JP2010156720A - 偏光板及びその製造方法、並びに自動車用前窓 - Google Patents

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晃 鎌田
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由木 松並
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健介 片桐
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Abstract

【課題】運転席正面のみならず、助手席側にまで至る広範囲な映り込み防止を実現できる偏光板及び偏光板の製造方法、並びに自動車用前窓の提供。
【解決手段】少なくとも偏光子を含有する偏光膜を有してなり、該偏光膜の屈曲乃至湾曲している偏光板である。主吸収軸が略弓形状に湾曲しており、該主吸収軸の曲率半径が、0.5m〜5.0mである態様、該偏光子が、二色性材料を含有する態様、該二色性材料が棒状金属微粒子であり、該棒状金属微粒子における金属が、金、銀、銅、及びアルミニウムの少なくともいずれかである態様、などが好ましい。
【選択図】図12

Description

本発明は、運転席正面のみならず、助手席側にまで至る広範囲な映り込み防止を実現できる偏光板及び偏光板の製造方法、並びに自動車用前窓に関する。
本発明者らは、先に、水平方向に主吸収軸を有する偏光膜を自動車用前窓に導入することにより、ダッシュボード陰影映り込み防止をある程度解決できる手法について提案している(特許文献1参照)。
しかし、一般的な自動車においては、運転席側が前窓の中心に対し左右どちらかにずれた位置にあるため、前記提案のような水平方向に主吸収軸を有する偏光膜では、助手席側において映り込み防止効果が十分に得られないという問題があり、更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
特開2007−334150号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、運転席正面のみならず、助手席側にまで至る広範囲な映り込み防止を実現できる偏光板及び偏光板の製造方法、並びに自動車用前窓を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、自動車用前窓で問題となっているダッシュボードの陰影映り込みにおいて、前窓表面から反射して運転者の目に入る光は偏光性を有しており、その主偏光成分(S偏光)の電場振動方向は、運転者の水平前方視界のみを考慮した場合には水平方向のみであるが、前窓面全体を考慮した場合には、運転者の視線が前窓表面を含む面と垂直に交わる点を中心にして描かれる同心円の接線の方向であることを知見した。更にダッシュボード陰影映り込みが顕著になるのは反射角度50度以上であり、前窓の設置スペースや陰影映り込みが気になるエリアも考慮に入れると、反射角度50度〜70度の範囲を問題にすればよい。この限定された反射角度エリアの同心円弧はいわば車種によって決まる曲率半径の「略弓形状」をしていることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。
<1> 少なくとも偏光子を含有する偏光膜を有してなり、該偏光膜の主吸収軸が屈曲乃至湾曲していることを特徴とする偏光板である。
<2> 主吸収軸が略弓形状に湾曲しており、該主吸収軸の曲率半径が、0.5m〜5.0mである前記<1>に記載の偏光板である。
<3> 偏光子が、二色性材料を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の偏光板である。
<4> 二色性材料が棒状金属微粒子であり、該棒状金属微粒子における金属が、金、銀、銅、及びアルミニウムの少なくともいずれかである前記<3>に記載の偏光板である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の偏光板を製造する方法であって、
少なくとも偏光子を含有する塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
該塗布膜を幅方向に延伸する延伸工程と、を含むことを特徴とする偏光板の製造方法である。
<6> 延伸時のボーイング現象により偏光膜の主吸収軸を略弓形状に形成する前記<5>に記載の偏光板の製造方法である。
<7> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の偏光板を製造する方法であって、
屈曲又は円弧状ラビング処理した配向膜を表面に有する基材上に、少なくとも紫外線硬化性液晶化合物、光重合開始剤、及び偏光子を含有する偏光膜塗布液を塗布し、乾燥させて塗布層を形成する塗布層形成工程と、
該塗布層を液晶相が発現する温度にまで加熱した状態で紫外線を照射し硬化させる硬化工程と、を含むことを特徴とする偏光板の製造方法である。
<8> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の偏光板を製造する方法であって、
複数枚の直線配向型偏光膜を、その主吸収軸をずらしながら配置して貼り合せることにり、全体として主吸収軸が屈曲した偏光膜を作製することを特徴とする偏光板の製造方法である。
<9> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の偏光板と、該偏光板の両面に樹脂層を有することを特徴とする中間層である。
<10> 基材と、前記<1>から<4>のいずれかに記載の偏光板とを有してなることを特徴とする自動車用前窓である。
<11> 基材が2枚の板ガラス間に中間層を有する合わせガラスであり、かつ該中間層が偏光板を含む前記<10>に記載の自動車用前窓である。
<12> 中間層が、偏光膜と樹脂層からなる積層体である前記<11>に記載の自動車用前窓である。
<13> 樹脂層が、ポリビニルアセタール系樹脂を含む前記<12>に記載の自動車用前窓である。
<14> 偏光膜の主吸収軸が、地面方向に向かって凸に湾曲した略弓形状である前記<10>から<13>のいずれかに記載の自動車用前窓である。
<15> 偏光膜の主吸収軸が、運転席側から助手席側に向かって上昇する略弓形状である前記<14>に記載の自動車用前窓である。
<16> 自動車用前窓の水平基準面とのなす角が20度以上50度以下である前記<10>から<15>のいずれかに記載の自動車用前窓である。
<17> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の偏光板を樹脂層に積層する積層工程と、
前記偏光板の樹脂層を積層していない側の面に樹脂層を積層し、該偏光板の両面に樹脂層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、を含むことを特徴とする中間層の製造方法である。
<18> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の偏光板を樹脂層に積層する積層工程と、
前記偏光板の樹脂層を積層していない側の面に樹脂層を積層し、該偏光板の両面に樹脂層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体を2枚の板ガラスで挟み込む挟込工程と、を含むことを特徴とする自動車用前窓の製造方法である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、運転席正面のみならず、助手席側にまで至る広範囲な映り込み防止を実現できる偏光板及び偏光板の製造方法、並びに自動車用前窓を提供することができる。
(偏光板)
本発明の偏光板は、偏光膜を有してなり、支持体、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
本発明においては、前記偏光膜の主吸収軸が面内で略単調に変化しており、該主吸収軸が屈曲乃至湾曲しており、略弓形状に湾曲していることが好ましい。
前記偏光膜の主吸収軸とは、偏光膜に直線偏光を入射した時に、最も吸収が大きい軸を意味し、偏光膜の偏光吸光度測定によって、最大の吸光度を示す軸から求めることができる。
なお、前記偏光板における偏光膜の主吸収軸を屈曲乃至湾曲させる方法については、後述する。
−偏光板における偏光膜の主吸収軸が屈曲乃至湾曲していることの確認方法−
例えば、図1に示すように偏光板21表面を15個以上のグリッド点20を配置できるように均等に分割し、各グリッド点20における主吸収軸の向きをプロットすることによって、フロントガラス表面における主吸収軸の形状を同定することが可能である。このプロットによって、図2に示す各グリッド点20における主吸収軸3aが一直線状である偏光膜を有するフロントガラスと、図3に示す各グリッド点20における主吸収軸3aが傾いている屈曲した偏光膜を有する偏光板、及び図4に示す各グリッド点20における主吸収軸3aが傾いている湾曲した偏光層を有する偏光板との区別が可能となり、偏光板における偏光膜の主吸収軸が屈曲乃至湾曲していることを判定できる。
また、本発明の偏光板を自動車用前窓に適用した場合にも、上記同様の方法により、主吸収軸が屈曲乃至湾曲していることを確認することができる。ただし、自動車用前窓は、一般的に平板ではなく若干湾曲している形態であるため、図2に示すような主吸収軸が一直線状である一般的な偏光膜を適用した場合、図13に示すように偏光膜の主偏光軸3が若干上に凸の円弧状に分布しているので、この点を加味して偏光膜の主吸収軸が屈曲乃至湾曲しているかが判断される。
なお、前記偏光膜の主吸収軸が屈曲している場合には、屈曲点(偏光吸収軸の向き、角度が変わる点)は1つ以上が好ましく、2つ以上であっても構わない。
前記主吸収軸が略弓形状に湾曲している場合には、該主吸収軸の曲率半径は、0.5m〜5.0mであることが好ましく、1.0m〜3.0mであることがより好ましい。前記曲率半径が、0.5m未満であると、如何に小型自動車であっても視線の変化より小さい円弧となることがあり、5.0mを超えると、大型自動車の視線変化より大きな円弧となることがある。
ここで、前記曲率半径(任意の2点A、Bが、曲率中心が同じである、同心円の円周上にある場合)は以下のようにして求めることができる。
まず、図5に示すように、フロントガラス上から任意に2点A、Bを選択し、距離ABを求める。次に、主吸収軸の向きが明らかである観察用偏光板を、点A、B上で回転させて、最もフロントガラスへの映り込みが消える時の、観察用偏光板の主吸収軸の直交方向を、それぞれ点A、Bにおける主吸収軸lA,lBとする。lA,lBの交点を点Cとし、ΔABCの線分ABの両端角を分度器で測定し、∠CAB、∠CBAをそれぞれθ,θとする。なお、主吸収軸lA,lBは、曲率中心Oの円の点A、Bにおける接線に等しく、それぞれ線分OA、OBに垂直である。以下に、実測によって求めた距離AB及びθ,θから、点A、Bの属する円の曲率半径R,Rを求める方法を示す。
まず、Rを求めるために、点Aを通り、接線lBに平行補助線を引き、直線OBと補助線の交わる点をB’とする。
AB’//lBより、∠BAB’=θであるので、直角三角形ΔBAB’に着目して、
である。また、直角三角形ΔOAB’に着目して、
であるので、以下のとおりとなる。
一方、Rを求める場合もまったく同様にして、以下のようになる(図6参照)。
ここで、γを求めるために、ΔOBA’に着目して、内角の和を計算すると、∠OBA’=90°−(θ+θ)より、
2γ=180°−90°−(90°−(θ+θ))=θ+θ
であるので、結局、下記式(1)及び式(2)によって、曲率半径R,Rが求まる。
なお、点A,Bが同一の円周上に位置する場合(θ=θ)にも、式(1)、式(2)は成り立つ。ただし、lA//lBの時は、式(1)、式(2)は成り立たないので、そのような場合は、適当な2点を取り直す必要がある。
主吸収軸が同心円状である場合には、上記式(1)、式(2)によって求められるR、Rは、点A、Bの属する円周の曲率半径を厳密に表すが、上記式(1)、式(2)は、主吸収軸が同心円状のものに限らず、略円弧状のものや、楕円状のものまで、広く適用することができる。略円弧状のものや、楕円状のものの場合にも、R、Rの好ましい範囲は、前述の曲率半径の好ましい範囲に従う。ただし、主吸収軸が屈曲したものでは、屈曲点付近でのR、Rの値が大きく振れるため、屈曲しているか、否かの判定に上記式(1)、式(2)を用いることは可能(屈曲していない場合には、式(1)、式(2)共に分母がゼロとなってしまい、R、Rの値を求めることができないことを利用する)であるが、好ましい範囲を特定することは困難である。
<偏光膜>
前記偏光膜は、少なくとも偏光子を含有し、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−偏光子−
前記偏光子としては、二色性材料が好適である。前記二色性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば異方性金属ナノ粒子、カーボンナノチューブ、金属錯体、二色性色素、ヨウ素/PVA系材料、などが挙げられる。これらの中でも、異方性金属ナノ粒子が耐久性の面から特に好ましい。
前記異方性金属ナノ粒子は、数nm〜100nmのナノサイズの棒状金属微粒子である。ここで、前記棒状金属微粒子とは、アスペクト比(長軸長さ/短軸長さ)が1.5以上である粒子を意味する。
このような異方性金属ナノ粒子は、表面プラズモン共鳴を示し、紫外〜赤外領域に吸収を示す。例えば短軸長さが1nm〜50nm、長軸長さが10nm〜1000nm、アスペクト比が1.5以上の異方性金属ナノ粒子は、短軸方向と、長軸方向とで吸収位置を変えることができる。
前記棒状金属微粒子における金属としては、例えば金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、鉄、錫、亜鉛、コバルト、ニッケル、クロム、チタン、タンタル、タングステン、インジウム、アルミニウム、又はこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、金、銀、銅、アルミニウムが好ましく、金、銀が特に好ましい。
−バインダー樹脂−
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、セルロースブチレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエチレンアジパミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、又はこれらの共重合体(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記偏光膜の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10μm〜300μmが好ましい。
<支持体>
前記支持体としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば平板状、シート状などが挙げられ、前記構造としては、単層構造であってもいし、積層構造であってもよく適宜選択することができる。
前記支持体の材料としては、特に制限はなく、無機材料及び有機材料のいずれをも好適に用いることができる。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、などが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記支持体としては、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10μm〜500μmが好ましく、50μm〜300μmがより好ましい。
(偏光板の製造方法)
本発明の偏光板の製造方法は、第1の形態では、偏光膜形成工程と、延伸工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなり、延伸時のボーイング現象により偏光膜の主吸収軸を略弓形状に形成することが好ましい。
本発明の偏光板の製造方法は、第2の形態では、塗布層形成工程と、硬化工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の偏光板の製造方法は、第3の形態では、複数枚の直線配向型偏光膜を、その主吸収軸をずらしながら配置して貼り合せることにより、全体として主吸収軸が屈曲した偏光膜を作製するものであり、偏光膜形成工程と、延伸工程と、裁断及び貼り合せ工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
<第1の形態の偏光板の製造方法>
−偏光膜形成工程−
前記偏光膜形成工程は、少なくとも偏光子を含有する偏光膜を形成する工程である。
前記偏光膜は、支持体上に偏光膜形成用組成物を塗布する方法、などにより形成することが好ましい。
前記塗布方法では、まず、前記偏光子及び前記バインダー樹脂を溶媒に溶解乃至分散させてなる偏光膜形成用組成物を調製する。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール等のフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、キャスト法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法、などが挙げられる。
−延伸−
前記延伸工程は、該偏光膜を幅方向に延伸する工程である。
前記偏光膜の延伸は、応力下で延伸することが好ましい。前記延伸は、加熱延伸法、調湿延伸法、調湿下での加熱延伸法などが挙げられる。これらの中でも、加熱延伸法が特に好ましい。
前記加熱延伸法における加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、偏光膜のガラス転移温度(Tg)以上の温度に加熱することが好ましい。
延伸倍率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1.5倍〜20倍が好ましく、3倍〜10倍がより好ましい。
本発明の偏光板においては、上述したように、偏光膜の主吸収軸が略弓形状となっている。このような偏光膜の主吸収軸を略弓形状とする方法としては、例えば前記延伸工程における幅方向延伸(横延伸)における中心部と辺縁部における不均一延伸を利用することが好ましい。これは、一般にボーイング現象と呼ばれるが、不均一に延伸する手法としてはボーイング現象に限らず、横延伸後に長手方向に引き取るパスローラーとして幅方向に多分割されたニップローラーを用いて中央から端部に行くほど速い速度で引き取ることによっても実現できる。
従来はフィルムを延伸時のボーイング現象を抑制することを主眼として検討がされていた(例えば特開2005−92187号公報参照)。これに対し、本発明は、ボーイング現象を積極的に生じさせることにより、偏光膜の主吸収軸を略弓形状に形成するものである。
前記偏光膜の主吸収軸の略弓形状の曲率半径は、0.5m〜5.0mであることが好ましく、該曲率半径は、例えば延伸速度、延伸前余熱温度、延伸ゾーン温度、延伸後の緩和ゾーン温度などを調整することにより適宜変更することができる。
具体的には、第1では、図7Aに示すように、左右対称型のテンター1,1により幅方向延伸する。その結果、図7Bに示すように、ボーイング現象により延伸フィルム2の送り方向に対し弓形状に湾曲するように主吸収軸3を配向させることができる。この形態では対称な弓形状の主吸収軸が形成できる。
第2では、図8Aに示すように左右非対称の速度を持つテンター1,1にて幅方向に延伸すると、偏ったボーイング現象が起こる。その結果、図8Bに示すように、延伸フィルム2の送り方向に対し偏った弓形状に主吸収軸を配向させることができる。
<第2の形態の偏光板の製造方法>
〔塗布層形成工程〕
前記塗布層形成工程は、屈曲乃至円弧状ラビング処理した配向膜を表面に有する基材上に、少なくとも紫外線硬化性液晶化合物、光重合開始剤、及び偏光子を含有する偏光膜塗布液を塗布し、乾燥させて塗布層を形成する工程である。
−基材−
前記基材としては、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば平板状、シート状などが挙げられ、前記構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば単層構造であってもいし、積層構造であってもよく適宜選択することができる。
前記基材の材料としては、特に制限はなく、無機材料及び有機材料のいずれであっても好適に用いることができる。
前記無機材料としては、例えば、ガラス、石英、シリコンなどが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記基材は、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記基材の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10μm〜2,000μmが好ましく、50μm〜500μmがより好ましい。
−配向膜−
前記配向膜としては、屈曲又は円弧状ラビング処理による配向膜が好適に挙げられる。
前記屈曲ラビング処理は、ラビング方向を領域ごとに変えて作製した基材上に、硬化性液晶を用いて、偏光子を配向させた、屈曲した主吸収軸を有する偏光膜を形成することができる。
具体的には、基材表面に、配向膜溶液を塗布し、乾燥させて、配向膜を作製した。この作製した配向膜面の内、半分の領域Aを覆うように、厚さ30μmのPVA膜をテープで貼り付けて、マスキングをし、マスク部分以外の配向膜面(領域B)をラビング装置でラビングをした。次に、領域Aのマスクをはがし、領域Bを同様にしてマスキングし、領域Bのラビング方向に対して20度の角度となる方向に、領域Aを同条件でラビングをした。最後に、領域Bのマスクをはがすことによって、屈曲ラビング処理された配向膜を作製することができる。
前記円弧状ラビング処理は、円形に弧を描いてラビングした基材上に、硬化性液晶を用いて、偏光子を配向させた、湾曲した主吸収軸を有する偏光膜を形成することができる。
具体的には、図26上図に示すような金属板にラビング布を両面テープで貼り付け、ラビング布を貼り付けていない側の面の中心には、突起を付けて、長さ3mの紐をくくりつけた。更に、紐のもう一方の端を、床面に固定したポールにくくりつけることで、円弧状ラビング用の治具を作製する。
次に、基材表面に配向膜溶液を塗布し、乾燥させて、配向膜を作製した。このPVA膜を、前記円弧状ラビング用治具の固定用ポールから1.2m離れた場所に固定し、該治具の紐の長さを2mにして、配向膜表面にラビング布を押し付けながら、円弧状に25往復する(図26下図参照)。更に、紐の長さを、1.9m、1.8mと10cmずつ短くしながら1.2mの長さまでそれぞれ25往復ずつ円弧状のラビングを行い、円弧状ラビング処理された配向膜を作製することができる。
−紫外線硬化性液晶化合物−
前記紫外線硬化性液晶化合物としては、重合性基を有し、紫外線の照射によって硬化するものであれば特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えばサーモトロピック液晶化合物、リオトロピック液晶化合物などが挙げられる。これらの中でも、配向性の高さの点からサーモトロピック液晶化合物が特に好ましい。
前記紫外線硬化性液晶化合物としては、例えば下記構造式で表される化合物などが挙げられる。ただし、これらに制限されるものではない。
前記液晶化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、BASF社製の商品名PALIOCOLOR LC242;Merck社製の商品名E7;Wacker−Chem社製の商品名LC−Sllicon−CC3767;高砂香料株式会社製の商品名L35、L42、L55、L59、L63、L79、L83などが挙げられる。
前記紫外線硬化性液晶化合物の含有量は、前記偏光膜塗布液の全固形分質量に対し10質量%〜99質量%が好ましく、20質量%〜95質量%がより好ましい。
−光重合開始剤−
前記偏光膜塗布液は、光重合開始剤を含有する。前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノンとミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾールとメルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントンとアミン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア784、イルガキュア814;BASF社製の商品名ルシリンTPO、などが挙げられる。
前記光重合開始剤の添加量は、前記偏光膜塗布液の全固形分質量に対し0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましい。
前記偏光子としては、金属錯体、二色性色素などが挙げられる。
前記偏光子の含有量は、前記偏光膜塗布液の全固形分質量に対し0.1質量%〜50.0質量%が好ましく、1.0質量%〜30.0質量%がより好ましい。
−高分子界面活性剤−
前記偏光膜塗布液は、高分子界面活性剤を含有することが好ましい。該高分子界面活性剤は、その添加量を調整することによって、前記偏光子の長軸の前記基材面に対する傾斜角度を適宜調整することができる。
このような高分子界面活性剤としては、ノニオン系が好ましく、用いる液晶性化合物との相互作用が強いものを市販の高分子界面活性剤の中から選定することができ、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製の商品名メガファックF780F、商品名B1176などが挙げられる。
前記高分子界面活性剤の含有量は、前記偏光膜塗布液の全固形分質量に対し0〜15質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
前記偏光膜塗布液は、例えば、紫外線硬化性液晶化合物、偏光子、光重合開始剤、好ましくは高分子界面活性剤、必要に応じてその他の成分を溶媒に溶解乃至分散することによって調製できる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルコール系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記偏光膜塗布液を、表面に配向膜を有する基材上に塗布し、乾燥させて塗布層を形成する。
前記塗布方法としては、例えば、スピンコート法、キャスト法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法などが挙げられる。
〔硬化工程〕
前記硬化工程は、前記塗布層形成工程で得られた塗布層を液晶相が発現する温度にまで加熱した状態で紫外線照射し硬化させる工程である。
塗布層を形成した後、偏光子の配向状態を固定するため、塗布層を液晶相が発現する温度にまで加熱した状態で紫外線照射する。
前記加熱条件は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜120℃が好ましい。
前記紫外線照射の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、照射する紫外線は、160nm〜380nmが好ましく、250nm〜380nmがより好ましい。照射時間は、例えば、0.1秒間〜600秒間が好ましく、0.3秒間〜300秒間がより好ましい。
前記紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)及びショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などを挙げることができる。
<第3の形態の偏光板の製造方法>
−偏光膜形成工程−
第1の形態の偏光板の製造方法における、偏光膜形成工程に準ずる。
−延伸工程−
前記延伸工程は、該偏光膜を搬送方向に延伸する以外は、第1の形態の偏光板の製造方法における、延伸工程に準ずる。
搬送方向の延伸によって、ボーイングを起こさず、搬送方向に平行な向きに主吸収軸が一様に揃った直線型偏光板が得られる。
−裁断及び貼り合わせ工程−
前記偏光板は、貼り合わせに用いる形状及び主吸収軸の向きに合わせて裁断する。この時、自動車用前窓の領域から外側へ、仮止め用のはみ出た領域をつけておく。ここで、自動車用前窓に用いる領域を細かく分割して、主吸収軸を徐々にずらすことによって、円弧状配向に限りなく近づけることが可能であるが、分割数が多いほど、製造効率が落ちる上、9以上に分割しても、分割数8に比べて映り込み防止効果の改善が少ないため、分割数は2〜8が好ましい。図27は、自動車用前窓をI〜VIの6つの領域に分割したときの偏光板の配置法を示す模式図である。
前記裁断した偏光板を、最適な配置に並べた後に、仮止め用領域を粘着剤などで固定し、新たな支持体上に貼り付けるか、もしくは支持体間にラミネートすることにより、一枚張りで、主吸収軸が屈曲した偏光板が得られる。
貼り付け及びラミネート用の支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えばポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、セルロースブチレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエチレンアジパミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、又はこれらの共重合体(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−用途等−
本発明の偏光板は、偏光膜の主吸収軸が屈曲乃至湾曲しているので、運転席正面のみならず、助手席側にまで至る広範囲な映り込み防止を実現できるので、例えば自動車、電車、新幹線、飛行機、旅客機、船等の各種乗り物用ガラスなどの分野に幅広く用いることができる。
(中間層及び中間層の製造方法)
本発明の中間層は、本発明の前記偏光板と、該偏光板の両面に樹脂層を有してなる。
本発明の中間層の製造方法は、本発明の前記偏光板を樹脂層に積層する積層工程と、前記偏光板の樹脂層を積層していない側の面に樹脂層を積層し、該偏光板の両面に樹脂層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の中間層は、塗布膜である偏光層のみの場合よりもハンドリング性の観点から好ましい。
本発明の中間層は、例えば自動車、バス、トラック、電車、新幹線、飛行機、旅客機、船等の各種乗り物用窓ガラスとして好適に用いられるが、乗り物用窓以外にも、例えば一般の戸建住宅、集合住宅、オフィスビス、店舗、公共施設、工場施設等の建物の開口部、間仕切り等の建材用ガラスなどの各種分野に用いることができるが、以下に説明する自動車用前窓に特に好適に用いられる。
(自動車用前窓)
本発明の自動車用前窓は、基材と、本発明の前記偏光板とを有してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
<基材>
前記基材としてはガラス(即ち、基材ガラス)が最も適している。これは、ガラスは風雨に晒される環境において乗り物の概略寿命である12年の耐久性を持ち、偏光を乱さない、と言う点において最も実績があるからである。しかし、最近ではポリマーの板状成形物においてもノルボルネン系高分子等のように高耐久性であって等方性が高く偏光を乱しにくいプラスチックが提供されており、基材としてガラス以外を用いることも可能である。
−基材ガラス−
前記基材ガラスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、単層ガラス、合わせガラス、強化合わせガラス、複層ガラス、強化複層ガラス、合わせ複層ガラスなどが挙げられる。
このような基材ガラスを構成する板ガラスの種類としては、例えば透明板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、強化板ガラス、熱線反射板ガラス、熱線吸収板ガラス、Low−E板ガラス、その他各種板ガラスなどが挙げられる。
なお、前記基材ガラスは、透明ガラスであれば無色透明ガラス及び有色透明ガラスのどちらであってもよい。
前記基材ガラスの厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2mm〜20mmが好ましく、4mm〜10mmがより好ましい。
前記ガラス板は、同じ種類のものが複数枚用いられてもよいし、2種類以上のものが併用されてもよい。
−合わせガラス−
前記合わせガラスは、2枚の板ガラスの間に中間層を介在させて一体化したものである。このような合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することがなく安全であるため、自動車等の乗り物のフロントガラス、建築物等の窓ガラスとして広く用いられている。前記自動車用合わせガラスの場合には、最近では軽量化を図るため相当薄いものが用いられており、1枚のガラスは厚みが1mm〜3mm程度であり、該ガラス2枚を厚みが0.3mm〜1mmの中間層で貼り合わせて、合計厚み3mm〜6mmの合わせガラスとしている。
前記2枚の板ガラスとしては、上述した各種板ガラスを目的に応じて適宜使用することができる。
前記中間層に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性、耐候性、強度、接着力等の諸性能のバランスに優れた中間層が得られることから、ポリビニルアセタール系樹脂が特に好ましい。
前記ポリビニルアセタール系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記することがある)とホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂などが挙げられる。
前記ポリビニルアセタール系樹脂の合成に用いられるPVAとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、平均重合度が200〜5,000のものが好ましく、500〜3,000のものがより好ましい。前記平均重合度が200未満であると、得られるポリビニルアセタール系樹脂を用いた中間層の強度が弱くなりすぎることがあり、5,000を超えると、得られるポリビニルアセタール系樹脂を成形する際に不具合が生じることがある。
前記ポリビニルアセタール系樹脂は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アセタール化度が40モル%〜85モル%であるものが好ましく、50モル%〜75モル%のものがより好ましい。前記アセタール化度が40モル%未満又は85モル%を超えるポリビニルアセタール系樹脂は反応機構上、合成が困難となることがある。前記アセタール化度は、JIS K6728に準拠して測定することができる。
前記中間層には、前記熱可塑性樹脂以外にも、必要に応じて例えば可塑剤、顔料、無機酸化物、無機窒化物、接着性調整剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱線遮蔽剤、耐湿性向上剤、導電性材料などを添加することができるし、上述の添加剤を含有する機能層を中間層の一部として積層してもよい。また、中間層の最表面に、例えば、特開2007−22089号公報に記載の方法によってエンボス加工を施しても、偏光層を始めとする機能層の性能には何ら問題はない。また、例えば、特開2008−37018号公報に記載されているような方法で、遮音特性を付与してもよい。
本発明の偏光板は、映り込み防止、即ち可視光線反射率の低減に関する。したがって、本発明の効果を最大限に発現するためには、上記添加剤の可視光線重価平均透過率は、100%により近いことが好ましい。実際に合わせガラス用中間膜に用いられる上記添加剤の多くは、元々、各機能を発現しながらも、ガラスの色味に影響しないように、できる限り可視光線の波長域に吸収を持たせない設計となっているので、本発明においても、一般的に用いられている合わせガラス用中間膜添加剤の中から自由に選択して用いることが可能であるし、今後開発される機能性添加剤でも、可視光線の波長域に強い吸収や反射特性を持たない限り、基本的に共に用いることが可能であって、本発明による映り込み防止効果に悪影響は与えない。添加剤としては、例えば、特願2006−514110号明細書の段落番号〔0042〕〜〔0056〕に記載の可塑剤、接着力調整剤、紫外線吸収剤、特開2008−024538号公報(特願2006−197119号明細書)の段落番号〔0020〕〜〔0023〕、特願2006−531979号明細書の段落番号〔0023〕、〔0024〕に記載の赤外線遮蔽剤、特願2006−528948号明細書の段落番号〔0012〕〜〔0018〕に記載の耐湿性向上剤、などが挙げられる。
前記中間層の成形方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱可塑性樹脂及びその他の成分を含有する組成物を均一に混練りした後、押出し法、カレンダー法、プレス法、キャスティング法、インフレーション法等の従来公知の方法によりシート状に作製する方法などが挙げられる。
前記中間層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.3mm〜1.6mmが好ましい。
本発明においては、前記中間層が、ガラスとの接着性のよい前述の熱可塑性樹脂及び/又は機能性樹脂からなる複数の膜が積層された合わせガラス用中間膜であって、偏光層をその複数膜の積層体の一部又は全部として含有することが生産性、耐久性などの点から好ましい。なお、前記偏光板は合わせガラスの片方の表面に設けることもできる。
前記中間層は、偏光板を含む積層構成になっていることが好ましい。この場合、本発明の偏光板をあらかじめ作製しておくことで、前記偏光板を樹脂層等と重ね合わせることができる。前記樹脂層は熱可塑性樹脂などからなり、積層の構成については、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、別途、紫外吸収層、赤外吸収層等を積層してもよい。
積層構成の中間層を作製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂基材上に前記偏光子とバインダーからなる液を塗布し、延伸により偏光膜を作製した後、基材上の偏光膜(偏光板)をポリビニルアセタール系の樹脂シートに積層する。その後、偏光板のもう一方の面に前記樹脂シートを重ね合わせることで、樹脂層/偏光層/樹脂層の積層体が得られる。この工程において、偏光膜を作製した後に、偏光膜を基材から剥がす工程を含んでいてもよい。
前記積層体の構成は、偏光層を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じていかようの組み合わせでもよく、上記で示した、紫外吸収層、赤外吸収層などの機能層を積層体に含めることができる。
前記で例示した作製方法は、(1)塗布、(2)延伸、(3)積層といった工程をRoll−to−Rollで作製できることが大きな特徴であり、ロールの状態で中間層を製造し、保管することができる。Roll−to−Rollのメリットはその生産性にあり、枚葉での製造に比べて連続で生産することができるため生産スピードの大きな向上と生産コストの低減化を図ることができる。保管形態は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間層の吸湿を防止するために、最外層に透湿を防止するガスバリアフィルム等の保護フィルムを設置することが好ましい。また、ロール状態で保管する場合は、ロールの巻芯側から吸湿するのを防ぐため、巻芯に乾燥剤等を含ませておくことも好適である。さらに防湿シート等で全体を包装しておくことが最も好適である。
前記ロール状態で製造した中間層は適宜シート状に裁断して保管してもよく、裁断後に直接合わせガラス工程に使用してもよい。前記中間層シートは合わせガラスに必要な大きさに適宜裁断することができる。
前記合わせガラスの作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2枚の透明なガラス板の間に中間層(本発明の偏光板を含む)を挟み、この合わせガラス構成体を例えばゴムバッグのような真空バッグの中に入れ、この真空バッグを排気系に接続して、真空バッグ内の圧力が−65kPa〜−100kPaの減圧度となるように減圧吸引(脱気)しながら温度が70℃〜110℃の予備接着を行った後、この予備接着された合わせガラス構成体をオートクレーブの中に入れ、温度120℃〜150℃、圧力0.98MPa〜1.47MPaの条件で加熱加圧して本接着を行うことにより、所望の合わせガラスを得ることができる。
ここで、図14は、本発明で用いられる合わせガラスの一例を示す概略図である。この合わせガラス100は、2枚のガラス板11,11に設けられた中間層12と、中間層12とに挟まれて、本発明の前記偏光板10が配置され、中間層12−前記偏光板10−中間層12が一体として合わせガラス用中間膜をなしている。図14中13は反射防止層である。なお、この合わせガラス100は、反射防止層13と反対側の面が光の入射側となるように配置される。
ここで、前記自動車用前窓に用いられる合わせガラスは、用いる板ガラスの常光の可視光線重価平均透過率(JIS R3106)が、85%以上100%未満であることが好ましく、90%以上100%未満であることがより好ましい。更に、合わせガラスの形態での常光の可視光線重価平均透過率は、70%以上85%以下となるように主として中間層の偏光層によって調整されていることが好ましく、70%により近いことが、映り込み防止の観点から、より好ましい。ここで、偏光層を含む本発明の合わせガラスの、常光の可視光線重価平均透過率は、上記合わせガラスの同一測定点において、入射する直線偏光の偏光軸の角度を変えながら直線偏光透過率を測定し、直線偏光の重価平均透過率の最大値と最小値の平均を取ることで求められる。常光の可視光線重価平均透過率は、安全上、法規によって70%以上と定められており、85%以上となると、映り込み防止効果が十分に得られないことがある。また、合わせガラスの形態での厚みが3mm〜6mmであって、偏光特性に加えて、少なくとも紫外線吸収特性、熱線遮蔽性を有することが好ましい。紫外線吸収特性、熱線遮蔽性は、中間膜に付与してもよいし、ガラスに付与していてもよい。更には、合わせガラスの少なくとも一方の面に反射防止コーティングが施されていることがより好ましい。
自動車用前窓と水平基準面とのなす角(前窓の傾斜角)は、車種などにより異なり一概には規定できないが、乗用車(RV車、キャンピングカー等も含む)では空力抵抗を小さくするため20度以上50度以下が好ましく、25度〜40度がより好ましい。
ここで、前記水平基準面とは、車両における水平な基準となる面を意味し、例えば地面などが該当する。
地面としては、水平器(例えば気泡管水平器、指針型水平器等)により求めた水平な地面を意味する。
−反射防止膜−
前記反射防止膜は、前記基材の両面、又は水平基準面と向き合う側の最表面に有することが好ましい。
前記反射防止膜は、実使用上充分な耐久性、耐熱性を有し、例えば60度入射での反射率を5%以下に抑えることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)微細な表面凹凸を形成した膜、(2)高屈折率膜と低屈折率膜を組み合わせた2層膜の構成、(3)中屈折率膜、高屈折率膜、及び低屈折率膜を順次積層した3層膜構成などが挙げられる。これらの中でも、(2)及び(3)が特に好ましい。
これら反射防止膜は、基材ガラス表面に直接ゾルゲル法、スパッタリング法、蒸着法、CVD法などで形成してもよい。また、透明支持体上にディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート、マイクログラビア法やエクストルージョンコート法による塗布により反射防止膜を形成し、基材ガラス表面に反射防止膜を粘着又は接着してもよい。
本発明においては、自動車の前窓に本発明の偏光板を配置した際に、該偏光板における偏光膜の主吸収軸が、該膜の面内における地面方向(重力方向)に凸となる略弓形状であることが好ましく、該偏光膜の主吸収軸が、運転席側から助手席側に向かって上昇する略弓形状であることがより好ましい。これにより、運転席正面のみならず、助手席側にまで至る広範囲な映り込み防止を実現する点で好ましい。
具体的には、自動車の前窓に本発明の偏光膜を配置した際に、該偏光板における偏光膜の主吸収軸が図12の点線で示すような地面方向(下方向)に凸に湾曲した略弓形状となる。また、運転席側から助手席側に向かって上昇する略弓形状は、運転席の正面の主吸収軸に比べて助手席正面の主吸収軸が10度〜60度上昇していることが好ましい。
本発明の自動車用前窓の製造方法としては、第1の形態では、図7Aに示すように左右対称型のテンター1,1にて幅方向延伸した後、図9に示すように自動車用前窓枠4を斜めに傾けた形で切り出す方法がある。
第2形態では、図8Aに示すように左右非対称の速度を持つテンター1,1にて偏ったボーイング現象を起こした後、図10に示すように自動車用前窓枠4の切り出しは斜めに傾けないで行う方法がある。
第3形態では、自動車用前窓の形状に合わせて、偏光膜の主吸収軸を設定し、貼り合せているため、特段の工夫は必要ない。
−弓形配向偏光板の作製−
少なくとも偏光子(例えば金属ナノロッド)を含む偏光膜塗布層を表面に有するPETフィルムを、テンター延伸機にて幅0.5mから2mに横延伸する。
次に、延伸PETフィルム上に形成された偏光膜を、合わせガラス用ポリビニルブチラールフィルムにラミネーションにて積層した後、図9に示すように自動車用前窓枠4を斜めに傾けて切り取り、これを合わせガラスの中間層に挿入する。
−水平偏光板の作製−
少なくとも偏光子(例えば金属ナノロッド)を含む偏光膜塗布層を表面に有するPETフィルムを縦延伸機にて70℃で5倍に縦延伸する。
次に、延伸PETフィルム上に形成された偏光膜を、合わせガラス用ポリビニルブチラールフィルムにラミネーションした後、図11に示すように自動車用前窓枠4に切り取り、これを合わせガラスの中間層に挿入する。
−運転手から見たときの偏光軸分布−
作製した弓形配向偏光板を有する合わせガラスを前窓に用いた自動車に座った運転手からは図12の破線で示すような偏光軸分布に見える。即ち、偏光膜の主吸収軸が地面方向(重力方向)に凸であり、運転席側から助手席側に向かって上昇する略弓形状となっている。
一方、作製した水平配向偏光板を有する合わせガラスを前窓に用いた自動車に座った運転手からは図12の破線で示すような偏光軸分布に見える。即ち、偏光膜の主吸収軸が略水平となっている。
2種の偏光板を取り付けた前窓によって、ダッシュボードの映り込みは各々の軽減できるが、その範囲には大きな差が生まれる。即ち、弓形偏光板の方は図12にハッチングで示すエリアのように助手席側にまで及ぶ大半のエリアで映り込みが軽減される。これに対し、水平偏光板の方は図13にハッチングで示すように運転手の前方に限られた範囲に留まる。この原因は、映り込み光が、そもそも前窓ガラスの反射角50度以上のエリアで目立ってくるものであり、反射角の等角度線に従ったS偏光になっていることにある。図12のように弓形偏光板の主偏光軸をこの反射角の等角度線に合わせれば、該S偏光を軽減することができる。
それに反し、縦延伸偏光板の偏光軸を水平にして自動車の前窓に挿入すると、一般的な前窓が有している湾曲のせいで、図13に示すように偏光軸が若干上に凸の円弧状に分布する。運転手正面近辺は反射光のS偏光を軽減することができるが、助手席側のように反射光のS偏光が次第に斜めになってくると水平偏光板では十分なS偏光低減ができなくなる。
−用途等−
本発明の自動車用前窓は、本発明の前記偏光板を有し、運転席正面のみならず、助手席側にまで至る広範囲な映り込み防止を実現できるので、自動車、電車、新幹線、飛行機、旅客機、船等の各種乗り物用窓ガラスとして好適に用いられる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<弓形配向偏光板の作製>
−金ナノ粒子(種晶)の合成工程−
80mMのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド、和光純薬株式会社製)水溶液100mlに、15mMの塩化金酸水溶液(関東化学株式会社製)10mlを添加し、更に直前に溶解した10mMの水素化ホウ素ナトリウム水溶液20mlを添加し、強攪拌することにより、金ナノ粒子(種晶)を形成した。
−金ナノロッド(コアロッド)の合成工程−
100mMのCTAB水溶液1000mlに、10mMの硝酸銀水溶液100ml、10mMの塩化金酸水溶液200ml、及び100mMのアスコルビン酸水溶液50mlを添加し、攪拌することにより、無色透明の液を得た。更に前記金ナノ粒子(種晶)水溶液100mlを添加し、2時間攪拌することにより、金ナノロッド水溶液を得た。
−銀シェル形成工程−
1質量%のPVP(ポリビニルピロリドンK30、和光純薬株式会社製)水溶液80mlに、前記金ナノロッド分散液を15ml、10mMの硝酸銀水溶液1ml、及び100mMのアスコルビン酸水溶液1mlを添加し、攪拌した。更に0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液2mlを添加し、溶液のpHをアルカリ領域に調整することにより、銀を金ナノロッド表面に析出させて、金コア銀シェルナノロッドを合成した。
得られた金コア銀シェルナノロッド分散液を限外濾過膜(旭化成ケミカルズ株式会社製、UFフィルター)を用いて限外濾過処理することにより、10倍に濃縮し、更に分散液の電気伝導度が70mS/m以下になるまで精製を行い、金コア銀シェルナノロッド分散液を得た。
−製膜−
10質量%のPVA124水溶液(株式会社クラレ製)10.0g、純水10.0g、1質量%ホウ酸水溶液0.1g、及び得られた金属ナノロッド分散液4.0gを攪拌混合し、塗布液を調製した。得られた塗布液をA3サイズの清浄なA−PETベース(東洋紡績株式会社製、PETMAX(登録商標)、300μm厚み)に塗布バー(#80)を用いてバーコート塗布し、12時間室温で乾燥させ、厚み10μmの金属ナノロッド含有PVA層をA−PETフィルム上に形成した。
−延伸−
得られた金属ナノロッド含有PVA層付きA−PETフィルムを延伸治具に固定し、90℃で加熱した状態で3倍延伸した結果、偏光性を示すフィルムを得た。このフィルムは延伸治具のチャック部で幅サイズを固定されたまま一軸延伸されるので、図15に示すように中央部のみ括れたカナトコ形状をしている。テンター延伸機において起こるボーイング現象はこの括れと同種の現象なので、該延伸治具にて延伸したサンプルの括れ側面近辺を図15の一点鎖線のように切り取って偏光層のみをガラス板に積層し、長さ500mmの弓形配向偏光板とした。
<偏光板の評価>
得られた偏光板の偏光性を評価した。図18に模式図を示した評価装置を組み、作製した偏光板の金属ナノロッド配向度及び偏光軸分布を評価した。白色光源(横河電機株式会社製、AQ4305)の光を光ファイバで導出し、BK−7社製コリメートレンズにて直径約8mmの平行光とし、回転可能な偏光子を通した光を、作製した偏光板に照射した。偏光板を透過した光は、レンズを通じて集光されてマルチチャンネル検出器(浜松ホトニクス株式会社製、PMA−12)に導入した。
金属ナノロッド配向度の評価は、分光スペクトルの金属ナノロッド長軸由来の極大吸収波長での吸光度が最小になる偏光子回転角と最大になる偏光子回転角でそれぞれ測定されたスペクトルの金属ナノロッド長軸由来のピーク強度比から評価した。金属ナノロッドの配向度は、下記数式から算出した。その結果、金属ナノロッドの配向度は、0.94であることが分かった。
ただし、A//は、試料の偏光吸収スペクトルを偏光軸の角度を少しずつ変えながら測定したときに、最大の吸光度となるときの吸光度の値であり、Aは、A//を与える偏光軸の角度と直交する方向の入射偏光に対する吸光度を示す。
また、偏光板の偏光軸分布の評価は、図18に示した評価装置を用い、各測定位置での金属ナノロッド長軸由来の極大吸収波長での吸光度が最小になる偏光子回転角を記録し、その回転角をプロットすることにより、偏光軸分布を評価した。その結果、作製した偏光板の主吸収軸3は、図16に示すように弓形状に配向していることが確認でき、その曲率半径は0.3mであった。
なお、実施例1においては、金及び銀の2種金属の複合粒子を用いた例を示したが、金粒子、銀粒子を単独で用いた場合も同様の結果が得られた。また2色性材料としてヨウ素や二色性色素を用いても実施可能であった。
(実施例2)
<屈曲ラビングによる液晶及び二色性偏光子の屈曲配向>
−配向膜の作製−
清浄な厚み100μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フイルム株式会社製)表面に、ポリビニルアルコール(PVA)配向膜溶液(メタノール溶液)をバーコート塗布し、100℃で3分間乾燥させて、厚み1.0μmのPVA膜を作製した。この作製したPVA膜面の内、半分の領域Aを覆うように、厚さ30μmのPVA膜をテープで貼り付けて、マスキングをし、マスク部分以外のPVA表面(領域B)をラビング装置(常陽工学株式会社製、回転数=1,000rpm、押し込み量=0.35mm)で2度ラビングをした。次に、領域Aのマスクをはがし、領域Bを同様にしてマスキングし、領域Bのラビング方向に対して20度の角度となる方向に、領域Aを同条件で2度ラビングをした。最後に、領域Bのマスクをはがすことによって、PVA配向膜を作製した。
−偏光膜塗布液の調製−
光重合性基を有する液晶化合物(BASF社製、商品名PALIOCOLOR LC242)9.12gをメチルエチルケトン(MEK)15.21gに溶解した液晶溶液に、開始剤溶液(イルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ社製)2.70g、及びカヤキュアDETX(日本化薬株式会社製)0.90gをMEK26.4gに溶解した溶液)3.33gを添加し、5分間攪拌することにより、完全に溶解させた。
次に、得られた溶液に、二色性色素(株式会社林原生物化学研究所製 G207)79.5mgとトルエン3.9gを添加し、10分間攪拌することにより、偏光膜塗布液を調製した。
−二色性色素の配向及び硬化−
得られた偏光膜塗布液を、上記PVA配向膜上にバーコート塗布し、90℃で1分間加熱した後、加熱した状態で紫外線照射(高圧水銀灯、1kW、330mJ/mm)することにより、偏光膜(屈曲配向偏光膜)を形成した。
(実施例3)
<円弧状ラビングによる液晶及び二色性偏光子の円弧状配向>
下記に示す方法で、PVA配向膜を作製した以外は、実施例2と同様にして、偏光膜(円弧状配向偏光膜)を形成した。
−円弧状ラビング用の治具−
長さ20cm、幅3cmの金属板(重さ500g)にラビング布を両面テープで貼り付け、ラビング布を貼り付けていない側の面の中心には、突起を付けて、長さ3mの紐をくくりつけた。更に、紐のもう一方の端を、床面に固定したポールにくくりつけることで、円弧状ラビング用の治具を作製した(図26上図参照)。
−配向膜の作製−
清浄な厚み100μmのトリアセチルセルロース(TAC)フイルム(富士フイルム株式会社製)表面に、ポリビニルアルコール(PVA)配向膜溶液(メタノール溶液)をバーコート塗布し、100℃で3分間乾燥させて、厚み1.0μmのPVA膜を作製した。このPVA膜を、前記円弧状ラビング用治具の固定用ポールから1.2m離れた場所に固定し、該治具の紐の長さを2mにして、PVA膜表面にラビング布を押し付けながら、円弧状に25往復擦った(図26下図参照)。更に、紐の長さを、1.9m、1.8mと10cmずつ短くしながら1.2mの長さまでそれぞれ25往復ずつ円弧状に、PVA表面を擦ることにより、PVA配向膜を作製した。
<屈曲配向偏光膜及び円弧状配向偏光膜の主吸収軸の目視評価>
実施例2及び3で作製した偏光膜を、主吸収軸の向きが明らかな参照用偏光板(サンリッツ社製、ヨウ素PVA偏光板)を通して観察した。観察時に、該参照用偏光板を回転させ、最も暗くなるときの、参照用偏光板の偏光吸収軸と直交方向を実施例2及び3で作製した偏光膜の各地点で記録していき、実施例2及び3で作製した偏光膜の主吸収軸をそれぞれ調べた。その結果、実施例2で作製した屈曲配向偏光膜は、主偏光軸の向きが、ある境で、20度変化しており、実施例3で作製した円弧状配向偏光膜は、主吸収軸が、曲率半径1.1m〜2.1mの範囲で湾曲していた。
<屈曲配向偏光膜及び円弧状配向偏光膜の配向度評価>
紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、紫外可視近赤外分光光度計V670)を用いて、実施例2及び3で作製した偏光膜の配向度評価を行った。入射光側に偏光板を設置し、更に、試料セルの入射光側に3mmのピンホールの開いた遮光板を設置することによって、試験領域を小さくして、偏光吸収スペクトルを測定した(円弧状の主吸収軸は曲率半径が大きいことと、試験領域が小さいことによって、ほとんど直線配向とみなすことができる)。その結果、実施例2及び3で作製した偏光膜の配向度は共に0.85であった。
(実施例4)
<直線配向型偏光膜の貼り合せによる屈曲配向型偏光膜>
−直線配向型偏光膜の作製−
10質量%のPVA124水溶液(株式会社クラレ製)10.0g、純水10.0g、1質量%ホウ酸水溶液0.1g、及び合成した金属ナノロッド分散液1.0gを攪拌混合し、A3サイズの清浄なA−PETベース(東洋紡績株式会社製、商標PETMAX、厚み300μm)に1mm厚みのアプリケーターを設置した状態で塗布バー(#0;ワイヤーなし)を用いてバーコート塗布し、12時間室温で乾燥させた後、厚み40μmの金属ナノロッド含有PVA層をA−PETフィルム上に形成したA−PETベースより金銀複合ナノロッドを含むPVAフィルムを剥離し、厚み40μmの金属ナノロッド含有PVAフィルムを得た。
得られた金属ナノロッド含有PVA層付きA−PETフィルムを延伸冶具に固定し、90℃で加熱した状態で4倍まで一軸延伸し、偏光層の厚みが20μmの偏光膜を得た。
得られた偏光膜の金属ナノロッド配向度及び偏光軸分布を実施例1と同様にして評価した結果、金属ナノロッドの配向度は0.91であり、偏光軸分布は図17に示すように水平配向(一軸配向)していることが確認された。
−屈曲配向型偏光膜の作製−
図28に示すように、偏光膜の主吸収軸の向きをずらして貼れるように、まず、上記作製した直線配向型偏光膜の裁断を行い(図29)、清浄な厚み100μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フイルム株式会社製)の上に、前記裁断した偏光膜を目的位置にテープで仮止めを行った。更に、図30に示すように、前記TACフィルム上において、偏光膜を仮止めしていない部分に、2質量%PVA124水溶液をキャストし、別の清浄なTACフィルム(厚み100μm)を上からかぶせ、偏光膜のラミネーションを行った。70度で1時間30分乾燥させた後に、TACフィルム間に偏光層を含まない余分な領域と、仮止めテープ部分を切り落とし、全体として、主吸収軸が屈曲した偏光膜を得た。
(比較例1)
−直線配向型偏光板の作製−
実施例4の直線配向型偏光膜の作製工程と同様にして、直線配向型偏光膜を作製した後に、偏光層のみをガラス板に積層して偏光板を得た。
(実施例5)
サンリッツ株式会社製のヨウ素・PVA系偏光板を使用し、トヨタ自動車株式会社製クラウン(1995年式)のフロントガラス(水平な地面とのなす角が35度)を4分割して図19に示すように4枚の偏光板を内側から貼り付けた。貼り付ける粘着剤としてはパナック株式会社製PD−S1を用いた。図19において実線が4分割のライン、破線が偏光膜の主吸収軸の方向である。概観は右ハンドル車において運転席に座って正面を眺めたときのフロントガラスの形態である。図19中の数字は、水平方向を0度として反時計回りに何度の角度でフロントガラス面に偏光板の主吸収軸を貼り付けたかを示した値である。したがって、図19のように4枚の偏光板を貼り付けることにより、フロントガラス全体としての偏光膜の主吸収軸は、図12の1枚の弓形偏光を貼り付けた状態と近似した状態となっている。
次に、ダッシュボードの陰影映り込みを評価するため、図20に示す千鳥柄を印刷した紙をダッシュボード上に置き、運転時の視界を評価した。
実際に市中を運転してみて、運転席からの前方視界の視認性を観察したが、運転への支障は殆ど無かった。
また、助手席側(−22度)と同じ位置での写真を図22に示し、運転席側(0度)と同じ位置での写真を図23に示す。これらの結果から、運転席側と助手席側で同程度のダッシュボードの映り込み防止効果が得られることが分かった。
(比較例2)
比較例2として、特開2007−334150号公報の実施例1と同様にして作製した1枚の水平配向偏光板を、図21に示すようにフロントガラス全面に貼り付けた。
実施例5と同じように図20に示す千鳥柄を印刷した紙をダッシュボード上に置いて市中を運転したところ、運転手正面の視界は確保できているものの、助手席側の斜め前方の安全確認をする際にダッシュボードに置かれた千鳥柄が気になって安全確認に煩わしさを覚えた。
また、助手席側(−22度)と同じ位置での写真を図24に示し、運転席側(0度)と同じ位置での写真を図25に示す。これらの結果から、助手席側では運転席側に比べてダッシュボードの映り込みが多く生じていることが分かった。
実施例5及び比較例2の結果から、実施例5のように偏光膜の主吸収軸を略弓形状となるように変化させることにより、運転席正面のみならず、助手席側にまで至る広範囲な映り込み防止が実現できることが分かった。なお、実施例5では、4枚の偏光板をフロントガラスに貼り付けたものを用いて試験を行ったが、偏光膜の主吸収軸の曲率が同程度である1枚のフロントガラスサイズの偏光板を用いても同様の結果が得られるものである。
(実施例6)
<偏光合わせガラスの作製>
−ポリビニルブチラール(PVB)樹脂の調製−
アセタール化度65モル%のポリビニルブチラール(PVB)樹脂60gを、キシレン1768gに、25℃で溶解させた。その後、n−ブチルアルデヒド95gを溶液に一括投入して約5分間の攪拌により十分に混合し、次いで、35質量%塩酸溶液115gを15分間かけて滴下し混合した。これらを混合してから、30分間後、全系を0.5〜0.6℃/分の速度で60℃まで60分かけて昇温した。その後、この反応系を60℃で3時間恒温保持し、反応を完了させた。
反応完了後、反応混合物に重曹(樹脂固形分対比で60質量%)を溶解した水/メタノール(混合比1:1)を大過剰で添加した。その後、この樹脂を大過剰のメタノール中に落とし、樹脂を再沈殿させ、沈殿物を水洗し、乾燥を経て、ポリビニルブチラール樹脂の白色粉末を得た。
−PVB樹脂膜の作製−
上記ポリビニルブチラール50gに、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート15gを加え、この配合物をミキシングロールで十分に混練した。次いで、この混練物に酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.08gを添加した後、混練物の所定量をプレス成形機により150℃で30分間保持した。こうして、厚み0.38mmのPVB樹脂膜を得た。
−弓形配向偏光膜の作製−
偏光層をガラス板に積層しなかった以外、実施例1の各工程と同様の操作を行い、弓形配向偏光膜を作製した。
−偏光合わせガラスの作製−
前記得られた2枚のPVB樹脂膜と、偏光膜とを、積層構成がPVB樹脂膜/偏光膜/PVB樹脂膜になるように、重ね合わせて、3層の積層中間膜を得た。ただし、重ね合わせの時点で、A−PETは偏光層から剥離し、偏光層のみをPVB膜間に挟みこんだ。この中間膜をそれぞれ1辺10cmの正方形の厚み3mmの2枚のフロートガラスで両側からサンドイッチし、この未圧着サンドイッチ体をゴムバッグへ入れ、20torrの真空度で20分間脱気した後、脱気状態のまま90℃のオーブンに移し、この温度を30分間保持した。こうして真空プレスにより仮接着したサンドイッチ体を、次いでオートクレーブ中で圧力12kg/cm、温度135℃で熱圧着処理し、偏光合わせガラスを作製した。
(実施例7)
<紫外線吸収特性を付与した偏光合わせガラスの作製>
PVB樹脂膜の作製工程でBHTの添加と同時に、紫外線吸収剤(チバガイギー社製、チヌビンPwo)0.08gを添加した以外、実施例6の各工程と同様の操作を行い、紫外線吸収特性を付与した偏光合わせガラスを作製した。
(実施例8)
<熱線遮蔽特性を付与した偏光合わせガラスの作製>
−熱線遮蔽微粒子分散可塑剤の調製−
可塑剤としてのトリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート15gと、錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子6gを仕込み、これに分散剤として長鎖アルキリン酸エステル0.6gを添加して、水平型のマイクロビ−ズミルにて上記可塑剤中にITO微粒子を分散させて、熱線遮蔽微粒子分散可塑剤を調製した。この熱線遮蔽微粒子分散可塑剤中のITO微粒子の平均粒径は35nmであった。
−熱線遮蔽特性を付与した合わせガラスの作製−
PVB樹脂膜の作製工程で、可塑剤としてのトリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート15gの代わりに上記で得られた熱線遮蔽微粒子分散可塑剤20gを用いた以外は、実施例6の各工程と同様の操作を行い、熱線遮蔽特性を付与した偏光合わせガラスを作製した。
<映り込み防止効果の比較>
前記実施例6〜8で作製した合わせガラスを、白色マーカーで格子状の印をつけた黒い紙の上に、水平面から30度の角度に傾けて並べ、それぞれの合わせガラスに映り込んだ白色格子像の明度を目視によって比較した。その結果、紫外線吸収特性又は熱線遮蔽特性を付与した偏光合わせガラスも、それらを付与していない偏光合わせガラスとまったく同程度の映り込み明度しか示さず、紫外線吸収特性又は熱線遮蔽特性を付与しても、偏光合わせガラスの映り込み防止効果には悪影響を与えていないことが分かった。
本発明の偏光板は、偏光膜の主吸収軸が、略弓形状であり、運転席正面のみならず、助手席側にまで至る広範囲な映り込み防止を実現できるので、例えば自動車、電車、新幹線、飛行機、旅客機、船等の各種乗り物用ガラスなどの分野に幅広く用いることができる。
図1は、偏光板表面にグリッド点を設けた状態を示す図である。 図2は、各グリッド点における主吸収軸が一直線状である偏光板を示す図である。 図3は、各グリッド点における主吸収軸の向きが傾いている屈曲した偏光層を有する偏光板を示す図である。 図4は、各グリッド点における主吸収軸の向きが傾いている湾曲した偏光層を有する偏光板を示す図である。 図5は、任意の2点A、Bから曲率半径を求める方法を示す図である。 図6は、任意の2点A、Bから曲率半径を求める方法を示す別の図である。 図7Aは、本発明の偏光板の製造方法の一例を示す説明図である。 図7Bは、図7Aにより得られた延伸フィルム(偏光板)を示す図である。 図8Aは、本発明の偏光板の製造方法の他の一例を示す説明図である。 図8Bは、図8Aにより得られた延伸フィルム(偏光板)を示す図である。 図9は、自動車用前窓に用いる弓形偏光板を切り出す方法の一例を示す図である。 図10は、自動車用前窓に用いる弓形偏光板を切り出す方法の他の例を示す図である。 図11は、自動車用前窓に用いる水平偏光板を切り出す方法の一例を示す図である。 図12は、弓形偏光板を用いた自動車用前窓における運転者から見た偏光軸分布を示す図である。 図13は、水平偏光板を用いた自動車用前窓における運転者から見た偏光軸分布を示す図である。 図14は、合わせガラスの一例を示す概略断面図である。 図15は、実施例における一軸延伸した状態を示す図である。 図16は、実施例1の偏光板の主吸収軸の配向状態を示す図である。 図17は、比較例1の偏光板の主吸収軸の配向状態を示す図である。 図18は、偏光板の評価装置を示す概略図である。 図19は、実施例5における自動車用前窓への4枚の偏光板の貼り付け状態を示す図である。 図20は、ダッシュボードの陰影映り込みを評価する際に用いた千鳥柄を印刷した紙である。 図21は、比較例2の自動車用前窓における偏光板の貼り付け状態を示す図である。 図22は、実施例5における−22度位置での映り込み状態を示す写真である。 図23は、実施例5における0度位置でのダッシュボードの映り込み状態を示す写真である。 図24は、比較例2における−22度位置でのダッシュボードの映り込み状態を示す写真である。 図25は、比較例2における0度位置でのダッシュボードの映り込み状態を示す写真である。 図26は、円弧状ラビング用治具、及び該治具を用いた円弧状ラビング処理の実施方法を示す図である。 図27は、自動車用前窓を6つの領域に分割したときの偏光板の配置を示す図である。 図28は、実施例4における貼り合せによる屈曲配向型偏光膜の模式図、及び自動車用前窓への適用方法を示す図である。 図29は、実施例4における直線配向型偏光膜の裁断の仕方を示す図である。 図30は、実施例4における屈曲配向型偏光膜の作製方法を示す図である。
符号の説明
1 テンター
2 延伸フィルム(偏光板)
3 主吸収軸
3a 主吸収軸
4 自動車用前窓枠
10 延伸フィルム(偏光板)
11 基材
12 中間層
13 反射防止層
20 グリッド点
21 偏光板
100 合わせガラス

Claims (18)

  1. 少なくとも偏光子を含有する偏光膜を有してなり、該偏光膜の主吸収軸が屈曲乃至湾曲していることを特徴とする偏光板。
  2. 主吸収軸が略弓形状に湾曲しており、該主吸収軸の曲率半径が、0.5m〜5.0mである請求項1に記載の偏光板。
  3. 偏光子が、二色性材料を含有する請求項1から2のいずれかに記載の偏光板。
  4. 二色性材料が棒状金属微粒子であり、該棒状金属微粒子における金属が、金、銀、銅、及びアルミニウムの少なくともいずれかである請求項3に記載の偏光板。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の偏光板を製造する方法であって、
    少なくとも偏光子を含有する塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、
    該塗布膜を幅方向に延伸する延伸工程と、を含むことを特徴とする偏光板の製造方法。
  6. 延伸時のボーイング現象により偏光膜の主吸収軸を略弓形状に形成する請求項5に記載の偏光板の製造方法。
  7. 請求項1から4のいずれかに記載の偏光板を製造する方法であって、
    屈曲又は円弧状ラビング処理した配向膜を表面に有する基材上に、少なくとも紫外線硬化性液晶化合物、光重合開始剤、及び偏光子を含有する偏光膜塗布液を塗布し、乾燥させて塗布層を形成する塗布層形成工程と、
    該塗布層を液晶相が発現する温度にまで加熱した状態で紫外線を照射し硬化させる硬化工程と、を含むことを特徴とする偏光板の製造方法。
  8. 請求項1から4のいずれかに記載の偏光板を製造する方法であって、
    複数枚の直線配向型偏光膜を、その主吸収軸をずらしながら配置して貼り合せることにり、全体として主吸収軸が屈曲した偏光膜を作製することを特徴とする偏光板の製造方法。
  9. 請求項1から4のいずれかに記載の偏光板と、該偏光板の両面に樹脂層を有することを特徴とする中間層。
  10. 基材と、請求項1から4のいずれかに記載の偏光板とを有してなることを特徴とする自動車用前窓。
  11. 基材が2枚の板ガラス間に中間層を有する合わせガラスであり、かつ該中間層が偏光板を含む請求項10に記載の自動車用前窓。
  12. 中間層が、偏光膜と樹脂層からなる積層体である請求項11に記載の自動車用前窓。
  13. 樹脂層が、ポリビニルアセタール系樹脂を含む請求項12に記載の自動車用前窓。
  14. 偏光膜の主吸収軸が、地面方向に向かって凸に湾曲した略弓形状である請求項10から13のいずれかに記載の自動車用前窓。
  15. 偏光膜の主吸収軸が、運転席側から助手席側に向かって上昇する略弓形状である請求項14に記載の自動車用前窓。
  16. 自動車用前窓の水平基準面とのなす角が20度以上50度以下である請求項10から15のいずれかに記載の自動車用前窓。
  17. 請求項1から4のいずれかに記載の偏光板を樹脂層に積層する積層工程と、
    前記偏光板の樹脂層を積層していない側の面に樹脂層を積層し、該偏光板の両面に樹脂層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、を含むことを特徴とする中間層の製造方法。
  18. 請求項1から4のいずれかに記載の偏光板を樹脂層に積層する積層工程と、
    前記偏光板の樹脂層を積層していない側の面に樹脂層を積層し、該偏光板の両面に樹脂層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記積層体を2枚の板ガラスで挟み込む挟込工程と、を含むことを特徴とする自動車用前窓の製造方法。
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