JP2010153109A - 電解質 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池等において使用した場合に、従来のAlやInをドープしたSnP27を使用した場合と比較して、耐久性の向上が可能な電解質を提供する。
【解決手段】組成式Sn27(a+b=1、0<a<1、0<b<1、Mは、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種のカチオン)で表されることを特徴とする電解質。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロトン伝導性を示す電解質に関する。
燃料電池は、電気的に接続された2つの電極に燃料と酸化剤を供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、燃料電池はカルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。燃料電池は、使用する電解質の種類に応じて種々のタイプに分類されるが、電解質膜として固体高分子電解質膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池は、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子型燃料電池に代表されるプロトン伝導性電解質膜を用いた燃料電池では、下記式(1)に対して触媒活性を有する電極触媒を備えたアノードと、下記式(2)に対して触媒活性を有する電極触媒を備えたカソードとが、電解質膜表面に形成され、アノード側に水素ガス、カソード側に空気(酸素)を供給することで、発電する。
2 → 2H+ + 2e- ・・・(1)
2H+ + 1/2O2 + 2e- → H2O ・・・(2)
一般的なプロトン伝導性電解質としては、従来、ナフィオン(デュポン社製)等に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂や、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン等にスルホン酸基やリン酸基等のプロトン伝導性基を導入した高分子電解質樹脂が用いられている。
これら高分子電解質樹脂、特にパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂は、湿潤状態において高いプロトン伝導性を発現するため、高分子電解質樹脂を用いて構成された燃料電池では、電解質膜や電極を高い湿潤状態に保持することが重要である。このような理由から、高分子電解質樹脂を用いた固体高分子電解質型燃料電池の作動温度は、80〜100℃程度である。しかしながら、80〜100℃程度の低温度域における燃料電池の作動には、廃熱効率が悪い、白金電極触媒が燃料中の一酸化炭素により被毒される、排水性が低い、等の問題がある。
そこで、100〜300℃のような中温度域での発電が可能なプロトン伝導性電解質を用いた燃料電池が注目されている。中温度域発電が可能な燃料電池は、ナフィオン等の低温度域発電型燃料電池と比較して以下のような点で優れている。すなわち、廃熱効率がよい、燃料極の白金触媒の一酸化炭素による被毒の回避が可能(一酸化炭素耐性が高い)であり、CO除去ユニットが不要、電極反応速度が大きく、白金使用量の低減が可能、排水性が高い、等の優位性を有している。
本発明者らは、250℃のような中温度域で、且つ、無加湿条件で、良好なプロトン伝導性を発現する物質としてSnP27に注目し、研究開発を進めている。SnP27にInやAl等の金属をドープさせることで、良好なプロトン伝導性を発現することが確認されている。
また、特許文献1には、M(長周期型周期律表第4A族および第4B族の元素からなる群より選ばれる1種以上の元素)、PおよびOを含有する化合物であって、Mの一部を、ダンピング元素J1(長周期型周期律表第3A族、第3B族、第5A族および第5B族の元素からなる群より選ばれる1種以上の元素)で置換されてなる金属リン酸塩が開示されている。
また、特許文献2には、親水性イオン伝導性物質としてSnP27にドーピングされたホスフェートを用いた燃料電池用のカソード電極構造が記載されている。
特開2008−53225号公報 特開2007−194182号公報
本発明者らは、鋭意検討した結果、特許文献1等に開示されている、AlやInをドープしたSnP27を電解質として使用する燃料電池は、耐久性が悪く、長期間にわたって性能を維持することができないという知見が得られた。
本発明は、上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、燃料電池等において使用した場合に、従来のAlやInをドープしたSnP27を使用した場合と比較して、耐久性の向上が可能な電解質を提供することを目的とする。
本発明の電解質は、組成式Sn27(a+b=1、0<a<1、0<b<1、Mは、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種のカチオンである)で表されることを特徴とするものである。
本発明者らが検討したところ、アルカリ土類金属のカチオンをドープしたSnP27は、上記したようなAlやInをドープしたSnP27と比較して、酸強度が低く、燃料電池等において使用した際に、耐久性が向上することが見出された。
耐久性及びプロトン伝導性の観点から、前記組成式において、前記Mは、Mgカチオンであることが好ましい。
また、プロトン伝導性の観点から、前記組成式において、前記MがMgカチオンの場合、0.05≦b≦0.12であることが好ましい。
本発明によれば、燃料電池等において使用した場合に、AlやInをドープしたSnP27を使用する場合と比較して、該燃料電池等の耐久性を向上させることが可能な電解質を得ることができる。
本発明の電解質膜は、組成式Sn27(a+b=1、0<a<1、0<b<1、Mは、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種のカチオンである)で表されることを特徴とするものである。
本発明者らは、InドープSnP27、AlドープSnP27等、従来のカチオンをドープさせたSnP27を、電解質として使用した燃料電池は、耐久性が悪く、長期間にわたって性能を維持することができないという知見を得た。そこで、本発明者らは、SnP27にドープさせるドープ種について検討したところ、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の金属種をドープさせることによって、カチオンドープSnP27の酸強度が低下することが見いだされた。その結果、燃料電池において、カチオンドープSnP27を電解質として用いたとしても、その酸強度に起因する、その他の構成材料の腐食が抑制され、燃料電池の耐久性を向上させることが可能となった。
尚、本発明において、アルカリ土類金属とは、周期表2族の元素を指し、カルシウムCa、ストロンチウムSr、バリウムBa、ラジウムRaの4元素に加え、ベリリウムBe及びマグネシウムMgも含むものである。
上記組成式において、アルカリ土類金属から選ばれる金属のカチオンであるMは、SnP27結晶の結晶構造を変えることなくドープされている。MがSnP27にドープされているかどうかは、X線回折(XRD)によりSnP27とSn27の結晶構造を解析することで確認できる。広い温度域において高いプロトン伝導性を発現する観点から、Mは、Mgのカチオンであることが好ましい。
上記組成式において、aは、SnとMの合計モル数に対するSnのモル比を示すものであり、a+b=1を満たし、且つ、0<a<1であれば、特に限定されないが、プロトン伝導性、結晶構造維持の観点から、0.6≦a≦0.99、特に0.8≦a≦0.95であることが好ましい。
上記組成式において、bは、SnとMの合計モル数に対するMのモル比を示すものであり、a+b=1を満たし、且つ、0<b<1であれば、特に限定されないが、プロトン伝導性、結晶構造維持の観点から、0.01≦b<0.4、特に0.05≦b≦0.2であることが好ましい。
特に、MがMgのカチオンである場合には、0.05≦b≦0.12であることが好ましく、特に0.07≦b≦0.12であることが好ましく、さらに、b=0.1であることが好ましい。
aとbの比率は、後述するSn27調製時におけるSn含有化合物及びM含有化合物の配合割合により調節することができ、蛍光X線分析測定、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分析等により、測定することができる。
Sn27の調製方法は、特に限定されるものではないが、以下のような方法が挙げられる。
すなわち、まず、Sn含有化合物と、M含有化合物と、リン酸とを、Sn、M及びリンのモル比が、Sn:M:P=a:b:2となるように混合する。このとき、混合性の観点から、Sn含有化合物、M含有化合物及びリン酸は、混合性の観点から、イオン交換水と共に、混合することが好ましい。
次に、得られた混合物を、200〜400℃、好ましくは250〜350℃の加熱条件下、攪拌してペースト化する。Sn含有化合物、M含有化合物及びリン酸を、イオン交換水と混合した場合、ペースト化は、イオン交換水が全て蒸発するまで行うことが好ましい。
続いて、得られたペーストを、450〜750℃、好ましくは500〜700℃でか焼する。か焼することによって、脱水、結晶化され、Sn27が得られる。か焼時間は、2〜3時間程度が好ましい。
Sn含有化合物としては、例えば、酸化物、塩化物、水酸化物等が挙げられ、具体的には、SnO2、SnCl4、Sn(OH)4等が挙げられる。M含有化合物としては、酸化物、塩化物、水酸化物、硝酸塩、酢酸塩等が挙げられ、具体的には、MgO、Mg(OH)2、Mg(NO32、(CH3COO)2Mg、Ba(OH)2・8H2O、Sr(OH)2・8H2O、Ca(OH)2等が挙げられる。Mg含有化合物としては、得られるSnMg27のプロトン伝導性の観点から、Mg(OH)2、Mg(NO32が好ましく、さらに残渣による影響がないことから、特にMg(OH)2が好ましい。
リン酸としては、濃度が50〜95(%H3PO4)、特に75〜85(%H3PO4)の水溶液を用いることが好ましい。リン酸水溶液濃度が50%未満であると、濃度が低いためにリン酸を含有させにくく、リン酸水溶液濃度が95%より高いと、リン酸水溶液の粘度が高くなりすぎるために、上記調製時のSn含有化合物やM含有化合物との混合性が低くなるおそれがある。
本発明の電解質は、様々な分野において使用することができ、燃料電池における電解質膜や電極の構成材料としての利用の他、例えば、水素センサー、分離膜等においての利用も可能である。
特に、本発明の電解質は、湿潤状態を保持しなくても、優れたプロトン伝導性を発現するため、燃料電池用電解質膜や電極の構成材料として使用する場合、反応ガスを加湿しなくてもよく、燃料電池の小型化やシステムの簡略化が可能である上に、燃料電池が湿潤状態に影響されない安定した発電性能を発現するという優れた利点がある。さらに、100〜300℃のような中温度域においてもプロトン伝導性を発現するため、80〜100℃で作動する燃料電池と比較して、廃熱効率がよい、燃料極の白金触媒の一酸化炭素による被毒の回避が可能(一酸化炭素耐性が高い)であり、CO除去ユニットが不要である、電極反応速度が大きく、白金使用量の低減が可能である、排水性が高い、等の利点もある。
例えば、本発明の電解質を用いて燃料電池用電解質膜を作製する場合には、本発明の電解質を加圧成形により膜化する方法、粉末状の本発明の電解質を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルベンゾイミダゾール(PBI)、ポリイミド(PI)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のバインダー樹脂を用いて膜化する方法等が挙げられる。
また、燃料電池用電極は、本発明の電解質と共に、白金担持カーボン等の触媒を用いて作製することができる。例えば、本発明の電解質と、白金担持カーボンを物理混合し、成形する方法が挙げられる。
尚、本発明の電解質を用いて燃料電池用の電解質膜や電極を作製する方法は上記方法に限定されない。
[酸強度]
(実施例1)
<Sn0.9Mg0.127の合成>
SnO2、Mg(OH)2、85%H3PO4及びイオン交換水を、Sn、Mg及びPのモル比(Sn:Mg:P=0.9:0.1:2)となるように混合し、高粘度ペーストが得られるまで、300℃を維持しながら攪拌した。
得られたペーストは、650℃で2.5時間、アルミナボックス中でか焼し、Sn0.9Mg0.127を合成した。
尚、Sn0.9Mg0.127の組成は、XRF測定により確認した。
<酸強度の測定>
以下のようなNH3−TPD(Temperature programmed desorption)法により、得られたSn0.9Mg0.127の酸強度を測定した。結果を図1に示す。尚、図1に示すイオン電流曲線の面積比から、吸着していたアンモニアの量、すなわち酸強度を得ることができる。
(NH3−TPD法)
まず、Sn0.9Mg0.127を、アルゴン雰囲気下、300℃で1時間保持し、脱水させた。次に、温度を100℃に下げ、1vol%のNH3(Heバランス)を導入し、30分間保持することで、Sn0.9Mg0.127に、NH3を接触させて吸着させた。その後、NH3ガスの導入を停止し、Arガスを30分間流通させ、気相アンモニアを除去した。続いて、温度を10℃/minで昇温させて600℃まで上げ、脱離するアンモニアをイオン電流により検出した。
(比較例1)
<Sn0.95Al0.0527の合成>
SnO2、Al(OH)3、85%H3PO4及びイオン交換水を、Sn、Al及びPのモル比(Sn:Mg:P=0.95:0.05:2)となるように混合し、高粘度ペーストが得られるまで、300℃を維持しながら攪拌した。
得られたペーストは、650℃で2.5時間、アルミナボックス中でか焼し、Sn0.95Al0.0527を合成した。
尚、Sn0.95Al0.0527の組成は、XRF測定により確認した。
<酸強度の測定>
実施例1と同様にして、得られたSn0.95Al0.0527の酸強度を測定した。結果を図1に示す。
(比較例2)
<Sn0.9In0.127の合成>
SnO2、In(OH)3、85%H3PO4及びイオン交換水を、Sn、In及びPのモル比(Sn:In:P=0.9:0.1:2)となるように混合し、高粘度ペーストが得られるまで、300℃を維持しながら攪拌した。
得られたペーストは、650℃で2.5時間、アルミナボックス中でか焼し、Sn0.9In0.127を合成した。
尚、Sn0.9In0.127の組成は、XRF測定により確認した。
<酸強度の測定>
実施例1と同様にして、得られたSn0.9In0.127の酸強度を測定した。結果を図1に示す。
(結果)
図1に示すように、本発明の電解質であるSn0.9Mg0.127は、比較例1のSn0.95Al0.0527(AlドープSnP27)及び比較例2のSn0.9In0.127(InドープSnP27)と比較して、酸強度が大幅に低下していた。
[ドープ種]
(実施例2〜実施例5)
実施例1において、Mg(OH)2の代わりに、それぞれ、Ba(OH)2・8H2O(実施例2)、Sr(OH)2・8H2O(実施例3)、Ca(OH)2(実施例4)を用い、Sn:M:P=0.9:0.1:2としたこと以外は同様にして、Sn0.90.127(Mは、Ba又はSr又はCa)を合成した。また、実施例1と同様にして、Mg(OH)2を用いてSn0.9Mg0.127(実施例5)を合成した。
<XRD測定>
得られた実施例2〜5のSn0.90.127(Mは、Ba又はSr又はCa又はMg)を、乳鉢ですりつぶし、XRD測定を行った。結果を図2に示す。
また、実施例1において、Mg(OH)2を使用しなかったこと以外は、同様にしてSnP27(non-dope)を合成し、上記同様、XRD測定を行った。結果を併せて図2に示す。
図2に示すように、アルカリ土類金属から選ばれるいずれのドープ種を用いた場合でも、SnP27の結晶構造が保持され、Ba、Sr、Ca、Mgのいずれもがピロリン酸の結晶構造内にドープされたことが確認された。
<プロトン伝導性測定>
得られた実施例2〜5のSn0.90.127(Mは、Ba又はSr又はCa又はMg)、及び、SnP27を、それぞれ、2×103kg/cm-2で加圧し、ペレット化した。得られた各ペレットについて、無加湿の空気中、温度条件を変えて、周波数0.1〜1×106Hz、振幅10mVでプロトン伝導性を測定した。結果を図3に示す。
図3に示すように、実施例2〜5いずれの電解質も良好なプロトン伝導性を示した。特に、ドーパントをドープしていないSnP27と比較すると、Mgをドープした実施例5の電解質は、測定した全温度域において、優れたプロトン伝導性を示した。また、その他のBa、Sr、Caをドープした実施例2〜4の電解質も、温度域によっては、SnP27(non-dope)よりも優れたプロトン伝導性を示した。
[M含有化合物]
(実施例6〜9)
実施例1において、Mg(OH)2の代わりに、それぞれ、(CH3COO)2Mg(実施例6)、Mg(NO32(実施例7)、MgO(実施例9)を用い、Sn:Mg:P=0.9:0.1:2としたこと以外は同様にして、Sn0.9Mg0.127を合成した。また、実施例1と同様にして、Mg(OH)2を用いてSn0.9Mg0.127(実施例8)を合成した。
得られた実施例6〜9の電解質及びSnP27(non-dope)について、実施例2〜5と同様にして、XRD測定及びプロトン伝導性測定を行った。結果を図4及び図5に示す。
図4に示すように、(CH3COO)2Mg、Mg(NO32、Mg(OH)2、MgOいずれのMg含有化合物を用いても、SnP27の結晶構造が保持され、Mgがピロリン酸の結晶構造内にドープされていることがわかった。
また、図5に示すように、実施例6〜9いずれの電解質も良好なプロトン伝導性を示した。特に、ドーパントをドープしていないSnP27(non-dope)と比較すると、(CH3COO)2Mg、Mg(NO32、又はMg(OH)2を用いた実施例6〜8の電解質、特に、Mg(NO32、又はMg(OH)2を用いた実施例7、8の電解質は、測定した全温度域において、優れたプロトン伝導性を示した。また、MgOを用いた実施例9も高温域では、SnP27(non-dope)よりも優れたプロトン伝導性を示した。
[Mgドープ量]
(実施例10〜14)
実施例1において、Mgのモル比(つまりb)がそれぞれ、5mol%(b=0.05)(実施例10)、15mol%(b=0.15)(実施例12)、20mol%(b=0.2)(実施例13)、30mol%(b=0.3)(実施例14)となるように、Mg(OH)2とSnO2の配合割合を変更した以外は同様にして、Sn0.9Mgb27(b=0.05、0.15、0.2、0.3)を合成した。また、実施例1と同様にして、Sn0.9Mg0.127(b=0.1)(実施例11)を合成した。
得られた実施例10〜14の電解質及びSnP27(non-dope)について、実施例2〜5と同様にして、XRD測定を行った。結果を図6及び図7に示す。
図6及び図7に示すように、Mgのドープ量5〜30モル%(b=0.05〜0.3)の範囲において、SnP27の結晶構造が保持され、Mgがピロリン酸の結晶構造内にドープされていることがわかる。
(実施例15〜18)
実施例1において、Mgのモル比(つまりb)がそれぞれ、5mol%(b=0.05)(実施例15)、7mol%(b=0.7)(実施例16)、12mol%(b=0.12)(実施例18)となるように、Mg(OH)2とSnO2の配合割合を変更した以外は同様にして、Sn0.9Mgb27(b=0.05、0.07、0.12)を合成した。また、実施例1と同様にして、Sn0.9Mg0.127(b=0.1)(実施例17)を合成した。
得られた実施例15〜18の電解質及びSnP27(non-dope)について、実施例2〜5と同様にして、プロトン伝導性測定を行った。結果を図8に示す。
図8に示すように、Mgを5〜12モル%(b=0.05〜0.12)ドープした実施例15〜18いずれの電解質も、ドーパントをドープしていないSnP27(non-dope)と比較して良好なプロトン伝導性を示した。特に7〜12モル%のMgをドープした実施例16〜18の電解質は、測定した全温度域において、優れたプロトン伝導性を示した。中でも、10モル%のMgをドープした実施例17の電解質が高いプロトン伝導性を示した。
[耐久性]
(実施例19)
実施例1と同様にして、Sn0.9Mg0.127を合成した。得られたSn0.9Mg0.127を、2×103kg/cm-2で加圧し、ペレット化した。
一方、白金担持カーボン粒子(Pt/C)を(0.10g)と、PTFE(0.05g)と、グリセリン(0.5ml)とを、乳鉢で混合してペーストを調製した。得られたペーストを、カーボンペーパー(Toray TGPH−090)中に、練り込んだ。
上記にて作製したペレットを、上記ペーストを練り込んだカーボンペーパー2枚(カソード、アノード)で挟み込み、電解質膜−電極接合体を作製した。
得られた電解質膜−電極接合体について、作用極側にArガス、対極側にH2ガスを供給し、掃引速度10mV/sで、参照極(RHE:可逆水素電極)に対して0〜1.1Vの範囲でサイクリックボルタンメトリー(CV)を行った。結果を図9に示す。
(比較例3)
比較例1と同様にして、Sn0.95Al0.0527を合成した。得られたSn0.95Al0.0527を用いて、実施例19と同様にしてサイクリックボルタンメトリーを行った。結果を図10に示す。
(比較例4)
比較例2と同様にして、Sn0.9In0.127を合成した。得られたSn0.9In0.127を用いて、実施例19と同様にしてサイクリックボルタンメトリーを行った。結果を図11に示す。
(結果)
図9〜図11に示すように、比較例3及び比較例4では、1サイクル目と比べて5サイクル目において、吸着水素の酸化電気量(mC)から算出された作用極の触媒反応表面積が低減しているのに対して、実施例19では、5サイクル目でも1サイクル目と同等の触媒反応表面積が維持された。この結果より、本発明の電解質を用いることで、電解質材料に起因する燃料電池の経時的な性能低下を抑制し、燃料電池の耐久性を向上させることが可能であることがわかる。
実施例1、比較例1、比較例2における酸強度の測定結果を示すものである。 実施例2〜実施例5におけるXRD測定の結果を示すものである。 実施例2〜実施例5におけるプロトン伝導率測定の結果を示すものである。 実施例6〜実施例9におけるXRD測定の結果を示すものである。 実施例6〜実施例9におけるプロトン伝導率測定の結果を示すものである。 実施例10〜実施例12におけるXRD測定の結果を示すものである。 実施例13〜実施例14におけるXRD測定の結果を示すものである。 実施例15〜実施例18におけるプロトン伝導率測定の結果を示すものである。 実施例19におけるCVの結果を示すものである。 比較例3におけるCVの結果を示すものである。 比較例4におけるCVの結果を示すものである。

Claims (3)

  1. 組成式Sn27(a+b=1、0<a<1、0<b<1、Mは、アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種のカチオン)で表されることを特徴とする電解質。
  2. 前記組成式において、MがMgカチオンである、請求項1に記載の電解質。
  3. 前記組成式において、0.05≦b≦0.12である、請求項2に記載の電解質。
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