JP2010150876A - 膨張袋体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】袋部2の開口を外側から塞ぐ第一の鋼板3と、袋部2の内側に袋口に沿って配設された第二の鋼板4とで袋部2の袋口を挟んで封止し膨張袋体1を形成する。袋部2は、袋状に形成された超高強力ポリエチレン繊維袋6が袋状に形成されたポリウレタン袋7の外側を覆う二重構造である。第一の鋼板3には袋部2内部の空気の流出入用の管と空気量の調整バルブを備えるエア流出入部5が設けられている。膨張袋体1は、例えば、開放型トンネル掘削機の切羽側開口部に備えられた扉の切羽側に配設されて、空気が充填された膨張状態で切羽を押圧し、切羽の崩壊を防ぐ。
【選択図】図2
Description
そこで、矩形断面のトンネルを掘削できるシールド掘削機が使用されているが、矩形断面のシールド掘削機は高価で、特に矩形断面の密閉型シールド掘削機はカッター機構が複雑でより高価であった。また、矩形断面の密閉型シールド掘削機に比べて矩形断面の開放型のシールド掘削機ではコストを下げることができるが、地表面の沈下が矩形断面の密閉型シールド掘削機に比べて2〜3倍ほど大きくなるという問題があった。
また、特許文献1では、トンネル内に型枠を設置し、トンネル掘削面と型枠との間に一次覆工用コンクリートを打設する工程において、型枠の先端周縁に配設されてエアの圧入と共に膨張し、トンネル掘削面を押圧するエアバッグ(膨張袋体)が提案されている。このエアバッグは、型枠内に打設される一次覆工コンクリートの漏出を防止している。
そして、トンネルの掘進と共に膨張袋体を収縮させて移動させるので、膨張袋体の膨張および収縮、また運搬や取り付けなどが容易にできる膨張袋体が要望されている。
本発明では、膨張袋体は袋状の超高強力ポリエチレン繊維が袋状のポリウレタンシートの外側に配設された二重構造の袋部を備えることにより、高強度で耐久性の高い超高強力ポリエチレン繊維が膨張時の形状を保持すると共に、気密性の高いポリウレタンシートを保護することができて、耐圧性、耐久性および気密性の高い膨張袋体を形成することができる。
また、高強度で耐久性の高い超高強力ポリエチレン繊維および気密性の高いポリウレタンシートは、厚さを薄くしても所定の性能を有しているので袋部の厚さを薄くすることができて、膨張袋体の脱着や運搬が容易にできる。
本発明では、第一及び第二の鋼板が袋部の袋口を挟んで封止するので、袋部を密閉し気密性を高めることができる。
図1はトンネル掘削機の一例を示す図、図2(a)は本発明の実施の形態による膨張袋体の一例を示す斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図、図3は本発明の実施の形態による膨張袋体の分解斜視図、図4(a)、(b)は膨張袋体に備える超高強力ポリエチレン繊維袋を構成する部材を示す図、図5は膨張袋体に備える超高強力ポリエチレン繊維袋を示す図、図6は膨張袋体に備えるポリウレタン袋を示す図、図7は膨張袋体に備える第一の鋼板を示す図、図8は膨張袋体に備える第二の鋼板を示す図である。
図2(a)、(b)および図3に示すように、本実施の形態による膨張袋体1は、空気の流出入によって膨張収縮する袋部2と、袋部2の外側に配設されて袋部2の開口を塞ぐ第一の鋼板3と、袋部2の内側に袋口に沿って配設される第二の鋼板4と、袋部2内部の空気の流出入および圧力の調整を行うエア流出入部5とから概略構成されている。
第一及び第二の鋼板3、4は袋部2の袋口を挟んだ状態で、第二の鋼板4に備えられたボルト24に座金26を介してナット27が螺合されて固定される。
第一および第二の超高強力ポリエチレン繊維部材11、12は、例えば0.92mmの厚さである。
そして、各固定部11c、12cを内側へ曲げて、固定部11cと固定部12cとが重なる部分を接着して固定部6aを形成し、箱型の袋状の超高強力ポリエチレン繊維袋6が形成される。
そして、超高強力ポリエチレン繊維袋6の内側にポリウレタン袋7を接着剤で接着して袋部2を形成する。
まず、第一の超高強力ポリエチレン繊維部材11と第二の超高強力ポリエチレン繊維部材12とを直交させて、中央部11aと中央部12aとを重ねあわせて接着剤で接着する。また、各中央部11a、12b側方の糊代部13とそれぞれ重なる端部12b、12bとを接着剤で接着する。そして、重ね合わせた中央部11a、12aの上にポリウレタン袋7の底部7dを接着剤で接着する。
そして、第一および第二の超高強力ポリエチレン繊維部材11、12の端部11b、12bを内側に折り曲げて、ポリウレタン袋7の側部7eに接着剤で接着する。このとき、端部11b、12b側方の糊代部13を端部11b、12bに接着剤で接着する。
そして、固定部11c、12cをポリウレタン袋7の固定部7aに重ね合わせて接着し、袋部2の固定部2aを形成する。このとき第一および第二の超高強力ポリエチレン繊維部材11、12に備えられたボルト孔6bとポリウレタン袋7の固定部7aに備えられたボルト孔7bとを合わせて接着する。
また、図3に示すように、第一の鋼板3にはエア流出入部5が配設されていて、エア流出入部5は袋部2内部の空気の流出入用の管5aと袋部2内部の空気の圧力を調整する調整バルブ5bとを備えている。そして、第一の鋼板3には空気の流出入用の管5aが貫通する貫通孔25が備えられている。
まず、袋部2の内側に固定部2aに合わせて第二の鋼板4を配設し、袋部2の外側に固定部2aを覆うように第一の鋼板3を配設する。このとき、第二の鋼板4に備えられたボルト24を袋部2のボルト孔2b及び第一の鋼板3のボルト孔21に挿通させる。そして、袋部2の固定部2aを第一の鋼板3と第二の鋼板4とで挟持した状態で、ボルト24に座金26を介してナット27を締結して固定し、膨張袋体1を形成する。
このとき、切羽33などの地山に対して、第一および第二の超高強力ポリエチレン繊維部材11、12の中央部11a、12aが重なった部分が主に接触することが好ましい。
本発明の実施の形態による膨張袋体1では、高強度で耐衝撃性や耐磨耗性の高い超高強力ポリエチレン繊維で形成された超高強力ポリエチレン繊維袋6が、伸縮性に優れ高強度のポリウレタンシートで形成されたポリウレタン袋7の外側に重ねて配設された袋部2を備えているので、高強度で耐久性の高い超高強力ポリエチレン繊維袋6が膨張時の形状を保持すると共に、気密性の高いポリウレタン袋7を保護することができ、膨張袋体1の耐圧性、耐久性および気密性の高くすることができて、膨張袋体1は礫などが含まれるトンネル掘削面などの地山へ接触しても、容易に損傷や磨耗しない作用効果を奏する。
また、超高強力ポリエチレン繊維袋6およびポリウレタン袋7は、強度が高くその厚さを薄くしても所定の強度を有するので、袋部2の厚みを薄くすることで軽量化を実現できて、膨張袋体1の脱着や運搬が容易にできる。また、袋部2は薄く弾力性があり、空気を抜いた袋部2は収縮しやすいので、収縮した膨張袋体1の収容が容易である。
まず、本実施の形態による膨張袋体1の内部に約0.1MPaの圧力をかけて、礫混じりの地盤を模した敷板に膨張袋体1の底部(第一および第二の超高強力ポリエチレン繊維部材11、12の中央部11a、12aが重なった部分)を1万回押し付ける試験を行った。このとき、敷板に膨張袋体1を押し付ける回数毎に、最大荷重時と最小化荷重時の膨張袋体1の内部圧力を計測し、最大荷重と最大荷重時の膨張袋体1の変位量の計測も行い、膨張袋体1の状況を確認した。
図9は敷板に膨張袋体を押し付ける回数毎の最大荷重時と最小化荷重時の膨張袋体の内部圧力を示す図、図10は敷板に膨張袋体を押し付ける回数毎の最大荷重を示す図、図10は敷板に膨張袋体を押し付ける回数毎の最大荷重時の膨張袋体の変位量を示す図である。
このように、本実施の形態による膨張袋体は耐圧性および耐久性が高いことがわかる。
例えば、上述した実施の形態では、膨張袋体1は空気が充填された膨張状態で切羽33を押圧し、切羽33の崩壊を防いでいるが、空気に代わって液体を膨張袋体1に充填してもよい。
例えば、上記の実施の形態では、膨張袋体1は、開放型トンネル掘削機31の扉32に取り付けられているが、開放型トンネル掘削機31の外周部や、開放型トンネル掘削機31以外に取り付けて地山などの対象物を押さえてもよい。
また、上記の実施の形態では、超高強力ポリエチレン繊維袋6は第一および第二の超高強力ポリエチレン繊維部材11、12を重ねて形成しているが、1枚の超高強力ポリエチレン繊維を袋状に形成した超高強力ポリエチレン繊維袋6を採用してもよい。また、上記の実施の形態では、袋部2は奥行きのある箱型の袋状に形成されているが、例えば曲面を備える袋状に形成されても良く、そのほかの形状でもよい。
また、上記の実施の形態では、第一および第二の超高強力ポリエチレン繊維部材11、12に備えられたボルト孔6bとポリウレタン袋7の固定部7aに備えられたボルト孔7bとは個別に形成されて、両ボルト孔6b、7bを合わせて袋部2の固定部2aボルト孔2bを形成しているが、個別にボルト孔6b、7bを設けずに、第一および第二の超高強力ポリエチレン繊維部材11、12の固定部6aとポリウレタン袋7の固定部7aとが重なった後に、ボルト孔2bを形成してもよい。
また、上記の実施の形態では、第一および第二の鋼板3、4は外径が四角形であるが、例えば円形や他の多角形などの形状でも良い。
また、上記の実施の形態では、第一および第二の鋼板3、4は袋部2を挟持してボルト接合によって固定されているが、例えばピンを使用して固定されるなどその他の固定方法としてもよい。
要は、本発明において所期の機能が得られればよいのである。
2 袋部
3 第一の鋼板
4 第二の鋼板
6 超高強力ポリエチレン繊維袋
7 ポリウレタン袋
33 切羽(対象物)
Claims (2)
- 流体が充填された膨張状態で対象物を押さえる膨張袋体であって、
前記袋体は袋状の超高強力ポリエチレン繊維が袋状のポリウレタンシートの外側に配設された二重構造の袋部を備えることを特徴とする膨張袋体。 - 前記膨張袋体は前記袋部の外側に配設されて前記袋部の袋口を塞ぐ第一の鋼板と、前記袋部の袋口に沿って内側に配設される第二の鋼板とを備え、前記第一および第二の鋼板が前記袋部の袋口を挟んで封止することを特徴とする請求項1に記載の膨張袋体。
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