JP2010155831A - アレルギー症状の予防および/または治療 - Google Patents

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Abstract

【課題】アレルゲンが上皮障壁を通過する症状、例えば喘息、鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎または食物アレルギーを予防または治療するための医薬の提供。
【解決手段】システインプロテイナーゼ活性の阻害剤と、トリプシン以外のセリンプロテイナーゼ活性の阻害剤との組み合わせてなる使用。また、セリンおよびシステインプロテイナーゼ阻害剤を含有する処方およびキットも包含し、アレルゲンが上皮障壁を通過する症状の治療または予防におけるその使用も包含する。
【選択図】なし

Description

本発明はアレルギー症状、さらに詳しくは潜在的アレルゲンが上皮障壁を通過するにちがいない症状の予防および/または治療に関する。本発明は、それだけではないが、喘息の予防および/または治療の特定の用途を有する。
喘息は小児の最も一般的な慢性疾患であり、大きく体力を衰弱させて生命を脅かす疾患である。喘息は急性の過敏性、慢性の気管支反応性および肺上皮に対する損傷および破壊により特徴付けられる。
喘息について特に危険な因子は、肺の、デルマトファゴイデス(Dermatophagoides)属(例えば、デルマトファゴイデス・プテロニシヌス(D.pteronyssinus)、デルマトファゴイデス・ファリナエ(D.Farinae))に属するヒョウヒダニ(house dust mite)(HDM)の糞粒中に排泄される蛋白などの空気系アレルゲンに対する感作である。HDM糞粒が吸入されると、それは径の大きな気道の流体で覆われている上皮表面と衝突する。その結果、HDM糞粒が水和され、主たるアレルゲン性蛋白の急速かつ全体的な放出が起こり、その気道上に局所的な高濃度のHDM蛋白が生じる。感作は、通常、肺上皮細胞により外界より保護されている抗原提示細胞がアレルゲンを検出することと関連している。アレルゲンが上皮障壁を通過しうる機構は十分に理解されていない。
今日、HDMから由来の数種の主たるアレルゲンが酵素としての触媒能力を示すという証拠が多数あり、このことがこれら酵素作用がアレルギー感作において、および確立されたアレルギー炎症性反応が永続する点で重要である可能性があると示唆している。
ダニアレルゲンのプロテイナーゼ活性に関するデータの大部分は、一般に、デルマトファゴイデス属のダニ由来の群1、3、6および9のデータに関するものである。群1のアレルゲンはシステインプロテイナーゼであり、最も詳しく調査されている対象であるのに対して、原型的なセリンプロテイナーゼと配列同一性を共有し、それ自身が触媒能力を有する、群3、群6および群9のアレルゲンの酵素的作用に関する情報はあまりない。
システインプロテイナーゼ活性は、抗体産生細胞の表面にあるCD23、低親和性IgE受容体を切断するため、それが喘息におけるアレルギー反応を悪化させるのに重要な役割を果たしていると提案されている。切断はIgE分泌の増加を生じさせる正のフィードバックをもたらし、そのためアレルギー応答が増加する。このことを基礎として、WO−A−97/04004(ペプチド・セラピューテックス)はシステインプロテイナーゼの阻害剤を、とりわけ、喘息の予防に用いることができると提案している。しかし、WO−A−97/04004に提案されている機構がインビボにて作用する可能性があるとは考えられない。というのも、CD23を切断する実験はすべて培養基にある細胞について行われており、切断を生じさせるのに要したDer p1の濃度が我々の考えでは非現実的なくらいに大きなものだからである。損傷した細胞は、インビボにて、組織または血液中に置かれる。我々の考えでは、アレルゲン濃度がこれらの位置でCD23切断を生じさせるのに必要な濃度に達する可能性はほとんどない。そのような濃度に達するという、あるいはCD23切断が起こるという証拠は何もない。
Kalsheker N.ら(1996)は、Biochem.Biophys.Res.Comms.(USA)221/1 59−61頁において、セリンプロテイナーゼのα1−アンチトリプシンが炎症の間に肺で放出されたプロテイナーゼによる損傷から下部気道を保護すると開示している。システインプロテイナーゼDer p1がセリンプロテイナーゼ阻害剤α1−アンチトリプシンの反応性ループを切断することが明らかにされ、この機構が喘息の病理発生にて重要であると提案されている。さらに、α1−アンチトリプシン不足が小児喘息の発生率に関連していることも開示されている。しかし、アレルゲンが上皮障壁を通過するにちがいないアレルギー症状(例えば、喘息)がどのように処置されあるいは保護されるかの開示は何もなされていない。
Stewart G.らは、(1991)Int.Arch.Allergy Appl.Immunol.95/2−3、248−256頁において、ダニの糞便は、種々の他の酵素と共に3種のセリンプロテイナーゼおよび1つのシステインプロテイナーゼを含むを開示している。さらに、システインプロテイナーゼおよび少なくとも1つのセリンプロテイナーゼはアレルギー誘発性であると開示している。しかしながら、アレルゲンが上皮障壁を通過するにちがいない喘息などのアレルギー症状が如何に処置され、あるいは予防されるかについて何の開示もない。
Biochem.Biophys.Res.Comms.(USA)221/1 59−61頁 Int.Arch.Allergy Appl.Immunol.95/2−3、248−256頁
喘息研究の分野にて多大な努力がなされているにも拘わらず、喘息(および潜在的アレルゲンが上皮障壁を通過するにちがいない他のアレルギー症状)の予防および/または治療の改良方法に対する要求がなお存在する。
第1の最も広い態様にて、本発明は、システインプロテイナーゼ活性およびセリンプロテイナーゼ活性を阻害することで、アレルギー症状(潜在的アレルゲンが上皮障壁を通過するに違いない型のアレルギー症状)の治療および/または予防を提供する。
本発明は、阻害されるべきシステインプロテイナーゼ活性がDer p1のものであるのが好ましいのに対して、阻害されるべきセリンプロテイナーゼ活性がトリプシン以外のセリンプロテイナーゼのもの、好ましくはアレルゲンセリンプロテイナーゼ、さらに好ましくはDer p3、Der p6および/またはDer p9のものであってもよい、喘息の治療に、特に(排除するものではないが)使用することができる。
本発明は、ヒョウヒダニアレルゲンに対するアレルギー感作の鍵となる初期工程がシステインおよびセリンの両方のプロテイナーゼ活性により媒介されることを明らかにした本発明者らの実験(以下にさらに詳細に開示する)に基づくものである。本発明者らは、この活性が上皮細胞の細胞間の密な結合を破壊し、上皮透過性を増大させ、アレルゲンが上皮を通過できるようにすることを見出した。このため、アレルゲンは樹状突起抗原提示細胞にアクセスし、相互作用して、アレルギー応答を生成することができる。システインプロテイナーゼ阻害剤はシステインプロテイナーゼアレルゲンを阻害するが、セリンプロテイナーゼアレルゲンを阻害せず、それは密な結合の破壊を完全には遮断しない。同様に、セリンプロテイナーゼ阻害剤はセリンプロテイナーゼアレルゲンの作用を遮断するが、システインプロテイナーゼアレルゲンの作用を遮断せず、それは密な結合が破壊されることを完全に遮断するものではない。部分的な阻害ではなおアレルギー応答が生み出される。密な結合の破壊、すなわち、アレルギー応答の発生を完全に阻害するには、アレルゲンのシステインおよびセリンプロテイナーゼの両方の活性を阻害する必要がある。
本発明は、喘息の予防および/または治療に特に用いることができるが、鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎および食物アレルギーを含む、一連の別のアレルギー症状に用いることもできる。
アレルギー症状の治療および/または予防は、以下の手段:
(i)システインおよびセリンプロテイナーゼ阻害剤活性を有する処方(本発明の第2の態様を提供する);または
(ii)システインプロテイナーゼ活性の阻害剤およびセリンプロテイナーゼ活性の阻害剤を含むキット(本発明の第3の態様を提要する)
により行うことができる。
本発明の第2の態様の処方では、単一の阻害剤化合物が、必要とされるセリンおよびシステインプロテアーゼ活性の阻害を提供する。しかしながら、より一般的には、本発明の第2の態様の好ましい具体例に従って、システインプロテイナーゼ活性およびセリンプロテイナーゼ活性の阻害は別々の阻害剤化合物により提供されるであろう。
別々の阻害剤化合物を本発明の第3の態様のキットにて用いる場合、それらの化合物は相互に同時にまたは連続的に用いることができる。
要すれば、1以上の型のシステインプロテイナーゼ活性およひ/または1以上の型のセリンプロテアーゼ活性を用いて所望の範囲にある活性を得ることができる。
本発明は(絶対的ではないが)原則的に治療的処置に適用することができる。
したがって、本発明の第4の態様によれば、アレルゲンが上皮障壁を通過する症状の予防または治療用の医薬を製造するための、トリプシン以外のセリンプロテイナーゼ活性の阻害剤と組み合わせたシステインプロテイナーゼ活性の阻害剤の使用を提供する。
本発明の第5の態様によれば、アレルゲンが上皮障壁を通過する症状を予防または治療するための対象の治療法であって、該対象に治療上有効量のシステインプロテイナーゼ活性の阻害剤およびセリンプロテイナーゼ活性の阻害剤を投与することからなる方法が提供される。
これらの治療的処置は、本発明の第2の態様の組成物または本発明の第3の態様のキットを用いて行うことができる。
本発明の第4および第5の態様は、喘息の治療に、より詳細にはその予防的処置に用いることができる。予防的処置なる語は、本発明者らによれば、その後の喘息発作の作用を防止または緩和するのに用いられるいずれの処理も包含する。その予防的処置は、例えば、喘息の発作を予防あるいはその頻度を減少させる観点から、喘息を患っていることがわかっているヒトに定期的に行うことができる。また、予防的処置は、喘息を患っており、喘息発作を発病する可能性がより高い環境(例えば、アレルゲン感染環境)に供されているヒトに特別に行うこともできる。さらなる可能性は、喘息を発病していないが、ある理由または別の理由のため、喘息を発病する危険性が高いと思われるヒトに行う予防的処置についてのものである。
治療的投与を目的とする場合、その阻害剤化合物は、肺上皮にデリバリーするための医薬上許容される賦形剤中に処方される。より好ましくは、その阻害剤化合物は、抗喘息の治療に対して一般的なエアロゾル手段によりデリバリーされる。しかし、本発明者らは別のデリバリー経路を排除するものではない。
阻害剤化合物の投与量は、もちろん、治療上効果的な量である。その投与量は治療すべき患者の体重、治療すべき喘息症状の重度、および阻害剤の活性などの因子に依存する。しかし、典型的な量は1ないし1000μg/日の範囲にある。
本発明は、これまで、喘息の治療的処置に関して記載しているが、本発明者らはヒョウヒダニアレルゲンのシステインおよびセリンプロテイナーゼ活性の阻害が治療的処置の分野を越えて用いることができることを見出した。すなわち、例えば、ヒョウヒダニアレルゲンを含有するまたは含有する可能性のある無生体をシステインおよびセリンプロテイナーゼ活性を阻害する阻害剤で処置し、かかる物体を低アレルギー性とすることも可能である。そのような物体の例は、比較的高いレベルのアレルゲンと一般的に関連しているもの(室内装飾用のカーテン、カーペット、寝具など)である。
本発明のいずれかの態様に用いることができるシステインプロテイナーゼ活性の阻害剤の例は、L-トラス-エポキシスクシニル-ロイシルアミド-(4-グアニジノ)ブタン(E−64)ならびにWO−A 97/04004に開示されているシステインプロテイナーゼ阻害剤である。
本発明のいずれかの態様に用いることのできるセリンプロテイナーゼ活性の阻害剤の例は、4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩(AEBSF)を包含する。
本発明を以下の限定するものではない実施例(および実施例の結果を示す添付図面)を用いて説明する。
HDMプロテイナーゼフラクションのSDS−PAGE(パネルa)およびイムノブロット分析(パネルb)を示す。パネルaのレーンは:イムノアフィニティー精製したDer p1(1);HDMシステインプロテイナーゼフラクション(2)およびHDMセリンプロテイナーゼフラクション(3)である。蛋白をクマシーブルー染色法により可視化した。パネルbはパネルaのゲルより調製したイムノブロットを示す。蛋白をmAb5H8(抗−Der p1)を用いて検出し、ECL技法により可視化した。予期されるシステインプロテイナーゼフラクションの免疫反応性に加えて、セリンプロテイナーゼフラクションのmAb5H8による免疫応答性蛋白の検出に注意すること。黒丸は質量標準目盛りを表し、矢印は色素標識標準体の動きから計算したバンドの見かけ分子量を表す。 細胞の単層をHDM培養物より調製したセリンプロテイナーゼフラクションに18時間曝した効果を示す希釈応答曲線を示す。パネル(a)は、対照条件(血清不含EMEM単独で)および以下の処置(血清不含EMEM中に希釈したプロテイナーゼフラクション)の下でのMDCK上皮細胞のマンニトール透過性を示す。パネル(b)はCalu−3気管支上皮細胞で行った同様の実験結果を描写するものである。データは4ないし6個の試験数の平均±s.e.平均値である。プロテイナーゼアレルゲン活性(アゾコール単位(azocoll units)/mlで表す)を黒棒の下にある数で示す。星印は未処理の対照応答に対して統計学的に有意な違いのあることを示す。 MDCK細胞の単層におけるHDMプロテイナーゼフラクションのマンニトール透過性に対する効果の阻害を示す。パネル(a)はE−64(10μM)のシステインプロテイナーゼフラクションにより得られる作用に対する効果を示す(80アゾコール単位/ml)。対照細胞を0.5mM還元グルタチオン含有の血清不含EMEMに曝した。パネル(b)はAEBSF(100μM)のセリンプロテイナーゼフラクションの作用に対する効果を示す(127アゾコール単位/ml)。データは試験数3ないし5個の平均値±s.e.平均値である。接触時間はすべてのケースで18時間であった。パネル(a)および(b)は共に、対照とプロテイナーゼ処置した単層の透過性の間に統計学的に有意な違いが存在し、さらに阻害剤の存在下または不在下でプロテイナーゼで処置した単層の間にも存在する。有意性の比較をブラケット線および確立値で図中に示す。 パネル(a)はシステインプロテイナーゼフラクション(80アゾコール単位/ml)に18時間曝した後のCalu−3細胞の単層に誘起されたマンニトール透過性の変化における100μMのAEBSFの作用を示す。データは3回の試験の平均値±標準誤差平均値である。パネル(b)はセリンプロテイナーゼフラクション(94アゾコール単位/ml)に18時間曝した後のCalu−3細胞の単層に惹起されたマンニトール透過性の変化における10μMのE−64の作用を示す。データは3回の試験の平均値±標準誤差平均値である。両方の試験において、対照細胞は血清不含EMEM媒体単独で処理した(システインプロテイナーゼフラクションの場合には0.5mMの還元グルタチオンを含む)。 MDCK細胞の単層におけるTJ蛋白ZO−1(パネルa−e)およびデスモソームプラーク蛋白デスモプラキン(パネルf−j)の免疫染色を示す。パネル(a、f)は対照として血清不含EMEMに曝した細胞の免疫染色を示す。システインプロテイナーゼフラクション(80アゾコール単位/ml)で処理した後の免疫染色の図形をパネル(b、g)に、この応答のE−64(10μM)による変化をパネル(c、h)に示す。セリンプロテイナーゼフラクション(94アゾコール単位/ml)で処理した後の免疫染色の図形をパネル(d、i)に、この応答のAEBSF(100μM)による変化をパネル(e、j)に示す。 MDCKまたはCalu−3細胞をHDMプロテイナーゼフラクションで18時間処理した後のLDH放出の測定を示す。パネル(a)は、その単層が低張性溶解に付されるまで、制御条件下でLDHの細胞からの放出がないことを示す。パネル(a)はまた、システインプロテイナーゼフラクション(0.5mMの還元グルタチオンで活性化した後の80アゾコール単位/ml)での処理が処理期間の間にLDHの媒体中への放出を生じさせなかったことを示す。細胞はすべて処理の間にウェルから分離され、その分離した細胞の低張性溶解が対照細胞にて測定されたのと同じ量のLDH活性の回収がなされたことに注意すること。パネル(b)はセリンプロテイナーゼフラクション(114アゾコール単位/ml)を用いる同様の実験結果を示す。細胞のすべてがすべて処理期間の間に分離しないが、溶解した付着細胞および溶解した分離細胞におけるLDH活性の合計が対照細胞にて検出された量に相当することに注意すること。データを4回の試験の平均値+標準誤差平均値で示す。 MDCKまたはCalu−3細胞をHDMプロテイナーゼフラクションで18時間処理した後のLDH放出の測定を示す。パネル(c)および(d)はCalu−3細胞にて行った同様の実験を示す。制御条件下でLDHのこれら細胞からのわずかなバックグラウンド放出があり(細胞LDH合計の<10%)、プロテイナーゼ処理によりこの放出が有意に変化しなかったことに注意すること。データを4回の試験の平均値+標準誤差平均値で示す。 MDCKおよびCalu−3細胞のHDMプロテイナーゼフラクションで処理した後のDNA(パネルa、b)のアガロースゲル電気泳動およびAVおよびPIを用いる細胞染色(パネルc−j)を示す。パネル(a)はMDCK細胞におけるプロテイナーゼ誘発のDNA分画化を示す。レーンに対する言及:DNAマーカ(1、10);未処理細胞(2,3);10μMカンプトテシンで18時間処理した細胞(正の対照)(4,5);セリンプロテイナーゼフラクション(114アゾコール単位/ml)で18時間処理した細胞(6、7)およびシステインプロテイナーゼフラクション(活性化後の80アゾコール単位/ml)で18時間処理した細胞(8、9)。パネル(b)はCalu−3細胞におけるDNA分画化を示す。レーンに対する言及:DNAマーカ(1、11);未処理細胞(2);セリンプロテイナーゼフラクション(94アゾコール単位/ml)でX時間処理した細胞(3);システインプロテイナーゼフラクション(活性化後の80アゾコール単位/ml)で18時間処理した細胞(4);BB−250(5μM)の存在下にある未処理細胞(5);レーン3と同様であるが、5μMのBB−250の存在下で処理した細胞(6);レーン4と同様であるが、5μMのBB−250の存在下で処理した細胞(7);10μMのE−64の存在下にある未処理細胞(8);レーン3と同様であるが、10μMのE−64の存在下で処理した細胞(9);レーン4と同様であるが、10μMのE−64の存在下で処理した細胞(10)。パネル(c−f)は制御条件下(c、e)およびセリンプロテイナーゼフラクション(135アゾコール単位/ml)で18時間処理した後(d、f)のCalu−3細胞の単層のAVおよびPI(e、f)染色の蛍光顕微鏡写真を示す。パネル(c、d)は青色光励起下の染色図形を示し、パネル(e、f)は緑色光励起下の染色図形を示す。パネル(g−j)はパネル(c−f)と同じレイアウトのMDCK細胞の単層からの例を示す。両方の細胞型において、未処理細胞におけるAVおよびPI染色が実際に存在しないことに注意すること。パネル(d、f)では、染色図形は、一部、単層の細胞分離の領域に限界を画し、ある細胞はAVおよびPI染色の両方を表示することに注意すること。パネル(h、j)において、得られた細胞の大部分はAVおよびPIについて陽性であり、細胞の基層からの有意な分離がないことは明らかである。
[実施例]
この実施例は、以下により詳細に記載する方法を用いて、
(i)ヒョウヒダニより分離したシステインおよびセリンプロテイナーゼフラクション、および
(ii)システインおよびセリンプロテイナーゼ活性の阻害剤と組み合わせた(i)で特定されるフラクション
の上皮透過性に対する作用を明らかにするものである。
(方法)
細胞培養
典型例として、Calu−3およびMDCK細胞を、上皮の細胞間結合およびそのHDMプロテイナーゼに対する感受性および阻害剤の可能性を試験するのに使用した。両方の細胞系は共に密な結合、毛様小帯付着体およびデスモソームを発現し、かくしてそれらは共に気道にて生じる細胞付着機構を実験するための許容されるモデルである。Calu−3は25歳齢のカフカス地方の男性より由来の腺癌細胞系である。それは電気生理学の研究(Shenら、1994;Hawsら、1994)および本発明者ら自身の免疫細胞化学的特徴付け(特定せず)に基づき、密な障壁特性を発現することが知られているが、比較的あまり研究されていないものを対象とする。10%v/vの熱不活性化ウシ胎児血清(FCS)、2mM L−グルタミン、非必須アミノ酸、10μM ピルビン酸ナトリウムを補足し、50U/mlのペニシリンおよび50μg/mlのストレプトマイシンを含有する、アール(Earle's)塩を含むイーグル最小必須培地(Eagle's minimum essential medium)(EMEM)で細胞を増殖させる。
マジン-ダービー(Madin-Darby)系イヌ腎臓(MDCK)の上皮細胞を、50U/mlのペニシリン、50μg/mlのストレプトマイシン、2mM L-グルタミン、非必須アミノ酸および10%v/vの熱不活性化FCSを含有するEMEMにて培養した。両方の細胞型を継代するために、当該細胞をカルシウムおよびマグネシウムを含まないリン酸塩緩衝セイライン(PBS)中でリンスし、ついで0.05%(w/v)トリプシンおよび0.02%(w/v)EDTA溶液を用いて部分的に消化した。
培養物はすべて、37℃で空気中5%二酸化炭素の湿った環境下で繁殖させた。
マトリゲル(Matrigel)を用いるトランスウェルTMインサートのコーティング
マンニトールクリアランスの測定を、非ゲル状のマトリゲルを超薄く下塗りして被覆した0.4μmの孔径のコスター・トランスウェルTMインサート(Coster TranswellTM insert)上で繁殖させた、集密状態の細胞の単層上で行った。被覆は、250μlのアリコートのマトリゲル(EMEM中に1:500v/vに希釈)をインサートの内部に添加し、つづいて無菌状態下に60分間室温でインキュベートすることで行った。ついで溶液を吸引し、集密密度の細胞懸濁液を添加する前に、インサートをゆっくりと培地で洗浄した。
細胞処理プロトコルおよびクリアランス測定
細胞(2−5x105個/cm2成長域)をマトリゲル被覆インサート上に置いた。本発明者らは、「インサート」なる語を細胞を含有するフィルターユニットを意味するものとして使用し、「ウェル」なる語を組織培養プレートのキャビティを言うものとする。成長および一体性をモニターするために、インサートを無作為に取り、PBS中にゆっくりと洗浄し、アクリジンオレンジおよび臭化エチジウム(PBS中、各々、1mg/ml)を用いて緩やかな照明下で染色させた。インサートを蛍光顕微鏡測定法により試験し、高い生存率の集密が得られた場合にだけ使用した。
集密状態で、培地をそのウェルから吸引し、20mM HEPESで緩衝化させ、2mM L−グルタミンを含有する、血清−および重炭酸塩−不含のEMEMと置き換えた。ついで、インサートからの培地をゆっくりと取り出し、[14C]−マンニトール(HEPES緩衝化培地中の1μCi/mlおよび1mg/mlの非標識化マンニトール)を含有する300μlの血清不含EMEMと置き換えた。ついで、トランスウェルTMプレートを、Luckham R100軌道式振盪機上、37℃で30分間平衡状態にした。3つの未使用の標識化マンニトール溶液の100μlのアリコートをサンプルとし、その放射活性含量を5mlのオプチ−フルオール(Opti−Fluor)を添加した後に液体シンチレーション分光測定法(ベックマン・LS6000IC)により測定した。
一定の平衡時間後、インサートを1mlの血清不含HEPESで緩衝化したEMEMを含む新たなウェルに入れ、37℃で緩やかに振盪し続けながらインキュベートした。最初のウェルからの培地を保存し、10mlのオプチ−フルオールを添加した後の放射活性含量を測定した。これらの結果を用いて時間0でのトレーサー濃度を決定した。一定間隔で、20μlのアリコートの基底外側の浴流体を取り出し、クリアランス容量を計算するのに上記したように、14Cマンニトールの量を定量した。
上皮透過性の計算
マンニトールのパラ細胞透過性を本発明者らの現在継続している英国特許出願番号9715058に記載の操作にしたがって測定し、所定の時点でクリアランス容量の測定値より計算した。クリアランス評価は3ないし5時間にわたって行い、以下の関係式にしたがって計算する。
Figure 2010155831

式中:
Probetは各時点でのクリアランス容量であり、
VAiは各時点でのアブルミナル(abluminal)容量であり、
Δ[A]iは時点間のトレーサー濃度の増加量であり、
[L]iは各時点でのルミナルトレーサー濃度を意味する。
拡散が溶質の上皮間移動の唯一の手段である条件下では、dVprobe/dtは、細胞、フィルター、非攪拌層および蛋白コーティング(Pt)の組成系のマンニトールの透過性を評価することができる、透過性−表面積の積に極めて近い。上皮透過性は、一連の透過性の系としてマトリゲル被覆フィルターおよび非攪拌層を考慮することで、測定した変数より計算することができる。すなわち:
Figure 2010155831

および
Figure 2010155831
式中、
tは系の組成透過性であり、
1は上皮細胞単独による成分であり、
2はマトリゲルを含まないフィルターによる成分であり、
3は非攪拌層の成分であり、
4はマトリゲルを被覆したフィルターの透過性である。
純粋な拡散系において、
Figure 2010155831

式中、
Dはマンニトールの自由拡散係数であり、
δは非攪拌層の厚みの合計である。
非攪拌層の厚みは理想条件下では膜透過性と無関係であり、したがって式(3)および(4)のP3は同一である。式(2)および(3)を減ずれば、上皮細胞の単層の透過性(5)を計算することができる。
Figure 2010155831
変数の解析は最小有効誤差試験を用いて選定された種々の処置についての透過性データおよび確立値を対数変換した後に行った。データは、n回の実験観察の標準誤差を添えて幾何平均値として表す。p<0.05の確立レベルは統計学上有意であると考えられた。
プロテイナーゼフラクションのHDM培地からの調製
HDMプロテイナーゼアレルゲンは、これまで、成熟酵素蛋白を組換え細胞発現させることで触媒上反応能を有する形態にて調製されたことはない。将来の触媒上活性な組換え蛋白がなくても潜在的な阻害剤を大規模にスクリーニングできるように、本発明者らは、HMDを増殖させた消費培地を簡単な生化学分画に付すことでシステインおよびセリンプロテイナーゼ活性を分離しようと試みた。培養している間、HDMはアレルゲンを培地に放出し、その結果、精製するのに適する蛋白が蓄積した。デルマトファゴイデス・プテロニシヌス(オーストラリア、パークビル、コモンウェルス・セラム・ラボラトリー)の培養基からの消費培地を5倍容量のリン酸塩緩衝セイラインに溶かし、ついで48400xgで4℃で20分間遠心分離に付した。硫酸アンモニウムをその攪拌上清に4℃で徐々に加えて50%の飽和溶液を得た。遠心分離(48400xg、20分、4℃)に付した後、酵素アッセイにより、システインプロテイナーゼ活性に富むとわかったペレットを最小容量の蒸留水に再び溶かした。最初に分離したものの上清に硫酸アンモニウムを加えて80%の飽和溶液を得た。さらに遠心分離に付して得られたペレットはセリンプロテイナーゼ活性に富むことがわかり、最小量の蒸留水に再び懸濁させた。システインプロテイナーゼ(50%沈降物)およびセリンプロテイナーゼ(50−80%沈降物)フラクションを別々に一夜にわたって蒸留水に対して透析し、ついで凍結乾燥させ、つづいてEMEM中に復元させた。抽出物の蛋白含量を、血清アルブミンを標体とする、クマシーブルー技法を用いて測定した(Smithら、1985)。プロテイナーゼ活性はアゾコール(Azocoll)分解アッセイ(Herbertら、1995;Chaviraら、1984)を用いて測定した。抽出物をさらにリムラス(Limulus)遊走細胞溶解アッセイを用いてエンドトキシンの存在についてアッセイした(EndotectTM、ICN Biomedicals、ターム、オックスフォードシャー)。あらゆる場合において、エンドトキシンのレベルはアッセイの検出限界よりも下にあった(<0.06ng/ml)。
HDMプロテイナーゼフラクションの免疫ブロッティング
プロテイナーゼフラクションをSDS−PAGEで分離し、それを電気泳動によりニトロセルロース膜に移した。非特異的蛋白結合をトリス緩衝化セイライン(TBS)中5%w/v脱脂乳および0.1%v/vツゥーン20で遮断し、つづいて2%w/vウシ血清アルブミンおよび0.1%v/vツゥーン20を含有するTBSに希釈したmAb 5H8(抗−Der p1)と一緒にインキュベートした。検出を化学ルミネセンス技法により増強させた(Amersham International、バッキンガムシャー)。
細胞死アッセイ
細胞を60x15mmのペトリ皿に入れ、5%CO2環境にある組織培養条件下で血清含有EMEMにて2ないし4日間増殖させた。ついで細胞を、37℃での無菌培養下で、20mM HEPES含有の血清不含EMEMの処置に曝した。所定の時点で、細胞をこすり落して収穫し、懸濁液中にある分離細胞をプールした。細胞を550xgで5分間遠心分離に付し、そのDNAを抽出した(Nucleon、Scotlab、Coatbridge、Stratchclyde)。抽出したDNAを100μlのTE緩衝液(10mM トリス塩酸および1mM Na2EDTA)に室温で一夜再び懸濁させ、その純度を分光測光法により測定した。等量のDNAを試料緩衝液(水中0.25%ブロモフェノールブルーおよび40%w/vシュークロース)と4:1の割合で2%(w/v)アガロースゲルの各レーンに加え、TAE緩衝液(0.04M トリス−酢酸塩および0.001M EDTA)中50Vで2ないし3時間電気泳動を行った。そのゲル中のDNAのバンド(臭化エチジウムをその中に組み入れた)を紫外線光を用いて可視化した。
アポトーシスの開始の間に起こるホスファチジルセリンの細胞膜の外部層への再分配をアネキシン(annexin)V染色を用いて研究した。この操作は皿の底に1cm径の穴を開け、シルガード(Sylgard)(Dow Corning、ミッドランド、ミシガン州、米国)により適所に固定されたカバーグラスでこの外面を被覆することで修飾された、60x15mmのペトリ皿を用いて行った。ポリアミド環をシアノアクリレート付着手段によりその皿の内面に固定してグラス底部ウェルを形成させ、ついでそれを超薄層のマトリゲルで被覆した。細胞(3x104個)を各ウェルに置き、2ないし3日間増殖させ、その後に細胞を所望の実験処理に曝した。この後、細胞をPBS中にて、ついで200mlの結合緩衝液中にリンスし、弱光条件下でアネキシンV−FITC(AV)およびヨウ化プロピジウム(PI)を添加した。15分間インキュベートした後、細胞を結合緩衝液でリンスし、青色および緑色励起フィルターセット(油浸Fluor対物レンズを備えたZeiss Axiover 10)を用いる蛍光顕微鏡法により試験した。この方法を用いた場合、初期アポトーシスにある細胞は緑色に染色する。というのも、FITC−結合アネキシンVは、ホスファチジルセリンに結合し、それが細胞膜の外小葉に方向付けられるようになるからである(Fadokら、1992;Koopmanら、1994;Vermesら、1995;Homburgら、1995)。死亡細胞はまたPIで赤色に染色する。というのも、核膜の透過性の増加により、PIが核酸に結合することが可能となるからである。コンタックス(Contax)167MTカメラおよび白黒プリント用コダック(Kodak)TMAX400フィルムまたはカラー可逆的イメージ用エクタックローム(Ektachrome)160Tを用いて写真資料を作成した。
ピリビン酸を基質として用いてLDH活性を測定し、乳酸からのフェニルヒドラゾン誘導体の形成を分光測光的にモニター観察した。MDCKまたはCalu−3細胞を12−ウェルのプレートに蒔き、全面成長するまで増殖させた。細胞の単層を対照処置(システインプロテイナーゼフラクション用の対照の場合には0.6mMジチオトレイトールを含む、血清−およびフェノールレッド−不含EMEM)または(システインプロテイナーゼフラクション中に存在する0.6mMジチオトレイトールを含む)同じ培地に希釈したHDMプロテイナーゼフラクションのいずれかに18時間曝した。実験の最後に、インキュベーション培地を収穫し、室温で遠心分離に付し、処置の間にウェルより分離した細胞を沈殿させた。最初の上清フラクションをLDH活性について直接的にアッセイしたのに対して、分離した細胞で形成されたペレットは蒸留水で低張性溶解作用に付し(室温で5分間)、簡易な遠心分離に付し、細胞の残骸を取り除いた。得られた第2の上清をLDH活性についてアッセイした。処置の間に依然としてウェルに付着している細胞を上記したように溶解させ、LDH活性を測定した。対照培地で処置の間に有意な分離は生じなかったため、細胞LDH活性の合計を血清−およびフェノールレッド−不含のEMEM単独で処置した付着細胞からの溶解液に存在する活性と定義した。
プロテイナーゼが在する細胞間結合の切断における阻害剤の効果の免疫細胞化学的可視化
プロテイナーゼおよび阻害剤の細胞間結合における効果を研究するために、MDCK細胞をカバーグラス上に培養し、適当なプロテイナーゼおよび/または阻害剤で所望の期間処置した。細胞を氷冷メタノールに固定し、ラット抗−ZO−1(mAb R40.76)(Stevensonら、1986;Andersonら、1988)およびマウス抗−デスモプラキン(mAb 11−5F)(Parrishら、1987)を結合させた。間接的蛍光抗体染色は、FITC−およびTRITC−結合した第2抗体を用いて行った。顕微鏡法をx40倍率の油浸Fluar対物レンズを備えたZeiss Axiovert顕微鏡を用いて行った。試料をFITCおよびTRITC用の励起および放出フィルターを用いて照射した。細胞を上記したように写真撮影した。
材料
特に限定した場合を除いて、培地および細胞培養試薬はすべてICN Biomedicals Ltd(ターム、オックスフォードシャー)より購入した。HBSSはGibcoBRL、Life Technologies Ltd(ペイズリー)より入手した。マンニトールおよびトリトンX−100はSigma−Aldrich Ltd(プール、ドーセット)より入手し、熱不活性化ウシ胎児血清はLabtech International Ltd(ウックフィールド、イースト・サセックス)より入手した。マトリゲルはUniversal Biologicals、ロンドンより入手した。マンニトールクリアランス測定は、0.4μmの膜孔径と10μmの膜厚を有する12mm径のトランスウェル(Costar UK Ltd、ハイウィコム、バッキンガムシャー)で行った。D−[14C]−マンニトールをNEN Du Pont Research Products(スティーヴェネッジ、ハートフォードシャー)より入手し、Opti−FluorシンチラントおよびシンチレーションバイアルはCanberra Packard Ltd(パンボーン、バークシャー)より手に入れた。MDCK細胞は実験室にあるストック溶液で培養した。Calu−3細胞は、初めに、American Type Culture Collection(ロックビル、メリーランド州、米国)より入手し、継代させて増やし、低温保存した細胞のローカルバンクを創製した。細胞を、実験に応じて、75cm2のファルコン細胞培養フラスコ(Marathon Laboratory Supplies、ロンドン)、コースターマルチウェル組織培養プレートまたはトランスウェルインサート中に培養した。アガロース(分子等級)はPromega(サウスアンプトン、ハンプシャー)より入手した。LDH測定用のアッセイキットはSigmaより購入し;ApoalertキットはCambridge Biocscienceより購入した。アクリジンオレンジ、臭化エチジウムおよび他の汎用されている実験室試薬はBDH(プール、ドーセット)より入手した。化合物E−64(L-トランス-エポキシスクシニル-ロイシルアミド-(4-グアニジノ)-ブタン、システインプロテイナーゼの阻害剤は、Sigmaより入手した。濃縮ストック水溶液は必要となるまで凍結保存した。セリンプロテイナーゼ阻害剤である4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩(AEBSF)はPentapharm、バスル、スイスより手に入れた。マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)阻害剤BB−250([4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-イソブチル-3S-(チオフェン-2-イル-スルホニルメチル)スクシニル]-L-フェニルアラニン-N-メチルアミド)は、British Biotech Pharmaceuticals Ltdより供給された。阻害剤はすべて乾燥Me2SO中濃縮ストック溶液として製造し、必要な時に、実験で使用する媒体で希釈した。Me2SOビヒクルのような適当な対照を要すれば実験中に組み入れた。ZO−1に対して反応性のモノクローナル抗体R40.76はBruce Stevenson博士(アルバータ大学)より手に入れた。モノクローナル抗体Der p1抗体5H8はMartin Chapman博士(米国、ヴァージニア大学)の進呈を受けた。
結果
消費ダニ培地の分画化
消費ダニ培地を硫酸アンモニウム沈降法により2つのフラクションに分けた。50%硫酸アンモニウムを用いる沈降法により得られたフラクションは、約22kDaと38kDaに主たる蛋白バンドを有した(図1a、レーン2)。発色体基質を用いる酵素分解の試験により、50%沈降物質の触媒活性がE−64で阻害され得ることが明らかにされた(図示せず)。Der p1に拮抗して生じるmAb5H8を用いる50%沈降物質のイムノブロット解析により約22kDaの見かけ質量を有する主バンドの存在、および38kDaにある副バンドの存在が明らかになった(図1b、レーン2)。SDS−PAGEおよびイムノブロット解析において、システインプロテイナーゼフラクションは、イムノアフィニティクロマトグラフィー、ゲル濾過および等電点電気泳動を組み合わせて精製したDer p1と同じように行動した(図1のパネルa、bのレーン1および2を比較すること)。図1bのイムノブロットのレーン2と3を比較すると、5H8 mAbはさらに50−80%硫酸アンモニウム沈降物の存在下にあるさらなる範囲の蛋白と反応することがわかる。還元剤の不在下では、50−80%硫酸アンモニウム沈降フラクションは、原型的セリンプロテイナーゼの阻害剤により弱毒化される、高い触媒活性を示した(図示せず)。便宜上、本願明細書にて、50%沈降物は、以下、システインプロテイナーゼフラクションといい、50−80%沈降物はセリンプロテイナーゼフラクションという。
上皮透過性についてのHDMプロテイナーゼフラクションの効果
これらの実験にて用いる制御条件下では、MDCKおよびCalu−3上皮細胞系は共に0.7−1.2x10-6cm/sの範囲にあるマンニトール透過性を有する密な単層を形成する。MDCKまたはCalu−3細胞単層のいずれかをセリンプロテイナーゼフラクションに曝し、濃度関連の透過性の変化を作成した(図2)。システインプロテイナーゼフラクションの濃度依存性はこの特定の一連の実験では試験していないが、本発明者らは、以前に類似するインビトロ実験(Herbertら、1990;1995)にて純粋なシステインプロテイナーゼアレルゲンDer p1の効果を明らかにしている。
システインプロテイナーゼフラクションのMDCK細胞の単層における効果はシステインプロテイナーゼ阻害剤E−64により弱められた(図3a)。E−64は細胞の単層の固有の透過性に対して観察できる効果を示さなかった(図3a)。セリンプロテイナーゼ阻害剤AEBSFおよび、効果としては小さいが、SBTIは共にMDCK細胞におけるセリンプロテイナーゼフラクションの作用を阻害した(図3b)。阻害剤それ自体は上皮透過性に対して何の観察可能な効果も発揮しなかった(図3b)。阻害剤はまた、同じ濃度Calu−3細胞の単層を試験した場合には効果的であった。システインプロテイナーゼフラクションで試験したCalu−3細胞の単層は(8.44±0.43)x10-6cm/sのマンニトール透過性を有し、それはE−64で(4.84±0.32)x10-6cm/sにまで減少した(p<0.05、n=5)。セリンプロテイナーゼフラクションで処置したCalu−3細胞の単層は(18.1±0.02)x10−6cm/sのマンニトール透過性を有し、それはAEBSFで(10.20±0.01)x10−6cm/sに減少した(p<0.05、n=5)。
種特異的プロテイナーゼ阻害剤は、HDM培養物より由来の同族体酵素フラクションに対して効果的であるにすぎない。図4はAEBSFがセリンプロテイナーゼフラクションの効果を除去する濃度でCalu−3細胞単層におけるシステインプロテイナーゼフラクションの作用を阻害できないことを示す。逆に、E−64はセリンプロテイナーゼフラクションにより引き起こされる透過性の変化を阻害しなかった(図4)。
図5は、MDCK細胞の単層をシステインまたはセリンプロテイナーゼフラクションのいずれかを用いて処置することで、TJ1蛋白ZO−1の一般に隣接する周辺の染色図形の破壊、およびデスモプラキンの小さな斑点の染色の破壊が生じることを示す。E−64のシステインプロテイナーゼフラクションまたはAEBSFのセリンプロテイナーゼフラクションへの添加がプロテイナーゼ依存的変化を阻害した(図5)。
上皮細胞におけるHDMプロテイナーゼの誘発する細胞死
MDCKまたはCalu−3細胞の単層を血清不含EMEM中で18時間の制御培養に付した場合、単層は実験の最後に低張性溶解作用に付されるまでLDHをわずかに放出しただけであった(図6)。実験の間にいくつかの細胞はマトリックス基層より分離したにも拘わらず、いずれかの細胞型の単層をシステインおよびセリンプロテイナーゼフラクションで処理してもまた、有意な量のLDHを培地に放出することはなかった。分離細胞および付着細胞の溶解は未処理細胞溶菌液に見られる数に等しい数のLDHの回収をもたらした(図6)。
さらに、DNA分画化を試験し、かつ細胞のAVおよびPIでの染色を研究することにより、細胞死を実験した。図7a、bは、上皮細胞の単層の透過性の増加をもたらす条件下でHDMプロテイナーゼを用いて処置した後に、DNA分画化がMDCKおよびCalu−3細胞にて生じたことを示す。HDMプロテイナーゼフラクションの効果はマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤BB−250で弱められる(図7b)。E−64はシステインプロテイナーゼフラクションの効果を阻害したが、セリンプロテイナーゼフラクションの効果を阻害しなかった(図7b)。図7はまた、MDCKまたはCalu−3細胞をセリンプロテイナーゼフラクションで処置することにより、単層内にある細胞は、初期アポトーシスを示す、アネキシンVだけとの結合(AV+PI-)を示し、他の細胞は細胞死を示すアネキシンVとPIの両方を染色した(AV+PI+)(図7d、f、h、jを参照のこと)。AV+PI-初期アポトーシス細胞およびAV+PI+死亡細胞の空間的分布は細胞付着の明瞭な分離が見られる領域の周囲に密集している(例えば、図7d、fを参照のこと)。
検討
HDM糞粒蛋白はアレルギー喘息の主な原因であり(Roveyら、1981)、この疾患の罹患率の増加に大きく寄与している(Dowseら、1985)。この研究において、本発明者らは、デルマトファゴイデス・プテロニシヌス糞粒からのプロテイナーゼが上皮細胞に対して強い生物学的作用を及ぼすことを明らかにした。HDMプロテイナーゼを硫酸アンモニウム沈降法によりシステインとセリン種に分画した。両方の沈降物は試験した実験系にて同様の作用を有した。当該物質は上皮細胞の単層の透過性を増大させ、外側にある細胞の付着を切り離し、細胞をバイオマトリックス基層から分離させた。細胞の切断および分離はLDHの著しい放出と結び付けて考えられなかったが、その証拠が初期アポトーシスおよび核破壊を伴う完全な細胞死にて見出された。AVおよびPIを用いて染色した細胞を検査することで、染色が細胞破壊/分離した領域に局在化していることが明らかにされた。本発明者らはさらにプロテイナーゼ阻害剤により細胞死を弱めることができることを明らかにした。
硫酸アンモニウム沈降法が、消費HDM培地における主要クラスのプロテイナーゼ活性を分離する効果的な手段であることがわかった。50%硫酸アンモニウムで沈降したフラクションはシステインプロテイナーゼ活性を有し、上皮細胞の単層上のその透過性を容易にする作用はE−64により阻害されたが、セリンプロテイナーゼ阻害剤AEBSFによっては阻害されなかった。HDMアレルゲンDer p1(システインプロテイナーゼ)に拮抗して産生されたmAb5H8を用いるSDS−PAGEおよびイムノブロット解析は、このフラクションが約22kDaおよび約38kDaの見かけ分子量を有するバンドの存在を明らかにした。反対に、50−80%飽和の硫酸アンモニウムによって沈降したフラクションはセリンプロテイナーゼ活性を有し、上皮細胞でのその効果はAEBSFで、さらに低い程度でSBTIで阻害されたが、E−64では全く阻害されなかった。本発明者らは、阻害剤を用いたこの実験より、システインプロテイナーゼアレルゲンの機能が少なくともこのフラクションに持ち越されていると結論付けた。SDS−PAGEおよびイムノブロット解析はセリンプロテイナーゼフラクション中に数個の蛋白バンドが存在することを示し、その中のいくつかはmAb5H8で認識された(例えば、見かけ分子量約22、26、28、29および38kDa)。mAb5H8は、広く、Der p1を精製し、定量するのに用いられるが、その特異性は最近になって疑問視されている(Cambra&Berrens、1996)。かくして、本発明者らの研究からの知見はこの抗体の特異性に関するさらなる関心をもたらす。50−80%硫酸アンモニウム沈降物中に検出された蛋白バンドは、セリンプロテイナーゼアレルゲン、Der p3、Der p6およびDer p9の存在と一致する。これらの観察に基づいて、本発明者らは硫酸アンモニウムによるHDM培養抽出物の分画化が、HDMプロテイナーゼアレルゲンの生物学的作用を研究し、これら作用の新規な阻害剤を同定するのに、簡単かつ効果的な手段を提供することを示唆する。
本発明者らは、以前に、高度に精製されたDer p1アレルゲンが、気道粘膜における血清アルブミンの経上皮流の増加を誘発し、上皮構造の破壊を惹起し、MDCK細胞を天然のバイオポリマー基質より分離することを示した(Herbertら、1990;1995)。本発明者らはまた、Der p1のこれらの効果はそのシステインプロテイナーゼ活性の結果であることも証明した。というのも、それらはシステインプロテイナーゼのうち比較的特異的な阻害剤である、E−64による阻害に感受的であったからである(Barrettら、1982;Shaw、1994;Herbertら、1995)。アミノ酸配列を比較すれば、Der p1は推定システインプロテイナーゼであると考えられるが(Chuaら、1988;1993;Stewart、1994;Tophamら、1994;Robinsonら、1997)、他の研究はその活性がセリンプロテイナーゼの阻害剤である、APMSFにより阻害されると報告されているため、二機能性システイン−セリンプロテイナーゼとして作用している可能性があると示唆している(Hewittら、1995、1997)。もしそうだとすれば、この二機能性の提案はDer p1の特異的阻害剤を設計するのに重要なことを示唆している可能性がある。しかし、この研究において、本発明者らは、(i)HDM培養物より誘導されるシステインプロテイナーゼフラクションがセリンプロテイナーゼフラクションの活性を有意に阻害する濃度のAEBSFによって阻害され得なかったこと、および(ii)セリンプロテイナーゼフラクションがこの阻害剤がシステインプロテイナーゼ活性を遮断する濃度でE−64による阻害に対して耐性であること、を示すことでその二機能性の機能的有意性に対して反論するものである。最近では、Der p1がシステイン−セリンの混合プロテイナーゼであることに反対する別の証拠もまた報告されている(Chambersら、1997)。
気管支上皮の親水性溶質に対する透過性は、各細胞の頂部ポールで円周状に発現されるTJにより決定される(Schneeberger&Lynch、1992)。ある細胞のTJ蛋白の継代発現および隣接する細胞上にあるTJ蛋白とのそのクローズオポジションは、その上皮細胞にてその密な特性を生じさせることのできる結果であると考えられる(Anderson&Van Itallie、1995;Robinson、1995)。例えば、その結合周辺に局在化して不連続性を形成させることで、細胞間のTJ蛋白の相互作用を破壊することは、上皮障壁の機能停止と関連付けられる(Howarthら、1994;Zhongら、1994;Stuartら、1994;Stuart&Nigam、1995)。この実験にて用いられるHDMプロテイナーゼの両方のフラクションは、ZO−1の結合周辺の染色が無いことで評価されるようにTJの破壊を引き起こした。デスモソームの破壊もまた観察された。TJの破壊は上皮単層の透過性の増加をもたらし、結局、細胞の基層からの物理的分離が起きた。ZO−1のTJからの喪失およびデスモプラキンのデスモソームからの喪失は、その工程がE−64(システインプロテイナーゼフラクションの場合)およびAEBSF(セリンプロテイナーゼフラクションの場合)により弱められるため、外因的プロテイナーゼ活性に依存した。ZOおよびデスモプラキンは細胞内蛋白であるが、外因的プロテイナーゼにより分解されないようであり、その分解は他の、膜暴露された、TJおよびデスモソームの成分が破壊された結果として説明することができる。同様の機構は、細胞間接触が切断された後の、他の細胞内蛋白の変化を説明するのに引用される(Volkら、1990)。
プロテイナーゼの効果は細胞によるLDHの有意な放出をもたらさなかった。しかし、いずれかのプロテイナーゼフラクションで処置すると初期アポトーシスの徴候(AV+PI-)または完全な細胞死の徴候(AV+PI+)を示す細胞が得られた。細胞は、同型および異型の細胞付着および細胞マトリックス結合の変化を含む(Boudreauら、1995;1996;Mahidaら、1996;Frisch&Francis、1994)、多数の機構によりアポトーシスに入ることができる(Haleら、1996の報文を参照のこと)。プログラムされた細胞死における初期の徴候となる事象は、ホスファチジルセリンの膜内外再分配に至る(Martinら、1995a、b)、リン脂質結合した細胞骨格蛋白の崩壊である。細胞骨格蛋白の骨組は、通常、安定しており、細胞間結合の蛋白成分と直接的に相互作用すること(Furuseら、1994;Anderson&Van Itallie、1995)で制限され、細胞間接着体、特にTJの蛋白分解作用がプロテイナーゼアレルゲンに対する細胞応答を編成する臨界的事象でありうることを示唆する。E−64のセリンではなくシステインプロテイナーゼフラクションの作用を阻害する能力は、変換機構の遠位蛋白分解工程を阻害するよりも、E−64が透過性の変化およびアポトーシスに至るプロセスの近位工程にて作用することを示唆する。さらには、アポトーシスのFas/APO−1ライゲーションによりとりわけ活性化されるICE/ced−3カスパース科の細胞内シグナル化プロテイナーゼ(Losら、1995;Marianiら、1995;Kayagakiら、1995;Tanakaら、1996)は、E−64に対して非感受性の異常な阻害剤活性を有すると示唆する。逆に、BB−250の阻害活性はFasリガンド放出の保護を介して生じるかもしれない(Marianiら、1995;Kayagakiら、1995)。
HDMのアレルゲンなどの空中系アレルゲンに対する肺感作がアレルギー喘息の発生病理の中心となる。肺上皮は、異種蛋白がアレルギー感作を惹起しうる前に通過しなければならない障壁を形成するが、アレルゲンが上皮障壁を通過する機構はあまり理解されていない(Robinsonら、1997)。HDM糞粒より誘導される蛋白の酵素的性質は、アレルギーが免疫系に遭遇する一の機構を説明している。密な結合を集中して破壊し、最終的に瀕死の状態にある細胞を無くすことで、HDMプロテイナーゼは、抗原提示細胞へのアレルゲンのパラ細胞透過を増加させることができる。細胞間結合の蛋白分解性切断により形成される局在化した損傷および細胞死もまた、適合可能な免疫学的応答の「危険モデル」のいくつかの条件を満たし、抗体関連応答がなぜ惹起されるかを説明しうることも注目すべきことである(Matizenger、1994;Ridgeら、1996)。この見解のさらなる支持において、最近では、アポトーシス(免疫学的に細胞死の「サイレント」形であると考えられることも多い)が組織損傷の存在下で生じた場合、得られた組み合わせ刺激が実際に抗原提示細胞に脅威を与えるという証拠が示唆されている。
要約すれば、これらの結果は、アレルギー感作を促進する可能性のある、HDMプロテイナーゼが上皮細胞に対する効果を有することを示している。特定の阻害剤のプロテイナーゼアレルゲンに対する上皮細胞応答を干渉する能力は、アレルギー症状の予防および/または処置に対する原理を提供する。
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Claims (7)

  1. アレルゲンが上皮障壁を通過する症状の予防または治療用医薬を製造するための、システインプロテイナーゼ活性の阻害剤とセリンプロテイナーゼ活性の阻害剤の組み合わせにおける使用。
  2. アレルギー症状が喘息である請求項1記載の使用。
  3. アレルギー症状が鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎または食物アレルギーより選択される症状である請求項1記載の使用。
  4. セリンプロテイナーゼ活性の阻害剤が、トリプシン以外のセリンプロテイナーゼ活性の阻害剤である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
  5. セリンプロテイナーゼ活性の阻害剤が、アレルゲンセリンプロテイナーゼ活性の阻害剤である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
  6. セリンプロテイナーゼ活性の阻害剤が、Der p3、Der p6またはDer p9セリンプロテイナーゼ活性の阻害剤である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
  7. E64(L−トランス−エポキシスクシニル−ロイシルアミド−(4−グアニジノ)ブタン)とAEBSF(4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩)の組み合わせである請求項1記載の使用。
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