JP2010147523A - 車両周囲の俯瞰画像生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 共通領域における立体物の消失を回避しつつ、観視者が注意すべき車両周囲の立体物を把握しやすい合成俯瞰画像を生成すること。
【解決手段】 俯瞰画像生成装置1は、共通領域にて重なり合う複数の撮像範囲を撮影する複数のカメラと接続され、車両周囲の立体物を検出する立体物検出部5と、複数のカメラ2a,2bの撮影画像に基づき車両周囲の俯瞰画像を合成して合成俯瞰画像を生成する合成俯瞰画像生成部7とを備える。合成俯瞰画像生成部7は、立体物検出部5で検出された立体物に基づき、生成すべき合成俯瞰画像において、共通領域に含まれる圧縮合成領域及び結合境界線を導出し、複数のカメラ2a,2bからの複数の撮影画像から、導出した圧縮合成領域に相当する部分を、複数の部分撮影画像として切り出し、導出した圧縮合成領域を結合境界線で区分して定義される圧縮領域に、切り出された各部分画像を圧縮して変形する。
【選択図】 図1
【解決手段】 俯瞰画像生成装置1は、共通領域にて重なり合う複数の撮像範囲を撮影する複数のカメラと接続され、車両周囲の立体物を検出する立体物検出部5と、複数のカメラ2a,2bの撮影画像に基づき車両周囲の俯瞰画像を合成して合成俯瞰画像を生成する合成俯瞰画像生成部7とを備える。合成俯瞰画像生成部7は、立体物検出部5で検出された立体物に基づき、生成すべき合成俯瞰画像において、共通領域に含まれる圧縮合成領域及び結合境界線を導出し、複数のカメラ2a,2bからの複数の撮影画像から、導出した圧縮合成領域に相当する部分を、複数の部分撮影画像として切り出し、導出した圧縮合成領域を結合境界線で区分して定義される圧縮領域に、切り出された各部分画像を圧縮して変形する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両周囲の俯瞰画像生成装置に関し、より特定的には、複数のカメラでの撮影画像を合成して合成俯瞰画像を生成俯瞰画像生成装置に関する。
一般的な俯瞰画像生成装置には、それぞれ異なる方向に向けて車両に設置された複数のカメラが接続される。これらカメラはそれぞれ、車両周囲において自身が担当する撮影範囲を撮影する。俯瞰画像生成装置は、カメラからの撮影画像を合成して、車両の上方に設定された仮想視点から車両周囲を見下ろした画像(以下、「合成俯瞰画像」という)を生成する。また、俯瞰画像生成装置が表示装置を備えている場合、生成された合成俯瞰画像を、この表示装置は表示する。
このような俯瞰画像生成装置では、合成俯瞰画像生成のために、隣り合うカメラ同士の撮影範囲がオーバーラップしている場合が多い。本明細書では、各カメラの撮影範囲において、隣のカメラの撮影範囲とオーバーラップしている領域を共通領域と定義する。この共通領域に立体物が存在すると、合成俯瞰画像において、その立体物が消失したり、二重になって見えたりすることが知られている。
このような問題点を、以下の特許文献1では、以下のようにして解決している。つまり、俯瞰画像生成装置は、車両の前部及び左側に設置された前カメラ及び横カメラからの撮影画像それぞれをカメラ俯瞰画像に変換し、各カメラ俯瞰画像を合成した合成俯瞰画像を表示する。ここで、両カメラ俯瞰画像が重なり合う共通領域に関し、前カメラによる撮影画像と横カメラによる撮影画像との差分画像がまず生成される。その後、両カメラ俯瞰画像において、立体物が描かれている差分領域が検出される。両カメラ俯瞰画像を合成する際、差分領域に関しては、一方のカメラ俯瞰画像内の画像のみが用いられる。
特開2008−48317号公報
しかしながら、特許文献1の俯瞰画像生成装置では、立体物の輪郭まで正確に抽出できなければ、その立体物を中途半端な位置が切り取られてしまい、その立体物が分断された状態で描かれた合成俯瞰画像が生成され表示される問題点がある。実際、カメラによる撮影画像を用いた場合、俯瞰画像生成装置は、その撮影画像内に立体物が有るか無いかを判別することは可能であっても、その立体物の輪郭を正確に抽出することは技術的に困難であるため、上記のような問題点は頻発する。
それ故に、本発明の目的は、共通領域における立体物の消失を回避しつつ、観視者が注意すべき車両周囲の立体物を把握しやすい合成俯瞰画像を生成可能な俯瞰画像生成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一局面は、共通領域にて重なり合う複数の撮像範囲を撮影する複数のカメラと接続され、各カメラからの撮影画像を使って、車両の周囲状況を表す合成俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成装置に向けられており、車両周囲の立体物を検出する立体物検出部と、各カメラの撮影画像に基づき合成俯瞰画像を合成する合成俯瞰画像生成部とを備える。ここで、合成俯瞰画像生成部は、立体物検出部により検出された立体物に基づき、生成すべき合成俯瞰画像において、共通領域に相当する領域に含まれる圧縮合成領域及び結合境界線を導出する導出部と、各カメラからの撮影画像から、導出部で導出された圧縮合成領域に相当する部分を、複数の部分撮影画像として切り出す切出し部と、導出部で導出された圧縮合成領域を結合境界線で区分した圧縮領域に、切出し部で切り出された各部分画像を圧縮して変形する圧縮変形部とを含む。
以上の構成によれば、共通領域において立体物が消失することを回避しつつ、観視者が最も注意すべき車両周囲の立体物を把握しやすい合成俯瞰画像を生成可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る俯瞰画像生成装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る俯瞰画像生成装置1の全体構成を示すブロック図である。図1において、俯瞰画像生成装置1には、撮像部2として、少なくとも2個のカメラ2a,2bが伝送路を介して接続されている。
カメラ2a,2bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)のような固体撮像素子を有しており、カラー画像又はモノクロ画像を撮像可能なデジタルカメラである。また、これらカメラ2a,2bは、さらに好ましくは、例えば魚眼レンズのような広視野角(広画角)のレンズを有しており、車両α(図2参照)の周囲を広範にわたって撮影できることが好ましい。
図2に示すように、カメラ2a,2bは車両αの周囲に取り付けられる。具体例として、本実施形態では、カメラ2aが車両αの前端中央に、カメラ2bは、車両αの左側に取り付けられる。
また、図2は、車両αの周辺領域において、カメラ2a,2bが撮像する範囲を示す模式図である。カメラ2aは車両αの前方の撮像範囲CAM0の状況を撮影して撮影画像CPaを生成する。カメラ2bは、車両αの左側方の撮像範囲CAM1を撮影して撮影画像CPbを生成する。生成された撮影画像CPa,CPbは、例えば、図3に例示されるような画像であり、俯瞰画像生成装置1に伝送路を介して送信される。
ここで、再度図2を参照する。カメラ2a,2bにより車両αの左前方を抜け無くカバーするために、撮像範囲CAM0は、撮像範囲CAM1と重なり合う。以降、撮像範囲CAM0及びCAM1の重なり部分をオーバーラップ領域F12と呼ぶ。
なお、便宜上、本実施形態では、図2に示すように、車両αには2個のカメラ2a,2bが取り付けられるとして説明を進めるが、俯瞰画像生成装置1にはカメラは車両の全周囲をカバーするために車両の前後左右に取り付けられることが多い。
再度図1を参照する。図1において、俯瞰画像生成装置1は、マッピングテーブル格納部(以下、「MPT格納部」という)3、マッピングデータ作成部(以下、「MPD作成部」という)4、立体物検出部5、カメラ俯瞰画像生成部6、及び合成俯瞰画像生成部7とを備えている。また、俯瞰画像生成装置1は、付加的に、表示装置8を備えている。
MPT格納部3は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリからなり、少なくとも2種類のマッピングテーブル(以下、「MPT(Mapping Table)」という)を格納する。さらに以下では、1種類目を「第1のMPT」といい、2種類目を「第2のMPT」という。第1のMPTは、各カメラ2a,2bの各撮影画像CPa,CPbにおける画素位置と、カメラ俯瞰画像CBPa,CBPb(後述)の画素とを対応付けたテーブルである。また、第2のMPTは、各カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbの画素と、合成俯瞰画像MBP(後述)の画素とを対応付けたテーブルである。
MPD作成部4は、MPT格納部3のMPTを参照して、第1のマッピングデータ(以下、「第1のMPD」という)を生成する。第1のMPDは、カメラ俯瞰画像CBPaの生成時に用いられ、カメラ俯瞰画像CBPaを構成する各画素を、撮影画像CPaを構成するどの画素の値を割り当てるかを指示するデータである。第1のMPDはさらに、カメラ俯瞰画像CBPbの生成時にも用いられ、カメラ俯瞰画像CBPbの各画素を、撮影画像CPbのどの画素値を割り当てるかを指示するデータでもある。
MPD作成部4は、MPTを参照して、第2のマッピングデータ(以下、「第2のMPD」という)を作成する。第2のMPDは、合成俯瞰画像MBP(後述)を構成する各画素を、どのカメラ俯瞰画像CBPa,CBPbにおけるどの画素値を割り当てるかを指示するデータである。
MPD作成部4は、立体物検出部5及びカメラ俯瞰画像生成部6に、生成した第1のMPDを出力し、生成した第2のMPDを合成俯瞰画像生成部7に出力する。
立体物検出部5は、MPD作成部4から第1のMPDも受け取る。この第1のMPDを用いると、各撮影画像CPa,CPbのどの画素が、カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbにおけるどの画素に対応するかが分かり、さらに、どの画素が共通領域F12に含まれるものかも分かる。
立体物検出部5は、各カメラ2a,2bから撮影画像CPa,CPbを受け取ると、受け取った撮影画像CPa,CPbにおける共通領域F12に対し画像認識処理を行う。これによって、立体物検出部5は、共通領域F12に存在する立体物をそれぞれ検出する。
その後、立体物検出部5は、検出した立体物のうち、車両αに最も近いもの(以下、「要注意立体物」という)を選択する。好ましくは、本説明の場合、図4に例示するように、検出した立体物Sa,Sb,Scのうち、車両αの左コーナーCLから最も近いもの要注意立体物MSSとして選択される。なお、実際の処理は撮影画像CPa,CPbに対して実行されるが、便宜上、要注意立体物を説明するために、図4の例では、上空から見た時の様子が描かれている。
立体物検出部5は、カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbにおいて要注意立体物が描かれるべきエリア(以下、「立体物エリア」という)を特定した後、検出した立体物エリアにおいて、車両αに最も近くかつ路面に接する箇所を、その立体物の基準位置RP(図4の星印を参照)として取得する。これが終わると、立体物検出部5は、取得した基準位置RPを、合成俯瞰画像生成部7に送る。
カメラ俯瞰画像生成部6は、MPD作成部4から出力される第1のMPDに従って、各カメラ2a又は2bのフレームメモリ(図示せず)に格納された撮影画像CPa又はCPbを読み出しマッピングを行うことにより、カメラ俯瞰画像CBPa又はCBPbを生成する。具体的には、カメラ俯瞰画像生成部6は、受け取った第1のMPDで定義される通り、指定された撮影画像CPa又はCPbの画素を、カメラ俯瞰画像CBPa又はCBPbの画素の値として割り当てて、撮影画像毎にカメラ俯瞰画像を生成していく。
ここで、撮影画像CPa及びCPbには、カメラ視点(つまり、カメラの設置位置)から見たときの撮像範囲CAM0及びCAM1の様子が映っている。それとは異なり、カメラ俯瞰画像CBPa及びCBPbは、撮影画像CPa及びCPbの視点を変換したものであって、それら画像CBPa及びCBPbには、車両上方に設置された仮想的なカメラの視点(仮想視点)から見た場合における撮像範囲CAM0及びCAM1の全体又は一部の状況が映っている。
ここで、図5は、図3に示す撮影画像CPa,CPbから生成されるカメラ俯瞰画像CBPa,CBPbを例示する図である。図5に示すように、カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbは、撮像範囲CAM0及びCAM1を、予め定められた仮想視点から見た時の様子を表す。ここで、図5には、説明の便宜上、一点鎖線による枠Fa,Fbが示されているが、枠Fa,Fbは実際のカメラ俯瞰画像CBPa,CBPbには描かれていない。枠Faは、カメラ俯瞰画像CBPaにおける共通領域F12の外縁を示し、枠Fbは、カメラ俯瞰画像CBPbにおける共通領域F12の外縁を示す。
合成俯瞰画像生成部7は、カメラ俯瞰画像生成部6からの各カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbを受け取り、さらに、MPD作成部4から第2のMPDを受け取る。合成俯瞰画像生成部7は、受け取った第2のMPDに従って、受け取った各カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbに対しマッピングを行って、合成俯瞰画像MBPを合成する。具体的には、第2のMPDに定義された通り、指定されたカメラ俯瞰画像CBPa及び/又はCBPbの画素の値を用いて、合成俯瞰画像MBPを構成する各画素の値を決定していく。これによって、合成俯瞰画像MBPが生成される。
ここで、合成俯瞰画像MBPは、カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbと比較すると、仮想カメラ視点から見た場合における車両の前方及び左側方を1フレームに収めている点で相違する。
図6は、合成俯瞰画像MBPの一例を示す図である。図6に例示した合成俯瞰画像MBPでは、仮想視点の位置は車両の真上に設定されており、合成俯瞰画像MBPの右下には車両モデルMαが配置される。また、図6の例では、実際の車両αの周囲に立体物が存在しない場合の合成俯瞰画像MBPが示されている。なお、実際の車両αの周囲に立体物が存在する場合には、合成俯瞰画像MBPにおいて対応する位置にその立体物が描かれる。
ここで、本件明細書の「発明が解決しようとする課題」でも説明したように、特許文献1に記載の技術では共通領域F12において立体物が消失することが多い。この問題を解消するため、合成俯瞰画像生成部7は、特徴的な処理を行うが、この特徴的な処理については、後で詳説する。
次に、以上のような構成の俯瞰画像生成装置1の動作について、図7のフローチャートを参照にしつつ説明する。
図7のステップS001では、カメラ2a,2bから撮影画像CPa,CPb(図3参照)が俯瞰画像生成装置1に実質的に同じタイミングで送られる。これら撮影画像CPa,CPbは、俯瞰画像生成装置1におけるカメラ俯瞰画像生成部6及び立体物検出部5により受信される。
次に、ステップS002では、カメラ俯瞰画像生成部6は、撮影画像CPa,CPb以外にも、MPD作成部4からの第1のMPDを受け取る。カメラ俯瞰画像生成部6は、第1のMPDに従って、撮影画像CPa,CPbそれぞれにマッピングを行って、カメラ俯瞰画像CBPa,CBPb(図5参照)を生成する。
次に、ステップS003では、立体物検出部5は、カメラ俯瞰画像生成部6と同様、撮影画像CPa,CPbと、第1のMPDとを受け取る。立体物検出部5は、受け取った撮影画像CPa,CPbにおける共通領域F12に対し画像認識処理を行って、そこに存在しうる立体物の検出処理を行う。
検出処理の結果、立体物が見つかれば、立体物検出部5は、前述の基準位置RPを合成俯瞰画像生成部7に送る。
一方、検出処理の結果、立体物が見つからなければ、立体物検出部5は、その旨を示す情報を合成俯瞰画像生成部7に送る。以上がステップS003の処理である。
ステップS004において、合成俯瞰画像生成部7は、立体物検出部5において要注意立体物MSSが検出されたか否かを判断する。肯定判断するのは、立体物検出部5から基準位置RPを得ている場合であり、否定判断するのは、立体物検出部5から、立体物が見つからなかった旨の情報を得ている場合である。
便宜上、まず、否定判断された場合について説明する。この場合、合成俯瞰画像生成部7は、ステップS005において合成俯瞰画像MBPを生成する。ステップS005において、合成俯瞰画像生成部7は、ステップS002で生成された各カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbを受け取り、さらに、MPD作成部4から第2のMPDを受け取る。合成俯瞰画像生成部7は、受け取った第2のMPDに従って、受け取った各カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbに対しマッピングを行って、合成俯瞰画像MBPを生成する。なお、ステップS005における合成俯瞰画像MBPの生成手法は他の周知の手法でもかまわない。
次に、ステップS006において、合成俯瞰画像生成部7は、生成した合成俯瞰画像MBPを表示装置8に送る。表示装置8は、受け取った合成俯瞰画像MBPを表示する。
次に、ステップS004にて肯定判断された場合について説明する。この場合、合成俯瞰画像生成部7は、ステップS007に進み、合成俯瞰画像MBPを生成する。ここで、ステップS007は、サブルーチンステップとして、共通領域F12の処理(ステップS008)と、共通領域F12以外の処理(ステップS009)とを含む。
ステップS008では、2つのカメラ俯瞰画像CBPa,CBPbのオーバーラップ部分である共通領域F12の中に映っている要注意立体物MSSが合成俯瞰画像MBPで消失しないような処理を、合成俯瞰画像生成部7は行う。
図2を参照して説明した通り、各カメラ2a,2bの撮像範囲CAM0,CAM1には共通領域F12がある。それに起因して、作成すべき合成俯瞰画像MBPには、共通領域F12に相当する領域(以下、「圧縮合成領域」)が生じる。この圧縮合成領域がステップS008にて処理される部分になる。
ここで、図8を参照して、本実施形態でいうところの圧縮合成領域について説明する。図8において、圧縮合成領域R0は、撮像範囲CAM0,CAM1の共通領域F12(一点鎖線参照)の中に存在し、要注意立体物MSSが二重像にならずかつ消失しないようにこの要注意立体物MSSを合成表示すべき領域である。また、カメラ設置位置Paは、車両αの前端に取り付けられたカメラ2aのカメラ俯瞰画像CBPaにおける位置であり、カメラ設置位置Pbは、車両αの左側に取り付けられたカメラ2bのカメラ俯瞰画像CBPbにおける位置である。
カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbのいずれにも、要注意立体物MSSが路面βに投影された状態で映るが、カメラ俯瞰画像CBPaにおいては、図8の左側に示すように、要注意立体物MSSはカメラ設置位置Paから前述の基準位置RPに向かう方向に倒れ込んだように映る。一方で、カメラ俯瞰画像CBPbにおいては、上記と同じ要注意立体物MSSは、図8の右側に示すように、カメラ設置位置Pbから基準位置RPに向かう方向に倒れ込んだように映る。
また、図8には、以下の説明の便宜のため、補助線として延長線ELa,ELbが示されている。延長線ELaは、カメラ設置位置Paから基準位置RPへと延びており、延長線ELbは、カメラ設置位置Pbから基準位置RPへと延びている。圧縮合成領域R0は、両カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbのそれぞれにおいて、少なくとも延長線ELa及びELbで挟まれた領域である。
次に、ステップS008について詳説する。ここで、図9は、ステップS008の詳細な処理を示すフローチャートである。この処理開始時、合成俯瞰画像生成部7は、ステップS005の場合と同様、各カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbと、第2のMPDとを受け取る。ステップS004で肯定応答された場合、合成俯瞰画像生成部7はさらに、立体物検出部5から、要注意立体物MSSの基準位置RPを受け取っている。
図9のステップS011において、合成俯瞰画像生成部7は、既知のカメラ設置位置Paから、受け取った基準位置RPの方向に伸びる延長線ELaと、既知のカメラ設置位置Pbから基準位置RPの方向に伸びる延長線ELbとを求める。
次に、ステップS012において、合成俯瞰画像生成部7は、少なくとも2本の延長線ELa,ELbを用いて囲まれる圧縮合成領域R0を求める。なお、圧縮合成領域R0を定義する残りの線は、例えば合成俯瞰画像MBPの外周(図6の点線部分を参照)により定義される。但し、この外周部分は本実施形態では関心のない部分なので、以降の説明を省略する。
次に、ステップS013において、合成俯瞰画像生成部7は、結合境界線RLを設定する。ここで結合境界線RLとは、図10に示すように、車両αの左コーナーCLから基準位置RPへと延びる線である。なお、図10の(a)には、カメラ俯瞰画像CBPaを用いて結合境界線RLが示されており、図10の(b)には、カメラ俯瞰画像CBPbを用いて結合境界線RLが示されている。
次に、ステップS014において、合成俯瞰画像生成部7は、カメラ俯瞰画像CBPaから、圧縮合成領域R0に含まれる部分を切り出す。以下の説明では、図10に示すように、カメラ俯瞰画像CBPaから切り出された部分を、部分カメラ俯瞰画像CBPa’とする。同様に、カメラ俯瞰画像CBPbからも、圧縮合成領域R0に含まれる部分が、部分カメラ俯瞰画像CBPb’として切り出される。
次に、ステップS015において、合成俯瞰画像生成部7は、部分カメラ俯瞰画像CBPa’,CBPb’を圧縮し変形する。具体的には、部分カメラ俯瞰画像CBPa’が、図11に示すように、圧縮合成領域R0において結合境界線RLと延長線ELbとで囲まれる圧縮領域Raに含まれるように圧縮し変形される。また、図12に示すように、部分カメラ俯瞰画像CBPb’が、圧縮合成領域R0において結合境界線RLと延長線ELaとで囲まれる圧縮領域Rbに含まれるように圧縮し変形される。
次に、ステップS016において、合成俯瞰画像生成部7は、図13に示すように、圧縮後の部分カメラ俯瞰画像CBPa’,CBPb’を結合境界線RLを境に繋ぎ合せ合成する。これによって、圧縮合成領域R0に描かれる画像が完成する。以上で図9の処理、つまり図7のステップS008が終わる。その後、合成俯瞰画像生成部7は、図7のステップS009に進む。
ステップS009において、合成俯瞰画像生成部7は、既に受け取っているステップS002で生成された各カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbに対し、受け取った第2のMPDに従って、受け取った各カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbに対しマッピングを行って、合成俯瞰画像MBPにおいて圧縮合成領域R0以外の領域の画素値を決定する。これによって、ステップS004にて肯定判断した場合における合成俯瞰画像MBPが完成する。
その後、ステップS006が行われ、ステップS007で生成された合成俯瞰画像MBPが表示装置8にて表示される。
合成俯瞰画像MBPにおいて、共通領域F12に相当する部分で立体物の消失を避けるための条件は、車両αから最も近い位置にある立体物(要注意立体物)MSSが、合成俯瞰画像MBPにおいて、その要注意立体物が映っている2つのカメラ俯瞰画像を圧縮変形して繋ぎ合せることである。これにより、観視者は、合成俯瞰画像MBPを見ることで、2つのカメラ俯瞰画像を別々に見ることなく要注意立体物MSSを確認できる。本実施形態では、実際、圧縮合成領域R0に、カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbを圧縮変形され繋ぎ合わされる。しかも、要注意立体物MSSの基準位置RPと車両αとを結ぶ結合境界線RLを境に圧縮変形が行われる。それゆえ、合成俯瞰画像MBPにおいて、車両αの運転中、観視者が最も注意しなければならない要注意立体物MSSの基準位置RPの車両αに対する位置関係は保たれる。また、要注意立体物MSSは、合成俯瞰画像MBPにおいて結合境界線RLの方向に投影されたように見えるとともに、消失することなく一つにまとまって見える。
以上から説明したように、本俯瞰画像生成装置1によれば、共通領域F12において立体物が消失することを回避しつつ、観視者が最も注意すべき車両周囲の立体物を把握しやすい合成俯瞰画像を生成可能となる。
次に、図14を参照して、図9のステップS015の詳細な処理について説明する。
図14において、合成俯瞰画像MBPの点P901は、圧縮合成領域R0の中の任意の点であり、画素値を決定すべき点である。なお、圧縮合成領域R0は、前述の通り、少なくとも延長線ELa,ELbを用いて囲まれる領域である。点P901の画素値は、元のカメラ俯瞰画像CBPa又はCBPbにおける点P902の画素値を参照することで生成される。ここで、要注意立体物MSSの基準位置RPは、ステップS015における処理の基準点(原点)として用いられる。
また、図14において、点P912,P911は、以下のように定義される。カメラ2a,2bにより要注意立体物MSSは撮影され、撮影画像CPa,CPbが生成される。その後、カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbに変換される。例えば、カメラ俯瞰画像CBPbにおいては、前述の通り、要注意立体物MSSは、図15に示すように、カメラ2bのカメラ設置位置Pbにおける鉛直方向真下の地点から、基準位置RPに伸ばした延長線ELbの方向に倒れこむ。つまり、要注意立体物MSSは路面βに投影されることになる。カメラ俯瞰画像CBPaについても、同様の現象が起こり、要注意立体物MSSは延長線ELaの方向に倒れこむ。
点P911は、図14に示すように、要注意立体物MSSにおける基準位置RPの鉛直方向真上の、ある高さの部分を路面βに投影した際のカメラ俯瞰画像CBPb上にあり、基準位置RPからの距離がLsの点である。
点P912は、図14及び図15に示すように、要注意立体物MSSにおける基準位置RPの鉛直方向真上のある高さHの部分を路面βに投影した際のカメラ俯瞰画像CBPa上の点であり、基準位置RPからの距離がLfの点である。
また、図14に示す点P913は、結合境界線RL上にあって、該点P913の基準位置RPからの距離がLcの点である。
また、点P914は、基準位置RPから上記点P901へ向かって引いた直線上の点であり、基準位置RPからの距離がLtrg の点である。
点P915は、基準位置RPから上記点P902へ向かって引いた直線上の点であり、基準位置RPからの距離がLsrc の点である。
また、点P911と点P912とが基準位置RPに対してなす角度をφsrc とし、点911と点913とが基準位置RPに対してなす角度をφtrg とし、点P913と点P914とが基準位置RPに対してなす角度をθtrg とし、点P912と点P915とが基準位置RPに対してなす角度をθsrc とする。
ここで、圧縮合成領域R0において、画素値を決定すべき点P901の座標値Ptrg が与えられたとき、その画素値を決定するために参照すべき点P902の座標値Psrc を求める方法を説明する。
ステップS012にて、圧縮合成領域R0が決まると、基準位置RPを始点とする延長線ELa,ELb上の点P912、点P911までの距離Lf,Lsが求まる。図15に示すように、Lfは、基準位置RPから、基準位置RPを基準とする高さHの位置がカメラ設置位置Paに設置されたカメラ2aによって路面βに投影される点P912までの距離である。また、圧縮合成領域R0と結合境界線RLとが決まると、上記角度φsrc ,φtrg の算出が可能となる。基準位置RPから結合境界線RL上の点P913までの距離Lcは、下式(1)により定義できる。
Lc = Ls - ( Ls - Lf ) × φtrg/φsrc …(1)
圧縮合成領域R0に合成されるべき画像は、前述の部分カメラ俯瞰画像CBPa’,CBPb’のそれぞれを圧縮合成領域R0の範囲に合うように圧縮することで生成される。圧縮合成領域R0における点P901の座標Ptrg の画素としては、部分カメラ俯瞰画像CBPb’において参照すべき点P902の座標Psrc を求め、その画素値が用いられる。
圧縮合成領域R0に合成されるべき画像は、前述の部分カメラ俯瞰画像CBPa’,CBPb’のそれぞれを圧縮合成領域R0の範囲に合うように圧縮することで生成される。圧縮合成領域R0における点P901の座標Ptrg の画素としては、部分カメラ俯瞰画像CBPb’において参照すべき点P902の座標Psrc を求め、その画素値が用いられる。
ここで、圧縮合成領域R0内の点P901と基準位置RPとを通る直線に対して、結合境界線RLが基準位置RPで成す角度をθtrg とすると、基準位置RPから長さLtrg だけ離れた点P914が得られる。ここで、Ltrg は、下式(2)で与えられる。
Ltrg = (Ls - Lc ) × θtrg /φtrg + Lc …(2)
続いて、基準位置RPと点P912を通る直線に対して、参照すべき点P902が基準位置RPで成す角度θsrc は、下式(3)で与えられる。
続いて、基準位置RPと点P912を通る直線に対して、参照すべき点P902が基準位置RPで成す角度θsrc は、下式(3)で与えられる。
θsrc = φsrc /φtrg × θtrg …(3)
また、点P915は、基準位置RPと、参照すべき点P902とを通る直線上の点で、基準位置RPから長さLsrc だけ離れている。ここで、Lsrc は、下式(4)で与えられる。
また、点P915は、基準位置RPと、参照すべき点P902とを通る直線上の点で、基準位置RPから長さLsrc だけ離れている。ここで、Lsrc は、下式(4)で与えられる。
Lsrc = (Ls - Lf ) × θsrc /φsrc + Lf …(4)
参照すべき点P902の座標Psrc は、下式(5)によって算出される。なお、座標値Ptrg ,Psrc は、2次元のベクトルと考える。
参照すべき点P902の座標Psrc は、下式(5)によって算出される。なお、座標値Ptrg ,Psrc は、2次元のベクトルと考える。
Psrc = R × Lsrc / Ltrg × Ptrg …(5)
ここで、Rは、以下の2行×2列の回転行列である。
ここで、Rは、以下の2行×2列の回転行列である。
上記回転行列において、θd は下式(6)である。
θd = θsrc -φsrc - θtrg + φtrg …(6)
上記ステップS015では、以上の回転行列を用いて、部分カメラ俯瞰画像CBPb’の各画素を回転させることで、部分カメラ俯瞰画像CBP’が圧縮領域Rbに含まれるように圧縮変形される。なお、部分カメラ俯瞰画像CBPa’の各画素に対しても同じ要領で圧縮変形される。
上記ステップS015では、以上の回転行列を用いて、部分カメラ俯瞰画像CBPb’の各画素を回転させることで、部分カメラ俯瞰画像CBP’が圧縮領域Rbに含まれるように圧縮変形される。なお、部分カメラ俯瞰画像CBPa’の各画素に対しても同じ要領で圧縮変形される。
このようにして生成された圧縮後の部分カメラ俯瞰画像CBPa’,CBPb’は結合境界線RLを境にして繋ぎ合される。
以上説明した処理により、本俯瞰画像生成装置1は、前述の共通領域F12にて重なり合う撮像範囲CAM0,CAM1を撮影する複数のカメラ2a,2bと接続される。このような共通領域F12における、立体物、特に要注意立体物MMSの消失が起こらない合成俯瞰画像MBPを本俯瞰画像生成装置1は生成する。また、上述の圧縮変形処理及び繋ぎ合せ処理により、要注意立体物MMSについては消失が防止されるため、車両αと、その周辺の要注意立体物MMSとの位置関係が把握しやすい合成俯瞰画像MBPを観視者に提供することができる。
なお、以上の実施形態では、要注意立体物MMSの検出を撮影画像CPa、CPbを用いて行っていたが、これに限らず、例えばアクティブセンサを用いて車両α周辺の立体物までの距離を測定し、測定結果を用いて要注意立体物MMSの検出を行っても構わない。
また、以上の実施形態では、要約すると、撮影画像CPa,CPbという原画像から、カメラ俯瞰画像CBPa,CBPbという中間画像を作成した後、合成俯瞰画像MBPが作成されていた。しかし、合成俯瞰画像MBPは、撮影画像CPa,CPbから直接作成されても構わない。
本発明に係る俯瞰画像生成装置1は、観視者が最も注意すべき車両周囲の立体物を把握しやすい合成俯瞰画像を提供することができる車両周囲監視装置として有用である。
1 俯瞰画像生成装置
2 撮像部
2a,2b カメラ
3 マッピングテーブル格納部(MPT格納部)
4 マッピングデータ作成部(MPD作成部)
5 立体物検出部
6 カメラ俯瞰画像生成部
7 合成俯瞰画像生成部
8 表示装置
α 車両
β 路面
2 撮像部
2a,2b カメラ
3 マッピングテーブル格納部(MPT格納部)
4 マッピングデータ作成部(MPD作成部)
5 立体物検出部
6 カメラ俯瞰画像生成部
7 合成俯瞰画像生成部
8 表示装置
α 車両
β 路面
Claims (5)
- 共通領域にて重なり合う複数の撮像範囲を撮影する複数のカメラと接続され、各カメラからの撮影画像を使って、車両の周囲状況を表す合成俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成装置であって、
車両周囲の立体物を検出する立体物検出部と、
各前記カメラの撮影画像に基づき前記合成俯瞰画像を合成する合成俯瞰画像生成部とを備え、
前記合成俯瞰画像生成部は、
前記立体物検出部により検出された立体物に基づき、生成すべき合成俯瞰画像において、前記共通領域に相当する領域に含まれる圧縮合成領域及び結合境界線を導出する導出部と、
各前記カメラからの撮影画像から、前記導出部で導出された圧縮合成領域に相当する部分を、複数の部分撮影画像として切り出す切出し部と、
前記導出部で導出された圧縮合成領域を結合境界線で区分した圧縮領域に、前記切出し部で切り出された各部分画像を圧縮して変形する圧縮変形部とを含む、俯瞰画像生成装置。 - 各前記カメラの撮影画像毎に視点変換されたカメラ俯瞰画像を生成するカメラ俯瞰画像生成部をさらに備え、
前記合成俯瞰画像生成部は、前記カメラ俯瞰画像生成部により生成された各カメラ俯瞰画像に基づき合成俯瞰画像を生成する、請求項1に記載の俯瞰画像生成装置。 - 前記圧縮合成領域は、各前記カメラ俯瞰画像において、前記立体物検出部により検出された立体物が路面に投影された方向への延長線により定義される、請求項2に記載の俯瞰画像生成装置。
- 前記結合境界線は、前記車両の所定位置から、前記立体物検出部により検出された立体物へと延びる線である、請求項2に記載の俯瞰画像生成装置。
- 前記立体物検出部は、前記車両に最も近い立体物を、要注意立体物として検出し、
前記導出部は、前記立体物検出部により検出された要注意立体物に基づき、前記共通領域に含まれる圧縮合成領域及び結合境界線を導出する、請求項1に記載の俯瞰画像生成装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008319245A JP2010147523A (ja) | 2008-12-16 | 2008-12-16 | 車両周囲の俯瞰画像生成装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015133367A1 (ja) * | 2014-03-07 | 2015-09-11 | 日立建機株式会社 | 作業機械の周辺監視装置 |
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-
2008
- 2008-12-16 JP JP2008319245A patent/JP2010147523A/ja active Pending
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