JP2010152545A - 移動制御装置及び移動制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】追従性を向上した自律的な移動制御を提供する。
【解決手段】無線通信手段Q毎に基準通信距離L0内の検出設定エリア6a、6b、6cをそれぞれ想定して、その複数の検出設定エリア及びその検出設定エリアの重なりで区分される複数の存在判定エリアを設定しておく。そして、各無線通信手段Qから電波発信源までの各相対距離Eに基づき、上記複数の存在判定エリアのいずれに電波発信源が位置するか判定する。エリアAに電波発信源が位置する場合、通信距離Lを再設定した存在判定エリアを使用して、向きを判定出来る存在判定エリアに電波発信源を位置させる。そして、電波発信源の位置する方向を判定し、その判定した方向に向けて車両1を移動制御する。
【選択図】図3
【解決手段】無線通信手段Q毎に基準通信距離L0内の検出設定エリア6a、6b、6cをそれぞれ想定して、その複数の検出設定エリア及びその検出設定エリアの重なりで区分される複数の存在判定エリアを設定しておく。そして、各無線通信手段Qから電波発信源までの各相対距離Eに基づき、上記複数の存在判定エリアのいずれに電波発信源が位置するか判定する。エリアAに電波発信源が位置する場合、通信距離Lを再設定した存在判定エリアを使用して、向きを判定出来る存在判定エリアに電波発信源を位置させる。そして、電波発信源の位置する方向を判定し、その判定した方向に向けて車両1を移動制御する。
【選択図】図3
Description
本発明は、電波発信源を備えた移動目標物に向けて車両などの移動体を移動制御する技術に関する。
車両を自律的に移動させる技術としては、例えば特許文献1に記載した技術がある。この技術は、指向性を制御可能な電子制御式アレーアンテナの受信指向性を変化させて電波を受信する。その受信した電波信号の強度の最大方向を、電波発信源からの電波到来方向とする。そして、その電波到来方向に向かって車両を自律移動させる。なお、電波信号の強度レベルに応じて、移動の停止、運転再開の判定を行っている。
特開2003−177820号公報
上記従来技術は、電波信号の強度だけに基づき、移動目標物に接近したと判定すると停止し、また、移動目標物から離れたと判定すると運転を再開する。しかし、移動目標物に接近しただけで停止した場合には、車両の前方(進行方向)に移動目標物が存在しない可能性もある。そして、その分、運転再開時の移動目標物に対する追従性が良くない。
本発明は、上記のような点に着目して、追従性を向上した移動制御を課題する。
本発明は、上記のような点に着目して、追従性を向上した移動制御を課題する。
上記課題を解決するために、本発明は、制御すべき移動体に対し平面視で互いに重ならない位置に複数の無線通信手段を設置する。また、無線通信手段毎に基準とする通信距離内の検出設定エリアをそれぞれ想定して、その複数の検出設定エリア及びその検出設定エリアの重なりで区分される複数の存在判定エリアを設定しておく。そして、各無線通信手段から電波発信源までの各相対距離に基づき、上記複数の存在判定エリアのいずれに電波発信源が位置するか判定する。このとき、向きを判定出来ない無方向存在判定エリアに電波発信源が位置する場合には、上記基準とする通信距離とは異なる判定用の通信距離で再設定した上記存在判定エリアを使用することで、向きを判定出来る存在判定エリアに電波発信源を位置させる。そして、電波発信源の位置する方向を判定し、その判定した方向に向けて移動体を移動制御する。
本発明によれば、各無線通信手段から電波発信源までの各相対距離だけから、複数の存在判定エリアのどの領域に電波発信源が位置しているか判定出来る。つまり、各相対距離だけから、移動体の目標とする移動方向を決定出来る。これによって、当該移動体を電波発信源の移動に追従させることが可能となる。
またこのとき、異なる通信距離で設定した存在判定エリアを使用することで、たとえ移動体が電波発信源に目標とする距離まで近づいた状態となっても、移動体に対する電波発信源の向きを判定することが可能となる。
この結果、追従性を向上した移動制御を提供することが可能となる。
またこのとき、異なる通信距離で設定した存在判定エリアを使用することで、たとえ移動体が電波発信源に目標とする距離まで近づいた状態となっても、移動体に対する電波発信源の向きを判定することが可能となる。
この結果、追従性を向上した移動制御を提供することが可能となる。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
ここで、本実施形態では、図1に示すように、移動体として2輪の駆動輪を有する車両1を例示して説明する。但し、移動体は、3輪若しくは4輪以上の車輪を有する車両であっても良い。また、移動体は車両1に限定せず、二足歩行のロボットや地面から浮揚して移動する浮揚体(ホーバーなど)等であっても良い。要は、目標に向けて自立的に移動するように駆動制御可能な構造を備えた移動体であれば良い。
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
ここで、本実施形態では、図1に示すように、移動体として2輪の駆動輪を有する車両1を例示して説明する。但し、移動体は、3輪若しくは4輪以上の車輪を有する車両であっても良い。また、移動体は車両1に限定せず、二足歩行のロボットや地面から浮揚して移動する浮揚体(ホーバーなど)等であっても良い。要は、目標に向けて自立的に移動するように駆動制御可能な構造を備えた移動体であれば良い。
(構成)
まず構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る移動制御装置を搭載した車両1を示す図である。
この図2に示すように、車両1には、駆動装置、複数の無線通信手段Q、及び移動制御コントローラ3を設ける。なお、移動制御コントローラ3は、車両1に搭載しなくても良い。本実施形態では、搭載する無線通信手段Qの数が3つ場合を例示する。
上記駆動装置は、左右の駆動輪を駆動するモータ5で構成する。このモータ5を、移動制御コントローラ3からの駆動指令に基づき駆動制御する。この結果、車両1は直進運動及び回転運動を行う。
まず構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る移動制御装置を搭載した車両1を示す図である。
この図2に示すように、車両1には、駆動装置、複数の無線通信手段Q、及び移動制御コントローラ3を設ける。なお、移動制御コントローラ3は、車両1に搭載しなくても良い。本実施形態では、搭載する無線通信手段Qの数が3つ場合を例示する。
上記駆動装置は、左右の駆動輪を駆動するモータ5で構成する。このモータ5を、移動制御コントローラ3からの駆動指令に基づき駆動制御する。この結果、車両1は直進運動及び回転運動を行う。
上記各無線通信手段Qは、図1に示すように、移動目標物(ユーザ7)が有する電波発信源8から発信された電波を受信する。各無線通信手段Qは、受信した電波を信号に変換して移動制御コントローラ3に出力する。本実施形態の各無線通信手段Qは、無指向性アンテナと、そのアンテナで受信した電波を信号に変換する通信制御部とを有する。
ここで、各無線通信手段Qをアンテナだけで構成し、各アンテナが受信した電波を信号に変換する通信制御部を別途設ける構成としても良い。この場合には、3つのアンテナに対して通信制御部を一つとしても良い。
ここで、各無線通信手段Qをアンテナだけで構成し、各アンテナが受信した電波を信号に変換する通信制御部を別途設ける構成としても良い。この場合には、3つのアンテナに対して通信制御部を一つとしても良い。
上記3つの無線通信手段Q(1)〜Q(3)は、平面視において、互いに重ならないように配置する。本実施形態では、図3に示すように、平面視において、車両1の重心を中心Gとした円上に、3つの無線通信手段Qを位置させている。更に、本実施形態では、円周方向で隣り合う無線通信手段Q間の距離が等しくなるように設定する。すなわち、平面視で、3つの無線通信手段Qが、正三角形の頂点位置にそれぞれ位置するように配置する。
更に、本実施形態では、上記円の中心Gに対し車両1の進行方向後方に、1つの無線通信手段Q(1)を配置する。また、上記円の中心Gに対し車両1の進行方向前方且つ左右対称位置に、2つの無線通信手段Q(2)、Q(3)を配置する。
ここで、本実施形態では、電波の受信特性(受信エリア)として電波が指向なく伝搬する無指向性のアンテナを採用している。このため、1つの無線通信手段Qによる電波の受信によって、電波発信源8の向きは判定出来ないが、各無線通信手段Qから電波発信源8までの相対距離は推定可能である。
ここで、本実施形態では、電波の受信特性(受信エリア)として電波が指向なく伝搬する無指向性のアンテナを採用している。このため、1つの無線通信手段Qによる電波の受信によって、電波発信源8の向きは判定出来ないが、各無線通信手段Qから電波発信源8までの相対距離は推定可能である。
また、上記移動制御コントローラ3は、各無線通信手段Qが受信した信号に基づき、電波発信源8との相対距離を判定し、その結果に応じて車両1の移動方向を決定する。そして、電波発信源8を有する移動目標物に追従するための駆動指令を各モータ5に出力する。
上記移動制御コントローラ3は、図2に示すように、相対距離取得手段3A、エリア設定手段3B、エリア調整手段3C、移動方向決定手段3D、及び移動指令値生成手段3Eを備える。移動方向決定手段3Dは、エリア判定手段3Daを備える。
上記移動制御コントローラ3は、図2に示すように、相対距離取得手段3A、エリア設定手段3B、エリア調整手段3C、移動方向決定手段3D、及び移動指令値生成手段3Eを備える。移動方向決定手段3Dは、エリア判定手段3Daを備える。
相対距離取得手段3Aは、各無線通信手段Qからの受信情報に基づき、各無線通信手段Qから電波発信源8までの各相対距離Eを取得する。
エリア設定手段3Bは、図3に示すように、無線通信手段Q毎に予め設定した基準とする通信距離L0を使用して、無線通信手段Q毎に基準とする通信距離L0内の検出設定エリア6a、6b、6cをそれぞれ想定する。そして、エリア設定手段3Bは、その複数の検出設定エリア6a、6b、6c及びその検出設定エリア6a、6b、6cの重なりで区分される複数の存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3を設定する。上記基準とする通信距離L0を、以下では単に基準通信距離L0と呼ぶ。
本実施形態では、無線通信手段Q毎の基準通信距離L0を同じ値とする。例えば、基準通信距離L0を2mとする。
エリア設定手段3Bは、図3に示すように、無線通信手段Q毎に予め設定した基準とする通信距離L0を使用して、無線通信手段Q毎に基準とする通信距離L0内の検出設定エリア6a、6b、6cをそれぞれ想定する。そして、エリア設定手段3Bは、その複数の検出設定エリア6a、6b、6c及びその検出設定エリア6a、6b、6cの重なりで区分される複数の存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3を設定する。上記基準とする通信距離L0を、以下では単に基準通信距離L0と呼ぶ。
本実施形態では、無線通信手段Q毎の基準通信距離L0を同じ値とする。例えば、基準通信距離L0を2mとする。
次に、図3を参照して、検出設定エリア6a、6b、6c及び存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3について説明する。
本実施形態のアンテナは無指向性である。従って、上記無線通信手段Q毎の基準通信距離L0内の検出設定エリア6a、6b、6cは、それぞれ各無線通信手段Q(アンテナ)の設定位置(受信位置)を中心Gとし且つ上記基準通信距離L0を半径とした円内となる。
本実施形態のアンテナは無指向性である。従って、上記無線通信手段Q毎の基準通信距離L0内の検出設定エリア6a、6b、6cは、それぞれ各無線通信手段Q(アンテナ)の設定位置(受信位置)を中心Gとし且つ上記基準通信距離L0を半径とした円内となる。
なお、指向性のあるアンテナを使用した場合には、指向方向に向いた所定形状の検出設定エリアが検出設定エリア6a、6b、6cとなる。この場合であっても、各無線通信手段Qによる検出設定エリア6a、6b、6cで重なりが発生するように設置位置や指向の向きを設定する。但し、本実施形態は無指向性のアンテナを使用した方が、効果は大きい。
上記3つの無線通信手段Qの設置位置(電波受信位置)は、平面視で互いにずれているので、3つの検出設定エリア6a、6b、6cは、2つ又は3つ重複している部分と、重複していない部分、及び3つの検出設定エリア6a、6b、6cのいずれにも該当しない外側の部分とによって、8つの部分に区分出来る。この8つの部分が存在判定エリアA、B−1〜B−2、C−1〜C−3、Dとなる。この8つの存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3、Dは、無方向存在判定エリアA、Dと判別可能存在判定エリアB−1〜B−2、C−1〜C−3の2種類に区分出来る。
無方向存在判定エリアA、Dは、車両1に対し電波発信源8の存在する向きを判定出来ない存在判定エリアである。具体的には、無方向存在判定エリアは、全ての検出設定エリア6a、6b、6cが全て重なる完全重複エリアA、及び、全ての検出設定エリア6a、6b、6cの外となるエリアDである。但し、システムとして無方向存在判定エリアDを無視出来る場合には、そのエリアを無視して処理を行う。
また、判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3は、車両1に対し電波発信源8の存在する向きを判定出来る存在判定エリアである。判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3は、具体的には、上記の無方向存在判定エリアA、D以外の判別判定エリアである。判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3は、2種類ある。1種類目の判別可能存在判定エリアB−1〜B−3は、他の検出設定エリア6a、6b、6cと重複しないエリアである。1種類目の判別可能存在判定エリアC−1〜C−3は、他の検出設定エリア6a、6b、6cと重なるエリアであるが全ての検出設定エリア6a、6b、6cとは重ならないエリアである。
そして、本実施形態では、電波発信源8が上記全ての検出設定エリア6a、6b、6cが全て重なる無方向存在判定エリアAに出来るだけ存在するように追従させる。
ここで、本実施形態では、上述の通り、各無線通信手段Q毎の基準通信距離L0を全て同じ値とする場合を例示している。このため、図3に示すように、複数の無線通信手段Qの中心Gに対し対称に判別判定エリアを配置出来る。
ここで、本実施形態では、上述の通り、各無線通信手段Q毎の基準通信距離L0を全て同じ値とする場合を例示している。このため、図3に示すように、複数の無線通信手段Qの中心Gに対し対称に判別判定エリアを配置出来る。
この各無線通信手段Q毎の基準通信距離L0は等しくする必要は無い。例えば、車両1の進行方向後方に位置する無線通信手段Qの基準通信距離L0を相対的に大きく設定しても良い。この場合には、車両1前方側の判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3を相対的に小さい領域に設定出来る。すなわち、電波発信源8が車両1前方側に位置する場合が多い場合には、電波発信源8の位置の特定が良い小さな領域とすることが出来る。
また、本実施形態では、無線通信手段Qが3つの場合を例示している。2つでも良い。無線通信手段Qの個数を増やすほど存在判定エリアを細分化し、判別存在判定エリアの数が増えて、より電波発信源8の位置の推定領域を狭めることが可能となる。但し、通信距離と測距誤差との関係を考慮すると余り細分化出来ない。この場合には、2以上の組に分けてエリア判定して、その両方(アンド条件)によって判断しても良い。
また、上記円の中心G点を、仮想中心G点とする。これによって、この仮想中心G点は、複数の無線通信手段Qで囲まれた平面に設定出来る。そして、平面視で、仮想中心G点と各無線通信手段Qの位置を通過する直線が、各判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に対する移動基準軸S1〜S6となる。すなわち、仮想中心G点を中心Gに6本の移動基準軸S1〜S6を設定する。各移動基準軸S1〜S6は、各判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3の左右方向中央を通過する。また、本実施形態では、仮想中心G点に対し隣り合う移動基準軸S1〜S6間の角度が、全て60度と均等な値となる。
エリア判定手段3Daは、各無線通信手段Qから電波発信源8までの相対距離Eに基づき、電波発信源8が複数の存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3のうち、どの存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に位置するか判定する。
エリア調整手段3Cは、無方向存在判定エリアAに電波発信源8が位置する場合に、上記基準通信距離L0とは異なる判定用の通信距離Lで上記存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3を再設定する。具体的には、エリア調整手段3Cは、エリア判定手段3Daの判定に基づき、電波発信源8が無方向存在判定エリアAに存在すると判定した場合には、基準通信距離L0よりも所定の変更幅だけ小さな値を判定用の通信距離Lとする。なお、エリア調整手段3Cは、エリア判定手段3Daの判定に基づき、電波発信源8が無方向存在判定エリアDに存在すると判定した場合には、基準通信距離L0よりも所定の変更幅だけ大きな値を判定用の通信距離Lとしても良い。
エリア調整手段3Cは、無方向存在判定エリアAに電波発信源8が位置する場合に、上記基準通信距離L0とは異なる判定用の通信距離Lで上記存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3を再設定する。具体的には、エリア調整手段3Cは、エリア判定手段3Daの判定に基づき、電波発信源8が無方向存在判定エリアAに存在すると判定した場合には、基準通信距離L0よりも所定の変更幅だけ小さな値を判定用の通信距離Lとする。なお、エリア調整手段3Cは、エリア判定手段3Daの判定に基づき、電波発信源8が無方向存在判定エリアDに存在すると判定した場合には、基準通信距離L0よりも所定の変更幅だけ大きな値を判定用の通信距離Lとしても良い。
なお、エリア調整手段3Cで存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3の再設定をした場合、上記エリア判定手段3Daを再作動させる。
次に、移動方向決定手段3Dは、エリア判定手段3Daによって電波発信源8が存在する判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3が判明すると、電波発信源8を有する移動目標物の存在範囲に応じて定義した目標位置に対して、移動目標物を位置させることができるような移動方向を決定する。移動方向は、上記存在範囲に応じて定義した目標位置は、電波発信源8が位置する判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に対応する上記移動基準軸S1〜S6上であって、上記判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3内の位置(図3の仮想ユーザ7A位置)である。
次に、移動方向決定手段3Dは、エリア判定手段3Daによって電波発信源8が存在する判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3が判明すると、電波発信源8を有する移動目標物の存在範囲に応じて定義した目標位置に対して、移動目標物を位置させることができるような移動方向を決定する。移動方向は、上記存在範囲に応じて定義した目標位置は、電波発信源8が位置する判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に対応する上記移動基準軸S1〜S6上であって、上記判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3内の位置(図3の仮想ユーザ7A位置)である。
また、移動指令値生成手段3Eは、移動方向決定手段3Dが推定した移動方向に応じて設定した上記目標位置に基づき、車両1が移動するような移動指令値を生成する。この移動指令値生成手段3Eは、速度・角速度生成手段3Eaを備える。
速度・角速度生成手段3Eaは、通信距離Lに応じて、直進運動の速度及び加速度の目標値、回転運動の角速度及び角加速度の目標値を設定する。
速度・角速度生成手段3Eaは、通信距離Lに応じて、直進運動の速度及び加速度の目標値、回転運動の角速度及び角加速度の目標値を設定する。
次に、上記移動制御コントローラ3の処理を、図4を参照して説明する。
ここで、説明を分かり易くするたに、電磁キーなどからなる電波発信源8を有する移動目標物としてユーザ7(人間)を想定する。また、制御する左右2輪の駆動輪を持つ車両1としてショッピングカート(従動輪を別途備えても構わない。)を想定する。そして、ショッピングセンター内において、ショッピングカートがユーザ7に追従移動するシーンを想定する。このため、常に基準通信距離L0内にユーザ7が位置することを想定する。
ここで、説明を分かり易くするたに、電磁キーなどからなる電波発信源8を有する移動目標物としてユーザ7(人間)を想定する。また、制御する左右2輪の駆動輪を持つ車両1としてショッピングカート(従動輪を別途備えても構わない。)を想定する。そして、ショッピングセンター内において、ショッピングカートがユーザ7に追従移動するシーンを想定する。このため、常に基準通信距離L0内にユーザ7が位置することを想定する。
移動制御コントローラ3は、所定のサンプリング周期毎に作動する。
まず、ステップS10にて、各無線通信手段Qからの信号に基づき、ユーザ7が有する電波発信源8から発信された電波が、3つの無線通信手段Qに到達したか否かを確認する。そして、全ての無線通信手段Qに対して、ユーザ7が有する電波発信源8から発信された電波が到達している場合には、ステップS20に移行する。
まず、ステップS10にて、各無線通信手段Qからの信号に基づき、ユーザ7が有する電波発信源8から発信された電波が、3つの無線通信手段Qに到達したか否かを確認する。そして、全ての無線通信手段Qに対して、ユーザ7が有する電波発信源8から発信された電波が到達している場合には、ステップS20に移行する。
ここで、電波発信源8は一定間隔等の予め設定した周期で電波を発信している。従って、電波の受信によって、無線通信手段Qから電波発信源8までの距離を取得することは可能である。また、各無線通信手段Qの電波の受信可能距離は、基準通信距離L0よりも大きい。
ステップS20では、各無線通信手段Qでその電波を受信して、その受信信号を距離判定用に変換した信号を取得する。
ステップS20では、各無線通信手段Qでその電波を受信して、その受信信号を距離判定用に変換した信号を取得する。
ステップS30では、各無線通信手段Qからの信号に基づき、各無線通信手段Qからユーザ7が有する電波発信源8までの相対距離Eを演算して取得する。ここで、取得した各相対距離Eには、測定する際に生じる測距誤差を含む。従って、複数回、取得した相対距離Eの値を平均化することによって、より確からしい電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eを取得することが好ましい。
ここで、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eを取得する方法としては、大きく分けて、2つの方法がある。1つの方法は電波の強度によって相対距離Eを推定する方法である。他の方法は、電波の到達時間を利用した方法である。前者(電波の強度)による方法は、比較的簡単な装置で電波発信源8と車両1との相対距離Eを測定できるものの、障害物の影響を受けやすい。この結果、大きな誤差を含む場合があり、高い精度の相対距離Eを求めることが困難である。それに対して、後者(電波の到達時間)による方法は、電波を受信することさえ可能であれば、相対距離Eを測定することが可能である。また、後者による方法は、比較的高い精度の相対距離Eを求めることが可能である。ここでは、そのどちらの方法を用いても良いものとする。
次に、ステップS40にて、変数iに1を設定してステップS50に移行する。この変数iの値は、各無線通信手段Qの番号に対応する。なお、図4の処理では、無線通信手段Qの個数が3つに限定せず無線通信手段Qの数をNとして、汎用性を持たせて説明している。
ステップS50では、電波発信源8と無線通信手段Q(i)との相対距離Eが、無線通信手段Q(i)における通信距離Lよりも小さいか否かを判定する。ここで、通信距離Lは初期値として基準通信距離L0の値となっている。無線通信手段Q(i)との相対距離Eが通信距離L以下の場合にはステップS60に移行する。一方、無線通信手段Q(i)との相対距離Eが通信距離Lよりも大きい場合にはステップS70に移行する。
ステップS50では、電波発信源8と無線通信手段Q(i)との相対距離Eが、無線通信手段Q(i)における通信距離Lよりも小さいか否かを判定する。ここで、通信距離Lは初期値として基準通信距離L0の値となっている。無線通信手段Q(i)との相対距離Eが通信距離L以下の場合にはステップS60に移行する。一方、無線通信手段Q(i)との相対距離Eが通信距離Lよりも大きい場合にはステップS70に移行する。
ステップS60では、Flag(i)=1と設定してステップS80に移行する。また、ステップS70では、Flag(i)=0と設定してステップS80に移行する。
ステップS80では、変数iを1カウントアップしてステップS90に移行する。
ステップS90では、変数iがNより大きくなったか否かを判定する。変数iがN以下の場合にはステップS50に戻る。一方、変数iがNより大きくなった場合には、ステップS100に移行する。
ステップS80では、変数iを1カウントアップしてステップS90に移行する。
ステップS90では、変数iがNより大きくなったか否かを判定する。変数iがN以下の場合にはステップS50に戻る。一方、変数iがNより大きくなった場合には、ステップS100に移行する。
すなわち、上記ステップS50〜S70の処理を無線通信手段Qの個数分、すなわち、本実施形態では3回繰り返してステップS100に移行する。
ステップS100では、電波発信源8を有するユーザ7が位置する存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3を取得する。ここで、上記Flag(i)(:i=1〜3)は、どの存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3内にユーザ7が存在しているかを認識するための情報である。例えば、図3の例においては、
Flag(1)=0
Flag(2)=1
Flag(3)=0
となり、現状では、ユーザ7が存在判定エリアB−1に存在していることを認識することが可能である。
ステップS100では、電波発信源8を有するユーザ7が位置する存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3を取得する。ここで、上記Flag(i)(:i=1〜3)は、どの存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3内にユーザ7が存在しているかを認識するための情報である。例えば、図3の例においては、
Flag(1)=0
Flag(2)=1
Flag(3)=0
となり、現状では、ユーザ7が存在判定エリアB−1に存在していることを認識することが可能である。
次に、ステップS110では、取得した存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3が、無方向存在判定エリアAか否かを判定する。無方向存在判定エリアAを移動目標エリアAとも呼称する。
取得した存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3が移動目標エリアAの場合には、ステップS120に移行する。一方、取得した存在判定エリアが移動目標エリアAでない場合には、ステップS140に移行する。
取得した存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3が移動目標エリアAの場合には、ステップS120に移行する。一方、取得した存在判定エリアが移動目標エリアAでない場合には、ステップS140に移行する。
ここで、取得した存在判定エリアが無方向存在判定エリアDの場合においても、ユーザ7の向きが分からない。ユーザ7との距離が基準通信距離L0よりも離れる可能性がある場合には、判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に電波発信源8が位置するまで、通信距離Lが大きくなるように設定変更する処理を実行しても良い。この処理は、下記のステップS120及びS130の処理と同様な処理を行えば良い。
ステップS120では、各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更幅を決定して、ステップS130に移行する。この変更幅を決定処理については後述する。
ステップS130では、この変更幅に基づき、各無線通信手段Qにおける通信距離Lを再設定する。また変数iを1に初期化する。その後に、ステップS50に移行する。本実施形態では、現在の各通信距離Lから変更幅だけ減じた通信距離Lに再設定する。この再設定した通信距離Lが判定用の通信距離Lとなる。
ステップS130では、この変更幅に基づき、各無線通信手段Qにおける通信距離Lを再設定する。また変数iを1に初期化する。その後に、ステップS50に移行する。本実施形態では、現在の各通信距離Lから変更幅だけ減じた通信距離Lに再設定する。この再設定した通信距離Lが判定用の通信距離Lとなる。
このステップS120及びS130の処理に移行した場合には、ステップS50〜S90の処理を繰り返すことになる。これによって、ユーザ7の存在範囲が移動目標エリアAと一致しなくなるまで、通信距離Lを再設定する。この結果、電波発信源8と各無線通信手段Qにおける相対距離Eと、各無線通信手段Qにおける再設定した通信距離Lとの比較を実施することで、ユーザ7の存在範囲の絞込みを行うことが出来る。
この絞り込みを実行する場合には、電波発信源8と車両1との相対距離Eが比較的短い。このため、測距誤差による影響も小さい。従って、各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更幅を小さくして、ユーザ7存在範囲の絞込みをして、より精度の高い追従移動を行うことが可能である。
また、ステップS110で現在のユーザ7位置が移動目標エリアAと一致しない、つまりユーザ7の位置が判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に位置するようになったらステップS140に移行する。
また、ステップS110で現在のユーザ7位置が移動目標エリアAと一致しない、つまりユーザ7の位置が判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に位置するようになったらステップS140に移行する。
ステップS140では、Flag(i)(:i=1〜3)に基づき、Flag(i)=1の単位ベクトルを取得し、取得した単位ベクトルを合成して生成された移動すべき方向を満足する直進運動の速度、及び加速度の目標値を生成する。また、回転運動が必要な場合に、そのための角速度及び角加速度の目標値を生成する。続けて、ステップS150にて、上記目標値に応じた駆動信号をモータ5に出力する。また、通信距離Lを基準通信距離L0に戻す。その後、終了する。
なお、通信距離Lを基準通信距離L0に戻さない場合には、エリア判定手段3Daの判定に基づき通信距離を大きくする処理も行うようにすればよい。
ここで、車輪4の駆動力をモータ5で供給して車両1を移動させる場合、電波発信源8と各無線通信手段Qにおける相対距離Eの算出タイミング(サンプリング時間)よりも、モータ5の時定数を大きくしておくと良い。この場合、結果的に、電波発信源8と各無線通信手段Qにおける相対距離Eの平均化を毎回行っているのと同等の処理が行われていることになる。
ここで、車輪4の駆動力をモータ5で供給して車両1を移動させる場合、電波発信源8と各無線通信手段Qにおける相対距離Eの算出タイミング(サンプリング時間)よりも、モータ5の時定数を大きくしておくと良い。この場合、結果的に、電波発信源8と各無線通信手段Qにおける相対距離Eの平均化を毎回行っているのと同等の処理が行われていることになる。
次に、上記ステップS120の処理における、各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更幅の決定方法について説明する。
通信距離Lの変更幅の決定方法としては、以下の3つの方法のいずれかを採用する。若しくはその3つの方法のうちの、2つ若しくは3つの方法の各条件を満足する値に変更幅を決定する。
通信距離Lの変更幅の決定方法としては、以下の3つの方法のいずれかを採用する。若しくはその3つの方法のうちの、2つ若しくは3つの方法の各条件を満足する値に変更幅を決定する。
(1)第1の変更幅の決定方法
1つ目の方法は、ユーザ7の移動速度を推定し、通信距離Lの変更幅を決定する方法である。
この場合、エリア調整手段3Cは、車両1に対する電波発信源8を有するユーザ7の移動速度を推定する移動速度推定手段3Caを備える。そして、上記推定した移動速度に応じて変更幅を設定する。具体的には、推定した移動速度が大きいほど変更幅が大きくなるように設定する。
1つ目の方法は、ユーザ7の移動速度を推定し、通信距離Lの変更幅を決定する方法である。
この場合、エリア調整手段3Cは、車両1に対する電波発信源8を有するユーザ7の移動速度を推定する移動速度推定手段3Caを備える。そして、上記推定した移動速度に応じて変更幅を設定する。具体的には、推定した移動速度が大きいほど変更幅が大きくなるように設定する。
移動速度推定手段3Caは、ユーザ7が位置する存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3の遷移の変化速度を利用することによって、ユーザ7の移動速度を推定することが可能である。すなわち、エリア遷移の変化が早いほど、ユーザ7の移動速度が速いと推定できる。または、各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更速度に基づき、ユーザ7の移動速度を推定しても良い。
ここで、推定したユーザ7の移動速度は、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eを測定するサンプリング時間(単位時間)当たりのユーザ7の移動距離となる。従って、その移動距離よりも大きな値を各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更幅として決定する。このように決定した場合、計算負荷を抑制することが可能である。
ここで、推定したユーザ7の移動速度は、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eを測定するサンプリング時間(単位時間)当たりのユーザ7の移動距離となる。従って、その移動距離よりも大きな値を各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更幅として決定する。このように決定した場合、計算負荷を抑制することが可能である。
(2)第2の変更幅の決定方法
2つ目の方法は、電波発信源8と各無線通信手段Qとの取得した相対距離Eに含まれる測距誤差の標準偏差、もしくは、測距誤差の最大値を通信距離Lの変更幅として決定する方法である。
無線通信による距離の取得には、必ず、測定結果に測距誤差を含む。したがって、測距誤差よりも小さい変更幅で通信距離Lを変更したとしても、測距誤差の影響が大きいため、意味のある通信距離変更をしたとは限らない。
これに鑑み、測距誤差よりも大きい値を変更幅として選択して決定する。例えば、測距誤差に所定の余裕代分を加算した値を変更幅として選択して決定する。この変更幅で通信距離Lを変更することで、測距誤差の影響に依存しない意味のある通信距離変更を行うことが可能である。
2つ目の方法は、電波発信源8と各無線通信手段Qとの取得した相対距離Eに含まれる測距誤差の標準偏差、もしくは、測距誤差の最大値を通信距離Lの変更幅として決定する方法である。
無線通信による距離の取得には、必ず、測定結果に測距誤差を含む。したがって、測距誤差よりも小さい変更幅で通信距離Lを変更したとしても、測距誤差の影響が大きいため、意味のある通信距離変更をしたとは限らない。
これに鑑み、測距誤差よりも大きい値を変更幅として選択して決定する。例えば、測距誤差に所定の余裕代分を加算した値を変更幅として選択して決定する。この変更幅で通信距離Lを変更することで、測距誤差の影響に依存しない意味のある通信距離変更を行うことが可能である。
ここで、通信距離Lを小さくするほど、ユーザ7の存在範囲を絞り込むことが可能である。しかし、前述の通り、電波発信源8と各無線通信手段Qとの取得した相対距離Eには測距誤差が含まれている。従って、通信距離Lは、測距誤差の標準偏差と車両サイズを足したもの、もしくは、測距誤差の最大値と車両1サイズを足したものを下回らないように設定する必要がある。つまり、ユーザ7と車両1との相対距離Eにマージンを設ける必要がある。例えば、車両1のサイズを0.5[m]×0.5[m]とし、測距誤差(平均:0[m]、標準偏差:0.2[m])を考慮した通信距離Lの遷移としては、以下のようになる。
初期状態: 2.0[m]
1回目の通信距離変更時: 1.8[m]
2回目の通信距離変更時: 1.6[m]
3回目の通信距離変更時: 1.4[m]
・
・
・
5回目の通信距離変更時: 1.0[m]
6回目の通信距離変更時: 0.8[m]
初期状態: 2.0[m]
1回目の通信距離変更時: 1.8[m]
2回目の通信距離変更時: 1.6[m]
3回目の通信距離変更時: 1.4[m]
・
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・
5回目の通信距離変更時: 1.0[m]
6回目の通信距離変更時: 0.8[m]
(3)第3の変更幅の決定方法
3つめの方法は、通信距離Lを設定変更した後の各無線通信手段Qによる全ての検出設定エリア6a、6b、6cで覆うことが可能なエリア内に、通信距離Lを変更する前の移動目標エリアAが収まる範囲で、各無線通信手段Qにおける判定用の通信距離Lを設定変更する。
例えば、図5に示すように、現在の通信距離L0による、対象とする無線通信手段Qの検出設定エリア6cを確定する円と、隣り合う他の無線通信手段Qの検出設定エリア6bを確定する円との交点Rを検出する。そして、対象とする無線通信手段Qと交点Eとを結ぶ直線と、残りの無線通信手段Qの検出設定エリア6aを確定する円との交点までの距離を、設定変更後の通信距離Lとなるように変更幅を設定する。
3つめの方法は、通信距離Lを設定変更した後の各無線通信手段Qによる全ての検出設定エリア6a、6b、6cで覆うことが可能なエリア内に、通信距離Lを変更する前の移動目標エリアAが収まる範囲で、各無線通信手段Qにおける判定用の通信距離Lを設定変更する。
例えば、図5に示すように、現在の通信距離L0による、対象とする無線通信手段Qの検出設定エリア6cを確定する円と、隣り合う他の無線通信手段Qの検出設定エリア6bを確定する円との交点Rを検出する。そして、対象とする無線通信手段Qと交点Eとを結ぶ直線と、残りの無線通信手段Qの検出設定エリア6aを確定する円との交点までの距離を、設定変更後の通信距離Lとなるように変更幅を設定する。
次に、ステップS140、ステップS150の処理の処理について説明する。
図3に示すように、上記仮想中心G点を通過する6本の移動基準軸S1〜S6は、ユーザ7に対して車両1が追従する際に移動すべき方向として利用する軸である。本実施形態では、2本の移動基準軸S1〜S6毎に点対称となっているので、実際には、3本の軸S1、S5、S3を使用すればよい。その3本の軸S1、S5、S3に対し、正方向を、各無線通信手段Qから仮想中心G点を見た向きに定義する。そして、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eが、各無線通信手段Qの現在の通信距離Lよりも大きくなる場合に、車両1が移動すべき方向として、各移動基準軸S1〜S6の正方向の単位ベクトルを提示する。ここで、車両1の進行方向を仮想X軸とし、その左右方向を仮想Y軸とする。そして、本実施形態においては、上記で示した車両1の移動すべき方向(移動単位ベクトル)を合成することによって、60度間隔でのユーザ7への追従する方向が設定出来る。
図3に示すように、上記仮想中心G点を通過する6本の移動基準軸S1〜S6は、ユーザ7に対して車両1が追従する際に移動すべき方向として利用する軸である。本実施形態では、2本の移動基準軸S1〜S6毎に点対称となっているので、実際には、3本の軸S1、S5、S3を使用すればよい。その3本の軸S1、S5、S3に対し、正方向を、各無線通信手段Qから仮想中心G点を見た向きに定義する。そして、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eが、各無線通信手段Qの現在の通信距離Lよりも大きくなる場合に、車両1が移動すべき方向として、各移動基準軸S1〜S6の正方向の単位ベクトルを提示する。ここで、車両1の進行方向を仮想X軸とし、その左右方向を仮想Y軸とする。そして、本実施形態においては、上記で示した車両1の移動すべき方向(移動単位ベクトル)を合成することによって、60度間隔でのユーザ7への追従する方向が設定出来る。
例えば、図3のように、電波発信源8を有するユーザ7が判別可能存在判定エリアB−1にいる場合には、判別可能存在判定エリアB−1に対応する移動基準軸S2上である。そして、判別可能存在判定エリアB−1内の位置に仮想ユーザ7Aを設定する。このとき、判別可能存在判定エリアB−1は、2つの無線通信手段Q(1)、Q(3)による基準通信距離L0より大きいエリアであるので、2つの無線通信手段Q(1)、Q(3)の軸S1、S3に対してそれぞれ単位ベクトルが発生する。そして、その2つの単位ベクトルを合成することで、上記判別可能存在判定B−1内の仮想ユーザ7Aの方向に向かう単位ベクトルを得る。判別可能存在判定エリアC−1にユーザ7がいる場合には、判別可能存在判定エリアC−1に向かう軸S3の方向にだけ単位ベクトルが発生し、その単位ベクトル自体が仮想ユーザ7A方向に向かう単位ベクトルとなる。
これによって、電波発信源8を有するユーザ7が車両1周囲のどの範囲にいても、ユーザ7に対して、車両1が正しく追従させる向きの方向を設定出来る。
すなわち、ステップS140の処理は、例えば次のように実施する。
先ず、Flag(i)に基づき、現在の検出設定エリア6a、6b、6cうち、ユーザ7(電波発信源8)が存在しないと判定した無線通信手段Q(i)に対応する軸上に対し、単位ベクトルを設定する。
すなわち、ステップS140の処理は、例えば次のように実施する。
先ず、Flag(i)に基づき、現在の検出設定エリア6a、6b、6cうち、ユーザ7(電波発信源8)が存在しないと判定した無線通信手段Q(i)に対応する軸上に対し、単位ベクトルを設定する。
次に、設定した単位ベクトルが複数存在するか否かを判定する。単位ベクトルが複数存在する場合には、その複数の単位ベクトルを合成する。その合成による合成ベクトルを車両1の移動方向に設定する。設定した単位ベクトルが1つの場合に、設定した1つの単位ベクトルを車両1の移動方向に設定する。
更に、その設定した車両1の移動方向上に、仮想ユーザ7Aを設定して、車両1が仮想ユーザ7Aに向かって移動するように、移動方向のデータを生成する。通信距離Lによって速度の目標値を設定することで、仮想ユーザ7Aを目標位置としている。
更に、その設定した車両1の移動方向上に、仮想ユーザ7Aを設定して、車両1が仮想ユーザ7Aに向かって移動するように、移動方向のデータを生成する。通信距離Lによって速度の目標値を設定することで、仮想ユーザ7Aを目標位置としている。
ステップ150の処理は、例えば次のように実施する。
まず、ステップS140が生成した移動方向のデータと、現在の車両1の進行方向とが一致しているか否かを判定する。生成した移動方向と、現在の車両1の進行方向とが一致していない場合には、生成した移動方向と、車両1の進行方向とを一致させるために、車両1を回転させる回転指令値を設定する。本実施形態では、60度の倍数で回転すべき角度を設定すればよい。
まず、ステップS140が生成した移動方向のデータと、現在の車両1の進行方向とが一致しているか否かを判定する。生成した移動方向と、現在の車両1の進行方向とが一致していない場合には、生成した移動方向と、車両1の進行方向とを一致させるために、車両1を回転させる回転指令値を設定する。本実施形態では、60度の倍数で回転すべき角度を設定すればよい。
また、速度・角速度生成手段3Eaが、図6に基づき、電波発信源8までの距離に応じて、車両1の直進速度及びその加速度、回転変位させるための角速度及びその角加速度の各目標値を設定する。通信距離Lを、電波発信源8までの距離とすれば良い。なお、図6では、基準通信距離L0が2mの場合の例である。
本実施形態では、直進運動の速度の目標値は、通信距離Lが所定接近値L1(=0.5m)以下では0に設定する。更に、直進運動の速度の目標値を、その所定接近値L1から基準通信距離L0に向けて通信距離Lが大きくなるほど、徐々に大きくなるように設定する。
本実施形態では、直進運動の速度の目標値は、通信距離Lが所定接近値L1(=0.5m)以下では0に設定する。更に、直進運動の速度の目標値を、その所定接近値L1から基準通信距離L0に向けて通信距離Lが大きくなるほど、徐々に大きくなるように設定する。
また、上記加速度の目標値は、通信距離Lが所定接近値L1(=0.5m)以下では0に設定する。更に、上記加速度の目標値は、基準通信距離L0よりも小さい第1通信距離L2に向けて通信距離Lが大きくなるほど大きく設定すると共に、第1通信距離L2よりも大きくなるほど小さく設定する。すなわち、加速度の目標値の最大値を、基準通信距離L0の場合よりも通信距離Lが小さい位置に設定する。
また、角速度及び角加速度の目標値は、通信距離Lが所定接近値L1(=0.5m)よりも小さい距離でゼロとなり、その距離よりも通信距離Lが大きく等ほど大きくなるように設定する。すなわち、角度速度の目標値は、電波発信源8までの距離に基づき設定し、基準通信距離L0での角速度よりも、当該基準通信距離L0よりも小さい通信距離L2での角速度の方が小さく設定する。所定接近値L1よりも小さい距離とは、0mでも良いが、例えば車両1の回転半径に設定する。
このように、目標値を設定すると、通信距離Lを変更した結果、その値が0.5[m]になった場合、速度を0[m/s]に設定するとともに、角速度として、単位時間に指定した角度だけ回転するような値を設定する。このような制御を行うことによって、ユーザ7と車両1との相対距離Eが短い場合には、回転動作のみを行うことになり、ユーザ7に対する追従性が向上する。
また、通信距離Lが基準通信距離L0である2.0[m]となり、ユーザ7と車両1が離れている場合には、加速度を低くすることで、回転運動を重視する。この結果、角度方向におけるユーザ7への追従性を向上する。これは、速度及び角速度ともに大きい場合には、目標とする回転角よりも大きく回転するおそれがある。これを抑制するため、回転運動を優先させている。
また、基準通信距離L0も小さい場合には、加速度を大きくすることで、直進運動側を重視する。すなわち、まず距離を詰める移動を優先する。なお通信距離Lが小さい場合には測定誤差は小さい。
また、基準通信距離L0も小さい場合には、加速度を大きくすることで、直進運動側を重視する。すなわち、まず距離を詰める移動を優先する。なお通信距離Lが小さい場合には測定誤差は小さい。
以上のように、現在の通信距離Lに応じて設定した直進速度及びその加速度、回転変位させるための角速度及びその角加速度の各目標値となるように、インホイールモータ5に、駆動指令信号を送信する。この結果、車両1を進行方向に向かって移動させる。
ここで、車両1に設けられた一対の駆動輪4の差動を利用して、直進および回転を行うことができる。あるいは、車両1が、転舵輪を有する車両1の場合には、転舵輪を左右に切ることで、車両1の向きを変えることができるため、車両1を回転させる方法に変えて、転舵輪を左右に切る方法を採用すれば良い。
ここで、車両1に設けられた一対の駆動輪4の差動を利用して、直進および回転を行うことができる。あるいは、車両1が、転舵輪を有する車両1の場合には、転舵輪を左右に切ることで、車両1の向きを変えることができるため、車両1を回転させる方法に変えて、転舵輪を左右に切る方法を採用すれば良い。
(動作・作用)
図7に記載したシーンにしたがって、具体的な動作を説明する。
現時点におけるユーザ7の位置が存在判定エリアB−1内であることが、3つの無線通信手段Qによる測距結果から分かっているとする(図7(a))。実際には、ユーザ7(電波発信源8)の位置が図7内で示した位置(存在判定エリアB−1内の右隅)であっても、測距結果には測距誤差が含まれているため、ユーザ7の正確な位置を判定することができない。そのため、仮想ユーザ7A位置を前述で定義した軸上における目標点とする。その際、ユーザ7が有する電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eは、無線通信手段Q(1)と無線通信手段Q(3)における通信距離Lより大きい。このため、上述のように2つの単位ベクトルを生成し、それらを合成することで、移動すべき方向(軸S2上)を決定する。この移動すべき方向を実現すべく、車両1としては、右に60度回転しながら直進する動作(図7(b))、さらに軸に沿っての直視運動を行う(図7(c))。この結果、仮想ユーザ7A位置への移動を行い、ユーザ7への追従動作を可能にする。
図7に記載したシーンにしたがって、具体的な動作を説明する。
現時点におけるユーザ7の位置が存在判定エリアB−1内であることが、3つの無線通信手段Qによる測距結果から分かっているとする(図7(a))。実際には、ユーザ7(電波発信源8)の位置が図7内で示した位置(存在判定エリアB−1内の右隅)であっても、測距結果には測距誤差が含まれているため、ユーザ7の正確な位置を判定することができない。そのため、仮想ユーザ7A位置を前述で定義した軸上における目標点とする。その際、ユーザ7が有する電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eは、無線通信手段Q(1)と無線通信手段Q(3)における通信距離Lより大きい。このため、上述のように2つの単位ベクトルを生成し、それらを合成することで、移動すべき方向(軸S2上)を決定する。この移動すべき方向を実現すべく、車両1としては、右に60度回転しながら直進する動作(図7(b))、さらに軸に沿っての直視運動を行う(図7(c))。この結果、仮想ユーザ7A位置への移動を行い、ユーザ7への追従動作を可能にする。
このとき、ユーザ7の存在範囲が存在する存在判定エリアの関係から、車両1が移動目標物への追従の際に必要となる速度と加速度の目標値、及び角速度と角加速度の目標値を生成し、車両1を移動させる動作に対応する。
ここで、認識されたユーザ7の存在範囲が、図7(d)のように、移動目標エリアAと一致した場合には、ユーザ7と車両1との相対距離Eが比較的短くなり、測距誤差による影響も小さい。このため、各無線通信手段Qにおける通信距離Lを小さくして、ユーザ7存在範囲の絞込みをして、より精度の高い追従移動を行う。
ここで、認識されたユーザ7の存在範囲が、図7(d)のように、移動目標エリアAと一致した場合には、ユーザ7と車両1との相対距離Eが比較的短くなり、測距誤差による影響も小さい。このため、各無線通信手段Qにおける通信距離Lを小さくして、ユーザ7存在範囲の絞込みをして、より精度の高い追従移動を行う。
このとき、まず、各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更幅を決定し(S120)、各無線通信手段Qにおける通信距離Lを再設定する(S130)。これを、図8のように、ユーザ7存在範囲が移動目標エリアAと一致しなくなるまで、電波発信源8と各無線通信手段Qにおける相対距離Eと、各無線通信手段Qにおける再設定した通信距離Lとの比較を行うことで、ユーザ7存在範囲の絞込みを行う。
この処理は、特に、ユーザ7が低速で移動、もしくは、停止している場合に非常に有効であり、ユーザ7に対する追従動作を高精度に行うことが可能である。電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eは、測距誤差によって、測定するたびに結果が異なるといった特徴がある。そのため、このような処理を行うことによって、ユーザ7と車両1との相対距離Eを小さくして接近させることができ、次サンプリング時間におけるユーザ7のわずかな角度方向の移動に関しても、感度を高くすることができる。この結果、追従性が向上する。
この処理と並行して、各無線通信手段Qにおける現在の通信距離Lの大きさの大きさに応じて、速度、加速度等の目標値を生成する。
具体的には、上述の通り図6に沿って設定する。各無線通信手段Qにおける通信距離Lを変更した結果、その値が所定接近値L1である0.5[m]になった場合、速度を0[m/s]に設定する。また、角速度として、単位時間に指定した角度だけ回転するような値を設定する。このような制御を行うことによって、ユーザ7と車両1との相対距離Eが短い場合には、移動方向のずれに応じた回転動作のみを行うことになり、ユーザ7に対する追従性が向上する。
具体的には、上述の通り図6に沿って設定する。各無線通信手段Qにおける通信距離Lを変更した結果、その値が所定接近値L1である0.5[m]になった場合、速度を0[m/s]に設定する。また、角速度として、単位時間に指定した角度だけ回転するような値を設定する。このような制御を行うことによって、ユーザ7と車両1との相対距離Eが短い場合には、移動方向のずれに応じた回転動作のみを行うことになり、ユーザ7に対する追従性が向上する。
また、通信距離Lが2.0[m]、つまり基準通信距離L0となり、ユーザ7と車両1が離れている場合には、加速度を低くすることで、角度方向におけるユーザ7への追従性を向上する。つまり、回転運動を優先することで、目標とする回転角必要以上に回転することを抑える。
それ以外の各無線通信手段Qにおける通信距離Lの場合に関しては、通信距離Lに応じて大きくなるように、速度とその加速度、および、角速度とその加速度を定義する。
それ以外の各無線通信手段Qにおける通信距離Lの場合に関しては、通信距離Lに応じて大きくなるように、速度とその加速度、および、角速度とその加速度を定義する。
以上の動作となることで、移動目標物に対して追従性能を向上する。
ここで、車両1が移動体を構成する。
ステップS30が相対距離取得手段を構成する。ステップS100がエリア判定手段を構成する。ステップS120、S130がエリア調整手段を構成する。ステップS120は通信距離変更手段を構成する。移動指令値生成手段3Eは移動制御手段を構成する。速度・角速度生成手段3Eaは移動状態設定手段を構成する。
ここで、車両1が移動体を構成する。
ステップS30が相対距離取得手段を構成する。ステップS100がエリア判定手段を構成する。ステップS120、S130がエリア調整手段を構成する。ステップS120は通信距離変更手段を構成する。移動指令値生成手段3Eは移動制御手段を構成する。速度・角速度生成手段3Eaは移動状態設定手段を構成する。
(本実施形態の効果)
(1)複数の無線通信手段Qを、移動体に対し平面視で互いに重ならない位置に設定する。そして、相対距離取得手段3Aは、電波の受信に基づき、各無線通信手段Qから電波発信源8までの各相対距離Eを取得する。エリア設定手段3Bは、無線通信手段Q毎に基準とする通信距離L内の検出設定エリア6a、6b、6cをそれぞれ想定し、その複数の検出設定エリア6a、6b、6c及びその検出設定エリア6a、6b、6cの重なりで区分される複数の存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3、Dを設定する。エリア判定手段3Daは、上記各相対距離Eに基づき電波発信源8がどの存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3、Dに位置するか判定する。また、エリア調整手段3Cは、上記基準とする通信距離L0とは異なる判定用の通信距離Lで上記存在判定エリアを再設定する。
(1)複数の無線通信手段Qを、移動体に対し平面視で互いに重ならない位置に設定する。そして、相対距離取得手段3Aは、電波の受信に基づき、各無線通信手段Qから電波発信源8までの各相対距離Eを取得する。エリア設定手段3Bは、無線通信手段Q毎に基準とする通信距離L内の検出設定エリア6a、6b、6cをそれぞれ想定し、その複数の検出設定エリア6a、6b、6c及びその検出設定エリア6a、6b、6cの重なりで区分される複数の存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3、Dを設定する。エリア判定手段3Daは、上記各相対距離Eに基づき電波発信源8がどの存在判定エリアA、B−1〜B−3、C−1〜C−3、Dに位置するか判定する。また、エリア調整手段3Cは、上記基準とする通信距離L0とは異なる判定用の通信距離Lで上記存在判定エリアを再設定する。
各無線通信手段Qから電波発信源8までの各相対距離Eだけから、複数の存在判定エリアのどの領域に電波発信源8が位置しているか判定出来る。つまり移動体の目標とする移動方向を決定出来る。これによって、当該移動体を電波発信源8の移動に追従させることが可能となる。
またこのとき、異なる通信距離Lで設定した存在判定エリアを使用することで、たとえ移動体が電波発信源8に目標とする距離まで近づいた状態となっても、移動体に対する電波発信源8の向きを判定することが可能となる。
またこのとき、異なる通信距離Lで設定した存在判定エリアを使用することで、たとえ移動体が電波発信源8に目標とする距離まで近づいた状態となっても、移動体に対する電波発信源8の向きを判定することが可能となる。
この結果、追従性を向上した自律的な移動制御を提供することが可能となる。
なお、電波発信源8が移動体に近づいた場合には、取得する相対距離Eが比較的短く、測距誤差による影響も小さい。従って、各無線通信手段Qにおける通信距離Lを小さくして、電波発信源8の存在範囲の絞込みをすることで、より精度の高い追従移動を行う事が可能となる。
なお、電波発信源8が移動体に近づいた場合には、取得する相対距離Eが比較的短く、測距誤差による影響も小さい。従って、各無線通信手段Qにおける通信距離Lを小さくして、電波発信源8の存在範囲の絞込みをすることで、より精度の高い追従移動を行う事が可能となる。
(2)エリア判定手段3Daは、移動体に対し電波発信源8が存在する向きを判定出来ない存在判定エリアである無方向存在判定エリアA、Dに電波発信源8が位置する場合に、エリア調整手段3Cで再設定した存在判定エリアを使用する。
すなわち、基準とする通信距離L0による存在判定エリアを使用した場合に、無方向存在判定エリアAに電波発信源8が位置して、移動体が電波発信源8に接近した状態になると、そのままでは、移動体に対する電波発信源8の向きを判定出来ない。これに対し、本実施形態では、存在判定エリアを再設定することで、移動体に対する電波発信源8の向きを判定可能となる。
(3)上記無方向存在判定エリアは、各無線通信手段Qの検出設定エリア6a、6b、6cが全て重なるエリアである完全重複エリアAである。そして、通信距離変更手段は、移動体に対し電波発信源8が存在する向きを判定出来る存在判定エリアに電波発信源8が位置するまで、上記各無線通信手段Qの判定用の通信距離Lを、基準とする通信距離L0よりも小さい値に設定変更する。
すなわち、基準とする通信距離L0による存在判定エリアを使用した場合に、無方向存在判定エリアAに電波発信源8が位置して、移動体が電波発信源8に接近した状態になると、そのままでは、移動体に対する電波発信源8の向きを判定出来ない。これに対し、本実施形態では、存在判定エリアを再設定することで、移動体に対する電波発信源8の向きを判定可能となる。
(3)上記無方向存在判定エリアは、各無線通信手段Qの検出設定エリア6a、6b、6cが全て重なるエリアである完全重複エリアAである。そして、通信距離変更手段は、移動体に対し電波発信源8が存在する向きを判定出来る存在判定エリアに電波発信源8が位置するまで、上記各無線通信手段Qの判定用の通信距離Lを、基準とする通信距離L0よりも小さい値に設定変更する。
これによって、確実に移動体に対する電波発信源8の向きを判定可能となる。
すなわち、電波発信源8を有する移動目標物が移動目標エリアA内に存在していると推定された場合に、通信距離Lを段階的に小さくして、移動目標物が移動目標エリアA外に存在する状態へと遷移させる。これによって、移動目標物が本来、基準とする通信距離L0では移動目標エリアA内に存在している状態であっても、移動目標物をできるだけ車両1の前方に存在させて、次サンプリングにおける移動目標物の突発的な動きにも対応可能とすることが出来る。
すなわち、電波発信源8を有する移動目標物が移動目標エリアA内に存在していると推定された場合に、通信距離Lを段階的に小さくして、移動目標物が移動目標エリアA外に存在する状態へと遷移させる。これによって、移動目標物が本来、基準とする通信距離L0では移動目標エリアA内に存在している状態であっても、移動目標物をできるだけ車両1の前方に存在させて、次サンプリングにおける移動目標物の突発的な動きにも対応可能とすることが出来る。
(4)移動速度推定手段は、移動体に対する電波発信源8の移動速度を推定する。上記通信距離変更手段は、移動速度推定手段が推定した移動速度に応じて、各無線通信手段Qにおける判定用の通信距離Lを設定変更する際の変更幅を設定する。
推定した移動目標物の移動速度に応じて、各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更幅を決定する。これによって、各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更処理に関わる演算負荷を抑制することができる。
推定した移動目標物の移動速度に応じて、各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更幅を決定する。これによって、各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更処理に関わる演算負荷を抑制することができる。
(5)上記移動速度推定手段は、電波発信源8が位置する存在判定エリアの遷移状態、及び上記判定用の通信距離Lの変更速度の少なくとも一方から電波発信源8の移動速度を推定する。
これによって、電波発信源8の移動速度を推定可能となる。
(6)上記通信距離変更手段は、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eの取得に含まれる測距誤差の標準偏差、もしくは測距誤差の最大値以上の値を、各無線通信手段Qにおける判定用の通信距離Lを設定変更する際の変更幅として設定する。
通信距離Lの有意な変更幅よりも小さな変更幅での変更処理を行わない。このため、各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更処理に関する演算負荷を抑制することができる。
これによって、電波発信源8の移動速度を推定可能となる。
(6)上記通信距離変更手段は、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eの取得に含まれる測距誤差の標準偏差、もしくは測距誤差の最大値以上の値を、各無線通信手段Qにおける判定用の通信距離Lを設定変更する際の変更幅として設定する。
通信距離Lの有意な変更幅よりも小さな変更幅での変更処理を行わない。このため、各無線通信手段Qにおける通信距離Lの変更処理に関する演算負荷を抑制することができる。
(7)また、各無線通信手段Qにおける通信距離Lとして、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eに含まれる測距誤差の標準偏差、もしくは、測距誤差の最大値を下回らないように設定する。
この結果、測距誤差の影響による移動目標物と車両1との衝突を防ぐことができる。
(8)上記通信距離変更手段は、通信距離Lを変更した後の各無線通信手段Qによる全ての検出設定エリア6a、6b、6cで覆うことが可能なエリア内に、通信距離Lを変更する前の完全重複エリアが収まる範囲で、各無線通信手段Qにおける判定用の通信距離Lを設定変更する際の変更幅を設定する。
これによって、通信距離Lを小さく再設定しても、確実に電波発信源8をエリア内に位置させることが出来る。
この結果、測距誤差の影響による移動目標物と車両1との衝突を防ぐことができる。
(8)上記通信距離変更手段は、通信距離Lを変更した後の各無線通信手段Qによる全ての検出設定エリア6a、6b、6cで覆うことが可能なエリア内に、通信距離Lを変更する前の完全重複エリアが収まる範囲で、各無線通信手段Qにおける判定用の通信距離Lを設定変更する際の変更幅を設定する。
これによって、通信距離Lを小さく再設定しても、確実に電波発信源8をエリア内に位置させることが出来る。
(9)上記複数の無線通信手段Qを、平面視で同一の円上に配置すると共に、円周方向で隣り合う無線通信手段Q間の距離を等しく設定する。
無線通信手段Qを正多角形、もしくは、2辺の長さが等しい多角形の形状に設置する。従って、移動方向を等間隔、もしくは、ある方向の分解能を高く設定することができる。
なお、各無線通信手段Qを各辺の長さが最大になるように設置することで、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eの差異を大きく取れる。このため、ユーザ7の存在エリアをより正しく推定することができる。
無線通信手段Qを正多角形、もしくは、2辺の長さが等しい多角形の形状に設置する。従って、移動方向を等間隔、もしくは、ある方向の分解能を高く設定することができる。
なお、各無線通信手段Qを各辺の長さが最大になるように設置することで、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eの差異を大きく取れる。このため、ユーザ7の存在エリアをより正しく推定することができる。
(10)各無線通信手段の通信距離の最小値は、電波発信源と対応する無線通信手段との相対距離に含まれる測距誤差の標準偏差、若しくは、測距誤差の最大値以上とする。
これによって、通信距離を小さく設定変更しても、移動体と目標移動体との干渉を回避可能となる。
(11)移動制御手段は、上記移動方向判定手段の判定に基づき、移動体の進行方向を上記電波発信源8の位置する方向に向くように移動体の直進運動及び回転運動を制御する。
判定した移動の方向に移動体の向きを変更可能となる。
これによって、通信距離を小さく設定変更しても、移動体と目標移動体との干渉を回避可能となる。
(11)移動制御手段は、上記移動方向判定手段の判定に基づき、移動体の進行方向を上記電波発信源8の位置する方向に向くように移動体の直進運動及び回転運動を制御する。
判定した移動の方向に移動体の向きを変更可能となる。
(12)平面視において、上記複数の無線通信手段Qで囲まれる平面内に仮想中心G点を設定し、上記基準とする通信距離L0によって区分した存在判定エリアのうち、移動体に対し電波発信源8の存在する向きを判定出来る存在判定エリアに向けて上記仮想中心G点を通過する仮想の移動基準軸S1〜S6を設定しておく。そして、上記移動制御手段は、上記移動方向判定手段の判定に基づき判定された存在判定エリアに対応する仮想の移動基準軸S1〜S6方向に向かうように、移動体の移動すべき方向を設定する。
各判別可能な存在判定エリア毎に、向きを変更する際の基準となる軸を設定する。これによって、簡易な演算で、電波発信源8の向きに移動体を向けることが出来る。
各判別可能な存在判定エリア毎に、向きを変更する際の基準となる軸を設定する。これによって、簡易な演算で、電波発信源8の向きに移動体を向けることが出来る。
(13)上記移動制御手段は、電波発信源8までの距離に応じて、直進運動の速度及び回転運動の各目標値を設定する移動状態設定手段を備える。上記直進運動の速度は、電波発信源8までの距離が所定接近距離以下ではゼロとなる。
電波発信源8までの距離によって移動体の移動指令値を変更する。このため、例えば、移動目標物と移動体との相対距離Eが小さく、接近状態にある場合には、移動体の直進速度成分をゼロにしつつ、移動体の角速度成分を発生させる移動指令値を生成することが出来る。これによって、常に、移動体の前方向に移動目標物を存在させるような移動制御を行うことができる。
電波発信源8までの距離によって移動体の移動指令値を変更する。このため、例えば、移動目標物と移動体との相対距離Eが小さく、接近状態にある場合には、移動体の直進速度成分をゼロにしつつ、移動体の角速度成分を発生させる移動指令値を生成することが出来る。これによって、常に、移動体の前方向に移動目標物を存在させるような移動制御を行うことができる。
すなわち、電波発信源8に対し所定接近距離まで近づくと、直線運動が抑制できる。この結果、移動目標物との接触を回避しつつ、移動目標物が前方に来るようにすることが可能となる。
以上によって、電波発信源8の存在範囲に応じた移動体の移動指令値を生成する。これによって、移動目標物に対する追従性を向上するとともに、移動目標物に移動体が接近することによる違和感を抑制することができる。
以上によって、電波発信源8の存在範囲に応じた移動体の移動指令値を生成する。これによって、移動目標物に対する追従性を向上するとともに、移動目標物に移動体が接近することによる違和感を抑制することができる。
(14)上記移動方向判定手段が電波発信源8の向きを判別しているときの通信距離Lを、電波発信源8までの距離とする。
これによって、電波発信源8までの距離を推定出来る。
(15)上記移動状態設定手段は、上記直進運度の加速度の目標値を、電波発信源8までの距離に基づき設定し、その加速度の目標値の最大値を、基準とする通信距離L0よりも通信距離Lが小さい位置とする。また、上記回転運度の角度速度の目標値を、電波発信源8までの距離に基づき設定し、基準とする通信距離L0での値よりも、当該基準とする通信距離L0よりも小さい通信距離Lでの値の方が小さい値とする。
これによって、電波発信源8までの距離を推定出来る。
(15)上記移動状態設定手段は、上記直進運度の加速度の目標値を、電波発信源8までの距離に基づき設定し、その加速度の目標値の最大値を、基準とする通信距離L0よりも通信距離Lが小さい位置とする。また、上記回転運度の角度速度の目標値を、電波発信源8までの距離に基づき設定し、基準とする通信距離L0での値よりも、当該基準とする通信距離L0よりも小さい通信距離Lでの値の方が小さい値とする。
通信距離L(移動目標物との距離)が基準通信距離L0となり、目標移動物と移動体が離れている場合には、加速度を低くする共に角加速度を大きくする。この結果、角度方向における目標移動物への追従性を向上する。すなわち、最初に回転運動を重視し、その後に直進運動の速度が乗って行くようにする。すなわち、速度及び角速度が共に大きい場合には、目標とする回転角度よりも大きく回転変位するおそれがある。これを抑えるために、回転運動重視としている。
(16)電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eについて、過去数回分の平均値によって相対距離Eを取得する。
過去数回分の平均値をその相対距離Eとして利用する。この結果、取得した相対距離Eに対して、正規分布に準じた測距誤差が含まれる場合には、その測距誤差の影響が抑制された真の値に近い相対距離Eを得ることができる。
このとき、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離E関係によって定義される電波発信源8の存在範囲の遷移状態から推定する移動目標物の移動速度、もしくは、各無線通信手段Qにおける通信距離の変更速度から推定された移動目標物の移動速度の少なくとも1つを利用する。そして、移動目標物と各無線通信手段Qとの相対距離Eの平均値を算出するためのサンプル数を変更しても良い。
この場合、推定された移動目標物の移動速度に応じて、平均値を算出するためのサンプル数を変更する。従って、例えば、移動目標物の移動速度が遅い場合には、サンプル数を多くして測距精度を向上することができる。
過去数回分の平均値をその相対距離Eとして利用する。この結果、取得した相対距離Eに対して、正規分布に準じた測距誤差が含まれる場合には、その測距誤差の影響が抑制された真の値に近い相対距離Eを得ることができる。
このとき、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離E関係によって定義される電波発信源8の存在範囲の遷移状態から推定する移動目標物の移動速度、もしくは、各無線通信手段Qにおける通信距離の変更速度から推定された移動目標物の移動速度の少なくとも1つを利用する。そして、移動目標物と各無線通信手段Qとの相対距離Eの平均値を算出するためのサンプル数を変更しても良い。
この場合、推定された移動目標物の移動速度に応じて、平均値を算出するためのサンプル数を変更する。従って、例えば、移動目標物の移動速度が遅い場合には、サンプル数を多くして測距精度を向上することができる。
(17)車両1を移動させる駆動モータ5の収束時間(時定数)に対して、十分に小さなサンプリング時間にて、移動目標物と各無線通信手段Qとの相対距離Eを判断すると良い。
駆動モータ5の収束時間に対して、十分に小さなサンプリング時間にて、移動目標物と各無線通信手段Qとの相対距離Eを判定する。従って、もし、大きな測距誤差を含む相対距離Eを1回だけ取得したとしても、次サンプリング時間以降にて、小さな測距誤差を含む相対距離Eを取得すれば、モータ5が所定の値に収束し、測距誤差の影響を抑制した追従移動を行うことができる。
駆動モータ5の収束時間に対して、十分に小さなサンプリング時間にて、移動目標物と各無線通信手段Qとの相対距離Eを判定する。従って、もし、大きな測距誤差を含む相対距離Eを1回だけ取得したとしても、次サンプリング時間以降にて、小さな測距誤差を含む相対距離Eを取得すれば、モータ5が所定の値に収束し、測距誤差の影響を抑制した追従移動を行うことができる。
(変形例)
(1)上記実施形態では、単位ベクトルの合成によって、移動する向きを設定している。これに代えて、判定した存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に向く軸に直接単位ベクトルを設定しても良い。
(2)車両1上における各無線通信手段Qの設置場所を変更し、例えば、二等辺三角形をなすように設置しても良い。この場合には、特定方向に関する移動すべき方向として利用する軸が密になり、特定方向への移動に関する分解能を向上することができる。このように、これらの方策を組み合わせることで、使い方に合った精度を有する追従機能を実現することができる。
(1)上記実施形態では、単位ベクトルの合成によって、移動する向きを設定している。これに代えて、判定した存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に向く軸に直接単位ベクトルを設定しても良い。
(2)車両1上における各無線通信手段Qの設置場所を変更し、例えば、二等辺三角形をなすように設置しても良い。この場合には、特定方向に関する移動すべき方向として利用する軸が密になり、特定方向への移動に関する分解能を向上することができる。このように、これらの方策を組み合わせることで、使い方に合った精度を有する追従機能を実現することができる。
(3)上記無線通信手段Qは、 移動目標物が有する電波発信源8から発信された電波を受信するアンテナであり、これらで受信した電波を信号に変換するコントローラを別途実装している。
複数の場所にアンテナと無線機能とコントローラを有する無線通信手段Qを設置しなくても、複数の場所にアンテナを設置し、それを統括する形で無線機能とコントローラを設置する形態を取れる。この結果、システムの簡素化とコスト削減を図ることができる。
複数の場所にアンテナと無線機能とコントローラを有する無線通信手段Qを設置しなくても、複数の場所にアンテナを設置し、それを統括する形で無線機能とコントローラを設置する形態を取れる。この結果、システムの簡素化とコスト削減を図ることができる。
(4)上記無線通信手段Qを、車両1上において、各辺の長さが最大になるように設置する。
車両1上で可能な限り、各無線通信手段Qをできるだけ遠く離して設置する。この結果、測距誤差が大きな場合にも、電波発信源8と各無線通信手段Qとの取得する相対距離Eの差を大きくして、移動目標物の存在エリアの確からしさを向上することができる。
車両1上で可能な限り、各無線通信手段Qをできるだけ遠く離して設置する。この結果、測距誤差が大きな場合にも、電波発信源8と各無線通信手段Qとの取得する相対距離Eの差を大きくして、移動目標物の存在エリアの確からしさを向上することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様な装置などは同一の符号を付して説明する。
本発明の基本構成は、上記第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、各無線通信手段Qにおける通信距離Lを動的に再設定を実行することなく、ユーザ7への追従性を向上する技術である。
第1実施形態では、基準通信距離L0による複数の存在判定エリアのうちの無方向存在判定エリアAである移動目標エリアAに電波発信源8が位置する場合に、エリア調整手段3Cが作動して、通信距離Lを変更することで、上記存在判定エリアを再設定する場合を例示した。
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様な装置などは同一の符号を付して説明する。
本発明の基本構成は、上記第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、各無線通信手段Qにおける通信距離Lを動的に再設定を実行することなく、ユーザ7への追従性を向上する技術である。
第1実施形態では、基準通信距離L0による複数の存在判定エリアのうちの無方向存在判定エリアAである移動目標エリアAに電波発信源8が位置する場合に、エリア調整手段3Cが作動して、通信距離Lを変更することで、上記存在判定エリアを再設定する場合を例示した。
これに対し、本実施形態では、基準通信距離L0による複数の存在判定エリアの設定と共に、基準通信距離L0とは異なる判定用の通信距離Lであって、予め設定した1又は2以上の通信距離Lによる複数の存在判定エリアを同時期に再設定する。なお、各通信距離L間は、第1実施形態で説明した変更幅に基づき設定する。
本実施形態では、基準通信距離L0とは別に、(M−1)個の判定用の通信距離Lを持つ場合の例である。なお、本実施形態では、基準通信距離L0と判定用の各通信距離Lとは、実質的に扱いに違いは無い。また、本実施形態では、各通信距離L(k)は、kの値が大きいほど小さい値に設定する。
本実施形態では、基準通信距離L0とは別に、(M−1)個の判定用の通信距離Lを持つ場合の例である。なお、本実施形態では、基準通信距離L0と判定用の各通信距離Lとは、実質的に扱いに違いは無い。また、本実施形態では、各通信距離L(k)は、kの値が大きいほど小さい値に設定する。
次に、本実施形態の移動制御コントローラ3の処理について、図9を参照しつつ説明する。
ステップS10〜ステップS40、ステップS80、ステップS90、ステップS140、及びステップS150は、上記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、ステップS40の処理が終了するとステップS210に移行する。
ステップS210では、変数kに1を設定する。変数kは同時期に使用する通信距離Lの数に対応する変数である。
ステップS10〜ステップS40、ステップS80、ステップS90、ステップS140、及びステップS150は、上記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、ステップS40の処理が終了するとステップS210に移行する。
ステップS210では、変数kに1を設定する。変数kは同時期に使用する通信距離Lの数に対応する変数である。
次に、ステップS220では、相対距離E(i)が、無線通信手段Q(i)における通信距離L(k)以下か否かを判定する。相対距離E(i)が、無線通信手段Q(i)における通信距離L(k)以下の場合にはステップS230に移行する。相対距離E(i)が、無線通信手段Q(i)における通信距離L(k)よりも大きい場合にはステップS240に移行する。
ステップS230では、Flag(i、k)に1を設定して、ステップS250に移行する。
ステップS240では、Flag(i、k)に0を設定して、ステップS250に移行する。
ステップS250では、変数kを1カウントアップしてステップS260に移行する。
ステップS230では、Flag(i、k)に1を設定して、ステップS250に移行する。
ステップS240では、Flag(i、k)に0を設定して、ステップS250に移行する。
ステップS250では、変数kを1カウントアップしてステップS260に移行する。
ステップS260では、変数kがMより大きいか否かを判定する。変数kがMより大きい場合にはステップS80に移行する。変数kがM以下の場合には、ステップS220に戻る。
変数kがMより大きくなるまで上記ステップS220〜S250を繰り返す事で、1つの無線通信手段Q(i)についてM個の通信距離Lについて、その各通信距離Lによる検出設定エリア6a、6b、6cの中に電波発信源8が位置するか判定する。これによって、どの通信距離L(k)以下に相対距離Eが位置するか設定する。異なる通信距離Lの数Mとして、例えば10個、設定しておく。
変数kがMより大きくなるまで上記ステップS220〜S250を繰り返す事で、1つの無線通信手段Q(i)についてM個の通信距離Lについて、その各通信距離Lによる検出設定エリア6a、6b、6cの中に電波発信源8が位置するか判定する。これによって、どの通信距離L(k)以下に相対距離Eが位置するか設定する。異なる通信距離Lの数Mとして、例えば10個、設定しておく。
ステップS80では、変数iを1カウントアップする。
ステップS90では、変数iがNより大きいか否かを判定する。変数iがNより大きい場合には、ステップS270に移行する。一方、変数iがN以下の場合にはステップS220に移行する。
以上によって、全ての無線通信手段Qに対し、それぞれの通信距離L(k)以下に相対距離Eが位置するか設定出来る。
ステップS90では、変数iがNより大きいか否かを判定する。変数iがNより大きい場合には、ステップS270に移行する。一方、変数iがN以下の場合にはステップS220に移行する。
以上によって、全ての無線通信手段Qに対し、それぞれの通信距離L(k)以下に相対距離Eが位置するか設定出来る。
ステップS270では、Flag(i、k)の配列データに基づき、ユーザ7の位置する判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3を推定する。ユーザ7の存在している判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3が推定出来たらステップS140に移行する。
ステップS270の処理による、ユーザ7の位置する存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3の推定は、例えば次のように行う。
ステップS270の処理による、ユーザ7の位置する存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3の推定は、例えば次のように行う。
まずk=Mに設定して、i=1〜Nの全てでFlag(i、k)=1となっている無方向確認条件を満足するか否かを判定する。この無方向確認条件を満足する場合には、通信距離L(M)による存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3では、電波発信源8は無方向存在判定エリアA(移動目標エリアA、完全重複エリア)に位置すると推定出来る。
そして、上記無方向確認条件を満足しない通信距離L(k)となるまで、順に変数kを小さくしていく。この処理で上記無方向確認条件を満足しない最大の通信距離L(k)を求める。ここで、この場合の変数kをmとする。すなわち、この通信距離L(m)では、電波発信源8は判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に位置していることが推定できる。
ステップS140の処理は、上記第1実施形態と同様である。
例えば、図10に示すようなM=2の場合には、下記のように2つの通信距離Lを同時期に使用することになる。
k=1: 基準通信距離L0=2.0[m]
k=2: 判定用の通信距離L=1.2[m]
そして、例えば、Flag(i)(i=1〜3)の全てが1で無い場合には、無方向存在判定エリアDでなければ、判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に電波発信源8があることが分かる。この場合には、その判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3によって電波発信源8の方向を推定出来る。このため、Flag(i)(i=1〜3)によって特定する。
例えば、図10に示すようなM=2の場合には、下記のように2つの通信距離Lを同時期に使用することになる。
k=1: 基準通信距離L0=2.0[m]
k=2: 判定用の通信距離L=1.2[m]
そして、例えば、Flag(i)(i=1〜3)の全てが1で無い場合には、無方向存在判定エリアDでなければ、判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に電波発信源8があることが分かる。この場合には、その判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3によって電波発信源8の方向を推定出来る。このため、Flag(i)(i=1〜3)によって特定する。
一方、Flag(i)(i=1〜3)の全てが1であれば、基準通信距離L0に基づく存在判定エリアでは、電波発信源8は無方向存在判定エリアA(=移動目標エリアA)に位置する。この場合には、Flag(i、2)(i=1〜3)を使用して、電波発信源8が存在する存在判定エリアを推定する。これによって、電波発信源8の方向を推定出来る。
また、図11に示すような、通信距離Lが3つ(M=3)の場合には、例えば次のように設定する。
k=1: 2.0[m]
k=2: 1.6[m]
k=3: 1.2[m]
また、図11に示すような、通信距離Lが3つ(M=3)の場合には、例えば次のように設定する。
k=1: 2.0[m]
k=2: 1.6[m]
k=3: 1.2[m]
ただし、この例の場合には、無方向存在判定エリアA(移動目標エリアA)に関して、ユーザ7がどの範囲に存在しているのかを判定しているだけではなく、その外側のエリアに関しても、同様の処理を行っている。第1実施形態で述べたように、電波発信源8と各無線通信手段Qとの取得した相対距離Eには測距誤差が含まれているため、この例のように各無線通信手段Qにおける通信距離Lを設定しても、ユーザ7のより詳細な存在範囲を推定することができない可能性もある。そのため、図10のような各無線通信手段Qにおける通信距離Lの設定方法が、ユーザ7の存在位置を詳細に推定するための方策として効果的であると考える。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(動作作用)
本実施形態の発明は、各無線通信手段Qにおける通信距離Lをあらかじめ複数用意しておく。そして、それらの通信距離Lと、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eを比較することで、ユーザ7の存在範囲を詳細に推定する。その結果、ユーザ7に対する車両1の追従性を向上し、ユーザ7の突発的な動きにも対応することができる。
本実施形態の発明は、各無線通信手段Qにおける通信距離Lをあらかじめ複数用意しておく。そして、それらの通信距離Lと、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eを比較することで、ユーザ7の存在範囲を詳細に推定する。その結果、ユーザ7に対する車両1の追従性を向上し、ユーザ7の突発的な動きにも対応することができる。
(本実施形態の効果)
(1)エリア調整手段3Cは、エリア設定手段3Bによる存在判定エリアの設定と共に1又は2以上の判定用の通信距離Lによる各存在判定エリアの再設定を予め行う。上記エリア判定手段3Daは、複数の通信距離Lと上記各相対距離Eとを比較することで、電波発信源8の位置する存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3を特定する。
通信距離を動的に変更することなく、取得した相対距離Eを複数の通信距離Lと比較することで、電波発信源8の存在範囲を規定するエリアを特定することが出来る。
(変形例)
予め設定した通信距離でも電波発信源を判別可能存在判定エリアに遷移出来ない場合に、第1実施形態によるエリア調整を行うように設定しても良い。
(1)エリア調整手段3Cは、エリア設定手段3Bによる存在判定エリアの設定と共に1又は2以上の判定用の通信距離Lによる各存在判定エリアの再設定を予め行う。上記エリア判定手段3Daは、複数の通信距離Lと上記各相対距離Eとを比較することで、電波発信源8の位置する存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3を特定する。
通信距離を動的に変更することなく、取得した相対距離Eを複数の通信距離Lと比較することで、電波発信源8の存在範囲を規定するエリアを特定することが出来る。
(変形例)
予め設定した通信距離でも電波発信源を判別可能存在判定エリアに遷移出来ない場合に、第1実施形態によるエリア調整を行うように設定しても良い。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様な装置等については同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様である。但し、本実施形態では、図12に示すように、移動方向決定手段3Dが、エリア遷移判定手段3Dbを備える。
本実施形態では、電波発信源8と各無線通信手段Qとの取得した相対距離Eに含まれている測距誤差により、ある時間内でのユーザ7の動きとして考えられない動きが検出された場合の対応した処理を備える例である。すなわち、本実施形態の移動方向決定手段3Dは、推定した移動方向が、これまでのユーザ7の移動履歴から判定して、現在の推定したエリアが妥当か否かを判定する機能を有している。
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様な装置等については同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様である。但し、本実施形態では、図12に示すように、移動方向決定手段3Dが、エリア遷移判定手段3Dbを備える。
本実施形態では、電波発信源8と各無線通信手段Qとの取得した相対距離Eに含まれている測距誤差により、ある時間内でのユーザ7の動きとして考えられない動きが検出された場合の対応した処理を備える例である。すなわち、本実施形態の移動方向決定手段3Dは、推定した移動方向が、これまでのユーザ7の移動履歴から判定して、現在の推定したエリアが妥当か否かを判定する機能を有している。
次に、本実施形態の移動制御コントローラ3の処理について図13を参照しつつ説明する。
ステップS10〜113の処理は上記第1実施形態での処理と同様である。
ステップS110で、電波発信源8が判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に位置したと判定すると、ステップS310に移行する。
ステップS310では、1サンプリング前における電波発信源8が位置した基準存在判定エリアと、今回の処理における電波発信源8が位置した基準存在判定エリアとを比較する。
ここで、基準存在判定エリアとは、基準通信距離L0を使用して区分した存在判定エリアを示す。
ステップS10〜113の処理は上記第1実施形態での処理と同様である。
ステップS110で、電波発信源8が判別可能存在判定エリアB−1〜B−3、C−1〜C−3に位置したと判定すると、ステップS310に移行する。
ステップS310では、1サンプリング前における電波発信源8が位置した基準存在判定エリアと、今回の処理における電波発信源8が位置した基準存在判定エリアとを比較する。
ここで、基準存在判定エリアとは、基準通信距離L0を使用して区分した存在判定エリアを示す。
そして、ステップS320にて、前回からのユーザ7(電波発信源8)の遷移関係に基づき、電波発信源8の存在位置が妥当と判定した場合にはステップS140に移行する。そして、第1実施形態と同様に、ユーザ7の存在範囲を移動目標エリアAへと移動させるべく、速度と加速度の目標値を生成して、その目標値に基づき車両1を移動制御する。
そして、ステップS360にて、現在の電波発信源8が位置すると推定した基準存在判定エリアを記憶する。この記憶は、移動遷移状態を判定するために利用するためである。
そして、ステップS360にて、現在の電波発信源8が位置すると推定した基準存在判定エリアを記憶する。この記憶は、移動遷移状態を判定するために利用するためである。
一方、ステップS320にて、前回からの電波発信源8の遷移関係に基づき、電波発信源8の存在位置が妥当でないと判定した場合にはステップS330に移行する。
ステップS330では、現在の電波発信源8の存在範囲を修正するか否かを判定する。現在の電波発信源8の存在範囲を修正すると判定した場合には、ステップS340に移行する。一方、現在の電波発信源8の存在範囲を修正しないと判定した場合にはステップS350に移行する。
ステップS340では、現在の電波発信源8の存在範囲を修正した後に、ステップS140に移行する。
一方、ステップS350では、現在の電波発信源8の存在範囲の情報を破棄して、復帰する。
ステップS330では、現在の電波発信源8の存在範囲を修正するか否かを判定する。現在の電波発信源8の存在範囲を修正すると判定した場合には、ステップS340に移行する。一方、現在の電波発信源8の存在範囲を修正しないと判定した場合にはステップS350に移行する。
ステップS340では、現在の電波発信源8の存在範囲を修正した後に、ステップS140に移行する。
一方、ステップS350では、現在の電波発信源8の存在範囲の情報を破棄して、復帰する。
次に、上記ステップS320における、電波発信源8の存在範囲の妥当性を判定方法の一例について説明する。
前回の電波発信源8の位置した基準存在判定エリアと、今回の電波発信源8の位置する基準存在判定エリアとの位置関係によって、電波発信源8の存在範囲の遷移状態が正しいか否かを判定する。
電波発信源8の存在範囲の遷移状態が正しいと判定した場合には、電波発信源8と各無線通信手段Qとの取得した相対距離Eに対して、測距誤差が与える影響は小さいと考えることが出来る。図14にその例を示す。
前回の電波発信源8の位置した基準存在判定エリアと、今回の電波発信源8の位置する基準存在判定エリアとの位置関係によって、電波発信源8の存在範囲の遷移状態が正しいか否かを判定する。
電波発信源8の存在範囲の遷移状態が正しいと判定した場合には、電波発信源8と各無線通信手段Qとの取得した相対距離Eに対して、測距誤差が与える影響は小さいと考えることが出来る。図14にその例を示す。
電波発信源8の存在範囲の遷移状態が正しいと推定する場合とは、次の2パターンとする。
第1パターン:前回の電波発信源8の位置した基準存在判定エリアと、今回の電波発信源8の位置する基準存在判定エリアとが同じエリアの場合。
第2パターン:前回の電波発信源8の位置した基準存在判定エリアと、今回の電波発信源8の位置する基準存在判定エリアとが、平面視で、所定の境界線をもって連続している場合。
第1パターン:前回の電波発信源8の位置した基準存在判定エリアと、今回の電波発信源8の位置する基準存在判定エリアとが同じエリアの場合。
第2パターン:前回の電波発信源8の位置した基準存在判定エリアと、今回の電波発信源8の位置する基準存在判定エリアとが、平面視で、所定の境界線をもって連続している場合。
すなわち、第2パターンとは、次のような遷移状態である。
基準存在判定エリアA←→基準存在判定エリアC−1〜C−3
基準存在判定エリアC−1←→基準存在判定エリアB−1、B−2
基準存在判定エリアC−2←→基準存在判定エリアB−1、B−3
基準存在判定エリアC−3←→基準存在判定エリアB−2、B−3
なお、電波発信源8の存在範囲の遷移状態が正しくないと推定する場合、つまりユーザ7存在範囲の遷移状態が異常なケースとしては、上記第1パターン及び第2パターン以外である。図15にその例を示す。
基準存在判定エリアA←→基準存在判定エリアC−1〜C−3
基準存在判定エリアC−1←→基準存在判定エリアB−1、B−2
基準存在判定エリアC−2←→基準存在判定エリアB−1、B−3
基準存在判定エリアC−3←→基準存在判定エリアB−2、B−3
なお、電波発信源8の存在範囲の遷移状態が正しくないと推定する場合、つまりユーザ7存在範囲の遷移状態が異常なケースとしては、上記第1パターン及び第2パターン以外である。図15にその例を示す。
ここで、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eの測定時間は、例えば100[ms]と十分に短い。従って、移動体の1サンプリング時間内にユーザ7が移動できる移動量が十分に小さい場合には、上記第1パターン及び第2パターン以外の電波発信源8の存在範囲の遷移状態が正しくないとの推定は十分に妥当性がある。なお、電波発信源8の移動速度が早い場合には、それに応じて正しいと推定出来る遷移状態を設定すれば良い。
次に、上記ステップS340の処理における、現在のユーザ7の存在範囲を修正する方法について説明する。
すなわち1サンプリング前におけるユーザ7の存在範囲である存在判定エリアにおける左右方向中心点と、現在のユーザ7存在範囲である存在判定エリアにおける左右方向中心点との中間となる存在判定エリアの軸上に、仮想ユーザ7Aを設定する。これによって、現在のユーザ7の存在範囲を修正する。
すなわち1サンプリング前におけるユーザ7の存在範囲である存在判定エリアにおける左右方向中心点と、現在のユーザ7存在範囲である存在判定エリアにおける左右方向中心点との中間となる存在判定エリアの軸上に、仮想ユーザ7Aを設定する。これによって、現在のユーザ7の存在範囲を修正する。
これを、図16を参照して説明する。
例えば1サンプリング前における仮想ユーザ7Aを、存在判定エリアB−1として推定したとする。次のサンプリングにて、推定した現在の仮想ユーザ7は、存在判定エリアB−2とする。上述の通り1サンプリング時間内にユーザ7が移動できる移動量が十分に小さい場合、存在判定エリアB−1から存在判定エリアB−2へのユーザ7存在範囲の遷移は異常である。そして、この場合、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eが正しく測定出来たとは判定できない。
例えば1サンプリング前における仮想ユーザ7Aを、存在判定エリアB−1として推定したとする。次のサンプリングにて、推定した現在の仮想ユーザ7は、存在判定エリアB−2とする。上述の通り1サンプリング時間内にユーザ7が移動できる移動量が十分に小さい場合、存在判定エリアB−1から存在判定エリアB−2へのユーザ7存在範囲の遷移は異常である。そして、この場合、電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eが正しく測定出来たとは判定できない。
そのような場合には1サンプリング前におけるユーザ7の存在範囲である存在判定エリアB−1における中心点(軸S2)と、現在のユーザ7の存在範囲である存在判定エリアB−2における中心点(軸S6)との中間となる存在判定エリアC−1の軸(S1)上に、仮想ユーザ7Aaを設定して、車両1の移動制御を行う。
なお、上記のようなユーザ7存在範囲の遷移状態が把握された場合には、存在判定エリアB−2と存在判定エリアC−1の中間地点に、仮想ユーザ7Abを設定する方法も考えられる。この合には、30度間隔での回転運動制御が必要になる反面、ユーザ7に対する追従移動の精度を向上できる可能性がある。
なお、上記のようなユーザ7存在範囲の遷移状態が把握された場合には、存在判定エリアB−2と存在判定エリアC−1の中間地点に、仮想ユーザ7Abを設定する方法も考えられる。この合には、30度間隔での回転運動制御が必要になる反面、ユーザ7に対する追従移動の精度を向上できる可能性がある。
(動作・作用)
これまで推定した結果であるユーザ7の存在範囲の遷移状態から、ユーザ7の移動履歴を判定して、ユーザ7の存在範囲の妥当性を判定する。
すなわち1サンプリング前のユーザ7の存在範囲と、現在のユーザ7の存在範囲を比較することで(S310〜S360)、ユーザ7の移動遷移状態を把握する。この結果により、ある時間内でのユーザ7の動きとして、想定していない動きであった場合に、現在のユーザ7の存在範囲を破棄もしくは修正する。これによって、推定したユーザ7の存在範囲の確からしさを向上する。
すなわち、ユーザ7の移動遷移を考慮することによって、測定された電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eの信頼性を向上し、より精度の高いユーザ7に対する追従移動動作を行うことができる。
ここで、エリア遷移判定手段3Dbは、妥当性判定手段を構成する。
これまで推定した結果であるユーザ7の存在範囲の遷移状態から、ユーザ7の移動履歴を判定して、ユーザ7の存在範囲の妥当性を判定する。
すなわち1サンプリング前のユーザ7の存在範囲と、現在のユーザ7の存在範囲を比較することで(S310〜S360)、ユーザ7の移動遷移状態を把握する。この結果により、ある時間内でのユーザ7の動きとして、想定していない動きであった場合に、現在のユーザ7の存在範囲を破棄もしくは修正する。これによって、推定したユーザ7の存在範囲の確からしさを向上する。
すなわち、ユーザ7の移動遷移を考慮することによって、測定された電波発信源8と各無線通信手段Qとの相対距離Eの信頼性を向上し、より精度の高いユーザ7に対する追従移動動作を行うことができる。
ここで、エリア遷移判定手段3Dbは、妥当性判定手段を構成する。
(本実施形態の効果)
(1)妥当性判定手段は、上記移動方向判定手段が判定した電波発信源8の存在する存在判定エリアの遷移状態に基づき、上記移動方向判定手段が判定した電波発信源8の存在する存在判定エリアの妥当性を判定する。そして、妥当性判定手段が、想定していない存在判定エリアへの遷移と判定した場合には、そのときの上記移動方向判定手段の判定を無視する。
電波発信源8の存在範囲の遷移状態を判定して、移動目標物の動きとして想定していない遷移が行われていると推定された場合には、その時点での移動目標物の存在範囲の情報を排除する。つまり、移動制御に利用しないので、判定した移動目標物の存在範囲に関する信憑性を向上することができる。
(1)妥当性判定手段は、上記移動方向判定手段が判定した電波発信源8の存在する存在判定エリアの遷移状態に基づき、上記移動方向判定手段が判定した電波発信源8の存在する存在判定エリアの妥当性を判定する。そして、妥当性判定手段が、想定していない存在判定エリアへの遷移と判定した場合には、そのときの上記移動方向判定手段の判定を無視する。
電波発信源8の存在範囲の遷移状態を判定して、移動目標物の動きとして想定していない遷移が行われていると推定された場合には、その時点での移動目標物の存在範囲の情報を排除する。つまり、移動制御に利用しないので、判定した移動目標物の存在範囲に関する信憑性を向上することができる。
(2)妥当性判定手段が想定していない存在判定エリアへの遷移と判定した場合には、これまでの上記移動方向判定手段が判定した電波発信源8の存在する存在判定エリアの遷移情報を考慮して、電波発信源8の存在する存在判定エリアを推定する。
これまでの移動目標物存在範囲の遷移情報と、移動目標物と各無線通信手段Qとの取得した相対距離Eの測距誤差の特性を考慮して、移動目標物存在範囲を推定する。従って、移動目標物の動きとして想定していない遷移が行われていると推定された場合にも、移動制御に利用可能な移動目標物の存在範囲を生成することができる。
(変形例)
(1)通信距離の再設定は、第2実施形態の処理を採用しても良い。
これまでの移動目標物存在範囲の遷移情報と、移動目標物と各無線通信手段Qとの取得した相対距離Eの測距誤差の特性を考慮して、移動目標物存在範囲を推定する。従って、移動目標物の動きとして想定していない遷移が行われていると推定された場合にも、移動制御に利用可能な移動目標物の存在範囲を生成することができる。
(変形例)
(1)通信距離の再設定は、第2実施形態の処理を採用しても良い。
1 車両(移動体)
3 移動制御コントローラ
3A 相対距離取得手段
3B エリア設定手段
3C エリア調整手段
3Ca 移動速度推定手段
3D 移動方向決定手段
3Da エリア判定手段
3Db エリア遷移判定手段
3E 移動指令値生成手段
3Ea 速度・角速度生成手段
4 車輪
5 モータ
6a、6b、6c 検出設定エリア
7 ユーザ
7A 仮想ユーザ
8 電波発信源
A、B−1〜B−3、C−1〜C−3 存在判定エリア
A 無方向存在判定エリア(完全重複エリア)
B−1〜B−3、C−1〜C−3B 判別可能存在判定エリア
E 相対距離
G 仮想中心
L 通信距離
L0 基準通信距離
L1 所定接近値
L2 第1通信距離
Q 無線通信手段
R 交点
S1 軸
S1-S6 移動基準軸
3 移動制御コントローラ
3A 相対距離取得手段
3B エリア設定手段
3C エリア調整手段
3Ca 移動速度推定手段
3D 移動方向決定手段
3Da エリア判定手段
3Db エリア遷移判定手段
3E 移動指令値生成手段
3Ea 速度・角速度生成手段
4 車輪
5 モータ
6a、6b、6c 検出設定エリア
7 ユーザ
7A 仮想ユーザ
8 電波発信源
A、B−1〜B−3、C−1〜C−3 存在判定エリア
A 無方向存在判定エリア(完全重複エリア)
B−1〜B−3、C−1〜C−3B 判別可能存在判定エリア
E 相対距離
G 仮想中心
L 通信距離
L0 基準通信距離
L1 所定接近値
L2 第1通信距離
Q 無線通信手段
R 交点
S1 軸
S1-S6 移動基準軸
Claims (18)
- 電波発信源の位置する方向を判定する移動方向判定手段を備え、その移動方向判定手段が判定した方向に基づき移動体の移動を制御する移動制御装置であって、
上記移動方向判定手段は、
上記移動体に対し平面視で互いに重ならない位置に設定され、それぞれ上記電波発信源からの電波を受信可能な複数の無線通信手段と、
電波の受信に基づき、各無線通信手段から電波発信源までの各相対距離を取得する相対距離取得手段と、
無線通信手段毎に基準とする通信距離内の検出設定エリアをそれぞれ想定し、その複数の検出設定エリア及びその検出設定エリアの重なりで区分される複数の存在判定エリアを設定するエリア設定手段と、
上記取得した各相対距離に基づき電波発信源がどの存在判定エリアに位置するか判定するエリア判定手段と、
上記基準とする通信距離とは異なる判定用の通信距離で上記存在判定エリアを再設定するエリア調整手段と、
を備えることを特徴とする移動制御装置。 - 上記エリア判定手段は、移動体に対し電波発信源が存在する向きを判定出来ない存在判定エリアである無方向存在判定エリアに電波発信源が位置する場合に、エリア調整手段で再設定した存在判定エリアを使用することを特徴とする請求項1に記載した移動制御装置。
- 上記無方向存在判定エリアは、各無線通信手段の検出設定エリアが全て重なるエリアである完全重複エリアであり、
上記エリア調整手段は、移動体に対し電波発信源が存在する向きを判定出来る存在判定エリアに電波発信源が位置するまで、上記各無線通信手段の判定用の通信距離を、基準とする通信距離よりも小さい値に設定変更する通信距離変更手段を備えることを特徴とする請求項2に記載した移動制御装置。 - 移動体に対する電波発信源の移動速度を推定する移動速度推定手段を備え、
上記通信距離変更手段は、移動速度推定手段が推定した移動速度に応じて、各無線通信手段における判定用の通信距離を設定変更する際の変更幅を決定することを特徴とする請求項3に記載した移動制御装置。 - 上記移動速度推定手段は、電波発信源が位置する存在判定エリアの遷移状態、及び上記判定用の通信距離の変更速度の少なくとも一方から電波発信源の移動速度を推定することを特徴とする請求項4に記載した移動制御装置。
- 上記通信距離変更手段は、電波発信源と各無線通信手段との相対距離の取得に含まれる測距誤差の標準偏差、もしくは測距誤差の最大値以上の値を、各無線通信手段における判定用の通信距離を設定変更する際の変更幅として決定することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載した移動制御装置。
- 上記通信距離変更手段は、通信距離を変更した後の各無線通信手段による全ての検出設定エリアで覆うことが可能なエリア内に、通信距離を変更する前の完全重複エリアが収まる範囲で、各無線通信手段における判定用の通信距離を設定変更する際の変更幅を決定することを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載した移動制御装置。
- 上記エリア調整手段は、エリア設定手段による存在判定エリアの設定と共に、1又は2以上の判定用の通信距離による各存在判定エリアの再設定を予め行い、
上記エリア判定手段は、上記複数の通信距離と上記各相対距離とを比較することで、電波発信源の位置する存在判定エリアを特定することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した移動制御装置。 - 上記複数の無線通信手段を、平面視で同一の円上に配置すると共に、円周方向で隣り合う無線通信手段間の距離を等しく設定したことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載した移動制御装置。
- 各無線通信手段の通信距離の最小値は、電波発信源と対応する無線通信手段との相対距離に含まれる測距誤差の標準偏差、若しくは、測距誤差の最大値以上とすることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載した移動制御装置。
- 上記移動方向判定手段の判定に基づき、上記電波発信源の位置する方向に向かうに、移動体の直進運動及び回転運動を制御する移動制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載した移動制御装置。
- 上記移動制御手段は、平面視において、上記複数の無線通信手段で囲まれる平面内に仮想中心点を設定し、上記基準とする通信距離によって区分した存在判定エリアのうち、移動体に対し電波発信源の存在する向きを判定出来る存在判定エリアに向けて上記仮想中心点を通過する仮想の移動基準軸を設定しておき、
上記移動方向判定手段の判定に基づき判定された存在判定エリアに対応する仮想の移動基準軸方向に向かうように、移動体の移動すべき方向を設定することを特徴とする請求項11に記載した移動制御装置。 - 上記移動制御手段は、電波発信源までの距離に応じて、直進運動の速度及び回転運動の角速度の各目標値を設定する移動状態設定手段を備え、上記直進運動の速度は、電波発信源までの距離が所定接近距離以下ではゼロとなることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載した移動制御装置。
- 上記移動方向判定手段が電波発信源の向きを判別しているときの通信距離を、電波発信源までの距離とすることを特徴とする請求項13に記載した移動制御装置。
- 上記移動状態設定手段は、
上記直進運度の加速度の目標値を、電波発信源までの距離に基づき設定し、その加速度の目標値の最大値を、基準とする通信距離よりも通信距離が小さい位置に設定し、
上記回転運度の角度速度の目標値を、電波発信源までの距離に基づき設定し、基準とする通信距離での値よりも、当該基準とする通信距離よりも小さい通信距離での値の方が小さい値に設定することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載した移動制御装置。 - 上記移動方向判定手段が判定した電波発信源の存在する存在判定エリアの遷移状態に基づき、上記移動方向判定手段が判定した電波発信源の存在する存在判定エリアの妥当性を判定する妥当性判定手段を備え、
妥当性判定手段が、想定していない存在判定エリアへの遷移と判定した場合には、そのときの上記移動方向判定手段の判定を無視することを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載した移動制御装置。 - 妥当性判定手段が想定していない存在判定エリアへの遷移と判定した場合には、これまでの上記移動方向判定手段が判定した電波発信源の存在する存在判定エリアの遷移情報に基づき、電波発信源が
存在する存在判定エリアを推定することを特徴とする請求項16に記載した移動制御装置。 - 制御すべき移動体に対し平面視で互いに重ならない位置に複数の無線通信手段を設置し、無線通信手段毎に基準とする通信距離内の検出設定エリアをそれぞれ想定して、その複数の検出設定エリア及びその検出設定エリアの重なりで区分される複数の存在判定エリアを設定しておき、
各無線通信手段から電波発信源までの各相対距離に基づき、上記複数の存在判定エリアのいずれに電波発信源が位置するか判定し、
移動体に対し電波発信源の存在する向きを判定出来ない存在判定エリアに電波発信源が位置する場合には、上記基準とする通信距離とは異なる判定用の通信距離で再設定した上記存在判定エリアを使用して、電波発信源の位置する方向を判定し、
その判定した方向に向けて移動体を移動制御する移動制御方法。
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JP2008328527A JP2010152545A (ja) | 2008-12-24 | 2008-12-24 | 移動制御装置及び移動制御方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013138033A1 (en) * | 2012-03-16 | 2013-09-19 | Google Inc. | Actively modifying a field of view of an autonomous vehicle in view of constraints |
-
2008
- 2008-12-24 JP JP2008328527A patent/JP2010152545A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013138033A1 (en) * | 2012-03-16 | 2013-09-19 | Google Inc. | Actively modifying a field of view of an autonomous vehicle in view of constraints |
US9760092B2 (en) | 2012-03-16 | 2017-09-12 | Waymo Llc | Actively modifying a field of view of an autonomous vehicle in view of constraints |
US10466712B2 (en) | 2012-03-16 | 2019-11-05 | Waymo Llc | Actively modifying a field of view of an autonomous vehicle in view of constraints |
US11294390B2 (en) | 2012-03-16 | 2022-04-05 | Waymo Llc | Actively modifying a field of view of an autonomous vehicle in view of constraints |
US11507102B2 (en) | 2012-03-16 | 2022-11-22 | Waymo Llc | Actively modifying a field of view of an autonomous vehicle in view of constraints |
US11829152B2 (en) | 2012-03-16 | 2023-11-28 | Waymo Llc | Actively modifying a field of view of an autonomous vehicle in view of constraints |
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