JP2010156895A - 偏光回折素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 構造複屈折を周期的に実現することで機能する回折格子における設計の自由度を高める。
【解決手段】 周期構造の持つ構造複屈折を用いるにあたり、一方向の周期性だけではなく2次元の周期性を活用することで、より高い自由度が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は入射した光に対して、空間的に周期的な位相差を与え、光ビームを回折する回折光学素子に関する。
一般的に回折素子は、透明基板上に光の周期よりも長い周期で凹凸を、機械加工もしくはドライエッチングで形成し、光を回折させることが多い。この場合、より高い回折効率を得る、もしくは任意の次数だけの回折光を得るためには、複雑で高精度な表面形状が要求されるため、設計どおりの光学特性を得るためには、困難もしくは高価になってしまう。
こうした問題を解決する方法として、屈折率の多次元周期構造を用いて、1枚の基板上に異なる位相差をもつ領域を周期的に形成することで、回折格子を実現するほう方が提案されている(特許文献1)。この方法を用いることで、構造のパターンの周期によって位相差を調整することが可能となり、より高度な設計を簡便に実現することが可能となっている。
特開2001−51122号公報
しかし特許文献1には3次元座標x,y,zにおいて、x方向,z方向に周期性を持つ構造のx方向の周期を変化させる、もしくはx方向に周期性を持つ構造とx,y方向ともに一様な構造を組み合わせた回折素子が提示されているが、x方向に周期性を持つ構造とy方向に周期性を持つ構造の組み合わせ、もしくはx,y方向ともに周期性を持つ構造のどちらか片方若しくは両方の周期を変えた構造については言及されていない。
また上記のような周期構造を用いて、層を構成する凹凸が空間的に変化することで光学特性を変化させる構造が特許文献2に記載されているが、具体的に回折格子としての機能に関しては一切記載されていない。
特許第3766844号
また上記のような構造を用いて、隣接する領域に異なる偏光依存性を持たせる構造が特許文献3に記載されており、溝の周期及び向きによって異なる偏光依存性を持つことが記載されているが、具体的に回折格子としての機能に関しては一切記載されていない。
特開2003−315552号公報
発明が解決しようとする課題
本発明は、周期構造の持つ構造複屈折を周期的に実現することで機能する回折格子において、従来は1方向の周期性のみ活用していたものを。2次元的な周期性を活用することで、より高い設計自由度を実現し、高性能かつ層数の少ない偏光依存性を持つ回折格子を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
本発明では周期構造の持つ構造複屈折を用いた位相板において、一方向の周期性だけではなく2次元の周期性を活用することで、偏光依存型回折格子の設計において、より高い自由が得られるという知見に基づくものである。
本発明では持つ3次元の直交座標x,y,zにおいて屈折率の異なる2種類以上の物質よりなるz軸方向の多層構造体であって、各層の形状がx軸方向に周期的凹凸を持った領域Aと、y軸方向に周期的凹凸を持った領域Bをもち、それらが隣接する基本構造が、基板面内で基本構造の周期に比べ大きな面積でx−y面内に周期的に存在する回折格子において、領域Aのx方向の周期性と領域Bのy方向の周期性を適当に選ぶことで、x方向の偏光を入射した際には領域A、領域Bを透過する光の間で生じる位相差が小さくなり、y方向の偏光を入射した際には領域A、領域Bを透過する光の位相差が大きくなるため、入射偏光によって光強度が最大となる回折次数が変化する回折格子を得ることができる。
また、各層の形状がx軸方向及びy軸方向に周期的凹凸を持った領域が複数存在し、それぞれのx軸方向、y軸方向のどちらか、もしくは両方とも周期が互いに異なる領域が組み合わされた基本構造を持ち、基板面内で使用波長に比べ大きな面積でx−y面内に周期的に存在する構造において、それぞれの領域内の周期を適当に選ぶことによって、入射光の偏光方向によって光強度が最大となる回折次数が変化する回折素子を得ることができる。
また各層の形状がx軸方向に周期的凹凸を持った領域と、x軸方向及びy軸方向に周期的凹凸を持った領域からなる基本構造をもち、それらの構造が基板面内で使用波長に比べ大きな面積でx−y面内に周期的に存在し、ほぼz方向に進む光に対して偏光方向によって光強度が最大となる回折次数が変化することを特徴とする回折素子を得ることができる。
さらにこれらの構造が基板の一部だけに形成されていれば、入射した光の一部だけに回折素子として作用させることもできるし、それらの領域を複数設けることもできる。あってもよい。またそれら複数の領域がそれぞれ異なる周期性のパターンを持ち、異なる機能を持たせることもできる。
また上記構造を基板の片面に作製し、その反対面にも異なる構造を作製することで、表面で回折した光ビームを個別にさらに回折させることもできる。また裏面に作製する回折格子は、一般的な凹凸形状を用いた回折格子を設けることもできる。
さらに上記の構造を自己クローニング法によって作製することで、工業性よく実現することができる。その時の材料としては、SiO,もしくはTaもしくはNbもしくはそのうちのいずれかの混合物を主原料とすることで可視光帯および紫外領域において、損失の少ない素子を提供することができる。
発明の効果
すなわち、本発明に寄れば、周期構造を用いた回折格子において、基板面内の2次元の周期性を用いることで、設計自由度の高い、偏光方向によって光強度が最大となる回折次数が変化することを特徴とする回折素子を提供できる。
図1は請求項1の構造を示す概念図である。領域101はx方向に周期性を持ち、領域102はy方向に周期性を持つ。それぞれの周期は不要な回折損失を防ぐため、使用する光の波長以下である。x向とy方向の周期をそれぞれ適切にえらぶとx方向の偏光に対して、領域101と領域102とそれぞれ透過する光の間で生じる位相差をなくすことが可能であり、一方でy方向に偏光した光に対しては位相差を生じさせることができる。例えばy方向の偏光に対して生じる位相差をπとなるように積層数を制御すると、x方向の偏光を入射した際は0次の回折光のみ生じ、y方向の偏光を入射した際は0次光以外の回折光を生じさせることができる。
また図2は請求項2の構造を示す概念図である。領域201、領域202ともにx方向、y方向の周期的凹凸を持つ。それぞれの周期は不要な回折を防ぐため、使用する光の波長以下である。構造をz方向から見た場合の、それぞれの領域の周期性を模式的に図3に示す。例えば領域301はy方向の周期に比べx方向の周期を短くし、領域302はx方向の周期に比べy方向の周期を短くすることで、x方向の偏光に対して、領域301と領域302とそれぞれ透過する光の間で生じる位相差をなくすことが可能であり、一方でy方向に偏光した光に対しては位相差を生じさせることができる。例えばy方向の偏光に対して生じる位相差をπとなるように積層数を制御すると、x方向の偏光を入射した際は0次の回折光のみ生じ、y方向の偏光を入射した際は0次光以外の回折光を生じさせることができる。
また図4に請求項3の構造の概念図とz方向から見た場合の周期性の概念図を図5に示す。例えば領域501はy方向の凹凸の長さを光の波長以上にし、x方向に1周期となりのパターンではy方向にパターンが波長以下の長さでずらすと、y向の凹凸の長さが光の波長以上であっても0次光以外の回折光を抑制することができる。
回折波とは素子表面の各点が波源となり、そこから発生する波の重ねあわせで表現される。したがって回折波が生じるためには、素子の表面に光の波長以上の長さの周期的な構造をもち、かつそれらが波源として機能したときに平面波を形成できなくてはいけない。501の構造で上記の条件で構造を作製した場合、波長以上の長さを持つy方向の凹凸に起因して発生した波は、隣のずれた凹凸から発生する波との重ね合わせになる。例えば波長の半分ずれていた場合、隣同士の凹凸から発生する回折波は互いに逆位相になり打ち消しあう。その結果、平面波を形成することができず、回折波は生じない。このずれが1波長以下であれば、打ち消しあう波源が面内に必ず存在し回折波は生じない。
したがってy方向の自由度が高まり、より広い範囲で設計パラメータを定めることができる。
また図6には請求項4の構造の概念図とz方向から見た場合の周期性の概念図を図7に示す。領域701にはx方向に周期性を持ち、領域702ではx方向、y方向ともに周期的凹凸を持つ。それぞれの周期は不要な回折を防ぐため、使用する光の波長以下である。xy方向の周期を調整することで、x方向の偏光に対して、領域701と領域702とそれぞれ透過する光の間で生じる位相差をなくすことが可能であり、一方でy方向に偏光した光に対しては位相差を生じさせることができる。例えばy方向の偏光に対して生じる位相差をπとなるように積層数を制御すると、x方向の偏光を入射した際は0次の回折光のみ生じ、y方向の偏光を入射した際は0次光以外の回折光を生じさせることができる。
また図8には請求項5の構造のz方向から見た場合の周期性の概念図を示す。図8の領域802の構造において、例えばx方向の周期を光の波長以上にし、y方向に1周期となりあうパターンではx方向にパターンが波長以下の長さでずらすと,y方向の周期が光の波長以上であっても0次光以外の回折光を抑制することができる。したがってy方向の周期の自由度が高まり、より広い範囲で設計パラメータを定めることができる。
なお上記説明において各領域の境界はy方向に平行であったが、x,y方向に平行でなくても構わない。
またこれらの回折格子の領域は基板全面である必要はなく、一部でも可能で、入射する光ビームの一部のみ形成されていても良い。もしくは入射する光のビーム内で異なる回折現象を生じる回折格子の領域が複数形成されていても良い。
また基板の裏面に同様の機能の異なる回折格子が形成されることで、回折した光ビームをさらに回折させることも可能である。この場合、裏面の回折格子は本発明の回折格子でも一般的な凹凸形状を持つ回折格子であっても良い。そうすることで高い機能を持つ光学素子を1枚の基板に作りこむことができる。
またこれらの回折格子の領域は基板全面である必要はなく、一部でも可能で、入射する光ビームの一部のみ形成されていても良い。もしくは入射する光のビーム内でことなる回折現象を生じる回折格子の領域が複数形成されていても良い。
本発明の素子では近赤外波長、もしくは可視光波長。もしくは紫外波長領域で用いる素子を作製する上では、材料としてはSiO,Ta,Nb,TiOがのぞましく、そのうちいずれかの混合物を主原料とするものが望ましい。
(実施例1)
厚さ0.5mmの石英基板上に凹凸パターンを電子ビーム描画とドライエッチングにより形成した。パターンの形成は上記方法でなくてもよく、たとえばナノインプリントによるモールドの転写によってもパターン形成は可能で、より安価に大量に作成することも可能である。パターンは図9に示すような構造で領域903のx方向の周期904は120nm、領域903のy方向の周期905は220nmとした。このパターンが10ミクロン周期で交互に形成されている。この構造の上に自己クローニング法により,SiOとTaの交互多層膜を積層した。自己クローニングの条件としては、SiO成膜時はターゲット電力800W、基盤電力100W,ガスはAr80sccm,O10sccmとし圧力を2Paになるようにコンダクタンスバルブを調整した。Taの成膜条件はターゲット電力800W,基盤電力100W、ガスはAr50sccm、O10sccmとして圧力を0.5Paになるようにコンダクタンスバルブを調整した。各層の厚さはTaが53nm、SiOが80nmとし、16層積層を行った。この層構成でのフォトニックバンドの計算を行い、波長405nmでの1周期あたりの位相差の計算結果を図10にしめす。横軸がパターンの周期、縦軸が生じる位相差である。1001が溝に垂直な偏光(TM偏光)の場合の位相差で、1002が溝に平行な偏光(TE偏光)の場合の位相差である。図9の構成ではパターンが直交するため、y方向の偏光を入射した場合、領域902に対してはTE偏光、領域903に対してはTM偏光となる。図10においてピッチ120nmのTE偏光で生じる位相差とピッチ220nmでTM偏光に対して生じる位相差はほぼ等しい。つまり図9の構造において、y方向の偏光を入射した場合、領域902と903で生じる位相差はほぼ等しい。したがってy方向の偏光では0次の回折のみ生じる。一方でx方向の偏光を入射した場合、領域902と903との間で生じる位相差は、1003と1004の和となるため、大きな位相差が生じる。
作製した構造に波長405nmのレーザ光を入射して、透過光を観察したところ、x方向偏光では領域902と領域903の位相差により回折が生じ、y方向の偏光では回折が起きないことを確認した。X方向の偏光入射時の回折効率は層数の調整で制御することが可能である。その場合でも、y方向の偏光に対しては位相差がほとんどない状況は変わらないので、回折光は生じない。
たとえば入射する光ビームの半分がこの回折格子の領域に入射するようにビームの位置を合わせると、もう半分のビームはパターンのない領域を透過する。すると回折格子領域に入射した光は回折し、回折格子でない部分に入射する光は回折を起こさずそのまま透過する。同様に入射するビームの領域内で、複数種の回折格子のパターンを設けることでビームを任意のパワー比で分割することもできる。
また図9の構造ではパターンの周期が2種類だけだが、周期を連続的に変化させることでブレーズ回折格子も実現できる。
(実施例2)
厚さ0.5mmの石英基板上に凹凸パターンを電子ビーム描画とドライエッチングにより形成した。パターンの形成は上記方法でなくてもよく、たとえばナノインプリントによるモールドの転写によってもパターン形成は可能で、より安価に大量に作成することも可能である。パターンは図11に示すようなパターンで領域1102のx方向のピッチ1105は140nm、y方向のピッチ1106はピッチ280nm、領域1103のx方向のピッチ1107は120nm、y方向のピッチ1108はピッチ120nm、領域1104のx方向のピッチ1109は160nm、y方向のピッチ1110はピッチ80nmとした。このパターンが10ミクロン周期で周期的に形成されている。この構造の上に自己クローニング法により,SiOとTaの交互多層膜を積層した。自己クローニングの条件としてはSiO成膜時はターゲット電力800W、基盤電力100W,ガスはAr80sccm,O10sccmとし圧力を2Paになるようにコンダクタンスバルブを調整した。Taの成膜条件はターゲット電力800W,基盤電力100W、ガスはAr50sccm、O10sccmとして圧力を0.5Paになるようにコンダクタンスバルブを調整した。各層の厚さは40nmずつとし、20層積層を行った。この層構成でのフォトニックバンドの計算を行い、波長405nmでの1周期あたりの位相差の計算結果を図12にしめす。横軸がパターンのピッチ、縦軸が生じる位相差である。1201はパターンの縦横比は1:2で長手方向に直交する偏光(TM偏光)の場合の位相差を示す。1202はパターンの縦横比は1:2で長手方向に平行する偏光(TE偏光)の場合の位相差を示す。1203はパターンの縦横比は1:1の場合の位相差を示す。図11の構成では領域1102と領域1104のパターンの長手方向が直交するため、x方向の偏光を入射した場合、領域1102に対してはTM偏光、領域1104に対してはTE偏光となる。領域1103についてはx方向、y方向ともに構造が同じであるため偏光依存性は生じない。y方向の偏光を入射した場合、領域1102、領域1103、領域1104ともに1周期あたりの位相差は0.752πラジアンとなり、3つの領域の間で生じる位相差はほとんどない。一方でx方向の偏光を入射した場合、領域1102に対しては0.742πラジアン、領域1103に対しては0.752πラジアン、領域1104に対しては0.757πラジアンとなり、3つの領域がそれぞれ異なる。位相差を持ち回折格子として機能する。
作成した構造に波長405nmのレーザ光を入射して、透過光を観察したところ、x方向偏光では回折が生じ、y方向の偏光では回折が起きないことを確認した。X方向の偏光入射時の回折効率は層数の調整で制御することが可能である。その場合でも、y方向の偏光に対しては位相差がほとんどない状況は変わらないので、回折光は生じない。
たとえば入射する光ビームの半分がこの回折格子の領域に入射するようにビームの位置を合わせると、もう半分のビームはパターンのない領域を透過する。すると回折格子領域に入射した光は回折し、回折格子でない部分に入射する光は回折を起こさずそのまま透過する。同様に入射するビームの領域内で、複数種の回折格子のパターンを設けることでビームを任意のパワー比で分割することもできる。
3種類でなくさらに増やすことで、回折効率の制御性が高まり、たとえばブレーズ回折格子も実現可能である。
(実施例3)
厚さ0.5mmの石英基板上に凹凸パターンを電子ビーム描画とドライエッチングにより形成した。パターンの形成は上記方法でなくてもよく、たとえばナノインプリントによるモールドの転写によってもパターン形成は可能で、より安価に大量に作成することも可能である。パターンは図13に示すような構造であり、領域1302でのx方向のピッチ1304は100nm、領域1303におけるx方向のピッチ1306は160nm、y方向のピッチ1305は80nmとした。このパターンが10ミクロン周期で交互に形成されている。この構造の上に自己クローニング法により,SiOとTaの交互多層膜を積層した。自己クローニングの条件としてはSiO成膜時はターゲット電力800W、基盤電力100W,ガスはAr80sccm,O10sccmとし圧力を2Paになるようにコンダクタンスバルブを調整した。Taの成膜条件はターゲット電力800W,基盤電力100W、ガスはAr50sccm、O10sccmとして圧力を0.5Paになるようにコンダクタンスバルブを調整した。各層の厚さは40nmずつとし、20層積層を行った。
作成した構造に波長405nmのレーザ光を入射して、透過光を観察したところ、x方向偏光とy方向では各次数の回折光が異なる回折効率を示した。
たとえば入射する光ビームの半分がこの回折格子の領域に入射するようにビームの位置を合わせると、もう半分のビームはパターンのない領域を透過する。すると回折格子領域に入射した光は回折し、回折格子でない部分に入射する光は回折を起こさずそのまま透過する。同様に入射するビームの領域内で、複数種の回折格子のパターンを設けることでビームを任意のパワー比で分割することもできる。
2種類でなくさらに増やすことで、回折効率の制御性が高まり、たとえばブレーズ回折格子も実現可能である。
(実施例4)
厚さ0.5mmの石英基板上に凹凸パターンを電子ビーム描画とドライエッチングにより形成した。パターンの形成は上記方法でなくてもよく、たとえばナノインプリントによるモールドの転写によってもパターン形成は可能で、より安価に大量に作成することも可能である。パターンは図14に示すような構造であり、領域1402での1404は160nm、1405は80nmで、x方向に隣り合うパターンでは80nmずつy方向にずれている。領域1403における1406は320nm、1407は640nmで、y方向に隣り合うパターンでは320nmずつx方向にずれている。領域1402と領域1403が10ミクロン周期で交互に形成されている。この構造の上に自己クローニング法により,SiOとTaの交互多層膜を積層した。自己クローニングの条件としてはSiO成膜時はターゲット電力800W、基盤電力100W,ガスはAr80sccm,O10sccmとし圧力を2Paになるようにコンダクタンスバルブを調整した。Taの成膜条件はターゲット電力800W,基盤電力100W、ガスはAr50sccm、O10sccmとして圧力を0.5Paになるようにコンダクタンスバルブを調整した。各層の厚さは40nmずつとし、20層積層を行った。
作成した構造に波長405nmのレーザ光を入射して、透過光を観察したところ、x方向偏光とy方向では各次数の回折光が異なる回折効率を示した。
1407は波長よりも長い値であるため、その値に起因した回折が起こりそうであるが、構造が半分ずつずれることで回折光が打ち消しあい、実質1407の長さに起因する回折は生じない。
また、たとえば入射する光ビームの半分がこの回折格子の領域に入射するようにビームの位置を合わせると、もう半分のビームはパターンのない領域を透過する。すると回折格子領域に入射した光は回折し、回折格子でない部分に入射する光は回折を起こさずそのまま透過する。同様に入射するビームの領域内で、複数種の回折格子のパターンを設けることでビームを任意のパワー比で分割することもできる。
2種類でなくさらに増やすことで、回折効率の制御性が高まり、たとえばブレーズ回折格子も実現可能である。
本発明は偏光した光を偏光方向によって機能の異なる回折格子を提供することで、例えば光ピックアップなどのシステムにおいて利用されうる。
請求項1の構造の一例を示す概念図である。 請求項2の構造の一例を示す概念図である。 図2の構造をz方向から見た場合の周期性を示す概念図である。 請求項3の構造の一例を示す概念図である。 図4の構造をz方向から見た場合の周期性を示す概念図である。 請求項4の構造の一例を示す概念図である。 図6の構造をz方向から見た場合の周期性を示す概念図である。 請求項5の構造の周期性の一例を示す概念図である。 実施例1に示す構造の概念図である。 実施例1に示す構造において、基板ピッチを変化させた場合の、z方向に1周期光が進むときの位相の進みを計算した結果の図である 実施例2に示す構造の概念図である。 実施例2に示す構造において、基板ピッチを変化させた場合の、z方向に1周期光が進むときの位相の進みを計算した結果の図である 実施例3に示す構造の概念図である 実施例4に示す構造の概念図である
符号の簡単な説明
101 x方向に周期性を持つ領域
102 y方向に集積を持つ領域
201 x,y方向ともに周期性を持つ領域
202 x,y方向ともに周期性を持つ領域
301 201の周期性
302 202の周期性
401 x方向に周期性を持ちy方向にはパターンがずれていく領域
402 y方向に周期性を持ちx方向にはパターンがずれていく領域
501 401の周期性
502 402の周期性
601 x方向に周期性を持つ領域
602 x,y方向ともに周期性を持つ領域
701 601の周期性
702 602の周期性
801 x方向に周期性を持つ領域
802 x,y方向ともに周期性を持つ領域
901 基板
902 x方向に周期性を持つ領域
903 y方向に周期性を持つ領域
904 902のx方向の周期
905 903のy方向の周期
1001 TM偏光の1周期分の構造で進む位相
1002 TE偏光の1周期分の構造で進む位相
1003 基板ピッチ120nmの構造での偏光間の位相差
1003 基板ピッチ220nmの構造での偏光間の位相差
1101 基板
1102 x,y方向ともに周期性を持つ領域
1103 x,y方向ともに周期性を持つ領域
1104 x,y方向ともに周期性を持つ領域
1105 1102のx方向の周期
1106 1102のy方向の周期
1107 1103のx方向の周期
1108 1103のy方向の周期
1109 1104のx方向の周期
1110 1104のy方向の周期
1201 TM偏光が凹凸の縦横比が1:2の構造1周期分で進む位相
1202 TE偏光が凹凸の縦横比が1:2の構造1周期分で進む位相
1203 凹凸の縦横比が1:1の構造1周期分で進む位相
1301 基板
1302 x方向に周期性を持つ領域
1303 x,y方向ともに周期性を持つ領域
1304 1302のx方向の周期
1305 1303のx方向の周期
1306 1303のy方向の周期
1401 基板
1402 x方向に周期性を持ちy方向にはパターンがずれていく領域
1403 y方向に周期性を持ちx方向にはパターンがずれていく領域
1404 1402のy方向の凹凸の長さ
1405 1402のx方向の周期
1406 1403のy方向の周期
1407 1403のx方向の凹凸の長さ

Claims (9)

  1. 3次元の直交座標x,y,zにおいて屈折率の異なる2種類以上の物質よりなるz軸方向の多層構造体であって、x軸方向に使用波長よりも短い周期的凹凸を持った第一の領域と、各層の形状がy軸方向に使用波長よりも短い周期的凹凸を持った第二の領域とが隣接する基本構造をもち,その基本構造が基板面内で、使用波長に比べ大きな面積でx−y面内に周期的に存在し、ほぼz方向に進む光に対して、偏光方向によって回折効率が変化することを特徴とする偏光依存型回折素子。
  2. 3次元の直交座標x,y,zにおいて屈折率の異なる2種類以上の物質よりなるz軸方向の多層構造体であって、第一,第二・・などの領域に分かれ,どの領域も各層の形状がx軸方向及びy軸方向に周期的凹凸を持った構造をもち,x方向の周期y方向の周期はどちらも使用波長以下であることを特徴とするが異なった領域間ではx軸方向、y軸方向のどちらか、もしくは両方の周期が異なるという特徴をもち,それらの領域が隣接して組み合わされた基本構造をもち,基本構造が基板面内で使用波長に比べ大きな面積でx−y面内に周期的に存在し、ほぼz方向に進む光に対して偏光方向によって回折効率が変化することを特徴とする偏光依存型回折素子。
  3. 請求項2に記載の基本構造のうち少なくとも一つの構造の凹凸のx軸方向の長さLxは使用される波長以下であり、凹凸のy方向の長さLyは使用する光の波長以上の長さであることを特徴とし、x軸方向に隣り合うパターンでは、y軸方向にパターンがLy/n(n:2に等しいかそれより大きい整数)ずつずれ、かつLy/nが光の波長よりも短い長さであることを特徴とした構造を含む、偏光方向によって回折効率が変化することを特徴とする偏光依存型回折素子。
  4. 3次元の直交座標x,y,zにおいて屈折率の異なる2種類以上の物質よりなるz軸方向の多層構造体であって、各層の形状がx軸方向もしくはy軸方向に使用波長よりも短い周期的凹凸を持った構造を基本構造と、各層の形状がx軸方向及びy軸方向に周期的凹凸を持った構造を基本構造からなり、それらの構造が基板面内で使用波長に比べ大きな面積でx−y面内に周期的に存在し、ほぼz方向に進む光に対して偏光方向によって回折効率が変化することを特徴とする偏光依存型回折素子。
  5. 請求項4に記載の構造においてx,y方向ともに周期性を持つ構造のy軸方向の長さLyは使用される波長以下であり、x方向の長さLxは使用する光の波長以上の長さであることを特徴とし、y軸方向に隣り合うパターンでは、x軸方向にパターンがLx/n(n:2に等しいかそれより大きい整数)ずつずれ、かつLy/nが光の波長よりも短い長さであることを特徴とした構造を含む、偏光方向によって回折効率が変化することを特徴とする偏光依存型回折素子
  6. 請求項1〜5に記載の構造が光のビームが入射する領域の一部に少なくとも1箇所形成されることを特徴とする偏光依存型回折格子または回折格子
  7. 請求項1〜5に記載の素子が1枚の基板の片側に形成され、そのもう片面の少なくとも一部には請求項1−5に記載の構造もしくは使用する光の波長以上の周期をもつ凹凸形状からなる回折格子が形成されることを特徴とする素子
  8. 請求項1〜5に記載の素子において、自己クローニング法で作製されることを特徴とする光学素子
  9. 請求項1〜5に記載の素子において、主な材料としてSiOもしくはTaもしくはNbもしくはTiOもしくはそのうちのいずれかの混合物を主原料とすることを特徴とする回折素子
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