JP2010149061A - 中空糸膜モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 中空糸膜の利用効率が高く、中空糸膜束に異物が付着しにくく、異物が付着した場合でも逆洗による除去が容易であり、簡単な前処理により異物を粗取りした被処理液についても効率よく膜分離を行うことができる中空糸膜モジュールを提案する。
【解決の手段】 ハウジング6内に被処理液供給部8側から濃縮液取出部9側に直線状に伸びるように中空糸膜束3を収容し、中空糸膜束3の被処理液供給部8側に閉塞端部4を形成し、濃縮液取出部9側に位置する中空糸膜束3から中空糸膜通過部12を通して側壁11の外に開放端部5が伸びるように形成し、中空糸膜2を収容した状態で中空糸膜通過部12をシール部7で密封し、中空糸膜通過部12の外側に、中空糸膜2の開放端部5から透過液取出部10で透過液を集めて取出す。
【選択図】図1
【解決の手段】 ハウジング6内に被処理液供給部8側から濃縮液取出部9側に直線状に伸びるように中空糸膜束3を収容し、中空糸膜束3の被処理液供給部8側に閉塞端部4を形成し、濃縮液取出部9側に位置する中空糸膜束3から中空糸膜通過部12を通して側壁11の外に開放端部5が伸びるように形成し、中空糸膜2を収容した状態で中空糸膜通過部12をシール部7で密封し、中空糸膜通過部12の外側に、中空糸膜2の開放端部5から透過液取出部10で透過液を集めて取出す。
【選択図】図1
Description
本発明は、逆浸透膜、ナノろ過膜、MF膜、UF膜等の透過膜として、中空糸膜を用いる中空糸膜モジュールに関し、特にハウジング内に中空糸膜束を内蔵する中空糸膜モジュールに関するものである。
工業用水、排水、海水等の被処理水の脱塩、あるいは懸濁物質や有機物等の除去などを行うために、透過膜として逆浸透膜、ナノろ過膜、MF膜、UF膜等の中空糸状の半透膜からなる中空糸膜を用い、膜分離を行う中空糸膜モジュールが用いられている。この中空糸膜モジュールは、逆浸透膜、ナノろ過膜、MF膜、UF膜等の中空糸膜の束からなる中空糸膜束をハウジング内に収容してモジュールとし、このモジュールを単独で、または複数個組合わせて被処理水を供給し、膜分離を行うように構成されている。
このような中空糸膜モジュールとしては、中空糸膜束に沿ってその外側に被処理液を流し、溶媒としての水を中空糸膜を横切る方向に透過させ、中空糸膜の内側から透過液を取出すクロスフロー方式のものが用いられている。このような中空糸膜モジュールでは、被処理液に含まれる懸濁物質等の異物が膜面に付着堆積し、あるいは更に微生物スライムが付着して膜面を汚染し、膜分離性能を低下させることになる。中空糸膜モジュールにおいて膜面が汚染されたときには、透過水を逆方向に流す逆洗により汚染物質を剥離させ、膜分離性能を回復させることが行われるが、剥離汚染物質が膜面に再付着すると、膜分離性能は回復しない。
特許文献1(特開昭61−291008号)には、管状のハウジング内に中空糸膜束を収納したもの、ならびに枝分かれした側管に中空糸膜束の端部を収納することにより、中空糸膜に沿ってその外側に被処理水を流し、異物が膜面に付着堆積するのを防止するようにした中空糸膜モジュールが示されている。図4は後者の中空糸膜モジュールを示す垂直断面図である。
図4において、1は中空糸膜モジュールであり、中空糸膜2を束ねた中空糸膜束3の上端部に中空糸膜2の閉塞端部4が形成され、反対側の端部に中空糸膜2の開放端部5が形成されている。中空糸膜束3の閉鎖端部4を含む主要部が直管状のハウジング6内に収容され、開放端部5を含む中空糸膜束3の他端部が枝管6aに収容され、シール部7により密封されている。ハウジング6は枝管6aの分岐側に被処理液供給部8が形成され、反対側に濃縮液取出部9が形成され、枝管6aの端部に透過液取出部10が形成されている。このような中空糸膜モジュール1では、被処理液供給部8から被処理液を供給して、中空糸膜束3に沿って流し、中空糸膜2により膜分離を行い、濃縮液を濃縮液取出部9から取出し、透過液は透過液取出部10から取出す。
このような中空糸膜モジュール1では、被処理液は中空糸膜束3に沿って流れるため、中空糸膜2に付着物が付き難いが、透過液取出部10がハウジング6の被処理液供給部8から分岐する枝管6aの先端にあるため、被処理液は被処理液供給部8から枝管6aに向かって流れやすく、枝管6aに被処理液中の異物が堆積しやすい。堆積付着した異物は、透過液取出部10から透過液を流して逆洗することにより一部は剥離するが、バブリングを行っても枝管6a内の剥離は困難である。そして一部剥離した剥離物はハウジング6内を流れる間に中空糸膜2に再付着しやすい。また被処理液は被処理液供給部8から枝管6aに向かって流れやすいため、液の短絡が起こりやすく、液の透過は中空糸膜束3の枝管6a側で主として起こり、中空糸膜束3の枝管6a側が閉塞すると、濃縮液取出部9側で膜分離が行われるようになり、特定時間における中空糸膜2の利用効率は低く、複雑な前処理により異物を高度に除去しておく必要があるなどの問題点がある。
特開昭61−291008号
本発明の課題は、上記のような従来の問題点を解決するため、中空糸膜の利用効率が高く、中空糸膜束に異物が付着しにくく、異物が付着した場合でも逆洗による除去が容易であり、簡単な前処理により異物を粗取りした被処理液についても効率よく膜分離を行うことができる中空糸膜モジュールを提案することである。
本発明は、次の中空糸膜モジュールである。
(1) 一端部に被処理液供給部が形成され、他端部に濃縮液取出部が形成され、濃縮液取出部側の側壁に中空糸膜通過部を有するハウジングと、
中空糸膜の束からなり、前記ハウジング内に被処理液供給部側から濃縮液取出部側に伸びるように収容された中空糸膜束と、
中空糸膜束の被処理液供給部側に形成された中空糸膜の閉塞端部と、
ハウジングの濃縮液取出部側に位置する中空糸膜束から前記ハウジング側壁の中空糸膜通過部を通して側壁の外に伸びるように形成された中空糸膜の開放端部と、
前記ハウジング側壁の中空糸膜通過部を、中空糸膜を収容した状態で密封するシール部と、
ハウジング側壁の中空糸膜通過部の外側に、中空糸膜の開放端部から透過液を集めて取出すように設けられた透過液取出部と
を含む中空糸膜モジュール。
(2) ハウジングが管状である上記(1)記載の中空糸膜モジュール。
(3) 中空糸膜通過部を密封するシール部の内面は、ハウジング側壁の内面と同一面となるように形成された上記(1)または(2)記載の中空糸膜モジュール。
(4) 中空糸膜通過部はハウジング側壁に1個または複数個設けられた上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
(5) 中空糸膜通過部はハウジング側壁の全周に分散して、または連続的に設けられた上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
(1) 一端部に被処理液供給部が形成され、他端部に濃縮液取出部が形成され、濃縮液取出部側の側壁に中空糸膜通過部を有するハウジングと、
中空糸膜の束からなり、前記ハウジング内に被処理液供給部側から濃縮液取出部側に伸びるように収容された中空糸膜束と、
中空糸膜束の被処理液供給部側に形成された中空糸膜の閉塞端部と、
ハウジングの濃縮液取出部側に位置する中空糸膜束から前記ハウジング側壁の中空糸膜通過部を通して側壁の外に伸びるように形成された中空糸膜の開放端部と、
前記ハウジング側壁の中空糸膜通過部を、中空糸膜を収容した状態で密封するシール部と、
ハウジング側壁の中空糸膜通過部の外側に、中空糸膜の開放端部から透過液を集めて取出すように設けられた透過液取出部と
を含む中空糸膜モジュール。
(2) ハウジングが管状である上記(1)記載の中空糸膜モジュール。
(3) 中空糸膜通過部を密封するシール部の内面は、ハウジング側壁の内面と同一面となるように形成された上記(1)または(2)記載の中空糸膜モジュール。
(4) 中空糸膜通過部はハウジング側壁に1個または複数個設けられた上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
(5) 中空糸膜通過部はハウジング側壁の全周に分散して、または連続的に設けられた上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
本発明において中空糸膜モジュールで処理する被処理液は、工業用水、排水、海水など、膜分離により脱塩、あるいは懸濁物質や有機物等の除去などの処理を行える液であればよく、任意の液を被処理液とすることができる。これらの処理の目的に応じて中空糸膜の材質、細孔、寸法、浸透圧、脱塩率、その他の特性などを決めることができる。
本発明において中空糸膜モジュールを構成する中空糸膜は、逆浸透膜、ナノろ過膜、MF膜、UF膜等の透過膜として用いられている中空糸状の半透膜からなる中空糸膜であり、工業用水、排水、海水等の被処理液の脱塩、あるいは懸濁物質や有機物等の除去などに用いられている公知の中空糸膜をそのまま用いることができる。中空糸膜の材質としては、ポリアミド、ポリスルホン、酢酸セルロース等の公知の材質のものが用いられる。中空糸膜の寸法としては、外径0.7〜22mm、内径0.3〜20mmのものが用いられ、市販のものでもよい。
本発明において中空糸膜モジュールを構成するハウジングは、一端部に被処理液供給部が形成され、他端部に濃縮液取出部が形成され、濃縮液取出部側のハウジング側壁に中空糸膜通過部を有しており、鋼材、プラスチックなどの材質により液密、耐圧状に形成される。ハウジングの形状は、直管状、曲管状、膨らみを有する管状等の管状に形成されるのが好ましく、特に直管状に形成されるのが好ましい。ハウジングの一端部に形成される被処理液供給部、および他端部に形成される濃縮液取出部は、ハウジング内に収容される中空糸膜束へ均一に給液あるいは集液するように形成され、中空糸膜モジュールが他の中空糸膜モジュールと連結される場合の連結部を兼ねていてもよい。
ハウジング内に収容される中空糸膜束は、前記中空糸膜の束(平行に並べられた集合体)であり、ひも等により縛られていなくてもよい。中空糸膜束はハウジング内に被処理液供給部側から濃縮液取出部側に伸びるような配置で収容されるが、被処理液供給部側から濃縮液取出部側に直線状に伸びるような配置で収容されるのが好ましい。中空糸膜束の被処理液供給部側では、中空糸膜の閉塞端部が形成されている。中空糸膜の閉塞端部とは、ハウジングの濃縮液取出部側から被処理液供給部側へ伸びる中空糸膜の端部が閉塞端部(デッドエンド)となっていることを意味する。閉塞端部は中空糸膜の端部が切断され、ポッティング材(または接着剤)で固化、閉塞されていてもよく、また中空糸膜が折り返されることにより閉塞端部となっていてもよい。被処理液供給部側の閉塞端部はハウジング内で移動しないように支持される。
中空糸膜束のハウジングの濃縮液取出部側に位置する部分では、中空糸膜束からハウジング側壁の中空糸膜通過部を通して中空糸膜が側壁の外に伸び、その先端部は開放端部となっている。ハウジング側壁の中空糸膜通過部は、通過する中空糸膜を収容した状態でシール部により密封されている。シール部は中空糸膜の内部流路以外の部分を通してハウジング内の液が外部に漏れるのを遮断するものであり、ポッティング材(または接着剤)を充填し固化して形成するものが好ましいが、他の材料で形成してもよい。中空糸膜通過部を密封するシール部の内面は、ハウジング側壁の内面と同一面となるように形成されるのが好ましい。中空糸膜通過部はハウジング側壁に1個設けてもよく、複数個設けてもよく、これらの場合、分割された中空糸膜束が中空糸膜通過部を通過することになる。また中空糸膜通過部はハウジング側壁の全周に分散して、または連続的に設けてもよい。中空糸膜通過部におけるハウジング側壁と中空糸膜の角度は10〜90度とするのが好ましい。
ハウジング側壁の中空糸膜通過部の外側には、中空糸膜の開放端部から透過液を集めて取出す透過液取出部が設けられている。中空糸膜通過部が複数個設けられている場合、または全周に連続的に設けられている場合には、全体の中空糸膜の開放端部から透過液を集めて取出すように透過液取出部が設けられる。この場合、透過液取出部は、中空糸膜の開放端部を覆うように、ハウジング側壁の中空糸膜通過部の外側に設けたチャンネル状の集液部と、この集液部から系外へ連絡する液取出路を含むのが好ましい。
上記の中空糸膜モジュールは、被処理液供給部から加圧下に被処理液を供給して、中空糸膜束を構成する各中空糸膜により膜分離を行う。このとき被処理液中の溶媒としての液(水)は中空糸膜を透過して中空糸膜の内側通路へ入るが、中空糸膜束の被処理液供給部側の端部では、中空糸膜の閉塞端部が形成されているため、中空糸膜の内側通路の透過液はハウジングの濃縮液取出部側の側壁の中空糸膜通過部を通過して側壁の外に流れ、中空糸膜の開放端部から流出し、透過液取出部で集めて取出される。
ハウジング内を通過した濃縮液は濃縮液取出部から取出される。取出された濃縮液は、濃縮液槽を経て、あるいは経ることなく被処理液供給部へ循環し、新たな被処理液として供給することにより、濃縮率を高めることができる。濃縮液を循環する場合、濃縮液に新たな被処理液を加えて循環することもでき、また濃縮液だけで循環することもできる。
中空糸膜モジュールは単体で用いてもよく、また複数の中空糸膜モジュールを組合わせて用いてもよい。複数の中空糸膜モジュールを用いる場合、シリーズに連結してもよく、パラレルに連結してもよく、これらの組合せでもよく、ツリー状に連結してもよい。上記組合せの場合、ならびにツリー状に連結する場合、各段のモジュールの数は任意に選ぶことができる。中空糸膜モジュールは上下方向に配置して、被処理液を上向流または下向流で流してもよく、また水平方向もしくは傾斜方向に配置して、それぞれの方向に流してもよい。
中空糸膜モジュールによる膜分離の継続により、中空糸膜束に被処理液中の異物が堆積し、あるいは中空糸膜に異物が付着し、透過流束が低下した場合、透過液取出部から透過液を流して逆洗することにより、堆積または付着した異物を剥離し、性能を回復することができる。中空糸膜束に堆積した異物を逆洗で剥離除去できない場合には、ハウジング内で気体を吹き込んでバブリングを行うことにより、堆積した異物を剥離除去し、性能を回復することができる。
本発明の中空糸膜モジュールでは、中空糸膜束が被処理液供給部側から濃縮液取出部側に伸びるように収容され、被処理液は中空糸膜束に沿って流れるため、中空糸膜に付着物が付き難い。特に中空糸膜束が被処理液供給部側から濃縮液取出部側に伸びるように収容されている場合は、付着物が付き難い。中空糸膜束の下流側、すなわち濃縮液取出部側では、中空糸膜がハウジング側壁に形成された中空糸膜通過部を通して中空糸膜の開放端部が側壁の外に伸びる構成となっているため、中空糸膜束の末端部を固定する固定部材、支持部材、集液部材等の異物が堆積しやすい固体部材がハウジング内に存在せず、異物が堆積しにくい。中空糸膜束の上流側すなわち被処理液供給部側に、中空糸膜束の末端部を固定する固定部材が存在しても、液の透過方向に対して障害とならないので、異物が堆積しにくい。
また本発明の中空糸膜モジュールでは、ハウジング内の被処理液は中空糸膜束に沿って流れる間に膜分離が起こり、中空糸膜内の透過液の流れも被処理液の方向と同じであるため、中空糸膜内の透過液の流れに対する抵抗は小さく、液の短絡が起こらず、中空糸膜の全長にわたって均一に透過が起こる。このため特定時間における中空糸膜の利用効率は高く、中空糸膜の全域にわたって単位面積当りの透過速度は低く、このため膜面の閉塞も少ない。
本発明の中空糸膜モジュールは、ハウジング内に被処理液供給部側から濃縮液取出部側に伸びるように中空糸膜束を収容し、中空糸膜束の被処理液供給部側に中空糸膜の閉塞端部を形成し、ハウジングの濃縮液取出部側に位置する中空糸膜束から前記ハウジング側壁の中空糸膜通過部を通して側壁の外に中空糸膜の開放端部が伸びるように形成し、前記ハウジング側壁の中空糸膜通過部を、中空糸膜を収容した状態でシール部で密封し、ハウジング側壁の中空糸膜通過部の外側に、中空糸膜の開放端部から透過液を集めて取出す透過液取出部を形成したので、中空糸膜の利用効率が高く、中空糸膜束に異物が付着しにくく、異物が付着した場合でも逆洗による除去が容易であり、簡単な前処理により異物を粗取りした被処理液についても効率よく膜分離を行うことができる中空糸膜モジュールが得られる。
本発明の一実施形態を図1ないし図3により説明する。図1および図2は別の実施形態の中空糸膜モジュールを示す垂直断面図であり、図4と同符号は同一または相当部分を示す。
図1および図2において、中空糸膜モジュール1を構成する中空糸膜2は、逆浸透膜、ナノろ過膜、MF膜、UF膜等の透過膜として用いられている中空糸状の半透膜からなる中空糸膜であり、工業用水、排水、海水等の被処理液の脱塩、あるいは懸濁物質や有機物等の除去などに用いられている公知の中空糸膜が用いられる。中空糸膜の材質としては、ポリアミド、ポリスルホン、酢酸セルロース等の公知の材質のものが用いられている。中空糸膜2は多数を並べて束ねることにより、中空糸膜束3が構成されている。
中空糸膜モジュール1を収容するハウジング6は、下端部に被処理液供給部8が形成され、上端部に濃縮液取出部9が形成され、濃縮液取出部9側のハウジング側壁11に中空糸膜通過部12を有しており、鋼材、プラスチックなどの材質により液密、耐圧状に形成されている。ハウジング6の形状は、直管状に形成されている。ハウジング6の下端部に形成される被処理液供給部8、および上端部に形成される濃縮液取出部9は、ハウジング6内に収容される中空糸膜束3へ均一に給液あるいは集液するように形成されている。図1では、中空糸膜モジュール1を単体で用いるように、被処理液供給部8および濃縮液取出部9側の端部は狭まって、それぞれ被処理液路13、濃縮液路14が形成されている。図2では、下部および上部に他の中空糸膜モジュール1を連結するように、連結部15、16が形成されている。
ハウジング6内に収容される中空糸膜束3は、中空糸膜2の束(平行に並べられた集合体)であり、ひも等により縛られていても、いなくてもよい。中空糸膜束3はハウジング6内に被処理液供給部8側から濃縮液取出部9側に直線状に伸びるような配置で収容されている。中空糸膜束3の被処理液供給部8側には、中空糸膜2の閉塞端部4が形成されている。中空糸膜2の閉塞端部4は、ハウジング6の濃縮液取出部9側から被処理液供給部8側へ伸びる中空糸膜2の端部が閉塞された端部(デッドエンド)となっているものである。図1では閉塞端部4は、中空糸膜2の切断された端部17が支持部18の収容孔19に挿入され、ポッティング材(または接着剤)20で固化、閉塞されて形成されている。また図2では閉塞端部4は、被処理液供給部8側の端部に設けられた支持部18に中空糸膜2を引っ掛けて折り返すことにより、折返し部に閉塞状の端部が形成されている。支持部18はハウジング6の内壁から内向きに突出するように構成され、閉塞端部4はハウジング6内の被処理液供給部8側で移動しないように引っ掛けて支持されているが、ポッティング材(または接着剤)で固着してもよい。
中空糸膜束3のハウジング6の濃縮液取出部9側に位置する部分では、中空糸膜束3からハウジング側壁11の中空糸膜通過部12を通して中空糸膜2がハウジング側壁11の外に伸び、その先端部は開放端部5となっている。ハウジング側壁11の中空糸膜通過部12は、通過する中空糸膜2を収容した状態でシール部7により密封されている。シール部7は中空糸膜2の内側通路以外の部分を通してハウジング6内の液が外部に漏れるのを遮断するものであり、ポッティング材(または接着剤)を充填し固化して形成されている。中空糸膜通過部12を密封するシール部7の内側の面は、ハウジング側壁11の内面とほぼ同一面となるように形成されている。中空糸膜通過部12はハウジング側壁11の全周にわたり複数個を均一に分散させて設けられており、分割された中空糸膜束3が中空糸膜通過部12を通過している。中空糸膜通過部12におけるハウジング側壁11と中空糸膜2の角度は10〜90度とされている。
ハウジング側壁11の中空糸膜通過部12の外側には、中空糸膜2の開放端部5から透過液を集めて取出す透過液取出部10が設けられている。中空糸膜通過部12が全周にわたり複数個設けられているため、透過液取出部10は全体の中空糸膜2の開放端部5から透過液を集めて取出すように全周にわたり設けられている。この透過液取出部10は、中空糸膜2の開放端部5を覆うように、チャンネル状の集液部21がハウジング側壁11の中空糸膜通過部12の外側に設けられ、この集液部21から液取出路22が系外へ連絡している。
上記の中空糸膜モジュール1は、被処理液供給部8から加圧下に被処理液を供給して、中空糸膜束3を構成する各中空糸膜2により膜分離を行う。このとき被処理液中の溶媒としての液(水)は中空糸膜2を透過して中空糸膜2の内側通路へ入るが、中空糸膜束3の被処理液供給部8側の端部では、中空糸膜2の閉塞端部4が形成されているため、中空糸膜2の内側通路の透過液は濃縮液取出部9側のハウジング側壁11の中空糸膜通過部12を通過して側壁11の外に流れ、中空糸膜2の開放端部5から流出し、透過液取出部10で集めて取出される。
ハウジング6内を通過した濃縮液は濃縮液取出部9から取出される。取出された濃縮液は、濃縮液槽(図示せず)を経て、あるいは経ることなく被処理液供給部8へ循環し、新たな被処理液として供給することにより、濃縮率を高めることができる。濃縮液を循環する場合、濃縮液に新たな被処理液を加えて循環することもでき、また濃縮液だけで循環することもできる。
中空糸膜モジュール1は、図1では単体で用い、図2では複数の中空糸膜モジュール1を上下にシリーズに連結して組合せて用いる例を示している。複数の中空糸膜モジュール1を用いる場合、図2のようにシリーズに連結してもよいが、パラレルに連結してもよく、またこれらの組合せでもよく、ツリー状に連結してもよい。図1、2とも、中空糸膜モジュール1を上下方向に配置して、被処理液を上向流で流す例を示しているが、下向流で流してもよく、また水平方向もしくは傾斜方向に配置して、それぞれの方向に流してもよい。
中空糸膜モジュール1による膜分離の継続により、中空糸膜束3に被処理液中の異物が堆積し、あるいは中空糸膜2に異物が付着し、透過流束が低下した場合、透過液取出部10から透過液を流して逆洗することにより、堆積または付着した異物を剥離し、性能を回復することができる。中空糸膜束3に堆積した異物を逆洗で剥離除去できない場合には、ハウジング6内に気体を吹き込んでバブリングを行うことにより、堆積した異物を剥離除去し、性能を回復することができる。
上記の中空糸膜モジュール1では、被処理液は中空糸膜束3に沿って流れるため、中空糸膜2に付着物が付き難い。中空糸膜束3の下流側、すなわち濃縮液取出部9側では、中空糸膜2がハウジング側壁11に形成された中空糸膜通過部12を通して中空糸膜2の開放端部5が側壁11の外に伸びる構成となっているため、中空糸膜束3の末端部を固定する固定部材、支持部材、集液部材等の異物が堆積しやすい固体部材がハウジング6内の下流側に存在せず、異物が堆積しにくい。中空糸膜束3の上流側すなわち被処理液供給部8側に、中空糸膜束3の閉塞端部4を固定する固定部材が存在しても、液の透過方向に対して障害とならない構造とすることにより、異物が堆積しにくくなる。
上記の中空糸膜モジュール1では、ハウジング6内の被処理液は中空糸膜束3に沿って流れる間に膜分離が起こり、中空糸膜2内の透過液の流れも被処理液の方向と同じであるため、中空糸膜2内の透過液の流れに対する抵抗は小さく、液の短絡が起こらず、中空糸膜2の全長にわたって均一に透過が起こる。このため特定時間における中空糸膜2の利用効率は高く、中空糸膜2の全域にわたって単位面積当りの透過速度は低く、このため膜面の閉塞も少ない。
このため上記の中空糸膜モジュール1を用いると、中空糸膜の利用効率が高く、中空糸膜束3に異物が付着しにくく、異物が付着した場合でも逆洗による除去が容易であり、簡単な前処理により異物を粗取りした被処理液についても効率よく膜分離を行うことができる。
図3は上記の中空糸膜モジュール1を用いる工業用水処理装置を示すフロー図である。図3において、工業用水処理装置30は中空糸膜モジュール1、凝集剤槽31、濾過槽32、流量計33、透過水槽34を含む。上記の工業用水処理装置30では、中空糸膜モジュール1を用いて工業用水処理を行う際、ラインL1から被処理液を送給するとき、凝集剤槽31からラインL2を通して凝集剤を注入して凝集を行い、濾過槽32で濾過した後にラインL3から中空糸膜モジュール1へ供給して膜分離を行う。中空糸膜モジュール1の透過水はラインL4から流量計33を通して透過水槽34へ入って貯留され、ラインL9から系外へ供給する。中空糸膜モジュール1の濃縮液はラインL5から中空糸膜モジュール1へ循環して、膜分離を繰り返し、濃縮倍数が高くなった濃縮液はラインL6から系外へ排出する。
中空糸膜モジュール1が閉塞したときは、ラインL7、ラインL4から透過水槽34の透過水を中空糸膜モジュール1へ圧送し、中空糸膜の逆洗を行い、逆洗排水をラインL6から系外へ排出する。逆洗時にバブリングを行う場合は、ラインL8から空気を送ってバブリングし、異物を剥離し、排水をラインL6から系外へ排出する。このような処理を行うことにより、簡単な前処理により異物を粗取りした被処理液についても効率よく膜分離を行うことができる。
本発明は、逆浸透膜、ナノろ過膜、MF膜、UF膜等の透過膜として、中空糸膜を用いる中空糸膜モジュールに関し、特にハウジング内に中空糸膜束を内蔵する中空糸膜モジュールに利用可能である。
1:中空糸膜モジュール、2:中空糸膜、3:中空糸膜束、4:閉塞端部、5:開放端部、6:ハウジング、7:シール部、8:被処理液供給部、9:濃縮液取出部、10:透過液取出部、11:ハウジング側壁、12:中空糸膜通過部、13:被処理液路、14:濃縮液路、18:支持部、20:ポッティング材、21:集液部、22:液取出路、30:工業用水処理装置、31:凝集剤槽、32:濾過槽、33:流量計、34:透過水槽。
Claims (5)
- 一端部に被処理液供給部が形成され、他端部に濃縮液取出部が形成され、濃縮液取出部側の側壁に中空糸膜通過部を有するハウジングと、
中空糸膜の束からなり、前記ハウジング内に被処理液供給部側から濃縮液取出部側に伸びるように収容された中空糸膜束と、
中空糸膜束の被処理液供給部側に形成された中空糸膜の閉塞端部と、
ハウジングの濃縮液取出部側に位置する中空糸膜束から前記ハウジング側壁の中空糸膜通過部を通して側壁の外に伸びるように形成された中空糸膜の開放端部と、
前記ハウジング側壁の中空糸膜通過部を、中空糸膜を収容した状態で密封するシール部と、
ハウジング側壁の中空糸膜通過部の外側に、中空糸膜の開放端部から透過液を集めて取出すように設けられた透過液取出部と
を含む中空糸膜モジュール。 - ハウジングが管状である請求項1記載の中空糸膜モジュール。
- 中空糸膜通過部を密封するシール部の内面は、ハウジング側壁の内面と同一面となるように形成された請求項1または2記載の中空糸膜モジュール。
- 中空糸膜通過部はハウジング側壁に1個または複数個設けられた請求項1ないし3のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
- 中空糸膜通過部はハウジング側壁の全周に分散して、または連続的に設けられた請求項1ないし4のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105203680A (zh) * | 2015-09-06 | 2015-12-30 | 齐鲁工业大学 | 一种微萃取耦合技术及其在杞黄胶囊质量控制中的应用 |
CN107890780A (zh) * | 2017-11-07 | 2018-04-10 | 天津珑源新材料科技有限公司 | 一种超滤、反渗透一体膜元件及其制备方法 |
-
2008
- 2008-12-25 JP JP2008330927A patent/JP2010149061A/ja active Pending
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