものである。上部には操作のための操作パネル2が設けられている。
用紙4は複写機本体から送出されて印刷され、ステープルトレイ5に排出されてコレート処理により揃えられた後、ステープラ6により綴じられ、スタッカの排紙部7に排紙される。
なお、図3(a)(b)(c)(d)はステープルを打ち込む綴じ部の位置を示す。綴じ部8は通常は用紙のコーナー部や左右の一側部に設けられる場合が多い。上記綴じ部への貫通抵抗低減剤の付着は画像印刷によって行なわれている。このような画像は、同図(a)(b)のように綴じ部の位置に局部的にステープルの綴じ範囲よりもやや大きい程度に印刷する。また、この場合、同図(c)のように綴じ部を含む側部に帯状に形成してもよい。さらに、同図(d)のように、用紙中央を綴じる中綴じタイプの用紙4では、用紙4の中央部に帯状に形成してもよい。なお、複数の用紙4は複数のステープル可能な位置の中から選択されてステープル位置に揃えられて綴じられる。
次に、図4は本発明の実施の形態を説明するフローチャートであり、カラー複写機のCPUの動作を示す。このフローチャートに基づいて本発明の実施の一形態について述べる。
なお、この例では、ステープルジョブ時にカラーコピー用紙に貫通抵抗低減剤を付着させるものとし、貫通抵抗低減剤は複写用のカラートナーとする。また、複写済み用紙の最上部の第1頁にも貫通抵抗低減剤を付着させてもよいが、ここでは外観上の観点から、貫通抵抗低減剤を付着しないものとして説明する。さらに、印刷すべき用紙の枚数は印刷前にカウンターでカウントされるものとする。
まず、前処理工程で印刷機の表示画面で濃度、用紙サイズ、コピー枚数等を選択した後、開始ボタンを押す。
まず、ステップS1で、これから処理するジョブがステープルジョブであるか否かを判別する。ステープルジョブでない場合は、ステップS2に進み、コピー処理を行なう。そして、次のステップS3で最終頁かどうかを判別し、最終頁でないときは、ステップS2に戻ってコピー処理を繰り返す。そして、最終頁であるときは、ステップ11へと進み、用紙を排出し、終了する。
これに対し、ステープルジョブである場合は、ステップS4に進み、ステープラを綴り位置にセットする。そして、ステップS5に進み、第1頁かどうかを判別する。第1頁であるときは、ステップS6に進み、コピー処理だけで貫通抵抗低減剤を付着しないでステップS8に進む。第1頁でないときは、ステップS7に進み、コピー処理をするとともに、貫通抵抗低減剤を付着する。そして、ステップS8で最終頁かどうかを判別し、最終頁でないときは、ステップS7に戻って印刷と貫通抵抗低減剤の付着を繰り返す。そして、最終頁であるときは、ステップ9、10、11へと進み、印刷済みの用紙を揃えるコレート処理を行ない、ステープラで綴り処理をした後、排出し、終了する。
以上の実施形態によれば、綴じ部に対するステープルの打ち込みによる貫通抵抗は低減するので、カラーコピーにもかかわらず、カラー複写機に装備されたステープラがモノクロコピーの複写機と同じステープラであっても、良好な綴り作業が可能となる。このように、第1頁に貫通抵抗低減剤の付着跡がないステープル綴りされた用紙束ができあがる。
上記実施形態は、もちろんモノクロコピーの複写機にも適用することができる。この場合は、同じステープラでも多くの枚数の用紙に貫通して綴ることができる。
次に、図5は、モノクロとカラーの両方のコピーができる複写機の場合の例であって、貫通抵抗低減剤はモノクロコピーの場合は付着させず、カラーコピーの場合にのみ付着させる例について説明する。
なお、この例においても、ステープルジョブ時にカラーコピー用紙に貫通抵抗低減剤を付着させるものとし、貫通抵抗低減剤は複写用のカラートナーとする。また、第1頁には貫通抵抗低減剤を付着しないものとする。さらに、印刷すべき用紙の枚数は印刷前にカウンターでカウントされるものとする。
まず、前処理で適宜の選択をした後、開始ボタンを押す。そして、ステップS21でこれから処理するジョブがステープルジョブであるか否かを判別する。ステープルジョブでない場合は、ステップS22のコピー処理とステップS23の最終頁かどうかの判断処理を行なう。コピー処理が済んで最終頁のときは、さらにステップS35に進んで排出し、終了する。
ステープルジョブである場合は、ステップS24に進み、ステープラを綴り位置にセットする。次に、ステップS25においてカラーコピーの処理かどうかを判断する。
カラーコピーの処理ではない場合は、ステップS26に進み、貫通抵抗低減剤を付着させるかどうかを判断する。付着させるときは、後述のステップS29に進む。付着させないときは、ステップS27でモノクロコピーの処理を行ない、ステップS28において最終頁かどうかを判断し、最終頁でないときは、ステップS27に戻って印刷処理をする。これを繰り返して最終頁であるときは、ステップS33に進んでコピー済みの用紙を揃えるコレート処理を行ない、さらにS34、S35に進んでステープラで綴り処理をした後、排出し、終了する。
次に、カラーコピーの処理である場合は、ステップS29に進み、第1頁かどうかを判別する。第1頁であるときは、ステップS30に進み、コピー処理だけで貫通抵抗低減剤を付着しないでステップS32に進む。第1頁でないときは、ステップS31に進み、コピー印刷処理をするとともに、貫通抵抗低減剤を付着する。そして、ステップS32で最終頁かどうかを判別し、最終頁でないときは、ステップS31に戻って印刷と貫通抵抗低減剤の付着を繰り返す。そして、最終頁であるときは、ステップS33に進んでコピー済みの用紙を揃えるコレート処理を行ない、さらにステップS34、S35に進んでステープラで綴り処理をした後、排出し、終了する。
上記実施形態によれば、カラーコピーの場合は貫通抵抗が小さくなるので、同じステープラによってカラーコピーもモノクロコピーも綴ることが可能となる。
次に、図6のフローチャートは、用紙の枚数によって貫通抵抗低減剤を付着させる必要がある場合とない場合とに分け、所定の枚数を越えた場合にのみ貫通抵抗低減剤を付着させる例である。
すなわち、綴り作業を行なうにあたって、まずステップS41において用紙枚数を読み込んでカウントアップする。そして、ステップS42においてその枚数が所定の枚数かどうかを判別し、所定の枚数以下のときはステップS43に進んでコピー処理だけを行なう。所定の枚数以上のときはステップS44、S45に進んで上述に示したようなコピー処理と貫通抵抗低減剤付着のルーチンを行なう。そして、ステップS46、S47、S48へと進み、印刷済みの用紙を揃えるコレート処理を行ない、ステープラで綴り処理をした後、排出し、終了する。なお、この例では第1頁にも貫通抵抗低減剤が付着される。
上記実施形態によれば、所定の枚数を越えて貫通抵抗が大きくなるときには貫通抵抗低減剤を付着させることにより、ステープラに過度の負担をかけなくても良好な綴りを実現することができる。
上述のように、複写された用紙をステープルで綴じるときは、複写機にステープラを装備させておき、複写機側でコピーと同時に用紙の綴じ部にもトナーを付着させ、その直後に綴じ作業をすることになるので、非常に効率がよい。
なお、トナーの付着装置は、複写機側で綴りのための画像を形成することにより簡単に実現することができるが、複写機側にスタンパーを配置し、スタンプによって貫通抵抗低減剤を付着させる構成であってもよい。
また、上述の例は、画像形成装置として複写機を取り上げたが、レーザービームプリンタ等でもよい。
また、貫通抵抗低減剤としては、コピー用のトナーの例を上げたが、本発明はこれに限定されるものではない。インクジェットプリンター用インクであっても、熱転写型インク、熱昇華型インクであってもよく、あるいは水分、油分等を含むだけで画像に関係しないものであってもよい。
さらに、貫通抵抗低減剤は、ステープラだけでなく、パンチにも応用することができる。この場合、複写機、プリンター等の画像形成装置で複写又は印刷した複数の用紙にパンチング処理する際、上記用紙の穴あけ部に予め貫通抵抗低減剤を付着させた後、上記穴あけ部にカッターを打ち込むようにすればよい。
1 複写機
4 用紙
6 ステープラ
8 綴じ部

Claims (5)

  1. 複写機、プリンター等の画像形成装置で複写又は印刷されて、前記画像形成装置から送出される用紙が排出されて揃えられるステープルトレイと、
    前記ステープルトレイに排出された前記用紙をステープルで綴じて用紙束とするステープラと、
    を用いて実行され、
    前記用紙は、前記ステープルで綴じられる綴じ部に前記画像形成装置によって貫通抵抗低減剤が付着され、前記綴じ部にステープルが打ち込まれることを特徴とするステープラによる用紙綴じ方法。
  2. 前記貫通抵抗低減剤は、前記画像形成装置によって前記用紙に複写又は印刷すると同時に付着されることを特徴とする請求項1に記載のステープラによる用紙綴じ方法。
  3. 前記貫通抵抗低減剤は、前記画像形成装置が前記用紙に対して画像形成する際に使用されるトナーであって、
    前記貫通抵抗低減剤の付着は、前記用紙に対する画像形成によって行われることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のステープラによる用紙綴じ方法。
  4. 前記用紙束が排紙されるスタッカを備えることを特徴とする請求項1に記載のステープラによる用紙綴じ方法。
  5. 前記トナーは、前記用紙のうち前記ステープルが打ち込まれる側の最上部の用紙を除いて付着されることを特徴とする請求項3に記載のステープラによる用紙綴じ方法。
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