JP2010155576A - Run-flat tire - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ランフラットタイヤに関する。 The present invention relates to a run flat tire.
近年、サイドウォールの内側に支持層を備えたランフラットタイヤが開発され、普及しつつある。この支持層には、高硬度な架橋ゴムが用いられている。このランフラットタイヤは、サイド補強型と称されている。このタイプのランフラットタイヤでは、パンクによって内圧が低下すると、支持層によって荷重が支えられる。この支持層は、パンク状態でのタイヤの撓みを抑制する。このランフラットタイヤでは、パンク状態でも、ある程度の距離の走行が可能である。このランフラットタイヤが装着された自動車には、スペアタイヤの常備は不要である。このランフラットタイヤの採用により、不便な場所でのタイヤ交換が避けられうる。 In recent years, run flat tires having a support layer inside a sidewall have been developed and are becoming popular. For this support layer, a highly hard crosslinked rubber is used. This run flat tire is called a side reinforcing type. In this type of run flat tire, when the internal pressure is reduced by puncture, the load is supported by the support layer. This support layer suppresses the bending of the tire in the puncture state. This run-flat tire can travel a certain distance even in a punctured state. Automobiles equipped with this run-flat tire need not have spare tires. By adopting this run flat tire, tire replacement at an inconvenient place can be avoided.
パンク状態にあるランフラットタイヤの走行が継続されると、支持層の変形と復元とが繰り返される。この繰り返しにより支持層で熱が生じ、タイヤが高温に達する。この熱は、タイヤを構成するゴム部材の破損及びゴム部材間の剥離を招来する。破損及び剥離が生じたランフラットタイヤでは、走行は不可能である。パンク状態での長距離の走行が可能なランフラットタイヤが望まれている。換言すれば、熱に起因する破損及び剥離が生じにくいランフラットタイヤが望まれている。 When the run of the run flat tire in the punctured state is continued, the deformation and restoration of the support layer are repeated. By repeating this, heat is generated in the support layer, and the tire reaches a high temperature. This heat causes breakage of the rubber member constituting the tire and peeling between the rubber members. A run-flat tire that has been damaged and peeled cannot travel. There is a demand for a run-flat tire that can travel a long distance in a puncture state. In other words, there is a demand for a run flat tire that is less susceptible to breakage and peeling due to heat.
特開2007−50854公報には、サイドウォールの表面に溝を備えたランフラットタイヤが開示されている。この溝を備えたサイドウォールの表面積は、大きい。従って、このタイヤの大気との接触面積は、大きい。大きな接触面積により、タイヤから大気への放熱が促進される。このタイヤは、昇温しにくい。 Japanese Patent Laid-Open No. 2007-50854 discloses a run flat tire having a groove on the surface of a sidewall. The side wall provided with the groove has a large surface area. Therefore, the contact area of the tire with the atmosphere is large. The large contact area facilitates heat dissipation from the tire to the atmosphere. This tire is difficult to heat up.
国際公開WO2007/32405公報には、サイド部に凸部を備えたランフラットタイヤが開示されている。この凸部は、タイヤの周りに乱流を発生させる。この乱流により、タイヤから大気への放熱が促進される。このタイヤは、昇温しにくい。
特開2007−50854公報に開示されたランフラットタイヤでは、大きな表面積によって放熱が促進されるが、その効果は限定的である。国際公開WO2007/32405公報に開示されたランフラットタイヤでは、凸部の下流において空気が滞留するので、この凸部の下流における放熱は不十分である。不十分な放熱は、タイヤの耐久性を阻害する。従来のランフラットタイヤの、パンク状態での耐久性には、改善の余地がある。 In the run flat tire disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 2007-50854, heat dissipation is promoted by a large surface area, but the effect is limited. In the run flat tire disclosed in International Publication No. WO2007 / 32405, air stays downstream of the convex portion, so that heat radiation downstream of the convex portion is insufficient. Insufficient heat dissipation impairs tire durability. There is room for improvement in the durability of the conventional run-flat tire in the puncture state.
本発明の目的は、パンク状態において長距離の走行が可能なランフラットタイヤの提供にある。 An object of the present invention is to provide a run flat tire that can travel a long distance in a punctured state.
本発明に係るランフラットタイヤは、
(1)その外面がトレッド面をなすトレッド、
(2)それぞれがこのトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォール、
(3)それぞれがこのサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビード、
(4)上記トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカス
及び
(5)上記サイドウォールの軸方向に位置しており、その中央部から両端に向けて徐々に厚みが減少する形状を有する支持層
を備える。この支持層の熱伝導率は、0.40W/m・K以上である。このタイヤは、そのサイド面に凹凸模様を有する。
The run flat tire according to the present invention is
(1) A tread whose outer surface forms a tread surface,
(2) a pair of sidewalls each extending substantially inward in the radial direction from the end of the tread;
(3) a pair of beads each positioned substantially radially inward of the sidewalls;
(4) The carcass spanned between both beads along the inside of the tread and sidewalls, and (5) located in the axial direction of the sidewalls, gradually increasing in thickness from the center to both ends. A support layer having a shape in which is reduced. The support layer has a thermal conductivity of 0.40 W / m · K or more. This tire has an uneven pattern on its side surface.
支持層の熱伝導率は、0.45以上がより好ましく、0.70以上が特に好ましい。 The thermal conductivity of the support layer is more preferably 0.45 or more, and particularly preferably 0.70 or more.
支持層は、ゴム組成物が架橋されることで成形されうる。好ましくは、このゴム組成物は、基材ゴムとこの基材ゴムに分散した熱伝導性物質とを含む。好ましい熱伝導性物質は、石炭ピッチ系炭素繊維である。好ましくは、このゴム組成物は、100質量部の基材ゴムと、1質量部以上60質量部以下の熱伝導性物質とを含む。 The support layer can be formed by crosslinking the rubber composition. Preferably, the rubber composition includes a base rubber and a heat conductive material dispersed in the base rubber. A preferable heat conductive material is coal pitch-based carbon fiber. Preferably, the rubber composition includes 100 parts by mass of a base rubber and 1 part by mass or more and 60 parts by mass or less of a heat conductive material.
好ましくは、凹凸模様は、多数のディンプルによって形成される。好ましくは、このディンプルの平面形状は、円である。好ましくは、このディンプルは、円錐台形である。 Preferably, the concavo-convex pattern is formed by a large number of dimples. Preferably, the planar shape of the dimple is a circle. Preferably, the dimple is frustoconical.
好ましくは、サイドウォールの熱伝導率は、0.40W/m・K以上である。このサイドウォールは、ゴム組成物が架橋されることで成形されうる。好ましくは、このゴム組成物は、基材ゴムとこの基材ゴムに分散した熱伝導性物質とを含む。 Preferably, the thermal conductivity of the sidewall is 0.40 W / m · K or more. This sidewall can be formed by crosslinking the rubber composition. Preferably, the rubber composition includes a base rubber and a heat conductive material dispersed in the base rubber.
本発明に係るランフラットタイヤでは、支持層の熱伝導率が高いので、この支持層で生じた熱がサイド面にまで伝導しやすい。このタイヤでは、凹凸模様によってサイド面の大きな表面積が達成される。大きな表面積は、タイヤから大気への放熱を促進する。熱伝導性に優れた支持層と、凹凸模様を有するサイド面との相乗効果により、タイヤの昇温が抑制される。このタイヤでは、熱に起因するゴム部材の破損及びゴム部材間の剥離が生じにくい。このタイヤでは、パンク状態において長距離の走行が可能である。 In the run flat tire according to the present invention, since the thermal conductivity of the support layer is high, the heat generated in the support layer is easily conducted to the side surface. In this tire, a large surface area of the side surface is achieved by the uneven pattern. The large surface area facilitates heat dissipation from the tire to the atmosphere. The temperature rise of the tire is suppressed by the synergistic effect of the support layer having excellent thermal conductivity and the side surface having the uneven pattern. In this tire, damage to the rubber member due to heat and peeling between the rubber members hardly occur. This tire can travel long distances in a puncture state.
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。 Hereinafter, the present invention will be described in detail based on preferred embodiments with appropriate reference to the drawings.
図1は、本発明の一実施形態に係るランフラットタイヤ2の一部がリムと共に示された断面図である。図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線Eqを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線Eqは、タイヤ2の赤道面を表す。この図1において両矢印Hで示されているのは、基準線BL(後に詳説)からのタイヤ2の高さである。
FIG. 1 is a sectional view showing a part of a run
このタイヤ2は、トレッド4、ウイング6、サイドウォール8、クリンチ部10、ビード12、カーカス14、支持層16、ベルト18、バンド20、インナーライナー22及びチェーファー24を備えている。ベルト18及びバンド20は、補強層を構成している。ベルト18のみから、補強層が構成されてもよい。バンド20のみから、補強層が構成されてもよい。
The
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面26を形成する。トレッド面26には、溝28が刻まれている。この溝28により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、キャップ層30とベース層32とを有している。キャップ層30は、架橋ゴムからなる。ベース層32は、他の架橋ゴムからなる。キャップ層30は、ベース層32の半径方向外側に位置している。キャップ層30は、ベース層32に積層されている。
The
サイドウォール8は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール8は、架橋ゴムからなる。サイドウォール8は、カーカス14の外傷を防止する。サイドウォール8は、リブ34を備えている。リブ34は、軸方向外側に向かって突出している。パンク状態での走行のとき、このリブ34がリムのフランジ36と当接する。この当接により、ビード12の変形が抑制されうる。変形が抑制されたタイヤ2は、パンク状態での耐久性に優れる。
The
クリンチ部10は、サイドウォール8の半径方向略内側に位置している。クリンチ部10は、軸方向において、ビード12及びカーカス14よりも外側に位置している。クリンチ部10は、リムのフランジ36と当接している。
The
ビード12は、サイドウォール8の半径方向内側に位置している。ビード12は、コア38と、このコア38から半径方向外向きに延びるエイペックス40とを備えている。コア38はリング状であり、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス40は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス40は、高硬度な架橋ゴムからなる。
The
図1において矢印Haで示されているのは、基準線BLからのエイペックス40の高さである。この基準線BLは、コア38の、半径方向における最も内側地点を通過する。この基準線BLは、軸方向に延びる。タイヤ2の高さHに対するエイペックス40の高さHaの比(Ha/H)は、0.1以上0.7以下が好ましい。比(Ha/H)が0.1以上であるエイペックス40は、パンク状態において荷重を支持しうる。このエイペックス40は、パンク状態でのタイヤ2の耐久性に寄与する。この観点から、比(Ha/H)は0.2以上がより好ましい。比(Ha/H)が0.7以下であるタイヤ2は、乗り心地性に優れる。この観点から、比(Ha/H)は0.6以下がより好ましい。
In FIG. 1, what is indicated by an arrow Ha is the height of the apex 40 from the reference line BL. The reference line BL passes through the innermost point of the core 38 in the radial direction. The reference line BL extends in the axial direction. The ratio (Ha / H) of the height Ha of the apex 40 to the height H of the
カーカス14は、カーカスプライ42からなる。カーカスプライ42は、両側のビード12の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール8に沿っている。カーカスプライ42は、コア38の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ42には、主部44と折り返し部46とが形成されている。折り返し部46の端48は、ベルト18の直下にまで至っている。換言すれば、折り返し部46はベルト18とオーバーラップしている。このカーカス14は、いわゆる「超ハイターンアップ構造」を有する。超ハイターンアップ構造を有するカーカス14は、パンク状態におけるタイヤ2の耐久性に寄与する。このカーカス14は、パンク状態での耐久性に寄与する。
The
カーカスプライ42は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、45°から90°、さらには75°から90°である。換言すれば、このカーカス14はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
The carcass ply 42 includes a large number of cords arranged in parallel and a topping rubber. The absolute value of the angle formed by each cord with respect to the equator plane is 45 ° to 90 °, and further 75 ° to 90 °. In other words, the
支持層16は、サイドウォール8の軸方向内側に位置している。支持層16は、カーカス14とインナーライナー22とに挟まれてる。支持層16は、半径方向において、内向きに先細りであり外向きにも先細りである。この支持層16は、三日月に類似の形状である。支持層16は、高硬度な架橋ゴムからなる。タイヤ2がパンクしたとき、この支持層16が荷重を支える。この支持層16により、パンク状態であっても、タイヤ2はある程度の距離を走行しうる。このランフラットタイヤ2は、サイド補強型である。タイヤ2が、図1に示された支持層16の形状とは異なる形状を有する支持層を備えてもよい。支持層16の材質の詳細は、後述される。
The
カーカス14のうち、支持層16とオーバーラップしている部分は、インナーライナー22と離れている。換言すれば、支持層16の存在により、カーカス14は湾曲されられている。パンク状態のとき、支持層16には圧縮荷重がかかる。パンク状態のとき、カーカス14のうち支持層16と近接している領域には、引張り荷重がかかる。支持層16はゴム塊なので、圧縮荷重に十分に耐えうる。カーカス14のコードは、引張り荷重に十分に耐えうる。支持層16とカーカスコードとにより、パンク状態でのタイヤ2の縦撓みが抑制される。縦撓みが抑制されたタイヤ2は、パンク状態での操縦安定性に優れる。
A portion of the
パンク状態での縦歪みの抑制の観点から、支持層16の硬度は60以上が好ましく、65以上がより好ましい。通常状態(タイヤ2に正規内圧が負荷された状態)の乗り心地性の観点から、硬度は90以下が好ましく、80以下がより好ましい。硬度は、「JIS K6253」の規定に準じ、タイプAのデュロメータによって測定される。図1に示された断面にこのデュロメータが押し付けられ、硬度が測定される。測定は、23℃の温度下でなされる。
From the viewpoint of suppressing longitudinal strain in the puncture state, the
支持層16の下端50は、エイペックス40の上端52よりも、半径方向において内側に位置している。換言すれば、支持層16はエイペックス40とオーバーラップしている。図1において矢印L1で示されているのは、支持層16の下端50とエイペックス40の上端52との半径方向距離である。距離L1は、5mm以上50mm以下が好ましい。距離L1がこの範囲であるタイヤ2では、均一な剛性分布が得られる。距離L1は10mm以上がより好ましい。距離L1は40mm以下がより好ましい。
The
支持層16の上端54は、ベルト18の端56よりも軸方向において内側に位置している。換言すれば、支持層16はベルト18とオーバーラップしている。図1において矢印L2で示されているのは、支持層16の上端とベルト18の端との軸方向距離である。距離L2は、2mm以上50mm以下が好ましい。距離L2がこの範囲であるタイヤ2では、均一な剛性分布が得られる。距離L2は5mm以上がより好ましい。距離L1は40mm以下がより好ましい。
The
パンク状態での縦歪みの抑制の観点から、支持層16の最大厚みは3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、7mm以上が特に好ましい。タイヤ2の軽量の観点から、最大厚みは、25mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましい。
In light of suppression of longitudinal strain in the puncture state, the maximum thickness of the
ベルト18は、カーカス14の半径方向外側に位置している。ベルト18は、カーカス14と積層されている。ベルト18は、カーカス14を補強する。ベルト18は、内側層58及び外側層60からなる。図1から明らかなように、内側層58の幅は、外側層60の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層58及び外側層60のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側層58のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層60のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト18の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅Wの0.85倍以上1.0倍以下が好ましい。ベルト18が、3以上の層を備えてもよい。
The
バンド20は、ベルト18を覆っている。図示されていないが、このバンド20は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。バンド20は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト18が拘束されるので、ベルト18のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
The
タイヤ2が、バンド20に代えて、ベルト18の端の近傍のみを覆うエッジバンドを備えてもよい。タイヤ2が、バンド20と共に、エッジバンドを備えてもよい。
The
インナーライナー22は、カーカス14の内周面に接合されている。インナーライナー22は、架橋ゴムからなる。インナーライナー22には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー22は、タイヤ2の内圧を保持する。
The
このタイヤ2の支持層16は、熱伝導性に優れる。パンク状態においてタイヤ2の走行が継続されると、支持層16の変形と復元とが繰り返される。この繰り返しにより、支持層16で熱が生じる。支持層16は熱伝導性に優れるので、この支持層16で生じた熱がサイドウォール8の表面にまで十分に移動する。熱は、この表面において放熱される。熱伝導性に優れた支持層16により、パンク状態でのゴム部材の破損が抑制される。基材ゴムとこの基材ゴムに分散した熱伝導性物質とを含むゴム組成物が架橋されることにより、熱伝導性に優れた支持層16が得られる。
The
耐久性の観点から、支持層16の熱伝導率は0.40W/m・K以上が好ましく、0.45W/m・K以上がより好ましく、0.70W/m・K以上が特に好ましい。熱伝導性物質を多量に含む支持層16の熱伝導率は、大きい。一方、伝導性物質が過剰である支持層16では、硬度及び損失正接tanδが過大である。この支持層16を備えたタイヤ2の転がり抵抗は、大きい。この支持層16は、タイヤ2の乗り心地を阻害する。これらの観点から、熱伝導率は4.0W/m・K以下が好ましい。熱伝導率は、京都電子工業社の測定機「QTM−D3」にて測定される。測定温度は25℃であり、測定時間は60秒である。支持層16のゴム組成物と同じゴム組成物からなる試験片が、用いられる。この試験片は板状であり、縦が100mmであり、横が50mmであり、厚さが10mmである。試験片の表面は、平滑である。
From the viewpoint of durability, the thermal conductivity of the
支持層16の基材ゴムには、ジエン系ゴムが好ましい。このジエン系ゴムは、タイヤ2耐クラック性に寄与する。ジエン系ゴムは、加工性にも優れる。基材ゴムの全量に対するジエン系ゴムの量の比率は40質量%以上が好ましく、60質量%以上が特に好ましい。
The base rubber of the
好ましい基材ゴムとしては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ポリブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、イソブチレン−イソプレン共重合体(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、ポリクロロプレン(CR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体(SIBR)、スチレン−イソプレン共重合体及びイソプレン−ブタジエン共重合体が例示される。2種以上のゴムが併用されてもよい。 Preferred base rubbers include natural rubber (NR), epoxidized natural rubber (ENR), polybutadiene (BR), styrene-butadiene copolymer (SBR), polyisoprene (IR), isobutylene-isoprene copolymer (IIR). ), Acrylonitrile-butadiene copolymer (NBR), polychloroprene (CR), styrene-isoprene-butadiene copolymer (SIBR), styrene-isoprene copolymer and isoprene-butadiene copolymer. Two or more kinds of rubbers may be used in combination.
好ましい熱伝導性物質としては、金属粉末、金属酸化物粉末(例えば真球状アルミナ)、金属繊維及び炭素繊維が例示される。熱伝導性物質の単体での熱伝導率は、100W/m・K以上が好ましく、120W/m・K以上が特に好ましい。 Examples of preferable heat conductive materials include metal powders, metal oxide powders (for example, true spherical alumina), metal fibers, and carbon fibers. The thermal conductivity of the thermal conductive substance alone is preferably 100 W / m · K or more, and particularly preferably 120 W / m · K or more.
特に好ましい熱伝導性物質は、石炭ピッチ系炭素繊維である。石炭ピッチ系炭素繊維の原料は、分子が一方向に配向した液晶である。従って、この炭素繊維の熱伝導率は、高い。この炭素繊維の熱伝導率は、130W/m・K以上である。この炭素繊維の、軸方向における熱伝導率は、500W/m・K以上である。この炭素繊維がゴムマトリクス中に分散することで、支持層16の優れた熱伝導性が達成される。
A particularly preferable heat conductive material is coal pitch-based carbon fiber. The raw material of the coal pitch-based carbon fiber is a liquid crystal in which molecules are aligned in one direction. Therefore, the thermal conductivity of this carbon fiber is high. The carbon fiber has a thermal conductivity of 130 W / m · K or more. The thermal conductivity in the axial direction of this carbon fiber is 500 W / m · K or more. By dispersing the carbon fibers in the rubber matrix, the excellent thermal conductivity of the
石炭ピッチ系炭素繊維は、ピッチ繊維に黒鉛化処理が施されることで得られる。このピッチ繊維は、紡糸によって得られる。このピッチ繊維の原料としては、コールタール、コールタールピッチ及び石炭液化物が例示される。石炭ピッチ系炭素繊維の製法の一例が、特開平7−331536号公報に開示されている。 Coal pitch-based carbon fiber is obtained by subjecting pitch fiber to a graphitization treatment. This pitch fiber is obtained by spinning. Examples of the raw material for the pitch fiber include coal tar, coal tar pitch, and coal liquefaction. An example of a method for producing a coal pitch-based carbon fiber is disclosed in JP-A-7-331536.
好ましくは、石炭ピッチ系炭素繊維は、多環芳香族分子が層状に積み重なった構造を有する。好ましい石炭ピッチ系炭素繊維の具体例としては、三菱樹脂社の商品名「K6371」が例示される。 Preferably, the coal pitch-based carbon fiber has a structure in which polycyclic aromatic molecules are stacked in layers. As a specific example of a preferable coal pitch-based carbon fiber, trade name “K6371” of Mitsubishi Plastics is exemplified.
好ましくは、石炭ピッチ系炭素繊維の平均径は、1μm以上である。この炭素繊維が分散することにより、支持層16の優れた熱伝導性が達成されうる。この観点から、平均径は3μm以上がより好ましく、5μm以上が特に好ましい。分散性の観点から、平均径は80μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下が特に好ましい。平均径は、支持層16の断面が電子顕微鏡で観察されることで測定されうる。
Preferably, the average diameter of the coal pitch-based carbon fiber is 1 μm or more. By dispersing the carbon fibers, excellent thermal conductivity of the
好ましくは、石炭ピッチ系炭素繊維の平均長さは、0.1mm以上である。この炭素繊維が分散することにより、支持層16の優れた熱伝導性が達成されうる。この観点から、平均長さは1mm以上がより好ましく、4mm以上が特に好ましい。分散性の観点から、平均長さは30mm以下が好ましく、15mm以下がより好ましく、10mm以下が特に好ましい。平均長さは、支持層16の断面が観察されることで測定されうる。
Preferably, the average length of the coal pitch-based carbon fiber is 0.1 mm or more. By dispersing the carbon fibers, excellent thermal conductivity of the
支持層16の熱伝導性及びタイヤ2の乗り心地の観点から、石炭ピッチ系炭素繊維のアスペクト比は100以上が好ましく、300以上が特に好ましい。分散性の観点から、アスペクト比は2000以下が好ましく、1000以下が特に好ましい。
From the viewpoint of the thermal conductivity of the
熱伝導性物質の量は、基材ゴム100質量部に対して1質量部以上が好ましい。熱伝導性物質の量が1質量部以上である支持層16は、熱伝導性に優れる。この観点から、熱伝導性物質の量は5質量部以上がより好ましく、10質量部以上が特に好ましい。熱伝導性の観点からは、熱伝導性物質の量は多いほど好ましい。一方、伝導性物質が過剰である支持層16では、硬度及び損失正接tanδが過大である。この支持層16を備えたタイヤ2の転がり抵抗は、大きい。この支持層16は、タイヤ2の乗り心地を阻害する。これらの観点から、熱伝導性物質の量は60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下が特に好ましい。
The amount of the heat conductive material is preferably 1 part by mass or more with respect to 100 parts by mass of the base rubber. The
支持層16のゴム組成物は、硫黄を含む。硫黄により、ゴム分子同士が架橋される。硫黄と共に、又は硫黄に代えて、他の架橋剤が用いられてもよい。電子線によって架橋がなされてもよい。
The rubber composition of the
好ましくは、このゴム組成物は、硫黄と共に加硫促進剤を含む。スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤等が、用いられうる。好ましい加硫促進剤は、スルフェンアミド系加硫促進剤である。スルフェンアミド系加硫促進剤の具体例としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが挙げられる。 Preferably, the rubber composition includes a vulcanization accelerator together with sulfur. A sulfenamide vulcanization accelerator, a guanidine vulcanization accelerator, a thiazole vulcanization accelerator, a thiuram vulcanization accelerator, a dithiocarbamate vulcanization accelerator, and the like can be used. A preferred vulcanization accelerator is a sulfenamide vulcanization accelerator. Specific examples of the sulfenamide-based vulcanization accelerator include N-cyclohexyl-2-benzothiazolylsulfenamide, N-tert-butyl-2-benzothiazolylsulfenamide, and N, N′-dicyclohexyl-2. -Benzothiazolylsulfenamide.
このゴム組成物は、補強材を含む。典型的な補強材は、カーボンブラックである。FEF、GPF、HAF、ISAF、SAF等が用いられうる。支持層16の強度の観点から、カーボンブラックの量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上が好ましく、20質量部以上が特に好ましい。ゴム組成物の混練性の観点から、カーボンブラックの量は60質量部以下が好ましく、50質量部以下が特に好ましい。カーボンブラックと共に、又はカーボンブラックに代えて、シリカが用いられてもよい。乾式シリカ及び湿式シリカが用いられうる。
This rubber composition includes a reinforcing material. A typical reinforcement is carbon black. FEF, GPF, HAF, ISAF, SAF, etc. can be used. From the viewpoint of the strength of the
ゴム組成物には、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックス、架橋助剤等が、必要に応じ添加される。 To the rubber composition, stearic acid, zinc oxide, anti-aging agent, wax, cross-linking aid and the like are added as necessary.
図1に示されるように、このタイヤ2は、そのサイド面に多数のディンプル62を備えている。本発明においてサイド面とは、タイヤ2の外面のうち軸方向から目視されうる領域を意味する。典型的には、ディンプル62は、サイドウォール8の外面又はクリンチ部10の外面に形成される。
As shown in FIG. 1, the
図2は、図1のタイヤ2のサイド面が示された模式図である。図3は、図2のサイド面の一部が示された拡大斜視図である。図2及び3に示されるように、多数のディンプル62により、サイド面に凹凸模様が形成されている。それぞれのディンプル62の表面形状は、円である。本発明において表面形状とは、ディンプル62が無限遠から見られたときのディンプル62の輪郭の形状を意味する。
FIG. 2 is a schematic view showing a side surface of the
図4は、図1のタイヤ2のディンプル62が示された拡大平面図である。図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。図5では、ディンプル62の中心を通過し、タイヤ2の半径方向に対して垂直な平面に沿った断面が示されている。図5に示されるように、ディンプル62は凹陥している。サイド面のうちディンプル62以外の領域は、ランド64である。
FIG. 4 is an enlarged plan view showing the
ディンプル62を有するサイド面の表面積は、ディンプル62がないと仮定されたときのサイド面の表面積よりも大きい。このタイヤ2の空気との接触面積は、大きい。大きな接触面積により、タイヤ2から大気への放熱が促進される。
The surface area of the side surface having the
ディンプル62は、スロープ面66と底面68とを備えている。スロープ面66は、リング状である。底面68は、スロープ面66と連続している。底面68は、円形である。
The
図4において二点鎖線で示されているのは、タイヤ2の周りの空気の流れである。タイヤ2は、走行時に回転する。タイヤ2が装着された車両は、進行する。タイヤ2の回転と車両の進行とにより、ディンプル62を横切って空気が流れる。空気は、ランド64に沿って流れ、スロープ面66に沿ってディンプル62に流入する。この空気はディンプル62の中を流れ、下流のスロープ面66に沿って流れ、ディンプル62から流出する。空気はさらに、下流のランド64に沿って流れる。
In FIG. 4, what is indicated by a two-dot chain line is an air flow around the
図4に示されるように、ディンプル62に流入するとき、空気の流れに渦が生じる。換言すれば、ディンプル62の入口において乱流が生じる。サイド面で生じた乱流は、熱の大気への放出を促進する。ディンプル62を有するサイド面では、大きな接触面積と乱流との相乗効果が得られる。このサイド面では、十分な放熱がなされる。
As shown in FIG. 4, when flowing into the
支持層16で生じた熱は、サイドウォール8を通じてサイド面に移動する。ディンプル62を有するサイド面にて、熱は放熱される。このタイヤ2では、熱伝導性に優れた支持層16と、放熱効率が高いサイド面との相乗効果により、熱に起因するゴム部材の破損及びゴム部材間の剥離が抑制される。このタイヤ2は、パンク状態での長距離の走行が可能である。この支持層16及びディンプル62は、通常状態(タイヤ2に正規内圧が負荷された状態)での放熱にも寄与する。この支持層16及びディンプル62は、通常状態でのタイヤ2の耐久性にも寄与する。運転者の不注意により、内圧が正規値よりも小さい状態で走行がなされることがある。この場合の耐久性にも、この支持層16及びディンプル62は寄与しうる。
The heat generated in the
支持層16と同様、サイドウォール8が熱伝導性物質を含むことが好ましい。このタイヤ2では、支持層16で生じた熱が、この支持層16及びサイドウォール8を通じて、サイド面に十分に移動する。この熱は、ディンプル62の効果により、大気に放熱される。好ましい熱伝導性物質は、前述の石炭ピッチ系炭素繊維である。熱伝導性物質の量は、サイドウォール8の基材ゴム100質量部に対して1質量部以上60質量部以下である。この量は5質量部以上がより好ましく、10質量部以上が特に好ましい。この量は50質量部以下がより好ましく、40質量部以下が特に好ましい。サイドウォール8の熱伝導率は0.40W/m・K以上が好ましく、0.45W/m・K以上がより好ましく、0.70W/m・K以上が特に好ましい。熱伝導率は4.0W/m・K以下が好ましい。クリンチ部10が、熱伝導性物質を含んでもよい。
Similar to the
渦を形成した空気は、ディンプル62の内部を流れ、円滑にディンプル62から流出する。このタイヤ2では、空気の滞留が生じにくい。従って、滞留によって放熱が阻害されることがない。このタイヤ2は、耐久性に極めて優れる。ディンプル62以外の凹凸模様でも、サイド面と空気との大きな接触面積が得られ、放熱が促進される。しかし、ディンプル62以外の凹凸模様の場合、空気の滞留が生じやすい。この観点から、ディンプル62によって形成された凹凸模様が最も好ましい。
The air forming the vortex flows inside the
図5における二点鎖線Sgは、ディンプル62の一方のエッジEdから他方のエッジEdまで引かれた線分である。図5において矢印Diで示されているのは、線分Sgの長さであり、ディンプル62の直径である。直径Diは、2mm以上70mm以下が好ましい。直径Diが2mm以上であるディンプル62には十分に空気が流入するので、十分に乱流が発生する。このディンプル62により、タイヤ2の昇温が抑制される。この観点から、直径Diは4mm以上がより好ましく、5mm以上が特に好ましい。直径Diが70mm以下であるディンプル62を有するタイヤ2では、多数の箇所で乱流が発生しうる。このディンプル62により、タイヤ2の昇温が抑制される。この観点から、直径Diは50mm以下がより好ましく、40mm以下が特に好ましい。非円形ディンプルの場合、この非円形ディンプルの面積と同一の面積を有する円形ディンプルが想定される。この円形ディンプルの直径が、非円形ディンプルの直径Diと定義される。タイヤ2が、互いに直径Diの異なる2種以上のディンプル62を有してもよい。
A two-dot chain line Sg in FIG. 5 is a line segment drawn from one edge Ed of the
図5において矢印Deで示されているのは、ディンプル62の深さである。深さDeは、ディンプル62の最深部と線分Sgとの距離である。深さDeは、0.1mm以上7mm以下が好ましい。深さDeが0.1mm以上であるディンプル62では、十分な乱流が生じる。この観点から、深さDeは0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上が特に好ましい。深さDeが7mm以下であるディンプル62では、底において空気が滞留しにくい。さらに、ディンプル62の深さDeが7mm以下であるタイヤ2では、サイドウォール8及びクリンチ部が十分な厚みを有する。この観点から、深さDeは4mm以下がより好ましく、2mm以下が特に好ましい。タイヤ2が、互いに深さDeの異なる2種以上のディンプル62を有してもよい。
In FIG. 5, what is indicated by an arrow De is the depth of the
深さDeと直径Diとの比(De/Di)は、0.01以上0.5以下が好ましい。比(De/Di)が0.01以上であるディンプル62では、十分な乱流が生じる。この観点から、比(De/Di)は0.03以上がより好ましく、0.05以上が特に好ましい。比(De/Di)が0.5以下であるディンプル62では、底において空気が滞留しにくい。この観点から、比(De/Di)は0.4以下がより好ましく、0.3以下が特に好ましい。
The ratio (De / Di) between the depth De and the diameter Di is preferably 0.01 or more and 0.5 or less. In the
それぞれのディンプル62の容積は、1.0mm3以上400mm3以下が好ましい。容積が1.0mm3以上であるディンプル62では、十分な乱流が生じる。この観点から、容積は1.5mm3以上がより好ましく、2.0mm3以上が特に好ましい。容積が400mm3以下であるディンプル62では、底において空気が滞留しにくい。さらに、ディンプル62の容積が400mm3以下であるタイヤ2では、サイドウォール8及びクリンチ部10が十分な剛性を有する。この観点から、容積は300mm3以下がより好ましく、250mm3以下が特に好ましい。
The volume of each
全てのディンプル62の容積の合計値は、300mm3以上5000000mm3以下が好ましい。合計値が300mm3以上であるタイヤ2では、十分な放熱がなされる。この観点から、合計値は600mm3以上がより好ましく、800mm3以上が特に好ましい。合計値が5000000mm3以下であるタイヤ2では、サイドウォール8及びクリンチ部10が十分な剛性を有する。この観点から、容積は1000000mm3以下がより好ましく、500000mm3以下が特に好ましい。
The total value of the volume of all the
それぞれのディンプル62の面積は、3mm2以上4000mm2以下が好ましい。面積が3mm2以上であるディンプル62では、十分な乱流が生じる。この観点から、面積は12mm2以上がより好ましく、20mm2以上が特に好ましい。ディンプル62の容積が4000mm2以下であるタイヤ2では、サイドウォール8及びクリンチ部10が十分な強度を有する。この観点から、面積は2000mm2以下がより好ましく、1300mm2以下が特に好ましい。本発明においてディンプル62の面積は、ディンプル62の輪郭に囲まれた領域の面積を意味する。円形ディンプル62の場合は、下記数式によって面積Sが算出される。
S = (Di / 2)2 * π
The area of each
S = (Di / 2) 2 * π
本発明においてディンプル62の占有率Yは、下記数式によって算出される。
Y = (S1 / S2) * 100
この数式において、S1は基準領域に含まれるディンプル62の面積であり、S2はディンプル62がないと仮定されたときの基準領域の表面積である。基準領域は、サイド面のうち、基準線BLからの高さがタイヤ2高さHの20%以上80%以下である領域である。占有率Yは、10%以上85%以下が好ましい。占有率Yが10%以上であるタイヤ2では、十分な放熱がなされる。この観点から、占有率Yは30%以上がより好ましく、40%以上が特に好ましい。占有率Yが85%以下であるタイヤ2では、ランド64が十分な耐摩耗性を有する。この観点から、占有率Yは80%以下がより好ましく、75%以下が特に好ましい。
In the present invention, the occupation ratio Y of the
Y = (S1 / S2) * 100
In this equation, S1 is the area of the
隣接するディンプル62同士の間隔は、0.05mm以上20mm以下が好ましい。間隔が0.05mm以上であるタイヤ2では、ランド64が十分な耐摩耗性を有する。この観点から、間隔は0.10mm以上がより好ましく、0.2mm以上が特に好ましい。間隔が20mm以下であるタイヤ2では、多数の箇所で乱流が発生しうる。この観点から、間隔は15mm以下がより好ましく、10mm以下が特に好ましい。
The interval between
ディンプル62の総数は、100個以上5000個以下が好ましい。総数が100個以上であるタイヤ2では、多数の箇所で乱流が発生しうる。この観点から、総数は200個以上がより好ましく、300個以上が特に好ましい。総数が5000個以下であるタイヤ2では、個々のディンプル62が十分なサイズを有しうる。この観点から、総数は2000個以下がより好ましく、1000個以下が特に好ましい。
The total number of
タイヤ2が、円形ディンプル62に代えて、又は円形ディンプル62と共に、非円形ディンプルを有してもよい。典型的な非円形ディンプルの平面形状は、多角形である。タイヤ2が、その平面形状が楕円又は長円であるディンプルを有してもよい。タイヤ2が、その平面形状が涙形(ティアドロップタイプ)であるディンプルを有してもよい。凹凸模様が、ピンプル、溝又は筋山によって形成されてもよい。
The
タイヤ2は回転するので、ディンプル62に対する空気の流れ方向は、一定ではない。従って、このタイヤ2には、方向性を有さないディンプル62、すなわちその平面形状が円であるディンプル62が最も好ましい。タイヤ2の回転方向が考慮され、方向性を有するディンプル62が配置されてもよい。
Since the
図3に示されるように、このタイヤ2では、多数のディンプル62が千鳥状に配置されている。従って、1個のディンプル62に6個のディンプル62が隣接している。この配置がなされたタイヤ2では、乱流の発生箇所が均一に分布する。このタイヤ2では、サイド面から均一に熱が放出される。この配置は、冷却効果に優れる。多数のディンプル62がランダムに配置されてもよい。
As shown in FIG. 3, in the
図5に示されるように、ディンプル62の断面形状は台形である。換言すれば、ディンプル62の形状は円錐台形である。このディンプル62では、深さDeの割には容積が大きい。従って、十分な容積と小さな深さDeとが両立されうる。小さな深さDeが設定されることにより、サイドウォール8及びクリンチ部10が、ディンプル62の直下において十分な厚みを有しうる。このディンプル62は、サイド面の剛性に寄与しうる。
As shown in FIG. 5, the
図5において符号αで示されているのは、スロープ面66の角度である。角度αは、10°以上70°以下が好ましい。角度αが10°以上であるディンプル62では、十分な容積と小さな深さDeとが両立されうる。この観点から、角度αは20°以上がより好ましく、25°以上が特に好ましい。角度αが70°以下であるディンプル62では、空気が流入しやすい。この観点から、角度は60°以下がより好ましく、55°以下が特に好ましい。
In FIG. 5, the angle α indicates the angle of the
図5において矢印Dbで示されているのは、底面68の直径である。直径Dbと直径Diとの比(Db/Di)は0.40以上0.95以下が好ましい。比(Db/Di)が0.40以上であるディンプル62では、十分な容積と小さな深さDeとが両立されうる。この観点から、比(Db/Di)は0.55以上がより好ましく、0.65以上が特に好ましい。比(Db/Di)が0.95以下であるディンプル62では、空気が流入しやすい。この観点から、比(Db/Di)は0.85以下がより好ましく、0.80以下が特に好ましい。
In FIG. 5, what is indicated by an arrow Db is the diameter of the
このタイヤ2の製造では、複数のゴム部材がアッセンブリーされて、ローカバー(未加硫タイヤ)が得られる。このローカバーが、モールドに投入される。ローカバーの外面は、モールドのキャビティ面と当接する。ローカバーの内面は、ブラダー又は中子に当接する。ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤ2が得られる。そのキャビティ面にピンプルを有するモールドが用いられることにより、タイヤ2にディンプル62が形成される。
In manufacturing the
タイヤ2の各部位の寸法及び角度は、特に言及のない限り、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。但し、乗用車タイヤ2の場合、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
Unless otherwise specified, the size and angle of each part of the
図6は、本発明の他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。このタイヤは、多数のディンプル72を備えている。図6には、ディンプル72の近傍が示されている。このタイヤの、ディンプル72以外の構成は、図1に示されたタイヤの構成と同等である。ディンプル72のパターンは、図2に示されたディンプル62のパターンと同様である。
FIG. 6 is a cross-sectional view showing a part of a tire according to another embodiment of the present invention. This tire includes a large number of
このディンプル72の平面形状は、円である。このディンプル72の断面形状は、円弧状である。換言すれば、このディンプル72は、球の一部である。このタイヤでは、ディンプル72からの空気の流出が円滑である。このディンプル72では、空気の滞留が抑制される。このタイヤでは、十分な放熱がなされる。このタイヤでは、熱伝導性に優れた支持層16とディンプル72との相乗効果が得られる。このタイヤは、耐久性に優れる。
The planar shape of the
図6において矢印Rで示されているのは、ディンプル72の曲率半径である。曲率半径Rは、3mm以上200mm以下が好ましい。曲率半径Rが3mm以上であるディンプル72では、空気が流入しやすい。この観点から、曲率半径Rは5mm以上がより好ましく、7mm以上が特に好ましい。曲率半径Rが200mm以下であるディンプル72では、十分な容積が達成されうる。この観点から、曲率半径Rは100mm以下がより好ましく、50mm以下が特に好ましい。このディンプル72の、直径Di、深さDe、容積、面積、比(De/Di)等の仕様は、図5に示されたディンプル72のそれらと同等である。
In FIG. 6, what is indicated by an arrow R is the radius of curvature of the
図7は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。このタイヤは、多数のディンプル74を備えている。図7には、ディンプル74の近傍が示されている。このタイヤの、ディンプル74以外の構成は、図1に示されたタイヤの構成と同等である。ディンプル74のパターンは、図2に示されたディンプル62のパターンと同様である。
FIG. 7 is a cross-sectional view showing a part of a tire according to still another embodiment of the present invention. This tire includes a large number of
このディンプル74の平面形状は、円である。このディンプル74は、第一曲面76と第二曲面78とを備えている。第一曲面76は、リング状である。第二曲面78は、碗状である。図7において符号Pbで示されているのは、第一曲面76と第二曲面78との境界点である。第二曲面78は、境界点Pbにおいて、第一曲面76と接している。このディンプル74は、いわゆるダブルラジアスタイプである。このディンプル74では、空気の滞留が抑制される。このタイヤでは、十分な放熱がなされる。このタイヤでは、熱伝導性に優れた支持層16とディンプル74との相乗効果が得られる。このタイヤは、耐久性に優れる。このディンプル74の、直径Di、深さDe、容積、面積、比(De/Di)等の仕様は、図5に示されたディンプルのそれらと同等である。
The planar shape of the
図7において、矢印R1で示されているのは第一曲面76の曲率半径であり、矢印R2で示されているのは第二曲面78の曲率半径である。曲率半径R1は、曲率半径R2よりも小さい。曲率半径R1と曲率半径R2との比(R1/R2)は、0.1以上0.8以下が好ましい。比(R1/R2)が0.1以上であるディンプル74では、空気が流入しやすい。この観点から、比(R1/R2)は0.2以上がより好ましく、0.3以上が特に好ましい。比(R1/R2)が0.8以下であるディンプル74では、十分な容積と小さな深さDeとが両立されうる。この観点から、比(R1/R2)は0.7以下がより好ましく、0.6以下が特に好ましい。
In FIG. 7, the radius of curvature of the first
図7において矢印D2で示されているのは、第二曲面78の直径である。直径D2と直径Diとの比(D2/Di)は0.40以上0.95以下が好ましい。比(D2/Di)が0.40以上であるディンプル74では、十分な容積と小さな深さDeとが両立されうる。この観点から、比(D2/Di)は0.55以上がより好ましく、0.65以上が特に好ましい。比(D2/Di)が0.95以下であるディンプル74では、空気が円滑に流れる。この観点から、比(D2/Di)は0.85以下がより好ましく、0.80以下が特に好ましい。
In FIG. 7, the diameter of the second
図8は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。このタイヤは、多数のピンプル80を備えている。図8には、ピンプル80の近傍が示されている。ピンプル80のパターンは、図2に示されたディンプル62のパターンと同様である。
FIG. 8 is a cross-sectional view showing a part of a tire according to still another embodiment of the present invention. The tire includes a large number of
このピンプル80の平面形状は、円である。このピンプル80の断面形状は、円弧状である。換言すれば、このピンプル80は、球の一部である。このピンプル80を備えたサイド面の表面積は、大きい。このタイヤでは、十分な放熱がなされる。このタイヤでは、熱伝導性に優れた支持層16とピンプル80との相乗効果が得られる。このタイヤは、耐久性に優れる。ピンプル80の直径Diは、2mm以上70mm以下が好ましい。ピンプル80の高さHiは、0.1mm以上7mm以下が好ましい。
The plane shape of the
図9は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤのサイド面が示された模式図である。図10は、図9のサイド面の拡大断面図である。このタイヤは、多数の溝82を備えている。溝82を備えたサイド面の表面積は、大きい。このタイヤでは、十分な放熱がなされる。このタイヤでは、熱伝導性に優れた支持層16と溝82との相乗効果が得られる。このタイヤは、耐久性に優れる。
FIG. 9 is a schematic view showing a side surface of a tire according to still another embodiment of the present invention. FIG. 10 is an enlarged cross-sectional view of the side surface of FIG. This tire is provided with a number of
図11は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤのサイド面が示された模式図である。図12は、図11のサイド面の拡大断面図である。このタイヤは、多数の筋山84を備えている。筋山84を備えたサイド面の表面積は、大きい。このタイヤでは、十分な放熱がなされる。このタイヤでは、熱伝導性に優れた支持層16と筋山84との相乗効果が得られる。このタイヤは、耐久性に優れる。
FIG. 11 is a schematic view showing a side surface of a tire according to still another embodiment of the present invention. 12 is an enlarged cross-sectional view of the side surface of FIG. This tire includes a large number of
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。 Hereinafter, the effects of the present invention will be clarified by examples. However, the present invention should not be construed in a limited manner based on the description of the examples.
[実施例1]
20質量部の天然ゴム(RSS#3)、40質量部のブタジエンゴム(宇部興産株式会社製の商品名「BR150B」)、40質量部のスチレン−ブタジエンゴム(住友化学株式会社製の商品名「SBR1502」)、40質量部のFEFカーボンブラック(三菱化学株式会社製の商品名「ダイヤブラックE」)、10質量部の石炭ピッチ系炭素繊維(三菱樹脂株式会社製の商品名「K6371T」)、1.5質量部の老化防止剤(住友化学株式会社製の商品名「アンチゲン6C」)、1.0質量部の他の老化防止剤(住友化学株式会社製の商品名「アンチゲンFR」)、3質量部の酸化亜鉛(三井金属鉱業株式会社製の商品名「酸化亜鉛2種」)及び1.0質量部のステアリン酸(日本油脂株式会社製の商品名「椿」)をバンバリーミキサーで混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物をオープンロールで混練しつつ、このゴム組成物に5質量部の粉末硫黄(軽井沢硫黄株式会社製)、2質量部の加硫促進剤(大内新興化学工業株式会社製の商品名「ノクセラーNS」)及び2質量部の加硫促進助剤(田岡化学工業株式会社製の商品名「タッキロールV200」)を添加した。このゴム組成物を押し出して、支持層用のゴムシートを得た。
[Example 1]
20 parts by mass of natural rubber (RSS # 3), 40 parts by mass of butadiene rubber (trade name “BR150B” manufactured by Ube Industries, Ltd.), 40 parts by mass of styrene-butadiene rubber (trade name “manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.” SBR1502 "), 40 parts by mass of FEF carbon black (trade name" Dia Black E "manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation), 10 parts by weight of coal pitch-based carbon fiber (trade name" K6331T "manufactured by Mitsubishi Plastics, Inc.), 1.5 parts by mass of anti-aging agent (trade name “Antigen 6C” manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.), 1.0 part by mass of other anti-aging agents (trade name “Antigen FR” manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.), Banbury mixer containing 3 parts by mass of zinc oxide (trade name “
60質量部の天然ゴム(RSS#3)、40質量部のポリブタジエン(前述の「BR150B」)、20質量部のFEFカーボンブラック(前述の「ダイヤブラックE」)、1.5質量部の老化防止剤(前述の「アンチゲン6C」)、1.0質量部の他の老化防止剤(前述の「アンチゲンFR」)、3質量部の酸化亜鉛(前述の「酸化亜鉛2種」)及び1.0質量部のステアリン酸(前述の「椿」)をバンバリーミキサーで混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物をオープンロールで混練しつつ、このゴム組成物に5質量部の粉末硫黄(軽井沢硫黄社)、2質量部の加硫促進剤(前述の「ノクセラーNS」)及び2質量部の加硫促進助剤(前述の「タッキロールV200」)を添加した。このゴム組成物を押し出して、サイドウォール用のゴムシートを得た。 60 parts by weight of natural rubber (RSS # 3), 40 parts by weight of polybutadiene (described above “BR150B”), 20 parts by weight of FEF carbon black (described above “Diamond Black E”), 1.5 parts by weight of anti-aging Agent (the above-mentioned “antigen 6C”), 1.0 part by mass of another anti-aging agent (the above-mentioned “antigen FR”), 3 parts by mass of zinc oxide (the above-mentioned “two types of zinc oxide”) and 1.0 part by mass. A rubber composition was obtained by kneading part by mass of stearic acid (the above-mentioned “椿”) with a Banbury mixer. While kneading this rubber composition with an open roll, 5 parts by mass of powdered sulfur (Karuizawa Sulfur Co., Ltd.), 2 parts by mass of a vulcanization accelerator (the aforementioned “Noxeller NS”) and 2 parts by mass of the rubber composition were mixed. Vulcanization accelerating aid (the above-mentioned “Tack roll V200”) was added. This rubber composition was extruded to obtain a rubber sheet for a sidewall.
支持層用のゴムシート、サイドウォール用のゴムシート及び他のゴム部材をアッセンブリーし、ローカバー(未架橋タイヤ)を得た。このローカバーを金型に投入し、加圧及び加熱して、ランフラットタイヤを得た。金型の内面に設けられた多数のピンプルにより、タイヤのサイド面に多数のディンプルが形成された。ディンプルの占有率は、50%である。このタイヤのサイズは、245/40R17である。このタイヤの断面が、図1に示されている。支持層の最大厚みは、10mmである。 The rubber sheet for the support layer, the rubber sheet for the sidewall, and other rubber members were assembled to obtain a raw cover (uncrosslinked tire). The raw cover was put into a mold, pressurized and heated to obtain a run flat tire. A large number of dimples were formed on the side surface of the tire by a large number of pimples provided on the inner surface of the mold. The dimple occupation ratio is 50%. The size of this tire is 245 / 40R17. A cross section of this tire is shown in FIG. The maximum thickness of the support layer is 10 mm.
[比較例1及び実施例2−5]
石炭ピッチ系炭素繊維の量を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[Comparative Example 1 and Example 2-5]
A tire was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of the coal pitch-based carbon fiber was changed as shown in Table 1 below.
[比較例2−3]
ディンプルを設けず、石炭ピッチ系炭素繊維の量を下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[Comparative Example 2-3]
Tires were obtained in the same manner as in Example 1 except that no dimples were provided and the amount of coal pitch-based carbon fibers was as shown in Table 2 below.
[比較例4]
ディンプルを設けなかった他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[Comparative Example 4]
A tire was obtained in the same manner as in Example 1 except that no dimple was provided.
[実施例6−8]
凹凸模様の仕様を下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。実施例6のタイヤでは、ピンプルの占有率は50%である。実施例7のタイヤでは、溝の占有率は50%である。実施例8のタイヤでは、筋山の占有率は50%である。
[Example 6-8]
A tire was obtained in the same manner as in Example 1 except that the specifications of the concavo-convex pattern were as shown in Table 2 below. In the tire of Example 6, the pimple occupancy is 50%. In the tire of Example 7, the groove occupation ratio is 50%. In the tire of Example 8, the occupancy ratio of the streak is 50%.
[実施例9]
サイドウォールのゴム組成物に30質量部の石炭ピッチ系炭素繊維(前述の「K6371T」)を配合した他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[Example 9]
A tire was obtained in the same manner as in Example 1 except that 30 parts by mass of coal pitch-based carbon fiber (the above-mentioned “K6371T”) was blended with the rubber composition of the sidewall.
[パンク状態での耐久性]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を230kPaとした。このタイヤを、38℃±3℃の温度下に34時間保持した。リムのバルブコアを抜き取って、タイヤの内部を大気と連通させた。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、4.14kNの縦荷重をタイヤに負荷した。このタイヤを、80km/hの速度で、半径が1.7mであるドラムの上を走行させた。タイヤが破壊するまでの走行距離を、測定した。この結果が、比較例2のタイヤが基準とされた指数として、下記の表1及び2に示されている。数値が大きいほど、好ましい。
[Durability in puncture]
A tire was incorporated into a regular rim, and the tire was filled with air to adjust the internal pressure to 230 kPa. This tire was held at a temperature of 38 ° C. ± 3 ° C. for 34 hours. The valve core of the rim was pulled out and the inside of the tire communicated with the atmosphere. This tire was mounted on a drum-type running test machine, and a vertical load of 4.14 kN was applied to the tire. This tire was run on a drum having a radius of 1.7 m at a speed of 80 km / h. The distance traveled until the tire broke was measured. The results are shown in Tables 1 and 2 below as indices based on the tire of Comparative Example 2. A larger numerical value is preferable.
[損失正接]
「JIS K 6394」の規定に準拠して、支持層の損失正接tanδを測定した。測定条件は、以下の通りである。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF−3」
初期歪み:10%
動歪み:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
この結果が、下記の表1及び2に示されている。
[Loss tangent]
The loss tangent tan δ of the support layer was measured in accordance with the rules of “JIS K 6394”. The measurement conditions are as follows.
Viscoelastic spectrometer: "VESF-3" from Iwamoto Seisakusho
Initial strain: 10%
Dynamic strain: ± 1%
Frequency: 10Hz
Deformation mode: Tensile Measurement temperature: 70 ° C
The results are shown in Tables 1 and 2 below.
表1及び2に示されるように、各実施例のタイヤは、耐久性に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。 As shown in Tables 1 and 2, the tire of each example is excellent in durability. From this evaluation result, the superiority of the present invention is clear.
熱伝導率が高い支持層と凹凸模様を有するサイド面との相乗効果は、種々のサイズのランフラットタイヤにおいて得られる。 The synergistic effect of the support layer having a high thermal conductivity and the side surface having an uneven pattern can be obtained in run-flat tires of various sizes.
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
8・・・サイドウォール
10・・・クリンチ部
12・・・ビード
14・・・カーカス
16・・・支持層
18・・・ベルト
20・・・バンド
62、72、74・・・ディンプル
64・・・ランド
66・・・スロープ面
68・・・底面
76・・・第一曲面
78・・・第二曲面
80・・・ピンプル
82・・・溝
84・・・筋山
DESCRIPTION OF
Claims (11)
それぞれがこのトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、 それぞれがこのサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビードと、
上記トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカスと、
上記サイドウォールの軸方向に位置しており、その中央部から両端に向けて徐々に厚みが減少する形状を有する支持層とを備えており、
この支持層の熱伝導率が0.40W/m・K以上であり、
そのサイド面に凹凸模様を有するランフラットタイヤ。 A tread whose outer surface forms a tread surface,
A pair of sidewalls each extending substantially inward in the radial direction from the end of the tread; and a pair of beads each positioned substantially inward in the radial direction from the sidewall;
A carcass bridged between both beads along the inside of the tread and sidewall;
It is located in the axial direction of the sidewall, and includes a support layer having a shape in which the thickness gradually decreases from the central portion toward both ends,
The thermal conductivity of this support layer is 0.40 W / m · K or more,
A run-flat tire with an uneven pattern on its side surface.
このゴム組成物が、基材ゴムとこの基材ゴムに分散した熱伝導性物質とを含む請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。 The support layer is formed by crosslinking the rubber composition,
The tire according to any one of claims 1 to 3, wherein the rubber composition includes a base rubber and a heat conductive material dispersed in the base rubber.
このゴム組成物が、基材ゴムとこの基材ゴムに分散した熱伝導性物質とを含む請求項10に記載のタイヤ。 The sidewall is formed by crosslinking the rubber composition,
The tire according to claim 10, wherein the rubber composition includes a base rubber and a heat conductive material dispersed in the base rubber.
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