JP2010148342A - リニア式電磁装置における筒状永久磁石の固定構造および固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リニア式電磁装置において、内周面と外周面が異極性である筒状永久磁石を、筒状支持体の周壁の内周面に組込み、強固に固定する作業が困難である。
【解決手段】内周面と外周面が異極性である扇断面の永久磁石片を筒状支持体の周壁内に分散配置した後、周壁に縮径加工(サイジング加工)を施すことで、永久磁石片を円周状に強制配列しつつ相互密着させられるとともに、筒状支持体の内周面に強固に固定できる。
【選択図】図1
【解決手段】内周面と外周面が異極性である扇断面の永久磁石片を筒状支持体の周壁内に分散配置した後、周壁に縮径加工(サイジング加工)を施すことで、永久磁石片を円周状に強制配列しつつ相互密着させられるとともに、筒状支持体の内周面に強固に固定できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、リニア式アクチュエータやスターリング機関等に組み込まれるリニア式電磁装置における筒状永久磁石の固定構造および固定方法に関し、特にシリンダとピストンの組合せ等により構成され、磁界を生成する一次側とそれによって直線状に移動する二次側を備えたリニア式駆動装置、或いは直線状に移動する一次側とそれによって発電する二次側を備えたリニア式発電装置等のリニア式電磁装置の、筒状永久磁石の固定構造および固定方法に係る。
近年、種々のリニア式電磁装置が普及し、代表的な利用例としてスターリング機関が知られている。例えば特許文献1に記載の、磁界を生成する一次側とそれによって直線状に移動する二次側を備えたスターリング式冷凍機(圧縮機)や、特許文献2に記載の、直線状に移動する一次側とそれによって発電する二次側を備えたスターリングエンジンなどが知られている。これらにおける駆動や発電は、内部に組み込まれたリニア式電磁装置によるものである。リニア式電磁装置は、筒状(或いはリング状)の永久磁石部と、微小隙間を介し永久磁石部の内周か外周に配されたコイル部とから構成され、両者が軸方向へ相対的に往復移動することで駆動あるいは発電が成されるものである。
特許文献1のスターリング式冷凍機においては、ピストン15と連動する筒状の永久磁石18の外周を電磁コア24及び電磁コイル19が取り囲むリニア式電磁装置が記載されている。電磁コイル19に交流電流を流し交番磁界を発生させ、永久磁石18及びピストン15を軸方向に往復駆動させることで、膨張室Eの高温化と圧縮室Cの低温化を実現する。このスターリング式冷凍機においてリニア式電磁装置は、所謂リニアモーター或いはリニアアクチュエータとして機能する。
また、特許文献2に記載の所謂フリーピストン式のスターリングエンジンにおいては、パワーピストン2と連動するリング状永久磁石14の内周に微小隙間を介し内ヨーク12及びコイル13を配するリニア式電磁装置が記載されている。内部ガス流動によってパワーピストン2及び筒状の永久磁石14が軸方向に往復駆動されることで、コイル13との間で交流電流が生起される。本スターリングエンジンにおいてリニア式電磁装置は、所謂リニア発電機として機能する。
このようなリニア式電磁装置においては、リング状の永久磁石を、常に一定の微小隙間を保ちながらコイルに対して相対的に軸方向移動させることが肝要であるので、リング状永久磁石とそれを保持する筒状支持部材(特許文献1では支持体17、特許文献2では可動部15)との剛結が肝要である。剛結方法の一例として特許文献1においては、径方向に負の熱膨張係数を有するリング状永久磁石18を樹脂製の支持体17(筒状支持部材)にインサート成形することで、運転中に支持体17が冷却された際に、一層支持体17と永久磁石18が一層剛結する技術が開示されている。あるいは特許文献2においては、可動部15(筒状支持部材)の端部にリング状永久磁石14を接着や溶着などの方法で接合する構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1におけるインサート成形は樹脂製の支持体17だから実現し得る特殊製法であって、高温環境ゆえに金属製支持体が主流であるリニア式電磁装置においては一般的でないとともに、製造コストが嵩む問題がある。特許文献2における突合せ接合は、接合面積が少ない上に磁石側面を保持できないため運転中の剛結確保が難しく、最悪は永久磁石の離脱も懸念される。
また、上記問題以前に、そもそも金属によるワンピースのリング状或いは円筒状(以下、総じて筒状という)の永久磁石を製造すること自体が困難という問題がある。すなわちリニア式電磁装置においては、筒状永久磁石の内周面が均一に同一極性(例えばN極)を有すると共に、外周面は内周面と異なる均一極性(例えばS極)を有することが必要であるが、円筒状金属をそのように着磁させることは物性的(配向性)にも工法的にも非常に困難であり、更に特許文献1のようにインサート成形後に着磁させる作業は困難を極める。
一方、通常の回転式モーターでは、複数の扇状断面の永久磁石片を円周状に配置し円筒状ステータコア(永久磁石部材)を構成することが慣用なので、リニア式電磁装置においても同様手法の適用が容易に想起され得る。しかしながら、円筒状ステータコアを構成する小永久磁石片の隣り合う内周面同士・外周面同士は異極となり、リニア式電磁装置に必要な極性の筒状永久磁石を構成できない。
そこで、図10に示すように円筒を分割する略扇状断面の小さい永久磁石107の、内側曲面を例えばN極となるよう着磁するとともに外側曲面がS極となるよう着磁しておいて、それら複数の永久磁石107を、図9及び図10に示すようにケーシング106の内周面109に密着するように隣接配置すれば、例えば内周全面が均一にN極で外周全面が均一にS極の擬似的な筒状永久磁石108を得られる。閉断面でない小永久磁石片であるので、内外異極着磁は容易である。
ところが、図10のように筒状ケーシング106の内周面109に8個の小永久磁石片10この強大な反発力に抗して8個の小永久磁石片107を同時に円周上に位置決めし固定する作業は非常に困難で、特殊な装置や治具さえ必要となり、量産に著しく不適合という問題がある。
そこで、本発明は、内周面と外周面が異なる極性を有する複数の小永久磁石片を、容易かつ確実に筒状支持体の周壁内周面に密着配置し固定する構造、及び方法を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明のリニア式電磁装置の筒状(リング状)永久磁石とこれを支持する筒状支持体との固定構造は、請求項1のように、内側曲面と外側曲面が異極に帯磁した複数個の永久磁石片を環状配置して筒状永久磁石を構成するとともに、前記筒状支持体の周壁の縮径加工により前記筒状永久磁石が前記周壁の内面に密着固定されるものとした。
また、請求項2に記載のように、前記筒状支持体の周壁に形成された凹凸にて前記筒状永久磁石片が係止される構造とするとよい。
また、請求項3に記載のように、前記筒状永久磁石を構成し隣り合う前記永久磁石片同士、及び/又は、前記永久磁石片と前記周壁の内周面とを相互に接着してもよい。
そして、本発明のリニア式電磁装置の筒状永久磁石とこれを支持する筒状支持体との固定方法は、請求項4に記載のように、リニア式電磁装置を構成する筒状永久磁石とこれを支持する筒状支持体との固定方法であって、内側曲面と外側曲面が異極に帯磁した複数個の永久磁石片を筒状支持体内に配する第1の工程と、次いで、複数の押型により前記周壁の内周面が特定径に至るまで全周均一に縮径加工し前記複数個の永久磁石片を相互に隣接させるとともに前記内周面に密着させ筒状永久磁石を形成する第2の工程と、を含む固定方法とした。
また、請求項5に記載の固定方法のように、筒状支持体内に同芯状に芯金を配し、前記周壁の内周面が特定径に至るまで縮径加工したときに前記芯金の外周面と前記筒状永久磁石の内側曲面とが密着するようにするとよい。
また、請求項6に記載の固定方法のように、押型の押圧面に設けた凸凹により、前記縮径加工と同時に前記筒状永久磁石を係止し得る凸凹を前記周壁に形成してもよい。
本発明は上述のように構成されているので、以下に記載の効果を奏する。すなわち、請求項1記載のリニア式電磁装置の筒状永久磁石とこれを支持する筒状支持体との固定構造によれば、筒状支持体内に永久磁石片を向きが一致せずとも周上に配置しておけば、縮径加工によって永久磁石片が強制的に相互に密着され、かつ筒状支持体内周面に密着され、筒状永久磁石を構成するので、上述の作業性の問題が解消するとともに、隣接する永久磁石片同士が相互に楔状に係止し合うため、確実な固定が可能となる。
また、請求項2に記載の構成とすれば、筒状支持体の周壁に形成された凹凸にて筒状永久磁石が係止されるため、軸方向移動に抗する確実な固定が可能となる。
また、請求項3に記載の構成とすれば、隣り合う前記永久磁石片同士、及び/又は、前記永久磁石片と前記周壁の内周面とが相互に接着されることにより、更に筒状永久磁石を筒状支持体へ強固に固定可能となる。
そして、請求項4に記載の固定方法によれば、筒状支持体内に永久磁石片を向きが一致しておらずとも環状に配置しておけば、縮径加工によって永久磁石片が強制的に相互に密着、かつ筒状支持体内周面に密着され筒状を構成するので、上述の作業性の問題が解消するとともに、隣接する永久磁石片同士が相互に楔状に係止し合うため、確実な固定を実現できる。
また、請求項5に記載の固定方法によれば、筒状支持体内の内外周面とも完全に円周面を描くよう整列される。更に、芯金外周面が筒状永久磁石の内側曲面が構成する円周面に転写されて両周面が同芯状に形成され、筒状支持体と筒状永久磁石とが確実に同軸形成されるので、リニア式電磁装置の機能が担保される。
また、請求項6に記載の固定方法によれば、筒状永久磁石の固定を確実化する機械的係止手段(凸凹や折り曲げ)を、他工程を要せず縮径加工と同時に形成できるものである。
以下、本発明の望ましい実施形態に関し、図面を参照して説明する。図1は本発明における筒状支持体16と複数の永久磁石片たる永久磁石20の固定構造、および固定方法の一態様を示すもので、(A)図は固定前の状態を示し、(B)は固定後の状態、すなわち筒状支持体16としての完成状態を示し、環状に密着配列された8個の永久磁石20全体にて筒状(リング状)永久磁石を構成する。なお、筒状支持体16のリニア式電磁装置における設置状態、及びそれを包含するスターリングエンジン構造は、図6にて詳説する。
(A)図の状態において、円断面を有する非磁性金属製の有底筒状体31内に同芯状に芯金32を配し、有底筒状体31と芯金32との環状隙間aに8個の永久磁石20を挿入する。永久磁石20は横断面が略扇形であって、内側曲面bは予めN極に均一帯電されるとともに外側曲面cは予めS極に均一帯電されている。このため、隣り合う永久磁石20同士は側面が異極同士のため互いに反発した状態で散在し、例えば(A)図のような状態で均衡する。すなわち、反発力dによって磁石20同士は周方向へ移動しようとするが、移動先にも磁石20が存在して反発し、内側一端eを芯金32に当接し外側一端fを有底筒状体31内面に当接した均衡状態が(A)図である。
(A)図の状態において、有底筒状体31の周壁を全周に亘って同時に求心方向へ押圧し、特定径まで縮径させる。このような縮径加工自体は所謂サイジング加工と呼ばれる従来手法であって、図3乃至図5にて後述する割型式縮径装置RD、RD2によって成される。有底筒状体31を縮径させるにつれて隙間aは縮小し、各永久磁石20は環状に強制配列される。すなわち、隙間aの消滅と引き換えに、各永久磁石20の外側曲面cは縮径された周壁19内面に強制密着(h)するとともに、各永久磁石20の内側曲面bは芯金32の外周面に強制密着(g)し、更に、隣接する永久磁石20の側面同士も強制密着(i)する。このようにして、8個の永久磁石20の環状配列により、筒状永久磁石が形成される。
この後、芯金32を抜き去り、割型式縮径装置RDを解除して筒状支持体16を取り出す。図2に明らかなように、筒状支持体16は周壁19の内周面に複数の永久磁石20を環状に密着配置している。上記の縮径加工(サイジング加工)による密着(g,h,i)で、永久磁石20同士は互いに位置決めし合い強固に固定(ロック)し合うので、リニア式電磁装置の稼動状態においても、総体としての永久磁石20は筒状支持体16に確実に固定される。もちろん、上述の如く公知のサイジング工法及び設備を利用するので、工法的困難性も伴わない。なお、永久磁石20の更なる剛結を望むのであれば、(A)状態において永久磁石20及び/又は有底筒状体31内面に接着剤を塗布した後にサイジング加工を施せば、密着後に更なる固定力を得られる。
以上のように、本発明の永久磁石の固定構造および固定方法によれば、隙間aに複数の永久磁石20を入れ込むだけでよいので、永久磁石20同士の協力な相互反発に抗して位置決めや仮固定する作業の必要が無いため、工程と治具設備を著しく簡略化でき量産に適する。また、永久磁石20同士は、塑性加工(縮径)された周壁19により外周から強固に保持され永久磁石20同士が相互に位置決め、固定(ロック)し合うので、一体リング磁石よりも強力に固定可能である。なお、(A)状態において、隙間aを大きく設定できず永久磁石20の反発力により入れ込み難い場合には、有底筒状体31の外側に同極性の永久磁石33を適宜配すると、永久磁石20同士の反発力が緩和されて入れ込み易くなる。更に、後述する図5のように永久磁石33を配した状態でサイジング加工を施しても構わない。
図3及び図4を用いて、汎用の割型式縮径装置RDの構造と、それによる縮径加工(所謂サイジング加工)を説明する。割型式縮径装置RDは図示しないコントローラ及び油圧駆動装置によってハウジングGD内の油圧室PRへ流入/流出する油圧OPを制御することで、複数の楔型DPを軸方向(紙面上下方向)へ動かし、楔型DPとテーパー摺接する複数の押型DV(割型、コレット、セグメントとも呼ぶ)を求心/放射方向へ同時に同量だけ駆動することで、ワーク(有底筒状体31)の周壁に縮径加工を施すものである。図3は割型式縮径装置RD内で有底筒状体31に縮径加工が施され、筒状支持体16が形成された状態の斜視図であり、図4はその縦断面図である。本実施形態における割型式縮径装置RD内の押型DVは放射状に8個が配されているが、これに限らず個数は任意であって、基本的に多いほど縮径部の断面が所望形状(本実施形態では真円)に近く形成される。
図4は、割型式縮径装置RDによるサイジング加工の終了直後、すなわち、図1(B)の状態を示す縦断面図である。押型DVを求心方向へ駆動して縮径された周壁19を形成すると共に、周壁19内面と芯金32の小径段部42の外周面とで永久磁石20を密着挟持し、筒状支持体16が形成された状態である。筒状支持体16の底凹部18が芯金32上面に係止するとともに芯金中央上面の凸部40が底凹部18中心の孔に嵌装した状態でサイジング加工を施すので、芯金32と筒状支持体16が同軸状にセンタリングされるとともにサイジング加工時にも同軸が維持される。そして、サイジング加工終了後に8つの押型DVを放射方向へ開放して、筒状支持体16を(紙面上方へ)取り出す。この際、芯金32を紙面下方へ退避させる動作を織り込んでも良い。
図5は、他の割型式縮径装置RD2によるサイジング加工の終了直後を示し、図1(B)の状態を示す縦断面図である。割型式縮径装置RD2は上記RDに対して、押型DV2と芯金50のみが異なり、他の構成部品及びワークである筒状支持体16は同じである。芯金50の先端部には細径部52が設けられ、細径部52周囲には複数のスプリング53を介して放射状に押型DV2が配されている。サイジング加工終了時には押型DV2により一定径まで縮径された周壁19が形成されるが、周壁19のスプリングバックによる若干の拡径を見込んで、サイジング時に一定径よりも若干小さい径までサイジング加工することができる。その際、押型DV2は、スプリング52の展伸力に抗して求心方向へ若干オーバーシュートされる。
また、割型式縮径装置RD2においては、各々の押型DV2内部の永久磁石20と近接する位置に、永久磁石20と同極性で複数個の永久磁石56を埋めこんである。したがって、上記0029段落で先述の通り、永久磁石56の磁力によって永久磁石20同士の反発力が緩和されるため、サイジング加工前のセットやサイジング加工時の位置決め維持が容易となる。以上、2種類の割型式縮径装置を紹介したが、これに限定するものではない。また、サイジング加工を施す装置は割型式に限らず、周知のスエージング加工やスピニング加工による縮径設備を適宜使用しても良い。ただし工法や設備選択においては、縮径に伴うスプリングバックや板厚変化の特性を勘案すべきである。
図6は、上記のように製造された筒状支持体16を用いるスターリングエンジン1の構造を示す縦断面図である。所謂フリーピストン式のスターリングエンジン1はシリンダ2と外ブロック3及び内ブロック24とで筐体を構成する。シリンダ2内には円筒状のスリーブ5及び作動ガスの通路6を同軸状に配する。通路6内には再生器7が、シリンダ2内にはウオータージャケット9がそれぞれ組み込まれ、通路6内を往復する作動ガスを加熱及び冷却する。スリーブ5内にはディスプレーサピストン3が摺動可能に設置され、ディスプレーサピストン3の上部空間は膨張室10となる。ディスプレーサピストン3を軸方向に指示するロッド12はパワーピストン4を摺動自在に貫通し、その先端は支持板13に固定されている。そして、支持板13は複数のコイルスプリング15を介して、支持部材14に対しフローティング支持されている。
パワーピストン4は下端を筒状支持体16の底凹部18に嵌装固定され、パワーピストン4と筒状支持体16は一体的に軸方向へ往復移動する。筒状支持体16の側壁19の内周面には、上述の工法によって複数の永久磁石20が強固に固定される。そして、永久磁石20の外周には微小隙間を介して筒状の外ヨーク23が配され、永久磁石20の内周には微小隙間を介して筒状の内ヨーク22及びコイル20が配されている。すなわち、永久磁石20、外ヨーク23、内ヨーク22及びコイル20によって、リニア式電磁装置(リニア発電機)が構成される。
このようなスターリングエンジン1の運転においては、高温空間10と低温空間11の間を通路6を介して周期的に移動する作動ガスによって、パワーピストン4及び筒状支持体16が軸方向に往復駆動され、リニア式電磁装置(リニア発電機)にて発電が成される。磁力に抗して1分間に数千回も往復動(ストローク)する永久磁石には大きな応力が作用するが、本件発明の永久磁石の固定方法及び固定構造においては、確実に筒状永久磁石を筒状支持体内周面に固定し続けることができる。
ストローク数や負荷が著しく大きい等の理由で、筒状支持体60と永久磁石64、65、66とを更に強固に固定する必要がある場合、図7に示すように、軸方向移動をメカニカルに阻止する係止部を設けても良い。凸状係止部62は内向きに突出する点または線状(リブ状)の凸部であり、折曲係止部63は周壁61端部を内向きに全周折り曲げたものである。これら係止部は、ストッパとなって筒状磁石の軸方向移動を強制的に阻止する。凸状係止部62及び折曲係止部63は、例えば押型DVに凸部を設けて、サイジング加工時に縮径と同時に形成することが好ましい。係止部としては、上記の凸凹や折曲以外の形状は任意であるし、それらの形成数や形成位置も適宜設定すればよい。
また、図7に示すように、筒状永久磁石64の軸方向両端面に、逆極性を有する環状永久磁石65及び66を密着固定しても良い。筒状永久磁石64への環状永久磁石65及び66の密着固定は、凸状係止部62及び折曲係止部63によればよいし接着を併用しても構わない。このように筒状永久磁石64の軸方向両側に筒状永久磁石64とは逆極性を有する永久磁石65及び66が存在することによって、ストローク時の過大移動(オーバーストローク)を防止することが可能となり、リニア式電磁装置として有益である。
更に、筒状永久磁石は、図7に示すように永久磁石片72の側端部同士が凸凹状に嵌合73するようにしても良いし、図8に示すように永久磁石片82の側端部同士が斜めに嵌合83するようにしても良い。この他、永久磁石片の相互嵌合形状は任意であるが、サイジングの進行によって永久磁石片同士が自発的に嵌合し合い、環状配列化の支障とならない嵌合形状とすることが肝要である。
このように、本願発明はリニア式電磁装置(リニア発電機、リニア駆動装置)におけるリング状永久磁石と筒状支持体との固定に広く適用可能であり、そのリニア電磁装置を適用するシステムはスターリングエンジン/冷凍機に限定するものではなく、例えば、リニアモーターやリニアアクチュエータ等にも適用自在である。筒状支持体の形状も本実施形態に限定するものではなく、また、筒状支持体内に筒状永久磁石を単独配置しても複数個を軸方向に配置(タンデム配置)しても構わない。更に、リニア式電磁装置、すなわち筒状永久磁石及び筒状支持体の横断面(往復移動軸に直角な断面)も、円に限らず任意である。
1 スターリングエンジン
16,60,70,80 筒状支持体
20,33,56,64,65,66,72,82 永久磁石
32 芯金
16,60,70,80 筒状支持体
20,33,56,64,65,66,72,82 永久磁石
32 芯金
Claims (6)
- リニア式電磁装置の筒状永久磁石とこれを支持する筒状支持体との固定構造であって、
内側曲面と外側曲面とが異極に帯磁した複数個の永久磁石片を環状配置し筒状永久磁石を構成するとともに、
前記筒状支持体の周壁の縮径加工により前記筒状永久磁石が前記周壁の内面に密着固定されたことを特徴とするリニア式電磁装置の筒状永久磁石の固定構造。 - 前記周壁に形成された凹凸にて前記筒状永久磁石が係止されることを特徴とする請求項1記載のリニア式電磁装置の筒状永久磁石の固定構造。
- 前記筒状永久磁石を構成し隣り合う前記永久磁石片同士、及び/又は、前記永久磁石片と前記周壁の内周面とが相互に接着されたことを特徴とする請求項1及び請求項2記載のリニア式電磁装置の筒状永久磁石の固定構造。
- リニア式電磁装置を構成する筒状永久磁石とこれを支持する筒状支持体との固定方法であって、
内側曲面と外側曲面が異極に帯磁した複数個の永久磁石片を筒状支持体の周壁内に配する第1の工程と、
次いで、複数の押型により前記周壁の内周面が特定径に至るまで全周均一に縮径加工して、前記複数個の永久磁石片を相互に隣接させるとともに前記内周面に密着させ筒状永久磁石を形成する第2の工程と、
を含むことを特徴とするリニア式電磁装置の筒状永久磁石の固定方法。 - 前記筒状支持体内に同芯状に芯金を配し、前記内周面が特定径に至るまで縮径加工したときに前記芯金の外周面と前記筒状永久磁石の内側曲面とが密着することを特徴とする請求項4に記載のリニア式電磁装置の筒状永久磁石の固定方法。
- 前記押型の押圧面に設けた凸凹により、前記縮径加工と同時に前記筒状永久磁石を係止し得る凸凹が前記周壁に形成されることを特徴とする請求項4及び請求項5記載のリニア式電磁装置の筒状永久磁石の固定方法。
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