JP2010148742A - 視力改善訓練装置および視力改善訓練制御プログラム - Google Patents

視力改善訓練装置および視力改善訓練制御プログラム Download PDF

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雅弘 岩崎
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聡 久原
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Abstract

【課題】訓練者に標的となる図形が移動していることを認識させることができ、さらに効果的な訓練を行うことが可能な視力改善訓練装置および視力改善訓練制御プログラムを提供する。
【解決手段】視力改善訓練装置は、表示部20が近点から遠点へ移動する際に、マーク(視標)20aが訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影されるように表示部20を制御しながら視力改善訓練を行う装置であって、表示制御部は、視標20aの周囲に枠20bを表示し、その枠20bが、表示部20に対して常に一定のサイズで表示されるように表示部20を制御している。
【選択図】図5

Description

本発明は、目の結像調節機能の訓練によって、近視や遠視(老視)等で低下した視力の改善を図る視力改善訓練装置および視力改善訓練制御プログラムに関する。
近年、目の調整筋(毛様体筋)の調節緊張や衰弱による目の結像調節機能の低下に起因して低下した視力の改善を図るために、視力改善訓練装置が用いられている。
このような視力改善訓練装置では、訓練者が視力改善訓練用画像にのみ意識を集中させることで、訓練効果を高めることが特に重要である。
例えば、特許文献1には、訓練者の目の位置と表示部の位置との光学距離に応じて、筐体内部に設置された表示部に表示される視力改善訓練用画像(標的)の表示の大きさを変更する視力改善訓練装置(視力改善装置)について開示されている。具体的には、標的の移動中に訓練者の網膜上に一定の大きさの像が形成されるように、標的の移動に伴って、遠点寄りにある時には標的の図形を大きく表示し、近点寄りにある時には標的の図形を小さく表示する。これにより、標的と接眼部との光学距離に比例して標的の図形の大きさが変化するために、訓練者が移動する標的の図形に焦点を合わせやすくなり、より効果的な訓練を実施することができる。
特許第3766681号公報(平成18年2月3日登録) 再公表特許WO2006/006563号公報(平成18年1月19日国際公開)
しかしながら、上記従来の視力改善訓練装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された視力改善訓練装置では、標的の移動中に訓練者の網膜上に一定の大きさの像が形成されるように標的の図形を表示しているために、近点から遠点へ標的を移動させても、訓練者がその移動を認識することができない。一方、脳は、標的の図形が移動していることを認知することによって、標的の図形にピントを合わせようとする。このため、視力改善訓練は、訓練者の脳に標的となる図形が移動していることを認識させることによって、より大きな効果を上げることができる。
本発明の課題は、訓練者に標的となる図形が移動していることを認識させることができ、さらに効果的な訓練を行うことが可能な視力改善訓練装置および視力改善訓練制御プログラムを提供することにある。
第1の発明に係る視力改善訓練装置は、目の結像調節機能の訓練を行う視力改善訓練装置であって、表示部と、移動部と、制御部とを備えている。表示部は、視力改善訓練用の画像である視標と、視標の周囲に表示する画像である基準視標と、を表示する。移動部は、表示部を、訓練者に対して遠点と近点との間で移動させる。制御部は、表示部が移動する際に、視標が訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影されるように、かつ、基準視標が表示部において常に一定のサイズで表示されるように、表示部を制御する。
ここでは、例えば、筐体等の内部に設置された表示部に所定の視力改善訓練用の画像を表示しながら、訓練者が筐体内を覗き込んだ状態で画像を遠ざけたり近づけたりすることで、目の結像調節訓練を行う視力改善訓練装置において、表示部に視力改善訓練用の画像である視標と、視標の周囲に表示する画像である基準視標とを表示している。そして、表示部が移動する際に、視標が訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影されるように表示部を制御するのに対して、基準視標は、表示部に対して常に一定のサイズで表示されるように表示部を制御している。
ここで、上記視力改善訓練用の画像には、円や三角形、四角形、リング形状等の図形やアルファベット、ひらがな、カタカナ、写真、アニメーション等が含まれる。このような画像を表示する表示部としては、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ等の電子的な表示手段を用いることができる。また、上記画像が往復移動する範囲において最も遠い地点となる遠点とは、毛様体筋(輪状筋)の弛緩、収縮によって厚さの調節を行う目のレンズの厚み調節がまったくなされていない状態で網膜の中心窩に結像する外界の点、あるいは視力改善訓練装置内において画像(表示部)が訓練者から最も遠い位置となる点をいう。一方、上記画像が往復移動する範囲において最も近い地点となる近点とは、目のレンズの厚み調節を最も大きくした状態で網膜の中心窩に結像する外界の点、あるいは視力改善訓練装置において画像(表示部)が訓練者に対して最も短い位置となる点をいう。なお、近点と遠点とは、訓練者と画像(表示部)の光学距離が短い所定の位置にある1点と、その1点よりも光学距離が長い所定の位置にある1点とで、それぞれ設定してもよい。さらに、表示部に表示される画像を遠点と近点との間において往復移動させる移動部としては、例えば、プーリやベルト等を含む搬送手段やスクリューを回転させて表示部を所望の方向において往復移動させる搬送手段、あるいは視覚的に遠点と近点との間において画像が往復移動しているように画像表現等による表示を行う表示手段等が含まれる。
従来の視力改善訓練装置、すなわち、表示部が移動する際に、視標が訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影されるように表示部が制御されている視力改善訓練装置においては、訓練者は、一般的にその視標の移動を認識することができないという問題がある。一方、脳は、視標が移動していることを認知することによって、視標にピントを合わせようとするので、脳に視標が移動していることを認識させながら視力改善訓練を行うことでより大きな効果を上げることができることが知られている。
これらの問題に対して本発明の視力改善訓練装置では、制御部は、表示部が移動する際に、視標が訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影されるように制御するのに対して、基準視標が表示部において常に一定のサイズで表示されるように、表示部を制御している。これにより、訓練者は、移動に伴って表示部上でのサイズが変わらない基準視標を意識するようになり、視標が近点から遠点に向かって移動していることを認識できるようになる。このため、訓練者は、視標が遠ざかっていくことを認識しながら、訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影される視標に対してピントを合わせる訓練を行うことが可能となる。
この結果、訓練者に対して、標的となる図形である視標が移動していることを認識させることができ、さらに効果的な訓練を行うことが可能となる。
なお、本発明の視力改善訓練装置は、近点から遠点に移動する視標を注視させて視力の改善を図る、いわゆる近視用の視力改善訓練や、遠点から近点に移動する視標を注視させて視力の改善を図る、いわゆる遠視(老視)用の視力改善訓練に用いることが可能である。
第2の発明に係る視力改善訓練装置は、第1の発明に係る視力改善訓練装置であって、基準視標は、視標を囲む枠である。
ここでは、基準視標の画像について、視標を囲むような画像を表示するようにしている。
これにより、視標と基準視標とを対比して認識することができるようになり、訓練者に対して、視標が移動していることを認識させることがより確実となる。
第3の発明に係る視力改善訓練装置は、第1または第2の発明に係る視力改善訓練装置であって、基準視標は、表示部が遠点に位置する場合に表示される視標の大きさに対して、視標のすぐ外側を囲む大きさで表示する。
ここでは、表示部の移動に伴って表示部に表示される大きさが変化する視標に対して、表示部が遠点に位置する時の視標の大きさを基準とし、表示部に表示するための基準視標の大きさを設定している。具体的には、基準視標の大きさを、表示部が遠点に位置する時の視標の大きさのすぐ外側を囲む大きさに設定している。
これにより、表示部が近点から遠点に移動する際は、訓練者は、視標の周囲から遠い位置にあった基準視標が、視標に対してだんだんと小さくなるように見え、最終的に視標のすぐ周囲を囲むように見えるようになる。すなわち、訓練者は、視標がクローズアップされるように見える。また、表示部が遠点から近点に移動する際は、訓練者は、視標のすぐ周囲を囲むように見えていた基準視標が、視標に対してだんだんと大きくなるように見え、最終的に視標の周囲からは遠い位置に見えるようになる。すなわち、訓練者は、視標がクローズダウンされるように見える。
この結果、訓練者の注目を視標に集めることができ、より訓練効果を高めることが可能となる。
第4の発明に係る視力改善訓練装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る視力改善訓練装置であって、基準視標の輝度あるいは明度は、視標の輝度あるいは明度よりも低い。
ここでは、表示部に表示される基準視標の輝度を、視標の輝度よりも低くしている。
ここで、表示部に視標と基準視標とを同時に表示する場合、訓練者に対して、視力改善訓練を行うための視標を注視させるようにしなければならない。
これにより、訓練者に対して、基準視標よりも視標に注目が注がれるように誘導している。この結果、訓練者は、基準視標の存在を認識しながら、視標を注視することが可能となる。
第5の発明に係る視力改善訓練装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る視力改善訓練装置であって、制御部は、近点と遠点との間における表示部の位置に応じて、基準視標の輝度あるいは明度を変化させるように制御を行う。
ここでは、表示部において視標とともに表示される基準視標の輝度あるいは明度を、表示部の位置に応じて変化させる。
これにより、例えば、近点から遠点に向かって移動させた表示部において、基準視標の輝度あるいは明度を低下させることで、遠方に移動した視標との距離感を明確化することができる。よって、訓練者が感じる視標との遠近感をさらに効果的に向上させることができる。
第6の発明に係る視力改善訓練装置は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る視力改善訓練装置であって、制御部は、近点あるいは遠点において表示部を停止させた後、視標の大きさを変化させるように制御を行う。
ここでは、例えば、近点から遠点に向かって表示部を移動させた後、遠点において停止した表示部に表示される視標の大きさを若干小さくするように制御を行う。または、反対に、近点において停止した表示部に表示される視標の大きさを変化させるように制御を行う。
これにより、近点と遠点との間において往復移動させる際に、画像等の視標を見続ける訓練者に対して視標との遠近感をさらに効果的に感じさせることができる。
第7の発明に係る視力改善訓練装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る視力改善訓練装置であって、基準視標の色は、白色系である。
ここでは、表示部に表示される基準視標の色を、白色系にしている。
ここで、白色系の色は、一般的に黒色である背景と区別するために有効な色(例えば、白色、グレー等)であり、訓練者に対して基準視標となる表示を十分に認識させることが可能である。なお、表示部に基準視標を表示する場合、訓練者に対して、視標よりも注目が注がれない程度の白色系の色にすることが重要である。
これにより、訓練者に対して、基準視標となる表示を十分に認識させることが可能となる。
第8の発明に係る視力改善訓練制御プログラムは、目の結像調節機能の訓練を行う視力改善訓練制御方法をコンピュータに実行させる視力改善訓練制御プログラムであって、表示ステップと、移動ステップと、制御ステップと、を備えている。表示ステップは、視力改善訓練用の画像である視標と、視標の周囲に表示する画像である基準視標と、を表示する。移動ステップは、表示される視標と基準視標とを、訓練者に対して遠点と近点との間で移動させる。制御ステップは、視標と基準視標とが移動する際に、視標が訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影されるように、かつ、基準視標が常に一定のサイズで表示されるように、表示する。
ここでは、例えば、筐体等の内部に設置された表示部に所定の視力改善訓練用の画像を表示しながら、訓練者が筐体内を覗き込んだ状態で画像を遠ざけたり近づけたりすることで、目の結像調節訓練を行う視力改善訓練制御プログラムにおいて、視力改善訓練用の画像である視標と、視標の周囲に表示する画像である基準視標とを表示している。そして、表示した視標と基準視標とを移動する際に、視標が訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影されるように制御している。そして、視標とは異なり、基準視標が常に一定のサイズで表示されるように制御している。
ここで、上記視力改善訓練用の画像には、円や三角形、四角形、リング形状等の図形やアルファベット、ひらがな、カタカナ、写真、アニメーション等が含まれる。このような画像を表示する表示部としては、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ等の電子的な表示手段を用いることができる。また、上記画像が往復移動する範囲において最も遠い地点となる遠点とは、毛様体筋(輪状筋)の弛緩、収縮によって厚さの調節を行う目のレンズの厚み調節がまったくなされていない状態で網膜の中心窩に結像する外界の点、あるいは視力改善訓練装置内において画像(表示部)が訓練者から最も遠い位置となる点をいう。一方、上記画像が往復移動する範囲において最も近い地点となる近点とは、目のレンズの厚み調節を最も大きくした状態で網膜の中心窩に結像する外界の点、あるいは視力改善訓練装置において画像(表示部)が訓練者に対して最も近い位置となる点をいう。なお、近点と遠点とは、訓練者と画像(表示部)の光学距離が短い所定の位置にある1点と、その1点よりも光学距離が長い所定の位置にある1点とで、それぞれ設定してもよい。さらに、表示部に表示される画像を遠点と近点との間において往復移動させる移動部としては、例えば、プーリやベルト等を含む搬送手段やスクリューを回転させて表示部を所望の方向において往復移動させる搬送手段、あるいは視覚的に遠点と近点との間において画像が往復移動しているように画像表現等による表示を行う表示手段等が含まれる。
本発明の視力改善訓練御プログラムでは、制御ステップは、表示ステップにおいて、視標が訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影されるように制御するのに対して、基準視標が常に一定のサイズで表示されるように制御している。これにより、訓練者は、移動に伴ってサイズが変わらない基準視標を意識するようになり、視標が近点から遠点に向かって移動していることを認識できるようになる。このため、訓練者は、視標が遠ざかっていくことを認識しながら、訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影される視標に対してピントを合わせる訓練を行うことが可能となる。
この結果、訓練者に対して、標的となる図形である視標が移動していることを認識させることができ、さらに効果的な訓練を行うことが可能となる。
なお、本発明の視力改善訓練制御プログラムは、近点から遠点に移動する視標を注視させて視力の改善を図る、いわゆる近視用の視力改善訓練や、遠点から近点に移動する視標を注視させて視力の改善を図る、いわゆる遠視(老視)用の視力改善訓練に用いることが可能である。
本発明に係る視力改善訓練装置によれば、訓練者に視標が移動していることを認識させることができ、さらに効果的な訓練を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態に係る視力改善訓練装置10について、図1〜図7を用いて説明すれば以下の通りである。
[視力改善訓練装置10全体の構成]
本実施形態に係る視力改善訓練装置10は、図1および図2に示すように、所定の方向において往復移動する筐体部11内の表示部20に表示されるマーク(視標)20a(図4参照)を注視させることにより、近視あるいは遠視(老視)によって低下した視力の改善を図る装置である。具体的には、訓練者ごとに設定される近点と遠点との間において表示部20を往復移動させ、マーク20aが近点から遠点に移動する際、あるいは、遠点から近点に移動する際に、訓練者が移動中のマーク20aを注視して訓練を行う。
なお、この遠点とは、目のレンズの厚さの調節をまったくしていないときに、網膜の中心窩に結像する外界の点あるいは視力改善訓練装置10内において表示部20が訓練者から最も遠い位置となる点をいう。一方、近点とは、レンズの厚さの調節を極度にしたときに網膜の中心窩に結像する外界の点、あるいは視力改善訓練装置10において表示部20が訓練者に対して最も短い位置となる点をいう。なお、近点と遠点とは、訓練者と表示部20の光学距離が短い所定の位置にある1点と、その1点よりも光学距離が長い所定の位置にある1点とで、それぞれ設定してもよい。
また、本実施形態では、視力改善訓練用のマーク20aとして、図4等に示すように、略円形のリング状の図形を用いているが、訓練者が訓練中に焦点を合わせやすいものであれば形状や色等は問わない。
視力改善訓練装置10は、図1および図2に示すように、略直方体の筐体部11と、筐体部11の壁面に設けられた接眼部12と、筐体部11内に設けられた移動部13と床面14と開口15と照明部16と表示部20と、制御部40とを備えている。
接眼部12は、視力改善訓練を実施する訓練者が目を当てた状態で、筐体部11内において移動する表示部20を見るための覗き穴である。そして、接眼部12は、本実施形態では2つ設けられているが、少なくとも1つ設けられていればよい。また、接眼部12には、図示しないシャッター等が設置されており、シャッター等によって接眼部12の片方を閉じておくことで、片目ずつ交互に視力改善訓練を実施することができる。
移動部13は、筐体部11内における床面14下の空間に設置されており、モータ30と支持部21、台座部22、スクリュー23を含んでいる。また、移動部13は、制御部40によってモータ30の駆動を制御され、表示部20を所定の方向に往復移動させる。
床面14には、表示部20を支持する支持部21が移動するための開口15が形成されている。開口15は、近点と遠点とを結ぶ方向に沿って形成されている。
照明部16は、訓練者が接眼部12から表示部20に表示されるマーク20aおよび枠(基準視標)20bを見やすくするために、接眼部12が設けられた側の壁面に設置された照明装置である。照明部16は、表示部20におけるマーク20aおよび枠20bの種類や表示状態、表示色等に応じて適切な明るさに設定できることが好ましい。
表示部20は、訓練者が接眼部12を介して目視できる範囲内に配置されており、後述するマーク20aおよび枠20bを表示する。また、表示部20は、棒状の支持部21によって台座部22から支持されており、モータ30によってスクリュー23を所定の方向へ回転させることで、スクリュー23に嵌合した台座部22ごと、予め設定された近点と遠点との間を往復移動する。なお、表示部20としては、液晶ディスプレイが用いられており、制御部40によってマーク20aおよび枠20bの大きさや形状の制御や着色等が可能である。
制御部40は、図2および図3に示すように、表示部20、モータ30および入力部31に接続されており、表示部20におけるマーク20aおよび枠20bの表示制御、移動部13による表示部の移動速度、移動方向等の制御を行う。なお、この制御部40の構成については、後段にて詳述する。
(制御部40)
制御部40は、図3に示すように、入力制御部41、表示制御部42、記憶部43、駆動制御部44、移動方向制御部45、位置制御部46および速度制御部47を有している。
入力部31は、入力スイッチ等であって、表示部20において表示されるマーク20a(視力改善訓練用の画像(図形))に関する制御情報や後述する近点および遠点に関する位置情報が、視力改善訓練の開始前に予め入力される。
なお、近点および遠点に関する位置情報は、接眼部12から表示部20までの光学距離として示されるものであるが、訓練者によって個人差があるため訓練者ごとに調整する必要がある。具体的には、近点は接眼部12から100〜500mmの範囲で、遠点は接眼部12から500mm以上の範囲で、それぞれ訓練者ごとに適切な数値が入力される。
入力制御部41は、表示制御部42と駆動制御部44とにそれぞれ接続されており、入力部31に対して入力された表示部20におけるマーク20a(表示図形)等の制御情報やモータ30に関する制御情報等がそれぞれ送信される。
表示制御部42は、入力制御部41から受信した制御情報に基づいて、適切な大きさのマーク20aおよび枠20bを表示するように表示部20を制御する。また、表示制御部42は、位置制御部46において取得した接眼部12と表示部20との間の光学距離に関する情報についても表示するように表示部20を制御する。表示制御部42は、入力された制御情報に基づいて、予め記憶部43に格納された図形データの中からマーク20aとして使用する所定の図形を選び出し、選んだ図形とその大きさに関する情報を表示部20に表示させる。このように、接眼部12から表示部20までの光学距離とマーク20a等の図形の大きさ等の情報を表示することにより、視力改善訓練の結果として、どの図形がどの程度の光学距離までよく見えるようになったかを訓練者に認識させることができる。よって、訓練者に視力改善訓練による効果を認識させ、次回の視力改善訓練を行う動機付けとすることができる。
また、表示制御部42では、接眼部12と表示部20との間の光学距離に比例して、表示部20に表示されるマーク20aの大きさを変化させるように表示部20を制御する。具体的には、表示制御部42は、図5(a)〜図5(c)に示すように、近点付近ではマーク20aを小さく表示し、表示部20が中間地点付近から遠点付近に向かって接眼部12から離れていくにつれて、徐々にマーク20aを大きく表示するように表示部20を制御する。逆に、表示部20を遠点から近点へ移動させる際には、表示制御部42は、遠点付近ではマーク20aを大きく表示し、近点に近づくにつれてマーク20aを小さく表示するように、表示部20を制御する。これにより、視力改善訓練を行う訓練者の網膜上には、接眼部12と表示部20との間の光学距離に関わらず、常時ほぼ同じ大きさのマーク20aが表示される。このように、目の網膜上に形成される像の大きさをほぼ一定に保つと、脳に入る視覚情報の量が減るため、訓練者はマーク20aに目の焦点を合わせやすくなる。このため、視力改善訓練を行う訓練者は、マーク20aを見易くなって、マーク20aに集中した状態で視力改善訓練を実施することができる。なお、上述のように、表示部20に表示されるマーク20aの大きさを制御した場合でも、訓練者は図形に目の焦点を合わせるために結像調節機能を稼働させることができる。よって、視力改善訓練中にマーク20aの大きさを変化させたとしても、視力改善の効果を損なうことはない。
また、本実施形態の表示制御部42では、マーク20aの周囲に表示される枠20bの表示が常に一定のサイズで表示されるように表示部20を制御する。具体的には、表示制御部42は、図5(a)〜図5(c)に示すように、近点、中間点、遠点のすべての地点における枠20bを同じサイズで表示するように表示部20を制御する。
ここで、表示部20上に表示される枠20bのサイズについて、さらに詳細に説明する。本実施形態の表示制御部42では、表示部20に表示される枠20bのサイズを、表示部20が遠点に位置する場合におけるマーク20aのサイズのすぐ周囲を囲むように表示される大きさにしている。すなわち、図5(c)に示されるような枠20bのサイズを常に表示するようにしている。これにより、表示部20が近点から遠点に移動すると、訓練者は、図5(a)〜図5(c)に示すように、マーク20aの周囲から遠く離れた位置にあった枠20bが、マーク20aをクローズアップするようにマーク20aに対してだんだんと小さくなるように見え、最終的にマーク20aのすぐ周囲を囲むように見えるようになる。この結果、訓練者の注目をマーク20aに集めることができるので、より訓練効果を高めることが可能となる。
さらに、表示制御部42は、表示部20に表示されるマーク20a、枠20bおよびその背景20cの色についても制御する。マーク20a、枠20bおよびその背景20cの色に関するデータは、予め記憶部43に格納されている。表示制御部42は、入力部31から入力された制御情報に基づいて、マーク20aの色に関するデータを取得する。
なお、視標20aや背景20cの色や輝度、明度等の設定については特に限定されるものではないが、表示制御部42が、マーク20aの色として赤、緑または青のいずれか1つ、背景20cの色として黒を選択した場合には、訓練者がマーク20aに集中しやすくなる。これは、人の目の網膜内の光受容器が赤、緑、青の3種類の色のそれぞれの波長の光に対する吸収特性を有する錐体と明暗を識別する杆体からなっており、この光受容器の特性から赤、緑または青の図形が見やすいからである。また、背景20cを黒色とすることにより、マーク20aの識別をさらに容易として、視力改善訓練を行う訓練者がマーク20aにさらに集中しやすくすることができる。さらに、背景色を黒に設定した場合には、目に対して最も刺激が少ないため、訓練者はよりリラックスした状態で訓練を行うことができる。さらに、表示制御部42が、枠20bの色として白色系(例えば、白色、グレー等)を選択し、かつ、マーク20aの輝度よりも低くなるように制御した場合には、以下の効果がある。すなわち、白やグレー等の白色系の色は、黒色である背景20cと区別するために有効な色であるから、訓練者に対して枠20bとなる表示を十分に認識させることが可能となる。ただし、枠20bについては、あまり白すぎると訓練者に刺激を与えてしまうので、訓練者に対して、マーク20aよりも注目が注がれない程度の白色系の色にすることが重要である。また、枠20bの輝度をマーク20aよりの輝度よりも低くすることで、訓練者に対して、マーク20aよりも枠20bに注目が注がれるようになることを回避している。この結果、訓練者は、枠20bの存在を認識しながら、マーク20aを注視することが可能となる。なお、ここでは輝度を変化させる例を挙げて説明したが、明度を変化させる場合でも、訓練者が視標20aよりも枠20bに注目が注がれるようになることを回避することができる。
さらに、表示制御部42は、表示部20の位置(接眼部12と表示部20との間の光学距離)に応じて、表示部20に表示している枠20bの輝度や明度を変化させるように制御を行ってもよい。具体的には、例えば、近点から遠点に向かって移動させて停止した表示部20において、枠20bの輝度あるいは明度を低下させるように制御を行う。この場合には、表示部20が近点と遠点との間を往復移動する際に、訓練者が表示部20との間の距離感をより効果的に感じさせることができる。
また、表示制御部42は、例えば、近点から遠点に向かって移動して停止した表示部20において、マーク20aの大きさを若干小さくするように制御を行ってもよい。この場合には、訓練者は、表示部20に表示されるマーク20aを見続けた状態において、マーク20aとの距離感をより感じ易くなる。なお、停止状態においてマーク20aの大きさを変化させるのは、遠点に限定されるものではなく、近点において同様の表示制御を行ってもよい。
記憶部43は、表示部20において表示されるマーク20aとして、複数の形状の図形や文字、記号、画像等の情報や、図形や背景の色情報等を格納している。また、記憶部43は、視力改善訓練を行う訓練者ごとに設定される近点や遠点の光学距離に関する情報を格納しており、訓練者は視力改善訓練を開始する際に以前設定した近点、遠点の光学距離に関する情報を記憶部43から読み出して使用することができる。
駆動制御部44は、移動方向制御部45、位置制御部46、速度制御部47によって、表示部20を駆動するモータ30の制御を行う。具体的には、移動方向制御部45は、表示部20が遠点から近点に向かう方向、あるいは、近点から遠点に向かう方向のいずれの方向に移動するかを制御する。また、位置制御部46は、表示部20の位置や、入力部31から設定入力された遠点、近点の位置を制御する。速度制御部47は、モータ30の回転数を制御することで、スクリュー23の回転に伴って移動する表示部20の移動速度を制御する。
移動方向制御部45は、入力部31から視力改善訓練装置10の起動信号が入力されると、表示部20の遠点と近点との間における移動方向を制御する。なお、近視用の視力改善訓練を行うか、遠視用の視力改善訓練を行うかによって、表示部20の訓練開始時の初期位置が変化する。このため、視力改善訓練の内容に応じて、表示部20の最初の移動方向を設定すればよい。例えば、近視用の視力改善訓練を実施する際には、表示部20の初期位置は近点となるため、起動信号が入力された時に表示部20がどの位置に停止していたとしても、表示部20が近点に向かって移動するようにモータ30を制御する。
位置制御部46は、接眼部12から表示部20までの光学距離を、例えば、モータ30の回転数等に基づいて適宜制御する。なお、接眼部12から表示部20のマーク20aまでの光学距離は、表示制御部42に入力され、表示部20の画面上にマーク20aとともに表示される。
速度制御部47は、近点と遠点との間において往復移動する表示部20の移動速度を、連続的、あるいは、段階的に変化させることができる。移動速度を段階的に変化させる場合には、例えば、10mm/秒、40mm/秒、80mm/秒、160mm/秒、250mm/秒、500mm/秒のいずれかの移動速度から訓練者、あるいは医師等の操作者が自分に最適な移動速度を選択可能となっている。また、移動速度を連続的に変化させる場合には、訓練者あるいは操作者が最適な移動速度の微妙な調整を行うことができる。このような表示部20の移動速度は、訓練者あるいは操作者が入力部31から直接入力すればよい。
移動方向制御部45、位置制御部46および速度制御部47の各制御出力は、駆動手段であるモータ30に入力され、所定の制御が行われる。なお、移動方向制御部45、位置制御部46、速度制御部47の各制御を組み合わせて、表示部20の移動時に小刻みに前後方向に振動させると、訓練者が表示部20に表示されたマーク20aに自分の目の焦点を合わせやすくなるとともに、焦点が合っているか否かを判断しやすくすることができる。
ここで、視力改善訓練装置10では、接眼部12から遠点までの光学距離を筐体部11内に確保する必要があるため、通常は奥行きが550〜1050mm程度となって装置が大型化する。そこで、接眼部12から表示部20までの光路間に凸レンズやミーラー等の光学装置を設けることで奥行きを小さくして装置の小型化を図ることもできる。
<視力改善訓練の概要>
訓練者は、接眼部12に目を当てた状態で、表示部20に表示されたマーク20aを両眼または片眼で見る。この時、訓練者は、マーク20aに集中してはっきり見えるよう努力し、目の焦点を合わせる。このように、訓練者が目の焦点をマーク20aに合わせた状態で、近点と遠点との間を繰り返し往復移動させることで、訓練中の訓練者の目の毛様体筋や瞳孔、輻輳・開散等の目の結像調節機能を稼働させて、目の結像調節機能を向上させることができる。
これにより、近視の場合の遠方の対象物および遠視の場合の近傍の対象物のような、それまではっきり見ることが困難であった対象物をはっきり見ることができる。このように、毛様体筋等のレンズの曲率制御組織を運動させ、瞳孔径の調節や輻輳・開散を行うことにより、網膜を含む眼球全体の運動を行わせて、目の機能を活性化することができる。
なお、上述した近点と遠点との間のマーク20aの移動は、例えば、10往復を1セットとし、休みを入れながら2から3セットを1日1回程度行うのが好ましい。これにより、長時間の訓練によってドライアイとなることを防止することができる。
また、パソコンのディスプレイを長時間見続けたり、本などを長時間読んだりした後などにも、本装置による毛様体筋の運動、瞳孔調節、輻輳・開散を行うことにより目の機能を改善させることができる。
<近視用の視力改善訓練の制御>
本実施形態の視力改善訓練装置10では、近視用の視力改善訓練を実施する際、図4に示すように、表示部20におけるマーク20aおよび枠20bの表示を制御しつつ、図6に示すような制御フローチャートに従って処理を行う。
具体的には、ステップS1では、まず、訓練者が、近視用の視力改善訓練を行うために、視力改善訓練開始ボタンを押下する。
ステップS2では、表示制御部42が、記憶部43から読み出したマーク20aおよび枠20bを表示するように、表示部20を制御する。
ステップS3では、駆動制御部44に含まれる移動方向制御部45、位置制御部46によって、近視用の視力改善訓練の初期位置となる近点付近に表示部20を移動させる。なお、視力改善訓練開始ボタンが押下された際に、表示部20が近点付近にある場合にはそのまま待機すればよい。また、ステップS2およびステップS3の処理については、同時に並行して行われてもよい。
ステップS4では、訓練を開始する合図として、例えば、ホイッスルの音を出して、訓練者に視力改善訓練の開始を認識させ、マーク20aおよび枠20bを表示させた表示部20の近点から遠点に向かう移動を開始する。
ステップS5では、表示制御部42が、マーク20aについては、表示部20に表示される大きさが変化するように、枠20bについては、表示部20に表示される大きさが常に一定となるように、移動中の表示部20を制御する。具体的には、図5(a)〜図5(c)に示すように、表示制御部42は、表示部20の位置、つまり、接眼部12から表示部20までの光学距離に応じて、訓練中の訓練者から見てほぼ一定の大きさのマーク20aが見えるようにマーク20aの大きさを変化させる。一方、枠20bに対しては、表示制御部42は、表示部20の移動に関わらず、表示部20上の枠20bの大きさを一定としている。なお、訓練者においてマーク20aとの距離感をより効果的に感じさせるために、表示制御部42が、表示部20の位置に応じて枠20bの輝度や明度を変化させるように制御を行ってもよい。
ステップS6では、移動中の表示部20を遠点で停止させる。ここで、表示制御部42が、マーク20aの大きさを若干小さくするように制御してもよい。
ステップS7では、遠点に停止している表示部20を遠点から近点まで移動させる。
ステップS8では、所定回数(例えば、10回)だけ表示部20が往復移動を行ったか否かを確認する。そして、このような表示部20の往復移動(ステップS4〜ステップS7)を所定回数に達するまで繰り返した後、訓練を終了する。
本実施形態の視力改善訓練装置10では、以上に示したように、表示部20に視力改善訓練用の画像であるマーク20aと、マーク20aの周囲に表示する画像である枠20bとを表示している。そして、表示制御部42は、表示部20が移動する際に、マーク20aが訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影されるように、かつ、枠20bが表示部20に対して常に一定のサイズで表示されるように表示部20を制御している。具体的には、表示制御部42は、図7(a)に示すように、遠点付近ではマーク20aを大きく表示し、近点に近づくにつれてマーク20aを小さく表示するように、表示部20を制御する。これにより、視力改善訓練を行う訓練者の網膜上には、図7(b)に示すように、接眼部12と表示部20との間の光学距離に関わらず、常時ほぼ同じ大きさのマーク20aが表示される。また、表示制御部42では、図7(a)に示すように、遠点であっても近点であっても常に枠20bが常に一定のサイズで表示されるように、表示部20を制御する。これにより、視力改善訓練を行う訓練者の網膜上には、図7(b)に示すように、近点に近づくにつれて枠20bが大きく投影される。
これにより、訓練者は、移動に伴って表示部20上でのサイズが変わらない枠20bを意識するようになり、マーク20aが近点から遠点に向かって移動していることを認識できるようになる。
ここで、脳は、マーク20aが移動していることを認知することによって、マーク20aの図形にピントを合わせようとする。このため、視力改善訓練は、訓練者の脳にマーク20aとなる図形が移動していることを認識させることによって、より大きな効果を上げることができる。本実施形態の視力改善訓練装置10では、従来の視力改善訓練装置とは異なり、訓練者がその移動を認識することができるようになるので、さらに効果的な訓練を行うことが可能となる。
[本視力改善訓練装置10の特徴]
(1)
本実施形態の視力改善訓練装置10は、表示部20が近点から遠点へ移動する際に、マーク20aが訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影されるように表示部20を制御しながら視力改善訓練を行う装置であって、表示制御部42は、図4に示すように、マーク20aの周囲に枠20bを表示し、図7(a)、図7(b)に示すように、その枠20bが、表示部20に対して常に一定のサイズで表示されるように表示部20を制御している。
これにより、訓練者は、移動に伴って表示部20上でのサイズが変わらない枠20bを意識することによって、マーク20aが近点から遠点に向かって移動していることを認識できるようになる。この結果、訓練者に対して、マーク20aが遠ざかっていくことを認識しながら視力改善訓練を行わせることができ、さらに効果的な訓練を行わせることが可能となる。
(2)
本実施形態の視力改善訓練装置10では、枠20bの輝度がマーク20aよりの輝度よりも低くなるように制御している。
これにより、訓練者に対して、マーク20aよりも枠20bに注目が注がれるようになることを回避し、枠20bの存在を認識しながらマーク20aを注視することができるようにしている。
(3)
本実施形態の視力改善訓練装置10では、枠20bの色が白色系を選択するように制御している。
これにより、黒色である背景20cに対して明確に区別できるようになり、訓練者に対して枠20bとなる表示を十分に認識させることを可能としている。
(4)
本実施形態の視力改善訓練装置10では、図5(c)に示すように、表示部20に常時表示させる枠20bのサイズを、表示部20が遠点に位置する場合におけるマーク20aのサイズのすぐ周囲を囲むようなサイズにしている。
これにより、表示部20が近点から遠点に移動した際に、図5(a)〜図5(c)に示すように、訓練者に対して、マーク20aの周囲から遠く離れた位置にあった枠20bが、マーク20aをクローズアップするようにマーク20aに対してだんだんと小さくなるように見せている。この結果、訓練者の注目をマーク20aに集め、より訓練効果を高めることを可能としている。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、視力改善訓練装置10に対して本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、PC(Personal Computer)の液晶画面等に画像表現等による表示を行って視覚的に遠点と近点との間における画像の移動を実現させ、上述した制御(図6参照)および下段にて説明する制御(図8参照)に従って実行される視力改善訓練制御方法をコンピュータに実行させる視力改善訓練制御プログラムとして本発明を実施してもよい。
この視力改善訓練制御プログラムによっても、訓練者に標的となる視標が移動していることを認識させることができ、さらに効果的な訓練を行うことができるという、上記視力改善訓練装置10によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
(B)
上記実施形態では、表示部20を近点から遠点に移動させて訓練を行う、いわゆる近視用訓練を行う場合の制御を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
訓練者が遠視の場合には、図6に示すフローチャートの「近点」と「遠点」とを互いに反対にした図8に示すフローチャート(ステップS11〜ステップS18)に従って制御してもよい。この場合であっても、ステップS5において、遠点から近点に移動する表示部20に対して上記と同様の制御をすることによって、上記と同様の効果を得ることができる。
また、この場合、表示部20に表示される枠(基準視標)20bのサイズを、表示部20が遠点に位置する場合におけるマーク20aのサイズのすぐ周囲を囲むように表示される大きさにしていることによって以下の効果を発揮する。
すなわち、表示部が遠点から近点に移動する際は、訓練者は、図5(c)〜図5(a)に示すように、マーク20aのすぐ周囲を囲むように見えていた枠20bが、マーク20aをクローズダウンするようにマーク20aに対してだんだんと大きくなるように見え、最終的にマーク20aの周囲からは遠く離れた位置に見えるようになる。この結果、訓練者の注目をマーク20aに集めることができるので、より訓練効果を高めることが可能となる。
(C)
上記実施形態では、筐体部11内に設置された表示部20を前後方向に移動させて、視力改善訓練用のマーク20aを訓練者が直接的に注視する構成を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図9に示すように、筐体部111内に視力改善訓練用の視標および枠(基準視標)を表示する表示部120を固定配置し、平面鏡等の反射部150を前後方向において移動させることで、遠点と近点との間において視標および枠を視覚的に移動させる反射型の視力改善訓練装置110を用いることもできる。
このような反射型の視力改善訓練装置110では、制御部140が、床面114上において反射部150を支持する支持部151と台座部152とを移動部113によって移動させ、表示部120に対する反射部150の距離を変化させる。移動部113は、モータ130、プーリ131およびベルト132を含んでいる。筐体部111には、接眼部112と照明部116とが取り付けられている。
これにより、訓練者は反射部150等の光学装置を介して間接的に視標および枠を注視することになるため、筐体部111内における訓練者の目(接眼部112)から視標および枠までの距離を短くすることができる。よって、上記実施形態の視力改善訓練装置10と比較して、表示部の移動方向における装置の大きさを小さくして、よりコンパクトな装置を構成することができる。
(D)
上記実施形態では、視力改善訓練用の基準視標の形状として、マーク20aの周囲を完全に囲む枠形状を採用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図10に示すように、基準視標220bは、マーク20aの周囲に配置されているが、マーク20aを完全に囲む形状でなくてもよい。この場合であっても、訓練者に標的となるマーク20aが移動していることを認識させることができ、さらに効果的な訓練を行うことができるという、上記視力改善訓練装置10によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
さらに、例えば、図12(a)に示すように、四方にそれぞれ配置された枠(基準視標)420baを基準視標として用いてもよい。
あるいは、図12(b)や図12(c)に示すように、表示画面における対向する二辺上、または一辺上に、基準ブロック(基準視標)420bbや基準ブロック(基準視標)420bcを基準視標として用いてもよい。
さらには、図12(d)に示すように、マーク20aの中心部に表示した円形視標(基準視標)420bdを、基準視標として用いてもよい。
また、図12(e)に示すように、マーク20aの大きさの変化を訓練者に感じさせ易くするために、目盛り(基準視標)420beを表示して、基準視標として用いてもよい。
(E)
上記実施形態では、視力改善訓練用の視標として、略円形のリング状のマーク20aを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図11(a)に示すように、リング状の視標の代わりに、アルファベット(例えば、「G」)等の文字や図形等をマーク(視標)320aとして表示してもよい。
あるいは、図11(b)に示すように、動物の絵等をマーク(視標)320bとして表示して、視力改善訓練を実施してもよい。
なお、このような視標の種類については、視力改善訓練を実施する訓練者の年齢や好みに応じて適宜選択可能であることが望ましい。
(F)
上記実施形態では、近視用の視力改善訓練および遠視(老視)用の視力改善訓練の双方を実施可能な視力改善訓練装置10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、近視用の視力改善訓練、あるいは遠視用の視力改善訓練のいずれか一方だけを実施可能な視力改善訓練装置であってもよい。
(G)
上記実施形態では、視力改善訓練用の画像を表示する表示部20として、液晶表示パネルを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、液晶表示パネル以外にも、有機EL(Electro-Luminescence)パネルやCRT(Cathode Ray Tube)等の他の電子的表示手段を用いることもできる。
(H)
上記実施形態では、筐体部11の中に表示部20等が格納された視力改善訓練装置10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、PCや携帯電話等の表示画面に画像表現等による表示を行って訓練者が距離感を感じられるような構成であれば、表示画面を見ながら視力改善訓練を実施することも可能である。
本発明の視力改善訓練装置では、視標が移動していることを認識しながら視標にピントを合わせるという効果的な訓練を行うことができるという効果を奏することから、各種の視力改善訓練装置に対して広く適用可能である。
本発明の一実施形態に係る視力改善訓練装置の構成を示す全体斜視図。 図1の視力改善訓練装置の内部構成を示す断面図。 図1の視力改善訓練装置内に形成される制御ブロック図。 図1の表示部に表示される内容を示した斜視図。 (a)〜(c)は、訓練者の網膜上に常時同じ大きさの視標が表示されるように表示部において表示される表示の大きさを変化させることを示す説明図。 近視用の視力改善訓練を行う際の制御を示すフローチャート。 (a),(b)は、表示部を移動する際の、表示部上の視標および枠のサイズと位置との関係、網膜上の視標および枠のサイズと位置との関係を示す説明図。 遠視用の視力改善訓練を行う際の制御を示すフローチャート。 本発明の他の実施形態に係る反射型の視力改善訓練装置の内部構成を示す断面図。 表示部に表示される基準視標の他の実施形態を示した斜視図。 (a),(b)は、表示部において表示される視標の種類を示す正面図。 (a)〜(e)は、表示部において表示される視標の種類の他の例を示す正面図。
符号の説明
10 視力改善訓練装置
11 筐体部
12 接眼部
13 移動部
14 床面
15 開口
16 照明部
20 表示部
20a マーク(視標)
20b 枠(基準視標)
20c 背景
21 支持部
22 台座部
23 スクリュー
30 モータ
31 入力部
40 制御部
41 入力制御部
42 表示制御部
43 記憶部
44 駆動制御部
45 移動方向制御部
46 位置制御部
47 速度制御部
110 視力改善訓練装置
111 筐体部
112 接眼部
113 移動部
114 床面
116 照明部
120 表示部
130 モータ
131 プーリ
132 ベルト
140 制御部
150 反射部
151 支持部
152 台座部
220b 基準視標
320a,320b マーク(視標)
420ba 枠(基準視標)
420bb,420bc 基準ブロック(基準視標)
420bd 円形視標(基準視標)
420be 目盛り(基準視標)
S ステップ

Claims (8)

  1. 目の結像調節機能の訓練を行う視力改善訓練装置であって、
    視力改善訓練用の画像である視標と、前記視標の周囲に表示する画像である基準視標と、を表示する表示部と、
    前記表示部を、訓練者に対して遠点と近点との間で移動させる移動部と、
    前記表示部が移動する際に、前記視標が前記訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影されるように、かつ、前記基準視標が前記表示部において常に一定のサイズで表示されるように、前記表示部を制御する制御部と、
    を備えている視力改善訓練装置。
  2. 前記基準視標は、前記視標を囲む枠である、
    請求項1に記載の視力改善訓練装置。
  3. 前記基準視標は、前記表示部が前記遠点に位置する場合に表示される前記視標の大きさに対して、前記視標のすぐ外側を囲む大きさで表示する、
    請求項1または2に記載の視力改善訓練装置。
  4. 前記基準視標の輝度あるいは明度は、前記視標の輝度あるいは明度よりも低い、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の視力改善訓練装置。
  5. 前記制御部は、前記近点と前記遠点との間における前記表示部の位置に応じて、前記基準視標の輝度あるいは明度を変化させるように制御を行う、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の視力改善訓練装置。
  6. 前記制御部は、前記近点あるいは前記遠点において前記表示部を停止させた後、前記視標の大きさを変化させるように制御を行う、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の視力改善訓練装置。
  7. 前記基準視標の色は、白色系である、
    請求項1から6いずれか1項に記載の視力改善訓練装置。
  8. 目の結像調節機能の訓練を行う視力改善訓練制御プログラムであって、
    視力改善訓練用の画像である視標と、前記視標の周囲に表示する画像である基準視標と、を表示する表示ステップと、
    表示される前記視標と前記基準視標とを、訓練者に対して遠点と近点との間で移動させる移動ステップと、
    前記視標と前記基準視標とが移動する際に、前記視標が前記訓練者の網膜に対して一定のサイズで投影されるように、かつ、前記基準視標が常に一定のサイズで表示されるように、表示する制御ステップと、
    を備えている、視力改善訓練制御方法をコンピュータに実行させる視力改善訓練制御プログラム。
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