JP2010148459A - 魚釣用リール - Google Patents
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Abstract
【課題】ライニンング材に加わる負担を軽減し、ライニンング材のトラブルを極力回避できるようにした魚釣用リールを提供することを目的とする。
【解決手段】支軸側制動板は、支軸に回り止めされる第1支軸側制動板51と、支軸に回り可能に支持された第2支軸側制動板53とを有し、第1支軸側制動板51と第2支軸側制動板53との間に上記スプール側制動板52を配置し、第1支軸側制動板51の外周に係止部を形成し、上記第2支軸側制動板53の外周には上記スプール側制動板52の外周側を超えて上記第1支軸側制動板51の係止部51dまで延長して該係止部51dに係止して第1支軸側制動板51と第2支軸側制動板53とを一体に回転するようにした魚釣用リール。
【選択図】 図2
【解決手段】支軸側制動板は、支軸に回り止めされる第1支軸側制動板51と、支軸に回り可能に支持された第2支軸側制動板53とを有し、第1支軸側制動板51と第2支軸側制動板53との間に上記スプール側制動板52を配置し、第1支軸側制動板51の外周に係止部を形成し、上記第2支軸側制動板53の外周には上記スプール側制動板52の外周側を超えて上記第1支軸側制動板51の係止部51dまで延長して該係止部51dに係止して第1支軸側制動板51と第2支軸側制動板53とを一体に回転するようにした魚釣用リール。
【選択図】 図2
Description
本発明は、釣糸が巻回されるスプールの回転に抵抗力を付与するドラグ装置を備えた魚釣用リールに関する。
一般に、魚釣用スピニングリールのドラグ装置は、スプールを回転自在に支える支軸の周りにスプールと共に回転可能に支持される円板状のスプール側制動板と、支軸の周りに回り止め支持される円板状の支軸側制動板と、円板状のスプール側制動板と同じく円板状の支軸側制動板との間に設けられるライニンング材とで構成される。そして、スプール側制動板と支軸側制動板に発生させる摩擦結合力は制動板とライニンング材を重ね合わせた積層部分を押圧する力に応じるものである。このドラグ力を調節する場合は、スプールの前面側に設けられた調節ツマミを回転操作することで押圧力を変えることによって行なう。
この種のドラグ装置にあってドラグ性能を高めるために、スプール側制動板の前後にライニンング材を介して配置する一対の支軸側制動板を設けるようにしたドラグ装置が、特許文献1で知られている。
この従来のドラグ装置では、調節ツマミ側に配置した支軸側制動板を支軸の周りに回り止め支持すると共に、その支軸側制動板の径方向内方の圧接側面の一部に係合凹部を形成し、他の支軸側制動板には上記係合凹部に対向一致するようにその支軸側制動板の径方向内方の圧接側面に係止凸部を突出し、この係止凸部を、調節ツマミ側の支軸側制動板の係合凹部に係合して他の支軸側制動板を支軸に回り止めするようになっている。
特開2002−204641号公報
上述した従来のドラグ装置では、支軸の周りに回り止め支持された一方の支軸側制動板の係合凹部に他方の支軸側制動板の係止凸部を係合して、他方の支軸側制動板の支軸に対する回り止めしている。係合凹部と係止凸部は制動板の径方向内方の圧接側面部に配置している。このため、制動板間に配置する際のライニンング材を配置する領域が狭くなってしまう。つまり、係合凹部及び係止凸部を避けて制動板の径方向外側にライニンング材を配置するようにするので、ライニンング材は内径が大径で径方向の幅が狭いものとなる。
したがって、圧接面積が小さくなり、ライニンング材に加わる単位面積当たりの圧力が大きくなり、ライニンング材に加わる負担が大きくなる。例えば、特にフェルト材のような柔らかい材料や薄いものを使用した場合、特にライニング材の変形やちぎれ等のトラブルを起こし易くなる。
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、支軸の周りに回り止め支持される2つの支軸側制動板と、スプールと一体回転するスプール側制動板との間に配置するライニング材の接触面積を大きくとれる構造になり、ライニンング材に加わる負担を軽減し、ライニンング材のトラブルを極力回避できるようにした魚釣用リールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、リール本体に支持した支軸に、釣糸を巻回するスプールを回動可能に装着し、上記スプール内には、支軸側制動板と、上記スプールに回り止めされるスプール側制動板とを配置し、上記支軸側制動板と上記スプール側制動板との間にはライニング材を介在して制動板及びライニング材の摩擦力により上記支軸に対するスプールの回転を制動するようにした魚釣用リールであって、上記支軸側制動板は、支軸に回り止めされる第1支軸側制動板と、支軸に回り可能に支持された第2支軸側制動板とを有し、上記第1支軸側制動板と上記第2支軸側制動板との間に上記スプール側制動板を配置し、上記第1支軸側制動板の外周に係止部を形成し、上記第2支軸側制動板の外周には上記スプール側制動板の外周側を超えて上記第1支軸側制動板の係止部まで延長して該係止部に係止する連結部を設けて上記第1支軸側制動板と上記第2支軸側制動板とを一体に回転するように連結したことを特徴とするものである。
本発明の魚釣用リールによれば、支軸の周りに回り止め支持される2つの支軸側制動板と、スプールと一体回転するスプール側制動板との間に配置するライニング材の接触面積を大きくとれる構造になり、ライニンング材に加わる負担を軽減し、ライニンング材のトラブルを極力回避できる。
図1から図3は、本発明の好ましい実施形態による魚釣用スピニングリール10を示している。
図1に示すように、魚釣用スピニングリール10は、リール本体12と、このリール本体12から延出する脚部12aと、この脚部12aの延出先端部分に形成した竿取付部12bとを有している。リール本体12は内部に収納空間を形成してなる剛性構造のリールボディ12cを備えている。この魚釣用スピニングリール10を使用するときには、竿取付部12bにより図示しない釣竿に取り付ける。
上記リール本体12には、ハンドル軸14が回転可能に設けられている。ハンドル軸14は、リール本体12に対して左右横向きに配置され、ハンドル軸14の少なくとも一端はリール本体12から外へ突き出している。リール本体12から外へ突き出したハンドル軸14の端部にはハンドル15が固定される。ハンドル15の回動先端には摘み15aが取り付けられている。また、リール本体12内に配置されるハンドル軸14の部位には、駆動機構16のドライブギア16aが取り付けられている。このドライブギア16aは、ハンドル軸14の軸方向に対して直交する方向へ延在する向きで上記リール本体12に配置した円筒状構造のピニオンギア16bに噛合している。このピニオンギア16bはリール本体12に軸受16cを介して回転可能に支持されている。
このピニオンギア16bの先端部には、ベール17および釣糸案内装置18を一対の腕部20aの先端側部分に備えたロータ20が取り付けられている。また、ピニオンギア16bの先端側端部はロータ20の中央部から前方に突き出して形成された前筒部20b内に配置される。ピニオンギア16bには該ピニオンギアを前後方向に貫通する摺動可能な状態で支軸(スプール軸)22が支持されている。そして支軸22はハンドル軸14の回転によりドライブギア16aを介して作動されるオシレーティング機構23によって該支軸22の軸方向に沿って一定のストロークでリールの前後方向へ往復駆動されるようになっている。
図2(A)に示すように、リール本体12から先方に突き出した支軸22の先端部分には円筒状の支持部材24がピン26で支軸22に回り止めされるとともに該支軸22に対してその軸方向への移動が不能な状態に取り付けられている。円筒状の支持部材24の後端にはその支持部材24の径外方に膨らむ環状のフランジ部24aが形成されている。そして、支持部材24の外周には、後述するスプール側制動板52の係合筒部52cを間に介在させて釣糸を巻回するためのスプール30が被嵌している。スプール30は支軸22に該支軸の中心軸回りに回動可能な状態で着脱可能に取り付けられる。また、スプール30は支軸22に支持されるので、該支軸22と一緒に支軸22の軸方向へ往復移動する。
そこで、ハンドル15を回転して、ハンドル軸14を回転させると、オシレーティング機構23により支軸22が前後に移動する。これにより、スプール30は支軸22と共に一定ストロークで前後方向へ往復動する。このスプール30の往復動と同時にドライブギア16aおよびピニオンギア16bの駆動機構16により、ロータ20がスプール30の回りに回転する。このため、ロータ20と一緒に回転する釣糸案内装置18に案内される釣糸がスプール30の外周に軸方向にわたり均等に巻回される。
図2(A)に示すように、スプール30は、先端側外周部分を凹設して釣糸が巻回されるように筒状構造に形成した胴部30aを有し、この胴部30aの後端にロータ20の前筒部20bを収容するスカート部30bを一体に配設した構造になっている。胴部30aの前端には鍔部30cが配設されている。スプール30における胴部30aの内部にはその胴部の軸方向におけるほぼ中央部に位置して、スプールにおける支持部位としての支持壁34が、該胴部30aと一体に形成されている。
図2(A)に示すように、支持壁34には上記支軸22及び該支軸22に被嵌した支持部材24が貫通する支軸装着用支持孔32が、スプール30の軸心と同心状に配置して形成されている。支持部位としての支持壁34はその支持孔32で支持部材24を直接に受けるのではなく、後述するスプール側制動板52の係合筒部52cを介在して支持するようになっている。
図2(A)に示すように、スプール30には支持壁34よりも前方に位置して前方を開口した開口凹部(凹陥部)36が形成されている。スプール30にその開口凹部36の内部領域を利用してフロントドラグ方式のドラグ装置38を設ける。ドラグ装置38はスプール30に制動力を付与し、スプール30の釣糸繰り出し方向への回転を許容しながらスプール30の回転力を制御しようとするものである。
次に、このドラグ装置38について具体的に説明する。図2(A)に示すように、ドラグ装置38は、上記支軸22の先端部分に螺合されるドラグ調節ツマミ40と、上記スプール30の開口凹部36内の奥に収容される摩擦結合装置42とを備える。
ドラグ調節ツマミ40には、摩擦結合装置42の制動板(摩擦板)に押当たる円板状の押当て部材41aが組み付けられている。さらに、ドラグ調節ツマミ40内には、押当て部材41aと対向してバネ受け板41bが設けられている。このバネ受け板41bはドラグ調節ツマミ40の内孔40aの内周面に回り止め嵌合して支軸22の軸方向へスライド自在に取り付けられている。バネ受け板41bはドラグ調節ツマミ40と一緒に回動するように直接または他の部材を利用してドラグ調節ツマミ40に係合されている。バネ受け板41bと押当て部材41aとの間には圧縮バネ46が介在して設けられていて、バネ受け板41bと押当て部材41aとは圧縮バネ46によって互いに離反する向きに弾性的に付勢される。バネ受け板41bの中央部にはネジ筒41cが一体に形成されている。このネジ筒41cの内面には支軸22の先端部外周に形成した雄ねじ部22aにネジ込むネジ孔41dが形成されている。
そして、ドラグ調節ツマミ40を回動すると、ドラグ調節ツマミ40と一緒にバネ受け板41bが回動する。このバネ受け板41bは支軸22に対して螺合しているので、バネ受け板41bは支軸22の軸方向へ移動して押当て部材41aに対する圧縮バネ46の付勢力を変更する。つまり、ドラグ調節ツマミ40側の押当て部材41aと、支軸22側の支持部材24のフランジ部24aとの間でスプール30の支持壁34と摩擦結合装置42との両者を挟み込んで押圧するときの押圧力を調整する。したがって、ドラグ調節ツマミ40により摩擦結合装置42の摩擦結合力が調節可能であり、ドラグ調節ツマミ40は摩擦結合力を調節する調節体として機能する。例えば、ドラグ調節ツマミ40を支軸22に捩じ込むと、この捩じ込み量に応じたバネ46の押圧力で、スプール30が支持部材24のフランジ部24a側へ押圧され、摩擦結合装置42により支軸22に対するスプール30の回転が規制される。逆に、ドラグ調節ツマミ40を緩めると、その緩め具合に応じて、摩擦結合装置42によるスプール30の制動抵抗すなわち摩擦結合力が低下し、支軸22に対してスプール30が回転し易くなる。
図2(A)及び図3に示すように、本実施形態の摩擦結合装置42は、支軸22に複数の制動板(摩擦板)を同軸上に配置して重ね合わせてその制動板間の摩擦力を利用する。ここでは、ドラグ調節ツマミ40側から順に配置される、第1支軸側制動板51と、スプール側制動板52と、第2支軸側制動板53とを備える。
図3に示すように、第1支軸側制動板51は、円板部51aと、この円板部51aの外周縁から前方へ延びる円筒部51bとを備え、円板部51aの中央には支持部材24の前端側外周部24bを嵌め込むための略矩形の係止孔(装着孔)51cが形成されている。また、円筒部51bの外周壁には、切欠き状の凹部が部分的に複数形成されており、これらの凹部はそれぞれ後述する第2支軸側制動板53の係止片53cを嵌め込み係止するための係合部51dを形成している。
第1支軸側制動板51の係止孔51cは支持部材24の外周部24bに対し回り止め係合する形で嵌合するように形成される。支持部材24の外周部24bは係止孔51cの形に対応して第1支軸側制動板51が回動できない形に形成される。例えば、係止孔51cと同じ矩形状のものでもよいが、係止孔51cとは同じでない非円形の形に形成してもよい。また、第1支軸側制動板51と支持部材24とは両者が互いに回転し合わない回り止め支持されるが、支軸22の軸方向へ移動可能に係止する関係で支持される構造になっている。ここでは、図3に示すように、略矩形の係止孔51cに係合可能な面取り部24cを一部に形成している。したがって、第1支軸側制動板51は支持部材24の前端側外周部に回り止めされ、かつ支軸22の軸方向へ移動可能に支持部材24の外周に嵌合して装着される。
図2(A)に示すように、ドラグ調節ツマミ40側の押当て部材41aは、第1支軸側制動板51の円筒部51bの内側に入り込んでその第1支軸側制動板51と同軸的に配置されている。また、円筒部51bの内周面にはその周方向にわたり多数の凹凸溝44cが形成され、ドラグ調節ツマミ40側の押当て部材41aには凹凸溝を擦る弾性部材45を設けてドラグ音発生装置が構成されている。
図2(A)および図3に示すように、スプール側制動板52は、単板の円板52aを有し、この円板52aの中央部には支持部材24を貫通する中空孔52bを有した係合筒部52cが円板52aと一体に形成されている。この係合筒部52cは円板52aの内径基部から第2支軸側制動板53側に向けて該円板52aの片面から支軸22の軸方向へ突き出して設けられている。スプール側制動板52の係合筒部52cの外周には、後述するように支持壁34に形成された支持孔32の内面に形成した係合部32aに嵌め込み係止するための複数の係合突起52dが部分的に形成されている。
図2(A)(B)および図3に示すように、支持壁34には上述したスプール側制動板52の係合筒部52cを嵌め込む支持孔32が設けられている。支持孔32にはスプール側制動板52の円筒状の係合筒部52cが略密な状態で差し込まれ、その係合筒部52cを支持するようになっている。また、支持孔32の内周面の一部にはスプール側制動板52における係合筒部52cに設けた係合突起52dが係合するキー溝状の凹部からなる係止凹部32aが設けられている。ここでは、図2(B)に示すように、スプール側制動板52の係合突起52dの数に合わせて2つの係止凹部32aが設けられている。これらの支持構造により、スプール側制動板52は支持壁34に支軸22の軸周りに回転できない回り止めがなされる。また、摩擦結合動作時に支持壁34に対してスプール側制動板52が支軸22の軸方向への所定の移動は可能である。
このように係合筒部52cを支持孔32に嵌め込むと、係合筒部52cは支持壁34に対し軸回りに回動できない状態になる。したがって、スプール側制動板52はスプール30に対し回り止めされる。スプール側制動板52は支軸22の軸方向への移動は可能である。すなわち、スプール側制動板52の係合筒部52cは支軸22に被嵌した支持部材24の外周に被嵌して支軸22の軸回り及びその軸方向への相対的な移動が可能なものとなっている。
上記スプール側制動板52の係合筒部52cの、支軸22の軸方向の長さは、円板52aの厚さよりも長く、また、後述する第2支軸側制動板53の厚さよりも充分に長いものとなっている。つまり、係合筒部52cは該係合筒部を支持壁34の支持孔32に挿入して支持壁34に嵌合できるようになる十分な長さがある。係合筒部52cは軸方向に長く、これが支持部材24に被嵌してその支持部材24に軸支される。このため、スプール側制動板52は傾き等の現象を抑制する機能を奏する。したがって、スプール側制動板52は、支軸22及び支持部材24に対して安定して回転するようになる。
図2(A)および図3に示すように、第2支軸側制動板53は円板53aを有しており、この円板53aの中央部にはスプール側制動板52の係合筒部52cを緩く挿通可能な中空孔53bが形成されている。中空孔53bの半径はスプール側制動板52の係合突起52dを含む係合筒部52cの部分の係合突起52dまでの半径より大きく形成されている。このため、中空孔53b内には係合突起52dを含む係合筒部52cの部分を遊嵌する状態で、その係合筒部52cの部分を配置できるので、第2支軸側制動板53を、スプール側制動板52の係合筒部52cのまわりに配置してもスプール側制動板52は第2支軸側制動板53とは干渉しない。また、第1支軸側制動板51と第2支軸側制動板53とはいずれも支軸22の軸方向への移動は可能である。
また、第2支軸側制動板53の円板53aの外周には他の支軸側制動板ここでは上述した第1支軸側制動板51に連結させるための連結部材として、例えば90度の各間隔で配置された複数の係止片(耳部)53cが、円板53aの外側へ突き出した状態で設けられている。各係止片53cの先端側部分はスプール側制動板52の外周に干渉しない位置において、スプール側制動板52側へ屈曲して、第1支軸側制動板51の外周に形成した係合部51dまで延出している。つまり、屈曲した先端部は、スプール側制動板52の外周端よりも外側に離れて通り、第1支軸側制動板51の係合部51dに達する。各係止片53cは係合部51dに嵌り込んでその係合部51dに係合する。これにより、第2支軸側制動板53は、第1支軸側制動板51に回り止め連結され、両支軸側制動板51,53は、支軸22に対して共に回り止めされた状態となる。
なお、第2支軸側制動板53から第1支軸側制動板51へ延びる連結部材としては上記係止片53cのみならず、ピンなどの棒状部材や筒状の部材でもよい。また、第1支軸側制動板51の係合部も、その連結部材の形状に応じて、例えば孔や段差等の形のものとする。
上記摩擦結合装置42において、第1支軸側制動板51とスプール側制動板52との間、スプール側制動板52と第2支軸側制動板53との間、さらに第2支軸側制動板53と支持壁34との間における互いに対向する摩擦係合面間には、例えば0.5〜1.5mm程度の厚さの円板状ライニング材54を介挿してある。摩擦結合装置42は、支軸側制動板51,53及びスプール側制動板52を交互に配置し、その間にライニング材54を配設した多板構造のものである。ライニング材54は各摩擦係合面間において実質的に機能する摩擦係合面を形成する。そして、図2(A)に示すように、ライニング材54は第1支軸側制動板51とスプール側制動板52と第2支軸側制動板53の外周端までの板面にわたり配設されている。
ここでは、支軸側制動板としては2枚の制動板を用い、スプール側制動板としては1枚の制動板を用いているが、その制動板の枚数はそれ以上に設けるようにしてもよい。各制動板は金属製でもその他の材料でもよい。また、制動板間に介挿するライニング材54は対向する制動板の摩擦係合面の一方に接着固定してもよい。あるいはいずれの摩擦係合面にも固定することなく、そのライニング材54のみを交換可能なものとしてもよい。
上述した魚釣用スピニングリール10の摩擦結合装置42では、ドラグ調節ツマミ40の押当て部材41aにより、スプール30の支持壁34を介して支持部材24のフランジ部24aに押し付けられる。そして、ドラグ調節ツマミ40の円盤状の押当て部材41aとフランジ部24aとの間で摩擦結合装置42とスプール30の支持壁34とを挟み込み、支持部材24および支軸22に対するスプール30の摩擦結合力を形成するドラグ装置38を構成するようにした。
そして、スプール側制動板52は、支持部材24を介して支軸22に回り止めされた第1支軸側制動板51と、この第1支軸側制動板51に連結された第2支軸側制動板53との間に位置する。そしてライニング材54を介して接する摩擦係合面を形成する。つまり、上述の魚釣用スピニングリール10の摩擦結合装置42には、第1支軸側制動板51とスプール側制動板52との間、スプール側制動板52と第2支軸側制動板53との間、および第2支軸側制動板53と支持壁34との間のそれぞれにおいてライニング材54を介して接する三対の摩擦係合面が形成されている。そして、ドラグ調節ツマミ40の押当て部材41aにより押圧される押圧力に応じた摩擦力を発生し、スプール30の回転を制動する制動力・粘りを形成するドラグ作用を発揮するようになる。
上述したドラグ装置38ではスプール側制動板52の内径基部に支軸22の軸方向へ突き出して係合筒部52cを設け、係合筒部52cを支軸22または支軸22に被嵌した支持部材24の外周に被嵌して軸支する。また、スプール側制動板52の内径基部から支軸22の軸方向に突き出した係合筒部52cの係合突起52dを、スプール50の支持壁34に形成した係合部32aに嵌め込み、スプール側制動板52を、スプール50側の支持壁34に回り止め係止するようにした。このため、スプール50と一体に回転するスプール側制動板52の回り止め部の支持強度が向上し、そのスプール側制動板52の不要な傾きが防止できる。したがって、スプール側制動板52の姿勢が定まる。したがって、安定したドラグ性能が得られる。また、従来例の場合のように、スプール側制動板の外周に形成した凸部を、スプールの凹陥部内周に形成した凹溝に嵌め込む形式ではそのスプール側制動板の凸部がスプールの凹溝に喰い付く現象やドラグ時にがたつきが発生する等の現象が起きたが、本実施形態ではそれらの不具合がなくなり、ドラグ装置のドラグフリー性能を高め、ドラグ装置の動作安定性を高める。
なお、ここでの実施形態では、スプール50にスプール側制動板52を回り止め係止する。このため、スプール側制動板52の基部に設ける連結用係合部を、円筒状の係合筒部52cとしたが、係合筒部52cの外周の少なくとも一部を真円の円周面とせず、一部に平面部を形成するなどの非円形な形状とし、スプール50の支持壁34にはその非円形な部分の形に対応した形状の係合部を形成して、この非円形な部分同士を係合して、スプール50の支持壁34にスプール側制動板52を支持するようにしてもよい。
また、上述したドラグ装置38では、第2支軸側制動板53の外周に第1支軸側制動板51に連結させるための連結部材としての係止片(耳部)53cを設け、係止片(耳部)53cは、スプール側制動板52の外周を越えて、第1支軸側制動板51の外周に形成した係合部51dに係止するようにした。このため、第1支軸側制動板51とスプール側制動板52の間、及びスプール側制動板52と第2支軸側制動板53との間のライニング材54による接触面積をいずれも広くできる。したがって、制動板の摩擦制動面にかかる単位面積当たりの圧力が小さくなるので、制動板及びライニング材54に係る負担が軽くなり、摩擦結合装置42の耐久性が上がる。
また、内径と外径の大きい幅の広いライニング材54を使用可能になるので、フェルト材のような柔らかい材料や薄いものを使用した場合でも、そのライニング材の変形やちぎれ等のトラブルを極力回避可能となる。
図4から図6は変形例による魚釣用スピニングリール10のスプール30の構造を示す。なお、以下に説明する種々の実施形態あるいは変形例は基本的に上述の実施形態と同様であり、このため、同様な部位には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、図4に示す変形例では、スプール側制動板52の係合筒部52cが被嵌するその係合筒部52cの内側に配置される支持部材24と、該係合筒部52cとの間に軸受60を介在した。上記支持部材24の外周に軸受60を介して係合筒部52cを支持するようにしたものである。ここでは2つの軸受60を軸方向の前後に並べて配置するようにしたので、係合筒部52cはその2つの軸受60の両方にわたりその外周に被嵌している。したがって、係合筒部52cの長さを、充分に確保できるようになり、スプール側制動板52を支持する安定性が増す。
また、この図4に示す魚釣用スピニングリール10では、第1支軸側制動板51の基部にスプール側制動板52側に突き出す筒状のフランジ65を形成し、このフランジ65を軸受60の外周に掛けて軸受60に嵌合するようにした。したがって、軸受60の外周に掛止するフランジ65により、第1支軸側制動板51の支持安定性が増す。このフランジ65を設ける場合、スプール側制動板52側にはフランジ65を避けるための逃げ66を形成している。
なお、上記軸受60を設けない形態においても同様に第1支軸側制動板51の基部にスプール側制動板52側に突き出すフランジ65を設け、このフランジ65を、支持部材24の外周にかけるようにしてもよい。
図5は、他の変形例を示す。この変形例は、図4に示した形態において、第2支軸側制動板53がない、第1支軸側制動板51とスプール側制動板52との2枚の制動板で摩擦結合装置42を構成するようにした単板ドラグ方式のものである。
図6は、図2に示したもののさらに他の変形例を示す。この変形例では、スプールにおける支持部位としての支持壁34の基部、つまり支持孔32を形成する内端部に、第1支軸側制動板51側へ支軸22の軸方向に沿って延長する支持筒部34aを形成する。この支持筒部34aは上述した第2支軸側制動板53とスプール側制動板52を貫通して第1支軸側制動板51の直前に延長先端が位置する。そして第2支軸側制動板53とスプール側制動板52は支持筒部34aの外周に被嵌して支持される。第2支軸側制動板53は支持筒部34aの外周に回動自在に被嵌しているが、スプール側制動板52は支持筒部34aの外周に被嵌するも、支持筒部34aの外周に回り止め係合している。このため、ここでは、支持筒部34aの外周の一部に面取り部34bを形成してその横断面形状を非円形のものとする。この非円形の部分に嵌合するスプール側制動板52の中空孔の内周面に上記非円形の部分の横断面形状に対応した係合突部52fを形成する形とする。もちろん、スプール側制動板52と支持筒部34aとの関係は回り止め係合すればよいので、その他の回り止めの形態としてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態および変形例について説明してきたが、本発明は上述のものに限るものではなく、それらを様々に組み合わせることも可能である。また、他の形態に考えられる。例えば、支軸側制動板を支持部材側に配置して、これを支軸側第3制動板として、この支軸側第3制動板と第2支軸側制動板53との間には、スプール側第2制動板を配置する。第2支軸側制動板53とスプール側第2制動板との間、スプール側第2制動板と支軸側第3制動板との間、支軸側第3制動板と支持壁34の間にはライニング材を配設するようにする。ライニング材は5枚となるので各ライニング材に与える負担を軽減できる。この場合にも第1支軸側制動板51には係合筒部52cを同様に形成することができる。また、支軸側第3制動板の外周縁には第1支軸側制動板51または第2支軸側制動板53に延びる連結部材としての係止片等を設けて、第1支軸側制動板51同士を、制動板の外周外側に配置した連結部材で連結するようにするものでもよい。この場合、支軸側第3制動板と第2支軸側制動板53とを連結し、その上で第2支軸側制動板53と第1支軸側制動板51とを連結するように順番に連結するようにしてもよい。
なお、実施形態では魚釣用スピニングリールで説明したが、本発明は例えば片軸リール等の他の形式の魚釣用リールに適用するようにしてもよい。また、支軸及びスプールを前後に動かさずにロータに設けた釣糸案内部の方を前後に動かすようにした形式の魚釣用リールに適用するようにしてもよい。
10…魚釣用スピニングリール、12…リール本体、22…支軸、30…スプール、36…開口凹部、42…摩擦結合装置、51…第1支軸側制動板、51d…係合部、52…スプール側制動板、52c…係合筒部、53…第2支軸側制動板、53c…係止片、54…ライニング材。
Claims (2)
- リール本体に支持した支軸に、釣糸を巻回するスプールを回動可能に装着し、上記スプール内には、支軸側制動板と、上記スプールに回り止めされるスプール側制動板とを配置し、上記支軸側制動板と上記スプール側制動板との間にはライニング材を介在して制動板及びライニング材の摩擦力により上記支軸に対するスプールの回転を制動するようにした魚釣用リールであって、
上記支軸側制動板は、支軸に回り止めされる第1支軸側制動板と、支軸に回り可能に支持された第2支軸側制動板とを有し、上記第1支軸側制動板と上記第2支軸側制動板との間に上記スプール側制動板を配置し、上記第1支軸側制動板の外周に係止部を形成し、上記第2支軸側制動板の外周には上記スプール側制動板の外周側を超えて上記第1支軸側制動板の係止部まで延長して該係止部に係止する連結部を設けて上記第1支軸側制動板と上記第2支軸側制動板とを一体に回転するように連結したことを特徴とする魚釣用リール。 - 上記スプール側制動板の基部に上記支軸の軸方向へ延びる係合筒部を形成し、この係合筒部を、上記スプールにおける支持部位に回り止め係合して支持し、上記スプール側制動板を上記スプールと一体に回転可能としたことを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
Priority Applications (1)
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JP2008331330A JP2010148459A (ja) | 2008-12-25 | 2008-12-25 | 魚釣用リール |
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CN102835369A (zh) * | 2012-09-25 | 2012-12-26 | 应龙其 | 摩擦组合式收放线钓鱼装置 |
CN108692926A (zh) * | 2018-03-29 | 2018-10-23 | 安徽全信精工装备有限公司 | 一种单轴速率位置转台 |
-
2008
- 2008-12-25 JP JP2008331330A patent/JP2010148459A/ja not_active Withdrawn
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